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2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>ご家庭で楽しくできる受験準備(3)養ってほしい数感覚 1

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         「めぇでる教育研究所」発行
2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2026年度入試(2025年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第9号
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ご家庭で楽しくできる受験準備
(3)養ってほしい数感覚 1           
 
 
[数感はアバウトの感覚から]
   
奇妙なタイトルだと思われるかもしれませんが、「話の記憶」と共に、ほとんどの学校で出題されている「数量」の問題に対処するには、語感と同様に数感を養っておくことが大切です。
 
受験準備となると、すぐに問題集を使用した勉強と考えられがちですが、幼児の場合は、その前にやらなければならないことがあります。
 
物を使った具体物での学習です。
 
これをきちんと体験しておかないと、「お勉強は覚えるもの」、記憶に頼るものとなり、幼児にとっては、つらい受験準備となりがちだからです。
前にもお話しました「学習と勉強の違い」を思い出してください。
特に、年中から年長にかかる時期には、教える人、特にお母さん方は、「すずめの学校の先生」にならない注意が必要です。
 
トランプを用意してください。
トランプはさいころと共に、数感を養う優れた教具です。
 
問題集に取り組む前に、数に関する感性、数感を鍛えておきましょう。
「数感教育」の大切なことを教えてくれたのは、香川大学名誉教授だった故小林茂広先生でした。
後で紹介しますが、「幼稚園の年長さんでもつるかめ算を解けますよ」と、実に衝撃的な学習の仕方を教えてくれた先生です。
 
その時のことです。
「2歳の幼児でも数がわかるよ」と、2つのさいころを使った、面白い遊びを見せてくださったのです。
 
幼児が、さいころをふると6が出ました。
次に先生がふると3が出たのです。
すると先生は、
「キミの勝ちだよ」
といって、幼児に勝ったことを教えます。
最初は、きょとんとしていましたが、数回続けているうちに、どうやら、たくさん黒丸のある方が勝ちであることが、幼児にもわかってきました。
しばらくすると、先生がいわなくても、
「ぼくの勝ち?」
といい始めました。
 
数字を使った引き算ができなくても、「数の多少」を理解できるのです。
1と6であれば、●と●●●●●●であり、2と3のときは●●と●●●で、子どもの頭の中は、おそらく、「6の方に黒い丸がたくさんあるぞ!」であり、2と3のときは、「3の方が少しだ
け多いかな?」といった、おおよその見当、推量であり、「アバウト(about)の感覚」なのです。
見た感じで「どっちが多いかな」と直感で判断するわけです。
 
大切なのは、この直感力を培うことです。
       
例えば、2枚のお皿にクッキーを5個と4個に分けて入れておき、お子さんに、
「多い方をとっていいよ」
といったときに、数えずに5個入ったお皿をとれば、直感力は順調に発達しているといえます。
おやつの時に試してみましょう。数の多少を見分ける力が身についているかがわかります。
       
この直感力を鍛える遊びを紹介しましょう。
 
数えなければ不安で、答えを出せない子ども達と、よく一緒に遊んだゲームです。
トランプは、4種類のマークの数と同じ数字が書かれていますから、これを利用します。
まず、1から10までのカードを用意してください。
1はA、エース(ACE)のAとマークが1個しかありませんが、1個だけ書かれていますから、1と説明します。
そして、マークの数を数えながら、1から10まで並べ、マークの数と数字は同じであることを確かめます。
この時の数え方は、「イチ、ニ、サン」と漢語読み、音読みにします。11・12・13と10以上の数え方にも対応できるからです。なお、7は掛け算を思い出してください、「シチ」です。
 
最初は、ハートのマーク1組でいいでしょう。
よくきって積み上げ、ジャンケンで順番を決め、1枚ずつめくり、勝ち負けを争います。
例えば、お子さんが先にめくり、8が出たとします。
お母さんがめくると4が出たとします。
そこで、どちらが勝ったかお子さんに聞きます。
そのとき、[8-4=4]でお子さんの勝ちとするわけではありません。
また、ハートの数を数えて、8個と4個ですから、多い方の8のカードを4個押さえ、8の方が4個多いとするのでもありません。
 
数の多少を、見た感じ、直感で決めることを約束します。
初めは戸惑いもあるでしょうが、やっている内に、トランプのマークの並び方に、ある決まりがあることがわかるはずです。
それに気づけば、瞬時に判断できるようになるでしょう。
 
間違えたときは、「ブッ、ブー」と警告をします。
答を教える必要はありません。カードは2枚ですから、すぐわかります。勝者が2枚のカードをもらえます。これを繰り返していると、直感で見分けられるようになり、数えなくては不安であっ
たことも解消できます。 
 
終わったところで、お互いのカードを2段に並べて比べます。
 
 お子さんのカード □□□□□□
          ││││
 お母さんのカード □□□□
 
1対1対応で差が出ますから、計算しなくても、その差が答えになります。
 
直感で判断することに慣れれば、カードを増やしましょう。
ハートとダイヤといった組合せがいいでしょう。
マークの色が違うと混乱する場合もあるからです。
10枚増えると5回戦から10回戦になり、慣れてくればスピードもあがります。
 
次に、スペードとクローバーでやってみましょう。
形や色が違っても、数は同じであることがわかれば、いよいよ4組のカードを使います。
40枚で争いますからゲームとしても面白くなり、スピードがあがれば集中力も働き、俊敏な判断力もついてきます。
 
40枚になると、結果を判定するのに、横に並べるのも大変ですから、一工夫します。 
お互いに自分で取ったカードを1枚ずつ置きながら、5枚単位で段を作ります。
5枚で一固まりに分ける習慣がつくと、数の合成、分解にも役立ちますし、算数の足し算、引き算の計算に、すぐに対応できます。
 
手持ちがなくなったときにストップをかけ、そこから「1枚、2枚」と数え勝負を決めます。
下の図のように、■のカードの部分で、8対0でお子さんの勝ちとなります。
 
 お子さんのカード    
 □□□□□ □□□□□  
 □□□□□ □■■■■
 ■■■■
 
 
 お母さんのカード
 □□□□□ □□□□□ 
 □□□□□ □
 
 
5枚の固まりに分けるのに慣れれば、10の固まりで数えてみましょう。
算数の勉強で最初につまずく、繰り上がりや繰り下がりの計算にも、スムーズに対応できます。
 
余談になりますが、このカードの並べ方を、あまり手先の器用ではないお子さんにさせると、面白がってやることから優れたトレーニングになり、器用になるといった効果も期待できます。
 
本題に戻って、過去の入試問題集などで、例えば
「みかん10個と8個の絵があり、多い方に○をつけなさい」
といった多少の判定をする問題が5問あり、制限時間は15秒であれば、1つ1つ数えていては、とても時間内に終わりません。
学校側が知りたいのは、計算して答えを出すのではなく、「直感力が養われているか」ではないでしょうか。
 
数の多少だけではありません。
2枚のハンバーグや2つのコップに入ったジュースを見て、
「ぼくの方が小さいじゃん!」
「私の方が少ないわ!」
とこだわるのは、アバウトの感覚で「量の違い」を見分けているのであり、決して卑しいのではなく、直感力が順調に養われている証(あかし)ですから心配ありません。
 
この違いを小学校へ入ってから「数」は加減乗除で、「量」はデシリットル(dL)、リットル(L)、「重さ」はグラム(g)、キログラム(kg)、「長さ」はセンチメートル(cm)、メートル(m)、キロメートル(km)と正確な計算、単位として学んでいくわけです。
 
年中から年長の頃は、直感で見分ける機会をたくさん持つことが大切です。
なぜなら、「直感は、経験の積み重ねで養われる力」だからです。
 
室外と室内との温度差に体も驚くでしょうから、体調には気をつけてください。
 
 
   (次回は、「養ってほしい数感覚 2」についてお話しましょう)
 
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2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>ご家庭で楽しくできる受験準備(2)「話の読み聞かせ」のすばらしい効用 2

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         「めぇでる教育研究所」発行
2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2026年度入試(2025年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第8号
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(2)「話の読み聞かせ」のすばらしい効用 2
 
前回お話しましたように、話の読み聞かせは、「語彙」を増やし、「イメージをふくらます空想力や想像力」「話を聞く力」「構成力や思考力」「表現力」「物事に取り組む意欲」といった能力の開発に、はかりしれない影響を与えています。
しかも、誰かに命令され、要求されて、やっているわけではありません。
子どもは、自発的に、積極的に楽しみながら能力を培っているのです。
 
これだけではありません。
さらにもっとすばらしい能力の開発に貢献しているのです。
しかもそれは、小学校の入学試験で、重要なものばかりなのです。
 
「竜宮城って面白い所だな。絵に描いてみようかな?」
となると、絵画の領域です。
ファンタジーの世界で夢もふくらみます。
絵を描こうとする動機は純粋です。
幼児にとって、この「……かな?」と思ったときが、好奇心の芽を育む、絶好のチャンスなのです。
「小学校の入学試験に、絵を描かせる学校があるから、絵画教室へ行きましょう」
 
これでは、動機が不純です。
 
絵を描くことが好きになれるとは思えません。
これは何も絵だけではなく、ピアノや英会話といった早期教育にも同じことがいえるのではないでしょうか。
応接間の飾りものになっているピアノを見かけますが、ショパンやリストの名曲を弾いてほしいと、怒っているかもしれませんね。
 
ところで、最近、絵を描くことを、嫌がる子どもが増えていると聞きます。
その原因は、想像力が培われる前に、大人の求める望ましい上手な絵を描くことを、期待するからではないでしょうか。
感性が磨かれていなければ、絵は描けません。
 
[(環境+五感が受けた刺激)×(好奇心+観察力)÷そしゃく力=描かれた絵]
 
妙な式らしきものですが、冗談です。
専門家の先生方に、叱り飛ばされますね。
でも、感性は、子ども自身が、与えられた環境の中で、自らの力で養ってきた自前の性能ではないかといいたいのです。
親が、注文をつけ始めると、面白くない絵になると思います。
そこには、子どもにはない、大人の感性が入り込むからではないでしょうか。
どなたがおっしゃったのかわかりませんが、大人の手垢のついた絵です。
 
まだ、あります。
 
昔話をはじめ、子どもの読む本の多くは、善いことを勧め、悪いものを懲らしめる「勧善懲悪」から成り立っています。
正義は、必ず勝ちます。
倫理、道徳、善悪について、襟を正して教えなくても、きちんと学習しています。
いってみれば、お子さま用の「修身、道徳講座」です。
「情操教育の基礎、基本」を学習しています。
このことです……。
 
これからは、わたしども流の勝手な解釈ですから、深く詮索なさらずにさらっと読み流してください。
 
3歳頃から、自立が始まります。
そして、毎日、いろいろな経験をしながら、さまざまな感情も培われてきます。
これが、情緒です。
未分化であった情緒が、5歳頃から分化されます。
 
今までは、いってみれば、玩具箱の中に乱雑に入れられていた玩具が、「自動車はここ」、「縫いぐるみはこっち」、「ままごと道具はあっち」というように、次第に整理される状態になるので
す。
まだ、整然とはいきませんが。
つまり、未分化だった情緒が分化され、大人にみられる情緒が現れてきます。
喜び、悲しみ、怒り、恐れ、心配、快いといった情緒です。
ついこの間までは、嬉しくても、悲しくても、お腹がすいても、泣くしか表現できなかったことを思えば、格段の進歩です。
 
ですから、いろいろな話を聞き、喜怒哀楽など心の動きを誘い起こされ、幼いなりに、自我を作っていると思います。
大胆にいえば、正しいこと、悪いことの分別を学習しているのです。
修身、道徳講座のシミュレーション学習ではないでしょうか。
 
まだ、あります。
これがもっとも大切だと思います。
 
お父さんやお母さんが感情をこめて読んであげると、子どもは真剣に聞きます。
気持ちをこめて聞くものです。
 
そこから、人の話を静かに、行儀よく聞く姿勢が身につきます。
 
これは、小学校へ入って勉強するために、きちんと身につけておきたい「基本的な学習態度、心構え」です。
話が聞けないようでは、いくら漢字が読めても、足し算や引き算ができ、九九をそらんじていても、学習効果をあげることはできません。
小学校の先生方に聞いてみると、みなさん、そうおっしゃっています。
 
それほど、話を聞く姿勢を身につけることは、大切なのです。
 
小学校の入学試験も、同じです。
大切なことですから繰り返しますが、ペーパーテストには、答えは書いてありますが、どこにも設問はありません。
話を聞いていなければ、何も答えられません。
行動観察型や他の試験も同じです。
話をきちんと聞き、理解していなければ、どうにもなりません。
 
合否の鍵は、「話を聞く姿勢ができているかどうか」にかかっているのです。
 
それを、あまり本を読んであげずに、
「人の話はきちんと聞きなさいと、いつもいっているでしょう!」
恐い顔をして、厳しく、何十回いっても、無駄です。
 
子どもは、自分の好きな本を読んでもらい、静かに聞くことで、話を聞く姿勢を、意識することなく、身につける訓練になっているのです。
話を聞けない子になる原因の一つに、話を聞きたがる大切な時期に、読み聞かせが少なかったことも、あるのではないでしょうか。       
 
さらにすごいと思うのは、前にも少し触れましたが、
「言語能力を高めるためのお勉強ですよ!」
といった意識は、ご両親にも子どもにも、まったくないはずです。
自主的に、積極的に、しかも楽しく学習しています。
 
これこそ「教えない教育」のもっとも効果的な方法ではないでしょうか。      
 
「教えない教育」とは、誤解を恐れず、わたし流にいえば、「本人は勉強だと思わないのに、ものすごい勉強をしている」ことです。
何かを学ぼうとする気持ち、「学習意欲」が身につきます。
 
しつこいですけれども、まだ、あります。
 
ご両親、特にお母さんの表情豊かな、優しい語りかけが、何よりのスキンシップとなります。
ですから、子どもの好きな本をたくさん読んであげるお母さんは、子どもに慕われます。
それは、お母さんとお子さんが、同じ土俵に上がり、同じ気持ちで、物語の世界を楽しんでいるからです。
お母さん方は、こんな荒唐無稽な話などありえないと思っても、また、少し抵抗を感じる言葉があっても一切、無視して、子どものレベルに合わせて読んであげています。
 
視線は同じ高さですから、心が通うのです。
視線の高さが違ってくると、命令と忍従の関係になりがちで、そこには、教えてあげるという姿勢が表われ、子どもがもっとも嫌う母親に変身するからです。
 
しかし、一つだけいっておきましょう。
 
いくら本の読みきかせがすばらしいといっても、お子さんが興味を示さない本では、あまり効果はありません。
「少年少女 世界名作全集 全十巻」など買いそろえても、無駄かもしれませんね。
「本当は、『かちかち山』の話をしてほしかったのに……」
こういったずれは、小さいときからありがちです。
気をつかってください、無神経は駄目です。
(お断り 実際に「少年少女 世界名作全集 全十巻」が発売されていたとしても、その本とは一切関係ありません)
 
一緒に図書館へ行って、最初は、お父さんやお母さんが選んであげ、あとは、お子さんに任せてみましょう。
そして、お子さんが選んだ本は、たとえ年齢にふさわしくない幼い内容であっても、いやな顔をせずに読んであげ、自分で選べたことをほめましょう。
それから、お父さん、お母さんの勧める本を選んであげる、こういった手続きも必要です。
読書の芽は、自主的に育まれなければ、親が期待するように育たないからです。
 
また、図書館には、紙芝居がたくさんあります。
本に興味を示さない場合は、これを利用しましょう。
動画と違い紙芝居は、親子で向き合いますから、お子さんの表情がよく見え、話を理解しているかだけではなく、どういったことに感情が刺激されるか、何に興味があるかなどがわかるからです。
 
このように幼児期は、知識を詰め込み、文字や数字を使った計算を教えるより、心をこめて本を読んであげ、心の通った会話がたくさんできる環境を作るべきです。
そういう時期なのです。
 
小学校受験でもっとも重視されるのは、「話を聞く姿勢ができているかどうか」なのです。
 
そこから、ご両親の育児の姿勢がわかります。
普段から、会話が弾み、本をたくさん読んであげる環境であれば、自ずと培われてくる能力だからです。
これは、塾や幼児教室だけに任せて身につく力ではありません。
ご両親が、ご家庭で育てていくものです。
  
小学校受験の第一歩は、ここから始まり、合格を勝ち取る力となることを忘れないでいただきたいと思います。
 
まだまだ暑い日が続きます。健康管理には十分、注意してあげましょう。
 
 (次回は「数感をみがこう」についてお話しましょう)
 
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2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>ご家庭で楽しくできる受験準備(2)「話の読み聞かせ」のすばらしい効用(1)

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2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験
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 2026年度入試(2025年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第7号
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ご家庭で楽しくできる受験準備
(2)「話の読み聞かせ」のすばらしい効用 (1)
 
 
本を読んであげる「話の読み聞かせ」は、とても大切です。
 
動画で見る「フランダースの犬」や「アルプスの少女ハイジ」などのアニメの作品は、映像と語りだけではなく、臨場感を盛りあ
げる音楽や効果音まで駆使し、瞬く間に物語の世界へ誘い込まれ、楽しいものです。
 
これほど便利なものはありませんが、反面、幼児が疑問を抱いても、教えてくれない不便な点もあります。
 
幼児には、ご両親の「生」の声が何よりです。
 
5歳頃になると、絵が主役であった絵本から、字の多い絵本に変わり、話も筋道立てて進む物語になっていると思います。
 
ここで、お父さんやお母さんに本を読んでもらっていることを少し考えてみましょう。
読んでもらっているときの子どもの頭の中は、どうなっているのでしょうか。
 
絵を見ながらですから、大人が読んでくれる言葉を絵に置き換える、映像化するといった作業が、フルスピードで進んでいるので
はないかと思います。
 
絵本や図鑑、テレビや実際に見た映像が浮かんでいるのでしょう。
ところが、聞いたことがない言葉が出てくるとストップがかかります。
「お母さん(お父さん)、オニタイジって、どういうこと?」
やさしいお母さんは、お子さんの言葉に置き換えて説明します。
そこでお子さんは意味を確かめ、納得し、新しい言葉を覚えて、「語彙」が増えます。
 
そして、一人になると、まだ、字を読めないはずですが、何やらブツブツと言いながら絵本を見ています。
あれは、本当に不思議ですね。
おそらく、読んでもらった本が面白かったから、お母さんの言葉を思い出しながら確かめているのだと思います。
絵を見ながら、記憶した言葉をもとに映像を描き、イメージ化しているのです。
考え、想像しているのです、しかも「言葉」でです。
 
これは、すごいと思いませんか。
 
それが証拠に子どもは、とかく同じ本を何回も繰り返し、飽きもせずに読んでくれとせがみます。
それも読んでいる途中に、
「ママ(パパ)、ありがとう。そこまででいいです」
といったことが、しばしば起こりがちです。
そこまでのところを忘れてしまったのかどうかわかりませんが、それ以降、話が進まなくなり、イメージ化が中断してしまう、と
大人は考えてしまいます。
 
しかし、子どもとしては、読んでもらって全てがつながったから、そこまででいいのでしょう、あとは覚えていますから。
話を一所懸命に覚えようとしていることに違いはありません。
 
そこから「記憶力」がつきます。  
 
さらに繰り返し読んでもらうことで、描かれた映像は、より鮮明になり、そこから、「空想力や想像力」が培われるのではないで
しょうか。
 
ところで、昔話を何か思い出してください。
昔話だけではありませんが、幼児の読む本は、「起承結」で成り立っているのではないでしょうか。
「起承転結」の「転」はなく、話は複雑になっていません。
 
江戸時代の漢学者、頼山陽が、漢詩を説明するために「京都西陣帯屋の娘」と題して、面白い例を残しています。
 
   京都西陣帯屋の娘   (起)
   姉は十八、妹は十六  (承)
   諸国の大名は刀で殺し (転)
   姉妹二人は目もとで殺す(結)
 
「ショコクノダイミョウって、ナンですか?」
余計なものが入ってくると、すっきりしなくなります。
帯屋の娘の話は、帯屋の娘で終わらなければ、子どもは承知しません。
 
桃太郎が、鬼退治をしたついでに、海賊までやっつけるとはなりません。すっきりと終わって、「めでたし、めでたし」が、昔話
には欠かせない決まりです。
 
さらに物語は、「序破急」と快適なテンポで進みます。
 
浦島太郎の竜宮城で過ごしたひと時が、何十年であっても何ら差し支えありません。話は快く聞けるように仕組まれていますし、
簡潔明瞭ですから、「話を理解する力」がついてきます。
 
しかも、話は、「むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました」で始まります。
 
「むかし、むかし」は、「いつ」と時間の設定ですが、いつのことだかわかりません。 
 
「あるところ」は「場所」ですが、どこだかわかりません。
 
「おじいさんとおばあさん」は「だれ」と大切な登場人物ですが、名前もさだかではありません。
 
みんな「あいまい」です。
 
その「あいまい」なままに、話は、「何を」「なぜ」「どのように」と展開します。
これも考えてみると大変なことです。
 
時代はいつでも、場所はどこでも、名前がなくても、何ら不都合なことはありません。
奈良時代であろうが平成時代であろうと、北海道だろうが沖縄であろうと、みんな、「むかし、むかし、あるところに」で済ませ
てしまいます。
 
時代考証も、場所の設定も、登場する人物像をイメージ化する面倒な説明もありませんから、すっきりとした気持ちで話に入って
いけるのです。
 
これを仮に、
「江戸時代の元禄十五年、大晦日をむかえる二日前の朝、上総の国は蒲郡、大字蒲、字大和村の一本杉の近くに、四代目の山之上
太郎左衛門というじいさまと花というばあさまが住んでいました」
とやられては、聞いてみようかなという気持ちにもなれないでしょう。
 
「ママ、もう眠いから……」
こうなるに違いありません。
                
ところで、昔話は、
   いつ(when)
   どこで(where)
   だれが(who)
   なにを(what)
   なぜ(why)
   どのように(how)
といった[5W1H]から成り立っていますが、これは文章を書くときや情報を伝える時の基本で、小説や新聞、テレビのニュー
スなども、この形式(フォーム)で構成されています。
 
ということは、話を聞きながら[5W1Hのフォーム]を、小さいときから学んでいることになります。
 
これは、すごい知恵ではないでしょうか。
 
もちろん、子ども達が、「いつ、どこで、だれが」などと意識して聞いているわけではないでしょうが、理路整然とセオリーどお
りに話は進んでいきますから、楽しく話を聞き、その話を覚えることで、筋や物事を考える、「思考力や構成力」が、おのずと身
についてきます。
 
そして、子どもは、話を覚えると話したがります。
 
誰かに聞いてもらいたいのです。
それには、自分自身が話をよく理解しなければできませんから、そのための訓練が、自発的に始まります。
 
それが、「表現力」につながります。
 
しかも、「覚えなさい!」といわれて覚えたのでもなく、「話してみなさい!」といわれて訓練したものでもありません。
自ら、積極的に努力して得た力です。
 
こんなに大切な能力開発を、誰にもいわれずに挑戦しているにもかかわらず、
「パパ、『桃太郎』の話、知っている?」
「ああ、知っているよ。桃太郎が猿と犬と雉の家来を連れて、鬼退治にいく話だろう!」
と無造作に応じてしまっては、せっかく積んできたトレーニングの成果を試せません。
 
子どもは、話したいのです。
成果を試したいのです。
 
「うん、パパも子どもの頃は、よく知っていたけど、どういう話だったかな?」とやさしく受けてあげましょう。
お子さんは、一所懸命に話すはずです。
そして話し終えた時には一言、「よく覚えたな、偉いぞ!」とほめてあげることです。
 
お父さんにほめられて、不愉快になるはずはありません。
「よし、今度は『カチカチ山』を覚えるぞ!」
となり、新しい話に挑戦します。
 
記憶力どころか、「物事に取り組む意欲」を培うことになります。
しかも「自発的」にです。
 
30度越えの日々、自然が相手だけにどうしようもありませんが、お子さんの健康管理には十分に気を付けてください。
 
 
(次回は、「話の読み聞かせ」のすばらしい効用(2)」についてお話しましょう)
 
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2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>ご家庭で楽しくできる受験準備(1) 身につけてほしい話を聞く姿勢

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      <第6号
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ご家庭で楽しくできる受験準備
 
(1) 身につけてほしい話を聞く姿勢
 
今回からしばらく、家庭でできる受験準備の基本的なことについてお話ししましょう。
 
小学校の入学試験には、文字を使えませんから、ペーパーテストには答えは出ていますが、設問は、どこにも書かれていません。
このことです……。
 
一回で説明を理解できなければ、それまでです。
設問が書かれていれば、難しい問題は後回しにして、時間があれば挑戦できますが、小学校の試験は、これができません。
 
まず、設問を聞き、「はじめ!」の合図で取り組み、「そこまで!」と声がかかればやめて、次の設問を聞きます。
「もう少しでできるぞ!」と続けていると説明を聞き逃すことになり、次の問題に挑戦できません。
 
「約束を守る」の項目に、チェックが入る学校もあるようです。
そういったことから考えると、もっとも厳しい試験方法ではないでしょうか。
 
さらにやっかいなことには、慶應義塾幼稚舎のようにペーパーを用いない「行動観察型」のテストでは、先生の指示を聞き取り、理解し、考えをまとめ、自分自身の意見をいったり、話をしたり、思ったことを絵に描いたり、身体で表現しなければなりません。
 
しかも、生まれて初めて入った場所で、初めて会った同年代の子ども達とグループを組み、初対面の先生の指示を聞き、理解し、すぐに行動に移さなければなりません。
機敏に対応できる能力が求められます。
 
このように、話を聞く姿勢ができていなければ、小学校の入学試験には対応できません。ですから、まず、ご家庭で心がけてほしいのは、お子さんが「話をきちんと聞けるようにする」ことです。
 
それには、ご両親が「お子さんの話をきちんと聞く姿勢」を示すことが大切です。
「こうしなさい!」「こうしなければダメ!」と注文をつけるのではなく、逆に、お子さんの話に耳を傾けてあげる、話を聞いてあげることが大切なのです。
 
これは、簡単なようですが、あまりできていないのではないでしょうか。
 
幼児の話は一本道ではなく、あっちへ飛んだり、脱線したり、一回で完結せずに、予想のつかない展開となりがちです。
そこを辛抱強く聞いてあげ、
「○○君(ちゃん)、こういうことだったのね」
などと簡単にまとめてあげれば、
「何だ、そういうことか!」
と、本人は意識しなくても話の仕方の学習にもなっているのです。  
 
幼稚園や保育園から帰ってくるなり、
「ママ、あのね、きょう……」
などと話しはじめた時には、何はさておき聞いてあげましょう。
話したい意欲に燃えているのですから、「話の仕方の学習時間」と考えて、真剣に聞いてほしいのです。
 
聞いてもらうと、子ども心にも快感が生じます。
そこから、「人の話はきちんと聞かなければいけないこと」も学習できるのです。お母さんは、「話をきちんと聞きましょう!」と、柳眉を逆立て命令しているわけではありませんが、お子さん自身は「話をきちんと聞く学習の基本」を学んでいるわけです。お父さんも同様です。
 
これも「教えない教育」の一つの例です。
 
話を聞いてもらえたお子さんは、身も心もすっきりとし、
「ようし、今日は、プリントを5枚、頑張るぞ!」
となれば、一石二鳥ではありませんか。
 
お母さんにも経験ありませんか。
会社から帰ってきたお父さんに、テレビのワイドショーなどで仕入れた情報を披露しようとした時に、
「疲れているからあとにしてくれ!」
などといわれれば、ムッとしませんか。
 
お子さんも同じです。
力関係でお母さんに勝てませんから、黙るしかないのです。
せっかくの学習チャンスを無駄にしています。
この無駄は、はかり知れない大きなものであることを肝に銘じておきましょう。
スキンシップにも影響がでます。
 
お子さんの話を聞けないお父さん、お母さんは、命令と要求が多くなりがちです。
立教小学校の説明会で、「対話の反対は沈黙ではなく、命令と要求」とおっしゃったのは、田中司元校長でしたが、幼児の場合は、まさにその通りではないでしょうか。
 
お子さんが急に黙ったり、プッとふくれたり、不満げな様子を示す時は、「命令や要求が実行されている」と考えましょう。
子ども達が、もっとも嫌がるお父さん、お母さんであることに気づいてほしいですね。
 
ところで、特にお母さん、お子さんの赤ちゃん時代を思い出してください。
お子さんは、「ママ!」の一言で、一方的に会話を済ませてはいませんでしたか。
「お腹がすいた」
「水を飲みたい」
「おむつを取り替えて」
「汗をかいて気持ちが悪いの」
「日光浴をしたい」
「抱っこして」
「淋しいからそばにきて」
「テレビをつけて」
「頭が痛いの」
「お散歩に連れてって」
など、書き出すときりがありませんからやめますが、選択肢はこんなものではなかったはずです。
 
お母さん方は、「ママ!」の一言で、何を要求しているかを的確に判断し、適切な処置をしていたのではないでしょうか。
このことを思い起こせば、つたない話でも、聞いてあげるのは楽ではありませんか。
お子さんが、「ねえ、ママ!」といったときには、素直に話を聞いてあげるように心がけましょう。もちろんお父さんもです。
 
イエス・キリストも、「忙しい毎日の中で、その時にあたって最善の行動とは何かを考えなければならない」とおっしゃっていますが、子どもの話をゆっくり聞いてあげる、これもその時
に最優先すべきことと考えるべきではでしょうか。何もキリストにお出まし願うこともありませんが(笑)。
 
もう一つ、思い出してほしいのです。
 
赤ちゃんが、なぜ、話せるようになったか、このことです。
自然に話せるようになったわけではありません。
映画「ジャングルブック」は、赤ちゃんの頃から狼達に育てられ、言葉をまったく話せなかった少年が主人公でした。
言葉は、その学習時期を過ぎると臨界期といって、どうにもならなくなり、身につかないそうです。
 
ここでも、お父さん、お母さんの涙ぐましい努力が、あったはずです。
 
「ママ(パパ)、おみじゅ!」
と、お子さんがいったとします。
お母さん(お父さん)は、どのように対応されたか覚えているでしょう、それほど昔の話ではありませんから。
「のどが渇いたので、お水が飲みたくなったのね!」
こういっていたはずです。
そこで、お子さんは、
「ノドガ カワク、ミズヲ ノミタイ」
といった言語の学習をしていたわけです。
この語りが、おうむがえしが、会話の学習の基礎となり、今のように話せるようになったわけです。
「主語が『私』で、述語が『飲みたい』、目的語が『水』で、形容詞が、副詞が……」と教えたわけではありませんが、かなり、理詰めに話せるようになっています。
 
お父さん、お母さんとの学習が、苦にならなかったからです。
なぜでしょうか。
 
それは、やはりお父さん、お母さんが、話ができるように、やさしく対応してあげたからです。
その心は、「まだ、話せないから」といった配慮があり、無理に教え込まなかったからではないでしょうか。 
話をじっくりと聞いてあげ、言葉のシャワーを繰り返し浴びせかけた結果であり、これも「教えない教育」であったわけです。
  
誤解をされると困りますから繰り返し説明しますが、「教えない教育」は何も教えないのではなく、教わっている本人が、意識することなく、楽しく、大変な学習をしていることです。
 
そして、面接で、丁寧な言葉で話してほしいとお考えでしたら、お母さん自身が、響きのよい言葉を使うことです。
「ご飯よ、○○ちゃん!」ではなく、「ご飯ですよ、○○くん(さん)!」と話しましょう。
 
言葉遣いやあいさつは、一朝一夕に身につくものではありません。
親が率先して、よいお手本を見せることです。
 
さらに、指示は、正確に出すように心がけましょう。
「ねえ、○○ちゃん、あそこにある、あれとって!」
「あそこの、あれ」といわれても、わかっているのは指示を出したつもりのお父さん・お母さんだけで、聞いているお子さんには、何が何だかわかりません。
何だろうと迷っていると、
「何をぐずぐずしているの!」
と、怒気を含んだ催促になりかねません。
 
「これ、それ、あれ、どれ」といった「こ・そ・あ・ど言葉」
は、使わないことです。
「こ・そ・あ・ど言葉」は、文章が煩雑になるのをさけるために使う「代名詞」です。
代わりの言葉ではなく、名詞をきちんと使いましょう。
 
「○○くん、ダイニングのテーブルの上にある料理の本を、お母さんのところへ持ってきてください」と指示がきちんと出ていれば、「いい加減に聞いたらまずいことになるぞ!」と、お子さんもわかります。
 
   ◆話を聞いてあげる。 
   ◆きれいな言葉を使う。
   ◆指示をきちんと出す。
      
保護者に、こういった配慮があれば、お子さんも、保護者の願いに応えるはずです。
心当たりがありましたら、早速、実行しましょう。
 
暑い日が続くようです。清涼飲料水は控えめに、家で作った麦茶などで、渇きをしのぎましょう。
 
 
(次回は、「本の読み聞かせの素晴らしい効用 1」についてお話しましょう)
 
 
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2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>幼児に必要なのは、 勉強ではなく学習です。

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         「めぇでる教育研究所」発行
2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2026年度入試(2025年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第5号
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幼児に必要なのは、 勉強ではなく学習です。
 
 
ある年の白百合学園小学校の親子面接で、こういった質問があったそうです。
「何かお勉強をしていますか。どういうお勉強ですか」
「…………?」
こうなってしまったお子さんが、多かったのではないでしょうか。
 
模擬親子面接で、こういった質問をするのは控えますが、どのような受験準備をされているのか聞きたくなるときがあります。それは、ペーパーテストの成績は良いのですが、行動観察型のテス
トでは、それほど点数が取れていない場合です。幼児に「勉強をしていますか」とは聞けませんから、いけないと思いながら誘導尋問をします。
 
「幼稚園から帰ったら、どんなことをしますか」
「お教室へ行ったり、お母さんとプリントのお勉強をしています」
「お勉強は楽しいですか」
 
ここで、お母さんを見るお子さんがいます。どうやら勉強が楽しくないようですね。
しかし、そうはいえませんから、お母さんの顔を見て、そして、うつむいてしまいます。
後で、親子関係が険悪になると困りますから、
「楽しいようですね。ところで……」
と話を変えます。
 
多くの子ども達に聞いても、受験準備は勉強だといい、女の子は「お勉強」といいます。
しかし、どういった勉強をしているかまでは、説明できません。
話の記憶から数量、推理・思考、図形、構成と勉強している領域は広く、取り組んでいる内容も複雑だからです。
学校側は、何を聞きたかったのでしょうか。
                      
それはともかくとして、教育の二文字から「勉強と学習」といった二つの言葉が浮かんできます。
では、勉強とは、どのような意味があるのでしょうか。
辞書を引くと、こう書いてあります。
 
「1.そうする事に抵抗を感じながらも、当面の学業や仕事などに身を入れること。
 2.将来の大成・飛躍のために一時忍ばなければならない、つらい経験」
   (「新明解国語辞典」三省堂 刊)
 
幼児期には、「つらい経験」はあまりさせたくないものです。
 
一方で、学習を辞書で引くとこう書いてあります。
 
「習い学ぶこと。とくに、学校などで系統的に勉強すること」
   (岩波国語辞典第三版 岩波書店 刊)
 
この「習い学ぶ」ことから、キリスト、釈迦、マホメッドと共に、世界の四大聖人である孔子の話を思い出します。
 
「論語物語」の中にある「うぐいすの声」です。
テーマは君子に関することですが、学習について、息子の鯉(お祝いに王様から鯉をいただいたのが命名の由来だそうです)に説明するシーンがあります。
論語を研究したことはないのですが、印象に残っています。もしかすると私の誤解であって、専門家の先生から叱責を受けるかもしれませんが、「わたくし流」に解釈して紹介しましょう。
文言は正確ではありませんが、ダイジェストすると、こういった話になります。
 
早春の朝、庭を散歩する孔子が、「ホーホケキョ」と鳴くうぐいすの声を聞き、息子の鯉に、「お父さんうぐいすが鳴いたね。今に、赤ちゃんうぐいすが鳴くよ」というと、「ケッキョ!」と不
器用に鳴く声が聞こえてきます。
「この赤ちゃんうぐいすは、親の鳴き方を一所懸命に真似て、繰り返し、繰り返し練習するのだよ。赤ちゃんうぐいすにとって、学ぶということは、親の鳴き方を真似するのであり、習うという
ことは、何回も練習し、失敗を重ねることであって、やがて、親鳥のように、鳴けるようになるのだよ」
 
このように、幼児の教育は、「勉強」ではなくて「学習」ではないでしょうか。
 
受験勉強も「強いて勉める」のではなく、「学び習う」のが望ましく、また、そうあるべきだと思います。
「そんなの理想でしょう。大人でも解けないような問題が出ていますよ。何であんなに難しい問題がでるのですか。できなければ合格しないということでしょう!」
 
そのような声も聞こえてきそうです。ごもっともですといいたいのですが、難しい問題でも、きちんと段階を踏んでいけば、できるようになります。多くの場合、取り組み方が間違っているから
できないだけです。
 
歩けない我が子を、無理やり歩かせようとしましたか。
十分に“はいはい”をさせ、つかまり立ちができ、少し歩いてはよろけて倒れる、これを繰り返すことで、やっと歩けるようになったわけです。発育段階を無視せず、一歩一歩、ゆっくりと時間
をかけて見守った、あたたかい愛情があったからではないでしょうか。
 
また、しっかりと“はいはい”をして筋肉を鍛えるなど、さまざまな条件を乗り越えた結果でもありますが、そこには「歩きたい」と願う本能があり、そのために試行錯誤をいとわない意欲や行動
力があったからです。
 
知的な能力を培うのも、同じだと思います。
幼児が、いろいろなことを知りたがるのは、一人で生きていくための知恵を備えるためではないでしょうか。
 
幼児が、一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことによって学習していきます。いわゆる「体験学習」です。
記憶力も大切な能力ですが、知的な能力は、記憶だけに頼った勉強だけで、身につくものではありません。
 
一度泳げるようになると、十数年泳がなくても、泳ごうと思えば泳げます。ところが、英単語などは使わなければ、簡単に忘れてしまいます。泳ぎは、体が記憶している中枢神経系統に、記憶は
大脳神経系統に属しているからだといわれています。幼児は日常の家庭生活を通して、また、幼稚園や保育園、近所の友達との関わりから、さまざまな能力が開発されていくのです。
 
さらに、幼児にとって大切なのは、「遊び」です。
 
幼児の遊びは、仕事です。
大人は仕事をするとき、報酬を考え取り組みますが、幼児の仕事には、金銭的な報酬は何もありませんし、要求もしません。
しかし、一人で生きていくための知恵は確実に身につき、自立を促します。ここで言う「遊び」は、ゲームをやっていて、つまらないからやめるといったような遊びとは違います。ですから全力
をあげ、夢中になって取り組んでいるのです。
 
遊びには、一人遊びと仲間遊びがありますが、ここでは、一人遊びを考えてみましょう。
 
一人遊びを見ていると、子どもが夢中になっている様子がよくわかります。
それも道具は、ウルトラマンと怪獣の人形だけで、大激戦が繰り広げられています。
番組を撮影する監督も顔負けの映像が、子どもにはリアルタイムでポンポンと浮かんでいるのでしょう。
 
子どもの想像力や空想力は、大人の比ではありません。
 
台本を書いて、セットを組み、主演から脇役、対戦相手の怪獣、そして本人しかわからない奇妙な効果音まで流し、監督までやっているのですから驚きです。
 
しかも、こんなにすごい想像力を働かしながらも、もっとおもしろく遊べる方法はないものかと工夫しています。
ですから、子どもは遊びに夢中になれるのです。
 
どうしたらもっと面白くなるかと、いろいろなアイデアを考え、その中から、
「これが、いいぞ!」
と選び、遊びの場に引き出します。
やってみたところが今一だとすると、
「なんだ、おもしろくないな。カット、カット!」
と駄目出しをして、また新しい台本に挑戦し始めます。
 
「考え、実践し、評価し、新しい遊びを見つける」、幼児の遊びは、これの繰り返しで、そこから新たな力が育まれていきます。
まさに大人顔負けのPDCAサイクルですね。
しかも、だれも教えていません。すごいことです。
 
教えてくれなくても、こんなに夢中になって取り組めるのです。
それは、一歩でも前進したい本能的な要求であり、そこから得た知恵が、自力で生きる力になっているからです。
こういったすばらしい潜在能力を利用しない手はないと思います。
 
幼児の教育は、「体験学習」で培われ、「教えない教育」に基づいたものであるべきだと思います。
 
「教えない教育」とは、本人が教わっていると思わずに、たくさんのことを学んでいる教育のことです。
 
赤ちゃん時代から、お母さん方の育児の姿勢は、「体験に基づいた教えない教育」に徹してきたはずです。
 
言葉を語りかけたとき、おむつを外したとき、スプーンやはしを使えるようにしたとき、恐い顔をして、教え込んだでしょうか。
 
失敗しても怒らない、できるようになるまで「忍の一字」で待ってあげたはずです。
 
「うちの子は、まだできないから」
ときちんとお手本を見せるという愛情があったからこそ、お子さんもそれに応えて成長したのではないでしょうか。
 
受験準備も同じです。
 
できる、できないだけにこだわらず、どうすれば楽しく学習できるか、一緒に考えてあげましょう。
 
それには、遊びの感覚を取り入れることです。
 
机の上で問題集を広げてする受験勉強は、基本的な力が備わっていなければ、苦痛になるだけです。
 
お父さんやお母さんとの学習が面白ければ、そして楽しければ、お子さんは、一所懸命に挑戦するはずです。 
受験勉強の第一歩は、ここから始めるべきだと思います。
 
暑さに負けず、昆虫採集や外遊びをする子ども達を見かけます。
水筒を持っていますが、帽子をかぶっていない子がいます。お子さんはいかがですか。元気なことは良いのですが、熱中症対策はしっかりしてあげましょう。
 
また、外から帰ってきた時は、手洗い、うがいを励行してください。良い習慣は、毎日の積み重ねから身につくものだからです。
 
 
 (次回からは、「家庭でできる楽しい受験準備」についてお話しましょう。)
 
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2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>お子さんは、幼稚園や保育園で、どのように評価されていますか。

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         「めぇでる教育研究所」発行
2026さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2026年度入試(2025年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第4号
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お子さんは、幼稚園や保育園で、どのように評価されていますか。
         
前号に続き、第二は、社会性や協調性といった集団生活への適応力です。
小学校は集団生活ですから、社会性や協調性が育まれていなければ、スタートでつまずくことになりかねません。しかも、こういった能力は、多くの場合、ご家庭で培われるものです。
 
ある年の光塩女子学院初等科の説明会で、
「行動観察のテストでのお子さんの様子は、日頃、かかわりのある周囲の大人、特に、ご両親の社会性や付き合い方が反映されるといわれています。明るく、けじめのある付き合いができるかどうかが表れるからです」
とおっしゃっていましたが、まさにその通りではないでしょうか。
 
長年、幼児教育に携わり、教えられたのは、「お母さん方の子どもに与える影響力には、計り知れないものがある」ことです。
 
共働きが増え、子育てもご両親分担される家庭が増えています。
それでも、幼児期はお母さん方の育児の姿勢次第で、子どもは育つといっても、決してオーバーな表現ではありません。それほど、お母さん方は、絶対的な力を持っています。そのことを、お母さん方自身が、強く意識してほしいと思います。
お子さんのために。
 
では、どういった子育てが集団生活への適応力を育むのでしょうか。また、育まないのでしょうか。     
 
以下「お母さん」と書いてありますが、「お母さん」を「お父さん」に置き換え、ご両親ともにチェックしてみましょう。
 
 
◆チェックシート(1)
[チェック方法] 
はいの場合[○] いいえの場合[×]
どっちともいえない場合[?]
 
1.お子さんのやっていることを見ていると手を貸しがち。[  ]
2.お子さんのやっていることを見ていると口を出しがち。[  ]
3.他人の子どもはちっとも可愛くない。        [  ]
4.けんかの原因をわが子だけから聞き、相手に談じ込む。[  ]
5.公開模擬テストの偏差値に何が何でもこだわる。   [   ]
6.入試に関するうわさが気にかかり心を痛める。    [   ]
 
いろいろと出ましたが、全部[×]であれば、理想的なお母さんになれますが、いかがでしょうか。
[?]は、若干、その気配があるかもしれないという場合です。
5.6.については、今の段階では関心はないと思いますが、来年の今頃は、おそらく心を悩ますことになるかもしれませんので、覚えておいてください。
少し、解説しておきましょう。
 
 
[1.過保護型のお母さん]
 
こういったタイプのお母さんに育てられると、お母さんが何でも伝いますから、お子さんは、我慢をするといった忍耐力に欠け、わがままになりがちです。
何事も自分一人で取り組む機会が少ないために、工夫する力、想像力や独創力が育ちにくく、基本的な生活習慣も身についていない場合が多いですから、集団生活への適応力にも、不十分なとこ
ろがありがちです。
 
 
[2.過干渉型のお母さん]
 
「こうしなさい」「ダメ」「早くしなさい」など、命令、禁止、要求、抑制の言葉が多い環境のため、自立心や自発性、積極的にやろうとする意欲が育ちにくく、何かをするときに、お母さんの
指示を待つ消極的な子どもになりやすいものです。
 
 
[3.溺愛型のお母さん]
 
お母さんの愛情を一身に受け幸せそうですが、愛情を注ぐお母さんが、情緒不安定な場合が多く、そのため叱られはしないかと、絶えずお母さんの顔色を見る子になりがちです。大人の前ではよ
い子でも、子どもらしさに欠け、陰で弱い子をいじめるといった問題を起こす子どもになりやすいといえます。
 
 
[4.自己中心型のお母さん]
 
「学校が、先生が、友達が悪い!」と、何かにつけて他人のせいにし、責任を取ろうとしませんから、子どもも真似をし、社会性や協調性に欠け、集団生活になじめず、孤立する恐れがあります。
いわゆる「自己中心型」のお母さんです。小学校が、もっとも歓迎しないお母さんです。いわゆる、モンスターペアレント、モンペですね。
 
 
[5.知育偏重型のお母さん]
 
子どもの生まれ月、月齢や発育段階を考えずに、能力以上のことを要求するために、何事にも自信が持てず、極端に失敗を恐れ、落ち着きがなく、積極的に取り組む意欲が表れにくい子になりが
ちです。お母さんは、「何回言ったらわかるの!」などの言葉が多くなるようです。
 
 
[6.付和雷同型のお母さん]
 
親が選んだ受験にもかかわらず「コネ次第」「出身者有利」「職業で決まり」などいった怪情報、噂などに振り回され、「わが子をみてください」といった信念がないため、親子で受験地獄に陥
りやすいといえます。「○○ちゃんは、できるのに…」といった比較する言葉を不用意に使い、お子さんの心に傷を残すことになりがちです。
 
 
いかがでしょうか。
気の弱いお母さん方にとっては、気が滅入ってしまうような言葉ばかり出てきましたが、実際には、こういったお母さん方が、いるわけではありません。お母さん方の心の中に潜んでいるのでは
ないかと思われる、“潜在的な欲求”を表したものです。これらが表面に出るか、きちんと押さえこむことができるかで、お子さんの社会性や協調性は、培われていくものです。それが学校側のいう育児の姿勢なのです。
 
公立、私立を問わず、小学校では、「知育・徳育・体育の三つの能力が、年齢にふさわしく、バランスよく育っている気力のある子」を求めています。こういったお子さんに共通しているのは、
社会性や協調性といった集団生活への適応力がきちんと身についていることです。ご両親がバランスの取れた育児を心がけた結果といえるわけです。バランスのよい育児とは、紹介しました6つ
のタイプに偏らない育児のことです。
 
 
次に、日常生活で、どのような育児が行われているかをチェックしてみましょう。
偏った育児になっているかどうか、これだけでも判定できます。
 
 
◆チェックシート(二)
[チェック方法]
 今回は、○か×で判定してください。
 
1.ご両親であいさつをしていますか。       [  ]
2.お子さんはご両親の話をきちんと聞いていますか。[  ]
3.お子さんの話をきちんと聞いてあげていますか。 [  ]
4.お子さんに呼ばれて「ハイ」と答えていますか。 [  ]
5.お子さんが何かできるようになったとき褒めていますか。 [  ]
6.お子さんが悪いことをしたときに本気になって叱りますか。[  ]
7.何かお手伝いをさせていますか。 [  ]
8.お子さんは約束を守っていますか。[  ]
9.本を読んであげていますか。   [  ]
10.「なぜ、どうして」に答えてあげていますか。[  ]
11.指示はきちんと出していますか。 [  ]  
12.お子さんが泣いても「駄目なことは駄目」といえますか。 [  ]
13.「おんぶ」をせがまれると、いつでもおんぶしていますか。[  ]
14.「早くしなさい!」という言葉が多くありませんか。   [  ]
15.何か欲しがったときにはすぐに与えますか。[  ]
16.お子さんに好き嫌いはありますか。    [  ]
17.お子さんがテレビのチャンネル権を握っていませんか。  [  ]
18.じっと座っているのを苦手としていませんか。      [  ]
19.遊んで帰ってきたお子さんの洋服の汚れが気になりますか。[  ]
20.叱った後、後悔することはありますか。[  ]
 
チェックする項目は、望ましい育児の姿勢を中心に作ってみました。[1]から[12]までは「はい」、[13]以降は「いいえ」が理想ですが、いかがでしょうか。今度は、どちらともいえ
ない「?」のマークはありませんが、是非とも、ご両親で頑張ってほしいことだからです。
 
 
前回お話しました生活習慣や、こういったことを毎日の生活の中でご両親が心がけていけば、自ずと集団生活の適応力である「社会性」や「協調性」は培われ、学校側の歓迎するお子さんに育つ
ものです。
 
心配な点がありましたら、幼稚園や保育園の先生に、「私どもの子どもは、集団生活に何か問題はないでしょうか」と聞いてみましょう。
「少し、問題があるようですね」といった答えがあった場合は、「大変、問題がある」と考え、ご両親の育児の姿勢をチェックする必要があると思います。
 
ところで、幼児教育に携わる者にとって、モンテッソーリの著書は必読の書ですが、ある著書の中に、こういった言葉があります。
  
 「親や教諭は、自分の考えや力で子どもを支配してはいけない。今、この子に何をしてあげるべきか、何を成すべきではないか、ということを知らなくてはならない。子どもが、今、成すべき
 こと、今、成し遂げるべきことを、自力でさせてあげることだ」
       
ここから、相良敦子氏の「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」(講談社)という名著が生まれたのですが、この本の題名のように、基本的な生活習慣や集団生活への適応力などは、子どもが一人でできるように、一人で参加できるように手伝う姿勢が、大切ではないでしょうか。「命令と強制」だけでは、こういった適正能力は育まれません。
 
なお、この本は、白百合学園小学校を受験されるお母さん方、特に、モンテッソーリ教育に縁がなかった方には、是非、読んでほしいと思います。すると、なぜ、本学園の入学試験の難易度が高
いかがわかるからです。
 
 注 マリア・モンテッソーリ
   イタリアのローマで医師として精神病院で働き、知的障害児へ感覚教育を実施し知的水準を上げる効果をみせ、1907年に設立した貧困層の健常児を対象とした保護施設「子どもの家」において、独特の教育法を完成させた。以後、モンテッソーリ教育を実施する施設は「子どもの家」と呼ばれるようになった。
    ウィキペディア フリー百科事典より
 
夏はこれからが本番です。夏休みになっても、通園中と同じようにタイムスケジュールをきちんと守り、楽しく生活できるよう心がけましょう。
 
(次回は、「幼児に必要なのは、勉強ではなく学習です」についてお話しましょう)

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