めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<保護者編>第八章 (3) 何にもないのかな 水無月

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
             -第30号-
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第八章 (3) 何にもないのかな  水無月
★★父の日、これもアメリカ生まれです★★
6月の第3日曜日は、父の日です。
母の日がアメリカ生まれですから、父の日も同じでしょう。母の日があって父
の日がなくては、男女同権の国ですから、男の立つ瀬がありません。いかにも
アメリカらしいですね。
 
1910年に、アメリカのワシントン州でジョン・ブルース・ドット夫人が、
妻を亡くして男手一つで育ててくれた父に感謝するパーティーを開いたのが始
まりとされている。
その後、1934年に父の日委員会が結成され、母の日にならって6月第3日
曜日を「父の日」と定めたのである。日本では、母の日に遅れること4年後、
昭和28年(1953年)から、一般的な行事として認められるようになった。
(年中行事を「科学」する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P102)
 
父の日に贈られる花は、何でしょうか。まだ、子どもが小さかった頃にもらっ
た記憶はありますが、花の名前は思い出せません。バラの花だそうです。たい
そう気品のある花ですから、何か訳がありそうです。
カーネーションが、十字架にかけられたキリストを見送った、聖母マリアが落
とした涙の後に咲いた花でしたから、おそらくバラもキリストと関係あるでし
ょう。予想どおりでした。十字架にかけられたキリストの血が落ちて、そこか
らバラが花を咲かせたそうです。さらに、こういった説もあります。
 
父の日の花はバラである。バラは花の美しさと香りの気高さのため、古代から
人々に愛されてきた。ローマ教皇はバラを手にし、信者はロザリオで祈りを唱
える。ロザリオrosaryはラテン語rosa(バラ)、rosarium(バラ園)に由来し、
尊敬と喜びのしるしであった。古代ローマでは、祭日の日には神殿も戦車もバ
ラで飾られ、将軍は賞讃のしるしとしてバラの花束を手に持った。現代でも音
楽会の終わりにはバラの花束を捧げて演奏を讃える風景が見られる。
(年中行事を「科学」する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P102)
 
聖なるバラです。
花言葉は「尊敬と愛の情熱」です。お父さん方は、承知してもらっているでし
ょうか。
承知のうえでしたら、頑張らざるをえないですね。父権は、かなり喪失したと
いわれていますが、やはり、お父さんは頼られています。お父さんは、「一家
の大黒柱であるべきだ」と1940年生まれの私は思うのですが……。
この花言葉、前回にも紹介しましたが、調べると面白いですね。パソコンで簡
単に検索できますから、退屈なときアクセスしてみましょう。
 
ところで、小学校の入学試験に「話の記憶」といった問題がありますが、ある
ミッション系の学校で、「母の日にお母さんに贈る花の絵に○をつけましょう」
といった出題がありました。5つの花の中から選ぶのですが、その中に、何と
バラの花も入っていたではありませんか。さすがだと思いました。
事の起こりは、キリストに関係があるのですから。
 
★★夏 至★★
二十四節気の一つで、春分、秋分、冬至と、それぞれ楽しい行事がありますが、
夏至には、何かあるのでしょうか。暑い盛りではありませんが、うっとうしい
日が続く頃です。1年中で、いちばん昼の長い日ですから、何だか疲れを感じ
がちです。
これは、夏至のとき、お日さまは、もっとも北に寄っているからです。ですか
ら、北極ではお日さまが沈みません、白夜です。逆に、南極ではお日さまの姿
を見ることはできません。
土用の日のように、うなぎを食べて元気をつけることもないようですし、何だ
か夏至だけが、冷たくあしらわれているような気もしなくはありません。しか
し、夏至だけ問題にするのは不公平です。
雨水、清明、芒種などといわれても、何やらわかりませんが、これも夏至と仲
間の二十四節気のことです。
 
正しい季節を示すために作られた目印を二十四節気といった。太陰太陽暦では
暦の上の月日と季節がくいちがいをおこすので、暦の月日とは別に、農事に必
要な季節の標準を示す必要があったからである。1太陽年を24等分して、太陽
が最も低く昼間の最も短い冬至から始めて、1年を24等分した分点を二十四
節気とした。
(年中行事を「科学」する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P39)
 
二十四節気とは、正しい季節を示す目印と考えるとわかりやすいですね。日本
は農耕民族です、今は疑わしいですが。昔は、太陰太陽暦を使っていましたか
ら、今のグレゴリオ暦では、暦の上の月日と季節とが、食い違いを起こすので、
暦の月日とは別に、農事に必要な季節の標準を示す必要があったのです。よく、
テレビなどで、
「今日は、啓蟄の日です。冬ごもりをしていた虫たちも、はい出る日といわれ……」 
などとやっています、あれです。 今年の二十四節気は以下の通りです。
 
★★二十四節気★★
春                  夏
立 春  2月  4日 頃        立 夏  5月  6日 頃
雨 水  2月 19日         小 満  5月 21日  
啓 蟄  3月  6日         芒 種  6月  6日  
春 分  3月 21日         夏 至  6月 22日  
清 明  4月  5日         小 暑  7月  7日  
穀 雨  4月 20日         大 暑  7月 23日    
 
秋                                   冬
立 秋  8月  8日 頃       立 冬 11月   8日 頃 
処 暑  8月 23日         小 雪 11月  23日   
白 露  9月  8日        大 雪 12月   7日   
秋 分  9月 23日        冬 至 12月  22日   
寒 露 10月  8日        小 寒  1月   6日   
霜 降 10月 24日             大 寒  1月  20日   
              (「国立天文台 天文情報センター」より)
 
立春 旧冬と新春の境目、まだ、寒さの厳しい頃です。
雨水(うすい) 雨水がぬるみ、草木が芽を出し始めます。
啓蟄(けいちつ) 冬眠している虫たちも、穴からはい出してきます。
春分 昼夜が等しく分かれ、昼間が長くなり、夜が短くなってきます。
清明(せいめい) 桜花爛漫、春の盛となり、天地万物に清新の気があふれる
   時期。
穀雨(こくう) 春雨は、田畑をうるおし、穀物の成長するときです。 
 
立夏 春は去り、爽快な夏の気配を感じる頃です。
小満(しょうまん) 日増しに暑くなり、草木が繁り天地に満ち始める時です。
芒種(ぼうしゅ) 芒(のぎ・稲や麦などについているとげ)のある穀物を植
   える時。
夏至 日の長きに至る、昼がもっとも長くなる日。梅雨のさかりで、田植えの
   時期。
小暑(しょうしょ) 日増しに暑さが加わり、この日から暑中見舞いを出し始
   めます。
大暑(たいしょ) 暑さがもっとも厳しくなる頃。
 
立秋 暦の上だけの秋、まだ、真夏の頃。この日から残暑見舞いとなります。
処暑(しょしょ) 暑さが止み、秋風が吹く頃。「処」は「とどまる」の意。  
白露(はくろ) 秋も本格的となり、野草に甘い露の宿る頃。
秋分 昼夜が等しく分かれ、春分とは逆に、昼が短く夜が長くなります。   
寒露(かんろ) 野草に冷たい露が宿る頃。
霜降(そうこう) 秋の気配も去り、朝霜のおりる頃。
 
立冬 冬の気配がうかがえる頃。
小雪(しょうせつ) 寒さもさほどでもなく、雪も少ない頃。
大雪(だいせつ) 北風が強くなり、寒さも厳しく、雪が降り始めます。
冬至 日の短きに至り、夜が長くなる日です。
小寒(しょうかん) 寒気が加わり、雪が積もる頃。
この日を「寒の入り」とし、寒中見舞いを出し始めます。
大寒(だいかん) 冬将軍がもっとも威勢のよい時期ですが、寒さの中にも
   「春とおからず」の希望がふくらむ頃。
 
しかし、漢字って、いいですね。
「雨水」「処暑」など見ているだけで、何やら、日本を訪れる季節の兆しが、
思い浮かびませんか。
今から2000年前の頃、中国の周王朝により華北の気象状況にあわせて作
られたそうです。何と2000年前のことです、感動しませんか。感動しま
すが、何だか実感がありません。大暑といえば、実感としては、8月7日の
立秋の頃ではないでしょうか。日本でいうと、岩手県の季節と合っているそ
うです。東京でも、ピンとこないのですから、九州地方のみなさんは、どう
でしょう。
この原因は、今は、グレゴリオ暦を使っているからです。二十四節気は、先
程もいいましたように、むかし使われていた太陰太陽暦によって決められて
いますから、1ヵ月位の差が出るのです。
 
かつてある新聞に、気象協会では、新「二十四節気」を作ると出ていました。
その訳は、「寒いのに立春、暑いのに立秋―。中国伝来の二十四節気は、季
節の移り変わりに彩を添える言葉だが、ちょっと違和感を感じませんか」
(原文のまま)(中略)同協会は「現代の日本の季節感になじみ、親しみを
感じる言葉を選びたい」のだそうです。どんな言葉が作られるかわかりませ
んが、1月、2月より、睦月、如月の方が、季節感を味わえる世代には、想
像もつきません。
昔から親しまれていた町名を、無味乾燥な番地に変えてしまったことを思い
出しますね。もっとも、温もりのない、冷ややかなコンクリート・ジャング
ルには、ふさわしいかもしれませんが……。
“コンクリート・ジャングル”、英語のようですが、ナイター、サラリーマ
ン、パトカーと同様、和製英語です。驚いたことに、と言っても私だけでし
ょうが、「オーダーメイド」「デコレーション・ケーキ」も和製英語で、
正しくは“custom made”、“fancy cake”だそうです。パソコンで「和製
英語」を検索すると、正しい英語を知ることができます。ちなみに、パソコ
ンも和製英語で、正しくは“personal computer”です。
平成27年6月現在、「新二十四節気」にお目にかかりませんが、発表されて
いないのでしょうか。
 
ところで、「人のうわさも七十五日」といわれていますが、その語源が二十
四節気と関わりがあるのですから、面白いものですね。
 
「日本には二十四節気という季節の区切り方があります。365日を24等
分するので、一節気はおよそ15日。昔から五節気経てばまったく違う季節
になるといわれていましたから、15×5=75日となります。75日も経
てばまったく新しい季節になるのだから、それまでのことは忘れようという
意味なのでしょう」
(「つい他人に自慢したくなる無敵の雑学」
 なるほど倶楽部 編 角川書店 刊 P18)
(次回は「6月に読んであげたい本」についてお話しましょう)

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