めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★[5]常識に関する問題(2)

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        「めぇでる教育研究所」発行
    2019さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            第34号
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★説明会情報★
 ◆本年度の説明会、始まりました。
  ●日出学園小学校 第1回説明会
    日 時 平成30年3月3日(土) 9:30~11:30
    場 所 学園 視聴覚室
    ※予約が必要です。詳しくはホームページをご覧ください。
     本年度の各種説明会・見学会の日程を、既にホームページに公表し
     ています。   
  
★説明会報告★
日本女子大学附属豊明小学校の第1回幼児教室対象学校説明会が、2月19日
(月)午前9時30分から11時まで行われました。難関校の幼児教室対象の
説明会は、平成26年5月の田園調布雙葉小学校以来、2校目ではないでしょ
うか。
授業参観後、「目指す児童像」「三綱領」「育む学びの心」などの教育方針、
説明会の日程、入試要項などを紹介。最近、「求める子ども像」を公表する学
校が増えていますが、「求める家庭像」も加え、以下のような説明がありまし
た。
 
◯求める児童像
 *愛情豊かに育てられている子(過不足ない愛情)
 *基本的生活習慣がしっかり身についている子
 *心身共に健康な子(自分で通学でき、自分で日常生活が送れる)
 *集団性、社会性が年相応に発達している子
 *生き生きとした意欲のある子
◯求める家庭像
 *保護者がお互いに協力し合っている家庭
 *子どもに過不足のない愛情を注いでいる家庭
 *社会の基礎単位としての役割をしっかり果たしている家庭
 *学校のめざす方向に協力する姿勢を持っている家庭
 
昨年、就任された光塩女子学院初等科の影森一裕学校長の話がホームページに
掲載されていますが、「過不足のない愛情」とは、こういうことではないでし
ょうか。
「過保護も過干渉も自由放任も程度問題です。それらは程度を変えて個々の場
面で必要なものです。ある時は十分に甘えさせ、ある時は強制したり自由にし
たりする必要もあるのです。子育ては『あれか、これか』ではなく、『あれも、
これも』なのです。どこかに偏ってしまっているなと反省したら、柔軟に軌道
修正できる子育ての知恵が必要です」
「合格の二文字」に心を奪われると、とかく偏った育児になりがちです。光塩
初等科のホームページをクリックしてお読みになることをお勧めします。
 
また、聖心女子学院初等科と同様、学童保育「JWU ほうめいこどもクラブ」を
はじめましたが、主に対象は1年から3年生までなど、詳しい情報はホームペ
ージをご覧下さい。
 
 
[5]常識に関する問題 (2)
 
[公衆道徳・躾に関する問題]
公園の中で、いろいろなことをしている子どもの絵を見て、やってはいけない
ことをしている子どもに×をつけたり、服を一人で着たり、後片付けができて
いない絵などから、自分一人でできた方がいいと思うものに〇をつけたりする
問題です。言うまでもありませんが、入学試験のために身につける知識ではな
く、しつけであり、マナーであり、基本的な生活習慣ですから、ご両親の育児
の姿勢、教育方針をみています。 
                                 
変なお母さんが増えています。電車に乗ると、子どもは、なぜか、外を見たが
ります。それは、いいのです。しかし、靴を脱がない子がいます。お母さんの
言葉、ショックでした。                 
「○○ちゃん、お靴脱ぎますか、脱ぎませんか?」           
「脱ぎたくないの」                         
「そうですか」                           
これで、おしまいです……!                    
おかしくありませんか。
着ている制服から、大学まである総合学園の幼稚園であることがわかります。
私の年代では、こういうことは考えにくいことです。親は、一貫教育制度のあ
る附属幼稚園に入れて、子どもの人生航路の設計図なるものを、小さい頃から
キッチリと引いてあげているにもかかわらず、他人様と共存して生きるために、
最低限必要なルールは、子どもの判断に任せていいのでしょうか。
いいわけはありません、これは逆です。         
人生航路は自分で開いていくものですが、しつけは親が責任をもって子どもに
身につけさせるものです。このような考え方を「子どもの自主性を認める」と
はいいません。放任です。親の責任を放棄していることに気づいてほしいので
すが、こういうお母さんが増えているようです。誰がかわいそうって、子ども
です。後で困るのは、子ども自身ですから。  
 
試験で電車の中で悪いことをしている子に×をつけても、実際に電車に乗って、
靴を脱がずに外を見ているのでは、おかしいと思いませんか。これは常識であ
り、守るべきルールです。知識として知っていても「実際にはできない」、ど
ういうことでしょう。  
これは知識と知恵の差です。                     
知識は知っているだけで、知恵は知っていることを実行する心の働きです。幼
児期の知識の詰込みは、こういう結果になりがちではないでしょうか。こんな
本末転倒なことを許していると、幼児の世界も、おかしくなります。 
 
「三つ子の魂百まで」は、幼児期に身につけたことは、大人になっても、その
まま受け継いでいくことを戒めた先人の知恵です。良い習慣をきちんと身につ
けてあげるのは、お子さんにとっても幸せであり、大切な財産になると思いま
す。「習慣は第二の天性である」と古代ローマの政治家、哲学者であるキケロ
も言っていますなどと、何も哲学者を出すこともありませんが、「大切だ」と
言いたいのです(笑)。
 
[その他の問題]  
果物や野菜を、縦や横から輪切りにしたものから、何であるかを推理する問題
もあります。
これも体験でしょう。子どもは、見えないところを見たがるものです。りんご
やみかんを食べるとき、ただ、皮を剥くだけではなく、縦や横に輪切りにして、
見せてあげましょう。喜びます。
野菜なら、ピーマンなどを切ってみせると、不思議そうに見ています。ついで
に、匂いもかがせてみましょう。玉ねぎなどは、涙を流しても見たがります。
 
私が現役時代、「どうしてレンコンはあんなにたくさん穴があいているのか
な?」と聞かれ、絶句したことがありました。普段、そんなことを考えません
ね、大人は。こういう疑問には、即座に答えてあげなくては、子どもの信頼を
裏切ることになりますから、家内に電話して、すぐ調べてもらい、事なきを得
ました。「レンコンの住んでいるところは泥の中で空気がなく、あの穴の中に
空気を取り入れ、それで呼吸しているのだよ。その穴は水の上に出ている葉っ
ぱとつながっていて、茎がちょうどシュノーケルの役をしているんだよ」と説
明できましたが、今はパソコンで簡単に調べられますから、お子さんが「なぜ
?」と聞いてきたときには後回しにせず、きちんと答えてあげましょう。 
                                       
そして、野菜や果物を水の中に入れ、浮かぶか沈むか、実験してみましょう。
「すいかは、絶対に浮かばない!」と思い込んでいるお子さんが、かなりいま
す。見たことがないのです。丸ごと一個のすいかを買う機会は少ないでしょう
が、お子さんが疑問を持ったときには、説明するより見せることです。
 
動物の足の絵から、その動物が何かを考えたりする問題もあります。        
かなり昔の話で、時効も成立しているはずですから紹介しましょう。さる国立
の名門大学の学生さんが、「鶏には足が4本ある」と真面目な顔で言い、話題
になったことがありました。見たことがないのです。      
幼児には、見せるしかありません。動物園の出番です。        
「今度の日曜日、ゴルフの予定もないから動物園に行くぞ!」
「……。」
お父さんの都合でお子さんに興味がない時に、動物園に行っても効果はありま
せん。
「お父さん、にわとりの足、どうなっているのかな?」
この「かな?」がついた時、子どもが興味を示した時が、絶好のチャンスです。
ジィーっと見ています、飽きもせずに。観察力だけではなく、集中力や持久力
もつきます。しかし、動物園に鶏、いるでしょうか、心配です。
 
我が家が川越へ越してきたのは、子ども達が幼稚園に入る頃でしたが、近所の
お百姓さんの庭には、放し飼いにしていた鶏がいました。長男は何が面白いの
か、毎日出かけて行っては、ジッと見ているのです。「パパ、ニワトリさんは
鳥でしょう。どうして、空を飛べないのかな」、これが不思議だったんですね。
お百姓さんに話したところ、一番元気のよさそうな鶏を抱き上げ、空へ放り投
げてくれたものです。羽をバタバタさせて飛びますが、すぐに着地してしまう。
「太っているから飛べないんだ!」と嬉しそうに答えたものでした。黙ってお
百姓さんが実験して見せてくれたことが、どんなに子どもにとって貴重な体験
であるか、教えられたものです。
その逆ですが、テレビのコマーシャルでペンギンが空を飛ぶ映像が流れた時、
「先生、ペンギンは、空を飛べないんですよね」と怒った子がいました。子ど
もは自分が知っていることと違ったことが起きると、許せないんですね。最近
は、牛が胡坐をかいている映像があったのを見て、先生方は困っているのでは
と心配したことがありました(笑)。
                                    
最後に、絵を見て話をする問題です。                   
これは、たくさん本を読んでもらっている子は、得意です。たとえば、かぐや
姫の絵だとします。読んでもらったことのない子は、話せませんね。本を読ん
であげることは、前に説明しましたから止めますが、言語の学習から情操教育
まで、大変な学習になっています。話を聞く姿勢ができている子は、本を読ん
でもらうことが好きです。しかも、本人もお母さんも勉強をしているとは思っ
ていません。教えない教育の成果です。しっかり読んであげましょう。読んで
あげられるのも卒園までです。一人で読めるようになるのも、後わずかだから
です。読めるようになると、もう頼みにきません。そうなると、お母さんの読
書時間も増えます。親の本を読む姿は、最高の教材です。読書の好きではない
お子さんは、やはり、ご両親もあまり好きではないようですね。  
             
テレビの内容にもよりますが、視聴時間の長さと教養の深さは、反比例するそ
うです。うまいことを言う人が、いたものですね、感心しました。こういった
お母さん方は、子ども達に、
「ゲームばかりやっていないで、お勉強をしなさい、お勉強を!」
と言いがちではないでしょうか。これでは、説得力などありません。
 
絵を見て話をする問題については、言語のところでお話しましたから、もう一
度ご覧ください。「お母さん(お父さん)、あのね方式」です。   
              
その他に、新幹線やブルドーザーなどの絵を見て名称と用途、花の名前と咲く
季節などをたずねる問題があります。昔話に出てくる「きね」「うす」「いろ
り」、雪国ではおなじみの「つらら」、「ほうき」「はたき」「ちりとり」と
いった昔の掃除道具三点セットなど、普段、目にしなくなったものには、出会
ったときにきちんと説明しておきたいものです。
 
2017年2月、千葉県私立小学校フェアで伺った話です。
暁星国際学園の学園長、田川茂氏は91歳。「親は教育に哲学を持ちなさい」
という話は、説得力がありました。お子さんにどのような教育を受けさせたい
か、これは学校選びの基礎、基本であり、「はじめに学校ありきではなく、ご
家庭の教育方針ありき」であるべきだということですね。「教育の道は家庭の
教えで芽を出し、学校の教えで花が咲き、世の教えで実がなる」とも言われて
います。「どんな花を咲かせるか」、素直に肯けました。また「哲学を学ばな
い者は、先生をしてはいけない」も痛烈でしたが、変な先生がいる時代、私学
が歓迎される理由は、こういったことにもあるのではないでしょうか。視力を
失くし殆ど見えないとおっしゃっていましたが、元気いっぱいの講演、その情
熱には心を打たれました。(感謝)
予定表を見ると、今年も先生は参加されるようで、25日(日)に再び話を伺
えることを楽しみにしています。
 
(次回は、[6]推理・思考の問題についてお話しましょう)
 

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