めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>3歳ごろは、どうでしたか

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2020さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第4号
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3歳ごろは、どうでしたか
 
お母さんに手伝ってもらわなくても、自分でできることが増えたのではないで
しょうか。
パジャマも着られるようになり、ボタンのかけ外しに興味を持ち始めませんで
したか。
靴も、はけるようになりましたね。
はしも使えるようになったのではありませんか。
いちばん違ってくるのは、お母さんの手伝いを嫌うことではなかったでしょう
か。
自分でやりたがる、そうではありませんでしたか。
2歳の終わり頃から、控えめでしたが反抗的にもなってきました。
それが、はっきりと態度に現れるのが、3歳児の特徴です。
反抗期です。
でも、反抗期は、子どもが成長していく証拠です。
標的は、残念ながらお母さんなのです。
しかも、子どもたちも遠慮しないで、はっきりとやります。
頭に血が昇って、カッーとなったこともあったでしょう。
血相を変えたこともありましたね、お母さん……。
でも、耐えました。
なぜ、でしょうか。
 
「ママ、手伝わないでね、自分でできるから!」
(「まだ、無理ですよ」)お母さんには、わかっています。
お母さんの予想通りに、できません。
ものの見事に失敗します。
でも、お母さんは、
「ママがいったでしょう。まだ、できないのよ、あなたには!」
こんなこと、いいませんでしたね。
「一人で、できるように頑張りなさいね!」
こういって励ましたのではなかったでしょうか。
これが、子どもにとって、どんなに心強かったか……。
このことです。
失敗しても叱られません。
叱られないどころか、頑張りなさいと励まされます。
「お母さんって、やさしいな!」
これです。
ここから、相手を思いやる気持ちが生れます。
思いやりです。
お母さんのやさしいこの一言が、お子さんの心の中に、相手を思いやる気持ち
を育んでいくのです。
 
そのことを考えずに、
「あんたっていう子は、生意気いって、できないじゃないの! ママには、わ
かっているの、まだ無理なのよ!」
とやってしまったら、どうなるでしょうか。
失敗を恐がって、自分からやろうとしませんし、手を出さなくなります。
こんなときのお母さんは、本当に恐いです。
言葉にも遠慮はありませんが、顔も遠慮せずに、キッパリと怒っています。
どうして、子どもを怒るときのお母さんは、無防備になるのでしょうか。
怒っている時、急いで鏡を見てごらんなさい。
自分でもびっくりしますよ、夜叉……、いや、いうのはやめておきましょう。
 
自分では、できると思っていたにもかかわらず、できなかったことで、相当、
自信をなくしているはずです。
気持ちが沈んでいるところへ、きつい追い打ちの言葉です。
気をつけないといけません。
言葉の暴力は、遠慮なしに、グサリと、土足で、お子さんの心に入りこみます。
「あなたなんか、もう知りません!」
はっきりいって、これはキョウハク、脅迫です。
見離されるのですから。
世の中でいちばんやさしくしてほしいお母さんに、こういわれたら、子どもは
泣くしかありません。
これで、相手を思いやる心は育つでしょうか……。
 
しかし、しかしです。
しばらくすると、「ママ!」といって、お子さんは、そばに来るでしょう。
これが不思議です……。
お父さんが、お母さんのように、理性を置き忘れて、声を張り上げて怒ってご
らんなさい。
子どもは、寄ってきません、恐がって。
本当に、不思議です。
お腹を痛めないと、こういう親子の強い絆は、できないのでしょうか。
 
しかもです。
お母さんは、ほんの少し前まで、柳眉を逆立て、怒っていたのにもかかわらず、
そんなことあったのかしらと、涼しげな顔をして、
「のどが渇いたわね。アイスでも食べましょうか!」
などと、ニコニコしながらいうのですから、これまた不思議です。
どうです、お父さん方、こういう親子関係、どう考えますか。
お母さんの影響力は、絶大なのです。
お母さんは、このことを忘れてはいけません。
忘れきっているお母さん、結構いますね。
子どもは、お母さんの持ち物ではありません。
勘違いしたら、恐い話です。
感情的になって、むやみに叱り飛ばさないでください。
受験準備、特に、知的な領域の問題に関しては……。
子どもに代わって、お願いしておきます。
 
それはともかくとして、いろいろなことをやってみたい意欲と結果は、いつで
も、アンバランスな答えと、結果が伴いがちです。
でも、お母さんは、ここでも忍の一字です。
来年から幼稚園です。
手のかかる子は、幼稚園でも歓迎されません。
3歳は、親のもとを離れて、一人で生活を始める準備期間です。
つまり、自立が始まるときです。
母親という母港から、船出をすることです。
といっても、いきなり大海原(おおうなばら)へ出かけるわけではありません。
お母さんの目の届く範囲内で、チョロチョロ出ては、サッと帰ってくる、小さ
な冒険と考えたらいいでしょう。
冒険は、実験です。
実験は、試行錯誤の積み重ねです。
子どもは、納得するまでやります。
 
たとえば、このようなことはありませんでしたか。
ティッシュペーパーの箱から、ティッシュを引き出すことです。
親は、いたずらだと思って叱ります。
その場はやめるのですが、親がいなくなると、またやり始めます。
「いたずらしたら、駄目だといったでしょ!」
と声を荒げて注意しても、親がいなくなると、また、始めるのです。
これには、腹も立ちます。
「何回、いったらわかるの!」
切れます、さすがの我慢強いお母さんも。
しかし、子どもには、ちゃんとした目的と理由があるのです。
これは、いたずらとは違います。
どうして、次から次へとティッシュパーパーが出てくるのだろう。
どんな仕掛けになっているのか知りたい、それだけなのです。
1回、全部出させてみましょう。
納得したら、もうしません。
それでもするのは、いたずらですから、これは、きちんと叱るべきです。
好奇心が旺盛になり、探究心の結果か、それともいたずらか、よくわからなく
なることが起きがちです。
この見極めも大切です。
 
そして、「褒めるべき時は褒め、叱るべき時は叱る」、これは、子育ての鉄則で
す。
あいまいにしてはいけません。
しかし、お母さん方の褒め方、うまいとはいえませんね。
できて当たり前と思っているお母さんがいます。
「隣のケンちゃん、もっと前からできていますよ!」
こういわれたお子さんは、どのような気持ちになるか考えてあげましょう。
比較してはいけません。
比較するなら、誕生日をきちんと頭に入れてすべきです。
早生まれのお子さんには、特に注意が必要です。
子どもが何かをやり遂げたことは、精一杯の努力をしているのですから、そこ
を認め、きちんと褒めてあげましょう。
褒められればうれしいですから、次に挑戦する意欲も培われます。
 
このようにして、一つ一つ納得づくで、問題を解決していくのですから、時間
がかかるのも仕方がないでしょう。
何しろ、目に入るもの、耳に聞こえてくるもの、肌で感じること、手で触った
こと、口で味わったこと、興味の対象全部に、
「何だろう?」
「なぜだろう?」
「どうなっているのだろう?」
とやっていくのですから、考えてみたら、これは大変なことです。
ものすごい勉強をしているわけです。
しかも、親や先生から、「勉強しなさい!」といわれてやっていることではなく、
自分自身で、自発的に取り組んでいるのです。
体のどこから出てくるのかわかりませんが、盛んに指示が出てくるのでしょう。
自分でも、どうなっているのか、わからなくなる時があるようで、時々、ボー
ッとしています。
 
しかし、自分から進んでやっているのですから、ものすごいことです。
育児書に「自発性」と書いてありますが、これです。
 (次回は、「自発性、芽生えてきましたね」についてお話しましょう)

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