めぇでるコラム
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>■よく受ける質問から
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「めぇでる教育研究所」発行
「2023さわやかお受験のススメ<小学校受験編>」
年長児のお子様をお持ちの方々へ
2023年度入試(2022年秋に実施)を成功に導く手引きです。
★第58号★
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★説明会情報★
<東洋英和女学院小学部>
入試説明会
日時 9月8日(木)10時、13時、16時(各250名)
申込 HPから申込
備考 2023年度入学希望者の保護者限定
いずれも詳しくはホームページをご覧ください。
雙葉小学校の説明会は、今年は学校での開催となりました。
渡部祐子校長、安蔵功教頭から教育方針や入試について説明がありました。
さて、その雙葉小学校の河野久仁子前校長の話で、受験される方には参考にな
るのではという話がありますので、紹介しましょう。ただし、文言は正確では
ないことをお断りしておきます。
学校生活は、競争の場ではなく、共に祈り、共に学び、助け合う場です。
「先生と子ども」「子どもと子ども」という関わり合いの中で、人間同士の
信頼関係を築き、自分が愛されることを感じながら、子どもの人間としての
成長を助けていくようにと考えています。一人ひとりの子どもが、人との関
わりの中で自己を表現しながら、その人らしく生きることができるように祈
っています。バラはバラらしく、スミレはスミレらしく、その人らしく生き
る。また、自分で自由に学び、決定することができる、責任の取れる人に育
てていこうといったように、子ども達が、これからの世界を支えていく人に
育っていくように願っています。
「バラはバラらしく、スミレはスミレらしく、その人らしく生きる」。「その
人らしく」は、自己中心ではなく、幼稚舎の「独立自尊」と同様「共生他尊」
の心です。
■よく受ける質問から
暑い夏休み、元気でお過ごしでしょうか。
この時期によくある質問からいくつかを紹介しましょう。
Q.慶應義塾幼稚舎の試験では、絵がうまく描けなければ合格しないそうです
ね。
A.「うまく描けなければ」という文言は、大人の考える絵に対する評価でし
ょう。
この考えが、子ども達を苦しめているようです。
入試で絵を描かせるのは、絵の巧拙、上手、下手だけを見ているのであり
ません。
大人は自分の考えを相手に伝えるのに、言葉だけで足ります。
しかし、幼児は、言葉だけでは不十分です。
言葉で足りなければ、体全体で表す身体表現も、大切なコミュニケーショ
ンの方法で、絵もその一つです。
自分で思っていること、考えていることを絵で表現したいのです。
子どもの絵は写生ではなく、イメージ、感じたことを描いていると思いま
す。
ですから子どもは、絵の巧拙にこだわらず、思い通りに、せっせと描きま
す。
そばで見ていると、本当に楽しそうです。
以前、幼稚舎が、画家が絵を描くときに使うイーゼルを立て、絵を描かせ
ましたが、当時の舎長は、その目的を「子ども達の表情を見たかった」と
おっしゃっていました。
ですから、一つの話を聞いたあとに、「この続きの絵を描いてみましょう」
といった問題に発展させ、子どもの感性を見ているのではないでしょうか。
「うまい」に越したことはありませんが、それが、子ども自身の感性では
なく、誰かに教え込まれたものであれば、評価されないと思います。
どなたがおっしゃったかわかりませんが、そういった絵を「大人の手垢の
ついた絵」というそうです。
「お子さんは、楽しく絵を描いていますか」
そうであれば、子どもらしい絵が描けていると思います。
学校の狙いも、そこにあるのではないでしょうか。
最近の傾向として、例えば、5~6人のグループに、模造紙1枚とクレヨ
ン1箱が用意され、「弁当の絵」「水槽の絵」などのテーマが与えられ、
相談しながら描くといった形式で出題されていますが、使いたいクレヨン
を他の子が使っている場合、何もしないで使い終わるまで待っている子が
いると聞きます。ポイントは「相談して」にあるのですが、お子さんは積
極的に参加できますか。
Q.1枚の絵を見て話を作るのが苦手なのですが、うまくなる方法はないでし
ょうか。
A.「うまくなる方法」などありません。
技術的なことを教えても、お子さんは、おそらく理解できないと思います。
1枚の絵から話を作るのは、本当に難しいものです。
絵を見ても、自分で体験をしたことがなければ、話せないのが幼児です。
まず、4枚ほどの絵からできている「お話作り」の問題からやってみまし
ょう。4枚の絵であれば、どういった状況か把握できるからです。
そこから話を作る方法を、自分なりに考え始めるものです。
最初は、つたない話になりがちです。
最後まできちんと聞いてあげ、できたことを褒め、それからおかしなとこ
ろは、「ママは、こう思うけれど、どうかな?」と、お子さんに考えるヒ
ントを出してあげることです。
「違うでしょ、こうなの!」では、お母さんの作品になってしまいます。
これを十分にやった後に、3枚の絵、2枚の絵に進み、そして1枚の絵に
挑戦しましょう。
苦手なお子さんには、「お母さん(お父さん)、あのね!」方式がいいで
しょう。
お母さんやお父さんに話しかけるように作ることです。
幼児の経験は、まだ狭いものですから、体験していないことを表現するの
は苦手です。
日常生活で、「ママ(パパ)、あのね!」と話しかけてきたときは、必ず、
聞いてあげましょう。
自分で体験したことを話す、これが話作りの基本でもあるわけです。
話すチャンスをたくさん作ってあげることが大切です。
なお、「お母さん、あのね!」方式は、某国立大学附属小学校で、作文の
時間に実践していた学習方法です。
Q.問題に取り組む時に時間がかかり過ぎるのですが心配ないでしょうか。
A.幼児には、問題集をやるときにも、さっさと答えるタイプと、じっくりと
考えて答えを出す二つのタイプがあるようで、イソップ物語の「ウサギと
カメ」の話から、前者を直感が働くウサギ型、後者をじっくりと考えるカ
メ型と考えることもできます。
難しい対称図形や回転図形の問題でも、ウサギ型は、4つの答えから正解
を選び出すのにも時間がかからず、カメ型は、慎重に取り組みますから時
間がかかります。一つ一つ検証して、答えを出しているからです。
おそらくお子さんは、カメ型のタイプではないでしょうか。
一つ一つ比べ、「これは、ここが違う」と納得しなければ、次の答えに手
を出せないのですから、むやみに急がすことはありません。
一度、仕組みや方法が理解できれば、スピードもアップします。
思考派のカメさん型は、小学校の中学年を過ぎる頃から、力を発揮し始め
ます。
考える力が育まれ、基礎学力がしっかりと身についているからです。
直感派のウサギさん型は、この頃に、一度つまずきますが、頭の回転の速
さから立ち直れます。
ですから、カメさんの場合は、時間がかかってもあせらせることなく、問
題は時間内に解くことを、少しずつ教えてあげましょう。
ウサギさんは、ひらめきだけに頼らず、正解であっても、他の答えはどう
して駄目なのか、その説明をさせましょう。
どちらもお子さんの大切な能力ですから、良いところを伸ばしてあげる、
賢いお父さん、お母さんになってほしいですね。
Q.文字や数字の読み書きは、できた方がいいと友達は言うのですが、やった
方がいいのでしょうか。
A.小学校の入学試験には、文字の読み書き、数字を使った計算はありません。
ただし、答えをイラストではなく、書いてある文字に印をつけるテストを
実施している学校もありますが、それは、その学校の方針ですから、受験
する方は、そのための準備が必要です。
また、暁星小学校でも、かつて年中行事と関係のある数字、例えば母の日
は5月ですから5に○をつける、記憶の問題でスクリーンに映った数字と
同じものに○をつける問題がありましたから、1月・正月、2月・節分、
3月・雛祭り、4月・花祭り、5月・子どもの日、母の日、6月・父の日、
7月・七夕、9月・お月見、10月・お祭り、運動会、11月・七五三、
12月・クリスマスなど、その月と数字がわかるようにしておきましょう。
やっていると思いますが、毎朝、カレンダーを見て、「今日は8月15日、
日曜日」というだけで、月日と曜日も無理なく覚えるものです。
ただし、数字を書く必要はなく、読めればいいでしょう。
文字は問題用紙に氏名を書きますし、靴を脱ぎ、試験が終わった後で靴を
履くときなど、書かれた名前を見て判断することもありますから、名前の
読み書きはできるようにしておきたいものです。
年長になる頃から、文字と数字を書きたがるようになりますが、その場合
は、正しい書き順を教えましょう。
自己流で覚えると、直すのに苦労するからです。
文字を書くことの得意であった子が、小学校へ入ってからことごとく直さ
れ、自信を失う話をよく耳にします。
数字は「0・5・7・8・9」、文字は「と・も・や・よ」、書きにくい「あ・お・
そ・ぬ・む・め」などです。
ただし、教える場合でも、テストで数字や文字で答えては得点にならない
ことを教え、約束してください。
ところで、お子さんは、ブツブツとつぶやきながら、昔話や童話の本を読
んでいませんか。「話の読み聞かせ」の効果です。話を記憶することで、
教えなくても、文字が読めるようになるのです。本を読んであげるのは、
大切な学習になっていることを忘れないでください。
以上の「Q&A」は当研究所発行の「さわやかお受験のススメ 小学校受験
Q&A」からピックアップしたものです。
詳しくは、ホームページをご覧ください。
夏はまだ続きます。「夏を制する者は秋を制する」ともいわれています。
無理は禁物ですが、頑張りましょう。
(次回は「願書の書き方」についてお話ししましょう)