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めぇでるコラム

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さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>★★私立幼稚園編(7)

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
              第19号
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私立幼稚園編(7)
 
幼稚園に関する新しい情報は、各園のホームページをご覧ください。ここで紹
介する情報は、説明会や過去のホームページなどから得たものが中心になって
いることをお断りしておきます。 (筆者)
 
淑徳幼稚園
 
幼稚園から大学まで、仏教教育を基本とする総合学園は珍しいでしょう。学園
の創立者、輪島聞声(もんじょ)は尼さんですが、ここまで発展するとは思っ
ていなかったのではないでしょうか。
幼稚園は、東上線の自由が丘といわれている常盤台の静かな住宅街にあります。
総合学園としての規模は、学習院、青山学院と遜色がないそうです。正確には
大乗淑徳学園といい、大乗、小乗は仏教の二代流派で、罰が当たりそうで何で
すが、「皆で涅槃に行くのが大乗で、一人で修行を積み涅槃に行くのが小乗」
と考えるとわかりやすいと思います。
涅槃は、お釈迦さまがすべての煩悩をなくし、この世を去ったことをいうそう
で、私たち凡人には到達できない境地ですが、それはあきらめるとして、日本
人は大乗仏教派でしょうね。「皆で渡れば怖くない、赤信号方式」が好きだか
らです。園庭は狭いため、運動会は小学校のグランドで行われています。
 
【教育方針】 
幼児が尊いのは、それぞれのお子さんが無限の可能性を持っているからです。
それぞれのお子さんが、個性を伸ばして、のびのびと自分らしい光をかがやか
せて、大きく育ってほしいと願っています。  
この可能性と個性を引き出し、大きく伸ばす手助けをすること、それが教育で
あると私たちは信じています。明るく、元気で、こころ豊かなひとに成長する
よう願っています。
 
○淑徳の心
ありがとうの心
人は自分の力だけで生きられるものではありません。
自分の周りの人たちは勿論のこと、その他の多くの人々の支えがあってこそ、
私たちの今日の生活があることを忘れてはいけない、と思います。
    
命を大切に
地を這う小さな虫にも、野に咲く一本の草花にも命があります。
そんな小さな命にも、限りない愛を注ぎ大切にしていく、そんな「思いやりの
ある心」をいつまでも持ち続けたいものです。
 
正門から入って園庭に出る左側に、みほとけさま(善財童子)の姿を見ること
ができますが、その前を通る園児達はもちろんのこと、お母さん方も歩みを止
め、手を合わせ、おじぎをしていきます。みほとけさまの前で、おじぎをする
現代っ子、いるでしょうか。これがかわいいそうで、おじいちゃん、おばあち
ゃんには、たまらないようです。形から入って心を育むのが、宗教教育の目指
すところで、おじぎはその第一歩です。
善財童子は、華厳経を求道した偉いお方で、菩薩さまです。罰があたりそうで
すが、やさしいお顔の童子ですから、襟を正さなくても、素直に頭を下げられ
る雰囲気を醸し出していらっしゃいます。
しかし、幼い時に、幼いながら、目に見えないものに畏敬の念を抱くことは、
決して悪いことではありません。
 
かつての園からのメッセージですが、紹介しておきましょう。
 
 園からのメッセージ 
 
幼稚園では、数々の経験・体験を通して、その心身の発達を図るとともに、さ
らに、宗教的情緒の芽生えを育み、徳・知・体のバランスを考えながら、生活
をより豊かなものにしたいと念願しています。
また、お互いの個性を認め、尊敬し合い、自分らしさを発揮する中で、集団に
おけるルールを覚え、協力すること、人と共に生きることの大切さ、素晴らし
さを知ることができます。
人格形成の基礎となる幼児期に、無理なく無駄なく教育し、心豊かな子どもに
育てます。
 
「徳・知・体のバランス」の言葉も、あまり聞きません。
今は、「知・徳・体」と知育偏重型の教育が、歓迎されているからですが、幼
児期には、心の教育、情操教育が大切ではないでしょうか。
 
宗教教育を行う幼稚園を希望する親御さんが、増えているようです。情報過多
社会で、価値観が多様化している現在です。幼児期にこそ「生きとし生けるも
の」に、もっとも必要なものを身に付けさせたい、親心ではないでしょうか。
 
今年も、体験入園を実施しますが、詳しくはホームページをご覧ください。
なお、平成25年4月から、園舎が新しくなりました。
 
【募集人員】 3年保育:(男女)35名   2年保育:(男女)若干名
【Q&A コーナー】はありません。
 
宝仙学園幼稚園
青梅街道を少し入ったところに山門が見え、向かって右側が境内、左側が墓地
で、その奥に宝仙学院があり、幼稚園と小学校は、山門の左側の墓地の塀沿い
に、およそ半周したところにあります。
 
真言宗豊山派宝仙寺の第五十世住職 冨田こうじゅん大僧正が、昭和2年、感
応幼稚園(現宝仙幼稚園)を設立し、翌3年、中野高等女学校(現宝仙学園中
学校・高等学校)を設立。
その後昭和10年に仏教保育教会保母養成所(現 宝仙学院短期大学保育学科)
が、同28年に小学校が開設され、さらに同39年には短期大学に生活芸術科
(現 造形芸術学科)を新設、総合学園となりました。
注:「冨田こうじゅん」の名前が平仮名になっているのは、「こう」は辞書に
ない字のためで、「じゅん」は「純」と書きます。
 
本学園は、創立以来、一貫して大乗仏教精神に基づき、「人をつくる」を基調
とし、宗教教育を押しつけるのではなく、「学年生活を送ることにより、自然
の有する力や恵み、理(ことわり)を感受することのできる豊かな人格の育成」
を目指しています。
本園の仏教保育も、子ども達が宗教的な環境の中で、自然に仏教に親しむこと
を目指しています。
 
真言宗の開祖は、ご存知の弘法大師(空海)で、「お大師さん」と庶民に親し
まれ、学費を気にすることなく、誰でも入学できた、日本で最初の私立学校、
綜芸種智院を設立された方です。
大乗の仏教精神は、淑徳幼稚園で紹介しましたが、誤解を恐れずに簡単にいえ
ば、みんなで大きな乗り物に乗って修行をし、悟りを開くことではないでしょ
うか。
 
 ~豊かな感性と思考力~   Sensitivity and ability to think rich
 
ホームページを開くと、この文字が飛び込んできましたが、何やら、仏教の目
指す道を暗示しているような気がしました。仏教は、悔いのない人生を送るた
めの啓蒙の書ですが、由緒ある寺院を気軽に訪ねるように、やさしく解説して
ある経典にも、一度は目をとおしておきたいものです。
 
私事で何ですが、般若心経にお世話になっています。
学生時代に、「観自在」とあるのを「自ら在るを観る」と勘違いし、デカルト
の「我思う。故に我あり」(I think、therefore I am.)
と同じではないかと狂喜し、お経に触れるきっかっけとなったのですが、解説
によると、「観自在」とは観音菩薩、観音さまのことでしたから、全くの誤解
からの出会いでした。若い頃、哲学者気取りで、“I think、
therefore I am.”を、お経のように唱えてはいきがっていま
したが、落ち込んだ時、役に立ちました。
デカルト(1596~1650)は、 フランスの哲学者、近代哲学の祖といわれ、
「方法序説」は、パスカルの「パンセ」と共に、学生時代に心を奪われた名著
でした。本箱の片隅に筑摩書房から出版された世界文学大系13に「デカルト
 パスカル」があり、発行日を見ると、昭和33年10月、定価550円
(安い!)、あちこちに赤鉛筆のアンダーラインと拙い書き込みがあり、真面
目に悩んでいたのだなと、懐かしくなりました。最近読んだ五木寛之氏の随筆
に、“I am、therefore I think.”ではないかとあり
ましたが、どう違うのかなと思う程悩みませんでした、年ですね(笑)。
 
【幼稚園の教育目標】   
○ 考えてしとげる
問題にじっくりと取り組み、試行錯誤しながら、解決する力を育てます。
○ 明るくおおらかに
人の気持ちや立場を理解し、他人を受け入れることの大切さを育てます。
○ 無心に合掌する
自分のことを願い、また、友だちのことを願うことで、思いやりの気持ちを育
てます。
 
【教育方針】
楽しい遊びから学びを抽出する保育
○ 「まなび」を発見できる意欲を育てる。
○ 「あそび」を通して心身ともに健康な子どもを育てる。
○ 考えることや「じりつ」をうながす。
○ 他者への「おもいやり」をもった優しさを育てる。
 
宗教は、形から入って心を磨くことですから、まず、敬虔な祈りを身につけ、
そこから、明るく、おおらかな、安定した情緒の発達を目指すことでしょう。
「考えてしとげる」については、かつて、以下のような解説がありました。
 
たっぷりした時間と空間、その中で子ども達は自分で遊びを見つけ、友達を誘
い、幼稚園での生活を発展させていきます。子ども達が、時にはどう対応して
いいかわからない問題にぶつかった時、自分で問題を解決していく、その意思
と思考力、創造力を養っていくのを、保護者は、常に温かく見守りながら、そ
の力を伸ばしていきたいと思います。
 
過保護、過干渉な育児への戒めではないでしょうか。自分達の力で解決してい
く、子ども達は、もうその時期に入っていることを「自覚しなさい!」とさとし
ているような気がします。
活動の様子を、ホームページの「その日の出来事」で見ることができます。
 
課外活動のスポーツランド、英会話、パソコンなどが盛んなようですが、本園
は、スポーツ一色です。
ユニホームに着替え、張り切って出かけていきます。子どもの体力及び運動遊
びの機会が少なくなってきているのでは? 安心して遊ばせられる遊び場はあ
るのかしら? 子ども達の生活環境を考え、保育の中に鬼ごっこやボール遊び
など運動遊びを積極的に取り入れ、体力増進に力を入れています。さらに幼児
期に心身ともにバランスのとれた子どもに育てたいと、課外活動の内容にも運
動能力や表現力を刺激する活動を取り入れています。
  月曜日:体操クラブ
  火曜日:バレエクラブ
  木曜日:サッカークラブ
  金曜日:新体操クラブ
              
こういった課外活動は、卒園後も続けて指導を受けられるように、「トライア
ングルズ」が設置されています。
 
なお、未就園児クラブ、ベストリッチクラブを開設しています。地域の遊び場
として、幼稚園の中で親子一緒に遊び、家庭ではできない遊び専門の保育者と
一緒に楽しめることが目的で、当クラブへの入会は、幼稚園入園の条件とはな
っていません。
 
「しいのみキッズ」、預かり保育のことで、保護者の用事に限らず預けること
ができ、急用の場合は、電話一本で申し込みできるそうです。預かり時間、料
金など、詳しくはホームページをご覧ください。
 
以前のホームページに、「保護者の経済的な負担を軽減するため、居住する各
自治体より補助金が支給され、詳しいことは入園後に説明がある」と出ていま
したが、「綜芸種智院の精神」が生かされているということでしょうか。
 
【募集人員】 2年保育(4歳児) 25名
       3年保育(3歳児) 40名  満3歳児 35名
 
【Q&A コーナー】  よくある質問
 
Q: 幼稚園では一日中制服で過ごすのですか?
A: 制服を着るのは、登園時と降園時のみです。登園後は遊び着に着替えそ
   の上から、エプロンを着用し過ごします。のびのびと身体を使って遊び、
   汚れを気にせず遊びに夢中になれるように遊び着に着替えています。ま
   た、毎日着替えを繰り返すことで、一人で着替えることが身に付けてい
   きますし、自分の持ち物を管理する習慣もついてきます。エプロンは市
   販のものもありますが、保護者の方の手作りのものを用意される方もい
   らっしゃいます。
 
Q: 給食ですが、子どもにアレルギーがある場合、どのような対応策をとっ
   ていますか?
A: アレルギー食材がが含まれるメニューの除去・代替で対応しています。
   対応できない場合はお弁当を持参していただきますが、食べ物を「みん
   なで一緒に」いただくという気持ちを持たせるために、お弁当箱から食
   べ物を移し替えて、みんなと同じお皿に盛り付け一緒にいただきます。
   好き嫌いについては、お子さまに合わせた指導をしております。
 
Q: 保護者の方で、お仕事をされている方はいらっしゃいますか?
A: 若干いらっしゃいます。お仕事の都合で送り迎えが難しい場合は、ご祖
   父母やベビーシッターさんに頼んでいらっしゃいます。教育懇談会や保
   育参観日などは年間予定をもとにお仕事を調節されて、日曜参観や母の
   日の集いなどの行事にも積極的にご参加いただいております。また、降
   園後の延長保育として「しいのみキッズ」という預かり保育制度がござ
   います。
 
Q: 園バスはありますか?
A  ございません。送り迎えは保護者の方にお願いしています。登園や降園
   の際には、保護者の方から保育者にお子様の家庭での様子を伝えたり、
   保育者から園での様子を聞いたり、幼稚園とご家庭の情報交換の貴重な
   場となっています。また、お子様と一緒に登降園することにより、親子
   の絆を深め、コミュニケーションをとる大切な時間だととらえています。
   地下鉄の駅やバス停が近くにありますので、電車やバスなどの公共交通
   機関を利用する方もいらっしゃいます。やむをえず代わりの方にお願い
   する場合は、受け渡しの責任上、必ず事前に連絡していただいておりま
   す。
 
Q: 宝仙学園小学校への内部推薦の状況を教えてください。
A: 内部入学の人数枠は25名程度で小学校一学年の約3分の1です。内部
   推薦の条件は、「本園在籍1年以上」と「園の生活態度」の他に、小学
   校からの条件として「知能検査」の基準値をクリアすることが必要です。
   9月の「内部推薦入試」で選考が行われます。
 
Q: 他の私立・国立小学校を受験する方はどのくらいいますか? どんな学
   校を受験・進学していますか?
A: 1学年の三分の二の方が受験を考えていらっしゃいます。年長クラスに
   なると園長が園児と面接し、面談を希望された保護者へ園生活の様子か
   ら家庭生活の仕方や大人とのかかわり方を助言し、ご家庭と一緒に進路
   を考えていきます。
【主な進学先】慶應、早稲田実業、成蹊、学習院、立教、成城、立教女学院、
御茶ノ水・学芸大付属
 
Q: 園の行事で保護者のお手伝いはありますか?
A: 入園と同時に全員会員となり、園の行事やお手伝いや、活動に参加して
   いただきます。また、各クラス、学園ごとに食事会などを行い、幼稚園
   生活を楽しめるよう保護者同士の親睦を深めています。
 
Q: 通園範囲や時間に制限はありますか?
A: 特にありません。通園は毎日のことですので、お子様の体力的に負担に
   ならない乗り物・コース・時間帯などを選ぶようにしていただいており
   ます。現在文京区や、台東区から通われている方もいらっしゃいます。
 
Q: トイレトレーニング中でも入園できますか?
A: 問題はありません。入園後、友達とトイレに行く体験により刺激を受け、
   おむつを卒業するケースが多いようです。今までのトレーニングの内容
   やご家庭の様子を伺いながら、おむつから早く解放できるよう、ご家庭
   と一緒にトレーニングに取り組みます。
 
Q: ベストリッチクラブに入会していないと入園はできませんか?
A:  同クラブに入会しなくても入園は可能です。園生活を体験できる当クラ
   ブでは、自分のことは自分でしようとする気持ち、先生の話を聞くこと
   の楽しさ、友達と過ごすおもしろさなどを経験し、幼稚園入園の準備を
   行っています。
 
Q: 入園料や保育料を教えてください。また、補助金の制度はありますか。
A: 平成27年度の入園料等納入金は、下記の予定です。金額に変更のある
   場合は、後日お知らせいたします。
   入園料 100,000円  施設費 35,000円 
   保育料 月額(3歳児 満3歳児) 27,750円/
       (4歳児) 25,900円
また、各自治体の補助金については随時お知らせしております。
 
Q: 仏教精神を基盤とした教育方針ですが、仏教を信仰した方がよいのでし
   ょうか?
A: 宗教は問いません。ほとけ様に心静かに合掌することを大切にしており
   ます。日々の生活の中や行事などを通して、「仏教の教え」をもとに心
   豊かな子どもに育つよう保育をしております。
(平成27年3月現在のホームページから転載したものです)
 
(次回は、光塩女子学院幼稚園、聖学院幼稚園についてお話しましょう)
 
 

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さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>ご健闘を祈ります

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
             第49号
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ご健闘を祈ります
 
昨年の11月から始まった「さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」も、
今回で最終回を迎えました。
長い間、つたない連載をお読みいただいた皆様方に、最後のお願いがありま
す。
 
言うまでもありませんが、幼稚園の受験は、ご両親がお子さんのためによか
れと考えてはじめたことです。
お子さん自身が、「ぼく、暁星幼稚園へ行きたいの!」「わたしは雙葉幼稚
園へ!」と希望したわけではありません。
何だかよくわからないけれど、当日を迎えてしまったというところでしょう。
 
教室へはじめていった時、泣き叫んで部屋に入れなかったお子さんもいたと
思いますが、今では教室が休みの日など、
「ママ、どうして?」
などと、不満そうな態度を示すようになっていないでしょうか。
「ママと離れても、楽しいことがたくさんあること」を学習していれば、幼
児期前期は、すばらしい体験をしたといえます。
 
子ども達にとって、お父さん、お母さん以外の人である先生や友達と、仲良
く遊びながら学んだことは、この先、いろいろなところで生きてきます。
2、3歳は、遊びといっても並行遊びが中心ですから、仲間同士で何かをす
るといった経験は、なかなかできないものです。
また、幼児教育の専門家によって作られたカリキュラムによる知的な学習を、
この時期に体験できたのは、同年代のほんの一握りの子ども達でもあるので
す。
ですから、正しい指導を受けていれば、貴重な体験をしたことにもなるわけ
です。
そして控室で待つ間、同じように国立、私立の幼稚園を志望するお母さん方
と育児の情報交換もでき、役に立ったこともあったと思います。
さらに、ご両親もわが子の教育について、真剣に考え、話し合い、いろいろ
な幼稚園の説明会へ参加され、保育方針などを聞くことにより、幼児期の育
児で何が大切であるかを学ばれたのではないでしょうか。
どこの幼稚園でも、過保護、過干渉の育児を戒めていませんでしたか。
 
核家族化、少子化が続く中で、育児に取り組み、そして受験まで経験するの
は、本当に大変なことであったと思います。
「ご苦労さまでした」とねぎらいの言葉、いや、「よく頑張りました」とほ
めてあげたい気持ちでいっぱいです。
 
それほど、育児は大変な仕事です。
育児と受験、全く違った領域の問題のように思えますが、幼稚園選択の大切
なポイントは、ご両親の育児の姿勢と幼稚園の保育方針が一致していること
にあるのですから、密接な関係にあることもご理解いただけたのではないで
しょうか。
 
しかし、こんなに努力をなさっても、残念ながらすべての方に、希望される
幼稚園から招待状が届くわけではありません。
名門の併設園は、幼稚園といえども狭き門です。
それを承知の上で受験されるのですから、不合格になった時のことも、しっ
かりとご両親で話し合っておくことが大切です。
 
決して、「うちの子は駄目ね」とか「私達の育児の方法が間違っていた」な
どと落ち込まないことです。
まだ、2、3年の人生経験しかない幼子の、吹き出し始めた、小さな、小さ
な、かわいい芽なのです。
幼児期前期は、将来、大輪を咲かせるための大切な準備期間です。
期待した結果が出なくても、幼い子どもなりに、ご両親の期待に応えるべく、
頑張ったのではないでしょうか。
 
そして、ご両親も、力を合わせて最善の努力をされたのですから、そこで経
験した様々なことは、これからの子育てに、必ず、生きてきます。
そういったことが心の支えになり、お子さんの将来を導く羅針盤になってい
くはずです。
3年保育で縁がなくても2年保育で、2年保育で縁がなくても小学校受験が
あります。
わが子の教育は、広い視野で計画を立ててあげるべきではないでしょうか。
 
試験当日は、面接があったり、お母さん自身が一緒に試験を受けたり、いろ
いろとプレッシャーがかかるかもしれませんが、大らかな気持ちで臨み、お
子さんに負担になるようなことは、絶対になさらないようにしてください。
 
結果が出なくても、本人にはわからないで済みますから、ご両親の胸にしま
いこみ、失望し、がっかりした姿を、お子さんに見せないことです。
ご両親は、わが子を守る保護者であることを、決して忘れてはいけません。
わが子に非があるのではなく、ご両親に運がなかったと考え、これからの育
児に生かしてほしいと思います。
 
「明日は今日より昨日より」(あしたは きょうより きのうより)、これ
は、日本のミュージカルに大きな足跡を残された、故いずみたく氏の作曲さ
れた、ある財団の社歌ですが、子育ての鉄則ではないでしょうか。
また、「育児」は「育自」であることも忘れてはならないと思います。
2、3歳の秋は、到着点ではなく、一つの通過点と考えましょう。
そして、「明日は今日より昨日より」を自身を励ます杖とし、「育自」を心
がける賢いお母さんになってほしいと願っています。
 
皆様方に、希望された幼稚園から招待状が届くことを、心からお祈り申し上
げます。
頑張ってください。
 
最後まで拙文をお読みいただきまして有難うございました。
    平成27年10月吉日
めぇでる教育研究所 所長 藤本紀元

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>★★直前と当日の心構え

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
             第48号
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直前と当日の心構え 
 
昼と夜の気温の差の激しい日が続いています。
妙なうわさなどに惑わされることなく、リラックスして過ごすように心がけま
しょう。
 
【直前の心構え】
 
入園テスト直前、何とかしてベストの状態で試験に臨ませてあげたいのは、お
母さん方の切なる願いでしょう。しかし、特別なことをすると、かえってコン
ディションを崩しやすいのが幼児です。いつもと変わらない生活を続けること
が大切です。ただし、試験時間が朝早い場合は、その時間帯に合わせた生活に
切り替える必要もありますが、いきなり替えるのではなく、少しずつ余裕を持
って行うべきです。
 
入試に必要な知的なトレーニングは、通っている教室の先生方にお任せし、カ
ッとなりやすいお母さん方はやるべきではありません。ご両親は面接に備え、
最後の特訓に挑戦してください。
 
着ていく服も決まっているはずですから、休みなどに3人そろって正装し、幼
稚園まで行ってみましょう。お子さんも慣れることで、特別な気持ちになるこ
とも防げます。そして、楽しい雰囲気を作ってあげましょう。「受験する幼稚
園だよ!」などと言わないことです。
 
さて、これからと言うよりも、もうとっぷりと浸かっているお母さん方もいる
かもしれませんが、やっかいなのは怪情報、うわさです。雙葉小学校が昭和
60年代に3回ほど説明会を開催しました。その動機ですが、裏口入学を策し
たお母さんの子が不合格になったために、その理由を学校側に電話で問いただし、
驚いた学校側は、「そんな馬鹿げたことは、絶対にありません」と否定す
るためでした。同時に、「どこそこの神父さんの紹介がなければ合格しない」、
「信者でなければ不利」などといったうわさは、単なるうわさであって、怪情
報なるものに惑わないでほしいと訴えたものでした。
 
うわさとは、根も葉もない根拠のない話に過ぎません。当事者であるお母さん
方は、とかく「藁にもすがる」心境に陥り、疑心暗鬼にかられるようですが、
後で振り返ると、「ナンダ!」となるものばかりです。受験料をとるからには
公平でなければ、法律に触れる詐欺行為ではありませんか。犯罪です。気にか
かるうわさを耳にした場合は、お父さんに話してみましょう。おそらく、笑顔
で否定してくれるはずです。頼みますよ、お父さん!
 
【当日の留意点】
 
次に、試験当日の留意点を上げておきましょう。
1.募集要項を丁寧に読み直し、持参するものなどのチェックリストを作り、
慎重にチェックをしましょう。
信じられない話ですが、受験票を忘れたお母さんがいたそうです。
極度の緊張からでしょう。
リストを作っておけば、忘れることもありません。
幼稚園によっては、募集要項を持参してほしいといっているところもあります
から、特別な記載事項には、十分に注意してください。
 
2.当日は、いつもと変わらない朝を迎えましょう。
お子さんの試験と面接が同時に行われる場合は、ご両親が緊張しやすいですか
ら、リラックスした気持ちで臨めるように、平常心を心がけましょう。 
また、お母さんが試験に参加する場合も、とかく緊張しがちです。
教室で体験済みと思いますから、その経験を生かしてください。
親子テストの留意点については、以前、お話ししましたが、普段、ご家庭で
遊ぶ延長と考え、楽しく参加することが大切です。
そして、主役は、お子さんであることを忘れないでください。
 
3.いかなる理由でも遅刻は認められないと覚悟をしておきましょう。
特に、バスを利用する場合は、要注意です。
朝は、渋滞する可能性がありますし、雨天などでは、どこで渋滞が始まるかわ
からないからです。
電車でさえも、改札システムのトラブル、事故など、何が起こるかわかりませ
んから、そういう場合は携帯電話で幼稚園に問い合わせ、指示を求めましょう。
そのためにも電話番号を登録しておきたいものです。
ただし、電源は、門のところで切ることをお忘れなく。
控室で呼び出し音が聞こえては、受験資格なしと考えてください。
 
4.所定の手続きを指示に従いながら、あわてずに行うことです。
頭をひねるような難しいことはありませんが、時間ぎりぎりに到着となると、
気のあせりからミスをしがちです。
そんな時、お子さんが普段、見たことのない顔になっているはずです。
それまで、全力を尽くしてきたとしても、この一瞬で台無しになることもあり
えます。やはり、余裕をもって到着することです。
ただし、暁星幼稚園の説明会で注意がありましたように、あまり早く行っても
お子さんが退屈してしまうこともあるので、30分以内が適当ではないでしょ
うか。
 
5.服装は、動きやすく、着慣れたものを。
幼稚園により、いろいろと注意がありますから、それに従ってください。
また、通われている教室の先生方のアドバイスで、準備は出来ていると思いま
す。
清潔感は、さわやかな印象を与えます。
 
6.テスト前に用便を済ませましょう。
2歳のお子さんは、おむつをつけている場合もあります。
ある幼稚園の説明会では、「入園する4月までに取れますから、隠すようなこ
とはしないで下さい。隠してもわかりますから」とおっしゃっていました。
自然でいいと思いますが、これは、ご両親の見識です。
よく話し合って決めてください。
 
7.控室では退屈しないように絵本などを持っていきましょう。
ぬいぐるみを手放せないお子さんがいるようですが、その日だけ取り上げると
パニックになります。
原因があるはずですから、そこを取り除いてあげましょう。
 
8.万一の病気に備え、常備薬を持参しましょう。
何が起こるのか、予測のつかないのが幼児です。
特に、気温の差が激しい時です。
細心の注意を払ってください。
喘息の発作が出やすいときですから、きちんとした対応策を考えてください。
直前に感染症にかかった場合は、必ず、連絡を取り、幼稚園の指示に従いまし
ょう。
 
9.テスト時間によっては、昼食の用意が必要になるでしょう。
一口で食べられるサンドイッチなどを用意し、飲み物も小さなポットに入れ持
参しましょう。
 
10.教室や塾などの友達と会う可能性もあります。
緊張しているときに友達と会うとホッとし、舞い上がるお子さんもいます。
2、3歳の子は、もとに戻るにはどうしたらよいかを知らないだけに、厄介な
ことになりがちです。
そういったときはどうするか、対策を立てておきましょう。
 
11.お子さんがテスト中の控室では、たとえ友達や顔見知りの方がいても、
話し込むようなことはせず、静かに本を読んで過ごすことです。
週刊誌は避けましょう。
「電源はお切りください」とある場合は、スマートフォンも見ることはできま
せん。
 
残りわずかになりました。
昨年の11月から始まったこのメールマガジンも、来週で最終回となります。
今回を入れて2回しか残っていません。
そこで、今回のアドバイスは、「これからが正念場と考え、毎日を、大切に過
ごしてください」ということです。
お母さん方のいらいらした様子や元気の無い表情が、お子さんにどれだけ不安
を与えるか、しっかりと考えられる賢いお母さんになりましょう。
うわさなどに惑わされない、強い心を持ったお母さんであることが大切です。
お父さん、しっかりサポートしてください。
お母さんは、わが子のことになると、信じられないほど熱くなりがちです。
お母さんの気持ちになって、やさしくリードしてあげましょう。
そのやさしさが、お母さんの心の支えになるのですから、頑張ってください。 
(最終回は、「受験に臨むご両親の心構え」についてお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>★★面接、ここがポイント(2)

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
             第47号
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面接 ここがポイント (2)
 
幼稚園に着くと、所定の手続きをして、控室で待ちます。
たくさんの親子が集まりますから、「何だかおかしいな?」などと、お子さん
も緊張するかもしれません。
幼児教室へ通っていれば、
「いつものお教室ではなくて、今日は、幼稚園で、いろんなことをして遊ぶの
ですよ」
と、うまく導くこともできるでしょう。
教室へ通う目的は、もちろん、志望園に合格することなのですが、お子さんの
場合は、
「お母さんのもとを離れても楽しいことがたくさんあることを、きちんと学習
しておくこと」にあるからです。
緊張のあまり泣き出すお子さんもいます。
お母さんがあわててしまい、なだめようとしますが、うまくいかないと恐い顔
になりがちで、収拾がつかなくなります。
そういったことにならないよう、楽しい雰囲気を作ってあげましょう。
それには、何といっても、ご両親が普段と変わらないことです。
繰り返しますが、それには、志望理由がきちんとできていることです。
 
控室では、静かに待つことになりますが、2、3歳の幼児には、これが苦手で
す。
好きな絵本などを持っていき、読んであげるのもいいでしょう。
ただし、玩具類を持っていくのは止めましょう。
他のお子さんも持ってきたいのを我慢しているからです。
普段から、何かを持っていないと落ち着かないお子さんの場合、その原因を考
え、徐々に何も持っていなくてもいいように、しつけておきましょう。
「当日だけダメ!」は、お子さんに不安を与えるだけです。
 
入室については、ケース・スタディーでお話しましたから再度触れませんが、
どういった順序で入るか、ご両親でお決めになり、お子さんと一緒に練習をし
ておきましょう。
そして、面接室へ入ったら止まり、三人そろって横に並んだところで、一呼吸、
入れます。
それから「よろしくお願いします」とお父さんが声をかければ、落ち着きます。
着席する時も、お子さんは誰と一緒にいくか決めておけば、あわてることもあ
りません。お母さんがリードしていくのが自然でしょう。
ここまでの流れがスムーズにいけば、もう、大丈夫です。
そのためにも、しっかりと、手順を間違えないように練習をしてほしいのです。
 
幼稚園によって、面接官に向かって左から、父、子ども、母の場合もあれば、
逆に、向かって、母、子ども、父となるところもあります。
入室した時に、一息入れ、指示を待って、それに従いましょう。
指示がないからと勝手に動かずに、お父さんが、「こちらでよろしいでしょう
か」と尋ね、それから行動すればいいのですから、とにかく、あわてないこと
です。
お母さんは、お子さんが着席できたのを確かめてから座りましょう。
こういったことも、親子で練習をしておけば、何でもないことなのです。
質問の受け答えだけの練習をするのではなく、入室から着席までの一連の動き
にも気を配ってください。
この動きがスムーズでなければ、緊張を高めることになりがちです。
足をしっかりと運び、一声出れば、気持ちも楽になるはずです。
お父さんへお願いしておきましょう。
照れないでやってください、可愛いお子さんのためです。
 
お子さんが立ったまま質問を受ける幼稚園もありますが、お子さんは、なかな
かきちんと立っていられないものです。
幼児教室へ通っているお子さんは、そういった体験をたくさん積んでいますか
ら心配ないと思いますが、何をしでかすかわからないのが幼児です。
お母さんの方へ寄りかかったりするかもしれません。
そんなとき恐い顔で注意せずに、お子さんがきちんと立てる合図を決めておき
ましょう。
「もう少し頑張ろうね」
とやさしく声をかければ、お子さんも安心します。
面接の先生方は、そういったときのお母さんの態度を見ているはずだからです。
 
着席したときに、正面を向いた姿勢で、お子さんを視野に入れておきましょう。
お子さんの面接中に、どんなサインが出るかわからないのが幼児です。
助け舟を求めてきたとき、知らん顔をしているわけにはいきませんから、どう
いった対応が、過保護、過干渉にならないか、考えておきたいものです。
その目安ですが、お母さんが面接の先生であったならば、どういう応対がいけ
ないか考えてみましょう。
お子さんを視野に入れることに関してですが、体は正面を向いたままの姿勢で
あることが大切で、動かしていいのは顔だけです。
ぴったりと寄り添ってしまうお母さんがいますが、あまり格好のいいものでは
ありません。身体全体で過保護を表していることになりかねないからです。
 
お子さんに関しては、難しい質問はありませんから、一問一答を、おおらかな
気持ちで聞き取れるお母さんであってください。
とんでもない答えをいっても、即座に訂正したりせず、あわてないことです。
「おやおや、緊張しているのだわ」と、あくまでも保護者の気持ちを忘れない
で下さい。挽回のチャンスは、お母さんへの質問の中にあるはずです。
「お子さんの性格をお話しください」などの質問があれば、「初めてのことに
は緊張しやすく云々」と挽回の機会と捉えて、きちんと対応しましょう。
 
お子さんや、ご両親への質問でやってはいけないこと、口を閉ざして黙ってし
まった場合などは、ケース・スタディーで紹介しましたから、もう一度、確認
しておいて下さい。
 
質問が終わり、退出するときも、お父さん、子ども、お母さんの順序で出口に
向かい、そこで止まり、横に並んでから、「失礼します」とお父さんが声をか
けて出るようにし、お母さんは、最後に会釈をし、ドアを閉めて退出しましょ
う。
そして、「お父さん、ご苦労さまでした」といえる謙虚なお母さんであってく
ださい。
絶対に合格します。
 
しかし、出てしばらくすると、お父さんを非難するお母さんがいるそうです。
合格しないでしょうね。
「壁に耳あり」ではありませんが、どこで見られているかもわかりません。
感じのいいものではありませんから、文句があるなら、幼稚園を出て、お子さ
んにわからないようにやってください。
 
しかし、不思議なのですが、面接が終わって文句を言うのはお母さん方で、そ
ういうお父さん方をほとんど見かけないそうです。
これは、どういうことなのでしょうか。
男性と女性とでは、どちらに瞬間湯沸かし器が多いかはわかりませんが、ご両
親の話し合いが、きちんとできていないことに原因があるようです。
 
最後に、3年保育に在園中の受験の場合を考えてみましょう。
「どうして、通っている幼稚園を変えてまで受験をするのか」、この理由がき
ちんとできていないと、幼稚園側を説得することは不可能でしょう。
1年近く通い、園にもなれ、友達もでき、お子さん自身が作り上げた環境を、
親の一存で変えるわけですから、これは大変なことをするわけです。
「受験したが、ご縁がなかったので再挑戦」、「まだ心身ともに通園できるか
不安だったから」、「出産の予定」、「主人の転勤で」などの場合は問題ない
でしょうが、転園する理由に妥当性のあることがポイントになるでしょう。
例えば、「お子さんは、毎日、楽しく幼稚園へ行っていますか」などと質問さ
れたとき、どう答えますか。
こういった質問にも対応できる準備をしっかりしておくことが大切です。
 
季節の変わり目は、気温も不安定になりがちです。今年は、少し異常ですね。
お子さんの体調には十分気をつけてあげましょう。
(次回は、「直前と当日の心構え」についてお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>★★面接、ここがポイント(1)

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
             第46号
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面接、ここがポイント(1)
 
何事もそうですが、初めてのことには、不安がつきまとうものです。
面接を受けられたお母さん方は、「何が何だかわからないうちに終わってしま
いました」と苦笑まじりにおっしゃいます。
不安を解消するには、どういったことに注意すればよいかを知っておくことも
大切です。そうすれば、自信を持って面接に臨めるはずです。
 
まず、ご両親が、絶対に忘れてならないのは、幼稚園の受験は、ご両親の意志
ではじめたことです。
ご両親は、保護者であることを肝に銘じて面接に臨むべきです。
緊張して、あがってしまったらどうしようなどと、気をもむときではありませ
ん。
何やら池波正太郎風ですが、「仕掛人はご両親」であることを忘れないでほし
いのです。
 
★面接当日の服装★
「○○幼稚園では、親子共に紺で統一しなくては失礼にあたる!」
などと噂があるようですが、単なる噂にすぎません。
かつて、ある幼稚園の募集要項に、「親子で紺色にそろえる必要はありません」
と注意書きがありましたし、小学校の面接でも、「みなさん、同じような紺の
洋服では、不自然と思いませんか」などの質問があったことからも、つまらな
い噂であることがわかります。
しかし、だからといって、人と違った服装をするには、勇気が必要でしょうし、
抵抗もあるでしょう。
幼稚園側も、服装などどうでもよいといっているわけではないと思います。
やはり、初めての方とお話をするのですから、それなりの礼を尽くすのは、当
然のマナーです。
問題は、普段、お子さんは紺の洋服を着ることに慣れているでしょうか。
しかも、ご両親とも、あまり見かけない服装で、きちんときめています。
このことです……。
「あれっ!」と思わないわけがないのです。
これだけでも緊張するのが幼児です。
「お子さんに、余計なプレッシャーをかけないで下さい」
という幼稚園側の配慮ではないかと思います。
 
ですから、当日だけ着せるのではなく、何回も袖を通して着慣れておきたいも
のです。
そして、お父さんにひげを剃ってもらい、当日と同じ服装で出かける機会を作
っておきましょう。
できれば、受験される幼稚園まで出かけてみるのもいいでしょう。
ケース・スタディーで紹介しました「シスターさんとのご対面」の例もあるか
らです。
「特別な気持ちにさせないで下さい」
という幼稚園側の気持ちが聞こえてきませんか。
このことだと思います。
 
そして、どこの幼稚園でも、「堅実な家庭を築くお父さん、それを支える謙虚
なお母さん」を求めています。
それが、身だしなみとして表れます。
いうまでもないことでしょうが、装飾品はマリッジリングだけにし、化粧も香
水も控えめになさるのが賢明でしょう。
 
★持参するものをチェックする★
信じられない話ですが、当日に面接票を忘れた方がいたとのことです。
緊張のあまり犯したミスでしょう。
こういったことがないように「面接当日に持参するもの一覧表」を作っておく
ことです。
 1 面接票(受験票)
 2 提出する面接資料やアンケート用紙
 3 募集要項や試験当日のスケジュール表(出願後に幼稚園から送られてく
   る資料)
 4 筆記用具や消しゴム、携帯用辞書
   その年だけ、突然、アンケートに記入を求められる場合もありますから、
   一応、用意しておきたいものです。
 5 両親の上履きやお子さんの運動靴。
 6 雨に備えて、雨具を入れるもの、ズボンやソックスなどの着替えも必要
   でしょう。
 7 あってはいけないことですが、万一の病気に備え、解熱剤や整腸剤の用
   意を。
 8 携帯電話
   事故などで緊急に連絡する場合、携帯電話は欠かせません。受験する園
   の電話番号を登録しておきましょう。また、持参してもマナーモードに
   することをお忘れなく。スイッチを切った方が無難でしょう。充電もお
   忘れなく。
 9 スイカ、パスモなど。
 
そして、当日は、ゆったりとした気持ちで出かけるように、しっかりと心の準
備もしておきましょう。
そのためにも特訓を行ってほしいのです。
といっても、特別に難しいことをするわけではありません。
 
たとえば、話そうと考えている「志望理由」を、テープに吹き込んでみましょ
う。
それが30秒を越え1分近くにもなると、ご自身でも長いことがわかります。
30秒を越えると、はじめに聞いたことは忘れられがちで、印象に残りません。
録音した話を聞き、何回も何回も推敲を重ね、最後に自分自身の言葉で、きっ
ちりと志望理由を話せるように頑張ってください。
そこまでやれば、「記憶された志望理由」ではなく、「ご自身の言葉で話す育
児の姿勢」になっていますし、「園の保育の方針」に限りなく近くなっている
はずです。
願書に書いた「志望理由」をそのまま暗記すると失敗しがちなのは、文章が書
き言葉になっているからです。声を出して読んでみましょう。不自然な感じが
する場合は、話し言葉になっていないからです。
 
そのポイントですが、繰り返しますが、説明会を開催していない雙葉幼稚園の
場合を考えてみましょう。
 1 宗教教育に何を期待しているか。
 2 女子だけの教育環境に何を期待しているか。
 3 高校までの一貫教育制度に何を期待しているか。
幼稚園を受験するのに、2、3は必要ですかとお考えでしたら、認識不足だと
思います。男の子はともかくとして、幼稚園は、その後の12年間の教育課程
のスタート点であり、この3点をきちんと考えていけば、自ずと「なぜ、雙葉
幼稚園か!」になるはずです。これを30秒前後にまとめるとなると、そうは
簡単にはいかないでしょう。
 
さらに、校訓である「徳においては純真に、義務においては堅実に」を、どう
解釈して、ご自身の育児に取り入れているかということです。
このことについては、横浜雙葉小学校の説明会で聞いた話ですが、簡単に言え
ば、「見返りを考えないで、一生懸命に頑張る子を歓迎します」ということで
した。ご両親の育児の姿勢が、「見返りを考えないで、一生懸命に頑張る子を
育てる」であれば、保育の方針と一致していることになります。
そうであれば、普段、ご両親がやっていることを、そのまままとめればいいわ
けです。幼稚園側が、「普段着で来てください」という理由は、こういうこと
なのです。絵に描いた餅のような志望理由では、説得力はありませんし、それ
を記憶するだけでは、「忘れたらどうしよう」といった心配の種になり、当日、
しどろもどろになりかねません。
 
よく模範回答を教えてほしいと言われますが、私が受験するわけではありませ
んから、できないことです。以前、ある大手の出版社が手掛けた「小学校受験
ガイドブック」に模範例を紹介しましたが、こういった考え方もあるといった
観点から、当たり障りのない文章を作りました。今読むと冷や汗ものです。
 
以前にも紹介したかと思いますが、慶應義塾幼稚舎が作文も面接も止めてしま
った理由は、「傾向と対策的な準備が行われている」と判断したからです。同
じような作文や回答が多くなったということでしょう。それでは何のための作
文であり面接かということです。
 
お子さんのためです。
質問事項を想定して、自分自身の言葉で答えられるように、繰り返し練習して
ください。
言葉は、とにかく口に出さなければ生きてきません。
よい印象を与える言葉、それは、ご自身で作りあげるものではないでしょうか。
頑張ってください。
 
質問事項を想定し回答の練習用に面接の「過去問」ではありませんが、雙葉小
学校附属幼稚園を含め、9園の「幼稚園面接編」を発売中です。会員用に発売
しているため、HPには紹介していませんが、面接に不安な方、めぇでる教育
研究所へお問い合わせください。
 
気候の変わりやすい時です、健康管理には十分注意しましょう。
(次回は、面接の入室から退出までの留意点についてお話しましょう)
 

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>★★願書は、ご家庭の顔です

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
             第45号
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願書は、ご家庭の顔です
 
志望園も決まれば、いよいよ願書の提出となります。
願書からは、ご両親の考え方や性格など、いろいろなことが浮かび上がってき
ます。
面接される先生方は、この願書を読んで面接に臨むわけですから、いってみれ
ば幼稚園側が、知ることのできる情報の基本でもあるわけです。
ですから、書き方によっては、それがすべてとなりかねません。
志望理由やご家庭の教育方針、お子さんの性格や育児の留意点、職業、家族構
成、通園経路や時間など、願書に記入されたデータをもとに質問が始まるわけ
ですから、親としての責任は、限りなく重いわけです。
 
簡潔で、的を射た表現から、面接は、穏やかな雰囲気で進み、お互いのコミュ
ニケーションも成り立つわけです。
逆に要領を得ない、だらだらとした表現では、面接をする前から、悪い印象を
与えかねません。
志望理由は、ご家庭の育児の方針と幼稚園の保育方針が、一致していることが
基本です。
常体(…ダ …デアル)で書く人はいませんが、敬体(…デス …マス)で歯
切れよく書きたいものです。
「…マイリマシタ …ゾンジマス …ゴザイマセン」などの、謙遜語、敬語な
どの使用は、文章全体が重たくならないように注意しましょう。
わずらわしくなると、謙遜や丁寧どころではなくなるからです。
 
ほとんどの願書には、
「楷書で丁寧に記入し、筆記用具は黒の万年筆かボールペン」
と注意を促しています。
達筆な草書で書かれた願書は見た目にはきれいでも簡単には読み切れません。
何百通の願書に目を通す立場になれば、これほど思いやりの欠けた願書もない
でしょう。一点一画を丁寧に、読みやすいことを心がけて書きたいものです。
 
願書の記入でミスをしがちな点を紹介しておきましょう。
 
・氏名で齋(斎、斉) 澤(沢) 邊(辺) 壽(寿)など、普段、略字で書
きなれている場合は注意が必要です。
 
・氏名の「ふりがな」は、ひらがなで書かれているときは「ひらがな」で、カ
タカナの場合は「カタカナ」で記入します。
 
・現住所は、住民票に記載されている通りに記入します。
 
・職業は、簡潔に記入しますが、説明をしなければわからない場合もあるでし
ょう。願書の記入欄は限られていますから、面接の時に質問を受けることを考
え、わかりやすく説明できるようにしておきましょう。
 
・職業を持っている母親は不利といわれているので、書くことを躊躇されるお
母さんがいると聞きますが、これもうわさの一つです。毎日の送迎や緊急時の
送迎、行事の準備や参観日などに、きちんと出席できれば問題ありません。専
業主婦より苦労するわけですから、もっと自信を持ちましょう。
 3月11日以来、緊急時の対応はスムーズにできるかが、かなり重視されてき
ているようですから、幼稚園側に不安を与えないことが大切です。
 
・通園経路、方法、所要時間については、電車を利用する場合は、各駅停車で
かかる時間、乗り換えがあるときは、それに要する時間、自宅から最寄りの駅、
駅から学校までといったように歩く場合は、子どもの足でかかる時間を記入し
ます。
 
・注意してほしいのは、実際の通園する時間帯でかかる時間を知っておくこと
です。
 都心へ向かう交通機関は、ラッシュアワーであれば所要時間も違ってきます。
特に、バスを利用する場合は渋滞に巻き込まれることも考慮しましょう。休日
の午後などに出かけると、道路も空いていて意外に早く着く場合があります。
これは、正確な所要時間とはなりません。
 
・写真は、カラーでも白黒でも可、写真屋さんで撮らなくてもスナップでも可
といっている幼稚園もあります。制限があるとすれば、3ヵ月以内に撮影され
たもので、本人と確認できるものでしょう。
 写りがいいからといって、本人と見間違うようなものは、避けてほしいとい
うことです。
「○○写真館御用達の写真でなければ合格しない」といわれているそうですが、
気になる方は撮られた方がいいでしょう。ご両親で、後悔しないようにご相談
ください。面接当日に着ていく服や持ち物も同じです。こういったことこそ、
ご両親の見識だと思います。
 
・性格、長所、短所ですが、正直に書きましょう。子どもは演技できませんか
ら、試験を受けているどこかで、素直に表現するものです。
 短所は、使う言葉、表現に注意しましょう。「気が短くて、飽きやすい」な
どと書く親はいないと思いますが、これでは、保護者とはいえません。「だれ
が、そのように育てたのですか」と思われるだけでしょう。親の愛情が伝わる
表現があるものです。短所は、育児でうまくいかなかったところが出ていると
いえますし、遺伝もあります。お子さんの責任ではありません。
 
・ミッション系の幼稚園の願書には、宗教について書く欄があります。「無し」
と書かれる方がいますが、これはどうでしょうか。日本人であればどこかの宗
派に属しているはずです。「仏教だと不利」が本当であれば、日本人は受験資
格なしとなります。説明会でも「職業、国籍、宗教など、一切関係ありません」
とおっしゃっています。
 
・誤字や脱字には、細心の注意が必要です。おかしいと思ったときは、必ず辞
書で確かめましょう。パソコンでも簡単に調べることができますから、手を抜
かないことです。
 「問」などの門構えは、略字を書かないようにしましょう。
 
・願書の記入上の注意に関しては、難しいことはありませんから、指示に従っ
て、きちんと記入しましょう。信じがたい話ですが、印鑑の押し忘れがあるそ
うです。
 
・書き損じた場合は、二本線を引き捺印すればよいという幼稚園もありますが、
やはり、願書は「お願いの書」ですから、避けたいものです。そのためにも何
部かコピーを取り、下書きをすべきでしょう。
ある学校の説明会で、修正液を使うと、願書を重ねた場合、はがれる可能性が
あるので止めてほしいといった話を聞きましたが、幼稚園も同じだと思います。
今年、白百合学園小学校、暁星小学校では、書き損じた場合のために、別途、
願書を発売していましたが、清書をする際にミスが出るようです。慎重に書き
ましょう。
 
・雙葉幼稚園、日本女子大付属豊明幼稚園の面接資料や学習院幼稚園の記入自
由の資料などは、線が引いてありませんから、あらかじめ鉛筆で薄く線を引き、
万年筆かボールペンで記入した後、完全にインクが乾いてから消しゴムで消せ
ば、字もそろいますし、読みやすくなります。
 
最後に
「主人は字が下手なものですから、私が書いた方がいいのではないでしょうか」
といった質問をよく受けます。
気持ちはわかりますが、一点一画、丁寧に気持ちをこめてお書きになれば、決
して読みづらくないと思います。
また、「主人が書かなければ合格しない」ともいわれているようですが、これ
もおかしな話だと思います。
どうやら、願書の最後のところなどに、「記入者」などと書かれているところ
から、こういったうわさが流れるのでしょう。
 
「字が下手」とか「主人が書く」などは、どうでもよいとはいいませんが、一
点一画、手抜きせずに丁寧に書き、志望理由など記入事項が要領を得たもので
あれば、それで十分ではないでしょうか。
「形を繕うより心」です。
わが子のために、心から、その幼稚園への入園を希望しているならば、そこに
は、自ずとご両親の心意気が表れているのではないでしょうか。
 
願書は「ご家庭の顔」といわれるわけは、ここにあるのです。
 
(次回は、面接について、当研究所発行の拙著の「面接、ここがポイント」か
ら、留意点をお話いたしましょう)

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