めぇでるコラム

2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>夏休みの過ごし方(1) 

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         「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
      年長児のお子様をお持ちの方々へ
 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第54号>
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☆説明会等情報
 ≪白百合学園小学校≫
   学校見学会
    日  時:9月7日(土)
    申込方法:WEBからの申込
    申込期間:7月20日(土)9時~
     ※詳しくは学校のHPをご覧ください。
 
 
 
夏休みの過ごし方(1)
 
 
東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城の小学校の入学試験本番まで、後3ヵ月有余、学校によっては2ヵ月半です。「夏を制するものは受験を制す」ともいわれています。夏休みの過ごし方に、合否の鍵があるといっても過言ではありません。
 
大切な日々を有効に過ごすポイントは、ご両親の考え方にあります。
 
まずは、何といっても健康管理です。
うがい、手洗い励行、お子さんだけではなく、ご両親こそ率先垂範を。
 
保育園の場合は、日々の生活は変わりませんが、幼稚園の場合、夏休みになると、生活のリズムが狂いがちです。幼稚園があるときと同じように、規則正しい生活のリズムを崩さないことです。1日のスケジュールを立て、それにしたがった、メリハリのある生活を送りましょう。ただし、あれもこれもと、過密なスケジュールでは、お子さんの負担を増やすだけで、かえってマイナスになりかねません。余裕を持って、計画を立てることです。
 
遊び時間もきちんと配慮してあげましょう。
 
知的な能力は高いが、体力に不安がある子が多いのも、小学校受験の特徴のようです。机の上での勉強だけではなく、体を十分に動かす時間を設けましょう。
 
買い物などに出かけるときは、車を使わずに歩き、汗を流す機会を作ることです。十分も歩かない内に、「おんぶ!」をせがむようでは、とても受験に対応できません。
 
肉体的なスタミナがなければ、精神力も弱いものです。
 
一所懸命に頑張る意欲や耐久力は、入試に欠かせない大切な要素です。運動教室にお任せだけでは、真のスタミナはつきません。冷房の効いた快適な環境から、失うものもあります。お父さんにも手伝ってもらい、一緒に汗を流しましょう。お父さんのリフレッシュにも役立ちます。
 
ところで、夏休みに入ると、友達と遊ぶ時間が不足しがちです。受験一色になると、友達との遊びを悪いことと考えるお母さん方がいると聞きますが、それは間違いです。
 
社会性や協調性といった集団生活への適応力に欠ける子は、どこの学校からも歓迎されません。行動観察型のテストでは、こういったところがはっきりと表れます。集団生活への適応力は、問題集をこなすだけでは養われません。
 
最近、友達が家に来て遊ぶ機会も、少なくなっていると聞きます。
自分の家と全く違う生活習慣があるなど、本来は、貴重な体験をする機会でもあるのですが、あまり歓迎されていないようです。せめて、同じくらいの年齢の子がいる親戚を訪ね、違った生活を送るのも貴重な体験になるのですが。
 
また、一人遊びも大切です。
 
遊びを通して自発性、考える力はもちろんのこと、一生懸命に取り組む意欲や持久力もついてきます。入学試験に備えて、親が子どもの遊ぶ相手や時間、内容も全て管理するのは、いかがなものでしょうか。何から何まで管理していると、無気力、無関心、無感動、無表情な「指示待ち子ども」になりかねません。
 
遊びを通して培われる力こそ、子どもにとっては、大切な財産になることを忘れないようにしてほしいのです。
 
任期満了前に辞任し、現場の教師に復帰した慶應義塾幼稚舎の加藤三明元幼稚舎長は、毎年説明会で「5歳のわが子を受験のためにスポイルしないでほしい」とおっしゃっていました。受験準備は、早稲田実業初等部の教育目標ではありませんが、「ゆっくり、じっくり、しっかり」と余裕を持って取り組みたいものです。
 
ここで一言。
 
夏の幼稚園や保育園の行事に、お泊り保育があると思います。その時の様子を先生に伺っておきましょう。
 
家族から離れて生活した時、今まで気づかなかったお子さんの一面が、現れることもあるからです。泣き出してしまうお子さんもいて、先生方も意外な思いをする話を、よく耳にします。入学試験は、「生まれて初めての場所に入り、生まれて初めて会った先生の指示に従い、初めて会った同年代の子ども達とグループを組み、いろいろなことに取り組む」からです。心配なところが見つかった場合は、育児が過保護、過干渉、自由放任になっていないかをチェックし、自信を持って取り組める気持ちを育ててあげましょう。
 
特に、過干渉になりがちな方は、口を挟む前に「1,2,3,4,5,6」と数えましょう。そんなわずかな間でも、お子さんに考えさせる時間を与えていることに気づいてほしいのです。
 
この「6まで数える」というのは、感情的になりそうになったときのアンガーマネジメントとしても知られています。
 
 
 
★家庭でできる具体的な受験準備 
 
次に、ご家庭でできる具体的な受験準備についてお話しましょう。
本メールマガジンを通して、しつこく触れてきましたので、またかと思われるでしょうが、大切なことですから繰り返します。
 
<1> 聞き取る力をつけるには
 
本を読んであげましょう。
 
小学校の入学試験は、話を聞き取る力がついているか、いないかで決まります。
ペーパーテストには設問はありませんし、行動観察型のテストでは、先生の話を聞かなければ、何もできません。
 
本を読むことを通して、耳と目から入ってくる情報から好奇心は刺激を受け、言葉を映像化する作業がフル回転で行われ、記憶する意志が自然と働きます。
一人になったとき、本を見ながらお母さんに読んでもらった言葉を、筋道立てて思い出しているのです。
 
語彙がふえることで言語力、
イメージが豊かになることで想像力、
話を筋道立てて思い出すことで思考力、
より正確に覚えようとすることで記憶力、
言葉や絵、身体で表現することで表現力、
そして、何よりも大切な集中力、話を聞き取る力、話を聞く姿勢が身につきます。
 
「本の読み聞かせと対話」の効果を説明会で最初に力説されたのは、平成14年に就任した立教小学校の田中司校長(当時)でした。
 
さらに、お子さんと話をする時間をたくさん作り、よい聞き手に徹してあげましょう。言葉は、とにかく話をしなければどうにもなりません。どんな拙い表現でもよく聞いてあげ、お母さんが正しい言い方に直してあげましょう。言葉のキャッチボールを楽しんでください。
 
「対話の反対は沈黙ではなく、命令と強制」といったのも田中先生でした。含蓄のある言葉ではないでしょうか。
 
そして、正しい指示を出しましょう。
「ユキちゃん、そこにある、あれ取って」
などと言っていないでしょうか。
 
これでは、指示を出した本人しか理解できません。
 
「ユキちゃん、テーブルの上にあるお料理の本を、お母さんのところまで持ってきてください」
「これ・それ・あれ・どれ」は代名詞ですから、きちんと名詞に置き換え、丁寧なことばで応対しましょう。
 
面接の折りに、「デス、マス」を自然に使って話をさせたければ、お子さんの前で、響きのよい言葉をたくさん使ってあげることです。心地よい言葉は、使ってみたくなるものです。
 
また、あいさつは、きちんとするように心がけましょう。
 
そして、用事を頼み、お手伝いをしてもらったときは、必ず「ありがとう」と感謝のことばをかけてください。こういった気配りから、お子さんの心の中に、相手を思いやる心も育まれてきます。
 
さらに、しりとり、同頭語、同尾語、反対語、短文の復唱などは、言葉遊びとして、楽しみながら学習すれば、お子さんは喜んで挑戦するはずです。
 
この時期になると、「お話作り」を苦手とするお子さんが増えてくるようです。
前にもお話しました、「ママ(パパ)、あのね!方式」を採用してみましょう。
 
話す相手がお父さんやお母さんであれば、プレッシャーもかからず、気軽に話せるからです。そして、親が作った話を覚えこませるようなことはせずに、自分で思っていることを、自分の言葉で話せるように、しっかりと聞き手にまわり、上手、下手は、二の次と考えることです。
 
こういった課題は、とにかく、言葉が出なければ、どうしようもないからです。
「こんなこと言ったら笑われるかな!」とか「これでは、ママに叱られるかしら?」などと思い始めると、言葉は出てきません。
 
どんな内容でも相槌を打ち、よく聞いてあげてから、
「こうした方が、ママはいいと思うけど、ユキちゃん、どうかしら?」
と、お子さんの話を認めてあげ、導いてあげると、お子さんは納得してついてくるものです。
 
言葉が出ないのは、お母さんがしゃべりすぎの場合も考えられます。
 
「何とかしなければ」とお母さんがあせれば、お子さんは苦手意識を持ち始めます。自信をなくしますから消極的になりがちで、これでは行動観察型の試験に対応できません。お子さんの話に耳を貸し、うなずき、認めてあげてから、お母さんが考える方向へ、「ゆっくり、じっくり、しっかり」と導いてあげましょう。
 
 
<2> 考える力をつける
 
最初のころでもお話しましたが、トランプは、数字と同じ数のマークがかいてありますから、数感を養うすぐれた教材です。
 
1枚ずつカードを出しあって勝敗を争えば、直感で多少を見分ける力がつきます。これを繰り返していると不思議なもので、引き算の練習をしているのではないのですが、 
「6と3では、6の方が3つ多い」
「10と8では2つ違う」
と多少の学習になります。
 
数の違うカードを5枚並べ、いちばん多いもの、少ないもの、2番目に多いものなどの学習もできます。
 
ところで、数え方ですが、たとえば、15個あるリンゴを、お子さんはどのように数えていますか。
(1)1,2,3,4と1個ずつ指で押さえて正確に数える。
(2)2,4,6,8と2個ずつ押さえて数える。
(3)3,6,9と3個ずつ押さえて数える。
(4)4,8,12と4個ずつ押さえて数える。
(5)5,10,15と5個ずつ押さえて数える。
(5)は最も速い方法ですが、幼児の手の大きさから考えると、5個ずつ押さえるのは容易ではありませんから、無理をしないことです。
 
できれば、3個ずつ、掛け算の3の段、3とびをマスターすると、早く、正確に数えられます。
    
15個のおはじきをばらばらに置き、(2)からやってみましょう。
言葉と数が一致しないと、に(二),し(四),ろく(六),や(八),とお(十)と数えられても「や、っていくつ?」といったように混乱しがちです。
これを理解させましょう。数を訓読みで覚えると、一日を除き、日にちに対応できます。
 
15の場合、10までいったところで元へ戻り、2、4で止め、1個あまりで14個、つまり、数え終わったときの4を10にくっつければ14となり、それに余った1を加えれば15となることを教えます。
 
この場合、トランプの10と4のカードを使うとわかりやすいと思います。理解できたら、おはじきは、どんな並べ方でも簡単にできますから、どんどん並び替えて挑戦してみましょう。
 
以下、同じように、(3)、(4)にも取り組みたいのですが、(3)をマスターできれば最高と考え、後はできる場合は挑戦してもかまいませんが、絶対に無理をさせないで下さい。
 
そして、(5)の5個押さえる方法ですが、たとえば、7個のリンゴを数えるとき、5個の集まりを手で押さえれば、残り2個ですから、合計7個であることがわかります。いきなり(5)の数え方を教えず、きちんと段階を踏んであげましょう。
 
大人が考えるほど簡単ではないからです。
    
合成、分解も、カードを使うと面白く学習できます。
10のカードを使い、マーク1つを指で押さえれば[1と9]であることがわかります。
 
同様に、2つ押さえて[2と8]、3つ押さえれば[3と7]であることもわかります。
 
以下、同様にして挑戦しましょう。
[10]は[1]が10個集まっていると考えれば、楽しく取り組めるはずです。
    
トランプは、神経衰弱からは記憶力が、7並べでは1から13までの数列や系列完成、下のように並べると上から、下から、左から、右から何番目、黒を中心に左斜め上、右斜め下といったように位置の問題の学習にもなります。
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         □■□
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その他、オセロやおはじきなどで分割を、積み木では、立方体を積み重ねることで、見えないところにある数の発見、模倣構成、四方図形なども楽しく学習できます。
 
積み木の四方図形は、斜面を正面から見る場合、子ども達は「……?」となりがちですが、実際に積み木を使ってやってみると、理解できます。 
プリント学習に疲れたときなどにゲーム感覚でこういった遊びをすると、気分転換にもなります。 
   
数量や推理・思考、図形など、苦手な分野の問題は、じっくりと時間を使える夏休み期間にこそ、全力で取り組みましょう。    
 
ここで問題を。
 
折り紙を磁石で持ち上げたいのですが、どうすればできるでしょうか。実験は、遊びの感覚で取り組むことが大切です。
 
    
(次回は、「夏休みにできる家庭学習(2)」についてお話しましょう)

 
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