めぇでるコラム

2025さわやかお受験のススメ<保護者編>第八章(2)何にもないのかな 水無月

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       「めぇでる教育研究所」発行
   2025さわやかお受験のススメ<保護者編>
   「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
     豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第29号-
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第八章 (2) 何にもないのかな   水 無 月
 
 
★★しみじみとうまいにぎり飯★★
 
日本人に生まれてよかったなと思うことはたくさんありますが、米の飯を食べられるのも、その一つです。米の飯ほどうまいものはありません。寿司や鰻重、すき焼きなどでは、魚や鰻、肉が主役になり、称賛を浴びがちですが、どっこい、縁の下の力持ちは、何といっても「ご飯」です。米が、まずけりゃ話になりません。トロだろうが、天然物だろうが、霜降りだろうが、米に袖にされたら、もういけません。やっぱり、米は偉い。
 
しかし、何と言ってもしみじみと米のうまさがわかるのは、「にぎり飯」ではないでしょうか。
 
炊きたてのご飯を、手につけた塩で握り、海苔をまいて食べる。中身は、梅干しやかつお節があれば、もう、それで十分。こんなに簡単で、安く出来上がり、満腹感を味わえる食べ物は、他にあるでしょうか。にぎり飯、というよりは、「おにぎり」の方がふさわしいかもしれませんが、このおにぎりには、忘れがたい思い出がしみ込んでいます。
 
何事も便利になった現代ですが、便利になりすぎると、失うものも出てきます。
 
このことを考えるべきではないでしょうか。
何事も工夫しなくなると、受け身になりがちです。コンビニやスーパーなどで売っているおにぎりを、子どもに食べさせるのも考えものです。
 
お母さんやお父さんの手作りだからこそ、「おにぎり」であり美味いのです。
手作りだからこそ愛情が伝わるのではないでしょうか。
 
ちなみに、東日本では「おむすび」、西日本では「おにぎり」と呼ばれていたそうですが、コンビニのCMの影響もあり「おにぎり」優勢のように感じます。
 
さて、おにぎりの主役であるお米はいつから日本の主食になったのでしょうか。
 
 稲はもともと中国南部の山岳地帯で生まれたとされています。そこから北へ広がったものが、現在の日本で食べられているお米の短粒種“ジャポニカ米”です。“ジャポニカ米”は縄文時代後期に中国から北九州に伝わり、そこから長い年月をかけ、明治時代になりやっと北海道まで伝わりました。ということは、お米が日本全国で主食になったのは、今からおよそ140年前、明治時代からだったのです。5月は田植えの季節です。美味しいお米ができる秋が楽しみですね。
   (平成25年5月時の「聖徳大学附属小学校のホームページ」より)
 
ところで、小学校入学後のことで気になる給食・お弁当問題。
時代の流れで、お弁当持参だった学校も注文弁当や給食を導入する学校が増えてきました。
とは言え、弁当は、おふくろの味です。
おふくろの味は真心であり、世界に一つしかない専用のレストランで調理され、しかも好みに合う美味しいメニューしかありません。その弁当ですが、やはり、ご飯ですね(笑)。
手間はかかりますが、機会を見つけてはお弁当を食べさせてあげたいものです。
 
 
                            
★★衣替え★★
 
幼稚園児から学生さん、お父さん方のスーツまで、見事に様変わりする衣替えは、ご存知のごとく6月1日と10月1日です。
 
衣替えの起こりは、宮中の行事として始まったもので、平安朝では、旧暦の4月1日と10月1日に行われていましたが、室町時代から複雑になり、江戸時代のお武家さんの世界では、何と年4回も衣替えをしていたのです。
 
4月1日から5月4日までと9月1日から9月8日までは袷(あわせ-裏地のついた着物)、
5月5日から8月末日までは帷子(かたびら-裏地のない単衣仕立ての着物)、
9月9日から3月末日までは綿入れ(表布と裏布の間に綿を入れた着物)を着るように定められていました。
 
冷暖房の施設もなかった時代ですから、衣替えで対処するのが生活の知恵だったのでしょう。
現在のようになったのは明治以降で、学校や官公庁、銀行やデパートなど制服を着る業界では、この日を境に冬装束から夏装束に改めます。
 
かつては、夏服に変わると、梅雨の湿った陽気にうんざりする心に、さわやかな涼風を肌に送り10月には冬服に着替え、やってくる冬将軍に備えて気を引き締めたものですが、今は、通勤、通学も冷暖房完備の電車ですし、家に帰ればクーラー、ヒーターと至れり尽くせりですから、ファッションとしての要素が強くなっているのではないでしょうか。
 
ところで、この衣替えには、衣類を虫やかびから守る大切な仕事が待ち受けています。お子さまに、お手伝いをさせましょう。常にクローゼットで対応できるご家庭でも敢えて「防虫剤を入れて、収納する」という体験をさせてあげましょう。小さいときから、このような季節を肌で感じることができる仕事は貴重です。整理整頓を苦手とする大人が増えているようですが、その原因は、幼児期の体験の差にあるのではないでしょうか。
 
衣類だけではなく、部屋の模様替えも一緒にやって、気分転換をしてみるのもいいですね。子ども心にも、親の手伝いをするのはうれしいものです。そして、何よりの収穫は、特にお母さんがこういった家事を、笑顔でテキパキと片付けていく姿を見て、子ども達はたくさんのことを学んでいます。「子は親の背を見て育つ」は、まさに名言ではないでしょうか。
 
以前に紹介した、世界的なベストセラーにもなったドロシー・ロー・ノルトの「子どもが育つ魔法の言葉」を思い出してください。この本こそ、親になる前に私が出会いたかった数々の著書の一冊です。
 
この時期、不安定な気候が続くことがあります。そして梅雨。
そんな時、お母さんの笑顔こそ、うっとうしい季節を乗り越える清涼剤であることを、忘れないでほしいですね。お父さんの笑顔もですが(笑)。
 
  (次回は「父の日、その他」についてお話しましょう)
 
 
【本メールマガジンは、「私家版 情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話情操豊かな子どもを育てるには 上・下 藤本 紀元 著」をもとに編集、制作したものです】
 
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