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さわやかお受験のススメ<小学校受験編>よく聞かれる質問にお答えします

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第25号
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

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さわやかお受験のススメ<小学校受験編>ご健闘をお祈りいたします

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第67号
             最終回
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★ご健闘をお祈りいたします★★
 
★アフターケアも慎重に★ 
昨年の7月から始まった「さわやかお受験のススメ 小学校受験編」も、最終
回を迎えました。
長い間、拙い連載を読んでいただいた方に、お願いをしておきたいことがあり
ます。
いうまでもなく小学校の受験は、お兄さんやお姉さんが在学している場合はと
もかく、ご両親が子どものためによかれと考えてはじめたことです。
もとより、子ども達が、
「ぼくは、幼稚舎へ行きたい」
「私は、雙葉へ……」
と、希望されたわけではありません。
にもかかわらず、子ども達は、一所懸命に頑張りました。
年中の頃から、受験勉強をはじめ、そして今、直前の講習会を終え、最終特訓
を経て、試験を迎えようとしています。
 
考えてみると、これはたいへんなことです。
基礎指導から実践指導、集団指導や個別指導、冬、春、夏の講習会、毎月行わ
れた公開模擬テスト、運動教室、絵画教室などなど、同年代の子ども達が、ほ
とんど経験しないことを体験してきたことになります。
それに加えて家庭学習があります。
これが、子ども達には、もっとも厳しかったのではないでしょうか。
とかく、お母さん方は、合格の二文字のために熱くなりがちです。
「なぜ、ぼくだけ、勉強しなくてはいけないのかな?」
と子ども達に疑問を持たせてしまったことも、あったのではと思います。
でも、お母さん方の気持ちに応え、頑張りました。
子ども達は、本当にえらいとほめてあげたい。
 
ですから、全員に、希望された学校から招待状が送られて来て欲しいと思わざ
るを得ません。
それほど子ども達は頑張り、頑張り続けたのですから。
しかし、残念ながら、すべての子ども達に、招待状が送られてくるわけではあ
りません。
「試験前なのに縁起でもない!」とお腹立ちの方も、心を静めてお読みくださ
い。
 
都心の幼稚園によっては、全員が受験というところもありますが、そういった
環境であれば、幼稚園側の配慮もあるでしょうし、ご両親もお子さんも、それ
なりの指導をきちんと受けられていると思います。
しかし、普通の幼稚園や保育園からの受験の場合は、そうはいかないのではな
いでしょうか。
わが子、一人だけが受験といったことも考えられます。
         
一昔前は、受験を意識させないで済ませるように、また、合格しなかったこと
を、子ども達にわからないように配慮したものです。
しかし、現状では難しいのではないでしょうか。
数校受験する子ども達もたくさんいますから、わかっているはずです。
合格すれば何ら問題はありませんが、結果が出なかった場合は、傷つく恐れも
あるでしょう。
このことです……。
 
今は、学校内で合格を発表せずに郵送やWebで知らせるところが増えてきま
したが、以前は、ほとんどの学校が校内に掲示していたものです。
私は、できる限り発表を見に行きました。
合格された方は、掲示板の前からいつまでも去ろうとしません。
不合格の方は、悄然と去っていきます。
気障で申し訳ありませんが、「倍率十倍の難関校」の文字からは浮かばない、
厳しい現実を実感させられたものでした。
 
そんなときに、ある学校で、とんでもない親子を見てしまったのです。
お母さんが早足で出口に向かい、お子さんが、
「ママ、ごめんね!」
と、泣きながら追いかけていくのです。
若いお母さんは、一言も口をきかず、むっとした顔をして出ていってしまいま
した。
こんな残酷な仕打ちは、いくら親でも許せません。
いちばん傷ついているのはお子さん自身であることに気づかない親であれば、
受験などする資格はないと思いました。
 
最近は、携帯電話で、大声で知らせている母親もいます。
気持ちは分かりますが、ぐっと喜びをかみしめて、そっと知らせる配慮も必要
です。
立場が逆であった場合のことも考えましょう。
 
ところで、不合格のときはお子さんに、どのように説明するか決めているでし
ょうか。
残念ながら合格しなかったご両親からは、
「公立の小学校から通知は来ますから、子どもには、私学の合否については知
らせないことにしています」
と、答える方が多いものです。
みなさん、お子さんにあった方法で対処なさることと思いますが、注意してほ
しいのは、ちょっとした言葉なのです。
 
「○○ちゃんは入ったのに、何で、あなたは駄目なんでしょう」
お母さんは、わが子をかわいそうに思い、つぶやいたこの一言で、お子さんは、
深く傷つき、劣等感を持ちがちなのです。
不用意な言葉が、お子さんに与える影響を考えてあげましょう。
とにかく、お子さんは、頑張ったのですから。
 
頑張ったことは、必ず、将来、芽を吹きます。
正しい指導を受けてさえいれば、子ども達は、同年代の子が体験しなかったこ
とを、たくさん学習しています。
国語の領域でいえば、「話の記憶」は、小学校の中学年から高学年にかけて学
習する長文読解の問題を、文字を使わず、耳から聞き取るだけで挑戦してきま
した。
算数の領域では、「数」の問題で、1年生で習う足し算、引き算、2年生で習
う掛け算、3年生で習う割り算、4年生で習う分数まで、数字や+-×÷など
の記号を使わずに学習してきました。
さらに、話を聞く姿勢、指示を理解し迅速に対応する行動力、自分で頑張る意
欲などを身につけたはずです。
 
ご両親も、心を一つにして、お子さんをバックアップしてきました。
学校を選んだ段階で育児をふりかえり、やはり間違っていなかったと確認し、
このことには反省しなければいけないと、話し合われたのではないでしょうか。
受験をしなければ、こういった経験をすることはなかったはずです。
驚かすようで申し訳ありませんが、これから先、ご両親が、これ程までに心を
一つにして、何かに取り組むということは、あまりないのではと思います。
まさに、育児のゴールデンアワーでもあったわけです。
 
文言は正確ではありませんが、舎長を辞任され教諭に戻られた加藤三明先生は、
説明会でこうおっしゃっていました。
 
「受験に合格しなかった方は、もしかすると親子ともども、敗北感を味わうこ
とになるかもしれま
せん。しかし、これはあくまでも幼稚舎の受験に限ったことで、人生の敗北で
はありません。ま
して、子どもがそういうことを思い続けていたら、本当に恐ろしいことです。
われわれが5歳の子に、本来は行うべきではない入学試験という罪なものを施
していて、言うのもなんですが、小学校受験をぜひ、最終目的だと思わないで
いただきたい。まだまだ、ほんの人生の始まりです。小学校の受験で、お子様
をスポイルしないでほしいというのが、私の願いです」
 
5歳の秋は、お子さんの人生の終着点ではなく、通過点と考えましょう。
不合格という結果を、お子さんが背負っていくことのないようにしてあげてく
ださい。
小学校の受験は、ご両親がお考えになり始めたことですから、終わりもきちん
と対処していただきたいと思います。
 
この連載を通して、ご両親、特にお母さん方にわかっていただきたかったのは、
「過保護や過干渉な育児から、子ども達を解放する」ことでした。
過保護な育児では、わがままな子になりがちで、相手を思いやる気持ちは育ま
れません。
過干渉な育児では、消極的で依頼心の強い子になりがちで、積極的に物事に取
り組む意欲は育ちません。
これから、小学校での集団生活を通して、共に生きる「共生」を学んでいくこ
とが大切です。
それには、相手を思いやる気持ちが育まれていなければ、スムーズに対応でき
ません。
また、学校生活を楽しくすごし、学習面で好奇心という触角を張りめぐらせ、
いろいろなことを学んでいくには、積極的に取り組む意欲が育まれていること
が大切です。
 
家庭学習で、お母さん方は、この2つのことを教えてきたと思います。
できない問題があっても、明日できればいいと励ましませんでしたか。
できるようになったとき、一緒に喜び、褒めてあげたでしょう。
子ども達は、お母さん方のやさしい気持ちに応え、ステップアップしてきたの
ではないでしょうか。
お母さん方の頑張れと励ます言葉とやさしい気持ちから、子ども達の心に「思
いやりの気持ち」と「できるまで頑張る意欲」が育ってきたのです。
 
この2つが育っていれば、たとえ不合格になっても、子ども達は大きく成長し
ているはずです。
同年代の子どもで、こういったことを経験できるのは、私学の小学校が最も多
い東京都でさえ、毎年、就学児童およそ60万人の内、約3%程度に過ぎませ
ん。
しかし、正しい指導を受けられた子ども達は、十分にエキスを与えられた根と
同じように、必ず、芽を出し、ご両親が期待する花を咲かせます。
子ども達を信じて、試験場に送り出してあげてください。
運悪く、結果が出なくても、あたたかく見守ってあげるご両親であって欲しい
と思います。
 
「あしたは、今日より、きのうより」は、今は亡き、いずみたく氏の作曲され
た某財団法人の社歌の題名で、断りもなく私の座右の銘にさせていただいてい
ます。
また、「育児しながら育自するお母さん」であれば、親子の絆は、生涯、ほこ
ろびることはありません。
この二つこそ、子育ての鉄則ではないでしょうか。
 
さらに一言、拙著のメールマガジン「日本の年中行事と昔話」の4月に出てき
ました、剣豪、塚原卜伝の作とも言われている剣の極意を紹介しましょう。
「映るとも 月も思はず 映すとも 水も思はぬ 広沢の池」
これは理想的な親子関係をあらわしているのではないでしょうか、私の勝手な
解釈ですが。「子は親の背を見て育つ」、口でうるさくいうより、良いお手本
を見せることが大切だと思います。
       
皆さま方に、希望された小学校から、招待状が届くことを、心からお祈り申し
上げます。
ベストを尽くせるように頑張ってください。
ご健闘を祈ります。
 
最後まで、拙文をお読みいただきまして有難うございました。
      平成28年10月吉日
        めぇでる教育研究所
        所 長 藤本 紀元

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>試験当日の留意点

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第66号
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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◆◆試験当日の留意点◆◆
 
お見事! 3年連続、ノーベル賞受賞! おめでとうございます。
昨年は大村氏と梶田氏が2日連続受賞。今年は大隈良典氏がノーベル生理学医
学賞を受賞。
これで日本人のノーベル賞受賞者は25名となりました。
コツコツと研究を積み重ねた結果の受賞、こういった研究心を、しっかりと育
てたいですね。
 
台風が接近し、そのせいでしょう、朝晩、気温の変化の激しい毎日が続いてい
ます。今日4日は真夏日になるとか。お子さんの健康管理には、十分注意して
ください。
 
今回は、試験当日の留意点をあげておきましょう。
1.募集要項を丁寧に読み直し、持参するものの一覧表を作っておき、慎重に
チェックをしましょう。
受験票、面接票、当日のスケジュール表(出願後に学校側から送られてきた資
料)、募集要項、上履き(学校によってはご両親用も)、運動靴(雨天の場合
は雨具の他に、お子さんの着替えやソックスなど)、携帯電話(万一の交通事
故に備え)、スイカ、パスモなど。
親子一緒の控室のところは、お子さんが静かに待てるようなものも用意すると
いいでしょう。
 
2.当日は、いつもと変わらない朝を迎えてください。
学習院のように試験当日に両親面接があると、ご両親が緊張しがちです。
いつもは「行ってくるよ」と会社へ出かけるお父さんが、一生懸命に駄洒落を
飛ばすのですが、全くうけなくて、かえって、「パパ、どうしたの?」と怪し
まれてしまったと、笑いながら話してくれたお父さんがいました。
いつもと同じように、平常心を心がけましょう。
 
3.いかなる場合でも、遅刻は認められません。
特に、バスを利用する場合は、注意が必要です。
朝は、渋滞する可能性がありますから、事前によく調べておきましょう。
説明会でも開始間際にタクシーで、あわてふためきながらやって来るお母さん
方を見ました。
事故による渋滞や電車の遅れなどの場合は、他の交通手段も考えておきたいも
のです。
そして、携帯電話で学校に問い合わせ、指示を求めましょう。
そのためにも電話番号を登録しておくことです。
ただし、校門の所で必ず、電源を切ることをお忘れなく。
 
4.所定の手続きを指示に従い、あわてずに行いましょう。
頭をひねるような難しいことはありませんが、時間ぎりぎりに到着となると、
気のあせりからミスをしがちで、そういったときは、いつもと違ったご両親に
なっているものです。
そばで見ているお子さんは、どういった心境になるでしょうか。
控室で一息入れずに試験場へ向かい、すぐにテストです。
まわりは、知らない子ばかりです。
お子さんがいつものような状態で、テストを受けられるはずはありません。
それまで全力を尽くしてきたとしても、この一瞬で、すべてが台無しになる可
能性もあります。
十分な配慮が必要です。
 
5.服装は、動きやすく、着馴れたものを。
新品の革靴をはかせるようなことは止めましょう。
学校へ着けば履きかえるのですから。
靴擦れでもしたら、運動テストどころではありません。
髪の毛の長い女の子は、運動の時に困らないようにしておきましょう。
リボンが気になりマット運動ができなかった話を聞いたことがあります。
袖の長いブラウスなどは、制作の時に邪魔になることも考慮しておきましょう。
女の子は、お気に入りのブラウスなどを着せると、汚れが気になり、集中でき
ません。
 
6.テストの前に用便をすませておきましょう。
幼児教室へ通っている方は、教室へ入る前に、必ず、やっていると思います。
白百合学園小学校のように校舎見学の機会がない場合は特に、集合時間間際で
トイレの場所を慌てて探すことのないよう、時間に余裕を持って行くようにし
ましょう。
テスト中にトイレとなると、それまでです。
 
7.いつものように教室へ送り出しましょう。
控室で、「話をきちんと聞くのですよ」などと、くどくど注意するお母さん方
がいるようです。
そういうことが、みんなプレッシャーになってしまいます。
また、大勢の子どもを見て、驚き、緊張している様子が見えたときは、お子さ
んが、もっとも安心する態度で接してあげましょう。
よく聞く話ですが、しゃがんで、お子さんの目を見ながら手を握ってあげ、
「いつもと同じなのよ」
というのが効果的なようです。
お子さんの性格によっても違いますが、こういったことも起こりえると考えて
おきましょう。
 
8.万一の急病に備え、常備薬を持参しましょう。
幼稚園の遊戯会、ピアノなどの発表会の前の晩に、熱を出した経験のあるお子
さんは注意が必要です。
直前に、インフルエンザなどの感染症にかかった場合は、必ず学校側に連絡し、
指示に従ってください。
 
9.テストの時間によっては、昼食の用意をしておきましょう。
近所のレストランなどをあてにしていると、「日曜日で休み」となりかねませ
ん。
一口で食べられるサンドイッチやおにぎり、飲み物も自動販売機などで購入せ
ず、小さい水筒などを用意しておきたいものです。
 
10.幼稚園や保育園、幼児教室などの友達と会うことも考えられます。
緊張しているときに友達と会うと、ほっとして舞い上がるお子さんがいます。
あいさつ程度にし、お子さん同士がふざけ合うようなことのないようにしまし
ょう。
 
11.行動観察や運動テストなどで、子ども同士のトラブルが起こる場合もあ
ります。
先生から事情を聞かれたときは、はっきりと答えることです。
男の子は、これが苦手なようです。
 
12.お子さんがテスト中の控室では、たとえ友達や顔見知りの人がいても、
お互いに遠慮して話し込まずに、本を持参し静かに読むようにしましょう。
「携帯電話の電源は切るか、マナーモードにしてください」とある場合は、ス
マートフォンも使用禁止です。
 
入試本番まであとわずか、風邪を引かないように注意しましょう。
お子さん、お母さんは勿論のこと、お父さん、外出先から帰ったときは、必ず、
手洗いとうがいを励行してください。
そして、お母さん、お子さんにとっては、お母さんの明るい笑顔が頼りです。
精神的なコンディションを崩さないことも、ご両親の大切な役目です。
ここが正念場と考え、頑張ってください。
 
10月13日は十三夜です。天候次第ですが、スッキリと晴れた秋の空に、煌
々と輝く満月を見たいものですね。心に余裕を持ちましょう。
(次回は、最終回[ご両親の心構え]などについてお話しましょう)

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>入試直前の心構え

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第65号
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★入試直前の心構え ★★
 
既に模擬面接も終え、面接の心構えもできていると思いますが、合否のカギを
握るといわれている「志望理由」について、念入りにチェックし、自然に話せ
るように練習をしてください。プレッシャーをかけるようで申し訳ありません
が、小学校受験合否のポイントは、「お父さん方の志望理由5割、子どもの成
長度5割」であることを思い出し、頑張りましょう。お子さんのためです。
 
入試直前の心構え
★ベストコンディションを作る 
入試直前、何とかベストコンディションで試験を受けさせてあげたいと、お母
さん方は計画を立てることでしょう。例えば、外から帰ってきたときは、手を
洗い、うがいをさせることから、栄養のバランスを考えた食事、早寝、早起き
をさせ、睡眠時間を十分にとるなど、配慮しなければならないことがたくさん
あります。
 
その1つに、時間の管理があります。
朝、8時半から試験が始まる場合、起きてから学校までかかる時間を逆算し、
その時間帯に合わせ、生活のリズムを作り直す必要があります。人間の脳は、
目を覚ますと、すぐにフル回転するものではなく、スイッチを入れれば、パッ
と光る電球のようにはいかず、柔軟なお子さんの頭でも、2、3時間かかると
もいわれているようです。こういった試験時間に対処できるコンディション作
りも親の大切な役目となります。
 
 ◆家庭学習について 
家庭学習をどのように進め、ベストの状態を保っていくかも難しい問題となり
ます。直前のことですから、もう苦手な問題は克服されていると思いますが、
「あなたはできる。これだけ頑張ったのだから大丈夫ですよ!」とあたたかい
言葉で励ましてください。
 
そして、ここが大切なのですが、得意な問題の場合、お子さんも自信がありま
すから、お母さんの読んでいる設問を、よく聞いていないこともありがちです。
「お母さんが読み終わるまでしっかりと聞き、始めといわれたら始め、終わり
といわれたら、きちんと止めること」、この約束を徹底することです。点図形、
模写、同図形(異図形)発見、系列完成、しりとりなど、設問を聞かなくてもで
きる問題があります。しかし、最後まで聞かないと指示される記号(○、×、
//など)がわかりません。皆が出来るやさしい問題であれば、このミスを挽
回することは不可能でしょう。
 
さらに、次のページに移る指示があっても、その問題にこだわっていると、明
らかにチェックの入る学校もあると聞きます。
また、制作や、ごっこ遊び、運動テストなども、話を聞いていなければ、うま
くできません。最後まで聞かずに勝手にやり始めると、当然、「指示の理解」
や「約束事を守れるか」などにチェックが入ります。
「先生のいうことを聞いてから始める、そして止める」、これを徹底させまし
ょう。
 
「何回、教えたらわかるの!」
「これができなければダメなの!」
「そんなことができなければ、小学生になれません!」
メールマガジンを読んでいらっしゃる皆さん方は、こういった言葉を使ってい
ないと信じていますが、励ましているつもりが、逆の効果になってしまうもの
です。
 
試験場でできない問題があると、トイレにいってしまう子どもがいるそうです。
なぜでしょうか。
「先生、トイレ!」
といわれれば、先生はトイレに連れて行くしかないでしょう。
「その時間にいなかったから、問題をやらなかった」
と言い訳を作っているとしたら、 これは恐ろしいことではありませんか。5
歳の子どもが言い訳を考える、こんな気持ちに追い込んではかわいそうです。
お母さんが怖いのです。最近は、怖いお父さんもいるようですね。
中には、「できない!」といって泣きだす子ども達もいると聞きます。
ご両親方の合格をさせたいという気持ちは、痛いほどわかりますが、言葉がけ
には十分に注意しましょう。不用意な言葉は、自信を失わせます。情緒が不安
定になるような言葉は、絶対に使わないでください。
 
また、テスト会場で、隣の子の答案をのぞくお子さんがいるそうです。これは、
いわゆるカンニングではありません。正解であるにもかかわらず、隣の子の答
えを見て訂正してしまうのです。
 
なぜでしょうか……。やはり、自信が無いのです。
 
隣の答案をのぞく子にしないためにも、
「あなたが思ったとおりでいいのですよ」
と、自分の考えたことに自信を持たせましょう。
「お母さんは、一所懸命に考えて頑張る子、大好きなの。それでもわからなけ
れば、仕方がないことなのよ」
と、笑って励ましてください。
ただし、「一所懸命、考えてもわからない場合」と、約束しましょう。
 
よくできるお子さんでも、できない問題にぶつかるとパニックになってしまう
ケースがあるようです。
できる子だけに、厄介なのです。「できない」ことにこだわり、次の問題に取
り組めないのです。こういったことも十分に考えられますから、「あなたが考
えてもできないような問題なら、他の子もできませんよ。大丈夫、自信を持っ
て、次の問題に挑戦しましょう」といった言葉がけも必要ではないでしょうか。
 
 ◆試験についての説明 
次に、試験について、どう説明するかです。
以前は、子ども達に試験といったイメージを与えないようにしたものですが、
これだけ情報が広がり、いろいろと体験をしていると、そうはいかないでしょ
う。公開テストやホームグランド以外の教室や、他の幼児教室、塾などで試験
を受けることから、お子さん自身も心積もりはできているかと思いますが、や
はり、プレッシャーはかかります。心身共に強い子どもは、そうはいません。
「頑張れ!」といわれれば、本当に頑張る子もいれば、その一言で駄目になっ
てしまう子もいます。
ピアノなどのお稽古ごとの発表会や幼稚園のお遊戯会などの前夜になると、突
然、腹痛や発熱する、神経過敏なお子さんには、「今日は、いつもの教室と違
って、ここの学校でやるのですよ」といった説明がいいのではないでしょうか。
控室でゼッケンをつけ試験場に入り、テストの内容も、ほとんどの場合、教室
で受けているのと同じだからです。「パパ(ママ)の言うとおりだ!」と安心
し、そして頑張るのが子ども達です。お子さんの性格をよく知っているのはご
両親ですから、こういったことにも注意し、当日の朝を迎えてあげましょう。
 
 ◆怪情報、うわさについて 
最後に、厄介なことが一つあります。それは、怪情報、うわさです。
以前、昭和60年代に開かれた四谷雙葉小学校の説明会の様子を紹介しました
が、うわさとは、多くの場合、根も葉もない、単なるうわさに過ぎません。当
事者であるお母さん方は、とかくわらをもつかみたくなる心境になりやすいで
しょうが、そこにつけ込むのがうわさです。後で思い出すと「ナンダ!」とな
るものばかりのはずです。
「受験する前に、もう合格者は決まっている!」
「紹介者がなければ駄目!」
といったことが本当なら、受験料を取る学校は、まさに詐欺行為ではありませ
んか。司直が許すわけがないのです。税務署も同様です。
 
「紹介者がなければ駄目!」
といったことが本当であれば、今年の暁星小学校の説明会でも、「紹介状や推
薦状は受け取りますが、一切、考慮しません」とおっしゃったことが、うそに
なります。マリア様が、うそをお見逃しになるわけがありません。
 
また、青山学院初等部のホームページのQ&Aのコーナーには、
Q「紹介状や推薦状の必要はありますか」
A「必要ありませんし、用意されても受け取りません」
とあります。
 
さらに、幼稚舎のホーページのQ&Aコーナーには、
A「入学試験に関して、舎長および教職員との面会は一切できません」
と掲示されていますが、ほとんどの学校で、校長先生はもちろんのこと、教職
員の方々が、受験に関する面談に応じることはありませんし、お断りしている
はずです。
 
気になるうわさに心を痛めるようでしたら、お父さんに聞いてみましょう。お
そらく、一笑されるはずですから、お願いしますよ、お父さん!
 
「暑さ寒さも彼岸まで」とは、猛暑を経験しただけに、ありがたいものですが、
初秋は、とかく気候が不順になりがちとはいえ、昨年と同様、今年も少し異常
ではないでしょうか。健康管理には、十分、注意してあげましょう。そして、
お母さん、保護者であることを忘れずに、頑張ってください!
 
昔の曲ですが、大橋節夫作詞、作曲の「幸せはここに」があります。
    秋の夜は更けて すだく虫の音に
    疲れた心いやす わが家の窓辺
    静かに ほのぼのと 幸せはここに
お子さんの寝顔を見ながら、すだく虫の音に、耳を傾ける余裕を持ちましょう。
(次回は、「当日の留意点」についてお話しましょう)
 
 

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>合否の鍵を握るのは、お父さん方の志望理由 2

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第64号
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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合否の鍵を握るのは、お父さん方の志望理由 2
 
前回に続き志望理由と9月以降の説明会情報をお伝えします。
 
国府台女子学院小学部
1.宗教教育 2.別学 3.高校までの一貫教育 4.賛同できる教育方針
試験の難しさから、千葉の白百合学園などとおっしゃるお母さん方もいます。
高校からの大学進学状況を見てもうなずけますね。
 
校是である「敬虔・勤勉・高雅」をどのように解釈するかがポイントでしょう。
大変難しい言葉ですが、わたし流に考えると以下のようになります。
「敬虔」は、仏につつしんで仕えることから、深く敬って態度をつつしむこと。
「勤勉」は、努めて骨を折ることから、何事も一生懸命。
「高雅」は、気高く雅(みやび)やかなことから、誰からも愛される気品。
 
このように置き換えてみると、「つつましく、一生懸命に頑張る、心のやさし
い子」といった子ども像が浮かんでこないでしょうか。そういった子に育って
ほしいと考え、育児の基本としているご両親であれば、学校の教育方針と一致
していることになります。
以前、校是を俳句もどきに、
      ひたむきで つつしみぶかく みやびやか
などとお母さん方に紹介したこともありました(笑)。
説明会場である寿光殿の右側にある図書室の前に慈母観音像が安置されていま
す。バチが当たるかもしれませんが、まさに「ひたむきで つつしみぶかく 
みやびやか」なお姿で、学園のイメージではないでしょうか。作者は、広島平
和公園の「祈りの像」で知られている著名な彫刻家、横江嘉純氏です。
 
日出学園小学校 昭和学院小学校など。
1.共学 2.高校までの一貫教育 3.賛同できる教育方針
昭和の場合、平成14年まで、中高は別学でしたが、15年から共学になりま
した。
「共学が自然だ」とおっしゃる方が少ないのですが、日出学園の場合は、「男
女共学が自然」
と設立趣意書にも掲げられています。ゆとりのある12年間の共学制度、これ
も大切な志望理由になります。
 
また、両校とも、国語教育に力を入れていることも忘れてはならないでしょう。
日出学園の創立当初からの図書館教育、蔵書は2万冊を超え、本に親しむ機会
に恵まれています。校舎見学の時に、私が読みたいと思っていた、みすず書房
から出版されている「日本伝説体系」15巻があったのにはびっくり。そして、
一点一画、丁寧に指導を受けている書写、この点をきちんと整理しておきたい
ものです。
 
昭和学院の伝統でもある読書教育、その一つである「視写」、ご存じですか。
小説などの名文をその通りに書き写すことですが、駆け出しの頃、仕事先のあ
る編集者から、「松本清張の短編を視写してごらん」と言われ、表現の技法や
構成の仕方、表現のルールなどを覚え、大変勉強になったことを思い出します。
私の経験では、名文を覚えますし、漢字を覚え、語彙も増え、字もうまくなり、
素晴らしい学習になっていると思います。
両校とも、HPで確認しておきましょう。
 
国立学園小学校 聖徳学園小学校(男子の場合)
1.共学 2.小学校までの一貫教育 3.賛同できる教育方針
目指すは中学校受験、「有名中学校受験のため」とあからさまには言えませんが、
その勉強に取り組む姿勢、方針に賛同することはないでしょうか。模擬面接で
も、「小学校時代は通学に無理をさせずに、心身ともに強くなる中学受験で挑
戦させたい」と考えるお父さん方が多いのですが。
 
こういったように、1から3、4について、期待することをまとめ、さらに、
校訓など学園全体の方針に賛成していることを整理すれば、視野も広くなり、
理解を深め、志望理由も万全なものになるのではないでしょうか。そのために
も、もう一度、各小学校のホームページにアクセスしましょう。新しい情報や、
見落としていたことなどを発見できるかもしれません。
 
そして、お父さん方にお願いしておきましょう。
小学校受験の合否の鍵は、「お父さん方の志望理由5割、お子さんの成長度5
割」と言われています。慶應義塾幼稚舎や桐朋小学校など面接を実施していな
い学校もありますが、志望理由がはっきりとしなければ合格はむりでしょう。
可愛いお子さんのためです、最善の努力をしてください。
その努力とは、「志望理由など質問事項を想定し、口答できちんと言えるよう
にすること」です。願書に書かれたことをそのまま覚えてお話しするのは不自
然ですし、それが原因でうまく話せないケースが多くみられます。
なぜでしょうか。それは、願書に書かれた文章は書き言葉であり、話し言葉に
なっていないからです。
また、いくら素晴らしい回答を練り上げても、言葉で表現、声を出してお話し
できなければ、どうにもならないのが口頭試問だからです。声を出して読んで
ください。不自然なところはすぐにわかります。
 
ところで、慶應義塾幼稚舎が作文や面接を止めた理由は、「傾向と対策的な表
現が多くなったから」とおっしゃったことがありましたが、紋切り型の回答が
多くなったからでしょう。桐朋小学校、桐朋学園小学校も面接をやりませんが、
かつて桐朋学園の鈴村校長は、「私どもが面接をやらないのは、例えば、お父
さん方に『趣味をお聞かせ下さい』とお尋ねしても、例え競輪、競馬が大好き
でも、『読書と音楽鑑賞です』とおっしゃるのではないでしょうか。ですから
面接をしませんが、私どもはお子さんを2日間お預かりしますから、そこでい
ろいろなことがわかるのですよ」と、例によって文言は正確ではありませんが、
こうおっしゃったことがありました。面接をしなくても、お子さんがご両親の
育児の姿勢をきちんと見せてくれるということです。面接も同じことが言えま
す。メッキは剥げます。ですから、お子さんに不自然な言葉遣いになるような、
大人の考える模範回答なるものを教え込むべきではありません。
 
そして忘れてならないのは、受験は、お子さんのためとはいえご両親の希望で
始めたことです。お子さんは、この1年もしくは2年、一所懸命に頑張ってき
たのですから、その努力に報いるべきではないでしょうか。頑張ってください。
最後のダメ押しとして、面接の質問についてその意図を解説した「お父さん、
お母さんの受験対策」(幼稚舎をはじめ25校の小冊子)をお勧めします。詳
しくは当研究所のHPをご覧ください。
 
例年、ここで9月以降の説明会情報をお知らせしていましたが、今年は、暁星
小学校が残っていますが、これといってお知らせする情報はありませんでした
ので、初等教育の基本について、幼稚舎と成蹊小学校で毎年、聞くことのでき
る話を紹介しておきましょう。
 
慶應義塾幼稚舎 大島誠一舎長
 戦後すぐに、幼稚舎長を務め、今の幼稚舎の理念を作られた吉田小五郎先生
がおられたが、先生は、次のように述べられている。
「神さまは、よくしてくださったもので、学校の成績が悪くとも、他に優れた
ことをたくさん授けてくださったことに気づかずにいる。例えば、ひょうきん
でお友達に人気がある、図画や工作がうまいとか、けんかに強いとか、木登り
が上手だとか、かけっこが速いとか、おばあさんに親切だとか、動物が大好き
で世話をよくするとか、言葉がきれいだとか、物事を熱心にやるとか、人の悪
口を言わないとか、これだけで、もう立派なんですよ。成績が悪いだけで、劣
等感を持つことはありません」
戦後、すぐですからもう70年前の話になります。
 
「教育にオールマイティな方法はありません。それぞれのご家庭の教育方針の
どれが良いかということは言えないのです。人はそれぞれの父母から受けた価
値観によって、人格は形成されます。ですから、どの価値観が正しいか、間違
っているかということは言えません。それより自分が持っている価値観を、ど
うやって我が子に伝えていくかということが、大切になってくるのではないで
しょうか
           (平成28年7月9日 於 自尊館)
自尊館のロビーには、福澤諭吉の「人生萬事戯来戯去」の書が掲げられていま
す。間違っているかもしれませんが、わたし流に解釈すれば、「たかが人生、
されど人生だが、何事にも懸命に取り組め」という意味ではないでしょうか。
 
成蹊小学校 大葉 繁 学校長
「これまでの教育は、あまりにも子どもを可愛がり過ぎたと思います。甘やか
し過ぎたのです。そして、大切な子どもを意気地なしにしてしまったのです。
子どもは、もちろん、可愛いに違いありません。可愛いからこそ、しっかり訓
練して、物の役に立つように仕立て上げなければならないのです。可愛いから
こそ、うんといじめ抜いて、真剣になるような気分を作ってやらねばならない
のです。
 子どもを可愛がるには、2つあると思います。1つは近いところを見て可愛
がるもので、他の一つは遠い将来を見て可愛がることです。近いところから見
て可愛がれば、いきおい子どもの言いなりにして、わがままをさせるでしょう
が、遠い将来に幸福になれと祈る上からは、幼少時から、少しずつでも苦労さ
せるのが薬というものです。(可愛い子には旅をさせよ)
 次に、何事にも自奮自励の精神をもってあたらしめ、自分のための教育だと
いうことを、小さい時からしっかり会得させたいと思います。教育は、自分自
身の発達進歩のために、自分から進んで受くべきものだということが、本当に
分かりさえすれば教育の基礎は成功したと思ってよいと思います。ですから、
自学自習の習慣を確立させることが、小学校教育の根底です。この根底を作る
のが、我が成蹊小学校の使命であると考えます」。
             (平成28年9月3日 於 成蹊大学4号館)
 
成蹊は、今年創立101年を迎えましたが、この話は設立趣意書の一部ですか
ら、101年前の話になります。少しも変わらないどころか、悪くなっている
感じさえしますね。文中の「いじめ」は、言うまでもありませんが「鍛える」
の意味です。両校の教育に対する姿勢は、お子さんの初等教育に対する心構え
の参考になるのではないでしょうか。
 
もうすぐ、本番です。心身ともに健康で迎えられるように頑張りましょう。
(次回は、「直前の心構え」についてお話しましょう)
 

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>合否の鍵を握るのは、お父さん方の志望理由 1

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        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第63号
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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合否の鍵を握るのは、お父さん方の志望理由 1
 
志望理由のまとめ方について、模擬面接をしていて少し気にかかることがあり
ましたので、付け加えておきましょう。それは何かと言いますと、お父さん方
の志望理由に、あまり説得力がないことです。
 
例えば、雙葉小学校を志望されるお父さん方との面接を再現すると、こうなり
がちです。
「お父さんにお伺いします。本校を志望される理由をお聞かせください」
「はい、校訓である『徳においては純真に、義務においては堅実に』の校訓に
賛同して受験しました」
「では、お子さんに、普段の生活で、どのように教えていますか」
と尋ねると具体的な説明がありません。
 
小学校の案内書やガイドブックに書かれている建学の精神や校訓を、そのまま
おっしゃる方が多いのですが、これでは学校側を納得させることは不可能では
ないでしょうか。
もう、志望理由も明確になっているはずですが、もう一度、原点に戻り、以下
のように、学園全体の教育体制について考えてみましょう。
ただし、ここでいう共学は小学校の場合で、中高は別学の学校も含まれている
ことをお断りしておきます。
また、慶應義塾幼稚舎、桐朋小学校、桐朋学園小学校は、面接はありませんが、
志望理由をまとめる参考にしてください。
 
白百合学園小学校、東洋英和女学院小学部、聖心女子学院初等科、立教小学校、
立教女学院小学校など。
1.宗教教育 2.別学 3.大学までの一貫教育 4.賛同できる教育方針
1から4について、どういったことを期待しているかを書いてみましょう。
4については、例えば、白百合学園小学校の場合、
学園の校訓である三徳、 勤勉・従順・愛徳について、
  従順…すすんでみがこう正しい心
  勤勉…すすんでなんでもいっしょうけんめい
  愛徳…すすんで親切よろこんで
ということですが、これをわたし流に、従順は「素直」、勤勉は「一所懸命頑
張る」、愛徳は「思いやり」と置き換えると、いずれも皆さん方が育児で大切
にしていることではないでしょうか。
 
青山学院初等部、淑徳小学校、聖学院小学校、玉川学園小学部など。
1.宗教教育 2.共学 3.大学までの一貫教育 4.賛同できる教育方針
4について、青山学院初等部のスクールモットー「あなた方は世の光、あなた
方は地の塩である」は、幼児の場合ですから、「世の光」は自立していること、
「地の塩」は協調性や社会性といった集団生活への適応力と考えると、「5つ
の約束」の意味がよく理解できるのではないでしょうか。
   5つの約束
・しんせつにします
・しょうじきにします
・れいぎただしくします
・よくかんがえてします
・じぶんのことはじぶんでします
「『しんせつにしよう』ではなく『しんせつにします』と自ら発信しているこ
とだ。ここに初等部教育の原点がある」と説明会でも部長は言っていましたが、
ポイントは、自立と自律、そして集団生活への適応力ですが、育児で大切にし
ていることではないでしょうか。
さらに、ランドセルなし、通信簿もありませんが、こういったことも視野に入
れる必要はないでしょうか。
今年の説明会では紹介がありませんでしたが、ホームページの「国内短期留学 
止揚学園」を見てください。「すべては教場」、初等部はこういった教育をす
る学校でもあるのです。
 
慶應義塾幼稚舎、学習院初等科、成蹊小学校、早稲田実業学校初等部、千葉日
本大学第一小学校、桐蔭学園小学部など。
1.共学 2.大学までの一貫教育 3.賛同できる教育方針
 例 慶應義塾幼稚舎
   独立自尊について   
   一年生が入学した時に「三つの約束」をします。
・うそをつかない。
・お父さん、お母さん、先生のいいつけを守る。
・自分でできることは自分でする。
この三つの約束こそ、独立自尊の精神を身につけるための第一歩です。
皆さん方は、普段からお子さんに、
「うそをついてはいけません」「約束は守りなさい」「自分でできることは自分でし
なさい。お母さんを頼っても知りませんよ!」と言ってきかせ、実践しているの
ではないでしょうか。
お母さんの教えこそ、まさに「独立自尊の精神」そのものではありませんか。
 
日本女子大学附属豊明小学校、川村小学校など。
1.別学 2.大学までの一貫教育 3.賛同できる教育方針
例 日本女子大学附属豊明小学校
   三綱領 信念徹底・自発創生・共同奉仕について、 
     ○ 信念徹底(正しいと考えたことはやりとげる)
     ○ 自発創生(自ら考え、工夫し、実行する)
     ○ 共同奉仕(心を合わせて皆のために仕事をする)
わたし流に解釈すれば、
○ 信念徹底は、はじめたことは途中でギブアップせずに、最後まで頑張る子
○ 自発創生は、夢中になって遊び、楽しく遊ぶ工夫のできる子
     ○ 共同奉仕、友達と仲良く遊べる情緒の安定している子
となりますが、こういったことを大切にしていれば、三綱領を育児に取り入れ
ているとはいえないでしょうか、難しく考える必要はないと思います。
 
雙葉小学校 田園調布雙葉小学校 横浜雙葉小学校 光塩女子学院初等科 暁
星小学校など。
1.宗教教育 2.別学 3.高校までの一貫教育 4.賛同できる教育方針
雙葉小学校については、しばしば紹介してきましたので、ここでは暁星小学校
を取り上げますが、雙葉小学校に対して一言付け加えておきましょう。それは
「バラはバラらしく、スミレはスミレらしく、その人らしく生きる。自分で自
由に学び、決定することができ、責任のとれる人に育てていく」、毎年校長の
おっしゃっていることですが……。
 
例 暁星小学校
「鍛える教育」の究極の目的は、日本昔話のキャラクターである「気は優しく
て力持ち」の男子の育成です。
もやしっ子を解消するために始めたサッカーを考えてみましょう。サッカーは
11人で戦いますが、ボールをキープした選手は、相手を自分に引きつけてお
き、ギリギリのところでパスをして味方にボールをつなぎ、最後にゴールへ蹴
りこめるのは、たった一人です。旺盛なファイトとフェアーな精神、チームワ
ークの育成、しかし、学業をおろそかにしていると、優秀な選手でも練習に参
加させてもらえない「練停」があり、文武両道、ここに暁星学園の教育目標が
表れていないでしょうか。
 
昨年の説明会では、4月に現役で東京大学と早稲田大学に入った二人の出身者
の小学校時代の体験をつづった作文を朗読、東大生は聖歌隊、早稲田生はサッ
カー部の話でしたが、いつもの校長の話と異なり厳しい「文武両道」の話は参
考になったのではないでしょうか。特に運動の得意な子でなくてもやればうま
くなる話は、自ら挑戦する意欲こそ、鍛える教育の原点であることや、部員の
すべてが東大をはじめ難関校を目指す中での切磋琢磨する話は、説得力があり
ました。
 
模擬面接でも、「小学校は親が良かれと選んであげるが、大学は自らの力で挑
戦すべきだ」とおっしゃるお父さん方が多く、二人の話はこれを裏づける頼も
しいもので、こういったことも参考にされてはいかがでしょうか。
 
「れんてい」という言葉は、サッカー部出身の学生さんの話にあったので、
「練習参加停止」のことではないかと思い、勝手に「練停」と当て字を書きまし
たが、聞き間違いかもしれないことをお断りしておきます。24日の説明会で
確かめてきます。
 
季節の変わり目に入りました。健康には、十分気をつけましょう。
(次回は、「合否のカギを握るのは お父さんの志望理由2」についてお話しま
しょう)
 

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

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