めぇでるコラム
さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>ご家庭で伸ばせる基本的な能力開発(2)
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「めぇでる教育研究所」発行
「2017さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
第9号
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ご家庭で伸ばせる基本的な能力開発(2)
明けましておめでとうございます。
秋には吉報が届きますように頑張りましょう。微力ながら応援させていただき
ます。
初詣、お出かけになりましたか。
大きな門松をご覧になったと思いますが、文句なしに、すごい秘密が隠されて
います。植物界の代表が、勢揃いして正月を迎えているのです。ご存知でした
か。
○植物界
□花が咲き種を作る(顕花植物)
種が裸のもの………………裸子植物………………………………松
種が実の中にあるもの……被子植物 葉が1枚(単子葉類)…竹
葉が2枚(双子葉類)…梅
□花は咲かせず胞子で増えるもの(隠花植物)………………………裏白
(裏白は鏡餅の下に敷くもの)
松竹梅というと、寿司屋さんなどでは、「上中並み」と同じように値段を表す
ために使っていますが、こういう素晴らしい意味があるのです。本当に不思議
ですね。「なるほど!」と納得するだけではなく感動しませんか。昔から受け
継がれているものには、それなりの意味があるのです。
(拙著 メルマガ さわやかお受験おススメ 保護者編(10)号より)
本題に入りまして、前号の続きをお話ししましょう。
(5)推理・思考の領域
幼児の「推理・思考」は、「なぜ、なぜ、どうして?」と疑問の目を向けはじ
めることから始まります。
大切なのは、遊びです。
夢中になって遊んでいる子は、どうすればもっと楽しく遊べるかを工夫してい
ます。
「どういう遊びをしようかな。これをやってみよう。あまり面白くないな」
といったように、無意識の内に「計画し、実行し、評価する」ことを繰り返し
ているのです。
遊びに没頭できるのは、好奇心が旺盛だからです。
自分で考え、それを実現することで得る快感を、たくさん体験しているからで
す。
そこから、推し量る力、考える力などが育ってきます。
4から6ピース程のパズルなども、同じものをあきもせずに、繰り返し遊んで
いませんか。
それも、幼児には大切な学習になっているのです。
夢中になって遊んでいるときは、静かに見守るように心がけましょう。
(6) 観察力の領域
2歳になると模倣の時期に入ります。
模倣の基本は、ものを見る力、観察力です。
スプーンを上手に使えるようになるまでの過程を思い出してみましょう。
お母さんのお手本を見ながら、真似をしたのではありませんか。
目で見た情報が脳に伝わり、脳からどの筋肉を動かせばよいか指示が出ても、
うまく手先が反応しません。
再び観察して、新たな指令が脳から手先に伝わる、この試行錯誤の連続ではな
かったでしょうか。
五感をフルに活用し、脳に伝わった情報を、どのように処理すべきか、こうい
った高度な活動をしているわけです。
お母さんのやっていることを、じっと見つめていることが増えているのではな
いでしょうか。
そういった時は、お母さんの真似をしたいのですから、素振りが見えたら、
「ゆっくり、ゆっくり」繰り返し見せてあげることが大切です。
その際、「こうやって、ああやって」などの言葉はかけない方がいいでしょう。
まだ、動作と言葉の二つの情報を同時に処理するのは、難しい段階だからです。
「ゆっくりと丁寧に」を心がけてください。
(7)手先の巧緻性の領域
3歳ぐらいになると、はしが使え、ハサミも使えるようになります。
2歳の模倣の時期に、自分の意志で動かせる筋肉、随意筋を使うことを学習し
てきましたから、さらに、いろいろな筋肉を動かしたくなるものです。
ところが、現代っ子は、不器用と言われています。
子どもを取り巻く環境が、あまりにも便利になりすぎ、筋肉を使っていないか
ら発達しないのであれば、これは恐ろしいことです。
(6)で説明した五感でつかんだ情報を脳が処理し、さまざまな筋肉に伝え、
それを表現する訓練ができていない結果ではないでしょうか。
もっと手先を使う作業を、遊びや生活の中に取り入れてあげましょう。
紙を両手でちぎったり、ハサミで切ったり、シール遊びなどをやってみましょ
う。
折り紙も絶好の教材で、簡単なものをお子さんと一緒に折り、興味を示し始め
れば、きちんと折る習慣をつけたいものです。
積み木や砂場遊びも、格好な教材です。
泥んこ遊びは、お母さん方には、いやな遊びのようですが、砂から立体を組み
立てる想像力と創造力を駆使した、すばらしい学習になっています。
手や足が汚れた時、水で洗いきれいにするのは、清潔感を身につける、大切な、
大切な基本的生活習慣の一つです。
本来、泥んこ遊びや砂場遊びをいやがる子ども達は、いないはずです。
不器用さを嘆く前に、手先を使う機会を奪っていないか、チェックしてみまし
ょう。
(8) 表現力の領域
幼児は、興味を持つと、観察し、考え、それを表現しようとします。
表現方法も、言葉、身体、絵画、音楽、作文など、年齢や発達段階によりいろ
いろと変化します。
言葉は2歳前後から急激に増え、4歳前後から会話にも不自由しなくなるとお
話しましたが、身体表現も言葉が増えると無駄な動作がなくなり、幼児なりに
洗練されてきます。
問題は絵画、お絵描きでしょう。
線のなぐり書きから始まり、直線、曲線、円が描けるようになると、頭から手
足がニョキニョキと出ている絵を経て、身体が描けるようになっても、手は肩
から真っすぐに伸びたままの電信柱型であり、やっと人間らしくなるのは、年
長になってからではないでしょうか。
絵を描くのは、本当に時間のかかるものです。
このことを、よく理解して対処しなければ、お子さんは、絵を描くのを苦手と
するようになりがちです。
忘れてならないのは、お子さんの描く絵は、その時点で最高の作品であること
です。
その証(あかし)とは大げさですが、お子さんが何かを描いているときは、何
かつぶやきながら、いかにも楽しそうではないでしょうか。
巧拙にこだわらずに、楽しく表現しようとする意欲を培うことが大切です。
何が何だかわからない線や点のなぐり書きでも、何かを描きたい気持ちが働い
ていることを見逃さないようにしたいものです。
(9) 運動の領域
本来、子どもは、身体を目いっぱい動かして遊ぶことが大好きです。
しかも、全力をあげて取り組みます。
消費するエネルギーの量にこだわらないのは、この時期だけです。
小学生ぐらいになると省エネ運転に変わり、無駄遣いをしなくなります。
しかし、都市では広場が姿を消し、安全な遊び場が少なくなり、出生率の低下
から、同年齢の子ども同士が遊ぶ機会も減ってきているようです。
3年保育が過熱気味なのも、こういった背景があるのでしょう。
スイミング教室やスポーツクラブなどが盛んに利用されているようですが、子
どもにとって楽しいのは、何といってもご両親と遊ぶことです。
忙しいお父さんにとって休日は貴重な時間でしょうが、お子さんと一緒に健康
な汗を流しましょう。
大好きなお父さんと遊べば、楽しい雰囲気の中で運動能力を高め、使うべき筋
肉を鍛えることができます。
それが、お父さん方にとっても、気分転換にもなるはずです。
(次回は「保育の方針を知ること、これがはじめの一歩です」についてお話し
しましょう)