めぇでるコラム
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>今年の説明会より
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「めぇでる教育研究所」発行
2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
第56号
年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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今年の説明会より
「共学がいいか、別学がいいか」、徹底的に分析をしてくれたのが、立教小学
校の田代教頭の話。今年は少し端折ったところがありましたから、ここ数年の
話を基にまとめてみました。教頭は、その容貌と話し方からして、大変な熱血
漢であるとの印象を受けますが、おそらく、子ども達から「金八先生」などと
親しまれているのではないでしょうか。
「本校にはどんな男の子がいるか。男の子は単純で、雑駁で、ずぼらで、締ま
りがなく、言葉遣いは悪いし、けんかは日常茶飯事だが、私は好きだ。
脳科学者の話で、すべてに当てはまるわけではないが、脳の厚さは、女性は
11歳で最大になるのに比べ、男性は18ヶ月遅れるとか、実証されているそ
うだ。成熟差を中学生で比べると、1年半から2年間ほど遅れるそうで、我々
が教えていてもそれは感じる。
アメリカでは1932年に公立校の男女共学を禁止していた。しかし、2006
年10月に法改正がなされ、公立校で別学、共学を選択できるようになった。
脳の発達や思考、得意分野の違いをまったく無視し、同じ条件で教育したこと
に問題があるということで、別学が増えていく。
イギリスの研究者の話では、男女別学では、性別による固定観念を打ち崩しや
すいが、共学ではこれが難しいといっている。歌を歌う場合、共学では恥ずか
しがってほとんど歌わない。男子校の合唱は一つの特徴でもある。女子校では
今はやりの「リケジョ(理系女子)」ではないが、数学や科学を好む学生が増
えてきた。別学では男子らしさ、女子らしさという固定観念がなくなるのでは
といわれてきている。共学では逆に強調され、男女別学の良さが見直されて来
ている。アメリカの真似をするのが大好きな日本だから、文科省が力を入れて
いる中高一貫教育も、今に中高一貫男子校、女子校を作り出すかもしれない、
公立校の。我々は小中高大学までの一貫教育で男子校。皆さん方は、すでに先
見の明があるといえる。それを申し上げておきたい。18歳をこえると脳の成
長の差はなくなるそうだ。小中高で男女が分かれていて、大学で共学というの
は理想的な制度で、手前みそながら何ですか……」(会場から笑い声が起こり
ました!)
リケジョについては、国府台女子学院の平田史郎学院長も進学実績からその傾
向にあるとおっしゃっていましたが、「女子だけだからいいのです。共学にす
る考えはありません」と力説していた学院長、やはり科学的な根拠があったわ
けです。もしかすると、公立校での中高一貫男子校、女子校の誕生は、案外早
い時期に実現するかもしれませんね。
雙葉小学校の河野久美子校長の話。
学校生活は、競争の場ではなく、共に祈り、共に学び、助け合う場です。「先
生と子ども」「子どもと子ども」という関わり合いの中で、人間同士の信頼関
係を築き、自分が愛されていることを感じながら、子どもの人間としての成長
を助けていくようにと考えています。一人ひとりの子どもが、人との関わりの
中で、自己表現をしながら、その人らしく生きることができるように祈ってい
ます。バラはバラらしく、スミレはスミレらしく、その人らしく生きる。また、
自分で自由に学び、決定することができ、責任をとれる人に育てていくといっ
たように、子ども達が、これからの世界を支えていく人に育ってほしいと願っ
ています。(中略)
本学園は、それぞれ推薦入学で上級校へ進学する子ども達に、小学校と中学
校で同じ数の新入生を加え、新しい風を入れながら幼小中高と進んでいく一貫
教育校ですが、特別な進学体制をとっていません。
先程お話ししましたように、一人ひとりの子どもの人間としての成長を大切に
しているので、学習面だけに重きを置くのではなく、一貫教育の中で、のびの
びと能力を伸ばしてほしいと考えています。ですから、本校では保護者の方に、
このような学校の方針をご理解して頂き、学校と共に心を合わせ、手を携えな
がら、大切なお子さんを育てていこうとお願いしたいと考えています。
「バラはバラらしく、スミレはスミレらしく」、女子校らしいですね。「単純
で、雑駁で、ずぼらで、締まりがなく、言葉遣いは悪いし、けんかは日常茶飯
事」、男子校らしく、これもいいですね。
そして、今年も「親の祈り」の詩が同封されていました。
神様
もっと よい私にしてください。
子どものいうことを よく聞いてやり
心の疑問に親切に答え 子どもを よく理解する私にしてください。
理由もなく 子どもの心を傷つけることのないようないに お助けください。
子どもの失敗を 笑ったり 怒ったりせず
子どもの小さな間違いには目を閉じて 良いところを見させてください。
良いところを 心から褒めてやり 伸ばしてあげることができるように。
お与えください。
感情的に叱るのではなく 正しく注意してやれますように。
道理にかなった希望は できる限りかなえてやり
彼らのためにならないことは やめさせることができますように。
どうぞ 意地悪な気持ちを 取り去ってください。
不平を言わないように 助けてください。
こちらが間違った時には きちんと謝る勇気を与えてください。
いつも 穏やかな広い心を お与えください。
子どもと一緒に成長させてください。
子どもが 心から私を尊敬し慕うことができるよう
子どもの愛と信頼にふさわしい者としてください。
子どもも私も 神様によって生かされ 愛されていることを知り
他の人々の祝福となることができますように。
如何でしょうか。
こういったお母さんになれれば、志望校から招待状は頂けるでしょうし、「お
母さんに育てられてよかった!」と間違いなく尊敬されますね。難しいことで
すが(笑)。
最後に、幼稚舎の大島誠一舎長の話を紹介しましょう。
戦後すぐに幼稚舎長を務め、今の幼稚舎の理念を作られた吉田小五郎先生が
おられたが、先生は次のように述べられている。
「神様は良くしてくださったもので、学校の成績が悪くても、他に優れたこと
をたくさん授けてくださっていることに気づかずにいる。例えば、ひょうきん
でお友達に人気がある。
図工や工作がうまいとか、けんかに強いとか、木登りが上手だとか、かけっこ
が速いとか、おばあさんに親切だとか、動物が大好きでよく世話をするとか、
言葉がきれいだとか、物事を熱心にやるとか、人の悪口を言わないとか、これ
だけで、もう立派なのですよ。成績が悪いだけで、そんなに劣等感を持つこと
はありません」
この話を聞くたびに、劣等感を植え付けているのは、親自身ではないかと考
えさせられますね。昔からテストや通信簿の成績にこだわるのは、親ではない
でしょうか。テストの結果や成績が良くないことを知っているのは、子ども自
身であることに、気を使ってほしいですね。
また、受験者の心構えとして、
「本来、5、6歳の幼い子ども達に入学試験を通して課題を与え、判断したく
ないが、志願者が多いため、選択せざるをえない。倍率の高いことを踏まえ志
願していただきたい。入学試験のために、5、6歳の幼児に、不自然な生活態
度を強いることは望んでいない」とおっしゃっていました。
加藤三明前舎長は、「親のエゴで子どもをスポイルしないでほしい」といってい
ましたが、夏休み過ぎ頃から、過熱気味になりやすいですから、冷静に考え、
対処してほしいと願っています。
梅雨があけませんね。不順な天候が続いていますが、休養も十分取り、頑張り
ましょう。
(次回は「よくある質問について」お話ししましょう)