めぇでるコラム
2015さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★今年の説明会より(1)
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「めぇでる教育研究所」発行
2015さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
(第58号)
年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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今年の説明会より(1)
◆入試情報◆
8月23日(土)、24日(日)恒例となった「東京都私立学校展 進学相談
会」が有楽町の東京国際フォーラムで開催されます。各学校とも質問コーナー
を設け個別に相談できるようになっています。詳しくはホームページをご覧く
ださい。
横浜雙葉小学校 学校説明会(平成26年6月21日(土)13:00-
15:05)およそ30年ぶりに訪問。川越から副都心線、みなとみらい線で
元町中華街へ1時間30分ほどで到着。駅は地下にもぐり景観がすっかり変わ
りびっくり。緑に囲まれた外人墓地の先に、昔と変わらない学び舎が懐かしく、
この辺は変わっていないなと妙に安心したものでした。会場ロビーで参加票を
記入するのに時間がかかり遅れて始まり、1時間の予定も30分ほど伸び、配
布した資料にミスがあるなど、久しぶりの説明会に先生や職員の方々も戸惑い
があったようで、翌日のHPにお詫びと訂正の記事が出ていました。
田中順子学園長は、「私とかなり世代の違う若い皆さま方に申し上げたいこと
が、中々まとまらずに苦労しました」の挨拶から始まり、文言は正確ではあり
ませんが、以下のような話をされました。
子育ては人間を育てる大変な仕事。教育というと学校で行われるものと思われ
がちだが、結婚し、子どもを授かり、神のもとで育てる育児も大切な教育、使
命と確信している。神の前で結ばれた固い絆のもとで、許し合い、助け合いな
がら、本当の愛が深まり、子を育てていくことが、もっとも大切な使命と考え
る。子育てを疎かにすることは、神のみ姿に似せて作られた、尊い人間になる
ことが歪められてしまう。人間らしく成長していくことが、子育ての役目だと
思う。私の言っていることは難しいと思われるかもしれないが、これは人間と
しての根本的な務めで、男性も女性も父となり母となることで成熟していくの
が、本来の人間の生きていく道ではないだろうか。
そのために大切なことは、第一に、豊かな愛情の中で愛を注いで育てること。
第二は、難しくなってきていると感じるが、あらゆることが進歩した社会の中
で、物も豊かに出回り、物を与え過ぎて、大切にしない子どもになってしまう
傾向にある。ゲームなども与え過ぎると、学習意欲をそいでしまい、物を大事
にしない子になる。人と人との触れ合いを中心にして、自然に触れたり、近所
や地域の人々との関わりを通じて、何が大切かを学び、子育てに生かしてほし
い。第三に躾、躾は3歳までと言われている。小さい時から他人に迷惑をかけ
ないように躾ける。子どもを大切に育てるために自己中心に過ごし、他人を思
いやらない子育てになっているのではないだろうか。
瀬戸内寂聴さんは、こうおっしゃっている。
「人間は生きている以上、何かしら自分を豊かにしなければならない。そして、
あらゆる面で心を鍛えなければならない。それには何が必要かというと想像力、
イマジネーション。想像力、私達は生まれた時から同じ分量を与えられて、こ
の世に生まれてきている。
ところが、ある時期に達すると、非常に想像力の豊かな人、欠けている人、あ
るいは少ない人が出てくる。これはなぜかというと、想像力を同じようにもら
っていても、それを育てなければならない。想像力に栄養を与えなければなら
ない。一番の栄養は本を読むこと。読書は、想像力を鍛えるには欠かせないも
のだ。想像すること、相手は何を思っているか、想像力を働かす、これが思い
やり。思いやりは愛。想像力、思いやり、イコール愛、そういうものだと思う」
と。
想像力を鍛えるには本を読む。本を読むことは想像力を鍛えるための栄養だか
ら、絶対に必要なことだ。お母さんは子ども達が分かっても分からなくても、
小さい時から本を読んであげる。お母さんが忙しいのならお父さんが字の読め
ない子に代わり読んであげる。これがとても大事なことだと思う。読んでもら
うことで、お父さんやお母さんが考えていることが分かってくるし、言葉を覚
え、想像力を養い、豊かな心が育っていく。今の子ども達には、話を読み聞か
せる、親の寝物語が少なくなっているのではないかと懸念している。皆さんが
親にやってもらっていた大事なことだから、こういったことは、大切に受け継
いでいくべきではないだろうか。
第4に躾の面で強調しておきたいことがある。公共の場での躾、これは大きく
なってはもう遅い。登下校のマナーも、その時になってからでは間に合わない。
子ども達までも自家用車で行動する生活ではあるが、小さい時から、今の時か
ら、習慣にすることが大事。周りの方に不快を与えないことは、誰もが守らな
ければならないマナーだから、小さい時からきちんと躾けることが大切だ。挨
拶にしても、ご両親が挨拶をしていれば、自然と真似をして身につくもの。不
快を与えない躾を、きちんと小さい時から養っていく。寂聴さんのいうように、
想像力を培い、思いやりの心を育てる。小さい時にしっかりとした躾をしてお
けば、うるさく言わなくても自立し、やがて自己責任において、ものごとを判
断できる子になっていくのではないだろうか。
わが子は、神から授かった賜りもので、個人の所有物ではないから、自分勝手
に育てるものではない。尊い一人の人格を持つ、自分と違う存在だから、その
子が持っている可能性を伸ばし、周りの人に良い刺激を与える子に育てたいも
のだ。これは私の長い人生で感じたことで、子育てを決して疎かにしないこと
が大切だと申し上げて起きた。
かなりのご高齢で、司会の先生の助けを受け演壇に登られたのですが、昔、こ
の講堂で聞いた話と重複するところがあり、もしかすると学園長は、当時、校
長ではなかったかと思いました。
想像力を培うのは読書、話の読み聞かせがいかに大切であるか、そして。入学
試験には、必ず「話の記憶」が出題されていることも納得いただけたのではな
いでしょうか。
聖心女子学院初等科の説明会には、今年はスケジュールの都合で参加できませ
んでしたが、おそらく、今年も同じ話があったのではないかと思いますので、
その一部を紹介しておきましょう。
大山校長は、女子校について、次のようにおっしゃっていました。
「女子校という環境で、何事も女子で実行している関係で、児童、生徒は自ら
の可能性に挑戦します。女子だからと自分の可能性を狭めてしまうのではなく、
一人の人間として、あらゆることにチャレンジし、女子としての可能性を引き
出していく、リーダーシップの機会に恵まれることが多く、これも女子校なら
ではのことではないでしょうか」
また、「初等科の教育について」、広瀬 眞一副校長から話がありましたが、
その中で、「学校側が望む子ども像について」、以下のような指摘がありまし
た。
・心身ともに健康で子どもらしさがある子。
・身の回りのことを自分できちんとできる子。
・人の話をきちんと聞ける子。
・じっくりと取り組む根気のある子。
・友達と仲良く過ごせる子。
・わがままをいわず我慢のできる子。
これらの子どもの姿に近づけるために、毎日の生活で大切なことは、
第一に、実際に体を動かし、いろいろな体験を積むこと。
第二は、心を安定させること。
むらがあり心が安定していない子どもは、周りに対して暴力的になる。子ども
本人が愛されている気持ちを感じることが大切。
第三は、他人を大切にすること。それも多くの人を。
親が他人を大切にすることを実現することによって、子は親の姿勢を見てまね
をするもの。
第四は、褒めて子どもを育てる。褒めることと甘やかすことは違うと考えてい
る。
第五は、規律正しい態度を育てる。
第六は、どんな時にも笑顔で挨拶をし、明るく返事をする。
第七は、過ちをした場合は素直に謝る。
最近の子ども達は、素直に謝ることができにくい状況にある。素直に謝ること
を大切にしていきたい。
日常生活は、いろいろな制約の中で営まれています。今話した事柄を日常の生
活の中で、大切に育てることが、親の使命ではないでしょうか。これらのこと
を含め、本校の教育方針を理解していただき、受験してほしいと願っています。
(平成25年6月29日(土) ソフィア バラ ホールにて)
終了して解散。
大山校長の話の中に、1年生から国語の辞書を使っている話がありましたが、
20数年ほど前に初めて説明会へ参加し、校舎を見学した時、1年生の各教室
に人数分(たぶん40冊)の辞書があるので、びっくりしたことを思い出しまし
た。
その時、校長先生は、「自国の文化を理解せずに他国の文化を理解できない」
と、英語だけ学ぶのは片手落ちではと話していました。
ミッション系の学校では、外国語を大切にしていると考えるお母さん方が多い
のですが、どこの学校も低学年時代から、国語をじっくりと学習しています。
日本人は考えるとき、当たり前ですが、日本語で考えます。
小学校から英語の授業、結構ですが、国語をきちんと学習しなければ、考える
力は育まれないのではと懸念しますが、皆さん方はいかがお考えでしょうか。
L・M・モンゴメリの小説「赤毛のアン」の翻訳で知られる村岡花子の半生を
描いたNHKの連続テレビ小説「花子とアン」、好評のようですが、原作を読
んだ時、日本語が実にデリカシーといいますか、翻訳ではなく、生きた言葉に
なっていることがよくわかり、後で知ったことでしたが、村岡花子は東洋英和
時代、短歌の佐佐木信綱門下に入り、短歌や古典の研鑽に努めたそうで、さも
ありなんと納得してものでした。
ところで、素人考えですが、聖心女子学院が導入した4-4-4制は、共学に
は適さない気がしました。
男女の発育の差が、邪魔になるのではないでしょうか。
立教小学校の田代教頭は、「男の子の方が心身ともに発育が遅いから、男子だ
けの方がゆったりと教育できる」と別学の良さ話していましたが、5年生から
50分授業ですから、男の子では、まだ無理ではないかと思ったからです。
ところが、埼玉にある開智小学校(開智学園総合部)では共学で4-4-4制
を導入しています。
何をさておき説明会にはせ参ずるべきで、情報収集の仕事をしている者がこれ
では、恥ずかしい限りです。(陳謝)
田代教頭の話が出たところで、今年の説明会での話を紹介しておきましょう。
教頭は話し方からして、大変な熱血漢であるとの印象を受けますが、おそらく、
子ども達から「金八先生」と親しまれているのではないでしょうか。
本校にはどんな男の子がいるか。男の子は単純で、雑駁で、ずぼらで、締まり
がなく、言葉遣いは悪いし、けんかは日常茶飯事だが、私は好きだ。
脳科学者の話だが、すべてに当てはまるわけではないが、脳の厚さは、女性は
11歳で最大になるのに比べ、男性は18ヶ月遅れるそうで実証されているそ
うだ。成熟差を中学生で比べると、1年半から2年間ほど遅れるそうだ。我々
教えていてもそれは感じる。
アメリカでは、1932年に公立校の男女共学を禁止していた。しかし、
2006年10月に法改正がなされ、公立校で別学、共学を選択できるように
なった。脳の発達や思考、得意分野の違いをまったく無視し、同じ条件で教育
したことに問題があるということで、別学が増えていく。
イギリスの研究者の話では、男女別学では、性別による固定観念を打ち崩しや
すいが、共学ではこれが難しいといっている。先程の校長の話では、歌を歌う
場合、共学では恥ずかしがってほとんど歌わない。男子校の合唱は一つの特徴
でもある。女子校では今はやりの「リケジョ」ではないが、数学や科学を好む
学生が増えてきた。別学では男子らしさ、女子らしさという固定観念がなくな
るのではといわれてきている。共学では逆に強調され、男女別学の良さが見直
されて来ている。アメリカの真似をするのが大好きな日本だから、文科省が力
を入れている中高一貫教育も、今に中高一貫男子校、女子校を作り出すかもし
れない、公立校の。我々は小中高大学までの一貫教育で男子校。皆さん方は、
すでに先見の明があるといえる。それを申し上げておきたい。18歳をこえる
と脳の成長の差はなくなるそうだ。小中高で男女が分かれていて、大学で共学
というのは理想的な制度で、手前みそながら何ですか……。
リケジョについては、国府台女子学院の平田史郎学院長も進学実績からその傾
向にあるとおっしゃっていましたが、「女子だけだからいいのです。共学にす
る考えはありません」と力説していた学院長、やはり科学的な根拠があったわ
けです。
もしかすると、公立校での中高一貫男子校、女子校の誕生は、案外早い時期に
実現するかもしれませんね。
盛夏、休養も十分取り、頑張りましょう。
(次回は、慶應義塾幼稚舎、雙葉小学校の説明会についてお話ししましょう)