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めぇでるコラム
さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>独り立ちの準備(2)しつけ、手を抜いたらいけません
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「めぇでる教育研究所」発行
「2018さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
第9号
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独り立ちの準備
(2)しつけ、手を抜いたらいけません
明けましておめでとうございます。
今年もご愛読のほどよろしくお願いします。秋のゴールを目指し頑張りましょ
う。応援します。
大きな門松、ご覧になりましたか。花を咲かせて実を結ぶ顕花植物から松、竹、
梅が、花を咲かせずに胞子で増える隠花植物からは裏白(鏡餅の下にしくもの)
か選ばれ、植物の代表がそろって正月を祝っています。古くから伝わるものに
は、それなりの意味があり、科学がまだ発達していない時代に、どうしてこう
いったことがわかっていたのか不思議な気がしませんか。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編
「日本の年中行事と昔話」より)
しつけ、これは大切です。
といっても、堅苦しい言葉遣いや礼儀作法ではありません。
当たり前のことを、当たり前にできるようにしつけることです。
小さいときから手を抜くと、抜いた分だけ身につきません。
その年にふさわしいしつけがあります。
これは、ご両親が責任を持ってやらねばならぬことであり、お手本は、ご両親
です。
これこそ、付け焼刃はききません。
そのまま、大人になります。
街で、よく見かけるでしょう、おかしな若者や大人を。
まずは、公衆道徳です。
大勢の人が集まる場所では、守らなければならないルールがあります。
これは、その時、その場で、出会った状況に応じて、きちんと教えるべきです。
「しつけのTPO」です。
電車に乗るとき一つ取り上げても、教えることが、たくさんあります。
整列乗車をしているところに割り込んでくる子がいます。
子どもだから許してあげるか、などと仏心を起こしたら、サッと乗って席を取
り、
「お母さん、席、取ったよ!」
「ありがとう!」
お母さんが、後から、ゆっくりと乗ってきます。
何が「ありがとう!」ですか。
お腹が大きいとか、赤ちゃんをおんぶして荷物を持っているとか、そういった
状況であれば、良識を備えた大人は席を譲ります。
親が、ルール違反をすると子どもも真似をします。
小さいときが肝心です。
これも困ります。
電車を1台待って席が取れ、応援している野球のチームが、本当に久しぶりに
勝ったので、いい気分でスポーツ新聞を読んでいると、小さな子が前に来て、
「ママ、座りたい!」
年寄りの前に来ないで、若者のところへ行けばと思いますが、子どもも席を譲
らない若者がいることを知っているのでしょう。
腹の立つこともあります。
こういうお母さん、許せません。
電車の中で、お母さん同士が、話に夢中になって、子どもが、ギャーギャー騒
いでいるのに、ぜんぜん、注意しません。
子どものためだと思って、
「坊や、少し静かにしようね、電車の中だから」
と注意しました。
すると、そのお母さん、何と言ったと思いますか。
私を、キッとにらみつけて、
「おじちゃんが(本当は、オジンと言いたかったでしょうね)うるさいと言う
から、止めなさい!」
と、言ったものです。
「それじゃ、私が、うるさいと言わなければ、止めさせんのか!」
こう、言いたくなります。
電車は、家の中と違います。
人の迷惑にならないように静かに乗る。
みんなが守らねばならない、最低のルールではありませんか。
これは、親が、キッチリと子どもに教えこむ、しつけです。
それを放棄しているのですから、いやになります。
後で困るのは、子ども自身であることに、どうして気づかないのでしょうか。
さらに、「人が、ドウ、コウ言っているから」と、他人のせいにしてしつける
のは、間違いです。
自分の信念ですべきです。
母親としての教育、誰がするのですか、自分自身ではありませんか。
「育児は、育児しながら育自する」自分を育てることです。
これを忘れて一貫性のない、付和雷同的で節操のないしつけをされては、混乱
するのは誰でしょう。
子どもにもっとも嫌われる母親のタイプです。
こんなしつけをされていると、混んだ電車の中で、「エッ、ウッソ、ホント、
マジー!」などと奇妙な言葉で、長々とスマホで話をする、人の迷惑を、全然
考えない子になり、優先席に足を投げ出して座り、漫画を読んでいる若者にな
ります。
お年寄りが前に立っても、知らん顔をしています。
中には、寝たふりをする輩(やから)もいます。
また狸が一匹いると笑ってしまいますね、「狸寝入り」です。
でも、学生さん、足の長いのはわかったから、浅く腰かけるのは止めなさい。
あの姿勢は、腰に負担がかかります。
腰が悪くなったら一大事です。
「腰」という字は、「月へんに要」とかくでしょう。
人間の体の中で、肝心要のところだからです。
冷や酒と年寄りのいうことは後で効いてくるものです。
本当は、「冷や酒と親の意見」ですが、きょう日のお父さん、「説教」をしま
せん。
だから、子どもは迷うのです。
ロン毛に茶髪、ピアスに厚化粧、若者の特権だから、どんな格好してもいいの
でしょうが、そこに「父親の見識」が見えません。
かなり昔の話で恐縮ですが、ある女子大の教授が「母親の顔を見たい」(題名
は間違っているかもしれません)といった題の本を書かれたことがありました。
とにかくしつけがめちゃくちゃなのです、そこで母親がたたかれました。
今は、しゃかりきな母親が目立つ分、父親不在なのでしょう。
「父親の顔を見たい!」などといった本が出るかもしれませんよ、お父さん!
スマホを、歩きながら見るなど、並外れた非常識な振る舞いを平気でやってい
ますが、大きな声で話していることにも、全く気づかないようです。
良識のあるお方は、「今、電車の中ですから」と断って、すぐに切りますが、
人様への配慮が、少しも見られません。
「今の若い者は……」と言う前に、こういう気配りにかける若者を育ててしま
った私たち大人は、どんなしつけをしてきたのだろうと思わざるを得ません。
私たち大人は、こういうことを許してきたのです。
罪作りな話ではありませんか。
やはり責任の一端は、私たち大人にもあるわけです。
しつけの原点は、やはり家庭です。
この間、変な親子に会いました。
これと同じ話を聞いたとき、信じられませんでしたが、本当の話でした。
私も体験したのです。
皆さんは、アンビリーバブルと言うかもしれません。
こういうことなのです。
電車に乗っていたら、若いお母さんとお嬢ちゃんが乗ってきました。
私の隣に座り、窓から外を見ているお嬢ちゃんは、靴を脱ぎません。
すると、お母さんが声をかけたのです。
靴を脱がせるのだなと思っていましたが、とんでもないことになりました。
「○○ちゃん、お靴脱ぎますか、脱がないのですか」
「脱ぎたくありません」
「そうですか」
これで、おしまいです。
丁寧な言葉遣いと、その行いは、反比例しています。
今の世の中、「エニシング ゴーズ、何でもあり」ですから、いまさら驚くこ
とではないでしょうけれど、しかし、靴を脱ぐ、脱がないは、お嬢ちゃんの都
合で決めることですか。
違うでしょう。
一歩外へ出たら、守らねばならぬルールがあります。
守らなければ、秩序が乱れます。
ルールを守る、これは、生きていく人間が暗黙に了解するところではありませ
んか。
もっと言えば、家憲であり親の見識であって、しつけです。
こういったことは、親が責任を持って教えないで、誰が教えるのですか。
教えてもらえなかったら、不幸なことです、これは。
被害者は、やはり子ども自身です。
しつけは、当たり前のことを当たり前に、教えればいいのです。
でも、この当たり前のことが、当たり前でなくなっています。
何度も言いますが、公衆道徳は、親が責任をもって教えるしつけです。
これは、お父さんの大切な仕事です。
いい仕事、残してあげなさい。
小さいときのしつけこそ、「三つ子の魂百まで」ではないでしょうか。
しつけに限り、年齢相応のことができない場合、「まだ、小さいから」は、お
子さんのために決して良いことではありません。
できるように、やさしく、辛抱強く、繰り返し教えることが大切です。
(次回は、独り立ちの準備 (3)あいさつも大事です、について
お話しましょう)
カテゴリ:
2017年1月 5日 01:21
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さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>直前と当日の心構え
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「めぇでる教育研究所」発行
「2018さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
第49号
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
直前と当日の心構え
すっかり冷え込みましたね。ところがこの2、3日の暑いこと、我が家のコス
モスも、何やら戸惑ったようで元気がありません。お子さんは、ちょっとした
ことで体調を崩しがちです。心身の健康管理には、十分に気を配りましょう。
また、妙なうわさなどに惑わされることなく、リラックスして過ごすように心
がけてください。
【直前の心構え】
入園テスト直前、何とかしてベストの状態で試験に臨ませてあげたいのは、お
母さん方の切なる願いでしょう。しかし、特別なことをすると、かえってコン
ディションを崩しやすいのが幼児です。いつもと変わらない生活を続けること
が大切です。ただし、試験時間が朝早い場合は、その時間帯に合わせた生活に
切り替える必要もありますが、いきなり替えるのではなく、少しずつ余裕を持
って行うべきです。
入試に必要な知的なトレーニングは、通っている教室の先生方にお任せし、カ
ッとなりやすいお母さん方はやるべきではありません。ご両親は面接に備え、
最後の特訓に挑戦してください。
着ていく服も決まっているはずですから、休みなどに3人そろって正装し、幼
稚園まで行ってみましょう。お子さんも慣れることで、特別な気持ちになるこ
とも防げます。そして、楽しい雰囲気を作ってあげましょう。「受験する幼稚園
だよ!」などと言わないことです。
さて、これからと言うよりも、もうとっぷりと浸かっているお母さん方もいる
かもしれませんが、やっかいなのは怪情報、うわさです。雙葉小学校が昭和6
0年代に3回ほど説明会を開催しました。その動機ですが、裏口入学を策した
お母さんの子が不合格になったために、その理由を学校側に電話で問いただし、
驚いた学校側は、「そんな馬鹿げたことは、絶対にありません」と否定するため
でした。同時に、「どこそこの神父さんの紹介がなければ合格しない」、「信者で
なければ不利」などといったうわさは、単なるうわさであって、怪情報なるも
のに惑わないでほしいと訴えたものでした。
うわさとは、根も葉もない根拠のない話に過ぎません。当事者であるお母さん
方は、とかく「藁にもすがる」心境に陥り、疑心暗鬼にかられるようですが、
後で振り返ると、「ナンダ!」となるものばかりです。受験料をとるからには公
平でなければ、法律に触れる詐欺行為ではありませんか。犯罪です。気にかか
るうわさを耳にした場合は、お父さんに話してみましょう。おそらく、笑顔で
否定してくれるはずです。頼みますよ、お父さん!
【当日の留意点】
次に、試験当日の留意点を上げておきましょう。
1.募集要項を丁寧に読み直し、持参するものなどのチェックリストを作り、
慎重にチェックをしましょう。
信じられない話ですが、受験票を忘れたお母さんがいたそうです。
極度の緊張からでしょう。
リストを作っておけば、忘れることもありません。
幼稚園によっては、募集要項を持参してほしいといっているところもあり
ますから、特別な記載事項には、十分に注意してください。
2.当日は、いつもと変わらない朝を迎えましょう。
お子さんの試験と面接が同時に行われる場合は、ご両親が緊張しやすいで
すから、リラックスした気持ちで臨めるように、平常心を心がけましょう。
また、お母さんが試験に参加する場合も、とかく緊張しがちです。
教室で体験済みと思いますから、その経験を生かしてください。
親子テストの留意点については、以前、お話ししましたが、普段、ご家庭
で遊ぶ延長と考え、楽しく参加することが大切です。
そして、主役は、お子さんであることを忘れないでください。
3.いかなる理由でも遅刻は認められないと覚悟をしておきましょう。
特に、バスを利用する場合は、要注意です。
朝は、渋滞する可能性がありますし、雨天などでは、どこで渋滞が始まる
かわからないからです。
電車でさえも、改札システムのトラブル、事故など、何が起こるかわかり
ませんから、そういう場合は携帯電話で幼稚園に問い合わせ、指示を求め
ましょう。
そのためにも電話番号を登録しておきたいものです。
ただし、電源は、門のところで切ることをお忘れなく。
控室で呼び出し音が聞こえては、受験資格なしと考えてください。
4.所定の手続きを指示に従いながら、あわてずに行うことです。
頭をひねるような難しいことはありませんが、時間ぎりぎりに到着となる
と、気のあせりからミスをしがちです。
そんな時、お子さんが普段、見たことのない顔になっているはずです。
それまで、全力を尽くしてきたとしても、この一瞬で台無しになることも
ありえます。やはり、余裕をもって到着することです。
ただし、暁星幼稚園の説明会で注意がありましたように、あまり早く行っ
てもお子さんが退屈してしまうこともあるので、30分以内が適当ではな
いでしょうか。
5.服装は、動きやすく、着慣れたものを。
幼稚園により、いろいろと注意がありますから、それに従ってください。
また、通われている教室の先生方のアドバイスで、準備はできていると思
います。
清潔感は、さわやかな印象を与えます。
6.テスト前に用便を済ませましょう。
2歳のお子さんは、おむつをつけている場合もあります。
ある幼稚園の説明会では、「入園する4月までに取れますから、隠すような
ことはしないで下さい。隠してもわかりますから」とおっしゃっていまし
た。
自然でいいと思いますが、これは、ご両親の見識です。
よく話し合って決めてください。
7.控室では退屈しないように絵本などを持っていきましょう。
ぬいぐるみを手放せないお子さんがいるようですが、その日だけ取り上げ
るとパニックになります。
原因があるはずですから、そこを取り除いてあげましょう。
8.万一の病気に備え、常備薬を持参しましょう。
何が起こるのか、予測のつかないのが幼児です。
特に、気温の差が激しい時です。
細心の注意を払ってください。
喘息の発作が出やすいときですから、きちんとした対応策を考えてくださ
い。
直前に感染症にかかった場合は、必ず、連絡を取り、幼稚園の指示に従い
ましょう。
9.テスト時間によっては、昼食の用意が必要になるでしょう。
一口で食べられるサンドイッチなどを用意し、飲み物も小さなポットに入
れ持参しましょう。
10.教室や塾などの友達と会う可能性もあります。
緊張しているときに友達と会うとホッとし、舞い上がるお子さんもいます。
2、3歳の子は、もとに戻るにはどうしたらよいかを知らないだけに、厄
介なことになりがちです。
そういったときはどうするか、対策を立てておきましょう。
11.お子さんがテスト中の控室では、たとえ友達や顔見知りの方がいても、話
し込むようなことはせず、静かに本を読んで過ごすことです。
当然ですが、「電源をお切りください」とある場合は、スマートフォンも見
ることはできません。
残りわずかになりました。
これからが正念場と考え、毎日を、大切に過ごしてください。
お母さん方のいらいらした様子や元気の無い表情が、お子さんにどれだけ不安
を与えるか、しっかりと考えられる賢いお母さんになりましょう。
うわさなどに惑わされない、強い心を持ったお母さんであることが大切です。
お父さん、しっかりサポートしてください。
お母さんは、わが子のことになると、信じられないほど熱くなりがちです。
お母さんの気持ちになって、やさしくリードしてあげましょう。
そのやさしさが、お母さんの心の支えになるのですから、頑張ってください。
昨年の11月から始まった「さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」も、
最終回を迎えました。長い間、つたない連載をお読みいただいた皆様方に、最
後のお願いがあります。
言うまでもありませんが、幼稚園の受験は、ご両親がお子さんのためによかれ
と考えてはじめたことです。お子さん自身が、「ぼく、暁星幼稚園へ行きたい
の!」「わたしは雙葉幼稚園へ!」と希望したわけではありません。何だかよく
わからないけれど、当日を迎えてしまったというところでしょう。
教室へはじめていった時、泣き叫んで部屋に入れなかったお子さんもいたと思
いますが、今では教室が休みの日など、
「ママ、どうして?」
などと、不満そうな態度を示すようになっていないでしょうか。
「ママと離れても、楽しいことがたくさんあること」を学習していれば、幼児
期前期は、すばらしい体験をしたといえます。
子ども達にとって、お父さん、お母さん以外の人である先生や友達と、仲良く
遊びながら学んだことは、この先、いろいろなところで生きてきます。2、3
歳は、遊びといっても並行遊びが中心ですから、仲間同士で何かをするといっ
た経験は、なかなかできないものです。また、幼児教育の専門家によって作ら
れたカリキュラムによる知的な学習を、この時期に体験できたのは、同年代の
ほんの一握りの子ども達でもあるのです。ですから、正しい指導を受けていれ
ば、貴重な体験をしたことにもなるわけです。
そして待合室で待つ間、同じように国立、私立の幼稚園を志望するお母さん方
と育児の情報交換もでき、役に立ったこともあったと思います。さらに、ご両
親もわが子の教育について、真剣に考え、話し合い、いろいろな幼稚園の説明
会へ参加され、保育方針などを聞くことにより、幼児期の育児で何が大切であ
るかを学ばれたのではないでしょうか。どこの幼稚園でも、過保護、過干渉の
育児を戒めていませんでしたか。
核家族化、少子化が続く中で、育児に取り組み、そして受験まで経験するのは、
本当に大変なことであったと思います。「ご苦労さまでした」とねぎらいの言葉、
いや、「よく頑張りました」と褒めてあげたい気持ちでいっぱいです。
それほど、育児は大変な仕事です。
育児と受験、全く違った領域の問題のように思えますが、幼稚園選択の大切な
ポイントは、ご両親の育児の姿勢と幼稚園の保育方針が一致していることにあ
るのですから、密接な関係にあることもご理解いただけたのではないでしょう
か。
しかし、こんなに努力をなさっても、残念ながらすべての方に、希望される幼
稚園から招待状が届くわけではありません。名門の併設園は、幼稚園といえど
も狭き門です。それを承知の上で受験されるのですから、不合格になった時の
ことも、しっかりとご両親で話し合っておくことが大切です。
決して、「うちの子は駄目ね」とか「私達の育児の方法が間違っていた」などと
落ち込まないことです。まだ、2、3年の人生経験しかない幼子の、吹き出し
始めた、小さな、小さな、かわいい芽なのです。幼児期前期は、将来、大輪を
咲かせるための大切な準備期間です。期待した結果が出なくても、幼い子ども
なりに、ご両親の期待に応えるべく、頑張ったのではないでしょうか。
そして、ご両親も、力を合わせて最善の努力をされたのですから、そこで経験
した様々なことは、これからの子育てに、必ず、生きてきます。そういったこ
とが心の支えになり、お子さんの将来を導く羅針盤になっていくはずです。3
年保育で縁がなくても2年保育で、2年保育で縁がなくても小学校受験があり
ます。わが子の教育は、広い視野で計画を立ててあげるべきではないでしょう
か。
試験当日は、面接があったり、お母さん自身が一緒に試験を受けたり、いろい
ろとプレッシャーがかかるかもしれませんが、大らかな気持ちで臨み、お子さ
んに負担になるようなことは、絶対になさらないようにしてください。
結果が出なくても、本人にはわからないで済みますから、ご両親の胸にしまい
こみ、失望し、がっかりした姿を、お子さんに見せないことです。ご両親は、
わが子を守る保護者であることを、決して忘れてはいけません。わが子に非が
あるのではなく、ご両親に運がなかったと考え、これからの育児に生かしてほ
しいと思います。
「明日は今日より昨日より」(あしたは きょうより きのうより)、これは、
日本のミュージカルに大きな足跡を残された、故いずみたく氏の作曲された、
ある財団法人の社歌ですが、子育ての鉄則ではないでしょうか。また、「育児」
は「育自」であることも忘れてはならないと思います。2、3歳の秋は、到着
点ではなく、一つの通過点と考えましょう。そして、「明日は今日より昨日より」
を自身を励ます杖とし、「育自」を心がける賢いお母さんになってほしいと願っ
ています。
皆様方に、希望された幼稚園から招待状が届くことを、心からお祈り申し上げ
ます。
頑張ってください。
最後まで拙文をお読みいただきまして有難うございました。
平成29年10月吉日
めぇでる教育研究所 所長 藤本紀元
2017年10月12日 01:21
さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>面接、ここがポイント
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「めぇでる教育研究所」発行
「2018さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
第48号
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面接、ここがポイント
何事もそうですが、初めてのことには、不安がつきまとうものです。面接を受
けられたお母さん方は、「何が何だかわからないうちに終わってしまいました」
と苦笑まじりにおっしゃいます。不安を解消するには、どういったことに注意
すればよいかを知っておくことも大切です。そうすれば、自信を持って面接に
臨めるはずです。
まず、ご両親が、絶対に忘れてならないのは、幼稚園の受験は、ご両親の意志
ではじめたことです。ご両親は、保護者であることを肝に銘じて面接に臨むべ
きです。緊張して、あがってしまったらどうしようなどと、気をもむときでは
ありません。何やら池波正太郎風ですが、「仕掛人はご両親」であることを忘れ
ないでほしいのです。
★面接当日の服装★
「○○幼稚園では、親子共に紺で統一しなくては失礼にあたる!」
などと噂があるようですが、単なる噂にすぎません。
かつて、ある幼稚園の募集要項に、「親子で紺色にそろえる必要はありません」
と注意書きがありましたし、小学校の面接でも、「みなさん、同じような紺の洋
服では、不自然と思いませんか」などの質問があったことからも、つまらない
噂であることがわかります。
しかし、だからといって、人と違った服装をするには、勇気が必要でしょうし、
抵抗もあるでしょう。幼稚園側も、服装などどうでもよいといっているわけで
はないと思います。
やはり、初めての方とお話をするのですから、それなりの礼を尽くすのは、当
然のマナーです。問題は、普段、お子さんは紺の洋服を着ることに慣れている
でしょうか。しかも、ご両親とも、あまり見かけない服装で、きちんときめて
います。このことです……。
「あれっ!」と思わないわけがないのです。これだけでも緊張するのがお子さ
んです。
「お子さんに、余計なプレッシャーをかけないで下さい」という幼稚園側の配
慮ではないかと思います。
ですから、当日だけ着せるのではなく、何回も袖を通して着慣れておきたいも
のです。そして、お父さんにひげを剃ってもらい、当日と同じ服装で出かける
機会を作っておきましょう。できれば、受験される幼稚園まで出かけてみるの
もいいでしょう。
ケース・スタディーで紹介しました「シスターさんとのご対面」の例もあるか
らです。
「特別な気持ちにさせないで下さい」という幼稚園側の気持ちが聞こえてきま
せんか。
このことだと思います。
そして、どこの幼稚園でも、「堅実な家庭を築くお父さん、それを支える謙虚な
お母さん」を求めています。それが、身だしなみとして表れます。言うまでも
ないことでしょうが、装飾品はマリッジリングだけにし、化粧も香水も控えめ
になさるのが賢明でしょう。
★持参するものをチェックする★
信じられない話ですが、当日に面接票を忘れた方がいたとのことです。緊張の
あまり犯したミスでしょう。こういったことがないように「面接当日に持参す
るもの一覧表」を作っておくことです。
1 面接票(受験票)
2 提出する面接資料やアンケート用紙
3 募集要項や試験当日のスケジュール表(出願後に幼稚園から送られてく
る資料)
4 筆記用具や消しゴム、携帯用辞書
その年だけ、突然、アンケートに記入を求められる場合もありますから、
一応、用意しておきたいものです。
5 両親の上履きやお子さんの運動靴。
6 雨に備えて、雨具を入れるもの、ズボンやソックスなどの着替えも必要
でしょう。
7 あってはいけないことですが、万一の病気に備え、解熱剤や整腸剤の用
意を。
8 携帯電話
事故などで緊急に連絡する場合、携帯電話は欠かせません。持参しても、
マナーモードにすることをお忘れなく。スイッチを切った方が無難でし
ょう。充電もお忘れなく。
9 スイカ、パスモなど。
そして、当日は、ゆったりとした気持ちで出かけるように、しっかりと心の準
備もしておきましょう。そのためにも特訓を行ってほしいのです。と言っても、
特別に難しいことをするわけではありません。
たとえば、話そうと考えている「志望理由」を、テープに吹き込んでみましょ
う。それが30秒を越え1分近くにもなると、ご自身でも長いことがわかりま
す。30秒を越えると、はじめに聞いたことは忘れられがちで、印象に残りま
せん。録音した話を聞き、何回も何回も推敲を重ね、最後に自分自身の言葉で、
きっちりと志望理由を話せるように頑張ってください。そこまでやれば、「記憶
された志望理由」ではなく、「ご自身の言葉で話す育児の姿勢」になっています
し、「園の保育の方針」に限りなく近くなっているはずです。
そのポイントですが、説明会を開催していない雙葉幼稚園の場合を考えてみま
しょう。
1 宗教教育に何を期待しているか。
2 女子だけの教育環境に何を期待しているか。
3 高校までの一貫教育制度に何を期待しているか。
幼稚園を受験するのに、23は必要ですかとお考えでしたら、認識不足だと思
います。男の子はともかくとして、幼稚園は、その後の12年間の教育課程の
スタート点であり、この3点をきちんと考えていけば、自ずと「なぜ、雙葉幼
稚園か!」になるはずです。これを30秒前後にまとめるとなると、そうは簡
単にはいかないでしょう。
さらに、校訓である「徳においては純真に、義務においては堅実に」を、どう
解釈して、ご自身の育児に取り入れているかということです。このことについ
ては、横浜雙葉小学校の説明会(現在は見学会)で聞いた話ですが、簡単に言
えば、「見返りを考えないで、一生懸命に頑張る子を歓迎します」ということで
した。ご両親の育児の姿勢が、「見返りを考えないで、一生懸命に頑張る子を育
てる」であれば、保育の方針と一致していることになります。そうであれば、
普段、ご両親がやっていることを、そのまままとめればいいわけです。幼稚園
側が、普段着で来てくださいという理由は、こういうことなのです。絵に描い
た餅のような志望理由では、説得力はありませんし、それを記憶するだけでは、
「忘れたらどうしよう」といった心配の種になり、当日、しどろもどろになり
かねません。
よく模範回答を教えてほしいといわれますが、私が受験するわけではありませ
んから、できないことです。以前、あるガイドブックに模範例を紹介しました
が、こういった考え方もあるといった観点から、当たり障りのない文章を作り
ました。今読むと冷や汗ものです。
以前にも紹介したかと思いますが、慶應義塾幼稚舎が作文も面接も止めてしま
った理由は、「傾向と対策的な準備が行われている」と判断したからです。同じ
ような作文や回答が多くなったということでしょう。それでは何のための作文
であり面接かということです。
お子さんのためです。質問事項を想定して、自分自身の言葉で答えられるよう
に、繰り返し練習してください。言葉は、とにかく口に出さなければ生きてき
ません。よい印象を与える言葉、それは、ご自身で捜し出すものだと思います。
頑張ってください。
さて、幼稚園に着くと、所定の手続きをして、控室で待ちます。たくさんの親
子が集まりますから、「何だかおかしいな?」などと、お子さんも緊張するかも
しれません。幼児教室へ通っていれば、
「いつもの教室ではなくて、今日は、幼稚園で、いろんなことをして遊ぶので
すよ」
と、うまく導くこともできるでしょう。教室へ通う目的は、もちろん、志望園
に合格することなのですが、お子さんの場合は、「お母さんのもとを離れても楽
しいことがたくさんあることを、きちんと学習しておくこと」だからなのです。
緊張のあまり泣き出すお子さんもいます。お母さんがあわててしまい、なだめ
ようとしますが、うまくいかないと、恐い顔になりがちで、収拾がつかなくな
ります。そういったことにならないよう、楽しい雰囲気を作ってあげましょう。
それには、何といっても、ご両親が普段と変わらないことです。繰り返します
が、それには、志望理由がきちんとできていることです。
控室では、静かに待つことになりますが、2、3歳の幼児には、これが苦手で
す。好きな絵本などを持っていき、読んであげるのもいいでしょう。ただし、
玩具類を持っていくのは止めましょう。他のお子さんも持ってきたいのを我慢
しているからです。普段から、何かを持っていないと落ち着かないお子さんの
場合、その原因を考え、徐々に何も持っていなくてもいいように、しつけてお
きましょう。「当日だけダメ!」は、お子さんに不安を与えるだけです。
入室については、ケース・スタディーでお話しましたから、再度触れませんが、
どういった順序で入るか、ご両親でお決めになり、お子さんと一緒に練習をし
ておきましょう。
そして、面接室へ入ったら止まり、三人そろって横に並んだところで、一呼吸、
入れます。
それから「よろしくお願いします」とお父さんが声をかければ、落ち着きます。
着席する時も、お子さんは誰と一緒にいくか決めておけば、あわてることもあ
りません。お母さんがリードしていくのが自然でしょう。
ここまでの流れがスムーズにいけば、もう、大丈夫です。そのためにも、しっ
かりと、手順を間違えないように練習をしてほしいのです。
幼稚園によって、面接官に向かって左から、父、子ども、母の場合もあれば、
逆に、向かって、母、子ども、父となるところもあります。入室した時に、一
息入れ、指示を待って、それに従いましょう。指示がないからと勝手に動かず
に、お父さんが、「こちらでよろしいでしょうか」と尋ね、それから行動すれば
いいのですから、とにかく、あわてないことです。
お母さんは、お子さんが着席できたのを確かめてから座りましょう。こういっ
たことも、親子で練習をしておけば、何でもないことなのです。質問の受け答
えだけの練習をするのではなく、こちらの一連の動きの方が、もっと大切です。
この動きがスムーズでなければ、緊張を高めることになりがちです。足をしっ
かりと運び、一声出れば、気持ちも楽になるはずです。お父さんへお願いして
おきましょう。照れないでやってください、可愛いお子さんのためです。
お子さんが立ったまま質問を受ける幼稚園もありますが、お子さんは、なかな
かきちんと立っていられないものです。幼児教室へ通っているお子さんは、そ
ういった体験をたくさん積んでいますから心配ないと思いますが、何をしでか
すかわからないのが幼児です。お母さんの方へ寄りかかったりするかもしれま
せん。そんなとき恐い顔で注意せずに、お子さんがきちんと立てる合図を決め
ておきましょう。
「もう少し頑張ろうね」
とやさしく声をかければ、お子さんも安心します。面接の先生方は、そういっ
たときのお母さんの態度を見ているはずだからです。
着席したときに、正面を向いた姿勢で、お子さんを視野に入れておきましょう。
お子さんの面接中に、どんなサインが出るかわからないのが幼児です。助け舟
を求めてきたとき、知らん顔をしているわけにはいきませんから、どういった
対応が、過保護、過干渉にならないか、考えておきたいものです。その目安で
すが、お母さんが面接の先生であったならば、どういう応対がいけないか考え
てみましょう。
お子さんを視野に入れることに関してですが、体は正面を向いたままの姿勢で
あることが大切で、動かしていいのは顔だけです。ぴったりと寄り添ってしま
うお母さんがいますが、あまり格好のいいものではありません。身体全体で過
保護を表していることになりかねないからです。
お子さんに関しては、難しい質問はありませんから、一問一答を、おおらかな
気持ちで聞き取れるお母さんであってください。とんでもない答えをいっても、
即座に訂正したりせず、あわてないことです。
「おやおや、緊張しているのだわ」と、あくまでも保護者の気持ちを忘れない
で下さい。挽回のチャンスが、お母さんへの質問の中にあるはずですから、そ
こをきちんととらえて、対応しましょう。
お子さんや、ご両親への質問でやってはいけないこと、口を閉ざして黙ってし
まった場合などは、ケース・スタディーで紹介しましたから、もう一度、確認
しておいて下さい。
質問が終わり、退出するときも、お父さん、子ども、お母さんの順序で出口に
向かい、そこで止まり、横に並んでから、「失礼します」とお父さんが声をかけ、
出るようにし、お母さんは、最後に会釈をし、ドアを閉めて退出しましょう。
そして、「お父さん、ご苦労さまでした」といえる謙虚なお母さんであってくだ
さい。
絶対に合格します。
しかし、出てしばらくすると、お父さんを非難するお母さんがいるそうです。
合格しないでしょうね。「壁に耳あり」ではありませんが、どこで見られている
かもわかりません。
感じのいいものではありませんから、文句があるなら、幼稚園を出て、お子さ
んにわからないようにやってください。
しかし、不思議なのですが、面接が終わって文句を言うのは、お母さん方で、
そういうお父さん方をほとんど見かけないそうです。これは、いったい、どう
いうことなのでしょうか。男性と女性とでは、どちらに瞬間湯沸かし器が多い
かは、わかりませんが、ご両親の話し合いが、きちんとできていないことに原
因があるようです。
またしても、志望理由になりますが、ここで、3年保育に在園中の受験の場合
を考えてみましょう。
「どうして、通っている幼稚園を変えてまで受験をするのか」、この理由がきち
んとできていないと、幼稚園側を説得することは不可能でしょう。
1年近く通い、園にもなれ、友達もでき、お子さん自身が作り上げた環境を、
親の一存で変えるわけですから、これは大変なことをするわけです。
「受験したが、ご縁がなかったので再挑戦」、「まだ心身ともに通園できるか不
安だったから」、「出産の予定」、「主人の転勤で」、などの場合は問題ないでしょ
うが、転園する理由に妥当性のあることがポイントになるでしょう。
例えば、「お子さんは、毎日、楽しく幼稚園へ行っていますか」などと質問され
たとき、どう答えますか。
こういった質問にも対応できる準備をしっかりしておくことが大切です。
季節の変わり目は、気温も不安定になりがちです。
お子さんの体調には十分気をつけてあげましょう。
(次回は、当日の心構えなどについてお話しましょう)
2017年10月 5日 01:21
さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>志望理由のまとめ方(4)
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「めぇでる教育研究所」発行
「2018さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
第47号
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志望理由のまとめ方(4)
日本女子大附属豊明幼稚園
幼稚園には男の子もいますが、小学校から大学まで女子だけの学園ですから、
別学と16年間の一貫教育校についてまとめてみましょう。
女子だけといっても、ミッション系の学校と違い、川村学園と同様、宗教色は
ありません。
学園の創立者、成瀬仁蔵は、キリスト教の信仰から、神・仏・儒(儒教)・基(キ
リスト教)を統一する宗教的な信念に達し、自ら「帰一協会」を立て、海外に
まで広く伝道活動された方です。
三綱領は、その宗教的な信念によるものですが、○○教といった信仰を対象と
したものではありません。
創立者が、一生をかけた女子教育の基本精神として残された言葉が、「信念徹底」
「自発創生」「共同奉仕」の三綱領です。
これをどう解釈するか、例によってわたし流ですが、こうなるのではないでし
ょうか。
「信念徹底」は、「正しいと考えたことはやり遂げる」ことから「途中であきら
めない子」、
「自発創生」は、「自ら考え、工夫し、実行する」ことから、「遊びに熱中し、
楽しく遊ぶ工夫のできる子」、
「共同奉仕」は、「友達と仲良く遊べる」ことから、「情緒の安定している心の
優しい子」
といえるのではないでしょうか。
こういったことをお子さんに教える育児をしていれば、豊明幼稚園の目指す保
育と一致しているわけですから、これで志望理由になるわけです。
女子だけの教育環境については、前回の別学のメリット、デメリットを参考に
してください。
16年間の一貫教育制度のよいところは、中学、高校は横浜の生田キャンパス、
大学は目白と環境が変わるとはいえ、受験勉強のない、ゆとりのある環境で、
将来、自分の進むべき道を模索できることでしょう。
成城学園幼稚園、立教女学院短期大学附属幼稚園天使園などと同様、制服はあ
りません。
本園とお茶の水大学附属幼稚園は、平成4年から施行された、新しい「幼稚園
指導要領」以前から自由保育です。
この2点については、どうお考えでしょうか。
学園の建学の精神は、ヒューマニズムによる女子教育で、その理念として、
1.女子を女として教育する
2.女子を婦人として教育する
3.女子を国民として教育する
をあげています。これが学園の基本的な方針です。
こういった点を中心に、まとめられてはいかがでしょうか。
ところで、「神・仏・儒・基を統一する云々」とありますが、仏は釈迦、儒は孔
子、基はキリストですが、神はアマテラスオオミカミでしょうか(笑)。
学習院幼稚園
幼稚園から大学までの総合学園に期待することは何でしょうか。初等科は共学
ですが、中高は別学、こういったことも頭に入れて考えてみましょう。
教育の狙いは、少し長くなりますが、紹介しましょう。
「遊びを通して豊かな基礎づくりを」
幼児期における教育は、生涯に渡る人間形成の基礎を培う重要なものです。
学習院幼稚園では、幼稚園から大学までの一貫した教育理念のもとでの、教育
組織の出発点として、正しく、明るく、健やかに幼児を育てることを目的とい
たします。
このため、子どもとしての自然な生活、遊びを大切にしながら、次のことを心
掛けた教育を行っています。
・正直で思いやりのある心。
・正しい生活の習慣と態度。
・自ら育とうとする力。
・社会性と基礎づくり。
かつて説明会で、このように言われたことがありました。
「幼稚園での教育は、花にたとえれば、根っこのところを培っているのです。
子ども達に、正しい心、たくましい心、ゆたかな心を育てたい、そういった思
いで、毎日の保育に取り組んでいます」
小学校の説明会では、低学年に求められる教育姿勢として、18代 安倍能成
院長の、
・嘘をついてはいけない。
・素直な人間になりなさい。
・他人に思いやりのある人間になりなさい。
幼稚園から小学校低学年の目指す教育方針ですが、皆さん方が、こういったこ
とを大切に育児に取り組んでいれば、共通認識になるはずです。
また、模擬面接で志望理由をうかがうと、「共学の良さ」に触れないのですが、
皆さん、共学の経験者が多いものですから、うっかり落としてしまうようです。
初等科が共学であることも大切な志望理由になると思います。
参考までに、共学のメリット、デメリットを上げておきましょう。
メリットは、小さい時から、自然に男子は女子を、女子は男子を理解するよう
になり、男子は男らしさ、女子は女らしさを身につけることができることでし
ょう。つまり、お互いに助け合い、特性を生かし、それぞれの領域を分担する
ことで、競争心が芽生え、負けないように頑張ることができます。
デメリットは、男子に優しさが育まれる反面、男子を厳しく指導したくても、
女子がいることで徹底しにくい点や、女子は言葉がきつくなり、敬語や丁寧語
が、あまり使われなくなることではないでしょうか。
こういったことを参考にまとめてみましょう。
日出学園幼稚園
共学で、高校までの12年間の一貫教育制度をとる学園の幼稚園です。学園は
校舎を新築し、それに伴い平成21年(2009)夏、元中高の跡地に新築さ
れた園舎に移転。園舎は、これまでの雰囲気であった木のぬくもりを残し、園
庭も従来と同様、木々に囲まれた砂地で、芝生、池など、園児たちの心を育む
園のキャッチフレーズ「太陽と自然と友だち、遊びを通して生きる力を育む保
育」に欠かせない環境となっています。
学園の校訓
誠(なおく)至誠を基とし中正の道を尚ぶこと。
明(あかるく)明朗快活にして、責任を重んずること。
和(むつまじく)和衷協同して、苦楽を共にすること。
中正(ちゅうせい)は立場が偏らず正しいことで、和衷協同は心を同じくして
ともに力を合わせることですが、幼稚園ではやさしい言葉で、より具体的に以
下のような目標を掲げています。
教育理念
太陽と自然と友達に恵まれた幼稚園生活で、生きる力と自ら行動する力を育む。
・遊びをとおして、はつらつとした明るい子どもを育てます。
・友だちとのふれあいの中で、思いやりや協調性を育てます。
・自然の中で、遊びを大切にしながら子どもの自主性やチャレンジ精神を育
てます。
・幼稚園生活を通して、基本的な生活習慣を身に付けます。
・子どもたち一人ひとりに、生涯にわたる「学び」の基礎を築きます。
新任の鍛冶礼子園長は、
「幼稚園は人生で初めて出会う学校です。日出学園幼稚園で大切にしているの
は、子どもらしい自然な生活の中で生き生きと遊ぶこと、豊かな遊び・空間を
引き出すことを保証することです。また、一人ひとりにきめ細かく対応する教
育の中で、約束やけじめの大切さ、個々に合わせた創造力、表現力を養ってい
きます」とおっしゃっています。
土の感触を楽しみながら体を鍛え、夢中になって遊べる環境から、基本的な
生活習慣を身につけさせ、様々なことにチャレンジする意欲、そして共生の心
を育む保育の姿勢がうかがえます。
小学校が共学について、設立当時、共学の良さを強調していました。
「男女の理解協力は、人間本来の姿である。本学園は、潤いのある教育環境
の中で、
円満な社会性を身につける人間関係を理想としている」
(昭和62年版 東京・横浜・千葉・埼玉学校案内 梧桐書院 刊)
ところで、体験保育の新たな取り組みである「わくドキプロジェクト(英語を
含む5つのプログラム)」や小学校教育につながる基礎力を見据えた「幼小連携
カリキュラム」も始まりました。「新しい取り組みについていかがお考えでしょ
うか」といった質問があるかもしれません。
一貫教育についてですが、東日本大震災以降、小学校からの受験を控え、精神
力も体力も培われた中学生になれば、都内の学校へも無理なく通えると、中学
受験に期待する皆さんが増えているようです。学園も一時、小中高一貫教育で
大学を目指すことを目標にしていましたが、現在では、過去の実績でもある中
学受験のノウハウを生かし、進学指導にも力を入れ、成果を上げています。
12年間のゆとりのある教育環境で、じっくりと勉学に励み、自力で大学の門
を叩くか、中学で受験するかは、まだ先のことですが、こういった選択もある
ことを頭に入れ、ゆとりある教育環境のよいところも考えておきましょう。
以上3回に分け、「志望理由のまとめ方」についてお話しましたが、基本的には、
まず志望する幼稚園の保育に賛成していること。そして、学園全体の教育制度、
共学か別学か、高校までか大学まで、そして宗教教育かを考慮されて、総合的
に組み立てていくことが大切です。目標に向かってラストスパートをかける時
期に入りました。次回は、合否のカギを握るとも言われている面接ついてお話
し致します。
先週の台風で、川越も強風と大雨がふり、近くの雑木林のどんぐりが、たくさ
ん落ちていました。川越名物の芋畑の葉も青々と息を吹き返し、間もなく、園
児たちの芋ほりで賑わいます。気温が下がった途端、ホバリングする赤とんぼ
が姿を現し、秋の気配が濃くなってきました。体調を崩さないように、頑張っ
てください。
(次回は、「面接について」お話ししましょう)
2017年9月28日 01:21
さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>志望理由のまとめ方(3)
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「めぇでる教育研究所」発行
「2018さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
第46号
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志望理由のまとめ方(3)
白百合学園幼稚園
宗教教育を行い幼稚園から女子だけの教育環境で、大学まである総合学園、こ
の3つについてまとめてみましょう。
学園の目的
「本学園は幼稚園から大学に至るまで一貫して、キリスト教精神に根ざした価
値観を養い、神と人の前に誠実に歩み、愛の心で社会に奉仕できる女性を育成
することを目的としています」
宗教教育については、平成9年、本園が初めて説明会を行った時に、清水園長
は、こうおっしゃっていました。
「幼稚園だけではなく、小学校、中学、高校、大学を通して、宗教教育をかな
り深くいたしますので、信仰する、しないは自由ですが、やはり、おうちの方
々のご理解がなければ難しいと思いますので、そういう点はお含みおきいただ
きたいと思います」
信者にするわけではありませんが、園の生活は、祈りから始まり祈りで終わり、
年間を通じて宗教行事が行われますから、ご両親もしっかりとサポートし、お
子さんと共に学んでいく姿勢が求められます。
別学の経験のない方、特にお父さん方、3年保育からご縁があった場合、大学
まで19年間、お嬢さんは女子だけの教育環境になりますが、それについては
いかがでしょうか。
もっとも大学まで進む生徒は、学部の関係で少ないようですから、あまり心配
することはありませんが、面接の際に、「私どもは女子だけの学園ですが……」
といった質問があった時、戸惑うようでは困ったことになります。
「ゆとりある環境の中で、自分の進みたい道を見つけ、そのために大学受験が
必要であれば、娘に任せるつもりです」といった気持でいいのではないでしょ
うか。
共学の大学で学ぶ機会は残されているわけです。
別学については、ご両親共に経験がなければわからないことが多いのではない
でしょうか。
別学の良いところは、男女の特性を生かした教育ができることで、共学とは違
った意味での男らしさ、女らしさが身につき、異性がいないことから、男子は
女性に憧れる気持ちが、女子には男子を尊敬する気持ちが育まれやすい環境に
あることでしょう。
また、共学では体験できないことが、例えば、男子のする仕事も女子がしなけ
ればならないことから、体験の幅が豊かになるとも考えられます。
その半面、女子が、あるいは男子がいない不自然さは否めないでしょう。
また、同性同士のため、男女がお互いに何かをすることがありませんから、助
け合う気持ちが育ちにくく、羞恥心に欠けがちで、いわゆる男の悪さ、女の悪
さが身につきやすい環境ともいえるのではないでしょうか。
これは、一般的な考え方ですから、ご自身の考えをまとめる参考にしてくださ
い。
学園のモットー、校訓をどう解釈するかも大切なポイントです。
従 順 良心に従って正しい行動がとれるように。
勤 勉 意志の強い自立性にとんだ子どもとなれるように。
愛 徳 心身ともに健康で協調性にとみ、喜んで人につくし、人からも愛され
るように。
清水園長の話が参考になると思います。
「校訓である三徳については、幼稚園ではもう少し具体的に、“つよく、やさ
しく、まっすぐに”と教えております。このようなことを、小さい時期から、
毎日の生活の中で体験し、積み重ねながら、追求していくようにしています」
「勤勉・従順・愛徳の三徳に賛同いたしまして」というより、ご両親が「つよ
く、やさしく、まっすぐに」を育児の姿勢としていれば、そのまま志望理由に
なるわけです。
モンテッソーリ教育については、説明会で育児と関連した説明になっていると、
参加したお母さん方から聞いていますので、その時に感じたことをまとめられ
るといいでしょう。
私が参加していた頃には、「自分で選び、自分でかかわり、自分で創る」とい
った説明が印象に残っています。」
年長、年中、年少の同年齢のクラス編成ではない縦割り編成について、清水園
長は、
「メリットはたくさんありますが、その中で主なものとしましては、社会性が
育ちます。そして、上下関係がありますので、お互いの尊敬心、やさしい思い
やりの心、そういったことが自然と保育の中で育っていく、とても素晴らしい
編成だと思っています」
と話していました。
幼稚園の望む子ども像は、やはり清水園長の話が最も的を射ていると思います
ので、最後に紹介しておきましょう。
「私どもが希望しておりますのは、小さい時から、入園テストとか面接を受け
て訓練されることではなく、むしろ日常生活の中で、特にお父様、お母様の生
きたお手本の中で育てられたお子様方、そして年齢相応に基本的な生活習慣が、
これはまだ、完全にできませんから、ある程度、身についているお子様方、明
るく、素直で、生き生きとしているお子様、そういう子ども達を希望しており
ます」
「生きたお手本の中で育てられたお子様」、これが全てではないでしょうか。
雙葉小学校附属幼稚園
幼稚園には若干名、男の子もいますが、高校まで女子だけの、宗教教育を行う
学園ですから、宗教教育、女子だけの別学、高校までの一貫教育についてまと
めてみましょう。
教育目標は、
「学園の校訓に基づいて、伸び伸びとした子どもらしさの中に、誠実で、けじ
めのある子どもに育てる。特に、幼稚園生活の中で、カトリックの教えを聞き、
神様に守られていることを知り、神様とお話しできるように育てる」
とありますが、問題は、校訓でしょう。
校 訓
神に対しても、人に対しても、自分に対しても誠実に
「徳においては純真に、義務においては堅実に」
自分のすることは、努力と責任をもって、最後までやり遂げるよう
(以前のHPに掲載されていたものです)
私流に解釈すれば、「徳においては純真に」は、幼児の場合ですからご両親の
育児の姿勢として、何かをしたときに見返りを要求する、そういったことのな
い子に育てることではないでしょうか。
ママのお手伝いをしたときに、「ママ、お手伝いしたから、何かください」で
は、見返りを考えているわけですから、純真とは言えません。
また、「義務においては堅実に」は、3歳を過ぎれば自立の時代に入っている
のですから、親に手伝ってもらわなくても、できることがたくさんあるはずで
す。
基本的な生活習慣もその一つです。
4歳になれば、家族の一員としてお手伝いも始まります。
3歳児、4歳児ならば、できることができない、やろうとしないのでは、「義
務においては堅実に」とは言えません。
過保護、過干渉な環境からは、「純真で堅実な子」は育たないでしょう。
かつて、横浜雙葉小学校の説明会で、「人のためにも自分のためにも、一生懸
命に頑張ろうとする子を育てるご両親を歓迎します」とおっしゃっていました。
この校訓から、私学の幼稚園が求めているのは、「堅実な家庭を築くお父さん、
それを支える堅強なお母さん」であることを、イメージできるのではないでし
ょうか。
宗教教育、女子だけの別学、高校までの一貫教育校の3つに加え、最後の幼稚
園側が求める両親像を参考にまとめてみましょう。
ところで、7月21日に行われた小学校の説明会に参加した折り、玄関のとこ
ろで案内をされていた先生に、「美智子皇后が、ご成婚記念に植樹をされたメ
タセコイアの木が1本残っていると聞いたのですが」と尋ねたところ、校庭の
一角、修道院の裏側に、5階建ての中高の校舎と同じ高さの大きな杉の木を紹
介され、びっくりしました。
幼稚園、小学校を本学園で過ごされ聖心女子学院へ進まれた美智子皇后、ご成
婚は昭和34年(1959)4月10日、もう58年前になりますから当然で
すが、幼稚園の前からも見ることができます。
台風接近で急に寒くなり、今日18日は台風一過で真夏日に。近所の不老川の
岸辺には、彼岸花が咲いていました。秋はそこまで来ています。あと一息です、
頑張りましょう。
(次回は、「志望理由のまとめ方(4)日本女子大附属豊明幼稚園・学習院幼
稚園」についてお話ししましょう)
2017年9月21日 01:21
さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>志望理由のまとめ方(2)
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「めぇでる教育研究所」発行
「2018さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
第45号
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志望理由のまとめ方(2) 今回から4回に分けて、主な幼稚園の志望理由のまとめ方についてお話しまし ょう。 幼稚園の受験だからと、受験する学園全体のことを考えない方がいらっしゃい ますが、やがて、小・中・高、または小・中・高・大と進むのですから、全体 を見据え、きちんと考えをまとめることが大切です。 紹介する幼稚園の情報は、めぇでる教育研究所発行の小冊子「幼稚園入園試験 面接編」の「一言、アドバイス」から抜粋したもので、現在、暁星幼稚園、 学習院幼稚園、青山学院幼稚園、雙葉小学校附属幼稚園、白百合学園幼稚園、 東洋英和幼稚園、日本女子大附属豊明幼稚園、日出学園幼稚園、昭和学院幼稚 園の9園を発売しています。詳しくは、当研究所へお問い合わせください。 暁星幼稚園 幼稚園には、女の子も若干名いますが、小学校から男子だけの教育環境で、宗 教教育という特殊な保育(教育)をし、系列校は高校までの一貫教育校です。 この3つについて考えましょう。 宗教については、教育目標の中に、「神を信じ、神に守られていることに気づ き、祈る心を育む」とあります。 ご両親は、何でもありの価値観の多様化する世の中で、小さい頃から絶対的な 価値観、マリアの教えに基づく教育を受けさせたいと考えているのではないで しょうか。 入園するとお子さんの生活は、祈りで始まり、祈りで終わる毎日を送ることに なります。信者ではないご家庭の方が多いわけですから、「入園後に子どもと 一緒に学ばせて頂きます」といった姿勢があればいいわけです。 かつて、掲げられていた教育目標に、「幼児がみんなで力を合わせながら、一 つのことをやり遂げる喜びを学ばせる」がありましたが、これは、サッカーを 考えると理解できます。 サッカーは、11人が力を合わせて戦う球技で、相手をできるだけ自分に引き 付け、味方の選手にボールをつなぎ、最後にゴールポストにシュートできるの は、“only one”、たった一人だけです。 全員で己を捨て、最後の一人に得点を託すスポーツです。 個人の技術をチームワークでつないでいく、ここに暁星学園の基本的な教育方 針があるといえるのでなないでしょうか。 男子だけの教育環境に期待することは何でしょうか。 これは立教小学校の説明会でうかがった話ですが、「男子は女子と比べ発育が 遅いので、女の子との差が出がちだが、男子だけの場合、発育にあった無理の ない教育ができる」とおっしゃっていましたが、これは当たっているのではな いでしょうか。 ちなみに小学校は「鍛える教育」を目標にしていますが、小学校の正門に、 「困苦や欠乏に耐え、進んで試練の道を選ぶ気力のある少年以外は、この門を くぐってはならない」と刻み込まれたプレートが掲げられています。 平成25年まで小学校の玄関の下駄箱の上にあったため、校内見学をする時に しか見られませんでしたが、説明会(9月13日水曜日)は学園の聖堂(講堂) で行われますから、その帰りに正門を出て左に沿って歩いていけば、九段中学 校の先に小学校があり見ることができます。 この言葉から考えると、幼稚園では、「幼いながら、幼いなりに、自分の気持 ちを抑え、自分のことは自分でやろうとする意欲のある子」を求めていること もわかります。 その「鍛える教育」ですが、小学校の説明会で佐藤前校長(現園長)は、目標 は日本昔話の金太郎などのキャラクターでもある、「気は優しくて、力持ちで す」とおっしゃっていました。 男子校の良さ、期待することは何でしょうか。 最後に、高校までの一貫教育制度についてです。 「幼稚園や小学校は、私達、親がよかれと考え選びますが、大学の選択は、自 分の人生の道標になるのですから、自分の力で挑戦すべきでしょう。大学受験 を経験し、自分達の生きる社会は、競争の社会であることを、学校を出る前に、 身体で知っておくこともいいと思いますね」と考えるお父さん方が多いもので す。 中学、高校の受験がないわけですから、14年間のゆとりのある教育環境で、 じっくりと勉強に取り組み、自分自身を磨き、将来を設計していく、これが一 貫教育制度の良いところですから、こういったことからまとめてみましょう。 宗教教育、男子だけの別学、14年間の一貫教育校、この3点を基本に整理す ると、志望理由が明確になるはずです。 園舎見学会は、9月20日(水)14:00~15:00に行われます。詳し くはホームページをご覧ください。 青山学院幼稚園 宗教教育を行い、共学で、大学まである総合学園です。 「青山学院幼稚園は、青山学院の教育方針に基づき、豊かな自然の中で、いろ いろな人と共に生活することにより、神様の恵みと生活を感じ、祈りと感謝と 喜びの生活が実現できる保育を目指す」、これが保育理念です。 とあることから、志望理由として、 「神様の恵みと生活を感じ、祈りと感謝と喜びの生活が実現できる保育に賛同 いたしまして……」と言ったとします。 「では、日常の育児に、どのように取り入れていますか」と質問されて、返答 に詰まるようでは、志望理由になりません。 保育目標 青山学院幼稚園の保育は、 神様や周りの人に愛される体験の中で、祈りのうちに生活する。 自然の中で生活し、神様の存在を身近に感じ、恵みとして与えられた環境を 大切にする。 感謝と喜びのうちに生活し、まわりの人に対する信頼感、思いやりの心をも つ。 意欲をもって生活し、よく聴き、よく見る、よく考える。 それぞれに与えられた力を十分に発揮し、お互いをかけがえのない存在とし て認め合う。 保育の目標は、「祈りと感謝と喜びの生活」をわかりやすい言葉に置き換えた ものです。 「毎日、友達と仲良く遊び、思いやりのある、頑張る子に育てたい」、こうい ったことを育児の基本として大切にしていれば、キリストの教えを実践してい ると考えられないでしょうか。 これが、幼稚園側のいう「ご家庭の育児の方針と幼稚園の保育の方針に共通認 識がある、つまり、一致している」ことになるわけです。 倫理、教理と難しく考える必要はありません。 信者でなければ、知らなくて当たり前のことですから、「ご縁がありましたら、 子どもと共に学ばせて頂きます」という姿勢で臨めばいいのではないでしょう か。 青山学院は、ミッション系でも珍しく共学です。 これも大切な志望理由で、なぜ、共学がよいか多くの方が体験していることで すから、それをもとにまとめましょう。 大学まである一貫教育制度については、幼稚園から大学まで進学できる制度で すが、もっとも大切なのは、19年間、同じ教育理念で指導を受けるシステム であることです。 19年間、受験勉強がないゆとりのある環境に、何を期待しますか。 ところで、初等部には、ランドセルも通信簿もありません。 ランドセルがないのは、勉強は学校で、生活習慣、しつけは家庭でする、これ も初等部が大切にしている教育方針です。 幼稚園も同じ、いや、もっと厳しいかもしれません。 「しつけや基本的な生活習慣は幼稚園で」などと考えるお母さん方がいると聞 きますが、それでは受験資格はありません。 そして、これは、あまり知られていないことですが、ぜひ、青山学院のホーム ページを開き、「教育」の欄の「国内短期留学」の「止揚学園」を見てください。 学院は、「すべては教場である」という教育を実践している学校でもあるのです。 宗教教育、男女共学、19年間の一貫教育校、この3点を基本にまとめてみま しょう。 親子模擬面接は受けられましたか。 奥さんやお子さんがどのような反応を示したか、おわかり頂けたのではないで しょうか。実際の面接ではどうするか、しっかりと対策を立て、毎日の生活の 中で実践しておきましょう。幼児は、急に変わることはできないからです。 (次回は「志望理由のまとめ方(3)白百合学園幼稚園と雙葉小学校附属幼稚 園」についてお話しましょう)
2017年9月14日 01:21