めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>夏休みの過ごし方(2)

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         「めぇでる教育研究所」発行
「2023さわやかお受験のススメ<小学校受験編>」
      年長児のお子様をお持ちの方々へ
 2023年度入試(2022年秋に実施)を成功に導く手引きです。
          ★第55号★
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◯受験情報◯
 
■慶應義塾幼稚舎
2023年度1年生の入学試験は、2022年11月1日(火)~9日(水)
に実施します。実施の詳細については「2023年度1年生入学試験募集要項」
で説明します。
「募集要項」は、2022年9月6日(火)より9月30日(金)まで、幼稚
舎および慶應義塾大学三田キャンパス正門警備室にて、一部1,000円で販
売します。販売時間についてはHPでご確認ください。
2022年度 入学試験の志願者数は次のとおりでした。
志願者数 男子978名 女子 700名 計 1,678名
(慶應義塾幼稚舎のHP 7月22日より)
 
■暁星小学校
令和5年度生オンライン学校説明会
 申込期間 2022年7月15日(金)~8月7日(日)12:00
 配信期間 2021年7月31日(日)~8月7日(日)16:00
 
令和5年度生入試説明会
 申込期間 2022年7月15日(金)~8月26日(日)12:00
 開催日  2022年8月27日(土)9:00~、12:00~
 
■白百合学園小学校
学校見学会
 申込期間 2022年7月20日(水)~8月30日(火)17:00
 開催日  2022年8月29日(月)、30日(火)
 開催時間 9時~15時30分(入替制)
 
 
 
 
  夏休みの過ごし方(2)
 
 
前回に続き、夏休みの過ごし方についてお話しましょう。
 
 
3.観る力をつける
 
動物園、植物園、博物館、水族館、プラネタリウムなどを利用して、観ること
で名称、種類、性質、形、大きさ、色、用途などがわかります。
図鑑人間、驚くほどよく知っていますが、残念ながら大きさのわからない子が
います。
 
本物を見せてあげてください。
 
ただし、お子さんが興味を示さないときは、あまり効果はないでしょう。
「今度の日曜日は休みだから、水族館でも行こうか」ではなく、「パパ、ラッ
コってどうやって貝を食べるのかな?」といったように「かな?」の二文字が
ついたときは、何はさておき連れて行きましょう。
疑問の芽が、好奇心を刺激しているからです。
 
そして、観てきたことを絵日記に描ければ素晴らしいですね。
なぜなら、絵日記は、体験したことを思い出しながら、整理して、映像化し、
記録することですから、知的な訓練にもなっているのです。ただし、絵の巧拙
にはこだわらないようにしましょう。楽しく描けることが何よりも大切だから
です。
かつて、慶應義塾幼稚舎で、画家が使うイーゼルを立て、絵を描かせましたが、
その目的は「子ども達の顔をみたかったから」と当時の舎長はおっしゃってい
ました。夢中になって描いている子ども達の表情は「素晴らしい!」の一言に
尽きるからです。
 
似ているところ(類似点)と違っているところ(差異点)を見つけ、話をさせ
ることも大切です。
言葉は、実際に話してみなければ、どうにもならないからです。自分で考えた
ことを、自分の言葉で話す機会をたくさん作ってあげましょう。野菜(キャベ
ツときゅうり)、花(さくらと朝顔)、果物(りんごとみかん)、乗り物(飛
行機と客船)などの組み合わせです。お子さんの話したことで、妥当性がある
場合は、正解です。
 
たとえば、「自転車とオートバイの違うところをいってください」の問題のと
き、「仮面ライダーはオートバイに乗るけど、自転車に乗って来ない」
といった子がいましたが、お父さん、お母さんはどう対処されますか。
 
「テレビのせいだ!」と怒りをあらわにする前に、とりあえず間違いではあり
ませんから、まず、その考えもいいけれどとうなずき、「仮面ライダーを知ら
ない外国の人にお話ししてわかるかしら?」といえる保護者になってほしいの
です。すると、お子さんは、自分の考えを認めてもらいましたから、人力と動
力の差に話が進むはずです。まず、認めてあげ、それから、正解に導いていく
ことが大切です。
 
皆さん「花火と雪だるまの似ているところ」について、子どもがどんな答えを
言うのか想像してみてください。
 
さて、話を戻しましょう。
 
朝顔やひまわり、家庭菜園で栽培した野菜などの観察絵日記(成長過程や咲い
た花の数、色、葉の形など)を描いてみましょう。成長の変化に気づく目が育
ちます。
 
また、種まき、発芽、葉、花、種といった成長の過程を観察することで、科学
的にものを学ぶ姿勢も養うこともできます。
郊外の畑では、ナスやキュウリの小花を見せてください。鮮やかな紫色と黄色
の花にびっくりするのではないでしょうか。
 
また、幼児用のプールや風呂を利用して、浮くものや沈むものを実験してみま
しょう。
スイカは絶対に浮かないと思っている子がいますが、お子さんはどうでしょう
か。迷っている時は実物で実験するしかありません。最近は、小さなスイカ、
小玉スイカが出回っていますから見せてあげましょう。
 
水がいっぱい入っているビンと少し空気が入っているビン、フタがしてあって
中に何も入っていないビンの実験など、興味を示すはずです。
 
磁石につくものを探してみましょう。アルミ缶とスチール缶では、「うん?」
となるはずです。砂場で磁石を入れるのも面白いので、実験してみましょう。
しかし、「コンセントなどに近づけると危険ですから、使う場合は目を離さな
いで、終わったら手の届かないところへ片付けるようにしましょう。
 
前号で取り上げた「折り紙を磁石で持ち上げる問題」ですが、折り紙の下にク
リップなどを置くと持ち上げることができます。
 
 
 
4.絵を描くことに興味を持たせる 
 
絵を描くことを嫌う子が増えていると聞きますが、事実なら困ったことです。
絵は、言葉や身体表現と同様、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感が受けた
刺激から観察力が働き、記憶したことがらを表したものといえます。
幼児の描く絵は写生ではなく、イメージ化したものと考えてあげましょう。
 
「絵は心の窓」ともいわれています。
 
お子さんの、心境が表れているのです。
絵の巧拙にこだわる必要はありません。
お子さんが、描けた絵を見ながら話を弾ませる、よい聞き手に徹することです。
お子さんが、絵を描くときの顔を見たことがあるでしょうか。楽しそうに描い
ていれば、心配ありません。先程の舎長の話ではなりませんが、夢中になって
描いているときの表情は、楽しそうで、素晴らしいものだからです。
 
 
 
5.ものを作る意欲を育てる
 
最近の入学試験でも、制作は重要な課題の一つになっています。
「折る、塗る、切る、貼る、組み立てる、結ぶ」は、幼児教育の基礎、基本で
すから、当然なのですが、知的なトレーニングに力を入れがちではないでしょ
うか。
 
「手は第二の脳」で詳しくお話しましたが、たとえば、つぼ型の容器に入った、
ふたのついた糊には、教育的な配慮がなされています。
左手で持ち、右手でふたに付いている取っ手を上にあげないとふたは開きませ
ん。
適量をとらなければなりません。少なければはがれやすく、多ければベタベタ
になります。
まんべんなく塗るには適量をとり、左手で紙を押さえ、右手で、のびろのびろ
と丁寧に塗らなくてはなりません。
そして、ふたを閉め、手を拭きます。
汚れた手をきれいにするのは、清潔感を身につける基本的な生活習慣の一つで
す。
スティック型の糊は、粘着力もあり、手も汚れませんが、大切な作業を省いて
います。
体験しない分、不器用になるということでしょう。家庭では、ふたつきの糊を
使ってほしいですね。
 
セロテープの使い方、適当な長さに切れない。切って貼るのではなく、必要な
分を切り、そして貼るといったように「切る」と「貼る」の作業を分けてみま
しょう。はさみの使い方、紙の折り方、ちぎり方、こういった作業がスムーズ
にできないと、制作は面白くないでしょう。
 
得意な子ども達は、お父さんやお母さん方が、こういった作業の重要なことを
理解し、こまめに自分で扱う機会を作っていると思います。
 
また、材料となる箱や、紙コップ、モールやリボン、もしかしたら、穴あけパ
ンチなども用意しているのではないでしょうか。
苦手な作業は、じっくりと時間をかけ、出来るようにしてあげましょう。
 
通っている教室にお任せだけではなく、家でも制作に励んでください。
 
折り紙は、巧緻性と記憶力を高める大切な遊びです。
かつて、暁星小学校の入学試験で5個作らせたことがありました。
簡単なものを、丁寧に折ることが大切です。雑に折ると、出来栄えも悪く、そ
れが子どもたちの興味をひかない原因になっているからです。
折り紙の得意な子は、姿勢もよく、物事を丁寧にする習慣も身に付いていると
いえます。
 
粘土遊びも大切な作業です。
砂場で遊ぶ機会が少なくなっているようですから、せめて、粘土で造形のおも
しろさを体験させておきたいものです。
「子どもの頃、砂場で遊ばなかったためか、最近の学生は、塑像作りが苦手の
ようだ」と東京藝術大学の彫刻科の教授がおっしゃっていたそうです。
折り紙と同様、立体作りは、子どもにとって楽しい学習になっていることを忘
れてはいけないと思います。
 
ここで問題です。
 
小さなみかんほどの粘土の塊があります。これを3つの同じ大きさの丸い形に
作ってください。
 
丸い粘土の塊を粘土板の上で、手で押さえながら棒状に伸ばし、それを3等分
して丸めると、ほぼ同じ大きさの丸い塊を作ることができます。お母さんと一
緒にクッキーを作ったときに教わった子が、実際にやって見せてくれたことが
ありました。
     
ある年のこと、3つに分けた塊を一つに戻した時、「先生、1+1+1=1に
なりますね」といった子がいました。皆さん方は、どう説明しますか。分数の
基本です。「量の保存」を思い出してください。
 
手先の作業として、輪ゴムつなげやクリップを長くつなげる遊びは、頭の疲れ
ているときなど、気分転換にもなります。
 
 
 
6.身体を動かし、体力と持続力を育てる
 
ボールつき、縄跳びは、バランスを必要とする全身運動です。
広い場所もいりません。目標を決めて、できるだけ長くできるように挑戦させ
ましょう。お父さん、お母さんと共に頑張ったことが試験に出れば、一所懸命
にやらない子はいません。持久力や耐久力もついてきます。
 
加えて、散歩に連れ出し、歩くことの楽しさも教えてください。車中心の生活
では、足腰が鍛えられず、スタミナ不足では、我慢する力も育ちません。
クーラーのある快適な生活は、半面、汗をかかない不自然な環境でもあるわけ
ですから、汗をかく運動は、ぜひ、行ってください。
 
そして、教室へは、電車で通いましょう。お子さんと電車に乗ることで、歩く
ことで、たくさんのことを学習できます。電車内で時々見かけますが、お子さ
んと一緒の時は、スマホを見るべきではなく、対話の楽しさを味わうべきです。
スマホをほしがる小学生に聞くと、「パパ(ママ)だって、見てるもん!」と
答える子が多く、「ママが見ているから面白いに違いない」と思っています。
「何が面白いの?」と聞くと「ゲーム」ですから、子どもの見ている時にゲー
ムなどすることは極力控えたいですね。
 
しっかり観察されていることを肝に銘じておきたいものです。何事も、親が手
本です。
 
また、お母さん、お子さんと一緒に歌を歌い、踊りましょう。お父さんでもい
いですね。
身体表現をやってください。楽しい思い出が残っていれば、試験場でお子さん
も一所懸命にやります。
 
男女問わず必修科目と考えましょう。
盆踊り大会があると思いますが、お父さん、お母さん照れないでお子さんと一
緒に踊ってください。特に男の子は、恥ずかしがり屋が多いですから、その鎖
を切ってあげましょう。
と言っても、これも新型コロナウイルス感染症の影響で実施されないことも多
いでしょうから、代わりに親子で「動物変身ごっこ」をしてみましょう。
 
この夏は、お子さんの負担になる旅行はさけ、秋に備えて健康管理に留意して
ください。
そして、起こしてならないのは事故です。ちょっとした油断が恐いのです。
親として、監視の目(管理の目ではありません)は、絶対にゆるめないことで
す。
 
夏休みの講習会も始まってきています。楽しく通えることが第一で、そういっ
た雰囲気を作ってあげましょう。毎日学ぶことから身についた学習習慣を、家
庭でも楽しくできるように、うまく利用することです。
 
そして、苦手な領域は、時間をかけて理解できるように、決して感情的になら
ずに、気持ちを落ち着け、「ゆっくり、じっくり、しっかり」を目標に、お子さ
んと共に頑張ってください。
 
 
3でお話しした「花火と雪だるまの似ている点」ですが、子どもから、「花火
は消えて、雪だるまはとける。両方とも形が残らない」という答えがありまし
た。素晴らしい着眼点ですね!
 
 
(次回は、「今年の説明会」についてお話しましょう)
 

 

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