めぇでるコラム
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>志望校選びの10のチェックポイント(3)
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「めぇでる教育研究所」発行
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
第50号
年長児のお子さまをお持ちの方へ
小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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志望校選びの10のチェックポイント(3)
★説明会情報★
聖心女子学院初等科
オンライン学校説明会開催中。期間は6月20日(日)17時まで
[七]志望理由
七番目は「志望理由」です。建学の精神や校訓、設立理念などを、どのように
解釈するかでしょう。それが、ご家庭の育児の方針と、どういった接点がある
かを、きちんと把握しておくべきです。学校側のいう「共通認識」です。母校
を受験される場合は、ご自身の経験されていることですから問題はありません
が、出身者でない場合は、重要なポイントになります。学校側も、なぜ、受験
されるのか、聞きたくなるのも当然ではないでしょうか。
雙葉小学校の校訓、「徳においては純真に、義務においては堅実に」について
考えてみましょう。
これについては、ある年の横浜雙葉小学校の説明会で聞いたもので、文言は正
確ではありませんが紹介しておきましょう。
「『ママ、これを手伝ったら、何かを買ってくれる?』
と、見返りを考えるような子どもに育てるようでは、『徳においては純真に』
ではないということで、4歳、5歳の子ができることを、お母さんの手を借り
なくてはできないようでは、『義務においては堅実に』とはいえません。そう
いう子育てをしているご家庭のお子さんを、雙葉は歓迎しません」
つまり、「思いやりのある、自分のことは自分でしっかりやろうとする子」が
ほしいということでしょう。
そういう育児をしていれば、志望理由を聞かれても、私どもの育児の姿勢と一
致しているから受験したと、自信を持っていえるのではないでしょうか。これ
が志望理由で、いちばん大切なことです。
ある学校の面接で、お子さんに、
「お母さんが作ってくれるお料理で、いちばん、おいしいのは何ですか?」
と尋ねたところ、
「電子レンジで、チーンをするカレーライスです!」
と、元気に答えたのです。
そして、お母さんに、
「なぜ、本校を受験されたのですか」
との質問があったのですが、お母さんは、躊躇せずに、
「御校の手作りの教育方針に賛同して、受験させていただきました」
と答えたのでした。面接された先生も驚かれたでしょう。電子レンジで温める
料理と手作りの教育では、違和感がありますから。
「育児の方針」と「学校の教育方針」に矛盾があるような志望理由では、今紹
介したようなことになりかねません。絵に描いた餅のようなことをいっても、
説得力はないでしょう。学校と家庭の考え方に食い違いがあっては、教育は成
り立ちません。
コマーシャルになりますが、幼稚舎をはじめ25校の「志望理由のまとめ方」
を中心に解説した「おとうさん おかあさんの受験対策」、「面接ここがポイ
ント」をお勧めします。
詳しくは、めぇでる教育研究所のホームページ(https://www.medel.jp)をご
覧ください。
[八]ご家庭の教育方針
八番目は「ご家庭の教育方針」についてです。学校側がいう「ご家庭の教育方
針」とは、「ご両親の育児の姿勢」のことで、難しく考える必要はありません。
どんな時に褒め、どんな時に叱るか、箇条書きにしてみましょう。できあがっ
たものが、ご家庭の教育方針です。「嘘をついたら怒るよ」といえば、「嘘を
ついてはいけません」となるわけです。いろいろと出てくると思いますが、そ
の日の気分次第で怒って、また、あとで怒らなければよかったと後悔するのは、
教育方針ではありません。
ご両親で、別々に書いてみましょう。一致していれば、ご両親の子育ては、う
まく連携が取れているといえます。したがって、怒ったり叱ったりすることも
少なくなっているはずです。反対に、異なる点が多ければ、育児の姿勢に問題
ありといえるでしょう。被害者は、お子さん自身であることを忘れてはいけな
いと思います。「叱る」と「怒る」は、全く違うことを知っている賢いお母さ
んになってください。
[九]お子さんの長所と短所
九番目は「お子さんの長所と短所」についてです。お子さんの長所と短所を箇
条書きにしてみましょう。これも、ご両親で別々に書いてください。お父さん
方は、ほぼ客観的に見ることができますが、お母さん方は、やや主観が入りす
ぎる傾向にありますから、注意が必要です。育児でうまくいっているところが
長所で、そうでないところが短所として、表われているのではないでしょうか。
短所は、ご両親の育児の反省点として、修正していきましょう。子どもの短所
を叱る前に、そういう環境で育ててきたことに目を向けるべきです。また、ご
両親の性格を受け継いだ、いわゆる遺伝もあるかも知れませんから。
[十]テストの形式
最後に、テストの形式です。
小学校の入学試験は、ペーパーテストが中心になっていましたが、平成4年度
から導入された幼稚園教育要領で、保育の方針が、従来の一斉保育から自由保
育に変わりました。その結果、入学試験にも変化が見られ、ペーパーテストを
廃止して、行動観察型のテストをする学校がふえてきたのです。
テストの形式を簡単に説明しますと、ペーパーテストは、持ち点百点から始ま
り、できなかった問題の合計点を引く減点方式であり、行動観察型のテストは、
持ち点ゼロから始まり、できた問題の合計を加算していく加点方式といえると
思います。
大胆な表現ですが、一斉保育は、みんな同じ方向を向き、「こういったことが
できないから、できるようにしましょう」という保育であり、自由保育は、み
んな違った方向を向き、「子ども一人ひとりの個性をのばしましょう」という
保育と考えると、一斉保育は減点方式的であり、自由保育は加点方式の保育と
いえないでしょうか。このように考えると、学校側のテスト形式の変更も納得
できると思います。
さらに、平成12年度から、東京女学館小学校が、親子面接だけというAO型
入試(アドミッション オフィス)を導入、一般入試と2つの方法で入試を行
っています。誤った情報から、親子が過激な受験準備に落ち込まないためにも、
画期的な方式として評価され、その成果が注目されています。令和4年度募集
人員は、一般入試35名、AO型入試45名(内約3名 国際枠)となってい
ます。
このように、学校によってテスト形式が違っていることにも目を向け、適切に
対応すべきだと思います。
テスト形式
・ペーパーテスト中心
暁星小学校、雙葉小学校、白百合学園小学校、東洋英和女学院小学部、
立教女学院小学校、光塩女子学院初等科、国府台女子学院小学部、
昭和学院小学校、日出学園小学校、千葉日本大学第一小学校など。
・行動観察
慶應義塾幼稚舎、学習院初等科、青山学院初等部、成城学園初等学校、
立教小学校、桐朋小学校、桐朋学園小学校、川村小学校など。
・個別テスト
成城学園初等学校、桐朋小学校、桐朋学園小学校、青山学院初等部な
ど。
※青山学院初等部の令和3年度入試はペーパーテストが行われました。
・体験入学方式
横浜雙葉小学校
・AO方式
東京女学館小学校(一部)
[10項目のチェックの方法]
[一]一貫教育制度 [六]健康状態
[二]共学制度 [七]志望理由
[三]別学制度 [八]ご家庭の教育方針
[四]宗教教育 [九]お子さんの長所と短所
[五]通学距離と所要時間 [十]テスト形式
以上の十項目を、以下のようにチェックしてみましょう。
[九]お子さんの長所と短所
[八]ご家庭の教育方針
[七]志望理由
[五]通学距離と所要時間
[六]健康状態
[一]一貫教育制度
[二]共学制度
[三]別学制度
[四]宗教教育
私たちの子どもには、こういう長所があり、こういった短所がある。
それは私たちが、こういう家庭の教育方針で育ててきたからだ。
そこで[一][二][三][四]のチェックポイントを基に、学校を調べると、○○小
学校が、わが子にはふさわしい教育環境であることがわかる。
1時間以上かかり、電車を2回乗り換えるけれど、自力で通学できるか。
このような答えが出てくると思います。
参考までに、[一]~[四]のチェックポイントに該当する学校の一部を紹介して
おきましょう。
共学で大学までを希望すれば慶應義塾幼稚舎、学習院初等科、早稲田実業学校
初等部、成蹊小学校、成城学園初等学校、千葉日本大学第一小学校、桐蔭学園
小学校、慶應義塾横浜初等部など。
昭和女子大学附属小学校は、中高大は別学。聖徳大学附属小学校は大学が別学。
共学で高校までの学校は、森村学園初等部、日出学園小学校など。
共学で短大まである学校は、昭和学院小学校(姉妹校の昭和秀英は中高一貫教
育)
別学で大学までならば、日本女子大附属豊明小学校、川村小学校など。
宗教教育がいいとなれば、共学で大学までならば青山学院初等部、玉川学園小
学部、聖学院小学校(中高は別学)、淑徳小学校など。
別学の男子で高校までを望むなら暁星小学校、大学までなら立教小学校。
女子では高校までならば、雙葉小学校、田園調布雙葉小学校、横浜雙葉小学校、
光塩女子学院初等科、東京女学館小学校(東京女学館大学は2016年3月で
廃校)、国府台女子学院小学部など。
大学までとなると白百合学園小学校、東洋英和女学院小学部、聖心女子学院初
等科など。
小学校だけでいいとなれば国立学園小学校。聖徳大学附属小学校は、男子は小
学校まででしたが、2021年からは高校までの共学となりました。
桐朋小学校(仙川)、桐朋学園小学校(国立)は、小学校は共学ですが、中高は別
学。
ただし、白百合学園小学校の説明会で根本副校長(現校長)も「併設中学には、
ほとんど進学していることを一言申し添えておきます」とおっしゃっていまし
たが、一貫教育制度だからといって、無条件に進学できるわけではなく、お子
さんの努力しだいとなります。
また、聖心女子学院初等科の説明会で、「私どもの学校は文系ですから、理系
に進む場合は受験になりますが、最近、増える傾向にあります」とおっしゃっ
ていました。理系女子(リケジョ)のことですが、大学に学びたい学部がなけ
れば、高校までの学校と同様、受験することになります。
さらに、中学進学の際に他校へ受験するケースも多く、併設校への進学と外部
受験の状況については、小中高のホームページに詳しく掲載されていますので、
ご覧になることをお勧めします。
なお、聖心女子学院は4-4-4制の導入により中学での募集はなくなりまし
たが、ファーストステージは1クラス32名3学級で96名、セカンドクラス
は1クラス40名3学級で120名編成のため、不足となる24名は、5年生
の転入・編入試験で募集しています。応募資格は「原則国公立小学校在籍」で
す。詳しくはホームページをご覧ください。
最後に結論として、[六]から[九]までが、きちんとできあがらなければ、
学校選びは、お子さん中心になっていないと思います。特に、[六]の健康状
態、心身共に健康でなければ、小学校の受験は、無理であると断言しておきま
しょう。
さらに、私立を受験される方には、言わずもがなのことですが、公立の学校は、
無理のない時間内で、幼稚園や近所の友達と一緒に通えますが、私立の場合は、
友達と別れて、時間をかけ、しかもたいへんなお金をかけて通学させるわけで
す。本当に、お子さんのことを考えて選んだのでしょうか。自信を持ってうな
ずけるご両親であるように、よく話し合ってほしいと思います。そして、しつ
こく繰り返しますが、ご家庭の教育方針と学校の教育方針に違和感のないこと
が、ベストの学校選びとなるのです。
次回から2回に分けて、志望理由の決め手となる学校の建学の精神や校訓、教
育方針について簡単な解説をしてみたいと思います。