めぇでるコラム
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>お子さん編
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「めぇでる教育研究所」発行
2018さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
(第60号)
年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★説明会情報★
9月9日(土)
東洋英和女学院小学部 午後1時 出願者対象の説明会
立教小学校(第3回目) 9時30分開始
光塩女子学院初等科 (第2回目) 10:15~11:30
公開授業は8時から 上履き持参
9月10日(日)
学習院初等科 入試説明会 10:00~11:00
入学試験要項(当日も販売)・参加票持参
場所は学習院創立百周年記念会館正堂(目白)
成城学園初等学校 (第2回目)10時開始 要 予約
9月13日(水)
田園調布雙葉小学校(第2回目) 10時開始 要 予約
※HPで、予約の有無、日時、持参するものなどを確認してお出かけください
お子さん編
ほとんどの場合、質問は、お子さんから始まります。
緊張をほぐすために、名前や生年月日、幼稚園(保育園)のことなどから聞く
ようです。
しかし、住所や電話番号は、通常、あまり聞かれませんから、うまくいえな
い場合があります。
そんな時、ほとんどの子ども達は、お母さんを見ます。
すると、お母さんは、
「東京都新宿区………」とやりがちです。
これはどうでしょうか。
住所や電話番号を、面接のために記憶させていると、こうなりがちです。
言えないと「減点される」と思っているのではないでしょうか。
ですから、答えなるものを、すぐに教えてしまうのです。
「ほら、迷子になったとき、どうする約束でしたか」などと、二人だけでわ
かるヒントを出せるお母さんであってほしいのです。
遊園地やデパートなどで迷子になったとき、何が頼りになるでしょうか。
名前と住所を言えば、すぐに探してもらえることを知っていれば、お子さん
も覚えるはずです。
自然災害を含め、緊急事態が発生した場合、電話は連絡に欠かせないもので
す。
いずれも、面接のために覚えることではなく、自力で物事に対応しなければ
ならない時のために、身につけておかなければならない知恵ではないでしょ
うか。
「幼稚園(保育園)は、楽しいですか。仲良しのお友達の名前を教えて下さい」
幼稚園が楽しく、友達がたくさんいれば、すぐに答えられるでしょう。
こういった質問からは、集団生活への適応力である社会性や協調性が育まれ
ているかがわかります。
幼児への質問は、日常の生活が中心となっていますから、難しい質問はない
はずです。返答に詰まったときは、「答えられなくてもよい」とは言いませ
んが、面接官が、ご両親の態度を見ていると思えばいいでしょう。
余計な口出しをせず、温かく見守り、お子さんがわかるヒントを出せる保護
者であってほしいのです。
その時には、面接官に、「よろしいでしょうか」と一言、確かめることもお
忘れなく。
絶対にやってほしくないのは、お子さんの回答を訂正することです。
親子面接の指導をしているときに、こういったことがありました。
「何人家族ですか」
「はい、5人です」
お父さんが、あろうことか、「えっ!」といって、少しですが、笑ったので
す。
「違うでしょ、4人ですよ」
お母さんが、あわてて、恐い顔をしながら、間違いであることを指摘しまし
た。
びっくりしたのは、答えたお子さんです。
これはまずいと思い、すぐに質問をしました。
「5人家族なのですね。では、どなたがいらっしゃるのかな」
「お父さん、お母さん、お姉ちゃん……、ぼくと……、ポチです」
お母さんを気にしながら、小さな声で答えました。
ポチは、いうまでもなく犬ですが、みんなでポチを可愛がっている様子が伝
わり、微笑ましいではありませんか。
犬を家族に入れたから、「常識外れで減点!」などと考えにくいことです。
あわてて訂正したお母さんこそ、「保護者として失格!」、マイナス点がつ
くと思います。なぜなら、その質問を境に、お子さんはそわそわし始め、そ
れまでの元気な姿が見られなくなったからです。
笑ったお父さんは、その後のお子さんの様子を見て、後悔したのは言うまで
もありません。
お子さんは、質問の内容を理解し、自分の言葉で、堂々と答えたのですから、
うなずいてあげるべきです。
お子さんの回答を訂正することはもちろん、笑うなどとは、保護者としてす
ることではありません。
お父さんに関する質問で、お子さんが困った顔になるのは、お父さんの仕事
です。
「お父さんは、どのようなお仕事をしているのですか」の質問に、「国家公
務員です」と「みんなのために役に立つお仕事です」との答えでは、どちら
が子どもの答えとして、ふさわしいでしょうか。
「サラリーマン」では、わかりません。
お子さんは、お父さんの仕事を、きちんと説明できますか。
こういった質問から、普段の親子関係がわかるとは言いませんが、仕事はご
自身の生きがいと考えれば、あだやおろそかに出来ないのではないでしょう
か。
「お父さんは、ぼく達のために一生懸命に頑張っているんだ!」
と思っていないお子さんは、いません。
「お子さんがわかるように、ご主人のお仕事を説明して下さい」といわれた
場合、どうお話ししますか。模擬面接でも戸惑うお父さん方が多いですね。
「お子さんがわかるように」が、難しいのです。お母さんにも同じ質問をし
てみると、どうしたわけか、ご主人以上に説明ができませんね。「主人には
感謝しています」などといっても、空々しく聞こえるだけです。
ご両親共に、お子さんにわかるように説明しておきましょう。
姿勢の崩れるお子さんもいます。
質問を聞きながら、足をぶらぶらさせたり、手を机の上に乗せたり、女の子
は、スカートを握りしめるなど、落ち着かなくなり、姿勢の乱れる場合があ
ります。
普段から、食事のときなど、だらしなく食べているお子さんは、その通りに
しますから問題外として、心配なのは、緊張のあまり、本人が気づかずに、
そのようにふるまうことがあるのです。
姿勢の乱れた姿など見たこともないお母さんは、びっくりしてしまい、あわ
てて手足をたたいたり、手を膝に戻したり、心配のあまり、膝をつねってし
まうお母さんもいます。もっとすごいお母さんになると、恐い顔をして、に
らみつけます。
これもどうでしょうか。
本人は緊張しきって、無意識にそういった動作をしているにすぎないのです。
何もしなくてよいとは言いませんが、やはり、修正をしなくてはならないで
しょう。
これはいいなと思ったお母さんがいました。
「タロウくん、足が笑っていますよ」
と、やさしくいったのです。
気づいた本人は、お母さんを見て、手で頭をかくような仕草をし、照れ笑い
しながら、腰を少し前に進めて、足をしっかりと床につけ、手はお膝になり
ました。
お母さんは、「申し訳ありません」といった気持ちを表すかのように、軽く
会釈をしたのです。
見事でした。
お子さんが緊張した場合、どのようなことをするか、よくわかっていて、椅
子に浅く腰掛けて訂正する方法を、親子で体験済みだったのでしょう。
これが保護者の役目ではないでしょうか。
また、本人の質問が終わり、ご両親の番になると、今度は緊張感から開放さ
れ、退屈になり、姿勢の崩れることがあります。
模擬面接のときに、男の子には、「お父さんやお母さんがお話をしている間
は、手をひざに置き、背を伸ばして聞いているのが、一番、かっこいいのだ
よ」、女の子には、「一番、かわいいのですよ」と話しています。
「じっとしているんですよ!」だけでは、ほとんど効果はありません。
親が話をしているとき、終わるまで静かに待てる方法を考えてあげましょう。
昨年は、暁星小学校が、お父さんとお子さんがゲームをし、その様子を両親
に聞くといった形式で行われましたが、狙いは、3人が醸し出す雰囲気から、
日常生活の様子を判断したのではないでしょうか。つまり、面接のための定
番的な訓練は、「役に立ちませんよ」と言いたかったのではと考えますが、
さて、今年はどうなるでしょうか。
最後に、苦言を一言。
家庭学習で苦手な問題にとり組む時には、細心の注意が必要です。
繰り返しますが、幼児がわからないといった時は、本当にわからないのです。
お子さんがわかるように工夫してください。
「何でできないの!」といった不用意な言葉がけ、今までの自信を崩すこと
にもなりかねません。
お子さんが萎縮するようなやり方だけは、絶対に止めましょう。
幼稚園も始まります。夏の疲れが出やすい時、健康管理には、十分に気をつ
けてください。
(次回は、「ご両親の面接」についてお話をしましょう。)