めぇでるコラム

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★[8]構成力・観察力に関する問題(2)

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        「めぇでる教育研究所」発行
2021さわやかお受験のススメ小学校受験編
            第40号
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★入試情報★
○日出学園小学校
 第1回学校説明会 3月7日(土)中止
 第2回学校説明会
 日時  5月9日(土)  13:30~15:00
  校長講演 テーマ「知的好奇心のくすぐり方」
                  (予約制、受付票を印刷して持参)
今年の公開行事の日程も出ています。詳しくはホームページをご覧ください。
 
◯国府台女子学院小学部
  5月に開催予定の説明会、見学会は中止。
  運動会、七夕まつりの見学も取りやめに。感染状況により6月以降も中止の可能性あり。
               詳しくはホームページをご覧ください。
 
今年の学校見学会、説明会は、混乱を招きそうです。志望校のホームページにアクセスし、
情報を逃さないように注意しましょう。
 
★★入試問題を分析する★★
 [8] 構成力・観察力に関する問題 (2)
 
今回は複雑な分割です。三角形、四角形、円形の二分の一、四分の一といった分割は、基礎
トレーニングで理解できているはずです。問題は、複雑な分割です。
大人でも、「ナヌ……?」と考え込んでしまう問題もありますね。
ですから、これもいきなり問題集を使うのは、やめた方がいいでしょう。
混乱するだけです。
「ブンカツ! 聞いただけで頭が痛くなるわ!」
算数嫌いになりかねません。小学校の勉強は、1年生から何といっても国語と算数が基本で
すから、スタートでつまずくと大変です。
 
問題集を買い、複雑に分割してある問題を、お子さんが、かつて愛読していた絵本などを使
い、その通りに線を引き、切り、それを使ってやってみましょう。
昔の愛読書ですから、覚えているでしょうし、忘れていても思い出します。
それに形が大きいですから、しっかりと学べます。
3分割ぐらいから始めましょう。
「お母さん、これ『桃太郎』でしょう!」
笑顔を浮かべながら取り組むお子さんの姿を想像できますね。
絵本には、いろいろな思い出が残されていますから、面白がって取り組むはずです。
表ができたら、裏も使えます。
1枚の絵で、二通りの学習ができます。
コツが理解できれば、白紙で挑戦、 絵で一回学習していますから、最初は楽勝ですね。
これでやる気を育て、複雑な問題に挑戦できるようにしましょう。
 
できない問題があっても、心配はありません。
問題集を読んでいて、「こんなの、時間内にできるのかな?」と思える問題があると、学校
側の狙いは何だろうと考えてしまいます。難易度の高い問題があると、「できないと合格し
ない!」と考え、無理やり教えこんでしまうお母さんがいると聞きます。何といってもお母
さん方は、偏差値教育を受けてこられた元受験戦士ですから、やりますね。
しかし、考えてみましょう。受験生は5、6歳の幼児です。学校側は、構成力、プラスやる
気、意欲、これを見ているのではないでしょうか。
あせらずに、時間をかけて、できるようにしてあげましょう。
 
このように心がけていると、例えば、試験場で難しい構成の問題に出合った時、「わかんな
い…!」と泣き出してしまう子と、できなくても最後まで挑戦し、時間がきたら、「やっぱ
り、できないな!」といって、きちんとやめる子とでは、泣き顔のお子さんからは「何でも
できなくてはいけないと考える満点主義の教育ママの顔」が、頑張ったお子さんの場合は「一
所懸命に頑張ってできなければ仕方がないでしょう」とあたたかく励ますお母さんの笑顔が
浮かんでくるといった評価も生まれるものではないでしょうか。先生方、期待していますよ
(笑)。
 
オロオロ、キョロキョロと辺りを見るようでは、「できなきゃいけない!」という価値観が、
お子さんをがんじがらめにしていることになりかねません。
小さい時から、「何でもできなくては駄目!」と教えるのは、いいことではないと思います。
できないことがあるから、できるように勉強するのが学校教育の目的です。できないことが
悔しかったら、それをバネにして挑戦する気持ちの方が大切です。幼児期は、結果を競い、
結果だけを求める時ではありません。やはり、「やる気、挑戦する意欲」を見ていると思い
ます。
家庭学習でも、こういった面を育ててほしいですね。
 
プリントでの分割の問題は、当てはまらないもの、おかしいものを消していく消去法がいい
でしょう。その時に、なぜ必要ではないのかをお子さんに説明させると、効果はさらに上が
ります。自分の考えを言う、言葉で表現するのは、本当に難しいですね。
「これは、ここが違うから、当てはまらないわ」
「そうですね、角度が違うわね」
「角度って、なあに?」
「開き具合ですよ」
これは教え込むのではなく、「……?」と興味を持たせることです。関心を持てば、記憶さ
れるものです。
知的な刺激を与えてあげましょう。
 
構成の問題に限りませんが、たとえば、答えが違っていたとします。前にお話しましたが、
そんな時に、やってはいけないことがありますね。子どもの前で、間違いを指摘しないこと
です。
「これ違っていますよ!」
「それならこれかな?」
「違います!」
「じゃ、これかな?」
「何で、考えないの、あなたという子は!」
こうなりがちです、そうではないでしょうか。
最後は、顔色も変わり、話す口調に怒気さえ含んでいます。子どもは怒られたくない一心で、
ひたすら残っている答えを指差すだけです。偶然に答えが合うことを祈って、です。考える
時間を与えていません、お母さんは。
「勉強って、つらいものだな!」
このような気持ちにさせてしまっては、小学校へ入る前から、勉強の嫌いな子になりがちで
す。
 
わからなかったら、コピーをとり、それを切らせ、組み立てることです。怒られて、おどお
どしながらやっているお子さんの気持ちを考えてあげましょう。かわいそうだと思いません
か。お子さんが、お母さんの顔色を気にしはじめたら、気分転換をはかることですね。お互
いの精神衛生のためです。難易度の高い問題に取り組むときこそ、あたたかい配慮が必要で
す。
 
閑話休題。
問題の解説は一休みして、お母さんの「育児の姿勢」をチェックしてみましょう。これは、
かつて、天皇陛下が皇太子時代に記者会見で披露された詩です。日本でもベストセラーとな
った「子どもが育つ魔法の言葉」(PHP研究所 刊)の著者、ドロシー・ロー・ノルトの
作ですが、お読みになったお母さん方は、この本の冒頭にある「子は親の鏡」の詩には、納
得されたのではないでしょうか。ここで紹介するのは、確か、スウェーデンの中学生用の教
科書にあったものだと記憶していますが、資料が見つからないもので、間違っていたらお詫
びいたします。
私どもも教室の入り口に掲示していますが、「育児しながら育自する」お母さん方が大切に
している心構えではないでしょうか。
 
      子ども  ドロシー・ロー・ノルト 作
 批判ばかりされた 子どもは 非難することを おぼえる
 殴られて大きくなった 子どもは 力にたよることを おぼえる
 笑いものにされた 子どもは ものを言わずにいることを おぼえる
 皮肉にさらされた 子どもは 鈍い良心の もちぬしとなる
 しかし、激励をうけた 子どもは 自信を おぼえる
 寛容にであった 子どもは 忍耐を おぼえる
 賞賛をうけた 子どもは 評価することを おぼえる
 フェアプレーを経験した 子どもは 公正を おぼえる
 友情を知る 子どもは 親切を おぼえる
 安心を経験した 子どもは 信頼を おぼえる
 可愛がられ 抱きしめられた 子どもは 世界中の愛情を 感じることを おぼえる
 
いかがでしょうか。
お子さんは、ご両親の作る環境で育っていくことを、忘れてはいけないと思います。受験さ
れるお子さんは、同世代のほんの一部の子どもたちの一人です。ほとんどの子どもたちは、
こういった受験準備をせずに、小学生になります。
算数を例に取れば、加減乗除から分数の領域まで、数字も記号も使わずに学習し、「話の記
憶」では、中高学年で習う「長文の読解」を文字も使わずに学習するわけですから、家庭学
習は、そのことを理解した上で、無理のないように進めていただきたいのです。
お子さんが嫌がるときは、スパッとやめましょう。
そして、寝静まった頃に、お子さんの寝顔を見ることですね。
お母さんの気持ちも、切り替えられると思います。
大切なのは、お子さん自身の将来、歩むべき道ですから……。
 
休園中の園が多いようですが、年長さんになり一日でも早く、元気に通う姿をみたいですね。
集団生活への適応力をきちんと身につけるのも、合否の鍵となる大切なポイントです。
楽しく過ごせるように心がけてください。
少しでもお兄さん、お姉さんらしくなったところが見えたときは、ほめてあげましょう。
第39号でもお話ししましたが大切なことですから繰り返します。
「さすがお兄さん(お姉さん)!」は、子どもに自信を持たせ、「お兄さん(お姉さん)な
んだから!」は、不満や不安を募らせがちで、賢いお母さんの口にする言葉ではありません。
子どもたちは、お母さんの何気ない言葉にも、敏感に反応していることを忘れないでくださ
い。
 
お母さん手作りのかわいいマスクをした子に会いましたが、マスクの大量買い占めは「天網
恢恢疎にして漏らさず」、悪いことをすれば天罰を被ります。
(次回は、「構成力・観察力(3)」についてお話しましょう)

 

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