めぇでるコラム
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する -合否を判定する必須十項目-★★[8]構成力・観察力に関する問題(1)
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「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
年長児のお子様をお持ちの方々へ
2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
<第39号>
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ご進級おめでとうございます。
年長さんになり、少し戸惑うかもしれませんね、お兄さん、お姉さんになりましたから。「さすがお兄さん!」「さすがお姉さん!」とプライドをくすぐり自信をもたせましょう。
「お兄さん(お姉さん)になったのだから!」は、不安や不満を募らせるだけで、賢い保護者が口にする言葉ではありません。
★★入試問題を分析する★★
[8]構成力・観察力に関する問題(1)
構成力・観察力に関する問題の基本は図形ですが、その他に模倣や同図形、異図形の発見などがあります。
[図形合成の問題]
三角形、正方形、長方形、菱形、円形などの形についての理解力を問う問題です。これも、かなり難しいですね。
◆プレート合成
★(数枚のプレートが置かれている)
「三角のプレートを使って、お手本と同じものを作りなさい」
難しくて、どこがどうなっているのか、わからないものがあります。とにかくプレートを持って悩んでいても始まりません。しかも時間は限られています。
迅速な対応が求められます。
問題集でやる場合、プレートがついていれば、それを切り取って利用できますが、ない場合は、少し厚手の紙で同じ物を作ってあげましょう。そして、問題集に取り組む前に、お子さんにいろいろな形を作らせて遊ばせ、「おもしろいな!」と興味を持たせることが大切です。プレート構成の意味が理解できてから、挑戦しましょう。
◆分割合成
★(5つに切り離されたプレートが、バラバラに置かれている)
「プレートをうまく組み合わせて、もとの円い形にしましょう」
三角形、正方形、長方形、円形が4つから5つに分割されたものを、元の形に復元する問題で、ジグソー・パズルのように、絵が描かれている場合は、かなりできますが、真っ白なプレートでは、苦労しますね。
お子さんにさせてみるとわかりますが、「△とは、□とは」と、定義を前提にせずに、どんどんと作っていきます。
言うまでもありませんが、円は、外は曲線です。
三角は、3本の線で囲まれて、角は3つです。
四角は、4本の線で囲まれて、角は4つです。
しかし、子どもたちは、これを無視して取り組みますが、しばらくすると「できました!」となるのですから、やはり、遊びの感覚ですね。図形の定義を抜きにした構成力で、本当に不思議なものです。
ただし、完成した時には、△、□、○などを言葉でいえるようにしておきましょう。三角形は「さんかく」、正方形は「ましかく」、長方形は「ながしかく」、円形は「まる」でいいでしょう。
★「左の形を作るには、右の長四角の中の、どれを使えばよいですか。
3つずつ探して○をつけなさい」
先程、プレートでやった問題を、プリントで答える応用問題となります。いきなり問題集をやると、直ぐにお手上げになりかねませんから、プレートを使い、基礎トレーニングを十分積んでから挑戦しましょう。その基礎トレーニングですが、またしても折り紙の登場です。形がそろわないとうまく構成できませんから、きちんと折り、丁寧に切ることが大切です。角を合わせて2回折ると4個の三角ができますから、それをお子さんに切らせます。
2枚使って三角を作ります。
次に四角です。
この四角を作るときに、角と角を合せて蝶々を作ることを覚えると、4枚で真四角を作るときに役に立ちます。
平行四辺形もできますが、名称は、覚える必要はありません。
今度は、4枚で三角と四角と長四角を作ります。
三角は二通りできます。
ここで、お父さん、お母さん、挑戦しましょう。お子さんが三角4枚で作った四角を使い、それより大きな四角を作ってください。かつて、東京女学館小学校で出題された問題ですが、頭が固いとできません。
今度は、四角を折ってみましょう。
上下の辺を合わせて折り、広げて折っていない方を同じように折ると四角が4つできます。三角は、何回切っても三角に変わりはありませんが、四角は、長四角と真四角の繰り返しですね。
次に、円形です。コンパスがなくても、茶わんを使えば描けます。
半分に折ると扇形ができます。さらに、半分に折ると4個の扇形ができます。
バラバラにして組み立てられれば、円と扇形の構成がわかります。
ところで、○の分割で、ケーキを3人、5人、6人で分けるといった問題がありますが、子どもたちには難問です。○を三等分、五等分、六等分に分けたものを作り、それを切り取り、形を覚えておきましょう。
この問題を解くときに、器用に分けられる女の子がいるものです。
「ママが、ケーキを切るのを見て、粘土でまねをしたの!」
お手伝いをしながら、5つ、6つに分けたのを見て、
「ママ、すごい!」
と驚き、実験して覚えたそうです。やはり、体験学習は、貴重な財産になっていますね。
同じ体験ですが、「丸い粘土の固まりを使い、同じ大きさの玉を3個作りなさい」といった問題で、粘土の固まりを板の上にのせ、手でゴシゴシとこすり、細長い棒状に伸ばして、それを三等分し、3個の玉を作った子がいました。
「ママとクッキーを作ったとき、こうすれば同じ大きさに作れると教わったの!」
と嬉しそうに話してくれたものです。
こういった日常生活での体験が、大きな知恵となっていることがよくわかります。生活体験、学校側の狙いもここにあるわけです。
少し脱線しますが、3個に分けた玉を一つに丸めて、「○が3個でも1個になる」という子どもたちがいるものです。つまり、1+1+1=3ではなく1だというわけです。3個の玉を、もとの固まりに丸めると1つの固まり[○]になりますから、確かに[1]になります。
これは、「ある量のものをいくつに分けても、もとの量は変わらない」という「量の保存」のことですが、量と数の違いは、粘土で説明するとわかりやすいでしょう。
最後に、作った形を真四角、長四角、三角、円といった形でまとめてみましょう。どこかで見たことはないでしょうか。そうです、積み木の箱です。一つの形を作ってきちんと収納されていませんか。図形の基本ですね。
三角2つで真四角が、真四角2つで長四角、長四角2つで真四角、扇形4つで円ができます。積み木を片付けながら図形の構成を学習しているわけです。スケッチブックなどにそれぞれの形を描き、その枠内にしまう練習もやってみましょう。
積み木は、頭脳のトレーニングになる遊びです。
遊んでいる子どもには玩具の一つですが、幼児期の図形学習や構成力、観察力や立体感覚を養うために欠かせない大切な教具です。巧緻性のところでお話した「手は第二の脳」を思い出してください。手を使う作業は、目でとらえた情報を脳に伝え、それをいかに行動に表すかを脳が考え、正しい指示を出し、手先が適切に作業をする、体と脳の共同作業だとお話しました。
こういった共同作業をスムーズにできる子の知的な能力が高いといわれるのは、それだけ試行錯誤を積み重ね、苦労をしながら、自発的に学習し、理解したものであり、先天的な能力だけではないと思います。しかも、子ども自身は「図形や構成力のお勉強!」などと思って、取り組んでいるわけではないのですが、構成力がつくだけではなく、夢中になって取り組むことで、集中力や学習意欲も培われます。
子どもは、単に記憶にだけ頼るのではなく、身体全体を使い、学習をしています。子どもの遊びは、すべて、何らかの学習につながっているのです。「遊びはいけないこと」と考える保護者いると聞きますが、それは間違いです。幼児期の遊びは、工夫する力を培う大切な作業であり、学習の場と考えましょう。
考え行動することで、自発性が養われるからです。
これで基礎トレーニングは、終わりです。
基礎をしっかり理解してから、問題集に挑戦しましょう。三角形、四角形のプレートつきのゲーム感覚の教材を選んでください。図形の問題に強くなると、考える力がつきます。複雑な問題になると時間もかかりますから、集中力や持久力もつきます。
お子さんが一所懸命に「……! ……? ……こうやるのかな!」などと考え、試行錯誤している時には、保護者は口を出さないことです。
忍耐です。
「お母さん、これ、どうなっているのかな……?」
などと助け舟を求めてきたときにアドバイスしてあげましょう。
お母さんにも根気が必要です。その心構えが、お子さんの持久力や取り組む意欲、自発性を育てるからです。
先程のお子さんが作った□を使って、それより大きな□を作る問題ですが、中心に集まっている4つの頂点を、底辺を軸に、それぞれ左、右、上、下へ裏返しにします。お子さんの作った□の外側に、4つの三角の屋根ができ、大きな□となるはずです。仕掛けがわかると何でもないように思えますが、「コロンブスの卵」と同じですね。日能研のキャッチフレーズではありませんが、「□
(シカク)いアタマを○(マル)くする」、子どもとの付き合いで大切なのは、親の既成概念、思い込みを押しつけないことです。
(次回は、「構成力・観察力に関する問題(2)」についてお話しましょう)
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