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めぇでるコラム

2026さわやかお受験のススメ<小学校受験編>■■[2]5つの試験形式■■(1)ペーパーテスト-2

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         「めぇでる教育研究所」発行
2026さわやかお受験のススメ<小学校受験編
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2026年度入試(2025年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第20号
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発行者よりお知らせです。
 さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>
は、11月から
 さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
にタイトル変更してお届けしています。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 
幼児教室では、11月から新年長クラスが始まりました。
お子さんは、お授業を楽しんでいますでしょうか。
 
 
■■[2]5つの試験形式■■ 
 
(1)ペーパーテスト-2
 
正直にいって、下のようなお父さん先生、お母さん先生が恐いのです。
 
何とか力をつけさせようと夢中になってしまい、自分の言っていること、やっていることが、わからなくなってしまうことがあるのです。
例えば、難易度の高い「図形」の問題などで、子どもがよく理解できていないときに、こういったことが起きがちです。お父さん、お母さん自身は、説明したことでお子さんも理解できたと思い、問題に取り組むのですが、できません。
 
1回ぐらいの間違いは許容範囲ですが、何回も同じ間違いが続くと、親の顔つきも変わり、
 
 「何回、教えたらわかるの!」
 「こんな簡単な問題が、どうしてできないの!」
 
と、なりがちなのです。
 
幼児が「わからない」というときは、本当にわからない、理解できていないのです。このことをしっかりと肝に銘じ、親御さんの説明が不十分であることを考え、お子さんがわかるように工夫してあげることが大切で、お子さんを責めるべきではありません。
 
また、昨日教えたことが、今日になるとできない場合もあります。
それはお子さん自身が経験していないことを、記憶だけに頼って憶えさせている場合が多いからではないでしょうか。子どもは、興味や関心のないことをやっても、すぐに忘れがちなものです。
 
ですから、幼児は、机の上だけで知的な訓練をするのは、適切な方法ではありません。やり方が間違っています。
 
それを棚に上げて、思わず子どもの頭を叩いてしまう親御さんもいるようですが、何も悪いことをしていないにもかかわらず、いくらお腹を痛めたからといって、手を上げる権利は、親といえどもありません。子どものためにもいっておきたいことがあります。
 
お母さんの子どもの頃、どうだったかということです。冷静に聞いてください、冷静に。お父さんも同様です。
 
ここでおさまると、まだ、両者の歩み寄る機会は残されています。
しかし、この線を越えて、怒鳴り散らしてまで勉強を続けると、子どもも切れますが、耐えるしかありません。親に見捨てられれば、子どもは生きていけません。
 
 「ボク、本当にお母さんの子かな?」
こうなったらトラウマになりかねません。
 
昔は「子をもって知る親の恩」といいましたが、最近では、受験準備に熱が入りすぎると、「合格の二文字のために忘れる子どもの心」ともいわれるような状況になっているのではないかと感じることがあります。
 
わが子を虐待して殺してしまう、鬼のような親がいるご時勢です。
訂正、鬼もわが子を手にかけなかった話が残っていますから、犬畜生にも劣る親とします。
 
ですから、「受験を始めて忘れてしまう子どもの心」になるようでは、受験をする資格はないと考えましょう。先人の知恵でもある「三つ子の魂百まで」を絶対に忘れないでください。小さい時に経験したことで、お子さんの性格は築かれていくからです。
 
子どもをプリント漬けにし、来る日も来る日も、毎日、何時間も、入試問題集を広げ、猛練習をして力がついたと思うのは錯覚です。
類似問題を数こなせば、できるようになるでしょう。しかし、この方法は、一種の条件反射的なトレーニングです。
 
これで考える力がつくでしょうか。
疑問だと思います。
 
行動観察型のテストでは、対応できないでしょう。自ら考え、答えを導く力は、年月をかけ、試行錯誤を積み重ねながらできたカリキュラムがあり、それをよく理解している先生方の的確な指導のもとで身につくものなのだからです。
 
なぜ、このような受験準備が、行われてしまうのでしょうか。
 
例えば、慶應義塾幼稚舎に入れば、余程のことがない限り、大学まで行けます。子どもの努力次第では、医学部へ進める可能性さえあります。子どもの将来のためと考えるのも、無理からぬ親心です。
さらに、合格すれば、受験準備はこれっきりです。
場合によっては、中学、高校、大学と3回も受験戦争に参加させられる可能性もあるわけですから。
「手のかからぬ内に入れてしまおう!」
このことです……。
思春期になり、難しい年齢になっての受験は、正直いって、しんどい話です。
身体は大人に近くなっても、精神年齢はそれ以下といったアンバランスな成長をしている子、かなり見かけます。
 
さらにです。
 
年齢が下がれば下がるほど、能力の差は出にくいものです。ここで何とか手をつくせば、志望校へ入学できるのではと考えるのも当然でしょう。しかし、厳しい現実が控えています。お子さんの将来を案ずる親心は、どなたの心にも強く、深く、ひそんでいます。ですから倍率は高くなり、10倍を越える学校もあるほどです。
 
この現実を考えると、生半可な受験準備では、合格などありえないと考えるのも無理からぬことで、かなりハードな受験準備が、待っていることになりがちです。
 
しかし、受験勉強をさせられる子どもの立場になると大変です。
 
先にもお話ししましたように、何事もそうですが、過熱気味になると当事者は、自分のやっていることが、わからなくなる仕組みになっています。「合格」の二文字に、冷静さを失いがちですが、受験生の親御さん方全部が、こうなるわけではなく、ごく、一部の親御さんであって、熱心すぎるだけで悪気はないのです。
 
ペーパーテストを行わない小学校はこういうことも考慮しているのではないでしょうか。誤解されると困るのでいっておきますが、「ペーパーテストが悪い」といっているのではなく、「準備の仕方」に、とかく問題がありがちだといいたいのです。
 
また、ペーパーテストがないから問題集などやらなくてもいいと思っている方がいると聞きますが、それはとんでもない間違いで、必ず、クリアしなければならないハードルがあり、そのために問題集は必要です。問題に○や×をつけるだけではなく、行動観察型の試験のように、「どうしてそうなったか」など、言葉で説明する口頭試問に対する準備です。
 
ところで、最近の入試問題を読むと、「幼稚園での生活能力があればできるテストを実施したい」と考える学校が増えているのは確かで、これは歓迎すべきですね。
 
たとえば、部屋の一角にじゅうたんが敷いてあり、机の上に紙に包まれたお菓子が置いてあって、ペットボトルに入った麦茶らしきものとコップが用意され、「さぁ、おやつですよ」といった試験がありますが、チェックポイントは、以下のようになっていると思います。
 
まず、手を洗い、ハンカチで拭き、たたんでポケットにしまえるか。
靴を脱いで、キチンと揃えられるか。
包装紙でくるまれたお菓子を出すのにてこずらないか。
せんべいやクッキーであれば、ボロボロとこぼさないで食べられるか。
ペットボトルから、うまく麦茶をコップに注げるか。
「いただきます」、「ごちそうさま」をいえるか。
後片付けができるか。
みんな「……か」と、クエッション・マーク付きです。
これがテストです。
何を評価しているのでしょうか。
 
さらに、この話をどう思われますか。
 
教育者、特に小学校の先生方は、見るところが違います。テストが始まると、子どもたちの姿勢と筆記用具の持ち方を見るそうです。姿勢がよければ、ご両親がよいお手本を見せており、筆記用具を正しく持てていれば、おはしをきちんと持って食事をしているはずですから、育児の方針がわかるというのです。
 
テレビを付けっ放しで、もしくはスマートフォンや動画を見ながら食事をし、ダラダラ時間をかけていると、直ぐに腰が砕けて、姿勢も崩れがちです。
 
特に、朝食です。テレビを聞きながら新聞を読みながらもしくはスマートフォンを見ながら、ご飯を胃袋に流しこんでいませんか。
 
何事も親が、お手本です。
 
これは、しつけ以前の基本的な生活習慣です。
ですから、直そうと思っても、直ぐにというわけにはいかないものです。食事は毎日のことですから、おざなりにしていると、お子さんは学習の第一歩で苦しむことになります。
 
知識を詰め込むより、こういった生活習慣を大切に育てている親御さんは、お子さんから尊敬されます。なぜなら、親の手を借りずにできることは、子ども心にも嬉しいからです。間違いなく、「自分でやろうとする意欲」が育ちます。
 
 
ペーパーテストといっても、知的能力だけを判定しているのではありません。
 
受験生は、幼児です。
親の育児の姿勢を評価しています。
このことをきちんと心に納めておかなくては、合格の二文字はありえません。
 
机の上だけで、記憶に頼った知識の詰込みばかりやっていると、頭でっかちで、偏った経験しかしていない子になりがちで、被害者は子ども自身です。ペーパーテストが中心になっている学校を受験される場合は、こういった結果が残るような準備だけは、避けてほしいと願っています。
 
これからの毎日の体験は、お子さんの心に残ることを忘れないでいただきたいのです。
 
年中から年長にかけては、将来の学習意欲も培われていく大切な時であり、人格を形成する重要な時期でもあるからです。
「三つ子の魂百まで」は英語で、“The leopard cannot change his spots”(豹は斑点を変えることはできない)というそうですが、洋の東西を問わず育児の鉄則ではないでしょうか。
 
 
  (次回は、個別テストについてお話しましょう)
 
 
 
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2026さわやかお受験のススメ<保護者編>第1章(1)情操教育、難しく考える必要はありません-本を読んであげてください〔1〕

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       「めぇでる教育研究所」発行
   2026さわやかお受験のススメ<保護者編>
   「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
     豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第3号-
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第1章 (1) 情操教育、難しく考える必要はありません
 
 - 本を読んであげてください 〔1〕 -
 
本を読んであげる、話の読み聞かせは、とても大切です。
安易に、テレビやDVD、スマートフォンで動画などに、子守をさせてはいけないと思います。確かに、このような教具は、映像と語りだけではなく、臨場感を盛り上げる音楽や効果音を駆使して、瞬く間に、たくさんの情報を与えてくれます。
 
これほど便利なものはありませんが、送信する側と受信する者は一方通行ですから、疑問を感じても質問できないといった不便な点もあります。
 
わからないままに、話はどんどん進みますから、疑問を残したままになり、消化不良を起こしがちではないでしょうか。しかも、伝える側に感情はありません、このことです……。
 
幼児には、お父さんやお母さんの生の声が何よりです。5歳頃になると、絵が主役だった絵本から、字の多くなったものに変わり、話も筋道を立てて進む物語になっていると思います。
 
ところで、本を読んでもらっている時の子どもの頭は、どうなっているのでしょうか。絵を見ながら読んでもらっていますから、お母さんの読んでくれる言葉を、絵に置き換えるといいますか、映像化する作業がリアルタイムで行われ、絵本や図鑑、テレビや実際に見た映像が、浮かんでいるのではないかと思います。
 
聞いたことのない言葉が出てくると、声がかかります。 
 「お母さん、オニタイジって、どういうこと?」
そこで、お母さんは、お子さんのわかる言葉に置き換えて説明をします。お子さんは、その意味を確かめ、納得し、新しい言葉を覚え、少しずつですが、確実に語彙が増えていきます。
 
そして一人になると、まだ、字を読めないはずですが、何やらブツブツいいながら、絵本を見ています。あれは、本当に不思議ですね。おそらく、読んでもらった本がおもしろかったので、お父さんやお母さんの言葉を思い出しながら、確かめているのだと思います。絵を見ながら、その状況を記憶した言葉をもとに映像を描き、イメージ化しているのではないでしょうか。
 
つまり、「言葉で考え、想像」しているのです。これは、すごいことだと思います。
 
それが証拠に子どもは、同じ本を、それこそ何回も何回も、飽きもせずに読んでくれとせがみます。それも、読んであげている途中に、
 「お母さん、ありがとう、そこまででいいです。」
といったことが、しばしば起こりがちです。
 
読んでもらったところを忘れてしまったのか、思い出せないのかわかりませんが、話が先に進まなくなってしまったのでしょう。
イメージ化の中断です。
読んでもらい話がつながったので、そこまででいいのでしょう、後は覚えていますから。あれは、話を一所懸命に覚えようとしているのに違いありません。覚えようとする力、「記憶力」がつきます。
 
さらに、繰り返し読んでもらうことで、頭に描かれた映像は、より鮮明に具体的になり、そこから、独自の「想像力や空想力」が培われてきます。
 
ところで、昔話を何か思い出してください。
子どもの読む話は、「起承結」で成り立っています。「起承転結」の「転」はなく、話は複雑になっていないはずです。「起承転結」は、漢詩を組み立てる形式の一つで、転じて、「ものごとの順序・作法を表す言葉」ですが、わかりやすい例えがありますので紹介しましょう。
江戸時代後期の儒学者・詩人・歴史家であった頼山陽が作った「京都西陣帯屋の娘」です。
   京都西陣帯屋の娘    (起)
   姉は十八、妹は十六   (承)
   諸国の大名は刀で殺す  (転)
   姉妹二人は目もとで殺す (結)
「ショコクノダイミョウって、なあに?」
余計なものが入ってくると、イメージ化する作業が複雑になります。帯屋の娘の話は、帯屋の娘で終わらないと、子どもは安心できません。ですから、鬼退治をした桃太郎が、ついでに海賊をやっつけることもなく、すんなりと終わって、「めでたし、めでたし」が昔話に欠かせない決まりです。   
 
さらに、物語は、「序破急(初め・中・終わり」と快適なテンポで進みます。
 
浦島太郎が、竜宮城で過ごした時間が何十年であっても、何らさしつかえありません。話は、快く聞けるように仕組まれています。
しかも物語は、簡潔明瞭に展開しますから、話の世界へ引き込まれていきます。そこから、話を理解する力、「理解力」が培われてきます。
 
そして、何とも素晴らしいのは、自然と話に引き込んでいく、あの約束事でしょう。
 
イントロダクション、導入部などの言葉が、白々しくなるほど決まっています。「むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住んでいました」で始まりますが、これが、実に重大な役目を果たしているではありませんか!などと興奮することもありませんが(笑)。
 
「むかし、むかし」は「いつ」と時間の設定ですが、いつのことだかわかりません。 
「あるところ」は「場所」ですが、どこだかわかりません。
「おじいさんとおばあさん」は「だれ」と大切な登場人物ですが、名前もありません。
 
みんなあいまいで、そのあいまいなままに「何を、なぜ、どのように」と話は展開していきます。
 
これも、考えてみると大変なことです。
時代はいつでも、場所はどこでも、名前がなくても、何ら不都合はありません。奈良時代だろうが平成時代であろうが、北海道だろうが、はたまた沖縄であろうが、みんな「むかし、むかし、あるところ……」で済ませてしまいます。時代考証も、場所の設定も、人物の履歴も、何も必要ありません。
 
ですから、子どもたちは、何ら抵抗なく、心安らかに、期待に胸を躍らせながら、話の世界へ入っていけるのです。しかも、没我の世界です。
 
これを、几帳面に、「江戸時代の元禄十二年、大晦日を迎える二日前の朝、上総の国、蒲郷郡、大字蒲郷、字大和村の一本杉の側に、山之上太郎左エ門という名の爺さまとお熊という名の婆さまが住んでいました」では、聞いてみようかなとはならないでしょう。
「お母さん、もう眠いから……」、こうなるのに違いありません。
読むお母さん方も疲れてしまいますね。
 
ところで、昔話は、
   いつ(when)
   どこで(where)
   だれが(who)
   何を(what)
   なぜ(why)
   どのように(how)
と文章を書くときの基本である[5W1H]から成り立っていますが、新聞記事やテレビのニュースなどを瞬時に理解できるのは、この原則に従っているからです。
 
ということは、昔話を聞きながら、[5W1H]を小さい時から学んでいることになります。これは、すごい知恵ではないでしょうか。
 
もちろん、子どもたちは「いつ・どこで・だれが」などと意識して聞いているわけではないでしょうが、話は理路整然とセオリーどおりに進んでいきますから、繰り返し話を読んでもらい、話を覚え、絵本を見ながら言葉で表現することで、物事を筋道立てて考える訓練にもなっているのです。物事を組み立てる、考える力、「構成力や思考力」が自ずと身につきます。
 
そして、子どもは話を覚えると話したがります。
それには、自分自身が、話をよく理解していなければできませんから、そのための訓練が自発的に始まります。話の流れをきちんと記憶し、組み立て、味わい、自分の言葉で話す訓練です。それが「表現力」につながります。
 
こんなに大切な能力開発を自ら積極的に挑戦しているにもかかわらず、
「パパ、『ももたろう』の話、知っている?」
「ああ、知っているよ。猿と犬と雉の家来を連れて、鬼退治に行く話だろう」
と無造作に応じてしまうと、折角、積んできたトレーニングの成果を試すこともできません。
「今までの努力は、何だったのだ!」
とは思わないでしょうが、悔しい思いをさせているのではないでしょうか。
 
子どもは覚えた話を、話したいのです、聞いてもらいたいのです。
 
「うん、パパも子どもの頃はよく知っていたけど、どういう話だったかな?」
と、やさしく受けてあげましょう。
お子さんは、一所懸命に話すはずです。
 
そして話し終えたときに一言、「よく覚えたな、えらいぞ!」と、褒めてあげましょう。褒められて不愉快になるはずはありませんから、さらに、話を覚えようとします。
 
そこから、「物事に取り組む意欲」が芽生えます。
意欲は、新しい能力を開発する起爆剤です。
 
しかも、「覚えなさい!」といわれて覚えたものではなく、「話してみなさい!」といわれて訓練したものでもありません。強制されずに、自発的に、楽しみながら積極的に挑戦し、能力を開発しているのですから、その効果は一石二鳥どころではなく、計り知れないものがあります。
 
このように話の読み聞かせは、
「語彙を増やす」だけではなく、
「イメージをふくらませる空想力や想像力」
「話を聞く力」
「構成力や思考力」
「言葉での表現力」
「物事に取り組む意欲」
といった能力などの開発に、とてつもない大きな影響を与えているのです。
しかも、これだけではありません。
続きは次回お話ししましょう。
 
(次回は、「本を読んであげてください 2」
                 についてお話しましょう)
    
 
【本メールマガジンは、「私家版 情操教育歳時記 日本の年中
行事と昔話 情操豊かな子どもを育てるには 上・下 藤本紀元
 著」をもとに編集、制作したものです】
 
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2026さわやかお受験のススメ<小学校受験編>■■[2]5つの試験形式■■(1)ペーパーテスト-1

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         「めぇでる教育研究所」発行
2026さわやかお受験のススメ<小学校受験編
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2026年度入試(2025年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第19号
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発行者よりお知らせです。
 さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>
は、11月から
 さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
にタイトル変更してお届けしています。
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■■[2]5つの試験形式■■
 
(1)ペーパーテスト-1
 
有名小学校の入学試験は、5つの試験形式から構成されています。
 
   1. ペーパーテスト
   2. 個別テスト
   3. 集団テスト
   4. 運動テスト
   5. 面接テスト
 
昔は、ペーパーテストだけの小学校もありましたが、今は、ありません。
逆に、ペーパーテストを廃止した小学校もあります。
個別テストのない小学校もあります。
5つ、全部やってしまう小学校もあります。
面接テストをやっていない小学校もあり、いろいろです。
推薦状と面接だけの学校もあります。
それは、私立の小学校ですから、「建学の精神」や「教育方針」に、いろいろな特徴があり、それによって教育が行われていますから、試験にもその学校独自の自前のカラーがあって、当然なのです。
 
しかし、どこの学校も知的な能力だけで、合否の判定をしているわけではありません。育児の集大成、まだ中間報告ですが、そこを見ているのです。その集大成を判定する5つのテスト形式について具体的にお話しましょう。
 
 
1.ペーパーテスト 
 
20人から30人程のグループで、録音音声や動画、または口頭での説明を聞きながら、一斉に答える筆記テストです。皆さん方も経験済みの、お馴染みのテスト形式です。しかし、これは大変です。
幼児は、原則として、文字を読めないし書けません。ですから、プリントのどこを見ても、文字で書かれた設問は、ありません。
おかしな話ですが、絵や図形などを使いダミーも含めて、答えが描かれています。そして説明を聞いて、用意された筆記用具を使い、○や△、□や×などの記号を書いたり、線を引いたり、色を塗って答えるわけです。
 
「常識の領域」に、こんな問題があります。
B4判の大きさのプリントに、門松や節分、七夕、七五三、クリスマスといった四季を代表する行事が描かれていて、解答はクレヨンを使いなさいと指示があり、「春の仲間にはピンク色で○を、夏の仲間には青色で△をつけなさい」といったコメントが、スピーカーから流れてきます。
これが、設問です。
 
一回きりで、後は、静かに時は流れるだけです。
当然、時間は限られています。30秒ぐらいで解答します。
「春は、○だったかな?」
などと悩んでいたら駄目です、そんな余裕はありません。
「何かいっていたな?」
などとぼんやりしていると、最悪の状態になってしまいます。
設問を聞き逃せば、それでおしまい、ゲームセットです。
設問は、どこにも書かれていないからです。
前にも紹介しましたが、中学、高校、大学の試験のように、わからない問題は飛ばしておいて、「後でやろう!」といったことは、絶対にできません。
 
そういったことを考えれば、いちばん厳しい条件の試験ではないでしょうか。
 
指示を正確に聞き取り、できるだけ速やかに解答しなければ得点になりません。
こんなことはないと思いますが、その時に、ちょっと耳がかゆいと気を散らしたら、それまでです。時間がくれば、次の問題に移りますから、まさに「待ったなし」なのです。
 
さらに、テストが始まると同時に、普段の生活習慣やしつけなど育児の姿勢がわかります。話を静かに聞く姿勢が身についているか、筆記用具を正しく持っているかなど、いろいろな様子が表れるからです。先程お話した「育児の集大成」です。単に、常識や記憶力を見ているのではありません。こう考えると、問題集だけやって「受験準備、こと足れり」とはならないことを、ご理解いただけるのではないでしょうか。
 
ところで、ペーパーテストに問題点はないのでしょうか。
ペーパーテストのメリットは、子どものあらゆる能力を判定することはできませんが、ある面は確実に評価できることでしょう。
しかも手っ取り早いし、試験官の数も少なくて済みますし、ペーパーに答えが残りますから判定も公平です。ですから、ペーパーテストを行う小学校が多いわけです。誤解を招くと困りますから断っておきますが、他の試験は不公平というのではありません。
 
先程もお話ししましたが、ペーパーテストだけを実施している小学校はなくなりました。かつて、ペーパーテストだけを実施していた立教小学校は、現在ではペーパーテストを廃止し、運動テストや制作に加え、シャイな男の子の苦手な「ダンス」まで取り入れています。なぜでしょうか。
 
以前にお話ししましたが、ペーパーテストだけでは、社会性や協調性、自主性、基本的な生活習慣やしつけなどは判定できないからです。逆に、知的能力だけが高い、偏った経験を持つ子の集団になる可能性もあるからです。 
 
あるミッション系の学校の説明会で、こういった話を聞いたことがありました。
 
ペーパーテストの結果に従って、高得点者から順番に合格者を選んだところ、早生れの子どもが少なくなってしまったので、翌年から月齢を考慮できるように受験番号を生年月日順に切り替えたそうです。当然でしょうね。4月2日生まれと翌年の4月1日生まれは、学年が一緒です。1年間の差がありますから、早生れの子には、ハンディキャップになります。
 
生年月日順は、その配慮があるわけです。願書の受付順や五十音別に受験番号をつける場合は、年齢の配慮がない学校が多いでしょう。
 
初めて、「年齢への配慮をしている」と公表したのは、桐朋小学校ではなかったでしょうか。「統計的な処理をしている」と年刊雑誌「桐朋教育」に記載があったようです。今では、多くの小学校で月齢への配慮をしていると言っていますし、昭和学院小学校のように3か月毎のグループに分け、各グループが同じ合格率になるようにしていると具体的に説明している学校もありまから、早生れのお子さんも心配はありません。
ただ、募集要項にかかわることですので、説明会へ参加し、きちんと確かめておきましょう。
 
話を戻しましょう。
ペーパーテストにはもう一つ問題があります。
それは、ペーパーテストの対策、受験準備、これが過激になりがちなことです。
試験の難易度が高く、生半可な準備では、とてもクリアできない小学校もあります。きちんとしたカリキュラムのもとに指導を受けているお子さんは、心配ないでしょうが、少し気になる話を耳にします。幼児教室や塾を掛け持ちする子もいるようです。指導方針が違っていれば、お子さんは混乱するだけです。
 
たとえば、こんなことはないと信じていますが、数を数える問題で、A教室では「線などを引かないで数える」と教わり、B塾では「線を引いて数える」といったように、全く相反する数え方を教われば、迷ってしまうのはお子さんです。
 
皆さん方は、どちらが正しい指導方法だと思いますか。
 
たくさん受けさせれば効果があるとでも考えているとすれば、それは大きな間違いです。そういったお母さん方は、うわさにも弱いようで、親子で受験地獄に陥りがちです。受験地獄など、あるわけはないのですが……。
 
家に帰ると、お母さんが先生です。最近は、お父さんが力を入れている家庭も増えてきました。このことです……。ペーパーテストに対する過激な受験準備、ここに問題があるようです。
 
次回は、「ペーパーテスト2」についてお話しましょう。
 
 
 
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2026さわやかお受験のススメ<保護者編>事の始まりは、ある幼稚園の進学教室からでした

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       「めぇでる教育研究所」発行
   2026さわやかお受験のススメ<保護者編>
   「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
     豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第2号-
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-事の始まりは、ある幼稚園の進学教室からでした-
 
私は、長い間、幼児教育のパイオニアである大手教育研究所でお世話になっていました。「情操を育むために、年中行事と昔話が大切な役目を果たしているのではないか」と模索していたのは、幼児教育の本質が少しわかりかけてきた、50歳になった頃ではなかったでしょうか。「年中行事を『科学』する」という素晴らしい本にめぐり合い、進むべき道が見えてきました。
 
そして、この考えに「間違いはない」と自信らしいものが出てきたのは、ある経験からでした。
約10年間にわたり、板橋区にある淑徳幼稚園の課外保育であった進学教室を担当していたのですが、後半の5年間は、一人で年中組と年長組を指導することになりました。この間の子ども達のやり取りとお母さん方の反応から、年中行事と昔話を組み合わせた「情操教育歳時記」といった何とも大仰なタイトルですが、気軽に読んでいただける本を作ってみようと思い始めていたのです。
 
私どもの研究所の教室へやってくる子ども達は、全員、「受験のために勉強にきている」といった意識が、しっかりと培われていましたから、授業もやりやすかったのです。「幼児教室は、こういうものだ」と思っていた私には、この進学教室は、まさに青天の霹靂で、勝手が違い、思わぬ苦労をしました。
 
その日の保育が終わった後に、同じ教室でやるのですから、子ども達にとっては、「自分たちの土俵に変な先生が入ってきた、エイリアン!」といった感じだったのでしょう、いつものように授業を始めることができなかったのです。そのために、まず、授業に集中できる雰囲気を作ることからはじめました。
 
試行錯誤を積み重ねながらできあがったのは、授業の前に、その月の行事、11月でしたら七五三をテーマに、昔からの言い伝えを子ども達にわかるように話し、その月に関係ある昔話をするといった方法でした。
 
回を重ねる内にわかったのは、子ども達は「フランダースの犬」や「アルプスの少女ハイジ」を知っていても「一寸法師」や「花さか爺さん」などの昔話を、あまり知らないことでした。しかし、話をしてみると、熱心に聞いてくれるのです。それならばと、徹底的に昔話をすることにしたのですが、年長組は週2回で月8回、1年間で、ざっと96の話をすることになり、少々心配になりました。「絵本を見ながら読んであげればいいか!」と気軽に考えていた私は、子ども達から思わぬしっぺ返しを食い、悪戦苦闘が始まったのです。
 
それは、本を見ながら話す時と見ないで話す時では、子どもの興味を示す様子が、微妙に違うことでした。話を覚えている場合は、子ども達の目を見ながら話をしますから、目をそらす子はいません。「目をそらさない」は、話をしっかりと聞く基本的な姿勢です。本文でも紹介しますが、「大勢の子ども達に、話を読み聞かせる重要なポイントは、話を記憶することだ」と教えてくれたのは、進学教室の子ども達でした。
 
毎週2つの話を記憶するのは大変でしたが、子ども達は私の話を楽しみに待ってくれ、授業にもスムーズに入れるようになりました。見つけた時には私も驚きましたが、「シンデレラ物語」とそっくりな話である「ぬかふくとこめふく」を話した時の、子ども達の驚いた顔を忘れることができません。
 
ある時、椋鳩十の動物の話をしてみました。すると、次の時間にもとリクエストがあり、動物達の話に興味があることもわかりました。そこで、長編でもある「丘の野犬」をアレンジして話したところ、何と熱心に聞いてくれ、涙さえ浮かべる子も出てきたのです。この時ばかりは、今、思い出しても、ぞくぞくするほど感激したものです。
 
進学教室の役目は、併設する淑徳小学校での勉強に、スムーズに対応できる力を身につけることでした。小学校へは、受験勉強をし、力をつけてきた大勢の子ども達が入学してきます。そういった子ども達に共通しているのは、「話を聞く姿勢」が身についていることで、小学校の受験でもっとも大切なのは、この「話を聞く力」なのです。ペーパーテストを例にとっても、プリントの上にダミーを含めて、答はすべて出ていますが、「設問」はどこにも書かれていませんから、話を聞き逃すと、解答できないわけです。
 
昔話や年中行事のいわれなどを聞きながら、子ども達は意識することなく、「話を聞く姿勢」を身につけてきたのです。こうなるとしめたもので、授業は私の仕事でしたから、後は楽なものでした。集中さえできれば、問題を解く力もつき、面白くなりますから、取り組む意欲も違ってきます。難易度の高い問題にも挑戦し始め、当時、毎月1回行われていた2,000名近くの子どもが参加する公開模擬テストで、10番以内に入る子も出てきたのです。
 
さらに、思わぬ収穫になったのは、お母さん方の反応でした。授業終了の5分ほど前に、お母さん方に集まっていただき、今日取り組んだ問題を解説しながら、家庭学習の要点を説明し、今月の行事とその日に話した昔話を紹介していました。
 
すると、「先生、ママが菱餅を買ってきて、何で三色なのか、先生と同じ話をしてくれたんだよ」と、女の子がいない家庭にもかかわらず、「おひな様を飾るわけや、菱餅の色」について、子どもに話をするお母さんも出てきたのです。
話してくれる子ども達の顔は、みんなうれしそうでした。四季折々の行事の意味を説明してきたことが、話だけで終わらずに、各ご家庭で祝ってくれるようになったのです。このことです……。
 
ここからは「わたし流の解釈」ですから、軽い気持ちで読み流してください。
話を聞こうとしなかった子ども達が、なぜ、楽しみに授業を待ってくれるようになったのか、それは子ども達の心の中に、幼いながらも、何らかの刺激を求める小さな芽が、しっかりと培われてきていたからだと考えました。後で詳しくお話しますが、その小さな芽は、分化され始めた「情緒」だったのです。
 
「情緒とは、喜怒哀楽の感情の表れたもの」と考えていただければ、わかりやすいと思います。きっかけを与えたのが、昔話であり年中行事であったわけです。育まれてきた小さな芽である情緒に刺激を与えてあげれば、素直に反応をすることもわかりました。
そうでなければ、あれほど真剣に話を聞くはずがないからです。
 
私の話でさえ一所懸命に聞くのですから、ご両親の話であれば、もっと歓迎するはずです。「パパがね、先生が話してくれた『おぶさりてえのおばけ』の本を買ってきてくれたんだよ!」と嬉しそうに話してくれる子ども達も増えてきました。話を聞く姿勢は幼児教室や塾で身につくものではなく、ご両親の「本の読み聞かせ」や「対話」から育まれるものです。
 
こういった体験を何とか記録に残し、皆様方に読んでいただきたいと考え、できあがったのが、このメールマガジンです。話を聞く姿勢さえ身につけば、小学校の受験は、決して難しくありません。また、年中行事を、ご家庭で楽しむことにより、楽しい思い出がたくさん残り、それが豊かな情操を育む礎になっていることも否めない事実です。
 
小学校の入試に季節の行事が出題されるのは、なぜでしょうか。
知識として知っているかを判断しているのではありません。四季折々の行事を楽しむ、ご家庭の文化があるかどうかを見ているのではないでしょうか。家庭の文化は、ご両親の育児の姿勢であり、それが受験する小学校の建学の精神や教育方針と限りなく近ければ、それが志望理由になるわけです。
 
新年長さんであれば、この1年間、お子さんは受験勉強に励むわけですから、保護者にも勉強をしていただき、ご家庭の文化を築き上げてほしいと思います。
 
話を聞く姿勢が身につくのも、豊かな情操が育まれるのも、ご両親の育児の姿勢次第です。
 
小学校の受験で必要な能力の基礎、基本は、「ご家庭で培われる」ことを学習していただき、お子さんと二人三脚、もしくは三人四脚、状況によっては四人五脚、五人六脚のこともあると思いますが、ゴールを目指して頑張ってほしいと願っています。
 
 
【本メールマガジンは、「私家版 情操教育歳時記 日本の年中
行事と昔話 情操豊かな子どもを育てるには 上・下 藤本紀元
 著」をもとに編集、制作したものです】
 
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2026さわやかお受験のススメ<小学校受験編>有名小学校の入学試験とは■■[1]求められる四つのパワー■■

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         「めぇでる教育研究所」発行
2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2026年度入試(2025年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第18号
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発行者よりお知らせです。
 さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>
は、11月から
 さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
にタイトル変更してお届けします。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 
有名小学校の入学試験とは
 
■■[1]求められる四つのパワー■■
 
過去にNHKの「お入学」の放映で、全国区に昇格したかどうかはわかりませんが、私立の名門小学校の受験騒動、話題になりました。過熱気味であった私立志向も、バブル経済が弾けて穏やか
になったように感じたものです。しかし、学習指導要領が「ゆとりの教育」から「心の教育」に改訂されるなど、公教育の指針が安定しないこともあるのか、私立志向は今でも根強く息吹いています。
 
その証といっては何ですが、埼玉県には、私立小学校は浦和ルーテル学院小学校、1校しかありませんでしたが、今では、4-4-4制を導入した開智小学校(岩槻市)、水族館とプラネタリウム
のあるさとえ学園(さいたま市)、英語のシャワーで世界に発信を目指す西武学園文理小学校(狭山市)、中高別学から共学にシフトチェンジした星野学園(川越市)も小学校を開設、そして、
2024年から、開智所沢小学校が加わり6校となりました。
 
さらに、副都心線を利用すると、埼玉の川越から渋谷まで乗り換えなしで50分となり、青山学院初等部、東京女学館小学校、慶應義塾幼稚舎、聖心女子学院初等科などを受験する子どもたちも
増えました。
 
また、東急東横線が副都心線と相互乗り入れを開始し、元町・中華街まで乗り換えなしで行けるようになり、東京と神奈川の県境にある多摩川の下流地域に住む人には不利といわれた横浜雙葉小
学校などへの受験も増えているのではないでしょうか。
 
東京都は55校、神奈川県は31校、千葉県は10校、茨城県南部で3校(茨城県全体で7校)と、私学の受け入れ態勢には、目を見張るものがあります。
 
そして、書店をのぞくと入学試験問題集も、たくさん売られています。中には、「こんな難しい問題、本当にできる子いるのかな?」と、首を傾げたくなるのもあります。しかし、問題集を読ん
いると、学校側がどのような子どもを求めているかがわかってきます。うわさでは、「頭脳明晰成績優秀名門家庭の子女」だけを求めているといわれているそうですが、そんなことはありません。
 
「知力・徳力・体力・気力が、学齢期にふさわしく、バランスよく育っている子」です。この4つの能力は、小学校受験に必要な基本的な力ですが、一朝一夕に身につくものではありません。何
もできなかった赤ちゃんを、根気よく、忍の一字で育ててこられた皆さま方ですから、納得していただけると思います。
 
受験準備は、育児と同様、一歩一歩、確実に前進を目指す、地道な努力が必要です。
 
では、学校側は、この4つの能力を、どのように判定しているのでしょうか。
 
第1は知力です。
 
これについては、わかりやすい解説がありますので紹介しましょう。
 
「知能の定義には、いろいろありますが、ここではその中身を、知覚力・記憶力・言語能力・数能力・思考力としておきましょう。
 知覚力は、見たり聞いたりするものを、注意深く受け止める能力です。
 記憶力は、覚えこむ力・覚えている力・忘れたものを思い出す力で、観察力・弁別力もこの中に入ります。
 言語能力は、語彙力・表現力などです。
 数能力は、数・量・図形・空間に関する能力です。
 思考力は、推理力・構成力・判断力(洞察力・見通す能力)などを含みます。思考力には、答えをいくつも考えられる拡散思考能力(創造的思考力)もあります」
 
 「ママ、生まれたらこんなふうに育ててね」 P.224
   (家庭教育システム研究会 著 横山ふさ子 画 サンマーク出版 刊)
 
「画」とありますようにこの本は漫画です。サブタイトルが「赤ちゃんは親を選べません」と、何とも厳しいのです。このタイトルに惹かれて買ったのですが、内容はわかりやすく、これからマ
マになる方に推薦したい本の一冊です。
 
第2は徳力です。
 
これは言うまでもなく、社会性や協調性といった「集団生活への適応力」です。集団生活は人との関わりの中で培われていくものですから、自主的に取り組む姿勢や自身をコントロールする自己
統制力が養われてきます。
 
家では許されることでも、集団生活では認められないことを、幼稚園や保育園での生活を通して経験し、少しオーバーではありますが、「共生、共に生きること」を学んでいるはずです。
 
グループ別に行われる行動観察系のテストや運動テストなどで、日常の生活環境や体験が姿を現します。過保護であればわがままに、過干渉であれば消極的な態度になりがちです。
 
また、一つの例として、ペーパーテストでも、指示されたことをきちんと守らないと、大きなマイナス点になります。
 
「始め!」 と言われる前に始めてしまったり、「止め!」 と言われても止められなくては、人の言うことを聞く姿勢ができていないと判定されるでしょう。
規則や約束を守ることは、集団生活をスムーズに進めるために、欠くことのできないルールです。
 
公開模擬テストを受けて、「社会性や協調性に問題あり」とチェックが入った場合は、通っている幼稚園や保育園の先生に相談しましょう。
「少し、問題がありますね!」
といった返事があった場合は、「大いに問題あり!」と受け取り、お子さんを取り巻く環境を、ご両親で見直す必要があります。多くの場合、ご両親の育児の姿勢に、その原因があるからです。
 
第3は体力です。
 
指示を理解し体で表現する理解力、機敏性や俊敏性を問う運動能力、どれだけ頑張れるかといった持久力や耐久力などが判定されます。もちろん、通学に必要な体力が培われているかも大切なポ
イントになります。
 
もやしっ子を鍛え直すために始めた暁星小学校のサッカーを持ち出すまでもなく、現代っ子はスタミナ不足です。都会から原っぱが姿を消し、車が子どもの足代わりとなっている生活が、スタミ
ナをつける源を奪っているようです。
 
スタミナ不足は、単に体力的な面だけではなく、持久力や耐久力を培う「頑張る意欲」にも、大きな影響を与えていることを、もっと真剣に考えるべきではないでしょうか。集中力に欠け、すぐ
に飽きてしまうお子さんは、体力不足にも原因があるとも言われています。
 
5分も歩かない内に「おんぶ!」と言うようでは心配です。夏休みから秋の試験当日まで、大変なエネルギーを必要とします。それをクリアしなければ、小学校の試験に挑戦できません。
 
ボールつきや縄跳びは、全身を使いますし、微妙なバランス感覚を養う運動です。目標を立てて挑戦し、続けることで力がつく、「持続こそ力を育む」ことを、体験を通して学習させるべきだと
思います。お子さんの運動能力をチェックし、問題があれば、さあ、お父さん、お母さんの出番です。親子でチャレンジですね。
 
第4は気力です。
 
まだ、実感はわかないかも知れませんが、年長の秋を制する決め手は、「気力」です。 そして、これだけは、何十冊の問題集をこなすだけで身につくものではありません。本人の自覚です。本
人にやる気力がわかなければ、本当に頑張る力はつきません。モチベーションを上げる、これも、ご両親の育児の姿勢と深い関わりがあります。
 
過去の早稲田実業学校初等部の説明会で「学校見学会には、是非、お子様と一緒に来てほしい。この学校へ行きたいとお子さんのモチベーションを上げることができるからです」とおっしゃっていました。オープンスクールなどの機会を利用することも大切ではないでしょうか。
 
ところで、過保護や過干渉な環境で育てられていると、白百合学園小学校、立教女学院小学校、光塩女子学院初等科のように、ペーパーの枚数が多く、限られた時間内に取り組む試験には、俊敏
に対応できません。
また、かつて慶應義塾幼稚舎が出題した、イーゼルを立てて絵を描くといった、初めて経験することには、手が出ないでしょう。
 
成蹊小学校で出題されたことがある、反復運動を繰り返したり、「止め」と言われるまで続けるような運動テストに耐えられないと思います。
 
ここで言う気力とは、自分一人でやり遂げた体験、体験学習を豊富に積んでいくことから身についた「意慾」のことです。
 
ご両親が失敗を恐れずに、積極的にチャレンジさせ、自立心を身につけるように心がけていれば、自ずと備わってくるものです。
ご両親は、叱ることが少なく、励ます言葉が多く、大らかな心を持っているはずです。お子さんのお手本は、ご両親です。そういったご両親であれば、お子さんもできないからと言い訳をするこ
ともなく頑張ります。むやみに叱らないご両親からは、相手を思いやる心が育ちます。
 
誤解されては困りますが、「何事にも叱ってはいけない」と言っているのではありません。約束を守らない、嘘をついたときなどは、真剣に叱ります。「叱るべきときは叱り、褒めるべきときは
褒める」ご両親のことです。
 
自分でやり遂げた経験がたくさんあると、達成したときの快感を味わっていますから、何かに取り組もうとする意欲が育っています。
 
そして、いろいろなことを体験しているお子さんは、過去に出題された問題集をやってみると、これと同じことを、普段、家庭や幼稚園、保育園で、一人遊びや仲間遊びを通して、何らかの形で
やっていることに気づくはずです。
 
幼児を対象にした試験は、大学などの入学試験とは違います。誤解を恐れずにいえば、必要なのは、記憶だけに基づいた知識の量ではなく、体験をふまえて培われた知恵の量だと思います。
 
すでに、模擬テストを受けられた方でしたら、ご存知のように、テストの出題範囲は、ほとんどの場合、以下の10項目になっているはずです。
 
1話の記憶  2数量   3常識   4推理・思考
5記憶力   6構成力  7巧緻性  8社会性  
9言語    10運動
 
先にあげた4つの力を、ペーパーテストや行動観察、面接を通して、こういった項目に分けて判定しているわけです。小学校側も、この10項目内で判定していると思います。来年の春には発売される今年度の問題集をお買いになると、納得できるでしょう。
10項目については、12月以降に解説する予定です。
 
以上の4つの力に加え、慶應義塾幼稚舎、桐朋小学校、桐朋学園小学校などを除き、ご両親には面接があるわけです。その学校を選んだ理由をきちんと話すことで、合否の判定が行われます。
 
小学校の入学試験は、試験を受けるのはお子さん自身ですが、「判定されるのはご両親の育児の姿勢である」と言われるのは、こういった仕組みになっているからです。推薦制度を取り入れる学校も増えてきましたが、その条件は、やはり、育児の姿勢を重視しており、決して安易なものではありません。
 
最後に、東日本大震災は、電車通学する子ども達に大きな課題を与えました。
 
暁星小学校の説明会では、生徒全員の寝袋を用意していることや、慶應義塾幼稚舎では、プールの水を飲料水に還元できる機器や、自家発電装置を設置した話などもあり、どこの学校も十分な対策を立てていると説明していますから、心配はないでしょう。
 
今、子どもたちに求められているのは、災害時に対応できる気力と体力です。
 
東日本大震災が起きた年、成蹊小学校の説明会で8時間かけて自宅にたどり着いた、1年生の書いた作文を披露しましたが、親切な女性3名の温かい応援があったとはいえ、まさに、幼いなりに、気力と体力を振り絞った「自奮、自励」(成蹊小学校の教育理念の一つ)の体験談でした。
 
10年以上経っていますが、心にとめておく必要があるでしょう。
 
来年の学校選びには、登下校時に地震が起きたことを想定して、それに対処できる気力と体力を充実させる育児を心がけることも、学校選びの大切な条件になるのではないでしょうか。
 
次回からは、実際に行われている入学試験についてお話します。
かなり、すごいことをやっています。しかし、きちんと段階を踏んで学習し理解していけば、そんなに心配するものではありません。
 
そのためにも、まず、試験の形式から説明しましょう。
 
(次回は、試験の形式についてお話ししましょう)

 
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2026さわやかお受験のススメ<保護者編>創刊号

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       「めぇでる教育研究所」発行
   2026さわやかお受験のススメ<保護者編>
   「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
     豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第1号-
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人生は、出会いと別れの織りなすものともいわれていますが、この出会いの多い人が、幸せなのではないでしょうか。
そして、出会いが多い、少ないに関わらず、素晴らしい出会いを手軽に実現してくれるのが読書です。
 
永田久先生の書かれた「年中行事を『科学』する」(日本経済新聞社 刊)は、実に貴重な出会いの一冊となりました。
 
年中行事を、科学的に研究された方がいらっしゃったのには、驚かされました。初めて知ったことが多く、一つ一つ納得できましたが、難しいのです。
 
「自分の浅学を反省せずに、何だ!」と、先生からお叱りを受けるかもしれません。しかし、難しいのです。でも、素晴らしいのです。
 
今までは、何となく季節折々の行事や祭りを、生活とはあまり関係のないイベントとして見る習慣がついている保護者の方に、行事の由来やそれに関係のあるむかし話を紹介して、改めて行事や
祭に興味を持っていただきたい。そして、育児に取り入れるていただくことができれば、幼児期の心をはぐくむ教育に、よい影響を与えるのではないかと、漠然と考えていたのです。
 
この本が、ものすごい解答を示してくれました。
 
門松も、菱餅も、クリスマスケーキも、年越しそばも、そのもとを尋ねてみると、いずれも、自然と共生するための、貴重な教えになっているではありませんか。
 
そのもとは、「感謝」の心です。
 
感謝を忘れると大人は傲慢になり、子どもはわがままになりがちです。自己中心的な考えしかできない大人や、自分のことしか考えない子ども達が多くなったのも、共に生きるためのルールを守
らないからであり、いじめは、その最たるものではないでしょうか。
 
「やってはいけないことがある」という、だれでも守らなくてはならない約束事は、自立が始まる3歳頃から自律心を養う6歳頃にかけ、きちんと学習すべきことの一つです。
 
なぜ、子どもの頃に、むかし話を読み聞かせる必要があるのでしょうか。
 
その答えは、「桃太郎」一冊を読み返すだけでもよくわかります。
幼い子ども達の情操を培いながら、勧善懲悪をきちんと学べる大切なエッセンスが、楽しく生きるための心の糧となるヒントが、巧みに取り込まれ、心に染みる言葉で、やさしく語りかけている
からです。
 
心をはぐくむばかりか、話を聞く姿勢も身につきます。
 
小学校の受験でもっとも大切なのは、話を聞く力があるかどうかにかかっています。
 
そのことも本メールマガジンの重要な目的の一つです。
 
ところで、「桃太郎」「花さか爺さん」「かちかち山」「さるかに合戦」「舌きりすずめ」は、日本の五大おとぎ話といわれていますが、お子さんに読んであげているでしょうか。
 
そして、年中行事を祝うのも、むかし話を楽しむのも、家族というもっとも小さな集まりでのイベントであり、幼児期には欠かせない団欒のひと時です。
 
こういったことを、ご両親が率先して、きちんと楽しまれている家庭は素晴らしいと思います。
 
こうしたことを通して、家庭の文化が築き上げられていきます。
家庭の文化は、ご両親の育児の姿勢が表れたもので、そこから情操豊かな子ども達が育っていくのです。
 
「多様性」といわれる昨今ですが、子ども達が小さい頃から、家庭の文化を築き上げることは、今も昔も変わらず大切ではないでしょうか。
 
知識を詰め込むことに熱心な親より、豊かな情操を培うことに心を注ぐやさしいご両親こそ、子ども達にとっては、そうあってほしい親の姿です。
 
子どもと一緒に年中行事を楽しみ、話を読み聞かせるご両親のもとから、「元気で、明るく、素直な子」が育ちます。
 
皆さん方のお子さんが受験する国公立、私立小学校では、
「元気で明るく素直な子」
を求めています。
 
本メールマガジンが、小学校を受験される子ども達の情操面を育むお手伝いの一助になれば幸いです。
                   
 
めぇでる教育研究所 職員一同
 
 
【本メールマガジンは、「私家版 情操教育歳時記 日本の年中
行事と昔話 情操豊かな子どもを育てるには 上・下 藤本紀元
 著」をもとに編集、制作したものです】
 
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2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>なぜ、ペーパーテストを行わない学校が増えたのでしょうか

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         「めぇでる教育研究所」発行
2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2026年度入試(2025年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第17号
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発行者よりお知らせです。
 「さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>」
は、11月から
 「さわやかお受験のススメ<小学校受験編>」
にタイトル変更してお届け予定です。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 
なぜ、ペーパーテストを行わない学校が増えたのでしょうか
 
古い話で恐縮ですが、平成4年の秋のことです。
慶應義塾幼稚舎の試験を受けてきた子ども達が、こういったのです。
 「先生、ペーパーは1枚だけでした」
事実、その年のペーパーテストは、「話の記憶」1枚だけでした。
 
同じ年の12月のことです。
今度は、お茶の水女子大学附属小学校の試験を受けてきた女の子が、
 「先生、試験はありませんでした」
正しくは、「ペーパーテストはありませんでした」ですが、入試形式の突然の変化がありました。
その原因を探してみると、新しい保育の形が影響していることが分かってきました。
 
この年から新しい学習指導要領が実施され、同時に幼稚園の保育も「幼稚園教育要領」の改訂が行われ、今までの一斉保育から自由保育となり、一人ひとりの個性を伸ばしていく保育に変わりま
した。ですから、皆さんのお子さんが通っている幼稚園の保育は自由保育で、ここに注目してみると、おぼろげながら、ペーパーテストを廃止した理由の一端がわかってきたのです。
 
ご存知のように、自由保育といっても自由奔放、何でもありの保育ではありません。簡潔に言えば、みんなで一斉に同じことを強制的にやるのはやめ、自発的に活動できるように導く保育のことです。例えば、知識や理解力を培うにも、自分自身で考えたり、工夫する機会や経験をたくさん持たせたり、自分勝手な考えではなく、客観的なものの見方や考え方を身につけるように指導する保育のことです。
 
つまり、一斉保育は他律の保育で、自由保育は自律の保育のことです。他律と自律の保育については、わかりやすい歌があります。
童謡「雀の学校」(清水かつら 作詩 広田龍太郎 作曲)です。
 
 チイチイパッパ チイパッパ  雀の学校の 先生は 
 むちを振り振り チイパッパ  チイチイパッパ チイパッパ
 生徒の雀は 輪になって    お口をそろえて チイパッパ
 まだまだいけない チイパッパ もう一度一緒に チイパッパ
 チイチイパッパ チイパッパ
 
先生がムチを振りながら、「こっちを向きなさい!」とやるのが他律の保育で、自由保育にはムチを持った先生はいません。こういった保育内容をふまえ、ここからは独自の解釈ですから、深くお考えにならずに、読み流してください。
 
当時の新指導要領の狙いは、偏差値教育の弊害などを見直すことでした。大胆に言えば、今までの学習指導の基本的な考え方は、ペーパーテストのように持ち点を100として、「これもできな
い、あれもダメ」と点数を引く減点方式であり、主に知力だけを判定したものでした。改訂された「幼稚園教育要領」では、持ち点ゼロから始め、子ども一人ひとりの個性を見極め、「これもで
きた、あれもいいぞ」と点を積み重ね、合計で何点取れたかと点数を積み重ねていく保育に変えましたが、ペーパーを使わない行動観察型のテストは、この加点方式なのです。
 
ペーパーテストは、取れた点数で子どもの限られた能力を評価しますから、個性の出る幕はありませんが、行動観察型のテストは、絵を描いたり、自分の意見を発表したり、課題に取り組む子ども達の様子を観察し採点しますから、プロセスを重視し個々の能力を評価します。つまり、個性の尊重です。
 
また、こんな定義はありませんが、計算の問題から考えてみました。ヒントになったのは、「ママ、生まれたらこんなふうに育ててね」(家庭教育システム研究会 著 横山ふさ子 画 サンマ
ーク出版 刊)の育児の本で、「画」とあるように漫画です。
 
1+9=□は、答えは1つしかありませんから、全員で同じことに取り組む集中思考型保育、□+□=10は、答えが11通りありますから、一人ひとりを育てていく拡散思考型保育と考えると
  一斉保育(他律の集中思考型保育)
   →減点方式→ペーパーテスト
  自由保育(自律の拡散思考型保育)
   →加点方式→行動観察型テスト
となり、幼稚園の保育の方針が、他律の一斉保育から自律の自由保育に変わったことから、小学校の入学試験の形式も減点方式だけではなく、加点方式を加えたと言えるのではないでしょうか。
 
ペーパーテストを実施している学校も、課題遊び、自由遊びなどの行動観察テストや制作、運動テストなどを通して、社会性や協調性など集団生活への適応力を評価、採点し、バランスの取れた
成長をしているかを判定しています。ですから、入試に必要な知識なるものを、記憶だけに頼って詰め込む知育偏重型の受験対策は、どこの学校からも歓迎されないと言えるわけです。
 
前回でもお話ししましたが、現在、国立大学附属校では、お茶の水女子大学附属小学校、東京学芸大学附属竹早小学校等はペーパーテストをやっていません。
私立校では、慶應義塾幼稚舎、学習院初等科、成城学園初等学校、桐朋学園小学校、川村小学校などもやっていません。(令和6年10月現在)
 
おもしろいのは、以前は運動テストもなく、ペーパーテストしかやっていなかった立教小学校が、今ではペーパーテストを廃止して行動観察型に切り替え、運動テストはもちろんのこと、男の子
が苦手とするダンスまで取り入れていることです。以前の学校説明会で、文言は正確ではありませんが、「私学がよい子を取り合った時期があったが、それは間違いでした」と指摘され、「取り
っこではなく分けっこの時期に入った」とおっしゃっていました。
 
「ペーパーテストを廃止した理由」を公表した学校があります。
かなり前になりますが、慶應義塾幼稚舎の舎長が、以前、こうおっしゃったのです。これはわかりやすい話ですから紹介しておきましょう。余談になりますが、舎長は校長のことで、東洋英和女
学院小学部、青山学院初等部は部長、学習院初等科は科長、光塩女子学院初等科は校長、国府台女子学院小学部は副学院長の名称となります。
 
「受験という現象がある以上、その競争の社会の中で、人より抜きん出て勝利を占めようと、どんどんエスカレートします。競争社会は、結果を争うわけです。だから、私たちは、結果を争うよ
うなテストをしません。結果を点数に直して、点数で序列をつけるような教育をしていない。点数で子どもの序列をしないということは、ペーパーテストはしませんというのが、一番わかりやす
いということです」(週間ポスト 平成6年4月3日号)
 
辞任されて教員に復帰された加藤三明元舎長は説明会で、毎年のように「幼稚舎の教育目標は、他人との競争ではなく自分との戦いである」とおっしゃっていました。
 
さらに注目したいのは、東京女学館小学校です。
平成12年に就任された田浦桂三校長(同15年に退任)は、面接と推薦状だけで入学を決めるAO方式(アドミッションズ オフィス)を始めました。文言は正確ではありませんが、「受験の
ために子ども達に大きな負担をかけたのは、塾や親の責任ではなく、そういう環境を作った学校にある」と言い切った方です。募集人員80名中、AO方式20名からスタートし、令和6年10
月現在、募集人員72名中、AO方式約40名(内約3名「国際枠」)、一般入試30名程度になっています。「やがてはすべて、この方式に変えていきたいと」先生は抱負を語っていましたが、もし、これが実現すると、「私学もやがて抽選で!」といった夢のような話……まあ、夢でしょうけれど。子ども達のために頑張ってほしいと期待しています。残念ながら大学は、在学生全員が卒業した2016年3月に閉鎖されました。
 
ところで、「ゆとりの教育」を目指した平成14年度から実施された学習指導要領から、私学の大きな特徴であった週五日制、英語教育が公立でも始まりました。少人数制に至っては、私立の小
学校は都心の公立校にかなわなくなっている学校もあるでしょう。
この状態を「公立校の逆襲が始まった」と、東洋英和女学院小学部の寺澤東彦元部長は説明会でおっしゃっていました。ですから、私学には脅威でもあったわけです。
 
事実、日本女子大学附属豊明小学校、立教女学院小学校、東洋英和女学院小学部、青山学院初等部、成蹊小学校、昭和学院小学校、日出学園小学校、国府台女子学院小学部など、最近の私学の環境整備には、目を見張るものがあります。
 
また、桐朋小学校は1クラス24人、成蹊小学校では3年生まで1クラス28人、日出小学校は2年生まで25、26人編成の少人数制を実施するなど、私学ならではの対策が顕著になっているのも事実です。
 
また、学校も増えています。2013年に慶應義塾横浜初等部、2014年4月には茨城県取手市に江戸川学園取手小学校、そして2015年4月には神奈川県藤沢市に日本大学藤沢小学校が、
茨城県つくばみらい市には開智望(のぞみ)小学校が開校され、2016年4月には千葉県流山市に国際暁星流山小学校が、2019年4月には東京農業大学稲花小学校が開校しました。北海道
にも私立小学校が開設されたり、2024年には開智所沢小学校が開校となりました。
 
受験者が減る中で、なぜ新しく私学が創立されるのでしょうか。
誤解を恐れずに言えば、画一的な教育よりユニークな教育環境で、わが子を学ばせたいと希望する保護者が増えているからではないでしょうか。
 
なお、2022年4月に東京都立立川国際中等教育学校附属小学校が開校しました。公立も小中高12年間通しての教育、一貫教育に参入です。「公立校の逆襲」第2弾になるのでしょうか。今
後も注目ですね。
 
さて、そこで問題になるのは、志望校の選び方です。
 
それは何かと言えば、小学校選びは聖書の「始めに言葉ありき」ではありませんが、「始めにご家庭の教育方針ありき」であるべきです。これが「始めに名門校ありき」では、かつてバブル経済
全盛期の頃、マスコミがお受験騒動と指摘したように、ブランド志向によって起きた「受験戦争の低年齢化」、「幼い子どもを受験戦士に仕立てていいのか」などと批判の対象になりかねないか
らです。
本当は、こういったことが起きること自体、異常なのですが、いわゆる「受験地獄」に陥らないためには、ご両親でよく話し合いをし、受験に取り組むことが大切です。
 
「教育は、家庭の教えで芽を出し、学校の教えで花が咲き、社会の教えで実がなる」
 
これは明治初期に文部省から高等科(現在の5、6年生)の家庭に配布されたものですが、「どんな花を咲かせたいのか」、これこそ学校選びの基本ではないでしょうか。
 
小学校の受験は、前々回説明しましたスケ―ジュールをもとに、慎重に計画を立て、「ゆっくり、じっくり、しっかり」と、ゆとりをもって挑戦するものであることを、肝に銘じて頂きたいので
す。
 
 
(次回は、「求められる4つのパワー」についてお話しましょう)
 
 
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2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>入学試験の傾向

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         「めぇでる教育研究所」発行
2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2026年度入試(2025年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第16号
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入学試験の傾向 
 
小学校の試験を目指す皆様方ですから、既に、ご承知と思いますが、ペーパーテストを実施しない学校も増えました。また、ペーパーテストを行う学校でも行動観察型のテストを併用しています。
その経緯については、あとで詳しく紹介するとして、学校側が試験を通して何を見ているのか、何を求めているのかについて、簡単に触れておきましょう。
 
ペーパーテストを行わない学校は、慶應義塾幼稚舎、学習院初等科、立教小学校、桐朋学園小学校、川村小学校などで、いわゆる行動観察型のテストを実施しています。(青山学院初等部は以前
はペーパーテストを行っていませんでしたが、コロナウィルス感染症拡大を機にペーパーテストを行うようになっています。)
 
「ペーパーテストを行わずに、何がわかるのですか?」と、疑問視する方も大勢いらっしゃるようです。
 
ところが、これがよくわかる仕掛けになっているのです。
仕掛けといっては失礼になるかもしれませんが、ある年の桐朋学園小学校の学校説明会で、たまたま顔を出された校長先生が、面接についておもしろい話をしてくれたのでした。
 
「私どもが面接をしないのは、親御さんに『趣味は何ですか』とうかがっても、本当は競輪や競馬が大好きでも『読書、音楽鑑賞です』とおっしゃるでしょう。だから面接をしません。しかし、
私どもでは二日間、お子さんを預かりますから、どのような家庭環境で育てられているかわかるのです」
 
文言は正確ではありませんが、内容は間違いありません。
その通りではないでしょうか。
 
子ども達は演技ができませんから、育てられた環境を、そのまま正直に、試験会場で見せることになります。
 
基本的な生活習慣やしつけ、言葉遣いから社会性や協調性といった集団への適応力など、手に取るようにわかるのではないでしょうか。
ですから、「ペーパーテストがないから受験準備は楽だわ!」などと考えるのは、とんでもない誤解で、行動観察型の試験は、ペーパーテストより難しいところがあります。
 
なぜなら、先生方の言葉を聞き取り、理解し、考え、自分の言葉で表現したり、絵を描いたり、行動する、それが行動観察の試験だからです。
どういった準備が必要だとお考えでしょうか。
 
次にペーパーテストを実施している学校ですが、暁星小学校、雙葉小学校、白百合学園小学校、東洋英和女学院小学部、聖心女子学院初等科(一時期、ペーパーテストをやめていたのですが)、
立教女学院小学校、光塩女子学院初等科、国府台女子学院小学部などです。
 
このように学校名をあげてみると、何かお気づきのことはありませんか。
 
そうです、何とも不思議なことに、宗教教育を行っている学校が多いのです。しかも、いずれも、いわゆる名門校ですから、試験問題の難易度は、高いことも共通しています。
なぜ、難しい問題が出題されるのでしょうか。
 
おそらく、過去問といわれている、以前に出題された問題を集めた本などを使い、繰り返し問題を解くといった受験準備ではなく、基礎知識をきちんと身につけた上で、問題を解く力を備えてほしいと、学校側は考えているのではないでしょうか。
 
簡単に説明するのは難しいのですが、わかりやすい話だと思いますので紹介しましょう。
 
試験問題の中に、「四方図」、「四方観察」と呼ばれるものがあります。これは、テーブルの上に置かれた左手をあげた縫いぐるみを、前後左右から見ると、どのように見えるかといった問題で
す。この場合、四つの方向から見ることになりますから、四つの違った答えがあるわけです。
 
つまり、学校側は、答えは一つだけではなく、いろいろな方向、立場からものを見て判断する、そういった力を持つ子どもを求めているのではないでしょうか。 
 
さらに、ペーパーテストではなく、こういった問題もありました。
 
・雙葉小学校
 お皿に入っているプラスチックの玩具の宝石20個ほどを、細かく分かれている箱に、塗り箸でつまんで入れる。
 
・白百合学園小学校
 プラスチック製の穴の空いた板に紐が通してあるお手本を見ながら、同じように紐通しをする。
 (暁星小学校でも出題されました。)
 
・暁星小学校
 机の上に弁当箱、弁当箱のふた、弁当袋、箸、箸箱、箸箱のふた、校内着、 半袖のポロシャツ、ハンカチ、ティッシュ、本、靴下などがバラバラに置かれ、それをファスナー付きのカバンの中にきれいに詰める。
 
 靴を脱いで、机にある折り紙をとってきて、好きなものを折る。
 (5個折らせた年もありましたし、少し力の必要な折り方が出題されたこともあります)
 
・青山学院初等部
 靴を脱いで手を洗いにいき、椅子をテーブル代わりにして、煎餅、クッキー、お茶を自分で用意し、いただく。食べ終えたらゴミを分けて捨て、後片付けをし、席で待つ。
 
・日本女子大学附属豊明小学校
 いろいろなビーズの入ったトレーから、自分のお皿にできるだけ多くのビーズを塗り箸で移す。
 細い紐にビーズを通して端を結びネックレスを作る。
 クーピーで絵を濃淡に塗り分ける。
 
・東洋英和女学院小学部
 机に置いてあるカゴの中から、弁当箱とハンカチをとってくる。
 次にテスターが持っているカゴから、ピンポン玉2個と豆を箸で取り、弁当箱に入れる。そして、テスターの手本どおりにハンカチで箸と弁当箱を包み、指示された机に置く。
 
・立教女学院小学校
 塗り箸で、さいころの形をしたキューブを隣の紙のお皿に移す。
 
・千葉日本大学第一小学校
 教室の後ろのテスターのところに並び、洋服をハンガーごと持ってくる。ハンガーから洋服を取り、着ている服の上からきる。
 ボタンを1つかける。ボタンを外し、着た服を脱ぎ、ハンガーにかけテスターのところへ持って行く。
 
・早稲田実業学校初等部
 靴を脱いでじゅうたんに上がり、お手本を見て封筒を作る。作り終えたら机の中から雑巾を出して手を拭いたあと、机を拭き、たたんで机の中にしまう。
 
・田園調布雙葉小学校
 持参した服に着替え、着ていた服を風呂敷で包む。
 
・横浜雙葉小学校
 お友達と床に正座して、おしゃべりをせずに、持参した弁当を食べる。
 
・日出学園小学校
 ふわふわボール6個を箸でつかみ、弁当箱に入れナフキンで包む。
 
 
学校側は、何を見ているか、おわかりいただけたと思います。
基本的な生活習慣が、きちんと身についているかを知りたいわけです。
基本的な生活習慣はしつけであり、それは、ご家庭の育児の姿勢でもあるわけです。
 
東洋英和女学院小学部の寺澤東彦元部長は、「しつけや言葉遣いは、生まれる前に刷り込まれているわけではないから、強制的に教え込まなければならない」とおっしゃっていますし、国府台女
子学院の平田史郎学院長は、「訓練されていない個性は野性である」とさえいっています。
 
両校とも宗教教育を行う女子だけの学校です。
ご家庭の教育に何を求めているのでしょうか、受験準備のポイントは、ここにあると思います。
 
つまり、知識だけ身についた偏った子どもではなく、知・徳・体の三つの能力が、年齢相応にバランスよく育った気力のある子を望んでいるのです。
 
ですから、小学校受験でもっとも大切なことは、就学前の子どもにふさわしい基本的な生活習慣やしつけ、挨拶、言葉遣いなどを、きちんと身につけておくことなのです。
 
今からしっかりと計画を立てて、一つ一つ階段を上るように、地道な努力を積み重ねていくことが求められています。
 
いわゆる、付け焼き刃などは、絶対に効きません。
 
かつてのバブル経済全盛期の頃で、私立志向が過熱気味な状態にあったときでした。
あるミッション系の学校説明会で、校長先生は、こうおっしゃったものです。
 
「受験に必要な知識や礼儀作法なるものを泥縄式に詰め込んで、受験準備、こと足れりとお考えになるのは、間違いであることに気づいてほしい」
 
これも昔の話ですから文言は正確ではありませんが、内容は間違いありません。
このことではないでしょうか。
泥縄式とは、「泥棒を見てから縄をなうことで、事が起こってからあわてて、その対策に手をつけることをあざけていう言葉」ですが、特に、幼児の受験の場合、泥縄式は、絶対に通用しません。
 
これからの毎日の生活の積み重ねが、来年の秋に実を結ぶことを、肝に銘じていただきたいのです。
 
(次回は、「なぜ、ペーパーテストを廃止する学校が増えたか」についてお話しましょう)
 
 
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2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>◆◆試験当日の留意点◆◆

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         「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
      年長児のお子様をお持ちの方々へ
 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第67号>
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 ◆◆試験当日の留意点◆◆
 
 
季節の変わり目、朝晩、気温の変化の激しい初秋ですが、体調を崩しやすいですから、お子さんの健康管理には、十分注意してください。
 
今回は、試験当日の留意点とご両親の心構えについてお話しましょう。
 
(1)募集要項を読み直し、持参するものの一覧表を作っておき、慎重にチェックをしましょう。
   受験票、面接票、当日のスケジュール表(出願後に学校側から送られてきた資料)、募集要項、上履き(学校によってはご両親用も)、運動靴(雨天の場合は雨具の他に、お子さんの着替えやソックスなど)、携帯電話(万一の交通事故に備え)、スイカ、パスモなど。
   親子一緒の控室のところは、お子さんが静かに待てるようなものも用意するといいでしょう。
 
(2)当日は、いつもと変わらない朝を迎えてください。
   学習院のように試験当日に両親面接があると、ご両親が緊張しがちです。
   いつもは「行ってくるよ」と会社へ出かけるお父さんが、一所懸命に駄洒落を飛ばすのですが、全くうけなくて、かえって、「パパ、どうしたの?」と怪しまれてしまったと、笑いながら話してくれたお父さんがいました。
   いつもと同じように、平常心を心がけましょう。
 
(3)いかなる場合でも、遅刻は認められません。
   特に、バスを利用する場合は、注意が必要です。
   朝は、渋滞する可能性がありますから、事前によく調べておきましょう。
   説明会でも開始間際にタクシーで、あわてふためきながらやって来るお母さん方を見ました。
   事故による渋滞や電車の遅れなどの場合は、他の交通手段も考えておきたいものです。
   そして、携帯電話で学校に問い合わせ、指示を求めましょう。
   そのためにも電話番号を登録しておくことです。
   ただし、校門の所で必ず、電源を切ることをお忘れなく。
 
(4)所定の手続きを指示に従い、あわてずに行いましょう。
   頭をひねるような難しいことはありませんが、時間ぎりぎりに到着となると、気のあせりからミスをしがちで、そういったときは、いつもと違ったご両親になっているものです。
   そばで見ているお子さんは、どういった心境になるでしょうか。
   控室で一息入れずに試験場へ向かい、すぐにテストです。
   まわりは、知らない子ばかりです。
   お子さんがいつものような状態で、テストを受けられるはずはありません。それまで全力を尽くしてきたとしても、この一瞬で、すべてが台無しになる可能性もあります。
   十分な配慮が必要です。
 
(5)服装は、動きやすく、着馴れたものを。
   新品の革靴をはかせるようなことはやめましょう。
   学校へ着けば履きかえるのですから。
   靴擦れでもしたら、運動テストどころではありません。
   髪の毛の長い女の子は、運動の時に困らないようにしておきましょう。
   リボンが気になりマット運動ができなかった話を聞いたことがあります。
   袖の長いブラウスなどは、制作の時に邪魔になることも考慮しておきましょう。
   女の子は、お気に入りのブラウスなどを着せると、汚れが気になり、集中できません。
 
(6)テストの前に用便をすませておきましょう。
   幼児教室へ通っている方は、教室へ入る前に、必ず、やっていると思います。
   校舎見学の機会がない場合は特に、集合時間間際でトイレの場所を慌てて探すことのないよう、時間に余裕を持って行くようにしましょう。
   テスト中にトイレとなると、それまでです。
 
(7)いつものように教室へ送り出しましょう。
   控室で、「話をきちんと聞くのですよ」などと、くどくど注意するお母さん方がいるようです。
   そういうことが、みんなプレッシャーになってしまいます。
   また、大勢の子どもを見て、驚き、緊張している様子が見えたときは、お子さんが、もっとも安心する態度で接してあげましょう。
   よく聞く話ですが、しゃがんで、お子さんの目を見ながら手を握ってあげ、
   「いつもと同じなのよ」
   というのが効果的なようです。
   お子さんの性格によっても違いますが、こういったことも起こりえると考えておきましょう。
 
(8)万一の急病に備え、常備薬を持参しましょう。
   幼稚園の遊戯会、ピアノなどの発表会の前の晩に、熱を出した経験のあるお子さんは注意が必要です。
   直前に、感染症にかかった場合は、必ず学校側に連絡し、指示に従ってください。
  
(9)テストの時間によっては、昼食の用意をしておきましょう。
   近所のレストランなどをあてにしていると、「日曜日で休み」となりかねません。
   一口で食べられるサンドイッチやおにぎり、飲み物も自動販売機などで購入せず、小さい水筒などを用意しておきたいものです。
 
(10)幼稚園や保育園、幼児教室などの友達と会うことも考えられます。
   緊張しているときに友達と会うと、ほっとして舞い上がるお子さんがいます。
   あいさつ程度にし、お子さん同士がふざけ合うことのないようにしましょう。
 
(11)行動観察や運動テストなどで、子ども同士のトラブルが起こる場合もあります。
   先生から事情を聞かれたときは、はっきりと答えることです。
   男の子は、これが苦手なようです。
   密を避け、この種のテストをしない学校もありますが、行われる場合は、その指示にきちんと従うように教えておきましょう。
 
(12)お子さんがテスト中の控室では、たとえ友達や顔見知りの人がいても、お互いに遠慮して話し込まずに、本を持参し静かに読むようにしましょう。「携帯電話の電源は切るか、マナーモードにしてください」とある場合は、スマートフォンも使用禁止です。
 
 
入試が始まっているご家庭もいると思います。
風邪など引かないように注意しましょう。
お子さん、お母さんはもちろんのこと、お父さん、外出先から帰ったときは、必ず、手洗いとうがいを励行してください。
そして、お母さん。お子さんにとっては、お母さんの明るい笑顔が頼りです。
精神的なコンディションを崩さないことも、ご両親の大切な役目です。
ここが正念場と考え、頑張ってください。
 
 
ご両親の心構え
 
★アフターケアも慎重に★ 
 
昨年の7月から始まった「さわやかお受験のススメ 小学校受験編」も、最終回を迎えました。
 
長い間、読んでいただいた方に、お願いをしておきたいことがあります。
 
言うまでもなく小学校の受験は、お兄さんやお姉さんが在学している場合はともかく、ご両親が我が子のためによかれと考えてはじめたことです。
もとより、子どもたちが、
「ぼくは、幼稚舎へ行きたい」
「私は、雙葉へ……」
と、希望されたわけではありません。
にもかかわらず、子どもたちは、一所懸命に頑張りました。
年中の頃から、受験勉強をはじめ、そして今、直前の講習会を終え、試験を迎えようとしています。
 
考えてみると、これはたいへんなことです。
 
基礎指導から実践指導、集団指導や個別指導、冬、春、夏の講習会、毎月行われた模擬テスト、絵画教室などなど、同年代の子ども達が、ほとんど経験しないことをやってきたことになります。
それに加えて家庭学習があります。
これが、子どもたちには、もっとも厳しかったのではないでしょうか。
とかく、お母さん方は、合格の二文字のために熱くなりがちです。
「なぜ、ぼくだけ、勉強しなくてはいけないのかな?」
と子どもたちに疑問を持たせてしまったことも、あったのではと思います。
でも、お父さんやお母さんの気持ちに応え、頑張りました。
 
子どもたちは、本当にえらいと褒めてあげたい。
         
ですから、全員に、希望された学校から招待状が送られて来て欲しいと思わざるを得ません。
それほど子どもたちは頑張り続けたのですから。
しかし、残念ながら、すべての子どもたちに、招待状が送られてくるわけではありません。
「試験前なのに縁起でもない!」とお腹立ちの方も、心を静めてお読みください。
 
都心の幼稚園によっては、全員が受験というところもありますが、そういった環境であれば、幼稚園側の配慮もあるでしょうし、ご両親もお子さんも、それなりの指導をきちんと受けられていると思います。
しかし、普通の幼稚園や保育園からの受験の場合は、そうはいかないのではないでしょうか。
わが子、一人だけが受験といったことも考えられます。
         
一昔前は、受験を意識させないで済ませるように、また、合格しなかったことを、子どもたちにわからないように配慮したものです。
しかし、現状ではなかなか難しいのではないでしょうか。
 
数校受験する子どもたちもたくさんいますから、わかっているはずです。
合格すれば何ら問題はありませんが、結果が出なかった場合は、傷つく恐れもあるでしょう。
 
このことです……。
 
今は、学校内で合格を発表せずに郵送やWebで知らせるところが増えてきましたが、以前は、ほとんどの学校が校内に掲示していたものです。
私は、できる限り発表を見に行きました。
合格された方は、掲示板の前からいつまでも去ろうとしません。
不合格の方は、悄然と去っていきます。
気障で申し訳ありませんが、「倍率十倍の難関校」の文字からは浮かばない、厳しい現実を実感させられたものでした。
 
そんなときに、ある学校で、とんでもない親子を見てしまったのです。
お母さんが早足で出口に向かい、お子さんが、
「ママ、ごめんね!」
と、泣きながら追いかけていくのです。
若いお母さんは、一言も口をきかず、むっとした顔をして出ていってしまいました。
こんな残酷な仕打ちは、いくら親でも許せません。
一番傷ついているのはお子さん自身であることに気づかない親であれば、受験などする資格はないと思いました。
最近は、Webや郵送で知らせるようになりましたから、こういった心配はないと思いたいですね。
 
ところで、不合格のときはお子さんに、どのように説明するか決めているでしょうか。
 
残念ながら合格しなかったご両親からは、
「公立の小学校から通知は来ますから、子どもには、私学の合否については知らせないことにしています」
と、答える方が多いものです。
 
みなさん、お子さんにあった方法で対処なさることと思いますが、注意してほしいのは、ちょっとした言葉なのです。
 
「○○ちゃんは入ったのに、何で、あなたは駄目なんでしょう」
お母さんは、わが子をかわいそうに思い、つぶやいたこの一言で、お子さんは、深く傷つき、劣等感を持ちがちなのです。
不用意な言葉が、お子さんに与える影響を考えてあげましょう。
とにかく、お子さんは、頑張ったのですから。
 
頑張ったことは、必ず、将来、芽を吹きます。
 
正しい指導を受けてさえいれば、子どもたちは、同年代の子が体験しなかったことを、たくさん学習しています。
 
国語の領域でいえば、「話の記憶」は、小学校の中学年から高学年にかけて学習する長文読解の問題を、文字を使わず、耳から聞き取るだけで挑戦してきました。
 
算数の領域では、「数」の問題で、1年生で習う足し算、引き算、2年生で習う掛け算、3年生で習う割り算、4年生で習う分数まで、数字や+-×÷などの記号を使わずに学習してきました。
 
さらに、話を聞く姿勢、指示を理解し迅速に対応する行動力、自分で頑張る意欲などを身につけたはずです。
 
ご両親も、心を一つにして、お子さんをバックアップしてきました。
学校を選んだ段階で育児をふりかえり、やはり間違っていなかったと確認したこと、反省しなければいけなかったことを話し合われたのではないでしょうか。
受験をしなければ、こういった経験をすることはなかったはずです。
驚かすようで申し訳ありませんが、これから先、ご両親が、これ程までに心を一つにして、何かに取り組むということは、あまりないのではと思います。
 
まさに、育児のゴールデンアワーでもあったわけです。
 
文言は正確ではありませんが、慶應義塾幼稚舎の舎長を辞任され教諭に戻られた加藤三明先生は、説明会でこうおっしゃっていました。
 
 「受験に合格しなかった方は、もしかすると親子ともども、敗北感を味わうことになるかもしれません。しかし、これはあくまでも幼稚舎の受験に限ったことで、人生の敗北ではありません。まして、子どもがそういうことを思い続けていたら、本当に恐ろしいことです。われわれが5歳の子に、本来は行うべきではない入学試験という罪なものを施していて言うのもなんですが、小学校受験をぜひ、最終目的だと思わないでいただきたい。まだまだ、ほんの人生の始まりです。小学校の受験で、お子様をスポイルしないでほしいというのが、私の願いです」    
                     
年長の秋は、お子さんの人生の終着点ではなく、通過点と考えましょう。
例え不本意な結果だったとしても、そのことをお子さんが背負っていくことのないようにしてあげてください。
 
小学校の受験は、ご両親がお考えになり始めたことですから、終わりもきちんと対処していただきたいと思います。
 
この連載を通して、わかっていただきたかったのは、「過保護や過干渉な育児から、子どもたちを解放する」ことでした。
 
過保護な育児では、わがままな子になりがちで、相手を思いやる気持ちは育まれません。
 
過干渉な育児では、消極的で依頼心の強い子になりがちで、積極的に物事に取り組む意欲は育ちません。
 
これから、小学校での集団生活を通して、共に生きる「共生」を学んでいくことが大切です。
それには、相手を思いやる気持ちが育まれていなければ、スムーズに対応できません。
また、学校生活を楽しくすごし、学習面で好奇心という触角を張りめぐらせ、いろいろなことを学んでいくには、積極的に取り組む意欲が育まれていることが大切です。
 
家庭学習で、お父さん、お母さんには、この2つのことを教えてきたと思います。
 
できない問題があっても、明日できればいいと励ましませんでしたか。
できるようになったとき、一緒に喜び、褒めてあげたでしょう。
 
子どもたちは、お父さんやお母さんのやさしい気持ちに応え、ステップアップしてきたのではないでしょうか。
「頑張れ」と励ます言葉とやさしい気持ちから、子ども達の心に「思いやりの気持ち」と「できるまで頑張る意欲」が育ってきたのです。
 
この2つが育っていれば、たとえ不本意な結果だったとしても、子どもたちは大きく成長しているはずです。
 
同年代の子どもで、こういったことを経験できるのは、私学の小学校が最も多い東京都でさえ、就学児童およそ10万人前後の内、応募者を公表していない学校もあり推定に過ぎませんが、応募者は約1万5、6千名程、何校かチャレンジすることも考えると実際はもっと少ない人数ですから、受験準備をするのも限られた子どもたちなのです。
しかし、正しい指導を受けられた子ども達は、十分にエキスを与えられた根と同じように、必ず、芽を出し、ご両親が期待する花を咲かせます。
子どもたちを信じて、試験場に送り出してあげてください。
運悪く、結果が出なくても、あたたかく見守ってあげる保護者であって欲しいと思います。
 
「あしたは、今日より、きのうより」は、今は亡き、いずみたく氏の作曲された某財団法人の社歌の題名で、断りもなく私の座右の銘にさせていただいています。
また、「育児しながら育自するお母さん」であれば、親子の絆は、生涯、ほころびることはありません。
 
この二つこそ、子育ての鉄則ではないでしょうか。
 
皆さま方に、希望された小学校から、招待状が届くことを、心からお祈り申し上げます。
ベストを尽くせるように頑張ってください。
ご健闘を祈ります。
 
最後までお読みいただきまして有難うございました。
 
 
   令和6年10月吉日
                めぇでる教育研究所 職員一同
 
 
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2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>受験までの1年間のスケジュール

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         「めぇでる教育研究所」発行
2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2026年度入試(2025年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第15号
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受験までの1年間のスケジュール
 
 
「入試の準備は、いつ頃から始めるのがよいのでしょうか」
よく受ける質問です。
年少の11月から2年間かけて、無理なく進めていくのが理想ですが、皆さん方は、来年の秋に受験されるわけですから、この1年間、どのような予定で進めていくかを考えてみましょう。
 
ほとんどの幼児教室は、11月が新学期で、次年度受験の新年長クラスはここから第一歩が始まります。  
11月から7月まで、基礎知識を身につける講座が続きます。
           
この月から、年長向けの模擬テストも始まります。
年中から準備をはじめているお子さんは、模擬テストを受けていますから、既にご存じのことですが、多くのテストの結果表には、得点から総合順位、偏差値まで、ある時期から、志望校への合否判定も添付されてきます。
 
結果表にある男女別の順位は、男子校、女子校を受ける際の判定の基準に、男女の総合評価は、共学の学校の判定基準としても利用できます。
 
テストの内容は、2月頃から始まる「合否を判定する10項目」で、詳しく解説する予定です。
 
また、幼児テスト特有の生活習慣や、しつけ、社会性などの判定もついてきます。「意外に、内弁慶だった」などと、普段、皆さん方が気づかないお子さんの素顔を見ることもできます。
 
これは、非常に大切なことですが、案外、軽く見られている傾向にあります。
 
チェックが入った場合、保護者の責任と考え、お子さんを取り巻く環境を、真剣に考えてあげましょう。
なぜなら、多くの場合、ご家庭の育児の姿勢に原因があるからです。
 
12月の後半には冬期講習会が、3月の後半には春期講習会があり、2月頃から志望校別講座など、さまざまな目的を持った講座も始まります。
教室によっては、レベルの高い特別講座を設け、難関校への準備も始まります。
 
例年であれば、5月の後半から7月中旬にかけて、学校見学会や説明会が始まります。普段、校内に入れませんから、できるだけ多くの説明会へ参加することをお薦めします。
 
ミッション系の学校に関心がなくても、ぜひ、一度は参加しておきたいものです。宗教教育の目的がわかるからです。お勧めは青山学院初等部です。
 
「別学の学校はどうも」とお考えの方も、別学の学校を訪ねてみましょう。立教小学校の校長の「男子だけの良さ」の話は面白く、共学にはないものを見つけることもできるからです。
 
授業参観をかねている場合は、とかく1年生の教室が注目の的になりがちですが、上級生の教室もこの機会に参観してみましょう。
参加者も少なく、思ったより厳しい学習風景に出くわすこともあります。
 
雙葉小学校、学習院初等科、聖心女子学院初等科、暁星小学校、慶應義塾横浜初等部、日出学園小学校など多くの学校でWebでの予約システムや参加用紙をダウンロードして持参、もしくは予約
画面を提示するようになってきました。
 
受験を考えている小学校のホームページで説明会の日程や予約の有無などを見ることができますので、こまめにチェックしましょう。学校によっては、説明会を1回しか開催しないところもあり
ますので、しっかりと確認し、うっかり忘れたなどのミスは禁物です。
 
説明会の他に、学校見学会や運動会、文化祭などの行事に参加できるところもありますので、こういった情報も、各学校のHPに紹介されていますから、しっかりと調べておきましょう。
 
面接で、説明会や行事に関して印象を尋ねられる場合もあります。
普段、入れない校舎に入り、子どもたちの遊ぶ様子から、意外な側面を見ることもでき、学校選びの重要なポイントにもなります。
そして、トイレの場所も確認しておきたいものです。後で、役に立ちますから。
 
なお、最近は、東京女学館小学校の「AO型入試」、日出学園小学校の「第一志望入試」といったように推薦や単願制度を設ける学校が増えています。各学校の本年度の入試要項がHPで公開さ
れていますから、どういった形式になっているかチェックしておきましょう。
 
ところで、夏になると、ほとんどの幼稚園でお泊まり保育があると思います。親のもとを離れて生活することで、どのくらい自立心が培われているかもわかります。一人っ子の場合は、とかく、
過保護、過干渉の環境となりがちです。
 
また、幼稚園や保育園の先生から保護者会の折りなどに、「少し、社会性に問題があるようです」などといわれている場合は、大いに問題があると考え、日頃の育児の姿勢をチェックする必要もあるでしょう。
 
7月の後半から、夏期講習会が始まります。
「夏を制するものは、秋を制する」といわれているほど大切な時期で、幼稚園の休みを、いかに計画的に利用するかがポイントとなってきます。保育園に通わせている方は、日々の時間のやりく
り、休日の使い方など、より計画的に過ごす必要があります。
 
基本的な生活習慣は、この時期までにきちんと身につけておくべきです。かなりハードなスケジュールになりがちですから、旅行や里帰りなどはお子さんを中心に計画しておきたいものです。
 
ご両親、特に、お父さん方の意識を高めるために、模擬面接指導も始まります。
この指導は、できるだけ早い時期に受けておくべきです。
 
「たかが、面接!」などと侮っていては、失敗します。ほとんどの教室で6月頃から始めていますが、ここ数年、申し込みが9月に集中する傾向にあるようです。毎年、お子さんの普段では考え
られない応答、態度を見て、びっくりされるお父さん方がいます。
模擬面接は、どういった答えをするかのテストではなく、お子さんが、初めての先生方とどういった話ができるかを見てもらうのが大きな目的です。
 
9月では、マイナス面がわかっても、わずかな期間では修正の効かないのが幼児です。
 
特に難関校の場合は、夏休みの前に済ませ、マイナス点を修正し、9月に再度挑戦されることをお勧めします。
 
8月の後半から9月にかけて、直前講座が始まり、中断していた説明会も開始されます。
9月の後半から10月にかけて、願書の受け付けが始まります。
日程の関係で、出願してみないと併願が可能かどうかわからない場合がありますので、何校も出願する場合もあることを、頭に入れておいてください。
 
また、雙葉小学校や白百合学園小学校の出願もWebで行うようになったように、多くの学校でWebで出願を導入するようになってきましたので、HPで確認しておきましょう。来年度の状況
がわかるからです。
 
早いところでは、9月の中旬から面接が始まります。
そして、お子さんは直前の特別講習や個別の指導などを経て、ご両親は面接に備えて心を一つにして、試験に臨むことになるわけです。
 
幼児教室や塾の選び方は、保護者で研究されることです。
 
お母さん任せでは、手に負えないかもしれません。
お父さんも一緒になって考えましょう。
 
そして、任せたからには、先生方のアドバイスに従い、家庭学習などもこなしていくべきで、幼児教室の掛け持ちはさけるべきです。
指導の方針に違いがあれば、迷ってしまうのはお子さん自身だからです。
 
教室で実施されるテストは、指導の結果をチェックできる大切な試験ですから、毎月1回は受けるべきでしょう。
 
理解できていないところは、体験不足の結果と冷静に受けとめ、対応することが大切で、偏差値や順位に一喜一憂し、感情的にならないことです。
 
直前になれば、他の教室への「他流試合」も、本番に慣れるために必要ですが、あまり早くから挑戦するのは、お子さんにとっては、会場が変わるたびに緊張感を強いられることになりがちです
から、慎重な対応が求められます。
 
全統オープン等、小学校を会場とする模擬テストも上手に利用しましょう。
 
こういったスケジュールで1年間を過ごすことになります。
メールマガジンもこれに従って、ご両親で取り組むべきことを説明していきますが、メールマガジンの進め方として、面接と志望校選びについては、どうしても来年の8月以降になりますので、
ご両親の心の準備として、当研究所で発行している次の本、冊子もお薦めいたします。
 
最も大切な学校選びのポイントと願書の書き方、面接に関しては、「面接、ここがポイント 小学校編」(書籍) 志望理由についてのアドバイスは、「おとうさん、おかあさんの受験対策」(冊子)で解説しています。参考にしていただければ幸いです。
詳しくはHPをご覧ください。
 
 
 (次回は「最近の入試の傾向」についてお話しましょう)

 
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