めぇでるコラム
2016さわやかお受験のススメ<保護者編>★★創刊号
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「めぇでる教育研究所」発行
2016さわやかお受験のススメ<保護者編>
~紀元じぃの子育て春秋~
「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
豊かな心を培う賢い子どもの育て方
-創刊号-
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情報教育歳時記 日本の年中行事と昔話
「人生は、出会いと別れの綾なすもの」ともいわれていますが、素晴らしい出
会いを、手軽に実現してくれるのが読書ではないでしょうか。永田久先生の書
かれた「年中行事を『科学』する」(日本経済新聞社 刊)は、私にとって貴
重な出会いの一冊で、初めてお目にかかったのは平成元年でした。年中行事を
系統立てて紹介する本はないかと探していた眼の中に、こんな活字が跳び込ん
できた時には驚きました。
今まで何となく季節折々の行事として、祭りとして、生活とあまり関係のない
イベントとして、行事を見る習慣がついている若いお父さん、お母さん方に、
行事の由来やそれに関係のあるむかし話を紹介し、興味を持っていただき、育
児に取り入れることができれば、幼児期の心をはぐくむ教育に、よい影響を与
えるのではないかと考えていたのですが、この本が解答を示してくれました。
門松も、菱餅も、クリスマスケーキも、年越しそばも、そのもとを尋ねてみる
と、いずれも自然と共生するための、貴重な教えになっているではありません
か。その心は、「感謝」です。
「有難い」と素直に頭を下げることが少なくなっているように思えてなりませ
ん。感謝を忘れると大人は傲慢になり、子どもはわがままになりがちです。自
己中心的な考えしかできない大人や、自分のことしか考えない子ども達が多く
なったのも、共に生きるためのルールを守らないからであり、いじめは、その
最たるものではないでしょうか。
文部科学省の調査(2014年10月16日公表)によれば、小学校でのいじ
めは11万8805件、2年連続で過去最多を更新したと報告しています。い
ろいろと原因のあることは承知しています。ただ幼児教育に携わってきた一人
として思うことは、「やってはいけないことがある」という誰でも守らなくては
ならないルールや、「弱い者を労わる思いやる気持ち」などは、自立が始まる
3歳頃から自律心を養う6歳頃にかけ、きちんと学習すべきことですが、これ
がおろそかにされているような気がしてなりません。
なぜ、子どもの頃に、むかし話を読み聞かせる必要があるのでしょうか。その
答えは、「桃太郎」一冊を読むだけでもよくわかります。幼い子ども達の情操
を培いながら、勧善懲悪をきちんと学べる大切なエッセンスが、楽しく生きる
ための心の糧となるヒントが、巧みに取り込まれ、心に染みる言葉で、やさし
く語りかけているからです。心をはぐくむばかりか、話を聞く姿勢も身につき
ます。小学校の受験でもっとも大切なのは、話を聞く力があるかどうかにかか
っています。そのことも本メールマガジンの重要な目的の一つですが、その理
由は本文で詳しくお話しいたします。
ところで、「桃太郎」「花さか爺さん」「かちかち山」「さるかに合戦」「舌
きりすずめ」は、日本の五大おとぎ話といわれていますが、お子さんに読んで
あげているでしょうか。年中行事を祝うのも、むかし話を楽しむのも、家族と
いうもっとも小さな集まりでのイベントであり、幼児期には絶対に欠かせない
団欒のひと時です。こういったことを、ご両親が率先して楽しまれている家庭
は、素晴らしいと思います。それが家庭の文化だからです。家庭の文化は、ご
両親の育児の姿勢が表れたもので、そこから情操豊かな子ども達が育っていく
のです。
価値観が多様化し、anything goes、何でもありの世の中から、
家庭の文化を築くことがないがしろにされているために、家庭教育の低下が始
まったのではないでしょうか。こういった傾向に歯止めをかけるには、子ども
達が小さい頃から、家庭の文化を築き上げることが大切だと思います。「三つ
子の魂百まで」は、幼児期に体験したことを土台に人格が形成されることを教
える先人の知恵なのです。
知識を詰め込むことに熱心な親より、豊かな情操を培うことに心を注ぐやさし
いご両親こそ、子ども達にとっては、そうあってほしい親の姿です。子どもと
一緒に年中行事を楽しみ、話を読み聞かせるご両親のもとから、「元気で、明
るく、素直な子」が育ちます。皆さん方のお子さんが受験する国立、私立小学
校の求める子どもは、「元気で、明るく、素直な子」で、知識を詰め込まれた
偏った指導を受けた子どもではありません。
本メールマガジンは、小学校を受験される子ども達の情操面を育み、合格の決
め手となる話を聞く姿勢を身につける一助になればと願い、発信するものです。
めぇでる教育研究所 所長 藤本紀元