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2026さわやかお受験のススメ<保護者編>創刊号

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       「めぇでる教育研究所」発行
   2026さわやかお受験のススメ<保護者編>
   「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
     豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第1号-
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人生は、出会いと別れの織りなすものともいわれていますが、この出会いの多い人が、幸せなのではないでしょうか。
そして、出会いが多い、少ないに関わらず、素晴らしい出会いを手軽に実現してくれるのが読書です。
 
永田久先生の書かれた「年中行事を『科学』する」(日本経済新聞社 刊)は、実に貴重な出会いの一冊となりました。
 
年中行事を、科学的に研究された方がいらっしゃったのには、驚かされました。初めて知ったことが多く、一つ一つ納得できましたが、難しいのです。
 
「自分の浅学を反省せずに、何だ!」と、先生からお叱りを受けるかもしれません。しかし、難しいのです。でも、素晴らしいのです。
 
今までは、何となく季節折々の行事や祭りを、生活とはあまり関係のないイベントとして見る習慣がついている保護者の方に、行事の由来やそれに関係のあるむかし話を紹介して、改めて行事や
祭に興味を持っていただきたい。そして、育児に取り入れるていただくことができれば、幼児期の心をはぐくむ教育に、よい影響を与えるのではないかと、漠然と考えていたのです。
 
この本が、ものすごい解答を示してくれました。
 
門松も、菱餅も、クリスマスケーキも、年越しそばも、そのもとを尋ねてみると、いずれも、自然と共生するための、貴重な教えになっているではありませんか。
 
そのもとは、「感謝」の心です。
 
感謝を忘れると大人は傲慢になり、子どもはわがままになりがちです。自己中心的な考えしかできない大人や、自分のことしか考えない子ども達が多くなったのも、共に生きるためのルールを守
らないからであり、いじめは、その最たるものではないでしょうか。
 
「やってはいけないことがある」という、だれでも守らなくてはならない約束事は、自立が始まる3歳頃から自律心を養う6歳頃にかけ、きちんと学習すべきことの一つです。
 
なぜ、子どもの頃に、むかし話を読み聞かせる必要があるのでしょうか。
 
その答えは、「桃太郎」一冊を読み返すだけでもよくわかります。
幼い子ども達の情操を培いながら、勧善懲悪をきちんと学べる大切なエッセンスが、楽しく生きるための心の糧となるヒントが、巧みに取り込まれ、心に染みる言葉で、やさしく語りかけている
からです。
 
心をはぐくむばかりか、話を聞く姿勢も身につきます。
 
小学校の受験でもっとも大切なのは、話を聞く力があるかどうかにかかっています。
 
そのことも本メールマガジンの重要な目的の一つです。
 
ところで、「桃太郎」「花さか爺さん」「かちかち山」「さるかに合戦」「舌きりすずめ」は、日本の五大おとぎ話といわれていますが、お子さんに読んであげているでしょうか。
 
そして、年中行事を祝うのも、むかし話を楽しむのも、家族というもっとも小さな集まりでのイベントであり、幼児期には欠かせない団欒のひと時です。
 
こういったことを、ご両親が率先して、きちんと楽しまれている家庭は素晴らしいと思います。
 
こうしたことを通して、家庭の文化が築き上げられていきます。
家庭の文化は、ご両親の育児の姿勢が表れたもので、そこから情操豊かな子ども達が育っていくのです。
 
「多様性」といわれる昨今ですが、子ども達が小さい頃から、家庭の文化を築き上げることは、今も昔も変わらず大切ではないでしょうか。
 
知識を詰め込むことに熱心な親より、豊かな情操を培うことに心を注ぐやさしいご両親こそ、子ども達にとっては、そうあってほしい親の姿です。
 
子どもと一緒に年中行事を楽しみ、話を読み聞かせるご両親のもとから、「元気で、明るく、素直な子」が育ちます。
 
皆さん方のお子さんが受験する国公立、私立小学校では、
「元気で明るく素直な子」
を求めています。
 
本メールマガジンが、小学校を受験される子ども達の情操面を育むお手伝いの一助になれば幸いです。
                   
 
めぇでる教育研究所 職員一同
 
 
【本メールマガジンは、「私家版 情操教育歳時記 日本の年中
行事と昔話 情操豊かな子どもを育てるには 上・下 藤本紀元
 著」をもとに編集、制作したものです】
 
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2026さわやかお受験のススメ<保護者編>事の始まりは、ある幼稚園の進学教室からでした

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       「めぇでる教育研究所」発行
   2026さわやかお受験のススメ<保護者編>
   「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
     豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第2号-
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-事の始まりは、ある幼稚園の進学教室からでした-
 
私は、長い間、幼児教育のパイオニアである大手教育研究所でお世話になっていました。「情操を育むために、年中行事と昔話が大切な役目を果たしているのではないか」と模索していたのは、幼児教育の本質が少しわかりかけてきた、50歳になった頃ではなかったでしょうか。「年中行事を『科学』する」という素晴らしい本にめぐり合い、進むべき道が見えてきました。
 
そして、この考えに「間違いはない」と自信らしいものが出てきたのは、ある経験からでした。
約10年間にわたり、板橋区にある淑徳幼稚園の課外保育であった進学教室を担当していたのですが、後半の5年間は、一人で年中組と年長組を指導することになりました。この間の子ども達のやり取りとお母さん方の反応から、年中行事と昔話を組み合わせた「情操教育歳時記」といった何とも大仰なタイトルですが、気軽に読んでいただける本を作ってみようと思い始めていたのです。
 
私どもの研究所の教室へやってくる子ども達は、全員、「受験のために勉強にきている」といった意識が、しっかりと培われていましたから、授業もやりやすかったのです。「幼児教室は、こういうものだ」と思っていた私には、この進学教室は、まさに青天の霹靂で、勝手が違い、思わぬ苦労をしました。
 
その日の保育が終わった後に、同じ教室でやるのですから、子ども達にとっては、「自分たちの土俵に変な先生が入ってきた、エイリアン!」といった感じだったのでしょう、いつものように授業を始めることができなかったのです。そのために、まず、授業に集中できる雰囲気を作ることからはじめました。
 
試行錯誤を積み重ねながらできあがったのは、授業の前に、その月の行事、11月でしたら七五三をテーマに、昔からの言い伝えを子ども達にわかるように話し、その月に関係ある昔話をするといった方法でした。
 
回を重ねる内にわかったのは、子ども達は「フランダースの犬」や「アルプスの少女ハイジ」を知っていても「一寸法師」や「花さか爺さん」などの昔話を、あまり知らないことでした。しかし、話をしてみると、熱心に聞いてくれるのです。それならばと、徹底的に昔話をすることにしたのですが、年長組は週2回で月8回、1年間で、ざっと96の話をすることになり、少々心配になりました。「絵本を見ながら読んであげればいいか!」と気軽に考えていた私は、子ども達から思わぬしっぺ返しを食い、悪戦苦闘が始まったのです。
 
それは、本を見ながら話す時と見ないで話す時では、子どもの興味を示す様子が、微妙に違うことでした。話を覚えている場合は、子ども達の目を見ながら話をしますから、目をそらす子はいません。「目をそらさない」は、話をしっかりと聞く基本的な姿勢です。本文でも紹介しますが、「大勢の子ども達に、話を読み聞かせる重要なポイントは、話を記憶することだ」と教えてくれたのは、進学教室の子ども達でした。
 
毎週2つの話を記憶するのは大変でしたが、子ども達は私の話を楽しみに待ってくれ、授業にもスムーズに入れるようになりました。見つけた時には私も驚きましたが、「シンデレラ物語」とそっくりな話である「ぬかふくとこめふく」を話した時の、子ども達の驚いた顔を忘れることができません。
 
ある時、椋鳩十の動物の話をしてみました。すると、次の時間にもとリクエストがあり、動物達の話に興味があることもわかりました。そこで、長編でもある「丘の野犬」をアレンジして話したところ、何と熱心に聞いてくれ、涙さえ浮かべる子も出てきたのです。この時ばかりは、今、思い出しても、ぞくぞくするほど感激したものです。
 
進学教室の役目は、併設する淑徳小学校での勉強に、スムーズに対応できる力を身につけることでした。小学校へは、受験勉強をし、力をつけてきた大勢の子ども達が入学してきます。そういった子ども達に共通しているのは、「話を聞く姿勢」が身についていることで、小学校の受験でもっとも大切なのは、この「話を聞く力」なのです。ペーパーテストを例にとっても、プリントの上にダミーを含めて、答はすべて出ていますが、「設問」はどこにも書かれていませんから、話を聞き逃すと、解答できないわけです。
 
昔話や年中行事のいわれなどを聞きながら、子ども達は意識することなく、「話を聞く姿勢」を身につけてきたのです。こうなるとしめたもので、授業は私の仕事でしたから、後は楽なものでした。集中さえできれば、問題を解く力もつき、面白くなりますから、取り組む意欲も違ってきます。難易度の高い問題にも挑戦し始め、当時、毎月1回行われていた2,000名近くの子どもが参加する公開模擬テストで、10番以内に入る子も出てきたのです。
 
さらに、思わぬ収穫になったのは、お母さん方の反応でした。授業終了の5分ほど前に、お母さん方に集まっていただき、今日取り組んだ問題を解説しながら、家庭学習の要点を説明し、今月の行事とその日に話した昔話を紹介していました。
 
すると、「先生、ママが菱餅を買ってきて、何で三色なのか、先生と同じ話をしてくれたんだよ」と、女の子がいない家庭にもかかわらず、「おひな様を飾るわけや、菱餅の色」について、子どもに話をするお母さんも出てきたのです。
話してくれる子ども達の顔は、みんなうれしそうでした。四季折々の行事の意味を説明してきたことが、話だけで終わらずに、各ご家庭で祝ってくれるようになったのです。このことです……。
 
ここからは「わたし流の解釈」ですから、軽い気持ちで読み流してください。
話を聞こうとしなかった子ども達が、なぜ、楽しみに授業を待ってくれるようになったのか、それは子ども達の心の中に、幼いながらも、何らかの刺激を求める小さな芽が、しっかりと培われてきていたからだと考えました。後で詳しくお話しますが、その小さな芽は、分化され始めた「情緒」だったのです。
 
「情緒とは、喜怒哀楽の感情の表れたもの」と考えていただければ、わかりやすいと思います。きっかけを与えたのが、昔話であり年中行事であったわけです。育まれてきた小さな芽である情緒に刺激を与えてあげれば、素直に反応をすることもわかりました。
そうでなければ、あれほど真剣に話を聞くはずがないからです。
 
私の話でさえ一所懸命に聞くのですから、ご両親の話であれば、もっと歓迎するはずです。「パパがね、先生が話してくれた『おぶさりてえのおばけ』の本を買ってきてくれたんだよ!」と嬉しそうに話してくれる子ども達も増えてきました。話を聞く姿勢は幼児教室や塾で身につくものではなく、ご両親の「本の読み聞かせ」や「対話」から育まれるものです。
 
こういった体験を何とか記録に残し、皆様方に読んでいただきたいと考え、できあがったのが、このメールマガジンです。話を聞く姿勢さえ身につけば、小学校の受験は、決して難しくありません。また、年中行事を、ご家庭で楽しむことにより、楽しい思い出がたくさん残り、それが豊かな情操を育む礎になっていることも否めない事実です。
 
小学校の入試に季節の行事が出題されるのは、なぜでしょうか。
知識として知っているかを判断しているのではありません。四季折々の行事を楽しむ、ご家庭の文化があるかどうかを見ているのではないでしょうか。家庭の文化は、ご両親の育児の姿勢であり、それが受験する小学校の建学の精神や教育方針と限りなく近ければ、それが志望理由になるわけです。
 
新年長さんであれば、この1年間、お子さんは受験勉強に励むわけですから、保護者にも勉強をしていただき、ご家庭の文化を築き上げてほしいと思います。
 
話を聞く姿勢が身につくのも、豊かな情操が育まれるのも、ご両親の育児の姿勢次第です。
 
小学校の受験で必要な能力の基礎、基本は、「ご家庭で培われる」ことを学習していただき、お子さんと二人三脚、もしくは三人四脚、状況によっては四人五脚、五人六脚のこともあると思いますが、ゴールを目指して頑張ってほしいと願っています。
 
 
【本メールマガジンは、「私家版 情操教育歳時記 日本の年中
行事と昔話 情操豊かな子どもを育てるには 上・下 藤本紀元
 著」をもとに編集、制作したものです】
 
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