めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★[6]推理・思考に関する問題(2)

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        「めぇでる教育研究所」発行
「2024さわやかお受験のススメ<小学校受験編>」
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2024年度入試(2023年秋に実施)を成功に導く手引きです。
          ★第36号★
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この時期になると、説明会が開催されます。直接学校に訪れ、学校情報を得た
り、雰囲気を感じたりできる貴重な機会です。昨年までは、コロナウィルス感
染症の関係で、多くがオンラインでの開催でしが、今年からは主に来校型での
説明会となっているようです。
 
☆説明会報告-日本女子大学附属豊明小学校
<6つの教育活動の特色>
 「表現活動」「交流」「教員の数と質」「成績表がない」「英語、ICT、
 実物教育、自学自動、言語表現」「一貫教育」
大学の電子顕微鏡を使っての観察や大学の教員による指導など、要所要所で一
貫教育のメリットを教育活動に取り入れている様子が伝わってきました。また、
言葉は正確ではありませんが、「小学校の時代は、大きな木の根や幹を育てる
段階で、はやく枝を伸ばそう、はやく葉をつけようと急いでしまうと栄養が十
分に行き渡らない。いずれきちんと育ってくれると思うからこそ、小学校の6
年間をそれぞれの子どものペースに合わせながら、その子の良さを引き出すこ
とができている。」というお話は一貫校の良さを上手に表現されていました。
 
本校の求める児童像、家庭像の中で「子どもに過不足ない愛情を注いでいる家
庭」という説明がありました。「過不足ない」ということがポイントですね。
なかなか難しいと思いますが、お子さんのためです。
 
最後に校内見学。
渡り廊下に飾られた図画工作の時間に作った作品、絵画の全員分の展示・掲示
は、数も多くて圧巻。教育の特色を体現しているなと実感。
螺旋階段のある図書室は天窓から光が差し込み、子ども達にとって居心地の良
い空間に違いないと感じました。
 
 
 
★★入試問題を分析する★★
 
 [6] 推理・思考に関する問題(2)
 
[図 形]
 
重ね図形、回転図形、対称図形などですが、かなり難しいですね。問題集を買
ってきて、「さぁ、やるぞ!」方式は失敗しがちです。まず、保護者がやって
みましょう。やってみるとわかりますが、折り紙やセロハン紙、それとA4位
のビニールでできている袋や書類入れ、画用紙などを用意しておくと役に立ち
ます。遊びの感覚を忘れないことが大切で、特に女の子は、推理の問題を苦手
としがちですから注意しましょう。
 
 
★重ね図形
 
2枚の絵を重ねるだけですから問題なさそうですが、何事も実験することが大
切です。
1枚の紙にひまわりの花を描いて、それを透明な書類入れに挟み、今度は茎と
葉っぱを、その上に描かせます。
書類入れに挟んだ紙を引き出して比べると、2枚の絵に分かれていることがわ
かります。                
これを理解した後に、自分の好きな絵を、同じ要領で描かせます。 
面白がって描くはずで、上下左右、そのままに重なることがわかれば問題ない
でしょう。
 
 
 
★回転図形
 
言葉で説明すると、難しいですね。
こういった矢印[↑]を描いて、時計回りで実験すると、わかりやすいでしょ
う。
      ↑  →  ↓  ←   
      A  B  C  D
 
A がお手本です。これを90度回すとBになり、Bを90度回すとC になり、
Cを90度回すとDになり、Dを90度回すとAに戻るわけです。
もちろん、幼児の世界ですから、90度といっても理解できません。ですから、
90度、1回転は「カタン」で、180度、2回転は「カタン、カタン」と繰
り返します。回転図形にはかなり難しい問題がありますから、理解できるまで、
こういった矢印や上下の形が違っているものを使って、子どもと一緒にゲーム
の感覚でやることです。チューリップの花などを描かせてやってみるのも、い
いでしょう。
 
問題によっては、錯覚を起こしやすいですから、その場合は切り抜いて、条件
に合わせて動かし、どのように変化していくか、その様子をしっかりと確かめ
させましょう。大切なことは、上下、左右がどうなるかを見極めることです。
プリントをぐるぐる回す子がいますが、初めのうちはいいのですが、これが習
慣になると、推理する力はつきません。ただ、変化する様子を見つけているだ
けです。
 
この種のテストの目的は、推理・思考する力が、年齢にふさわしく培われてい
るかを判定する問題ですから、仕掛けが理解できれば、プリントを回すことは
やめて、考える力を養いましょう。
 
 
 
★対称図形
 
正直にいって難しいです。
大人でも音をあげたくなる問題があります。問題集先行型は失敗しがちです。
折り紙の出番ですね。はさみも使いますから、手先も器用になります。1枚の
折り紙を半分に折った背の側(山折りになっている側)に、図形などが描かれ
ており、それを広げた場合にどうなるか、それを推理する問題です。
 
半分に折った折り紙に、何回もかいては切る、この実験を繰り返し、対称を理
解することですね。
折った背の側にかかなければ、形はできてもバラバラ事件になります。まず、
これに気づかせます。雪だるま、クリスマスツリー、チューリップなど左右が
対称の絵から始めて、図形に移っていくのが無理のない方法です。
 
マスターできたら、四分の一に切った折り紙を使い、いろいろな対称図形を切
り取り、その両方をスケッチブックに貼りましょう。この貼り方にも、工夫が
必要です。
 
「手は第二の脳」でも詳しくお話しましたが、糊の使い方は難しいものです。
最初は、折り紙の上部左右の二ヶ所に、切り取ったものには上のところの一ヶ
所に、ほんの少しだけ糊を付け、貼る練習をしましょう。
繰り返し練習をすることで、糊の適量も、全体に薄くのばすこともわかってき
ます。これは、とても大切な作業ですから、家でしっかりと身につけてくださ
い。こういったことまで教室で指導を受けるのは、時間の無駄遣いと考えまし
ょう。
 
うまく貼れない場合は、箸の使い方、ボタン掛けなどの基本的な生活習慣にも、
影響が出ているのではないでしょうか。繰り返しますが、幼児の手作業は、脳
と運動機能の連携作業であることを思い出してください。制作の問題で、のり
を使うケースもあります。使い終わって手を拭く指示もあります。出題の意図
は、どこにあるか、明確ですね。
 
難しい問題もありますが、これも実験で克服できます。
半分に折った画用紙と、はっきりと色のつくクレヨン、赤色か黒色を用意しま
す。
 
折った画用紙の左側中央に矢印←を描いて、しっかりと色を塗ります。
そして、上の左端に三角▲、下の折り線のそばに四角□■を書きます。
きちんと塗らないと実験は成功しません。
そして、点線から半分に折って重ね、上からゴシゴシと擦ります。
これも、しっかりと擦らないと写りません。
そして、ひろげます。
まったく逆向きになるはずです。
矢印は→、上の左端の三角は右端に、下の□■は■□と、これも逆になってい
ます。
折り線に近い■は、逆になっても線に近く、線から遠い□は線から離れていま
す。
 
この実験で、位置や向きが逆になることを確かめて、問題に挑戦しましょう。
難しい問題は、半分に折った紙に、黒色か赤色で問題と同じように線を引き、
重ねて擦ります。
そして、どのようになったかを、子どもに説明させましょう。
口でいえないときは、まだ十分に理解していませんから、再び、実験です。
 
同じことですが、半分に折った紙に矢印を描き、カッターなどで切り、広げて
みましょう。 
 
左右が逆になっていることを確かめられます。
 
手先も器用になりますし、後で出てくる巧緻性にもつながっていきます。
これを十分に理解してから、問題に取り組みましょう。
「右側に折って重ねるのだから、左と右が逆になるの!」
こんな乱暴な説明をする保護者はいないと思いますが、言葉だけで説明しても、
わかりません。
まだ、左右の弁別もあやしいのですから、とにかく、実験を繰り返すことです。
 
スタンプの問題や湖に映った逆さ富士のように、水に映るとどうなるかといっ
た問題と一緒です。特に、スタンプの問題は、大人でも錯覚しやすいですから、
しっかりと実験をし、どのように変化するかを見極めることが大切です。
 
推理の問題は、いきなり問題集でやるのは、やめた方が賢明で、いたずらに混
乱するだけではないでしょうか。
 
まず、ご両親で学習し、理解をしておくことですね。そして、実験、実験の繰
り返しです。実験は、疑問を解決する楽しい学習であり、遊びの感覚で取り組
めますから、子どもたちも喜ぶはずです。
このことを忘れないでほしいですね。 
 
春休みの講習会が始まります。会員の方は、11月からの学習を確かなものと
し、さらなる飛躍へ。4月から通会を予定されている皆さん方は、「最初の一
歩を確実に」するために、講習会から始めることをお勧めいたします。頑張り
ましょう。
 
 
 (次回は、「推理・思考に関する問題(3)」 についてお話しましょう) 
 
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