めぇでるコラム
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>志望校選びの10のチェックポイント(1)
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「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
年長児のお子様をお持ちの方々へ
2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
<第48号>
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★説明会情報★
成蹊小学校
6月15日(土)
申し込みは6月13日15時分まで。
定員増となりましたが、既に残席わずかになっていす。
東洋英和女学院小学部
6月13日(木)の説明会・公開授業は残席わずか。
6月19日(水)オープンスクール
いずれも本メルマガ発行時点での情報です。
詳細は当該小学校のホームページをご確認ください。
志望校選びの10のチェックポイント(1)
今回から3回に分けてお話します「志望校選びの10のチェックポイント」は、めぇでる教育研究所から発売されている、「さわやかお受験 面接 ここがポイント 小学校編」の第一章に紹介してあるもので、読んでいただければ、お役に立つと自負しています。詳しくは、めぇでる教育研究所のホームページをご覧ください。
模擬面接で「この学校を選んだ理由、志望理由をお聞かせください」といった質問に、ただ、その学校の建学の精神や校訓、教育目標などを、そのまま、淡々とおっしゃる方がいます。
「それでは、校訓をどのように育児に取り入れていますか」と尋ねると、具体的な回答がない場合があります。校訓や教育方針とご家庭の育児の姿勢に共通点がなければ、なぜ、その学校を選んだのかわかりません。
これでは、学校側を説得するのは難しいのではないでしょうか。
「なぜ、わが子に、この学校を選んだのか」、ご両親できちんと考えていただく基礎資料として、ここでは、10のポイントについてお話しましょう。
小学校の受験に際し、もっとも重視されるのは、なぜ、その学校を選んだかという「志望理由」です。
出身者の場合は、ご自分の体験から選ぶわけですから問題ありませんが、そうではない場合は、学校に関する情報、例えば、建学の精神や教育方針、その学校ならではの特色、年間行事や課外活動、学童保育(アフタースクール)、併設校への進学状況などについて、わからないことが多いわけです。そういったハンディキャップを解消するために開かれているのが学校説明会です。
現在とは異なり、過去には説明会をやっていなかった学校もありました。
平成10年には慶應義塾幼稚舎が、同11年には日本女子大附属豊明小学校が、同12年には白百合学園小学校が、創立以来、初めての説明会を開催しました。
雙葉小学校も平成17年に、学園講堂で説明会を再開しました。昭和60年代には説明会をやっていましたから、16年ぶりということになります。
所謂コロナ禍では、動画配信という形での学校説明会も行われていました。
説明会は、貴重な情報公開の場ですから、必ず参加されて、これからお話しする10項目のチェックを行い、お子さまにもっともふさわしい学校を選んであげていただきたいと思います。
[一]一貫教育制度について
最初に考えてほしいのは、「一貫教育制度に、何を期待しているか」です。
併設校のない幼稚園があります。幼稚園だけなのですが、不思議なことに人気があり、入園することが、大変、難しいといわれています。
若葉会幼稚園、枝光会附属幼稚園に入園される方の目的は、慶應義塾幼稚舎、青山学院初等部、聖心女子学院初等科、東京女学館小学校などへの入学でしょう。例えば、こういった幼稚園の入園テストの倍率が、仮に2倍前後だとしても、その数字よりも限りなく重い2倍なのです。名門校への合格実績も折り紙付きですから、受験される保護者の期待を十分にかなえられていることがわかります。ちなみに東京の幼稚園御三家は、松濤幼稚園が廃園になり、現在は若葉会幼稚園、枝光会附属幼稚園、そして愛育幼稚園(港区、有栖川宮記念公園の直ぐ側)だそうです。
幼稚園と小学校だけの学校があります。
国立市にある国立学園です。西武が設立した学校で、小学校しかありませんから、ほとんどの生徒が中学受験に挑戦します。6年の間に実力をつけ、中学の名門校に入り、中高一貫教育で大学受験を考えている保護者が多いのでしょう。
ホームページの「進学指導」にアクセスすると進学状況の一覧表があり、麻布、開成、武蔵という、いわゆる中学校御三家をはじめ、どの学校に何名入っているといった情報が紹介されています。
なお、聖徳大学附属小学校も令和2年までは中高は女子だけの別学でしたので、男子は中学受験になり、幼稚園から進んだ場合は幼小一貫教育校でしたが、令和3年度からは中高も共学になりました。
高校までの学校は、暁星小学校、桐朋学園小学校、雙葉小学校、田園調布雙葉小学校、横浜雙葉小学校、光塩女子学院初等科、日出学園小学校、国府台女子学院小学部などです。大学へは、12年間で培われた実力でチャレンジしなさいというのが、こういった学校の教育方針の一つです。
また、保護者の立場からいえば、小学校は、お父さん、お母さんが選びレールを敷いてあげるが、後の進路は、自分で決めるという制度に賛成しているということです。社会へ出る前に、大学受験というハードルをクリアする関門が待ち受けています。つまり、厳しい競争の社会に出る前に、大学受験という戦いを経験しておくべきだと考える保護者に支持されているということでしょう。
なお、東京女学館大学は平成27年度末に閉鎖、高校までの学校になりました。
横浜雙葉小学校の以前の説明会で、雙葉系の学校は、幼子にキリスト教を教えるために創立された学校で、12年間、学んできたことを、よその大学へ行って布教することを目的としているので、大学を設立する方針はないといった話を聞いたことがありました。こういった学校から大学への進学率は、ほぼ百パーセントとなっています。布教といっても説教をするのではなく、自らを磨くことで雙葉学園の印象を広める、ということです。
しかし、だからといって、「名門大学への進学率が高いから高校までの学校でいい」という志望理由には、賛成できません。雙葉小学校では、進学校ではなく、そういった体制になっていないと説明会でも明言していますし、入学されたお母さん方も「のんびりとした学校です」と話しています。
なぜ、進学率が高いのか、教育方針やその内容をしっかりと把握する必要があります。
学習院、青山学院、白百合学園、東洋英和、日本女子大学附属豊明は幼稚園から大学、大学院まで、昭和学院は幼稚園から短大まで、慶應義塾幼稚舎、成蹊小学校、聖心女子学院初等科は、幼稚園はありませんが、大学、大学院までの一貫教育校です。
「幼稚園から大学まである学校に入れてしまえば、受験準備は一回限りで済む」
というお母さんがいました。幼、小、中、高、大学と、そのたびに受験することはないでしょうが、もしそういうことがあると、受験する本人も、付き合う親も大変なのは事実です。幼稚園受験や小学校受験で、こういった考えが根底にあるとすれば、それは、過保護ではないでしょうか。
しかし、受験に費やすエネルギーはたいへんなものですし、精神的な戦いもすさまじいものがあります。そこを回避して、受験勉強をしない分、精神的にも、時間的にも余裕があるわけですから、それを学問や趣味に、と考えるのは親心でしょう。
ただし、一貫教育制度は、エスカレータ式に大学まで行ける制度ではないことも忘れてはなりません。それなりに厳しいものです。
大学までの一貫校の中で幼稚園のない学校があります。
慶應義塾幼稚舎、聖心女子学院初等科(開設していた時代あり)、東京女学館小学校、成蹊小学校、立教小学校には幼稚園はありません。
立教女学院短期大学附属天使園は、推薦入学制度を導入し、立教女学院小学校は幼稚園のある学校になりましたが、短期大学閉鎖に伴い、平成27年度入園児の卒園をもって閉鎖、幼稚園のない学校になりました。
四谷と田園調布の雙葉には幼稚園はありますが、横浜雙葉にはありません。
同じ系列校でありながら、調布にある桐朋小学校の方には桐朋幼稚園がありますが、国立にある桐朋学園小学校にはありません。
では、どうして幼稚園はないのでしょうか。
これも一つの教育方針だと考えられないでしょうか。
たとえばの話ですが、幼稚園時代から、同じ環境で保育を受けた集団よりも、違った環境で、さまざまな保育を受けてきた、いろいろな子どもを集めて教育を始めましょう。つまり、義務教育と同じ狙いがあるのではないでしょうか。
学校を選ぶときに、こういった制度の目的を考えてみると、建学の精神の一端がわかるかも知れません。
[二]共学制度について
二番目に、「共学制度」について考えてみましょう。
共学の学校といえば、慶應義塾幼稚舎、学習院初等科、青山学院初等部、成蹊小学校、成城学園初等学校、玉川学園小学部、桐朋小学校、桐朋学園小学校、日出学園小学校、昭和学院小学校、千葉日本大学第一小学校などで、桐朋、桐朋学園などは、中高は別学になりますが、こういった学校を選ぶ理由としては、義務教育は共学であり、共学が自然であることでしょう。
多くの方は、共学の経験があるはずですが、私立校へ進まれた方には、共学の経験がないかも知れません。
男女、別学の環境で教育を受けられた方が、お子さんには共学を選ぶ理由、これについて、しっかりと話し合ってみることです。
参考までに、共学の良いところ、悪いところをあげておきましょう。
良いところは、小さいときから、自然に男子は女子を、女子は男子を理解するようになり、男子は男らしさ、女子は女らしさを身につけることができます。
つまり、お互いに助け合い、特性を生かして、それぞれの領域を分担することで、競争心が芽生え、負けないように頑張ることができることでしょう。
悪いところは、男子にやさしさが育まれる反面、男子を厳しく指導したくても、女子がいることで、徹底しにくい点や、女子は、言葉がきつくなり、敬語や丁寧語があまり使われなくなるといったことでしょう。
多様性の時代と言われ、なかなか「らしさ」と表現しなくなっている中、読者の皆様に分かりやすく説明するために敢えて使っていること、ご理解ください。
[三]男女別学制度について
三番目は、「別学制度」についてです。
首都圏の男子校は、暁星小学校、立教小学校の二校、女子では、ミッション系の学校は、ほとんど女子だけで、雙葉小学校、白百合学園小学校、東洋英和女学院小学部、聖心女子学院初等科、国府台女子学院小学部などへは、毎年、多くの応募者が集まり、高い倍率を示しています。いずれも伝統のある学校であり、その教育方針や校風が、圧倒的に支持されている証でしょう。
では、別学の学校の長所を考えてみましょう。
まず、なんといっても男女の特性を生かした教育ができることで、共学とは違った意味での男らしさ、女らしさが身につき、異性がいないことから、男子は女子に憧れる気持ちが、女子には男子を尊敬する気持ちが育まれやすい環境にあることでしょう。
また、共学では体験できないこと、例えば、男子がする仕事を女子がしなければならないことから、体験の幅が豊かになるとも考えられます。
その反面、同性同士ということから、男女がお互いに何かをすることがないので、異性を意識して助け合う気持ちが育ちにくく、羞恥心も欠けがちで、男の悪さ、女の悪さが出やすい環境にあるともいえるでしょう。
白百合学園へ三年保育で幼稚園に入って大学まで行くと19年間、女の園です。
田園調布雙葉も幼稚園から入ると、高校までですが、14年間、女の子だけです。
これについて、お父さんはどうお考えでしょうか。
模擬面接などで、ご両親に別学の経験がない場合、
「お父さん、別学についてどう思いますか」
と聞いてみると、
「私は、共学の方が自然でいいと考えていますが、妻が賛成ですから」
などとおっしゃるのですが、「それでは、共学の学校へどうぞ」となるだけで、適切な学校選びとはいえません。
なぜ別学を選ぶのか、よく話し合っておくことが大切です。
例年、立教小学校の説明会で田代先生(現校長)は、「男子に比べ女子の成長が早く、何かにつけて差が出るので、男子だけの方がいい」、「脳の大きさは18歳頃で止まり、差がなくなるといわれている。小中高と別学で学び、大学で共学になるのは、手前味噌ながら理想的な教育環境であり、皆さまのお目は高い」とおっしゃっています。
小学校から別学になる幼稚園もあります。四谷の雙葉幼稚園には男の子がいますし、暁星幼稚園には女の子が、東洋英和幼稚園には男の子がいます。
日本女子大学附属豊明幼稚園は、平成23年から3年保育だけに切り替えましたが、女の子が60名に対して男の子が24名います。
そこに入った男の子は、小学校は受験になります。
雙葉や暁星、英和に入った男の子、女の子は、近所にミッション系の幼稚園がないために、無理して通わせるケースもありますが、幼稚園の送迎は、保護者がついていきますから、多少の無理はききます。目的は、ミッション系の小学校へ入学させたいと考える方が多いようです。
(次回は、
「志望校選び10のチェックポイント(2)」
についてお話しましょう)
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