めぇでるコラム

2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>★★手は第二の脳 3★★

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         「めぇでる教育研究所」発行
2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2026年度入試(2025年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第13号
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★★手は第二の脳 3★★
 
●絵 画●
 
お絵描きは、歌や踊りと同様、子どもにとって大切な表現方法です。子ども達はお絵描きが大好きですが、これも生まれ月、月齢差が表れますから、このことを考えてあげなければ、発育状況に
そぐわない要求をしがちで、子ども達には困ったことになります。
 
まず、お子さんの絵の描き方を、思い出してみましょう。
 
2歳頃は、点や線のなぐり書きでした。
 
3歳頃から、円や四角らしきものが表われて、ある日、突然、頭から手足がニョキニョキ出ている絵を描き、やがて頭と体が分かれ、一応、人間らしくなりますが、手は電信柱のように、横に真
っすぐ伸びたままで、年長になった頃から手も下におり、やっと人間と認められる絵になったのではないでしょうか。
 
そして、必ずといっていいほど、お日さまが輝いています。
 
ここまで来るのに、4、5年かかる子もいますから、子ども達には大変な仕事でもあるわけです。
しかも、絵を描く作業は、促成栽培的に腕をあげることはできません。お子さんの生育史が、そのまま表れてくるのではないかと思います。
 
なぜ、小学校の入学試験に絵を描かせる課題があるのでしょうか。
 
ただ、単に、絵の巧拙を評価するためとは、考えにくいことです。
大人は、自分の考えを相手に伝えるのに言葉だけで足りますが、幼児は、それだけでは十分とはいえません。
言葉で足りなければ、体全身で表す身体表現も、大切なコミュニケーションの手段ですが、絵も、その一つです。
 
自分の思っていることを、絵で表したいのです。
 
ですから、子どもは、絵の巧拙にこだわらずにせっせと描きます。
そばで見ていると、本当に楽しそうで、こういうときの子どもの目は輝いています。
 
以前、慶應義塾幼稚舎が、イーゼルを立てて絵を描かせたことがありました。
評価のポイントは、初めてのことに積極的に取り組む意欲や行動力だと考えましたが、舎長は、ある雑誌のインタビューで「子どもの顔を見たかったから」と答えていました。
 
第8号でも紹介しましたが、思い出してください。
絵は、子どもの感性が、そのまま表れるものだと思います。
 
感性= 
(環境+五感が受けた刺激)×(好奇心+観察力)÷そしゃく力
 
また出てきました。おかしな式だと思われた方、私ども流ですのでご容赦ください。
しつこいようですが、感性とは、子ども自身が、与えられた環境の中で、自らの力で培ってきた、自前の能力だと言いたいのです。
ですから、親の思惑で、絵についていろいろと注文をつけ始めると、面白くない絵になるのではないでしょうか。それは、お子さんの自前の感性で描いた絵ではなく、第三者に教えこまれた絵だ
からです。どなたがおっしゃったのか定かではありませんが、それを「大人の手あかのついた絵」というそうです。
 
受験のためのお絵描き教室も、その一つではないでしょうか。
絵を描かせる学校が増えていますから、対策用のお絵描きです。
これもうわさの一つで真偽の程はわかりませんが、「テーマは秋」だとすると、10人が10人とも枯葉の舞う絵を描き、しかも全員、申し合わせたように葉っぱを黄色に描くそうです。
 
こんなことをしていると、子どもの感性は、おかしくならないでしょうか。
第一、子どもが落葉を見て、ホッとため息をついて、「人生、無常ですね!」などと枯葉の舞う様子を描いているとは、考えられないことです。
 
秋であれば、子どもが楽しみにしていることは、たくさんあるのではないでしょうか。
お月見、遠足で出かけた芋掘り、ぶどう狩りや運動会など、楽しい思い出が残っていれば描くはずです。
こういった噂は、本当に噂であってほしいものです。
 
自分の描きたいことを、自分流儀で描ければ、いいのではないでしょうか。ウルトラマンと戦う怪獣が、ものすごい勢いで、真っ赤な炎を口から吐き出している絵を見たことがあります。
 
画用紙全体を使って、迫力がありました。
 
子どもに聞くと、
「どんな武器を持っていても、ウルトラマンは、絶対に、負けないんだよ!」と興奮気味に話していましたが、「これだ!」と思いました。    
何だかよくわからない怪獣でしたが、口から出る怪しげな炎の色といい、鋭いつめの形といい、「あやうし、ウルトラマン!」の感じが、よく表れていました。
その子は、ウルトラマンは、天下無敵だと信じているから、こういう絵になったのでしょう。
ウルトラマンは、絶対に負けないと信じている子どもの気持ちが、素直に伝わってきます。
 
画用紙全体を使って描いているのも、いいですね。
 
これが、左右の端っこに、細かくコチョコチョと、何やらわからないように描かれているようでは、心配です。
しかも、色が黒や灰色などで、暗い感じのする絵では、真剣に、お子さんの置かれている環境を、早急にチェックする必要があると思います。
 
「絵は心の窓」ともいわれているように、子どもの感性は、鏡に映るように表れるからです。
 
また、絵を描きたがらない子が増えていると聞きますが、絵を大人の思惑で、評価しているのではないでしょうか。
そうだとすれば、かわいそうです。
子どもの描く絵に口を出さずに、のびのびと描かせてあげることが大切です。もし、お父さんやお母さんが、絵を描くのを苦手としていたら、なおさらのことです。
 
小学校側も、大人が考えるような、巧い絵を期待していないと思います。
その子に育まれている感性をみたいのです。
ですから、一つの話を聞いた後で、
「この話は、どのようになっていくと思いますか。それを絵に描いてみましょう」
といった問題に発展させ、子どもの頭の中をのぞきたいのです。
 
絵の巧拙だけを、見ているのではありません。
 
百人の受験生がいたら、百枚の違った絵が描かれるのではないかと思います。
 
逆を考えてみましょう。
もしも、百枚とも同じ絵だとしたら、マインドコントロールされていることではないでしょうか。
これは、恐ろしいことです。
過保護、過干渉では、子どもの感性まで、コントロールすることにもなりかねません。
 
「個性を伸ばしてあげたい」とお考えなら、子どもの感性を磨ける環境を作ってあげましょう。
専門家の先生にお叱りを受けるかもしれませんが、子どもの描く絵は、写生ではなくイメージ、想像力の集結されたものだと思います。
五感のアンテナを刺激してあげれば、感性は育まれるものです。
 
本を読んであげることからも、たくさんの刺激を与えることができます。また、日本には、恵まれた自然があり、四季折々の自然の変化を、五感を通して、きちんと身体にしみ込ませておきまし
ょう。
 
絵を描くテクニックより、ものを観る心の眼を育てることです。
小さい時こそ、本物に触れる機会をたくさん持つことが、大事ではないでしょうか。
そこから感性は育ってきます。
感性は、ご両親の作る環境で培われるものです。 
 
「お母さん、ぼく、絵描きさんになりたい!」
心の準備ができてからの絵画教室は、最高の教場になるはずです。
 
お断りしておきますが、「絵画教室が駄目だ」などと、そんなだいそれたことをいっているのではありません。プロの先生方に叱り飛ばされます。皆さん、お子さんの感性を大切にして指導され
ていますから、何ら心配ありません。
 
心配なのは素人の方、特に、お父さんやお母さん方が、お子さんの描く絵に注文をつけることです。
 
繰り返しますが、感性はご両親の作る環境で培われるものです。
 
最後に、お願いしておきたいことがあります。
 
それは、描いた絵について、何を描いたか聞いてあげることです。
それらしく見えなくても、何を描きたかったのかわかりますから、そこを褒めてあげましょう。
幼児が描いた絵は、その時点で、お子さん自身の最も優れた作品であることを忘れないでください。
 
 
 (次回は、「鍛えてほしい第二の脳4」についてお話しましょう)
 

 
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