めぇでるコラム
2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>お子さんは、朝起きてから寝るまで、どのくらいのことを自力でできますか。
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「めぇでる教育研究所」発行
2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>
現年中児のお子様をお持ちの方々へ
2026年度入試(2025年秋に実施)を成功に導く手引きです。
<第3号>
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お子さんは、朝起きてから寝るまで、どのくらいのことを自力でできますか。
まず、基本的な生活習慣のことです。
一言でいえば、「誰の世話にもならず、自力で生きていくために培われた、年齢にふさわしい適応能力」のことで、食事・睡眠・排泄・清潔感・衣服の着脱の5つが基本といわれています。
これは皆さん方が、今まで手がけてきたことばかりではないでしょうか。
おそらく、3歳頃からお子さん自身が自分でやる機会も増え、できることも増えていったと思います。
その時から賢明なお母さん方は、手を抜き始めたのではないでしょうか。
お子さんの自立の始まりです。
ですから、3歳を過ぎても子どものやっていることをみて、手を貸そうとすれば過保護であり、口を挟もうとすれば過干渉の育児になり、実際に手を貸し、口を出していると、いやな言葉ですが、超過保護であり、超過干渉の育児になりがちで、お子さんの自立は阻まれてしまいます。
お子さんを取り巻く環境はいかがでしょうか。
下に20項目あげてみましたが、早生まれのお子さんでは、まだ無理なことも入っていますし、今の時点でこれらのすべてが、きちんとできていなければいけないということではありません。
受験を考えていないお子さんの場合は、年長になる来年の4月をめどにして間に合いますが、受験されるお子さん方には、少し厳しくなりますが、幼児教室の新学期が始まる、今年の11月を目
安にして頑張ってみましょう。
目的は、自立心を養うことです。
幼児教室では、手のかかるお子さんは歓迎されませんし、入室テストで断られることもあるからです。
1.毎朝一人で起きられますか。
2.歯磨き、洗顔を一人でできますか。
3.風呂で体を洗い、洗髪できますか。※
4.衣服の着脱はできますか。
5.ボタンの掛け外しはできますか。
6.食事は一人でできますか。
7.箸やスプーンの持ち方に気になることはありますか。
8.食事に時間はかかりますか。
9.幼稚園へ行くときの準備は一人でできますか。
10.幼稚園から帰ってきたとき一人で着替えができますか。
11.外から帰ってきたとき、手洗い、うがいはできますか。
12.おもちゃ等遊んだものを片付けられますか。※
13.自分の身の回りの整理整頓はできますか。※
14.ハンカチやティッシュペーパーを使えますか。※
15.はさみで形の切り抜きができますか。
16.ひもを結べますか。(かた結び)※
17.靴をはくことができますか。
18.玄関で靴をそろえて脱げますか。
19.毎朝、決まった時間にトイレに行っていますか。
20.早寝、早起きをし、睡眠は10時間以上とっていますか。
※は無理をしないことです。
3の洗髪は、幼児には大事業ですから急がせる必要はありません。
毎年、年長の夏に2泊3日の合宿に出かけていた頃の経験ですが、いやがる男の子には、耳をしっかりと押さえさせ、シャンプーも少しだけつけてすばやく洗ってあげると、意外に「何だ、ぼくにもできる!」となり、合宿から帰ってきたわが子の変わった様子に驚かれるお母さん方がいましたが、怖がるからやらせなかった場合が多いものです。
7の箸を正しく持ち、他人の世話を受けずに食事ができることは、排泄と共に集団生活でも最も大切なことです。
立教女学院小学校の説明会で以前、「今年も箸を使うような問題が出たとしても、できるだけ速く物をはさみ移動させることを競っているのではなく、生活習慣としてみせていただきます」とお
っしゃっていましたが、箸をきちんと持って食事のできるお子さんは、筆記用具を正しく持てていますから、お父さん方、お母さん方の育児の姿勢、しつけがわかるわけで、決してタイムを争わ
せているわけではありません。
筆記用具の持ち方は書写の基本であり、小学校の勉強の初めの一歩につながる大切な適正能力です。「点図形模写」などの出題の意図はここにあるのです。
11は幼児にとっては難しい習慣で、これこそご両親がしっかりとお手本を見せることが大切です。
インフルエンザの予防のために、うがいを励行されたと思いますが、これが習慣になっているようですね。
「外から帰ってきた時は、手を洗いましょう」は、清潔感を身につける大切な習慣です。
13の整理整頓ですが、男の子は苦手な場合が多いですね。
「まだ、小さいから、今にできるようになる」と思っているようではできるようになりませんし、その度にうるさく注意するだけでは身につきません。
整理の仕方がわからない場合もあります。
「君は、まだ小さくてできないから、先生が手伝うよ」と一緒に片付けていると、それが習慣になって1ヶ月もしないうちに自分から片付け始める子もいます。
おもちゃを箱に乱雑にしまう子は、片付ける手順がわからない場合が多いものです。
文句を言う前に、なぜできないのか、その原因を考えてあげましょう。
我が家の長男も片付けが苦手でしたが、長女が「こうするのよ!」と言ってはやらせていました。女の子は、小さい時からお母さんをしっかり観察して、真似をしていますね。ままごと遊びをしているお子さんを見て、赤面することはありませんか(笑)。
そして、お父さん方に一言、「置きっ放しにしないで!だらしがないんだから」などとお母さん方から苦情が出ていませんか。出ている場合は、反省してください。
お母さん方へも一言。お子さんの前で、こういった乱暴な言葉は、絶対に使わないでください。
小さい時から、父親の存在をないがしろにする言動は、厳に慎むべきです。
子ども達は、強いお母さんを歓迎しているわけではありません。
言われたお父さんより、聞いている子ども達の方が、大いに傷つくことを忘れないでください。
同様に、お父さん方、お母さんに乱暴な言葉を投げつけるのは、やめましょう。
14は男の子は、手でこすって始末したり、ズボンで拭いたりしがちですが、どうしてティッシュペーパーやハンカチを使うか、時間をかけて教えましょう。
衛生感覚を身につける大切な生活習慣です。
15のこういった手作業、関係のないように思えますが、切る、折る、貼るといった作業は、自立心と深いかかわりを持っています。
誰の手も借りずに、はさみを使えることは、脳と筋肉が、ある目的のために、自主的に共同作業をやっていることになるからです。
自らやろうとする意欲の育まれていることがわかりますから、出題されるのです。
こういった基本的な生活習慣の身についている子は、試行錯誤を積み重ね、工夫し、努力をしていますから、自立心や自発性が培われ、それが集団生活への適応力を育むもとにもなっているので
す。
さらに、加えておきたいのは、「あいさつができますか」ということです。
「おはようございます」「いただきます」「ごちそうさま」「いってきます」「ただいま」「ありがとう」「ごめんなさい」「おやすみなさい」は、ご両親が率先して行うことで、きちんと身に
つくものです。
特に、「ありがとう」「ごめんなさい」と素直にいえる子は、情緒も安定しています。
あいさつは、人とのかかわりをスムーズに行うための潤滑油であり、次回にお話します、集団生活への適応力にも大きな影響を与えるものです。
基本的な生活習慣は、自力で生活できる適応能力のことです。
小学校の入学試験は、「初めての所へ行って、初めて会った同じ年の子ども達の中に入り、初めて会った先生の言うことを聞き、適切に対応できるか」を判定されることであり、頼りになるのは
自分自身だけで、誰も助けてくれません。
「子離れできない保護者」「お母さんやお父さん離れのできないお子さん」では、入学試験に対応できないことをご理解いただけたのではないでしょうか。
どこの学校でも、「基本的な生活習慣が身についているかをみたい」といっているのは、「適応能力」が身についているかを知りたいからです。
最近の説明会でよく聞く、「当たり前のことが当たり前にできない」の意味は、知的な能力ではなく生活習慣のことです。
まず、こういったことからしっかりと育てていくことが、合格への道を歩むことになるのです。
ただし、繰り返しお願いしておきますが、お子さんの生まれ月を無視することは、成長を阻害するおそれもありますから、慎重に取り組んでいただきたいと思います。
もうすぐ夏本番です。お子さんの健康管理には十分に気をつけてください。
(次回は、集団生活への適応力についてお話しましょう)
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