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さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★(1)巧緻性に関する問題

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    「めぇでる教育研究所」発行
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
        第27号
  現年中児のお子さまをお持ちの方へ
小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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あけましておめでとうございます。
今年もご愛読のほどよろしくお願い致します。
志望校から招待状が頂けるよう、頑張りましょう。応援します。
 
さて、お正月には門松と鏡餅を飾りますが、その門松と鏡餅には、文句なしに、
すごい秘密が隠されているのです。植物界は、顕花植物と隠花植物から成り立
っていますが、その代表が勢揃いして、正月を迎えているのです。門松は、花
を咲かせ種を作る顕花植物から松、竹、梅が、鏡餅の下には、花を咲かせず胞
子で増える顕花植物から裏白が選ばれています。
昔から受け継がれているものには、やはり意味ありでした。
(メールマガジン「さわやかお受験のススメ 保護者編」より要約)
 
 
★★入試問題を分析する★★
 
(1)巧緻性に関する問題
 
聞き慣れない言葉です。
「きめこまかく上手にできていること」という意味ですが、11月に詳しくお
話しました「手は第二の脳」(11号から14号)を思い出してください。重複
するところもありますが、大切な問題ですから繰り返します。巧緻性に関して
は、「塗る・折る・切る・貼る・結ぶ・摘む・包む」といった手作業、何かを
作ったり、絵を描いたり、手本と同じものを描いたりする問題があります。な
ぜ、出題されるのでしょうか。手作業は、誰の手も借りずに、指示されたこと
ができるかどうかで、自立の状態がわかるからです。
 
 
[制 作]
 
課題制作と自由制作があります。
 
◆課題制作
★「今から、動物の起き上がりこぼしを作ります。
 このように、画用紙を半分に折り、折り目のところが背中になるように動
 物を描きます。描けたら動物を、このように切り抜きます。そして、別の
 紙を筒のようにまるめ、それに動物をホチキスで止めます。最後に、セロ
 テープで粘土を筒の中に貼り、出来上がりです。」
 
先生が、やっているのを見てから制作に取り組みます。
 
◆自由制作
★(空き箱、画用紙、色紙、折り紙、セロハン、リボン、ひも、モール、輪
 ゴムなどの材料や、はさみ、のり、ホチキス、クレヨンなどが置かれてい
 ます。)
 「ここにあるものを自由に使って、自分の好きなものを作りなさい。」
 
まず、注意しておきましょう。
子どもたちの大好きな制作ですから張り切りますが、先生の説明中に手を出す
子がいます。待てないのです。きちんと聞いておかなければ、手順がわかりま
せんから、途中でギブアップすることになりかねません。
普段の生活態度が、そのまま正直に出がちです。お子さんに何かを頼んだとき
など、最後まできちんと聞いているでしょうか。聞いていれば心配ありません
が、何といっても「話を聞き、指示どおりに行動できるか」がポイントだから
です。
幼稚園は自由保育ですが、小学校は一斉授業ですから自分勝手にやるわけには
いきません。
しかも試験ですから、規則違反にチェックが入ります。
 
なお、制作を苦手とするお子さんの場合は、もう一度、「鍛えてほしい第二の
脳」をお読みになり、早いうちに対処しておきましょう。基本作業は、幼児教
室の先生にお任せではなく、家庭できちんと身につけるものです。これをおざ
なりにしていると、制作に興味をもてなくなりがちで、行動観察型のテストが
苦手になることを、しっかりと胸に刻んでおきましょう。
 
 
 
[模 写]
 
★お手本と同じように描きましょう。
 
模写は、文字通り、お手本と同じものをまねて写すことです。
点図形と線や図形の模写があります。点図形は、対称図形が多く、見た目もき
れいですから面白そうですね。簡単なものも手抜きをせず、きちんと線を引く
ことが大切です。
しかも、大人が考えるより難しい作業です。どこから始めたらよいのか迷って
しまうものや、必ずしも点と点を結ぶとは限らず、点と点の間を抜けていくの
もあります。これは、納得するのに時間がかかります。
「点と点を結ぶのに、何で抜かすのですか? そんなのずるいですよ!」
と不満に思っている子がいますが、こだわるから仕掛けに気づいて間違わない
わけです。
そして、この問題も根気がいります。どこがどうなっているのか、試行錯誤を
積み重ねた方が、後で効果が表れます。観察力と集中力、そして持久力や忍耐
力も身につきます。さらに、全体のバランス感覚を養うのにも役立ちます。な
ぜなら、隅から隅まで、全体をきちんと見なければならないからです。それが
絵を描くときにも生きてきます。
 
模写の問題で見逃せないのは、性格まで姿を表すことでしょう。
点と点をつなぐ直線がよじれたり、脱線をしたり、通過すべき点を無視する子
は、何をやっても雑なところがありますね。スピードを競っているようですが、
描けていればいいのではありません。完成度から美醜の感覚、基本的な生活習
慣、しつけ、育児の姿勢まで判定することも可能です。最初が、肝心です。ゆ
っくりと丁寧に、時間をかけて、美しく描くことが基本です。そして、忘れが
ちなことですが、姿勢が悪ければ描く線も乱れます。背筋をきちんと伸ばし、
左手でペーパーをしっかりと押さえ、筆記用具をきちんと持って描く習慣を身
につけましょう。
 
<線の模写>
はじめに、点線などで手本が示されていますから、それを指でなぞり、どのよ
うにすればスムーズに描けるか、必ず確かめましょう。
指で何回もなぞり、脳に一筆で描ける感覚をしっかりと学習させることが大切
です。
三角形が連続する鮫の歯のような直線や、半円が上下に反転しながら連続する
もの、曲線では、筆記体のアルファベットの小文字「エル」の連続したものも
あり、上下が逆になると、ぶどうの房のように見えますが、「エル」は下から
上に左回りで描きますから、それに従い連続して描き、上からの場合は、上か
ら下へ右回り、時計回りで描きます。房の長さや間隔が乱れないように注意を
促しましょう。
しかし、いずれも難しい作業でなかなかうまく描けませんから、根気よく取り
組むことが大切です。
 
<図形の模写>
これは、難しいですね。
線の模写と違い、四角、三角、円、菱形、ハートなどさまざまな図形が、いろ
いろな組み合わせで出題されますから、それを描く子どもたちには、至難の業
だと思います。やってみるとわかりますが、全体の配置状態、バランスをつか
むことは容易ではありません。
 
以前にもお話しましたが、図形の○△□は、書写、運筆の基礎トレーニングで
すから、正確に描けるようにすることが大切です。
○は、下から時計まわりで描きます。上から左回りに描くのは数字のゼロです。
△は、頂点から左斜め下へ、そこから頂点に戻って右斜め下へ、最後に左から
右へ底辺を描きます。
左斜め下から、いきなり右方向へ底辺を描き、今度は左斜め上の頂点を目指し
て描くのは、大人の使う簡略法で、子どもにとっては書写違反です。
□は、漢字の国がまえと同じです。
左から下におりて、そのまま戻らずに、左回りで一周する子がいますが、これ
も書写違反になります。
文字には筆順がありますから、こういった図形をきちんと描ける子は、きれい
な字を書けるようになります。
 
基本的なトレーニングとしてお勧めしたいのは、例えば、大きな○を描き、そ
の中に、それより小さな形をどんどん描くことです。□△◇も同じようにやっ
てみましょう。前のものより小さく描き、その微妙な差を脳に教えることがで
きるからです。線の模写と同様、難しいですから、お子さんはうまく描けずに
嫌がると思います。あせらず、じっくりと時間をかけ、丁寧に描けるように導
いてあげましょう。
 
ところで、頼りない線を引く子がいますが、多くの場合、鉛筆を正しく持てて
いないからで、おそらく、はしの持ち方もおかしいのではないでしょうか。こ
れを解決してから挑戦しましょう。ただし、はしの持ち方は、食事の時にうる
さく言わないことです。朝、昼、晩と三度、同じことを言われていては、気が
滅入りますから、以下のようなトレーニングがいいのではないでしょうか。
Bか2Bの鉛筆で、直線や円などを殴り描きさせると効果が表れるものです。
これは、スピードを上げてもかまいません。なぜなら、速く描くには、鉛筆を
しっかりと持たねばなりませんし、どの辺を持てばよいかもわかるからです。
力み過ぎは、手首を疲れさせるだけですが、力配分やバランスも、やっている
うちにわかってきます。
三角軸の鉛筆を使うのもいいですね。
そして、ボール遊び、縄跳び、鉄棒など両手を使う運動をやることで握力をつ
けましょう。
机の上だけではないトレーニングにも、目を向けてください。はしの持ち方に
も変化が出てくるはずです。
 
 
[はしを使った問題]
 
★(角砂糖ぐらいの大きさのプラスチックの立方体が、たくさんお椀の
 中にあり、はしと空のお椀が用意されている)
 「お椀の中のものを、別のお椀にはしを使って、一つずつ移してくだ
 さい。」
 
「摘む」手作業の試験です。豆の他に、はしでスーパーボールや玩具のミニチ
ュアの果物、落花生、金平糖をつかむ問題が出ています。
 
豆を買ってきて、割りばしを使い、懸命に練習をする話を聞きますが、何かお
かしな気がします。これは、試験のために練習をして身につけるものでしょう
か。体や筋肉の運動的な発達に関わることですし、基本的な生活習慣の大切な
課題ですから、しつけと関係があります。一応の目安として、3歳ぐらいから
はしを使えるようになり、5歳頃には、巧みに使えるようになるといわれてい
ます。生活習慣とは、「誰の手も借りずに自力で生活していくために身につけ
るもの」であることを忘れては、受験準備どころではないのではと思います。
 
第14号で紹介しました、立教女学院小学校の説明会での話を思い出してくだ
さい。教頭先生は、こうおっしゃっていました。
 
「鉛筆の持ち方やはしの持ち方は、一度悪い癖がつくと直しにくいので、家庭
で正しい持ち方、使い方を身につけさせてほしい。あえてこの場で申し上げま
すが、今年度もテストの中ではしを使う場面がございましたら、はしで物を運
ぶ速さを競っているのではなく、正しいはしの持ち方ができているかを見てい
ることをご理解いただきたい。テストの主旨はそこにあります。日本の文化で
もあるはしの使い方を、きちんと身につけてほしいと考えています」
 
幼稚園児が、ペーパーテストに強くても、正しくはしを持ち食事のできない方
が、よほど恐い話です。「九九、八十一!」とそらんじている子が、お母さん
に靴をはくのを手伝ってもらっているようでは、やはり、おかしいですね。練
習しなければ、うまくはけないのは当たり前です。それを手伝うのですから、
脳から司令は出ませんし、筋肉も反応しません。手をかけた分、脳も筋肉も楽
をしているのですから、不器用になるわけです。手を貸し過ぎていることはあ
りませんか。モンテッソーリの「敏感期」ではありませんが、幼児期には、こ
れから使う筋肉を鍛えなければならない大切な時期があります。赤ちゃんは、
なぜ、はいはいをするのか思い出してください。
 
ある私立の名門校では、鉛筆を削るのに「肥後守」(ひごのかみ)を使ってい
る話を聞きました。「肥後守」とは、刃を収めるさやに「肥後守」と銘のある
折り畳み式の小刀(こがたな)のことです。鉛筆削り器が出る前は、小刀で鉛
筆を削るということは、誰もが練習をし、身につける、当たり前のことでした。
しかし、全神経を手先に集中しなければ、けがをしかねない大変な作業です。
危険を伴う作業は、大げさにいえば、幼いなりに危機管理が必要であることを
学習していたのではないかと思います。使い方を誤れば凶器になることを教え
ずに、ただむやみに禁止するのは、教育的な配慮に欠けますが、こういったこ
とはお父さん方が使って見せることもいいのではないでしょうか。
 
脱線しましたが、その他に、折り紙を折ったり、はさみで線や線と線の間を切
らせたり、ひもを結ばせたり、積み木をハンカチで包ませる問題もあります。
ひも結びやハンカチでものを包むのも苦手ですね、特に、男の子は。やったこ
とがないからできないのだと思います。普段、お母さん方も風呂敷で物を包む
ことなど、ほとんどないでしょう。お弁当をハンカチで包むようにすれば、解
決できます。第二の脳を活用すれば知力も向上しますから、一石二鳥にもなり
ます。
 
巧緻性の問題には、お子さんの生活環境までわかる要素も含まれています。乱
暴な線や心細い線を引くような場合、その原因は、日常生活の中で、いろいろ
な形でサインが出ていると思います。口うるさく注意する前に、どのようなサ
インが出ているかチェックしてみましょう。
 
   (次回は、「言語の問題」についてお話しましょう)
 

 


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さわやかお受験のススメ<小学校受験編>◆◆試験当日の留意点◆◆

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    「めぇでる教育研究所」発行
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
        第67号
  年長児のお子さまをお持ちの方へ
小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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◆◆試験当日の留意点◆◆
 
 
季節の変わり目、朝晩、気温の変化の激しい初秋ですが、体調を崩しやすいで
すから、お子さんの健康管理には、十分注意してください。
 
今回は、試験当日の留意点とご両親の心構えについてお話しましょう。
 
(1)募集要項を読み直し、持参するものの一覧表を作っておき、慎重にチェ
   ックをしましょう。
   受験票、面接票、当日のスケジュール表(出願後に学校側から送られて
   きた資料)、募集要項、上履き(学校によってはご両親用も)、運動靴
   (雨天の場合は雨具の他に、お子さんの着替えやソックスなど)、携帯
   電話(万一の交通事故に備え)、スイカ、パスモなど。
   親子一緒の控室のところは、お子さんが静かに待てるようなものも用意
   するといいでしょう。
 
(2)当日は、いつもと変わらない朝を迎えてください。
   学習院のように試験当日に両親面接があると、ご両親が緊張しがちです。
   いつもは「行ってくるよ」と会社へ出かけるお父さんが、一所懸命に駄
   洒落を飛ばすのですが、全くうけなくて、かえって、「パパ、どうした
   の?」と怪しまれてしまったと、笑いながら話してくれたお父さんがい
   ました。
   いつもと同じように、平常心を心がけましょう。
 
(3)いかなる場合でも、遅刻は認められません。
   特に、バスを利用する場合は、注意が必要です。
   朝は、渋滞する可能性がありますから、事前によく調べておきましょう。
   説明会でも開始間際にタクシーで、あわてふためきながらやって来るお
   母さん方を見ました。
   事故による渋滞や電車の遅れなどの場合は、他の交通手段も考えておき
   たいものです。
   そして、携帯電話で学校に問い合わせ、指示を求めましょう。
   そのためにも電話番号を登録しておくことです。
   ただし、校門の所で必ず、電源を切ることをお忘れなく。
 
(4)所定の手続きを指示に従い、あわてずに行いましょう。
   頭をひねるような難しいことはありませんが、時間ぎりぎりに到着とな
   ると、気のあせりからミスをしがちで、そういったときは、いつもと違
   ったご両親になっているものです。
   そばで見ているお子さんは、どういった心境になるでしょうか。
   控室で一息入れずに試験場へ向かい、すぐにテストです。
   まわりは、知らない子ばかりです。
   お子さんがいつものような状態で、テストを受けられるはずはありませ
   ん。それまで全力を尽くしてきたとしても、この一瞬で、すべてが台無
   しになる可能性もあります。
   十分な配慮が必要です。
 
(5)服装は、動きやすく、着馴れたものを。
   新品の革靴をはかせるようなことはやめましょう。
   学校へ着けば履きかえるのですから。
   靴擦れでもしたら、運動テストどころではありません。
   髪の毛の長い女の子は、運動の時に困らないようにしておきましょう。
   リボンが気になりマット運動ができなかった話を聞いたことがあります。
   袖の長いブラウスなどは、制作の時に邪魔になることも考慮しておきま
   しょう。
   女の子は、お気に入りのブラウスなどを着せると、汚れが気になり、集
   中できません。
 
(6)テストの前に用便をすませておきましょう。
   幼児教室へ通っている方は、教室へ入る前に、必ず、やっていると思い
   ます。
   校舎見学の機会がない場合は特に、集合時間間際でトイレの場所を慌て
   て探すことのないよう、時間に余裕を持って行くようにしましょう。
   テスト中にトイレとなると、それまでです。
 
(7)いつものように教室へ送り出しましょう。
   控室で、「話をきちんと聞くのですよ」などと、くどくど注意するお母
   さん方がいるようです。
   そういうことが、みんなプレッシャーになってしまいます。
   また、大勢の子どもを見て、驚き、緊張している様子が見えたときは、
   お子さんが、もっとも安心する態度で接してあげましょう。
   よく聞く話ですが、しゃがんで、お子さんの目を見ながら手を握ってあ
   げ、
   「いつもと同じなのよ」
   というのが効果的なようです。
   お子さんの性格によっても違いますが、こういったことも起こりえると
   考えておきましょう。
 
(8)万一の急病に備え、常備薬を持参しましょう。
   幼稚園の遊戯会、ピアノなどの発表会の前の晩に、熱を出した経験のあ
   るお子さんは注意が必要です。
   直前に、インフルエンザなどの感染症にかかった場合は、必ず学校側に
   連絡し、指示に従ってください。
   学校側から、新型コロナウイルス感染症への注意事項があったと思いま
   すが、検温、手洗い、うがいなど、こまめに行ってください。
 
(9)テストの時間によっては、昼食の用意をしておきましょう。
   近所のレストランなどをあてにしていると、「日曜日で休み」となりか
   ねません。
   一口で食べられるサンドイッチやおにぎり、飲み物も自動販売機などで
   購入せず、小さい水筒などを用意しておきたいものです。
 
(10)幼稚園や保育園、幼児教室などの友達と会うことも考えられます。
   緊張しているときに友達と会うと、ほっとして舞い上がるお子さんがい
   ます。
   あいさつ程度にし、お子さん同士がふざけ合うことのないようにしまし
   ょう。
 
(11)行動観察や運動テストなどで、子ども同士のトラブルが起こる場合もあ
   ります。
   先生から事情を聞かれたときは、はっきりと答えることです。
   男の子は、これが苦手なようです。
   密を避け、この種のテストをしない学校もありますが、行われる場合は、
   その指示にきちんと従うように教えておきましょう。
 
(12)お子さんがテスト中の控室では、たとえ友達や顔見知りの人がいても、
   お互いに遠慮して話し込まずに、本を持参し静かに読むようにしましょ
   う。「携帯電話の電源は切るか、マナーモードにしてください」とある
   場合は、スマートフォンも使用禁止です。
 
 
入試が始まっているご家庭もいると思います。
風邪を引かないように注意しましょう。
お子さん、お母さんはもちろんのこと、お父さん、外出先から帰ったときは、
必ず、手洗いとうがいを励行してください。
そして、お母さん、お子さんにとっては、お母さんの明るい笑顔が頼りです。
精神的なコンディションを崩さないことも、ご両親の大切な役目です。
ここが正念場と考え、頑張ってください。
 
 
ご両親の心構え
 
★アフターケアも慎重に★ 
 
昨年の7月から始まった「さわやかお受験のススメ 小学校受験編」も、最終
回を迎えました。
 
長い間、読んでいただいた方に、お願いをしておきたいことがあります。
 
言うまでもなく小学校の受験は、お兄さんやお姉さんが在学している場合はと
もかく、ご両親が我が子のためによかれと考えてはじめたことです。
もとより、子どもたちが、
「ぼくは、幼稚舎へ行きたい」
「私は、雙葉へ……」
と、希望されたわけではありません。
にもかかわらず、子どもたちは、一所懸命に頑張りました。
年中の頃から、受験勉強をはじめ、そして今、直前の講習会を終え、最終特訓
を経て、試験を迎えようとしています。
 
考えてみると、これはたいへんなことです。
基礎指導から実践指導、集団指導や個別指導、冬、春、夏の講習会、毎月行わ
れた公開模擬テスト、絵画教室などなど、同年代の子ども達が、ほとんど経験
しないことをやってきたことになります。
それに加えて家庭学習があります。
これが、子どもたちには、もっとも厳しかったのではないでしょうか。
とかく、お母さん方は、合格の二文字のために熱くなりがちです。
「なぜ、ぼくだけ、勉強しなくてはいけないのかな?」
と子どもたちに疑問を持たせてしまったことも、あったのではと思います。
でも、お母さん方の気持ちに応え、頑張りました。
子どもたちは、本当にえらいと褒めてあげたい。
         
ですから、全員に、希望された学校から招待状が送られて来て欲しいと思わざ
るを得ません。
それほど子どもたちは頑張り続けたのですから。
しかし、残念ながら、すべての子どもたちに、招待状が送られてくるわけでは
ありません。
「試験前なのに縁起でもない!」とお腹立ちの方も、心を静めてお読みくださ
い。
 
都心の幼稚園によっては、全員が受験というところもありますが、そういった
環境であれば、幼稚園側の配慮もあるでしょうし、ご両親もお子さんも、それ
なりの指導をきちんと受けられていると思います。
しかし、普通の幼稚園や保育園からの受験の場合は、そうはいかないのではな
いでしょうか。
わが子、一人だけが受験といったことも考えられます。
         
一昔前は、受験を意識させないで済ませるように、また、合格しなかったこと
を、子どもたちにわからないように配慮したものです。
しかし、現状では難しいのではないでしょうか。
数校受験する子どもたちもたくさんいますから、わかっているはずです。
合格すれば何ら問題はありませんが、結果が出なかった場合は、傷つく恐れも
あるでしょう。
このことです……。
 
今は、学校内で合格を発表せずに郵送やWebで知らせるところが増えてきま
したが、以前は、ほとんどの学校が校内に掲示していたものです。
私は、できる限り発表を見に行きました。
合格された方は、掲示板の前からいつまでも去ろうとしません。
不合格の方は、悄然と去っていきます。
気障で申し訳ありませんが、「倍率十倍の難関校」の文字からは浮かばない、
厳しい現実を実感させられたものでした。
 
そんなときに、ある学校で、とんでもない親子を見てしまったのです。
お母さんが早足で出口に向かい、お子さんが、
「ママ、ごめんね!」
と、泣きながら追いかけていくのです。
若いお母さんは、一言も口をきかず、むっとした顔をして出ていってしまいま
した。
こんな残酷な仕打ちは、いくら親でも許せません。
いちばん傷ついているのはお子さん自身であることに気づかない親であれば、
受験などする資格はないと思いました。
最近は、Webや郵送で知らせるようになりましたから、こういった心配はな
くなったようです。
 
ところで、不合格のときはお子さんに、どのように説明するか決めているでし
ょうか。
 
残念ながら合格しなかったご両親からは、
「公立の小学校から通知は来ますから、子どもには、私学の合否については知
らせないことにしています」
と、答える方が多いものです。
みなさん、お子さんにあった方法で対処なさることと思いますが、注意してほ
しいのは、ちょっとした言葉なのです。
 
「○○ちゃんは入ったのに、何で、あなたは駄目なんでしょう」
お母さんは、わが子をかわいそうに思い、つぶやいたこの一言で、お子さんは、
深く傷つき、劣等感を持ちがちなのです。
不用意な言葉が、お子さんに与える影響を考えてあげましょう。
とにかく、お子さんは、頑張ったのですから。
 
頑張ったことは、必ず、将来、芽を吹きます。
 
正しい指導を受けてさえいれば、子どもたちは、同年代の子が体験しなかった
ことを、たくさん学習しています。
 
国語の領域でいえば、「話の記憶」は、小学校の中学年から高学年にかけて学
習する長文読解の問題を、文字を使わず、耳から聞き取るだけで挑戦してきま
した。
算数の領域では、「数」の問題で、1年生で習う足し算、引き算、2年生で習
う掛け算、3年生で習う割り算、4年生で習う分数まで、数字や+-×÷など
の記号を使わずに学習してきました。
 
さらに、話を聞く姿勢、指示を理解し迅速に対応する行動力、自分で頑張る意
欲などを身につけたはずです。
 
ご両親も、心を一つにして、お子さんをバックアップしてきました。
学校を選んだ段階で育児をふりかえり、やはり間違っていなかったと確認し、
このことには反省しなければいけないと、話し合われたのではないでしょうか。
受験をしなければ、こういった経験をすることはなかったはずです。
驚かすようで申し訳ありませんが、これから先、ご両親が、これ程までに心を
一つにして、何かに取り組むということは、あまりないのではと思います。
まさに、育児のゴールデンアワーでもあったわけです。
 
文言は正確ではありませんが、慶應義塾幼稚舎の舎長を辞任され教諭に戻られ
た加藤三明先生は、説明会でこうおっしゃっていました。
 
 「受験に合格しなかった方は、もしかすると親子ともども、敗北感を味わう
  ことになるかもしれません。しかし、これはあくまでも幼稚舎の受験に限
  ったことで、人生の敗北ではありません。まして、子どもがそういうこと
  を思い続けていたら、本当に恐ろしいことです。われわれが5歳の子に、
  本来は行うべきではない入学試験という罪なものを施していて言うのもな
  んですが、小学校受験をぜひ、最終目的だと思わないでいただきたい。ま
  だまだ、ほんの人生の始まりです。小学校の受験で、お子様をスポイルし
  ないでほしいというのが、私の願いです」    
                     
年長の秋は、お子さんの人生の終着点ではなく、通過点と考えましょう。
不合格という結果を、お子さんが背負っていくことのないようにしてあげてく
ださい。
小学校の受験は、ご両親がお考えになり始めたことですから、終わりもきちん
と対処していただきたいと思います。
 
この連載を通して、ご両親、特にお母さん方にわかっていただきたかったのは、
「過保護や過干渉な育児から、子どもたちを解放する」ことでした。
過保護な育児では、わがままな子になりがちで、相手を思いやる気持ちは育ま
れません。
過干渉な育児では、消極的で依頼心の強い子になりがちで、積極的に物事に取
り組む意欲は育ちません。
これから、小学校での集団生活を通して、共に生きる「共生」を学んでいくこ
とが大切です。
それには、相手を思いやる気持ちが育まれていなければ、スムーズに対応でき
ません。
また、学校生活を楽しくすごし、学習面で好奇心という触角を張りめぐらせ、
いろいろなことを学んでいくには、積極的に取り組む意欲が育まれていること
が大切です。
 
家庭学習で、お父さん、お母さんには、この2つのことを教えてきたと思いま
す。
 
できない問題があっても、明日できればいいと励ましませんでしたか。
できるようになったとき、一緒に喜び、褒めてあげたでしょう。
 
子どもたちは、お母さん方のやさしい気持ちに応え、ステップアップしてきた
のではないでしょうか。
お母さん方の頑張れと励ます言葉とやさしい気持ちから、子ども達の心に「思
いやりの気持ち」と「できるまで頑張る意欲」が育ってきたのです。
 
この2つが育っていれば、たとえ不合格になっても、子どもたちは大きく成長
しているはずです。
同年代の子どもで、こういったことを経験できるのは、私学の小学校が最も多
い東京都でさえ、就学児童およそ10万人前後の内、応募者を公表していない
学校もあり推定に過ぎませんが、応募者は約1万5、6千名程ですから、受験
準備をするのも限られた子どもたちなのです。
しかし、正しい指導を受けられた子ども達は、十分にエキスを与えられた根と
同じように、必ず、芽を出し、ご両親が期待する花を咲かせます。
子どもたちを信じて、試験場に送り出してあげてください。
運悪く、結果が出なくても、あたたかく見守ってあげるご両親であって欲しい
と思います。
 
「あしたは、今日より、きのうより」は、今は亡き、いずみたく氏の作曲され
た某財団法人の社歌の題名で、断りもなく私の座右の銘にさせていただいてい
ます。
また、「育児しながら育自するお母さん」であれば、親子の絆は、生涯、ほこ
ろびることはありません。
この二つこそ、子育ての鉄則ではないでしょうか。
 
皆さま方に、希望された小学校から、招待状が届くことを、心からお祈り申し
上げます。
ベストを尽くせるように頑張ってください。
ご健闘を祈ります。
 
最後までお読みいただきまして有難うございました。
 
 
   令和3年10月吉日
                めぇでる教育研究所 職員一同
 

 


さわやかお受験のススメ<小学校受験編>入試直前の心構え

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    「めぇでる教育研究所」発行
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
        第66号
  年長児のお子さまをお持ちの方へ
小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★入試直前の心構え ★★
 
 
既に模擬面接も終え、面接の心構えもできていると思いますが、合否のカギを
握るといわれている「志望理由」について、念入りにチェックし、自然に話せ
るように練習をしてください。プレッシャーをかけるようで申し訳ありません
が、小学校受験合否のポイントは、「保護者(主にお父さん)の志望理由5割、
子どもの成長度5割」であることを思い出し、頑張りましょう。お子さんのた
めです。
 
 
 ◆ベストコンディションを作る 
 
入試直前、何とかベストコンディションで試験を受けさせてあげたいと、お母
さん方は計画を立てることでしょう。例えば、外から帰ってきたときは、手を
洗い、うがいをさせることから、栄養のバランスを考えた食事、早寝、早起き
をさせ、睡眠時間を十分にとるなど、配慮しなければならないことがたくさん
あります。
 
その1つに、時間の管理があります。
朝、8時半から試験が始まる場合、起きてから学校までかかる時間を逆算し、
その時間帯に合わせ、生活のリズムを作り直す必要があります。人間の脳は、
目を覚ますと、すぐにフル回転するものではなく、スイッチを入れれば、パッ
と光る電球のようにはいかず、柔軟なお子さんの頭でも、2、3時間かかると
もいわれているようです。こういった試験時間に対処できるコンディション作
りも親の大切な役目となります。
 
 
 
 ◆家庭学習について 
 
家庭学習をどのように進め、ベストの状態を保っていくかも難しい問題となり
ます。直前のことですから、もう苦手な問題は克服されていると思いますが、
「あなたはできる。これだけ頑張ったのだから大丈夫ですよ!」とあたたかい
言葉で励ましてください。
 
そして、ここが大切なのですが、得意な問題の場合、お子さんも自信がありま
すから、お母さんの読んでいる設問を、よく聞いていないこともありがちです。
「お母さんが読み終わるまでしっかりと聞き、始めといわれたら始め、終わり
といわれたら、きちんとやめること」、この約束を徹底することです。点図形、
模写、同図形(異図形)発見、系列完成、図形、しりとり等、設問を聞かなく
てもできる問題があります。しかし、最後まで聞かないと指示される記号(○、
×、//など)がわかりません。皆が出来るやさしい問題であれば、このミス
を挽回することは不可能でしょう。そのためには、設問を読んでいる間は筆記
用具を持たせず「手はお膝」、「そこまで」と時間がきたら筆記用具は机の上
に置き「手はお膝」、を徹底させましょう。
 
さらに、次のページに移る指示があっても、その問題にこだわっていると、明
らかにチェックの入る学校もあると聞きます。
また、制作や、ごっこ遊び、運動テストなども、話を聞いていなければ、うま
くできません。最後まで聞かずに勝手にやり始めると、当然、「指示の理解」
や「約束事を守れるか」などにチェックが入ります。
「先生のいうことを聞いてから始める、そしてやめる」、これを徹底させまし
ょう。
 
今年も、新型コロナウイルス感染症拡散防止のため、密を避ける試験が行われ
ますから、そのための注意は、絶対に守ることも、合否の鍵となるのではない
でしょうか。
 
「何回、教えたらわかるの!」             
「これができなければダメなの!」           
「そんなことができなければ、小学生になれません!」  
メールマガジンをお読みになっていらっしゃる皆さん方は、こういった言葉を
使っていないと信じていますが、励ましているつもりが、逆の効果になってし
まうものです。
 
試験場でできない問題があると、トイレにいってしまう子どもがいるそうです。
なぜでしょうか。
「先生、トイレ!」                               
と言われれば、先生はトイレに連れて行くしかないでしょう。
「その時間にいなかったから、問題をやれなかった」
と言い訳を作っているとしたら、これは恐ろしいことではありませんか。5歳
の子どもが言い訳を考える、こんな気持ちに追い込んではかわいそうです。お
母さんが怖いのです。最近は、怖いお父さんもいるようですね。
中には、「できない!」といって泣きだす子ども達もいると聞きます。                
ご両親方の合格をさせたいという気持ちは、痛いほどわかりますが、言葉がけ
には十分に注意しましょう。不用意な言葉は、自信を失わせます。情緒が不安
定になるような言葉は、絶対に使わないでください。
 
また、テスト会場で、隣の子の答案をのぞくお子さんがいるそうです。これは、
いわゆるカンニングではありません。正解であるにもかかわらず、隣の子の答
えを見て訂正してしまうのです。
なぜでしょうか……。やはり、自信がないのです。                                
 
隣の答案をのぞく子にしないためにも、
「あなたが思ったとおりでいいのですよ」
と、自分の考えたことに自信を持たせましょう。
「お母さんは、一所懸命に考えて頑張る子、大好きなの。それでもわからなけ
れば、仕方がないことなのよ」
と、笑って励ましてください。
ただし、「一所懸命、考えてもわからない場合」と、約束しましょう。
 
よくできるお子さんでも、できない問題にぶつかるとパニックになってしまう
ケースがあるようです。
できる子だけに、厄介なのです。「できない」ことにこだわり、次の問題に取
り組めないのです。こういったことも十分に考えられますから、「あなたが考
えてもできないような問題なら、他の子もできませんよ。大丈夫、自信を持っ
て、次の問題に挑戦しましょう」といった言葉がけも必要ではないでしょうか。
 
 
 
 ◆試験についての説明 
 
次に、試験について、どう説明するかです。
以前は、子ども達に試験といったイメージを与えないようにしたものですが、
これだけ情報が広がり、いろいろと体験をしていると、そうはいかないでしょ
う。受験する学校での公開模擬テストやホームグラウンド以外の教室や、他の
幼児教室、塾などで試験を受けることから、お子さん自身も心積もりはできて
いるかと思いますが、やはり、プレッシャーはかかります。心身共に強い子ど
もは、そうはいません。「頑張れ!」といわれれば、本当に頑張る子もいれば、
その一言で駄目になってしまう子もいます。
ピアノなどのお稽古ごとの発表会や幼稚園のお遊戯会などの前夜になると、突
然、腹痛や発熱する神経過敏なお子さんには、「今日は、いつもの教室と違っ
て、ここの学校でやるのですよ」といった説明がいいのではないでしょうか。
控室でゼッケンをつけ試験場に入り、テストの内容も、ほとんどの場合、教室
で受けているのと同じだからです。「パパ(ママ)の言うとおりだ!」と安心
し、そして頑張るのが子ども達です。お子さんの性格をよく知っているのはご
両親ですから、こういったことにも注意し、当日の朝を迎えてあげましょう。
 
 
 
 ◆怪情報、うわさについて 
 
一時ほどではなくなりましたが、厄介なことが一つあります。それは、怪情報、
うわさです。
以前、昭和60年代に開かれた四谷雙葉小学校の説明会の様子を紹介しました
が、うわさとは、多くの場合、根も葉もない、単なるうわさに過ぎません。当
事者であるお母さん方は、とかくわらをもつかみたくなる心境になりやすいで
しょうが、そこにつけ込むのがうわさです。後で思い出すと「ナンダ!」とな
るものばかりのはずです。
「受験する前に、もう合格者は決まっている!」
「紹介者がなければ駄目!」
といったことが本当なら、受験料を取る学校は、まさに詐欺行為ではありませ
んか。司直が許すわけがないのです。税務署も同様です。
 
「紹介者がなければ駄目!」
といったことが本当であれば、暁星小学校の説明会でも、「紹介状や推薦状は
必要ありません。本人の実力を第一とする」とおっしゃったことが、うそにな
ります。マリア様が、うそをお見逃しになるわけがありません。
 
また、青山学院初等部のホームページのQ&Aのコーナーには、
Q「紹介状や推薦状の必要はありますか」
A「必要ありませんし、用意されても受け取りません」
とあります。
 
さらに、幼稚舎のホーページのQ&Aコーナーには、
A「入学試験に関して、舎長および教職員との面会は一切できません」
と掲示されていますが、ほとんどの学校で、校長先生はもちろんのこと、教職
員の方々が、受験に関する面談に応じることはありませんし、お断りしている
はずです。
 
気になるうわさに心を痛めるようでしたら、お父さんに聞いてみましょう。お
そらく、一笑されるはずですから。お願いしますよ、お父さん!
 
「暑さ寒さも彼岸まで」とは、猛暑を経験しただけに、ありがたいものですが、
初秋は、とかく気候が不順になりがちです。
健康管理には、十分、注意してあげましょう。
 
昔の曲ですが、大橋節夫作詞、作曲の「幸せはここに」(YouTubeで聴けます)
があります。
    秋の夜は更けて すだく虫の音に
    疲れた心いやす わが家の窓辺
    静かに ほのぼのと 幸せはここに
お子さんの寝顔を見ながら、すだく虫の音に、耳を傾ける余裕を持ちましょう。
 
         
 (次回は、「当日の留意点とご両親の心構え」についてお話しましょう)

 


さわやかお受験のススメ<小学校受験編>合否の鍵を握るのは、お父さん方の志望理由(2)

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    「めぇでる教育研究所」発行
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
        第65号
  年長児のお子さまをお持ちの方へ
小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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合否のカギを握るのは お父さんの志望理由2
 
今回は、地元千葉県の4校を取り上げてみました。国府台女子学院小学部は、
第52号「志望理由の決め方(2)」で紹介しましたので割愛しました。
 
 
■日出学園小学校 
 
教育理念と目標 
 ここから大きく育つ、生きる力。
 自主性  向上心  想像力  好奇心
 小学校6年間を通じて「なおく・あかるく・むつまじく」の校訓をもとに、
 人 間教育の実践をしています。
 
 「なおく」とは、正しいこと正しくないこと、良いこと悪いことが判断で
  きること。
 「あかるく」とは、笑顔を絶やさず感動を体験しながら、一生懸命取り組
  むこと。          
 「むつまじく」とは、文字通り仲良くする、共に生きる、共生のこと。
 
健康で潤いのある人間性や想像力を養い、基礎学力の定着を図る、これが本校
の目標です。具体的な内容に関しては、学校長のあいさつを参考にしてくださ
い。 
         
「日出学園は昭和9年(上皇陛下が誕生した翌年、市川が市となった年)に市
川在住の有志によって創設されました。その中心になった青木要吉は若い日に
アメリカに留学し民主主義と自由主義を肌で感じ、その体験から生徒の特性を
伸長することに重点をおいた私塾的な雰囲気をもつ寺小屋のような少人数、男
女共学の教育を目指していたと聞いています。
人間形成の土台づくりは、児童期の体験で決まると思います。小学校では、学
校行事の関わりの中から楽しさ、悔しさなどいろいろな想いを体験してもらい、
その都度いろいろなことを考えて前に進んでほしいと願っています。そのため
に、異学年交流・宿泊合宿など集団の中で、友だち・下級生・上級生という立
場で物事を考え行動し、そのような体験の中から社会性や共感性などを身につ
けてほしいと常々思っております」           
 
教科では、国語力の向上に力を注ぎ、現在、約54、000冊の蔵書があり、
恵まれた環境の中で、考え、思い、学び、表現するための手立てである「言葉
の力」をつけさせ、「生きる力」へとつなげていけるように指導していること。
また、「書は人なり、心を写す力」とも言われているように、正しい「書写力」
を身につけることが一番の目標で、低学年のうちから、一点一画、ていねいに
書く習慣を身につけるように心がけている学校です。
 
創立者の信念でもあった「昼食はお母さんの手作りのお弁当」は、少し形を変
え、ネットで注文し、購買部で購入できるシステムをはじめました。働くお母
さん方への支援、これも歓迎されているようです。
 
また、来年度からは学内で学童保育とアフタースクールが開かれることとなり、
一層働くお母さん方は安心材料が増えることになります。
 
共学で、高校までのゆとりのある一貫教育で、大学受験は、本人の実力次第。
なお、中学受験に関しては、従来から、受験対策のノウハウは充実しており、
ホームページの中学校合格状況に、その実績を見ることができます。小学校は
地元で安全に通学、中学から東京の学校へと考えているご両親も多いようです。
 
 
 
■聖徳大学附属小学校
 
中学から女子校ですから、男子は受験することになります。かなりの進学実績
をあげていますから、充実した進学体制をあげても良いのではないでしょうか。
幼児教室対象の説明会でも、外部の優秀な指導者を招いていると聞いたことも
あります。
昨年まで、このように紹介していましたが、2021年4月より、光英
VERITAS(ヴェリタス)中学校・高等学校と校名を変更し共学の進学校となりま
した。大学は女子だけですから、男子は受験となりますが、「共学でゆとりの
ある教育環境で学び、自分の進む道を選ぶ」をあげてもいいのではないでしょ
うか。これで女子だけの別学校は、国府台女子学院だけになりました。
 
最近、日本女子大学附属豊明小学校、聖心女子学院初等科をはじめ、学童保育
やアフタースクールが盛んですが、本校の「アフタースクール」の大きな特徴
として、車でのお迎えを容認していることでしょう。お仕事を持っているお母
さん方には強い味方になるのではないでしょうか。
 
校名の聖徳の由来は、聖徳太子の道徳や礼節などに対する思慮の深さを教育の
基礎とし、豊かな人間づくりを実現したい思いから。読み方を変えたのは、聖
徳太子に深い尊敬の念からで、「しょうとく」と読むのを控え「せいとく」と
したそうです。
 
「思いやりと、礼を尽くす、こまやかな心を学ぶ」を目指す小笠原礼法宗家の
指導による礼法教育、明和班、全校生が一緒に食事をする「食堂(じきどう)」
など、学園の「礼節」「知育」「勤労」の3つの教育方針について、どのよう
に期待するかをまとめてみましょう。
礼法教育は、1年生から6年生まで、年間指導計画があり、電車の中で化粧を
している女性や、歩きながら物を食べている無作法者に見せたいほど、日本古
来の文化が伝承されている学校です。これも欠かせない志望理由になるのでは
ないでしょうか。
 
 
 
■千葉日本大学第一小学校
 
創立時は男子だけの別学でしたが、平成8年4月から共学校になり、大学まで
の一貫教育校です。共学が自然で、受験を考えなければ16年間のゆとりのあ
る教育環境で、自分の進む道を、ゆとりを持って学べることでしょう。
 
本校の児童は、一定の内部進学規定を満たすことで、学園の2つの中学校へ約
70%(受験等で外部の中学への進学が30%)、2つの高校へは90%以上、
そして大学へは60%の生徒が進んでいます。
 
本校の校訓「真(まっすぐに) 健(すこやかに) 和(なごやかに)を、わ
たし流に、心を表す言葉として考えると、
 真は「飾り気のない、偽りのない心」
 健は「すこやかな精神」
 和は「おだやかな心」
となりますが、いかがでしょか。
 
本校の特色として、「学習習慣の定着と学力向上」とありますが、年間の授業
時間数は、本校は13教科で6676時間、公立校は5645時間と、かなり
多いこと。
また、創立以来、英語教育に力を入れ、5年生の時には英語劇を行っています。
以前は、卒業時に6年生全員が実用英語技能検定5級合格を目指していると、
話していました。
そして、縦割りグループによる学年を超えたユニークな「さくら活動」でしょ
う。
こういったことからまとめてみましょう。
 
 
 
■昭和学院小学校
 
教育目標に「知・徳・体の全人教育(知識だけにかたよった教育ではなく、性
格教育、情操教育なども重視する教育)を掲げていますが、開校以来、少数の
児童に行き届いた教育を行うことを目標に、道徳教育を重視し、児童の基本的
生活習慣の形成に力を注いでいます。それが、校是「明敏謙譲」の狙いであり、
教育目標に表れています。「学校案内」には、「明敏とは活力を持って未来を
開くこと、謙譲とは英知を持って社会に生きること」で、「明朗にして健康で、
自主性に富み、謙虚で豊かな人間を育てること」と説明されています。
2020年の入試から1学年105名募集となりました。
 
鈴木祐子校長は、就任の挨拶で、こうおっしゃっていました。
「高い学力とやさしい心」を目標に私たちは日々の教育に力を注いでいます。
その基盤となるのは子ども同士、子どもと教師、保護者の方々とのあたたかい
人間関係です。私たちが挨拶を大切にし、思いやりの言葉が行き交う風土を大
切にするのは、品位と節度ある態度に裏打ちされた人間関係こそ「知・徳・体」
のバランスの取れた21世紀型の人づくりに欠かせない資質と考えるからです。
これからも「明敏謙譲」の建学の精神のもとに、心と体と頭を磨き、謙虚さを
備えた心身ともに健康な子を育ててまいります。
 
「心と体と頭を磨き」、響きのいい言葉ですね。「頭を磨き」が先行すると、
頭でっかちな子になりがちです。子どもが望むのではなく、親がそう仕向ける
ことに問題ありですね。
 
「明敏謙譲」、例によって、育児の姿勢としてわたしども流に考えるとこうな
ります。
「謙譲」とは、「へりくだること」という意味で、「謙譲の美徳」ともいいま
すが、最近は、お目にかかれない言葉となりました。むしろ、「謙虚」の方が
おなじみかも知れません。「自分が偉いものと思わず、素直に他に学ぶ気持ち
があること」という意味です。すると校是の「明敏」は、「明朗にして健康で、
自主性に富む」ですから、「元気で、明るく、自力で挑戦する子」に、「謙譲」
は「謙虚で心の豊かな人間を育てる」ですから、「素直な子」と置き換えるこ
とができるでしょう。
 
独自の国語教育、伝統の図書館教育に加え、「視写」があります。
文章をそのまま写すことです。おそらく子ども達は、名文を写し、記憶し、漢
字を覚え、語彙も増えるといったように、楽しい学習をしているのではないで
しょうか。当然、やっていると思いますが、音読を加えれば効果抜群、などと
おこがましい限りですが。
 
幼稚園では、年少から英語を正課にしていることについて、受験されるお母さ
ん方から、「英語の勉強について、何らかの準備をしておかなくても、ついて
いけるでしょうか」と質問を受けることがあります。附属の幼稚園では、年少
から正課として英語を保育に取り入れ、年少組は週1回30分程度、年中、年
長組は週5日40分程度行っています。3年間でかなり力がついていると考え、
入学後、英語を学んでいない子どもにとって、それがハンデになるのではと考
えるのも当然ではないでしょうか。
それについて鈴木祐子校長は、
「本校では、ESL用に開発された『グレープシード』という英語のカリキュ
ラムを使用しています。入学時には個々のバックグランドにより英語力がまち
まちな児童たちですが、少人数制の英語授業を通し、ほぼ1年で経験に由来す
る差はなくなります」
とおっしゃっていますから、心配ないようです。
   注 ESL(English as a Second Language)
       英語を母語としない人のための英語教育を目的としたプログラム
 
また、本校のアフタースクールには英語の授業が3講座設けられており、これ
を利用することで、ハンデをなくす対策になっているのではないでしょうか。
本校のアフタースクールは半端ではなく徹底していますから、学校側も自信を
持って対応できると考えているようです、私見ですが。
 
共学で、高校までの一貫教育校と期待する教育内容からまとめてみましょう。
日出学園と同様、中学受験のノウハウは充実しており、ホームページで進学状
況の実績を見ることができます。これは、現在共学ですが、それ以前は、中高
は女子だけの別学であったため、男子は受験を控えていたためです。念の為、
お断りしておきますが、面接で「中学受験を目指しています」は、そういう考
えを持っていても、言う必要はありません。
 
2回に分けて、「私学の建学の精神、教育方針の理解の仕方」について、「お
とうさん、おかあさんの受験対策」(めぇでる教育研究所 刊)からピックアッ
プして紹介しましたが、これは、あくまでも「わたしども流の考え」にすぎま
せん。こういった解釈を情報として公表するのには、少し、心配があります。
それは、幼稚舎が作文をやめ、面接を廃止した理由が、あまりにも「傾向と対
策化されている現状から意味がないと判断したから」とおっしゃったことと同
じ理由からです。一つの考え方、ヒントとしてお読みいただき、ご自身の言葉
でお話しできるようにしていただきたいと、老婆心ながらお願いしておきたい
と思います。
 
暑かった夏の疲れが出る頃です。家庭学習は無理をせず、体調を崩さないよう
に、ゆったりと構えて取り組みましょう。無理は禁物です。
 
 
    (次回は「直前の心構えについて」を予定しています)

 


さわやかお受験のススメ<小学校受験編>合否の鍵を握るのは、お父さん方の志望理由(1)

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    「めぇでる教育研究所」発行
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
        第64号
  年長児のお子さまをお持ちの方へ
小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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合否の鍵を握るのは、お父さん方の志望理由(1)
 
 
志望理由のまとめ方について、模擬面接をしていて少し気にかかることがあり
ましたので、付け加えておきましょう。それは何かと言いますと、お父さん方
の志望理由に、あまり説得力がないことです。
 
例えば、雙葉小学校を志望されるお父さん方との面接を再現すると、こうなり
がちです。
 
「お父さんにお伺いします。本校を志望される理由をお聞かせください」
「はい、校訓である『徳においては純真に、義務においては堅実に』に賛同し
て受験しました」
「では、お子さんに、普段の生活で、どのように教えていますか」
と尋ねると具体的な説明がありません。
 
小学校の案内書やガイドブックに書かれている建学の精神や校訓を、そのまま
おっしゃる方が多いのですが、これでは学校側を納得させることは不可能では
ないでしょうか。
既に、志望理由も明確になっているはずですが、もう一度、原点に戻り、以下
のように、学園全体の教育体制について考えてみましょう。
ただし、ここでいう共学は小学校の場合で、中高は別学の学校も含まれている
ことをお断りしておきます。
 
また、慶應義塾幼稚舎、桐朋小学校、桐朋学園小学校は、面接はありませんが、
志望理由をまとめる参考にしてください。
 
白百合学園小学校、東洋英和女学院小学部、聖心女子学院初等科、立教小学校、
立教女学院小学校など。
1.宗教教育 2.別学 3.大学までの一貫教育 4.賛同できる教育方針
1から4について、どういったことを期待しているかを書いてみましょう。
4については、例えば、白百合学園小学校の場合、
学園の校訓である三徳、 勤勉・従順・愛徳について、
  従順…すすんでみがこう正しい心
  勤勉…すすんでなんでもいっしょうけんめい
  愛徳…すすんで親切よろこんで
ということですが、これをわたしども流に、従順は「素直」、勤勉は「一所懸
命頑張る」、愛徳は「思いやり」と置き換えると、いずれも皆さん方が育児で
大切にしていることではないでしょうか。
 
青山学院初等部、淑徳小学校、聖学院小学校、玉川学園小学部など。
1.宗教教育 2.共学 3.大学までの一貫教育 4.賛同できる教育方針
4について、青山学院初等部のスクールモットー「あなた方は世の光、あなた
方は地の塩である」は、幼児の場合ですから、「世の光」は自立していること、
「地の塩」は協調性や社会性といった集団生活への適応力と考えると、「5つ
の約束」の意味がよく理解できるのではないでしょうか。
 
   5つの約束
    ・しんせつにします
    ・しょうじきにします
    ・れいぎただしくします
    ・よくかんがえてします
    ・じぶんのことはじぶんでします
 
「『しんせつにしよう』ではなく『しんせつにします』と自ら発信しているこ
とだ。ここに初等部教育の原点がある」と説明会でも部長は言っていましたが、
ポイントは、自立と自律、そして集団生活への適応力ですが、育児で大切にし
ていることではないでしょうか。
さらに、ランドセルなし、通信簿もありませんが、こういったことも視野に入
れる必要はないでしょうか。
ホームページの「国内短期留学 止揚学園」を見てください。「すべては教場」、
初等部はこういった教育をする学校でもあるのです。
 
慶應義塾幼稚舎、学習院初等科、成蹊小学校、早稲田実業学校初等部、千葉日
本大学第一小学校、桐蔭学園小学部など。
1.共学 2.大学までの一貫教育 3.賛同できる教育方針
 例 慶應義塾幼稚舎
   独立自尊について   
   一年生が入学した時に「三つの約束」をします。
    ・うそをつかない。
    ・お父さん、お母さん、先生のいいつけを守る。
    ・自分でできることは自分でする。
この三つの約束こそ、独立自尊の精神を身につけるための第一歩です。
皆さん方は、普段からお子さんに、
「うそをついてはいけません」「約束は守りなさい」「自分でできることは自
分でしなさい。お母さんを頼っても知りませんよ!」と言ってきかせ、実践し
ているのではないでしょうか。
お母さんの教えこそ、まさに「独立自尊の精神」そのものではありませんか。
 
日本女子大学附属豊明小学校、川村小学校など。
 1.別学 2.大学までの一貫教育 3.賛同できる教育方針
 例 日本女子大学附属豊明小学校
   三綱領 信念徹底・自発創生・共同奉仕について、 
     ○ 信念徹底(正しいと考えたことはやりとげる)
     ○ 自発創生(自ら考え、工夫し、実行する)
     ○ 共同奉仕(心を合わせて皆のために仕事をする)
わたしども流に解釈すれば、
     ○ 信念徹底は、はじめたことは途中でギブアップせずに、最後ま
       で頑張る子
     ○ 自発創生は、夢中になって遊び、楽しく遊ぶ工夫のできる子
     ○ 共同奉仕、友達と仲良く遊べる情緒の安定している子
となりますが、こういったことを大切にしていれば、三綱領を育児に取り入れ
ていると言えるのではないでしょうか。難しく考える必要はないと思います。
 
雙葉小学校 田園調布雙葉小学校 横浜雙葉小学校 光塩女子学院初等科 暁
星小学校など。
1.宗教教育 2.別学 3.高校までの一貫教育 4.賛同できる教育方針
 
雙葉小学校については、しばしば紹介してきましたので、ここでは暁星小学校
を取り上げますが、雙葉小学校に対して一点付け加えておきましょう。それは
「バラはバラらしく、スミレはスミレらしく、その人らしく生きる。自分で自
由に学び、決定することができ、責任のとれる人に育てていく」という言葉で
す。前校長の河野先生が例年おっしゃっていましたので参考にしてください。
校長先生が変わり、今後どのような話を聞くことができるのか楽しみです。
 
例 暁星小学校
「鍛える教育」の究極の目的は、日本昔話のキャラクターである「気は優しく
て力持ち」の男子の育成です。
もやしっ子を解消するために始めたサッカーを考えてみましょう。サッカーは
11人で戦いますが、ボールをキープした選手は、相手を自分に引きつけてお
き、ギリギリのところでパスをして味方にボールをつなぎ、最後にゴールへ蹴
りこめるのは、たった一人です。旺盛なファイトとフェアーな精神、チームワ
ークの育成、しかし、学業をおろそかにしていると、優秀な選手でも練習に参
加させてもらえない「練停」があり、文武両道、ここに暁星学園の教育目標が
表れていないでしょうか。
 
以前の話になりますが、平成27年の説明会では、現役で東京大学と早稲田大
学に入った二人の出身者の小学校時代の体験をつづった作文を朗読、東大生は
聖歌隊、早大生はサッカー部の話でしたが、いつもの校長の話を裏付ける厳し
い「文武両道」の話は参考になりました。
特に運動の得意な子でなくてもやればうまくなる話は、自ら挑戦する意欲こそ、
鍛える教育の原点であることや、部員のすべてが東大をはじめ難関校を目指す
中での切磋琢磨する話は、説得力がありました。
 
模擬面接でも、「小学校は親が良かれと選んであげるが、大学は自らの力で挑
戦すべきだ」とおっしゃるお父さん方が多く、二人の話はこれを裏づける頼も
しいもので、こういったことも参考にされてはいかがでしょうか。
 
「れんてい」という言葉は、サッカー部出身の学生さんの話にあったので、
「練習参加停止」のことではないかと思い、勝手に「練停」と当て字を書きまし
たが、説明会で先生に伺ったところ、「練停」でいいそうです。
 
 
 (次回は、「合否のカギを握るのは お父さんの志望理由(2)」
                        についてお話しましょう)

 


さわやかお受験のススメ<小学校受験編>面接編4

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    「めぇでる教育研究所」発行
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
        第63号
  年長児のお子さまをお持ちの方へ
小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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面接編4
 
 
今回は、ご両親の面接についてお話をしましょう。
 
◆父親編◆
 
ほとんどの学校で、お父さん方には、志望理由と職業を尋ねられています。
ですから、合否の鍵を握っているのは、お父さん方といっても過言ではないで
しょう。
責任重大です、何しろお父さんは、一家を代表して面接に臨むわけですから。
 
「なぜ、この学校を選んだか」をきちんとおっしゃってください。
 
そして、私学の運営は、ご家庭に経済的な負担をかけることで成り立っていま
すから、学校側は、その基盤がしっかりと築かれているかを確認しなければな
りません。
職業を尋ねられるのも、このためです。
会社名と所属課、仕事の内容によっては簡単な説明も必要です。
しかし、専門家でなければわからない言葉を使うべきではありません。今では
普通に使っていますが、模擬面接で「システムアナリストです」と言ったお父
さんがいましたが、これだけでは不親切で、誠実とはいえません。簡単な説明
も必要です。
自営業の場合は、仕事の内容がわかるようにまとめておきましょう。
時には、営業年数、年商、従業員数など必要になる場合もあるかもしれません。
 
お父さんの応答で気になることがあります。
仕事柄、人と接する機会の多い方、営業関係の方は、話に如才のない分、長く
なりがちです。
面接は、限られた時間内で、手際よく済ませるべきです。
1分間で、相手にどのくらい情報を伝えることができるか、一度、録音し、聞
いてみましょう。
すると、聞く人には、どのくらい負担がかかるかがわかります。
そうすれば、簡潔明瞭な回答こそ、思いやりのある、誠実な態度であることが
理解できるはずです。
制限時間のあることを、常に頭に入れておきましょう。
 
最後に、お子さんの姿勢が崩れたときに、恐い顔をして「駄目!」を出すお父
さんもいますが、前にお話したお母さんのように、「やわらかくたしなめるサ
イン」を考えておきましょう。
 
 
 
◆母親編◆
 
「上がって話せなかったらどうしよう!」
などと考える必要はありません。
参加しているお母さん全員が、同じ不安な気持ちでいるのですから。
そんな心配をせずに、「私は保護者です!」と言い聞かせることです。
男には、よくわかりませんが、「出産のことを考えれば恐いものなし」とおっ
しゃったお母さんがいました。
 
それはともかく、一所懸命、お話しできれば、道は開けます。
誠意です。
 
ただし、その学校を選んだことに自信がなければ、不安になり、緊張しますか
ら、上がります。
そこがポイントであり、全てです。
 
お父さんのところでも触れましたが、話がくどくて、長く、まとまりに欠ける
場合があります。それを避けるために、例えば、お子さんの長所、短所を話す
ことを想定して、話し言葉で文を書き、録音し、聞いてみましょう。
ご自身で聞き、長いと思えば、相手にとっては、とてつもなく長いものです。
質問事項にもよりますが、ご主人より長く話すのは、私学の求めているであろ
う「謙虚なお母さん」にふさわしいでしょうか。
 
また、言葉遣いも、気になるところでしょうが、普段、あまりなじみのない敬
語や、「……参りました」「……存じます」などの謙譲語を使って話すのは、か
えって緊張のもとになりますから考えものです。
何事も、不自然な感じを与えない、自然体がいいのではないでしょうか。
ところで、最近、気になるのですが、若いお母さん方の中には、「そういった
こととかにぃー、興味を持ち始めましたぁー」といったように、語尾をのばし、
妙なアクセントで話す方がいます。
お母さん同士ではいいでしょうが、やはり、初対面の年配の方と話をするには、
ふさわしいとはいえません。
 
また、自分のことしか考えずに、お子さんやご主人が話されたことを、よく聞
いていないお母さん方がいます。
例えば、面接の先生に、
「お子さんの言っていることは、こういうことですか」と確認を求められるか
もしれませんし、「ご主人がおっしゃったことについて、どう思いますか」と
聞かれることもあるようです。
そんなときに困った顔をするようでは、保護者とはいえないでしょう。
質問事項を想定し、うまく言えるだろうかなどと心配していると、「心、ここ
にあらず」といった状態になり、お子さんやご主人の回答を聞き逃すことにな
りがちです。
お母さん自身も、気を静め、落ち着くためにも、しっかりと話を聞きましょう。
 
そして、お父さんが、例えば、間違ったことを言っても、即座に訂正しないこ
とです。「お子さんが、成長したと感じられることはありますか」といった質
問に、「去年の秋、予防接種に行ったとき、泣かずに頑張ったときのことです」
と答えたご主人に、少し顔をしかめて、「パパ、今年の春でしょ!」と、静か
に、きっぱりと訂正したお母さんがいました。
ご主人は、気分を害されたような表情をして、お母さんの方を見ましたが、二
人の間に、なにやら気まずいムードが漂いはじめたのは、言うまでもありませ
ん。
予防接種の時期を間違えたから、育児に関心のない父親で減点などされるわけ
がないでしょう。
即座に訂正をしたお母さんの態度こそ問題です。
私学には、古い道徳観念が残っているとはいいませんが、やはり、初対面の人
の前で、どうでもいいようなことで、ご主人の間違いを訂正するのは、私学の
求めているであろう「謙虚なお母さん」としていかがでしょうか。
 
 
 
◆退室◆ 
 
「本日は、ご苦労さまでした」
「失礼します」
立ち上がり、礼をして退室するわけですが、やはり、お父さんが先頭で、お子
さん、お母さんという順が自然でしょう。
そして、出口で、立ち止まり、面接官の方を向いて、「失礼します」とあいさ
つをしましょう。
この時、お子さんは、一刻も早く外へ出たい気持ちから、あいさつどころでは
ありません。
しかし、ここは面接の最後の場ですから、「お世話になりました」といった気
持ちを伝えたいものです。
お父さんが一言、声をかけ、あいさつを促しましょう。
入室の時と違い、これから始まる面接にプレッシャーをかけるわけではありま
せんから、お子さんも、あいさつできるはずです。
「ごあいさつは」より「さよならしようね」といった言葉がけの方が、お子さ
んにも抵抗がなく、自然にできると思います。
最後に、お母さんがあいさつをし、ドアを閉めて、部屋を出ます。
 
これで終わったわけですが、うまく進んだ場合は、緊張から開放され、ほっと
されたお母さんから、
「ご苦労さまでした」
などと、ねぎらいの言葉がかかるのですが、結果が思わしくないときは、部屋
を出たとたんに、
「なぜ、私が願書に書いたとおりに言ってくれなかったの!」
などと、非難をする若い母親もいるそうです。
「壁に耳あり、障子に目あり」ではありませんが、先生方が見ていないとは限
りません。
 
しかし、聞いているお子さんが、どんな気持ちになるかを考えられない母親で
あるなら、受験はやめるべきでしょう。
面接の後にお子さんの試験があり、もう一度、学校へ来る場合、悪い印象を与
えると、同じ場所へ行きたがらないものです。
本番の入試にも影響しかねません。
 
また、お子さんが、うまく応答できなかったとしても、そのことには触れずに、
嘘でもいいですから、次につながる言葉がけを忘れないことです。
 
「初めての先生と、よくお話できていたね。お父さんもびっくりしたほどだっ
たよ。今度はね、一人でどんなことができるか、お友達と楽しく遊べるかを見
てくれるんだって。お父さんは来ないけれど、頑張るんだよ。ママ、今夜は、
ユキの好きな焼肉がいいね」ユキちゃんが、好んで挑戦した受験ではないこと
を、保護者は、決して、忘れてはなりません。 
 
掛け持ち受験について、まだわかりませんが、10月に入ると、受験日と面接
の日が決まり、学校から通知も来ますし、出願してみなければわからなかった、
受験可能な学校も判明します。
どういったスケジュールになるか作戦を立てることになりますが、掛け持ち受
験は、お子さんにとって大変な負担になります。
精神的にも、肉体的にもタフなお子さんばかりとは限りません。
ご両親で、しっかりと話し合いましょう。
 
また、試験が早朝に当たる場合もあります。
少しずつ、起きる時間を早めてみるとか、ベストコンディションで臨めるよう
に工夫しましょう。
 
幼稚園も始まりました。元気に通っていますか。
新型コロナウイルスの影響もあり、生活のリズムが戻るまで、あまり入学試験
にはこだわらないようにしましょう。心身ともに健康第一です。
 
そして、お母さん方へ。妙なうわさなどに心を惑わされない、賢いお母さんに
なりましょう。
もうあとわずかです、頑張ってください。
 
(次回は、「鍵を握るのはお父さん方の志望理由」についてお話します)

 


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