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めぇでるコラム
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>[2]5つの試験形式(5) 面接テスト
■■[2]5つの試験形式■■
(5) 面接テスト
最後は、面接テストです。
ほとんどの学校は親子面接ですが、青山学院初等部、立教小学校、学習院初等
科、成蹊小学校のようにお子様の面接のない両親面接のところもあります。
面接は、ほとんどの学校で考査前に行われていますが、日本女子大学附属豊明
小学校、国府台女子学院小学校のように考査後に、
学習院初等科、成蹊小学校のようにお子さんの考査当日に、
暁星小学校、早稲田実業学校初等部のように一次試験合格者のみに行う学校も
あります。
少し古くなりますが、雙葉小学校は母子面接でしたが、平成20年から父親も
参加する親子面接になりました。これは歓迎しましたね。それまでお母さんが
一人で苦労していたからです。
また、両親面接であった暁星小学校は、平成25年から親子面接になりました
が、試験間近の9月の説明会で公表しただけに、周りの父母の皆さん方から、
「エッ!」といった驚きの声も聞こえ、直前講習に面接の講座を設けた教室も
あったようです。
両親面接の学校は、形式に変更がないか、ホームページに目を通しておきまし
ょう。
小学校側が面接をする目的は、ご両親が考え、実行している育児の方針と小学
校の教育方針に、共通認識があるか、限りなく同じ方向に近づいているかどう
かを知ることです。
まず、大雑把に分けて説明しましょう。
「私どもは、共学で、宗教色のない小学校を希望します」
の場合は、慶應義塾幼稚舎、学習院初等科、成城学園初等学校、成蹊小学校、
早稲田実業学校初等部、千葉日本大学第一小学校があります。
「共学で、宗教教育をやっている学校が、いいですね」
となると、ミッション系の青山学院初等部、玉川学園小学校、聖学院小学校、
仏教の淑徳小学校などでしょう。
「男子だけの学校を考えています」
となれば、立教小学校か暁星小学校です。
「女の子で一人っ子ですから、女子だけの宗教教育をやっている学校が、合っ
ていると思いますけど」
たくさんあります。
ミッション系では、雙葉小学校、田園調布雙葉小学校、横浜雙葉小学校、白百
合学園小学校、聖心女子学院初等科、東洋英和女学院小学部、立教女学院小学
校、光塩女子学院初等科、仏教系では国府台女子学院小学部、この辺で勘弁し
てください。
「女の子だけの学校で宗教教育をやっていない学校を希望します」
の場合は、日本女子大学附属豊明小学校、東京女学館小学校、川村小学校でし
ょう。
東京女学館大学は、残念ながら来年3月に閉校となります。
「私どもの子は、一人っ子ですから、受験で苦労させたくないのですが」
となると、大学まである小学校を選ぶことになります。この発想は、あまり歓
迎できませんが、過保護にならないことを祈っています。
「それがいやなんですよ。生きることは競争です。社会人になる前に、自分の
能力を確かめられる受験を体験させておきたいのです!」
となれば高校まである小学校を選べば、いいですね。暁星小学校、日出学園小
学校、昭和学院小学校(短大まであります)、桐朋小学校、桐朋学園小学校、
森村学園初等部でしょう。桐朋は、小学校は共学ですが、中学から国立にある
桐朋中学校は男子校に、調布市仙川にある桐朋女子中学校は女子校と別学にな
ります。
国立市にある国立学園小学校は、幼稚園と小学校だけの特殊な学園で、千葉に
ある聖徳大学附属小学校は、中高は女子だけですから男子は受験となりますが、
目的は名門中学校への受験でしょう。中学校への進学状況は、ホームページで
確認できます。
こういった、大雑把な希望から方向を定めて、それから、それぞれの小学校の
教育方針と我が家の育児の方針が、合っているかどうかを検討するわけです。
幼稚舎の教育方針がわかりやすいので、紹介しておきましょう。作文も面接も
なくなりましたが、願書には、志望理由を書きますから参考にしてください。
幼稚舎の徳育の根本は、独立自尊の精神にあります。その規範となるものが、
「幼稚舎修身要領」(10か条)です。これは通信簿の第1ページにも記して
あります。成績よりも前に目を通してほしい大切な事項だという意味です。新
1年生になった時に3つの約束をしますが、「幼稚舎修身要領」の中から特に
大切なものを取り上げたものです。
1つ、うそをつかない。
2つ、お父さん、お母さん、先生のいいつけを守る。
3つ、自分でできることは自分でする。
これは福沢諭吉の精神を表した「幼稚舎修身要領」(10ヶ条)の中から、特
に大切な項目を選んだものです。(「子どもと向かい合う教育」 元慶應義塾
幼稚舎長 川崎悟郎 著 リヨン社 刊)
普段、子どもにいって聞かせていることを考えると、
「うそをついてはいけません!」
「約束は、守りなさい!」
「自分でできることは自分でしなさい、お母さんを頼っても知りませんよ!」
だとします。これを破ると、叱り、諭しているとします。そうであれば、お母
さんの育児の姿勢と幼稚舎の教育方針は、一致していることになります。
そして、共学が自然だと思っているとします。
宗教教育は、両親共に経験がないので、なじめないものがあると考えていたと
します。
大学まであって、受験戦争に参加しなくて済みますし、学部がたくさんありま
すから、将来、目指す道が広いのも魅力だと思っているとします。
通学に約1時間、しかし、体力、気力ともに心配ないとしましょう。
たくさんお金はかかりますが、頼れる祖父母が健在です。冗談、冗談です。幼
児には、「シックス ポケット」があるといわれています。両親には、祖父母
が二人ずついて、教育資金となるポケットが6つあるということです。
こういう図式ができていれば、面接があったとしても、幼稚舎を選んだ理由を、
きちんと胸を張って説明できます。これが、面接の目的です。
幼稚舎の他にも、面接を実施していないのは、桐朋小学校、桐朋学園小学校で、
その理由ですが、以前にも紹介しました、桐朋学園小学校の鈴村元校長の話を
思い出してください。文言は正確ではありませんが、次のような内容でした。
「大人は、趣味を尋ねられると、本当は、競馬、競輪などの博打が大好きで
も、『趣味は、読書と音楽鑑賞です』と平気でいうものです。演技もできます。
ですから、やっても無駄なのです。本音をおっしゃいませんから。しかし、子
どもを2日間預からせてもらうと、子どもは正直ですから、みんな本当の姿を
見せてくれます。育てられている環境は、わかります。ですから、私どもでは、
面接をしないのです」 (注 桐朋学園小学校のテストは二日間)
その通りではないでしょうか。大人は、猫をかぶりますから、面接は、ニャー
ニャー大会かもしれません。子どもは正直で、演技をしませんから、育てられ
ている環境を、そのまま見せてくれます。
ですから、面接で、つけ焼刃は効かないのです。
また、慶應義塾幼稚舎では、紋切り型のステレオタイプ的な回答が増え、面接
をやる意味がないと考え、廃止したと伺ったことがあります。
なお、国立附属小学校では、お茶の水女子大学付属小学校、学芸大学付属竹早
小学校(子供のみ)、埼玉大学教育学部附属小学校以外は面接をやっていませ
ん。(平成26年12月実施のもので、今年のものではありません)
面接では、付け焼刃は効かないとお話ししましたが、入学試験そのものも、メ
ッキでは駄目なのです。メッキは、はげるものです。以前、紹介しました、あ
るミッション系の校長先生の言葉を思い出してください。
「入学試験に必要な知識や礼儀作法なるものを、泥縄式に詰め込み、『受験準
備、事足れり』とお考えでしたら、それは誤りであることに気づいてほしい」
繰り返しますが、その通りではないでしょうか。赤ちゃんを育てたとき、あれ
これと泥縄式に詰め込みましたか、お母さん。そんなばかげたことは、しなか
ったはずです。子どもの成長に合わせ、一歩一歩、ゆっくりと、一緒に、階段
をのぼってきたのではありませんか。その心は、「できるまで待ってあげよう、
忍の一字」ではなかったでしょうか。小学校は、無理やり受験戦士に育てられ
た子を望んでいません。
子どもの知育は、子ども自身が、「知りたい、識りたい」と、身体、全体から、
ふつふつと湧き出るときに、与えるものであることが大切なのです。モンテッ
ソーリの「その時期に最も活動が盛んになり成長する敏感期」です。お子さん
の成長を見極め、学習するためにふさわしい環境を作ってあげるのが、親の役
目です。主導権は、子ども自身にありです。それを、親が握り締めていないで
しょうか。勉強だけではなく、遊びまでもです。
やはり、親は、教育に関して信念というか哲学を持つべきだと思います。しか
し、これを言うのには、勇気が必要です。小学校の受験にしても早期教育にし
ても、私たち親は、子どものためによかれと思って始めますから、「そんなこ
とは、余計なお世話だ!」となりがちです。
そこで、来年1月から、国立、私立小学校の入試問題を紹介し、就学前に何が
必要なのかをお話ししましょう。誤った受験準備をしないことが、お子さんの
ためだからです。
(面接に関する情報は平成27年12月現在のものです)
(次回は、「よくある質問」についてお答えしましょう)
カテゴリ:
2015年12月10日 11:54
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最終回
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さわやかお受験のススメ<小学校受験編>合否の鍵を握るのは、お父さん方の志望理由 2
1.宗教教育 2.別学 3.高校までの一貫教育 4.賛同できる教育方針
試験の難しさから、千葉の白百合学園などとおっしゃるお母さん方もいます。
高校からの大学進学状況を見てもうなずけますね。
大変難しい言葉ですが、わたし流に考えると以下のようになります。
「敬虔」は、仏につつしんで仕えることから、深く敬って態度をつつしむこと。
「勤勉」は、努めて骨を折ることから、何事も一生懸命。
「高雅」は、気高く雅(みやび)やかなことから、誰からも愛される気品。
い子」といった子ども像が浮かんでこないでしょうか。そういった子に育って
ほしいと考え、育児の基本としているご両親であれば、学校の教育方針と一致
していることになります。
以前、校是を俳句もどきに、
ひたむきで つつしみぶかく みやびやか
などとお母さん方に紹介したこともありました(笑)。
説明会場である寿光殿の右側にある図書室の前に慈母観音像が安置されていま
す。バチが当たるかもしれませんが、まさに「ひたむきで つつしみぶかく
みやびやか」なお姿で、学園のイメージではないでしょうか。作者は、広島平
和公園の「祈りの像」で知られている著名な彫刻家、横江嘉純氏です。
1.共学 2.高校までの一貫教育 3.賛同できる教育方針
昭和の場合、平成14年まで、中高は別学でしたが、15年から共学になりま
した。
「共学が自然だ」とおっしゃる方が少ないのですが、日出学園の場合は、「男
女共学が自然」
と設立趣意書にも掲げられています。ゆとりのある12年間の共学制度、これ
も大切な志望理由になります。
日出学園の創立当初からの図書館教育、蔵書は2万冊を超え、本に親しむ機会
に恵まれています。校舎見学の時に、私が読みたいと思っていた、みすず書房
から出版されている「日本伝説体系」15巻があったのにはびっくり。そして、
一点一画、丁寧に指導を受けている書写、この点をきちんと整理しておきたい
ものです。
小説などの名文をその通りに書き写すことですが、駆け出しの頃、仕事先のあ
る編集者から、「松本清張の短編を視写してごらん」と言われ、表現の技法や
構成の仕方、表現のルールなどを覚え、大変勉強になったことを思い出します。
私の経験では、名文を覚えますし、漢字を覚え、語彙も増え、字もうまくなり、
素晴らしい学習になっていると思います。
両校とも、HPで確認しておきましょう。
1.共学 2.小学校までの一貫教育 3.賛同できる教育方針
目指すは中学校受験、「有名中学校受験のため」とあからさまには言えませんが、
その勉強に取り組む姿勢、方針に賛同することはないでしょうか。模擬面接で
も、「小学校時代は通学に無理をさせずに、心身ともに強くなる中学受験で挑
戦させたい」と考えるお父さん方が多いのですが。
校訓など学園全体の方針に賛成していることを整理すれば、視野も広くなり、
理解を深め、志望理由も万全なものになるのではないでしょうか。そのために
も、もう一度、各小学校のホームページにアクセスしましょう。新しい情報や、
見落としていたことなどを発見できるかもしれません。
小学校受験の合否の鍵は、「お父さん方の志望理由5割、お子さんの成長度5
割」と言われています。慶應義塾幼稚舎や桐朋小学校など面接を実施していな
い学校もありますが、志望理由がはっきりとしなければ合格はむりでしょう。
可愛いお子さんのためです、最善の努力をしてください。
その努力とは、「志望理由など質問事項を想定し、口答できちんと言えるよう
にすること」です。願書に書かれたことをそのまま覚えてお話しするのは不自
然ですし、それが原因でうまく話せないケースが多くみられます。
なぜでしょうか。それは、願書に書かれた文章は書き言葉であり、話し言葉に
なっていないからです。
また、いくら素晴らしい回答を練り上げても、言葉で表現、声を出してお話し
できなければ、どうにもならないのが口頭試問だからです。声を出して読んで
ください。不自然なところはすぐにわかります。
現が多くなったから」とおっしゃったことがありましたが、紋切り型の回答が
多くなったからでしょう。桐朋小学校、桐朋学園小学校も面接をやりませんが、
かつて桐朋学園の鈴村校長は、「私どもが面接をやらないのは、例えば、お父
さん方に『趣味をお聞かせ下さい』とお尋ねしても、例え競輪、競馬が大好き
でも、『読書と音楽鑑賞です』とおっしゃるのではないでしょうか。ですから
面接をしませんが、私どもはお子さんを2日間お預かりしますから、そこでい
ろいろなことがわかるのですよ」と、例によって文言は正確ではありませんが、
こうおっしゃったことがありました。面接をしなくても、お子さんがご両親の
育児の姿勢をきちんと見せてくれるということです。面接も同じことが言えま
す。メッキは剥げます。ですから、お子さんに不自然な言葉遣いになるような、
大人の考える模範回答なるものを教え込むべきではありません。
始めたことです。お子さんは、この1年もしくは2年、一所懸命に頑張ってき
たのですから、その努力に報いるべきではないでしょうか。頑張ってください。
最後のダメ押しとして、面接の質問についてその意図を解説した「お父さん、
お母さんの受験対策」(幼稚舎をはじめ25校の小冊子)をお勧めします。詳
しくは当研究所のHPをご覧ください。
小学校が残っていますが、これといってお知らせする情報はありませんでした
ので、初等教育の基本について、幼稚舎と成蹊小学校で毎年、聞くことのでき
る話を紹介しておきましょう。
戦後すぐに、幼稚舎長を務め、今の幼稚舎の理念を作られた吉田小五郎先生
がおられたが、先生は、次のように述べられている。
「神さまは、よくしてくださったもので、学校の成績が悪くとも、他に優れた
ことをたくさん授けてくださったことに気づかずにいる。例えば、ひょうきん
でお友達に人気がある、図画や工作がうまいとか、けんかに強いとか、木登り
が上手だとか、かけっこが速いとか、おばあさんに親切だとか、動物が大好き
で世話をよくするとか、言葉がきれいだとか、物事を熱心にやるとか、人の悪
口を言わないとか、これだけで、もう立派なんですよ。成績が悪いだけで、劣
等感を持つことはありません」
戦後、すぐですからもう70年前の話になります。
どれが良いかということは言えないのです。人はそれぞれの父母から受けた価
値観によって、人格は形成されます。ですから、どの価値観が正しいか、間違
っているかということは言えません。それより自分が持っている価値観を、ど
うやって我が子に伝えていくかということが、大切になってくるのではないで
しょうか
(平成28年7月9日 於 自尊館)
自尊館のロビーには、福澤諭吉の「人生萬事戯来戯去」の書が掲げられていま
す。間違っているかもしれませんが、わたし流に解釈すれば、「たかが人生、
されど人生だが、何事にも懸命に取り組め」という意味ではないでしょうか。
「これまでの教育は、あまりにも子どもを可愛がり過ぎたと思います。甘やか
し過ぎたのです。そして、大切な子どもを意気地なしにしてしまったのです。
子どもは、もちろん、可愛いに違いありません。可愛いからこそ、しっかり訓
練して、物の役に立つように仕立て上げなければならないのです。可愛いから
こそ、うんといじめ抜いて、真剣になるような気分を作ってやらねばならない
のです。
子どもを可愛がるには、2つあると思います。1つは近いところを見て可愛
がるもので、他の一つは遠い将来を見て可愛がることです。近いところから見
て可愛がれば、いきおい子どもの言いなりにして、わがままをさせるでしょう
が、遠い将来に幸福になれと祈る上からは、幼少時から、少しずつでも苦労さ
せるのが薬というものです。(可愛い子には旅をさせよ)
次に、何事にも自奮自励の精神をもってあたらしめ、自分のための教育だと
いうことを、小さい時からしっかり会得させたいと思います。教育は、自分自
身の発達進歩のために、自分から進んで受くべきものだということが、本当に
分かりさえすれば教育の基礎は成功したと思ってよいと思います。ですから、
自学自習の習慣を確立させることが、小学校教育の根底です。この根底を作る
のが、我が成蹊小学校の使命であると考えます」。
(平成28年9月3日 於 成蹊大学4号館)
ら、101年前の話になります。少しも変わらないどころか、悪くなっている
感じさえしますね。文中の「いじめ」は、言うまでもありませんが「鍛える」
の意味です。両校の教育に対する姿勢は、お子さんの初等教育に対する心構え
の参考になるのではないでしょうか。
(次回は、「直前の心構え」についてお話しましょう)
2016年9月22日 01:54
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>合否の鍵を握るのは、お父さん方の志望理由 1
2016年9月15日 01:54