めぇでるコラム

2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>◆◆試験当日の留意点◆◆

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         「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
      年長児のお子様をお持ちの方々へ
 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第67号>
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 ◆◆試験当日の留意点◆◆
 
 
季節の変わり目、朝晩、気温の変化の激しい初秋ですが、体調を崩しやすいですから、お子さんの健康管理には、十分注意してください。
 
今回は、試験当日の留意点とご両親の心構えについてお話しましょう。
 
(1)募集要項を読み直し、持参するものの一覧表を作っておき、慎重にチェックをしましょう。
   受験票、面接票、当日のスケジュール表(出願後に学校側から送られてきた資料)、募集要項、上履き(学校によってはご両親用も)、運動靴(雨天の場合は雨具の他に、お子さんの着替えやソックスなど)、携帯電話(万一の交通事故に備え)、スイカ、パスモなど。
   親子一緒の控室のところは、お子さんが静かに待てるようなものも用意するといいでしょう。
 
(2)当日は、いつもと変わらない朝を迎えてください。
   学習院のように試験当日に両親面接があると、ご両親が緊張しがちです。
   いつもは「行ってくるよ」と会社へ出かけるお父さんが、一所懸命に駄洒落を飛ばすのですが、全くうけなくて、かえって、「パパ、どうしたの?」と怪しまれてしまったと、笑いながら話してくれたお父さんがいました。
   いつもと同じように、平常心を心がけましょう。
 
(3)いかなる場合でも、遅刻は認められません。
   特に、バスを利用する場合は、注意が必要です。
   朝は、渋滞する可能性がありますから、事前によく調べておきましょう。
   説明会でも開始間際にタクシーで、あわてふためきながらやって来るお母さん方を見ました。
   事故による渋滞や電車の遅れなどの場合は、他の交通手段も考えておきたいものです。
   そして、携帯電話で学校に問い合わせ、指示を求めましょう。
   そのためにも電話番号を登録しておくことです。
   ただし、校門の所で必ず、電源を切ることをお忘れなく。
 
(4)所定の手続きを指示に従い、あわてずに行いましょう。
   頭をひねるような難しいことはありませんが、時間ぎりぎりに到着となると、気のあせりからミスをしがちで、そういったときは、いつもと違ったご両親になっているものです。
   そばで見ているお子さんは、どういった心境になるでしょうか。
   控室で一息入れずに試験場へ向かい、すぐにテストです。
   まわりは、知らない子ばかりです。
   お子さんがいつものような状態で、テストを受けられるはずはありません。それまで全力を尽くしてきたとしても、この一瞬で、すべてが台無しになる可能性もあります。
   十分な配慮が必要です。
 
(5)服装は、動きやすく、着馴れたものを。
   新品の革靴をはかせるようなことはやめましょう。
   学校へ着けば履きかえるのですから。
   靴擦れでもしたら、運動テストどころではありません。
   髪の毛の長い女の子は、運動の時に困らないようにしておきましょう。
   リボンが気になりマット運動ができなかった話を聞いたことがあります。
   袖の長いブラウスなどは、制作の時に邪魔になることも考慮しておきましょう。
   女の子は、お気に入りのブラウスなどを着せると、汚れが気になり、集中できません。
 
(6)テストの前に用便をすませておきましょう。
   幼児教室へ通っている方は、教室へ入る前に、必ず、やっていると思います。
   校舎見学の機会がない場合は特に、集合時間間際でトイレの場所を慌てて探すことのないよう、時間に余裕を持って行くようにしましょう。
   テスト中にトイレとなると、それまでです。
 
(7)いつものように教室へ送り出しましょう。
   控室で、「話をきちんと聞くのですよ」などと、くどくど注意するお母さん方がいるようです。
   そういうことが、みんなプレッシャーになってしまいます。
   また、大勢の子どもを見て、驚き、緊張している様子が見えたときは、お子さんが、もっとも安心する態度で接してあげましょう。
   よく聞く話ですが、しゃがんで、お子さんの目を見ながら手を握ってあげ、
   「いつもと同じなのよ」
   というのが効果的なようです。
   お子さんの性格によっても違いますが、こういったことも起こりえると考えておきましょう。
 
(8)万一の急病に備え、常備薬を持参しましょう。
   幼稚園の遊戯会、ピアノなどの発表会の前の晩に、熱を出した経験のあるお子さんは注意が必要です。
   直前に、感染症にかかった場合は、必ず学校側に連絡し、指示に従ってください。
  
(9)テストの時間によっては、昼食の用意をしておきましょう。
   近所のレストランなどをあてにしていると、「日曜日で休み」となりかねません。
   一口で食べられるサンドイッチやおにぎり、飲み物も自動販売機などで購入せず、小さい水筒などを用意しておきたいものです。
 
(10)幼稚園や保育園、幼児教室などの友達と会うことも考えられます。
   緊張しているときに友達と会うと、ほっとして舞い上がるお子さんがいます。
   あいさつ程度にし、お子さん同士がふざけ合うことのないようにしましょう。
 
(11)行動観察や運動テストなどで、子ども同士のトラブルが起こる場合もあります。
   先生から事情を聞かれたときは、はっきりと答えることです。
   男の子は、これが苦手なようです。
   密を避け、この種のテストをしない学校もありますが、行われる場合は、その指示にきちんと従うように教えておきましょう。
 
(12)お子さんがテスト中の控室では、たとえ友達や顔見知りの人がいても、お互いに遠慮して話し込まずに、本を持参し静かに読むようにしましょう。「携帯電話の電源は切るか、マナーモードにしてください」とある場合は、スマートフォンも使用禁止です。
 
 
入試が始まっているご家庭もいると思います。
風邪など引かないように注意しましょう。
お子さん、お母さんはもちろんのこと、お父さん、外出先から帰ったときは、必ず、手洗いとうがいを励行してください。
そして、お母さん。お子さんにとっては、お母さんの明るい笑顔が頼りです。
精神的なコンディションを崩さないことも、ご両親の大切な役目です。
ここが正念場と考え、頑張ってください。
 
 
ご両親の心構え
 
★アフターケアも慎重に★ 
 
昨年の7月から始まった「さわやかお受験のススメ 小学校受験編」も、最終回を迎えました。
 
長い間、読んでいただいた方に、お願いをしておきたいことがあります。
 
言うまでもなく小学校の受験は、お兄さんやお姉さんが在学している場合はともかく、ご両親が我が子のためによかれと考えてはじめたことです。
もとより、子どもたちが、
「ぼくは、幼稚舎へ行きたい」
「私は、雙葉へ……」
と、希望されたわけではありません。
にもかかわらず、子どもたちは、一所懸命に頑張りました。
年中の頃から、受験勉強をはじめ、そして今、直前の講習会を終え、試験を迎えようとしています。
 
考えてみると、これはたいへんなことです。
 
基礎指導から実践指導、集団指導や個別指導、冬、春、夏の講習会、毎月行われた模擬テスト、絵画教室などなど、同年代の子ども達が、ほとんど経験しないことをやってきたことになります。
それに加えて家庭学習があります。
これが、子どもたちには、もっとも厳しかったのではないでしょうか。
とかく、お母さん方は、合格の二文字のために熱くなりがちです。
「なぜ、ぼくだけ、勉強しなくてはいけないのかな?」
と子どもたちに疑問を持たせてしまったことも、あったのではと思います。
でも、お父さんやお母さんの気持ちに応え、頑張りました。
 
子どもたちは、本当にえらいと褒めてあげたい。
         
ですから、全員に、希望された学校から招待状が送られて来て欲しいと思わざるを得ません。
それほど子どもたちは頑張り続けたのですから。
しかし、残念ながら、すべての子どもたちに、招待状が送られてくるわけではありません。
「試験前なのに縁起でもない!」とお腹立ちの方も、心を静めてお読みください。
 
都心の幼稚園によっては、全員が受験というところもありますが、そういった環境であれば、幼稚園側の配慮もあるでしょうし、ご両親もお子さんも、それなりの指導をきちんと受けられていると思います。
しかし、普通の幼稚園や保育園からの受験の場合は、そうはいかないのではないでしょうか。
わが子、一人だけが受験といったことも考えられます。
         
一昔前は、受験を意識させないで済ませるように、また、合格しなかったことを、子どもたちにわからないように配慮したものです。
しかし、現状ではなかなか難しいのではないでしょうか。
 
数校受験する子どもたちもたくさんいますから、わかっているはずです。
合格すれば何ら問題はありませんが、結果が出なかった場合は、傷つく恐れもあるでしょう。
 
このことです……。
 
今は、学校内で合格を発表せずに郵送やWebで知らせるところが増えてきましたが、以前は、ほとんどの学校が校内に掲示していたものです。
私は、できる限り発表を見に行きました。
合格された方は、掲示板の前からいつまでも去ろうとしません。
不合格の方は、悄然と去っていきます。
気障で申し訳ありませんが、「倍率十倍の難関校」の文字からは浮かばない、厳しい現実を実感させられたものでした。
 
そんなときに、ある学校で、とんでもない親子を見てしまったのです。
お母さんが早足で出口に向かい、お子さんが、
「ママ、ごめんね!」
と、泣きながら追いかけていくのです。
若いお母さんは、一言も口をきかず、むっとした顔をして出ていってしまいました。
こんな残酷な仕打ちは、いくら親でも許せません。
一番傷ついているのはお子さん自身であることに気づかない親であれば、受験などする資格はないと思いました。
最近は、Webや郵送で知らせるようになりましたから、こういった心配はないと思いたいですね。
 
ところで、不合格のときはお子さんに、どのように説明するか決めているでしょうか。
 
残念ながら合格しなかったご両親からは、
「公立の小学校から通知は来ますから、子どもには、私学の合否については知らせないことにしています」
と、答える方が多いものです。
 
みなさん、お子さんにあった方法で対処なさることと思いますが、注意してほしいのは、ちょっとした言葉なのです。
 
「○○ちゃんは入ったのに、何で、あなたは駄目なんでしょう」
お母さんは、わが子をかわいそうに思い、つぶやいたこの一言で、お子さんは、深く傷つき、劣等感を持ちがちなのです。
不用意な言葉が、お子さんに与える影響を考えてあげましょう。
とにかく、お子さんは、頑張ったのですから。
 
頑張ったことは、必ず、将来、芽を吹きます。
 
正しい指導を受けてさえいれば、子どもたちは、同年代の子が体験しなかったことを、たくさん学習しています。
 
国語の領域でいえば、「話の記憶」は、小学校の中学年から高学年にかけて学習する長文読解の問題を、文字を使わず、耳から聞き取るだけで挑戦してきました。
 
算数の領域では、「数」の問題で、1年生で習う足し算、引き算、2年生で習う掛け算、3年生で習う割り算、4年生で習う分数まで、数字や+-×÷などの記号を使わずに学習してきました。
 
さらに、話を聞く姿勢、指示を理解し迅速に対応する行動力、自分で頑張る意欲などを身につけたはずです。
 
ご両親も、心を一つにして、お子さんをバックアップしてきました。
学校を選んだ段階で育児をふりかえり、やはり間違っていなかったと確認したこと、反省しなければいけなかったことを話し合われたのではないでしょうか。
受験をしなければ、こういった経験をすることはなかったはずです。
驚かすようで申し訳ありませんが、これから先、ご両親が、これ程までに心を一つにして、何かに取り組むということは、あまりないのではと思います。
 
まさに、育児のゴールデンアワーでもあったわけです。
 
文言は正確ではありませんが、慶應義塾幼稚舎の舎長を辞任され教諭に戻られた加藤三明先生は、説明会でこうおっしゃっていました。
 
 「受験に合格しなかった方は、もしかすると親子ともども、敗北感を味わうことになるかもしれません。しかし、これはあくまでも幼稚舎の受験に限ったことで、人生の敗北ではありません。まして、子どもがそういうことを思い続けていたら、本当に恐ろしいことです。われわれが5歳の子に、本来は行うべきではない入学試験という罪なものを施していて言うのもなんですが、小学校受験をぜひ、最終目的だと思わないでいただきたい。まだまだ、ほんの人生の始まりです。小学校の受験で、お子様をスポイルしないでほしいというのが、私の願いです」    
                     
年長の秋は、お子さんの人生の終着点ではなく、通過点と考えましょう。
例え不本意な結果だったとしても、そのことをお子さんが背負っていくことのないようにしてあげてください。
 
小学校の受験は、ご両親がお考えになり始めたことですから、終わりもきちんと対処していただきたいと思います。
 
この連載を通して、わかっていただきたかったのは、「過保護や過干渉な育児から、子どもたちを解放する」ことでした。
 
過保護な育児では、わがままな子になりがちで、相手を思いやる気持ちは育まれません。
 
過干渉な育児では、消極的で依頼心の強い子になりがちで、積極的に物事に取り組む意欲は育ちません。
 
これから、小学校での集団生活を通して、共に生きる「共生」を学んでいくことが大切です。
それには、相手を思いやる気持ちが育まれていなければ、スムーズに対応できません。
また、学校生活を楽しくすごし、学習面で好奇心という触角を張りめぐらせ、いろいろなことを学んでいくには、積極的に取り組む意欲が育まれていることが大切です。
 
家庭学習で、お父さん、お母さんには、この2つのことを教えてきたと思います。
 
できない問題があっても、明日できればいいと励ましませんでしたか。
できるようになったとき、一緒に喜び、褒めてあげたでしょう。
 
子どもたちは、お父さんやお母さんのやさしい気持ちに応え、ステップアップしてきたのではないでしょうか。
「頑張れ」と励ます言葉とやさしい気持ちから、子ども達の心に「思いやりの気持ち」と「できるまで頑張る意欲」が育ってきたのです。
 
この2つが育っていれば、たとえ不本意な結果だったとしても、子どもたちは大きく成長しているはずです。
 
同年代の子どもで、こういったことを経験できるのは、私学の小学校が最も多い東京都でさえ、就学児童およそ10万人前後の内、応募者を公表していない学校もあり推定に過ぎませんが、応募者は約1万5、6千名程、何校かチャレンジすることも考えると実際はもっと少ない人数ですから、受験準備をするのも限られた子どもたちなのです。
しかし、正しい指導を受けられた子ども達は、十分にエキスを与えられた根と同じように、必ず、芽を出し、ご両親が期待する花を咲かせます。
子どもたちを信じて、試験場に送り出してあげてください。
運悪く、結果が出なくても、あたたかく見守ってあげる保護者であって欲しいと思います。
 
「あしたは、今日より、きのうより」は、今は亡き、いずみたく氏の作曲された某財団法人の社歌の題名で、断りもなく私の座右の銘にさせていただいています。
また、「育児しながら育自するお母さん」であれば、親子の絆は、生涯、ほころびることはありません。
 
この二つこそ、子育ての鉄則ではないでしょうか。
 
皆さま方に、希望された小学校から、招待状が届くことを、心からお祈り申し上げます。
ベストを尽くせるように頑張ってください。
ご健闘を祈ります。
 
最後までお読みいただきまして有難うございました。
 
 
   令和6年10月吉日
                めぇでる教育研究所 職員一同
 
 
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