めぇでるコラム
さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>★★私立幼稚園編(9)
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「めぇでる教育研究所」発行
「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
第21号
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私立幼稚園編(9)
幼稚園に関する情報は、各園のホームページをご覧ください。ここで紹介する
情報は、説明会や過去のホームページなどから得たものが中心になっているこ
とをお断りしておきます。
立教女学院短期大学附属幼稚園 天使園
武蔵野の面影を残す井の頭公園の近くの高台に、立教女学院の広大なキャンパ
スがありますが、天使園は正式には裏門になる坂下門を入ったすぐ左側の、短
期大学の瀟洒(しょうしゃ)な学び舎の中にあります。
本園は、1970年(昭和45年)、キリスト教聖公会の精神に基づいて、幼児
の健全な発達を目指した保育を行い、あわせて本短期大学教育・研究施設とし
ての役割を担っています。
一人ひとりの子どものよさを伸ばすために、4歳児組、5歳児組共、合計男女
約20名の、少人数による保育を行っています。
よりよい保育の実現のために、幼児教育科の教員が研究活動を行い、保育運営
に関わるなど、本園教諭と連携しています。
大学内の幼児教育研究所では、広く地域社会に奉仕するために、どなたでも参
加できる土曜講座(年10回程度)や、保育者のためのステップアップ講座を
開催しています。
詳しくは、立教女学院短期大学のホームページ、図書館/施設のページをご覧
ください。
天使園とは
天使園では、「神様に愛されていることを信じ、自らの道を歩める人に」とい
う保育理念のもと、教育目標として、
○心豊かな子ども
○友だちと遊びを楽しむ子ども
○考えたり工夫したりする子ども
の3つを挙げて、「キリスト教保育」「少人数保育・チーム保育」「遊びを中
心とした保育」の3つの柱を立てて、保育に取り組んでいます。
○ キリスト教保育
祈りの時を大切にし、周囲の世界と自分のつながりを感じ取り、相手の立場に
立って物事を考える力を育てます。
○ 少人数保育・チーム保育
少数の温かい雰囲気の中で一人ひとりが自分らしさを発揮しながら、互いのよ
さを認め合える関係を育てます。オープン施設における少人数という特色をい
かし、教員は十分な連携のもとで全幼児の理解を共有し、異年齢のかかわりを
大切にします。
○ 遊びを中心とした保育
遊びを通して人と関わる喜びや自己を表現する喜びを味わうことができるよう、
教員は適切な環境の構成を行い、遊びの充実を図ります。
幼児の主体性を育むためには、幼児の生活に即した教師の計画性が問われます。
長期の見通しを持って遊びの充実のための環境の構成を考えます。
自由保育が始まったのは平成4年。それ以前の駆け出しの頃、一斉保育時代に
説明会でうかがった話ですが、「監視や強制ではない保育」という言葉には、
新鮮な響きがあったことを今でも覚えています。文言は正確ではありませんが、
こうおっしゃっていました。
幼稚園生活は、毎日が、決して楽しいことばかりではなく、様々なことが起こ
りがちで、悔しい思いをする時もあり、そういった時には自ら友達とのかかわ
りを考え、工夫し、友達のよいところを見つけることが出来るような環境を作
っていきたい。監視や強制ではなく、子どもが先生を必要とした時、適切な助
言ができるように心がけています。
立教女学院高校から立教大学への進学は、以前は推薦制度(60名)でしたが、
2004年(平成16年)度からは、一定の要件を満たした進学希望者は、全
員進学できるようになりました。
さらに本園の園児が、立教女学院小学校を受験する場合、優先入学の特権や推
薦制度はなかったのですが、2008年(平成20年)度から、推薦で入学で
きるようになりました。
小学校と同様、制服はありません。
自家用車での通園は認めず、通園時間は40分程度が目安で、遠距離の通園は、
歓迎されていないようです。参考までに、小学校の通学時間は約1時間以内で
す。
学院内には、創立当初からある聖マーガレット礼拝堂と小学校が改築されたと
きに設立された聖マリア礼拝堂がありますが、以前、小学校の説明会は聖マー
ガレット礼拝堂で行われていましたので、入ったことがありました。古色蒼然
たる礼拝堂で、宗教の香りが漂っている感じがしたものです。現在、杉並区の
指定文化財となり、部外者は入れないそうです。
【募集人員】 満4歳児 男児・女児 合計約20名
【Q&A コーナー】はありませんが、中・高のホームページに、以下の説明
があります。
よくある質問
Q キリスト教主義の学校とはどういうことですか?
A 教育は人格の完成を目指しています。キリスト教の学校はこの課題をキリ
スト教に基づく教育によって達成しようとしています。それは聖書に示された
イエス・キリストの愛を中心にすべての学校教育が行われるということです。
自分を愛するように隣人を愛する、そういう人間になってほしいと思います。
そのために、礼拝・土曜集会・ボランティアなどが大切にされています。
Q 今までキリスト教とは無縁だったのですが大丈夫ですか?
A ご心配ありません。もともと私達の学校はキリスト教と無縁であった人の
ために始められました。学校生活の中で、少しずつキリスト教のことも身につ
くようになります。大切なことは初めて出会ったときの驚きや戸惑いを忘れず、
そこから学んでいこうとする姿勢です。ご家庭でも学校の教育方針に理解をも
っていただきたいと願っています。保護者のための聖書の勉強会なども用意さ
れています。 (平成27年3月31日現在のホームページより)
川村幼稚園
幼稚園には男の子もいますが、小学校から大学院まで、女子だけの別学で、宗
教色のない総合学園です。
登園時のJR山手線目白駅は、三つの幼稚園、本園と学習院幼稚園、日本女子
大学附属豊明幼稚園の園児たちの姿を見ることができます。おもしろいことに、
学園内で、もっとも駅から近いのが中学、高校で、体力的に弱い園児は、短大
と中高の校舎の間を歩き、学園本部前を通り、小学校の前を経て、区立目白児
童館の前を通って、やっと到着する一番奥にあります。
大学と大学院は、千葉県の我孫子市にあります。
本学園は、1927年(昭和2年)に開設され、学園の創立者、川村文子が掲
げた「感謝の心」と「女性の自覚」の教育理念が、脈々と受け継がれています。
【教育目標】
「感謝の心」をもとにして、みんなと仲よく元気よく やさしい心を持てる子
どもになりましょう。
○ 豊かな「こころ」
○ のびやかな「こころ」
○ 工夫する「あたま」
【教育目標達成に向かう取組】
◇ 集団の中で伸びやかに
感謝の心を大切にした情操教育を基本に、日々の指導にあたっています。(言
葉で理解させる指導は難しいので、成長してから園での生活を振り返り、納得
してもらえればと思っています。例えば、順番を守ったり、「貸して」「どう
ぞ」ということを集団生活の中で自然な流れで導くことにより、子ども達は、
生涯大切にするべきルールを素直に学んでいきます。また、)園での経験が家
庭生活に反映されるケースも多くあります。本人・家庭・園の三位一体の教育
を大切にしています。
( )内は現在のホームページは掲載されていません。
◇ 初めの一歩を緩やかに
親から離れて初めての集団生活を開始する「初めの一歩」であることを念頭に、
ゆったり、あったかな場を整えています。子ども達の心の安定をはかるととも
に、個々の到達段階をよく見極めた援助をし、元気に一人で活動する力の確か
な基礎作りをしています。
◇ 行事を通して健やかに
日本に伝わる伝統と、その中にある礼儀を体得するとともに、季節や自然に気
づき、大事に思うように、より多くの行事を日常保育に取り入れています。ま
た、友達との協力や達成感を味わい、その過程で自分の存在や自分を支えてく
れる人の存在を知ることで、落ち着きのある豊かな心を持ち合わせた子どもを
目指します。
「感謝する心」といった情操面の教育、礼儀作法や言葉遣いは、幼児期に身に
つくものです。これらは、決して幼稚園の先生方にお任せするものではなく、
ご家庭でご両親が、責任を持ってしつけるものです。
「躾」という字は、「身を美しくする」から成り立っています。また「仕付け」
とも書きますが、これは「服などの縫い目を正しくするために、仕付け糸で縫
い、仮に押さえておくこと」ですが、押さえておくことで、きちんと縫えるわ
けです。この「押さえ」こそ、ご家庭の教育方針であるべきではないでしょう
か。また、「“しつづける”がつまって“しつけ”になった」という解説を本
で読んだのですが、うっかり題名と著者名を書き損じてしまい、勝手に転用さ
せてもらい著者には申し訳ありませんが、これもわかりやすいですね。
その具体的なカリキュラムとして実施されているのが「蓼科修養会」です。
団体生活の訓練と精神教育を目的として、昭和36年から始まり、年長組が7
月に2泊3日の予定で、学園の蓼科山荘で行われていますが、ここにも3つの
柱があります。
○豊かな自然に触れ、自然を愛する気持ちを養う。
○集団生活を通して、自主的態度を助長する。
○規律を守る習慣を身につける。
2泊3日、父母のもとを離れて生活する、確実に何かをつかめる三日間となり
ます。これは子ども達だけではなく、子どものいない生活は、ご両親にも素晴
らしい体験になるはずです。
本園のことではなく一般的な話ですが、夏に行われているお泊り保育などで泣
くのは、男の子が多いそうです。過保護になっていると、こうなりがちです。
入園後は、お泊り保育などでの様子を聞いておきましょう。お子さんを客観的
に見る大切な機会だからです。
また、本園の特徴に、「行事を通して健やかに」とありますが、節分や七夕と
いった日本の伝統ある行事が、幼稚園や保育園のイベントとして行われている
傾向にあるだけに、ご家庭でもお子さんと一緒に楽しんでほしいということで
はないでしょうか。
園庭には、四季を楽しめる草木や花があり、笹は七夕祭り、薄(すすき)はお
月見に利用しているそうです。都内では薄を見るのも珍しくなっているだけに、
園児が楽しく遊ぶ姿が目に浮かぶようです。かつての車のコマーシャルではあ
りませんが、幼児期は「物より思い出」が大切です。幼児期の楽しい思い出は、
季節折々の年中行事で楽しむことから生まれるのではないでしょうか。
「教育の三本の柱」と「三本」が掲げられていますが、これも訳ありでした。
学園の「三羽の鶴」の徽章(きしょう)は、三つの玉は川村の川を、鶴は「尊
厳の崇高」「平和と愛の心」「豊かさ」「永遠の向上」を表し、「三」という
数字は、古来古今東西を通じて基本的な数であるから「三羽」となり、中央で
真っ直ぐ進もうとする鶴が「園児・児童・生徒・学生」で、それを左右から支
え導いている鶴が「保護者・学園・教員」を表し、この三者は学園生活では、
何れも欠くことができない関係を表しているそうです。
女子は、小学校へ原則として、全員進学できます。
ホームページの「Q&A」のところに、こういったものがありました。
Q 子どもが考査中に泣いてしまったら不合格でしょうか
A たとえ泣いても会場に入っていただければ、泣いている原因とその状況を
みながら判断しています。
「泣いたら不合格になる!」といううわさもありますが、本園は心配ありませ
ん。
幼稚園の受験は、「親のもとを離れても楽しいことがある」を体験しているかが
ポイントになるのですが、それでも受験生は幼児ですから、何が起きるかわか
りません。こういった配慮は、親としてありがたいですね。
「幼稚園で遊ぼう」などのイベントや説明会の日程は公表されています。詳し
くはホームページをご覧ください。
【募集人数】 第1回 3歳児男女 30名 4歳児男女 15名
第2回 3歳児男女 若干名 4歳児男女 若干名
(平成27年度の募集人数です)
【Q&A コーナー】 Q&A
★日常生活について
Q:通園時間に制限はありますか
A:通園時間に制限は特に設けていませんが、通園は保護者の方にお願いし
ています。東京都内はもちろん埼玉県、千葉県、時には神奈川県から通う園児
も在籍しています。
Q:幼稚園と保護者の連絡はどのようにとっていますか
A:毎日の送迎の中で日々の報告を行っています。また、月1回園だよりを発
行しています。
5月と12月、その他必要に応じて保護者会を開き、7月・12月には個人面
談を行っています。
Q: 給食はありますか
A: あります。給食の他に、週に一度水曜日をお弁当の日としています。毎
月のメニューを検 討するため、教職員・管理栄養士による委員会を開催し、
行事食や旬のものを取り入れ、材料の産地を確認した上でメニュー作りをして
います。
★入園考査について
Q: 事前にある保護者面接はどのようなものですか?
A: 保護者の方に、ご家庭のことやお子様のことなどを質問しながら、愛情
豊かに育っているか、また入園後、園とご家庭との協力関係が上手くできるか
どうかを推し量るためのものとお考えください。
Q: 入園考査で行う「心身発育状況・健康面からの総合審査」はどのような
ものですか?
A: 子どもらしい安定した月齢相応の基本的なことができるか、また、集団
生活に対応できるかどうか、さらに園生活を営む上で、運動機能等に支障がな
いかなどを見ています。
Q: 早生まれが不利になることはありますか?
A: 上記にありますが、一人ひとりの月齢を加味して全体の試験を行ってい
ます。
Q: 子どもが面接で泣いてしまったら不合格でしょうか?
A:(省略)
Q: 子どもの面接は個人面接、集団面接のどちらですか?
A: 集団面接です。
Q: 男の子も入園できるのですか?
A: はいできます。
(平成27年3月31日現在のホームページより転載したものです)
(次回は、桐蔭学院幼稚部、湘南白百合学園幼稚園についてお話しましょう)