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めぇでるコラム
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>説明会より
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「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
年長児のお子様をお持ちの方々へ
2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
<第56号>
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○説明会情報
聖心女学院初等科 オープンスクール
期間:8月22日(木)、23日(金)
時間:午前9時~
所要時間:30分(各日5回、1回60名)
申込期間:8月1日(木)~8月22日(日)15時まで
申込はHPから
成蹊小学校 第2回学校説明会
期間:8月22日(木)、23日(金)
時間:午前9時~、11時~、13時~
申込期間:7月30日(火)~8月30日(金)15時まで
申込はHPから
※詳細は各校のHPをご覧ください。
■説明会より
昨年までは、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、WEBでの学校説明会にする学校もまだありましたが、今年は多くの学校で、学校での対面方式での説明会に戻っています。みなさん方も、直接学校に行くことで、学校に通うイメージが湧いたのではないでしょうか。
今回は、その白百合学園小学校の説明会が、実際にどのように行われたかを紹介しましょう。ただし、文言は、正確ではないことをお断りしておきます。
めぇでる教育研究所 入試情報
白百合学園小学校 学校説明会
日 時 令和6年6月29日(土) 10:00―11:15
場 所 学園講堂
参加者 約500名
座席に置かれた封筒について、学園報(小、中、高の保護者に配布)、大樹に(小学校の保護者)、学校案内、文集しらゆり(毎年、説明会用に作成、小学生の作文、詩、感想文)、募集要項が入っているとの説明があった。
次第
「白百合学園のあゆみ」
校長挨拶 建学の精神と教育方針
映像「一年桜組の一年間」
学校生活を振り返って(6年生児童)
本校の教育活動
3年生の歌
連絡
1.「白百合学園のあゆみ」(中西 教頭先生)
学園の母体であるフランスのシャルトル聖パウロ修道女会は、今年で創立328年を迎える。発祥の地は、ルヴェヴィル・ラ・シュナルという小さな村だ。
17世紀末のフランスの農村では人々は貧しく、子どもの教育が疎かにされていた。その状況に心を痛めた1人の神父が学校を始めることにした。神父の志に共感し、子どもたちに読み書きや手仕事を教えたり、病人の看護を行ったりしたのは修道女たちだった。人々の苦しみに寄り添い、献身的に愛ある活動を行う修道女たちの取り組みが本校の教育の原点。144年前、1878年にフランス人の3名の修道女が函館に派遣され、彼女たちの働きが日本各地に広がった。1881年、東京にも学校が設立され、これが本学園の始まり。関東大震災や東京大空襲などさまざまな困難の中でも、創立当初の修道女たちの思いを受け継ぎ、現在に至っている。
2.校長挨拶(保倉啓子先生) ~建学の精神と教育方針~
建学の精神は、設立当初の修道女たちの心を受け継ぎ、子どもたちに神の愛を伝えながら、時代の要請に応えて教育を行うことを使命としている。そして、本校が基盤としているキリスト教の人間観とは、「人間は一人ひとり神に愛されたかけがえのない存在であり、その存在価値は、他者との比較や競争によって優劣が生じるものではなく、この世に生きているだけで、無条件に価値がある」ということだ。これは時代を超えて、宗教を超えて、普遍的なことであると思う。
児童には、分かりやすく次のような校訓を掲げて、指導にあたっている。
従順「すすんで みがこう 正しい心」
勤勉「すすんで なんでも いっしょうけんめいに」
愛徳「すすんで しんせつ よろこんで」
今年度は、特に『勤勉』に重点を置き、「みんなとともに進んで生かそう自分の力」という白百合生の姿を掲げている。お互いの個性や良さを認め、大切にし合う心を養うこと、どんなことにも誠実に向き合い、一つひとつ丁寧に一生懸命に取り組む心を育むこと、これは修道女たちが大切にしてきた精神の一つだ。
ご両親からたくさんの愛情を受けて育ってきている本校の児童は、とても優しく思いやりがあり、周りに目を配り、助けを必要としている人に思いを寄せて、進んで行動している。正しいこと、良いことを自分なりに考え、力を尽くそうとする白百合生の姿は建学の精神の体現だと思う。
教職員も同じ精神で子どもたちのために一致団結して教育に当たっているので、本校の教室や職員室は大変なごやかで笑顔が溢れており、保護者の皆様にはお子様を安心してお預けいただける学校であると確信している。
3.映像「1年桜組の1年間」
入学式の様子から始まり、「ごきげんよう」の挨拶の練習、授業の様子、上級生との関わりなど日々の生活の様子が伺えた。最後には2年生として入学式で「友だちになるために」を合唱し、新1年を迎えて映像は終了した。ご覧になった保護者は入学後の1年をイメージできたのではないだろうか。
4.学校生活を振り返って(6年生児童)
<一人目>
「夏休みにヨーロッパ旅行に行き、学校で学んでいるフランス語と英語を使って現地の方とコミュニケーションをとったこと。その経験が自分にとって、大きな喜びと自信になったこと。また、自身は中国にルーツを持つことから、日、中、仏、英の4つの言語に日常的に触れているので、将来は多くの言語を使いこなし、世界各国を巡りながら命を救う仕事に就きたい。」と話してくれた。
<二人目>
「毎朝の楽しみは、1年生のお世話に行くことだ。授業準備や着替えを手伝い、朝礼までの間おしゃべりをしたり、絵本を読んであげたりしている。自分が1年生の時、6年生と過ごせる朝の時間が大好きだった。6年生になった今、1年生が自分を頼ってくれることがうれしくて、毎朝あたたかい気持ちになる。
また年に数回、1年生から6年生まで30人ほどのグループで、6年生が企画した遊び行う白百合タイムがある。学年を超えて仲良くなれる行事だ。今年は、私がお姉様にしてもらってうれしかったことを下級生にしてあげ、白百合生らしさを受け継いでいきたい。」と話してくれた。
<三人目>
「2月に雪の学校に行き、スキーやそり遊び、雪合戦など、自然の中で冬を満喫した。スキーではクラスの枠を超えた友達と過ごしたので、たくさんの友達と仲良くなることができた。スキーで転んだ時や気持ちが落ち込んだ時、友達に温かい言葉をかけられ、その優しさに助けられた。途中で気持ちがすれ違うこともあったが、ミーティングで話し合い、お互いを理解し合うことで、前よりも絆が強まった。雪の学校以外にも、4年生の海の学校、6年生の高原学校など、3年間にたくさんの体験ができたことに感謝している。宿泊学習は私たちにとって一生大切にしたい素敵な思い出だ。」と話してくれた。
いずれも児童の視点からの発表ということもあり、非常に参考になった。
5.本校の教育活動 (清水雅子教頭先生)
本校の全ての教育活動の基盤となっているのは宗教教育だ。児童の1日はお祈りで始まりる。日常生活のことや周囲の人への感謝、災害や戦争で苦しむ人々のことを考え、心を込めて祈る。
本校では、児童の学校生活全てを通して、教職員全員でキリスト教を土台とした宗教教育を行っている。いつも、どんな時にも神様の存在があり、ありのままの私たちを受け入れてくださること。その神様を信頼し、感謝して、自分自身の行動へとつなげていく力を育てていきたいと思っている。
本校では、各学年が桜組、菊組、梅組の3クラスに分かれていて、2年ごとにクラス替えがある。学級担任のほかに、専科教諭も各学年に副担任として配属される。1学年6名ずつの教員が学年団として、児童一人ひとりの成長を共に見守る。1年生は併設の幼稚園から60名、小学校から60名でスタートするが、すぐに慣れて、みんな仲良くなるので、安心してほしい。
また、担任、副担任の他に1年生の各クラスには教育補助もついて、幼稚園や保育園から入学する児童の様子をよく見て、支える体制をとっている。学級担任は、児童が自己肯定感を高められるような温かな学級経営を心がけながら、主に国語や算数の授業を行う。専科教諭もそれぞれの専門性を生かして、質の高い授業を行っている。全ての教員が日々研鑽を重ねながら、興味や関心を深め、探求していく喜びを味わうことが大切であると考えて、授業を組み立てている。そのためには、児童の学習状況をていねいに見ることが欠かせない。授業をきっかけに学びの種が芽を出し、成長していく過程を見つめていくことは、私たち教員にとって幸せなことだ。
伝統的な女子高である本校では、ジェンダーバイアス、女性はこうあるべきだという考え方にとらわれることがない。本校には、活発で雄弁な児童も、静かに思考を深める児童もいるが、それは一人ひとりの個性として受け入れられる。
女の子らしさではなく、自分らしさを大切に、どの子にもさまざまな場面でリーダーとなって活躍する機会がある。お互いの絆を深め、成長していくことができる環境は、女子校ならではの良さといえる。経験や思いを共有しながら成長した卒業生は、中高での生活を経て、大人になっても変わらぬ交流をしている様子だ。卒業生が一生の友を得て、白百合生としての誇りを持って社会に貢献できることを願い、私たちは日々の指導に臨んでいる。
<算数教育について>
本校算数科では、「数、量、図形の知識や数学的な考え方を身につけさせ、問題を解決しようとする態度を育てる」「多様な考え方に触れる中で、自らの思考を深めさせ、数学的な良さを感得させる」という2つの目標を掲げて、日々の指導にあたっている。
指導の中では、問題解決に至るまでのプロセスを大切にしている。
低学年の足し算や引き算の学習を例にお話しする。計算方法を習得する前に、絵やブロックを用いて問題場面を表現し、その絵やブロックをくっつける、離す、結びつけるなどの操作を通して、基本的な考え方を身につける。また、長さや重さ、かさに関する内容でも、同様にまずは五感を用いた体験的に理解できるようにしている。
高学年では、体験的に理解する段階からステップアップし、線分図や表、図などを用いて情報を整理し、式に表したり、問題を解いたりすることができるように指導していく。
問題を解くだけではなく、どのようにして解くのか、より良い解き方はないかという思考のプロセスを大切にしており、そのためには、1人で考える時間だけでなく、クラスで話し合う時間も大切にしている。さまざまな考え方に触れたり、伝え合ったりする経験を通して、少しずつ論理的な思考力が養われる。
話し手は「自分が伝えたいことが聞き手に理解してもらえているか、相手意識を持って話す。」、聞き手は「話をしている相手に体を向けて聞く。」という話し方、聞き方の指導から始めている。学年が進むごとに、子どもたちはクラス全体の話し合い、グループやペアでの交流を通して、自らの考えを精錬させる力を高めている。
最後に、6年生の少人数制授業について紹介する。学習内容はより高度になり、また発達段階として人前で間違ったことを言ってしまう恥ずかしさから、6年生の児童は発言に躊躇する場面も見られる。そこで、昨年度からクラスを半数にして、担任と算数の専科教員でそれぞれを分担して授業を行っている。人数が少なくなったことで、教師が全児童の考えを理解しやすくなり、子どもたちの間違いがちな点を全員の共通の話題として取り上げやすくなった。間違いについて20人で検討し、より良い考えを皆で作り上げる授業ができていると実感している。
<外国語教育について>
本校の外国語教育の特徴は、フランス語と英語の2つの外国語を学習することだ。フランス語は1年から6年生まで週に1回、英語は3、4年生が週に1回、5、6年生は週に2回、少人数授業も取り入れながら、日本人と外国人ネイティブ教師によるチームティーチングの体制で行っている。外国語の強化目標は、6年間で自分の身の回りのことについて聞ける、話せる、読める、書けることだ。また、本校が外国語教育で1番大切にしているのは、言葉の面白さや楽しさを味わうことを第一に、自分の考えを伝えたり、人の思いを受け入れたりして、お互いを尊重し合う心を育てることだ。
6年生では、「私、学校、家族」というテーマを2か国語で文章にまとめている。授業では、児童が理解しながら楽しんで豊かな表現に出会うだけでなく、宗教的、文化的な行事を体験する活動も行っている。
フランス語は学校でのみ学習している児童がほとんどなので、授業内で十分な習熟を図れるように特に丁寧に指導している。そして、併設中学校では、フランス語は必修科目として全員が学習を継続し、高校で第1外国語として選択すると大学受験の科目とすることもできる。
また、定期的に外国語での交流活動も行っている。フランス語では、生活科の「こども祭り」でフランス人学校の方々と一緒に遊ぶ活動や、併設高校の交換留学生とともに行う日本文化についての活動を続けている。英語では、イギリスの小学生とビデオレターやグリーティングカードの交換を行い、フランス語では、スペイン領カナリア諸島の小学生と手紙や映像での交流を行っている。
これらの交流では、学んだ言葉を使う楽しさを味わいながら、生き生きと活動する様子が見られた。
また、カトリック学校ならではの関わりとして、フランス語と英語でお祈りを唱えたり、聖歌を歌ったりする機会がある。フランス語と英語の2つの言語を学ぶことにより、本校の児童は外国語への関心や感度を高めている。言葉は外の世界への窓。その窓がいくつもあることで視野がさらに広がる。外国語の学習を通して、他者に対して開かれた人間に育ってほしいと願いながら、日々の指導を行っている。
6.3年生の歌
『あの空はどうして青い』のほか、フランス語で『アヴィニョンの橋の上で』を元気いっぱいに披露してくれた。
7.連絡事項
出願方法:WEB出願、願書はHPよりダウンロードし、記入後郵送。
学校での願書の販売はしない。願書のダウンロード期間や郵送期日が決まっているので間違えないように。詳しくは募集要項を参照してほしい。
学校見学会:9月7日(土)に実施。7月20日(土)9:00からミライコンパスのサイトより申し込み開始。詳細は後日で確認してほしい。
以上で終了。
個別の質疑応答あり。
いかがでしたでしょうか。
文言は正確ではありませんが、説明会の様子が伝わったのではないでしょうか。
夏休み講習、元気に通っていますか。毎日、体系的に学ぶことにより、受験に必要な力は確実につくと共に、知らない友とも学べ本番の雰囲気をも体験できます。暑い日々が続いています。室外と室内の温度差などで体調を崩さないように、健康管理には十分に注意してあげましょう。
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2024年8月 1日 12:48
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2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
年長児のお子様をお持ちの方々へ
2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
<第57号>
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○説明会情報○
昭和学院小学校 オープンスクール・入試説明会
9月7日(土)
国府台女子学院 学校説明会
9月14日(土)
千葉日本大学第一小学校 学校説明会
9月7日(土)
いずれもHPでご確認ください。
■過去の説明会より
今回も、過去に行われた説明会での情報を紹介しましょう。
「共学がいいか、別学がいいか」、徹底的に分析をしてくれたのが立教小学校の田代現校長です。具体的な話は教頭時代でしたので、教頭時代の数年の話をまとめてみました。教頭は、その容貌と話し方から、大変な熱血漢である印象を受けます。おそらく、子ども達からも親しまれているのではないでしょうか。
「本校にはどんな男の子がいるか。男の子は単純で、雑駁で、ずぼらで、締まりがなく、言葉遣いは悪いし、けんかは日常茶飯事だが、私は好きだ。
脳科学者の話では、すべてに当てはまるわけではないが、脳の厚さは、女性は11歳で最大になるのに比べ、男性は18ヶ月遅れるとか、実証されているそうだ。成熟差を中学生で比べると、1年半から2年間ほど遅れるそうで、我々が教えていてもそれは感じる。
アメリカでは1932年に公立校の男女別学を禁止していた。しかし、2006年10月に法改正がなされ、公立校で別学、共学を選択できるようになった。脳の発達や思考、得意分野の違いをまったく無視し、同じ条件で教育したことに問題があるということで、別学が増えていく。
イギリスの研究者の話では、男女別学では、性別による固定観念を打ち崩しやすいが、共学ではこれが難しいといっている。歌を歌う場合、共学では恥ずかしがってほとんど歌わない。男子校の合唱は一つの特徴でもある。女子校では今はやりの『リケジョ(理系女子)』ではないが、数学や科学を好む学生が増えてきた。別学では男子らしさ、女子らしさという固定観念がなくなるのではといわれてきている。共学では逆に強調され、男女別学の良さが見直されて来ている。アメリカの真似をするのが大好きな日本だから、文科省が力を入れている中高一貫教育も、今に中高一貫男子校、女子校を作り出すかもしれない、公立校の。我々は小中高大学までの一貫教育で男子校。皆さん方は、すでに先見の明があるといえる。それを申し上げておきたい。18歳をこえると脳の成長の差はなくなるそうだ。小中高で男女が分かれていて、大学で共学というのは理想的な教育制度で、手前みそながら何ですが……」(会場から笑い声が起こりました!)
理系に進む女子については、国府台女子学院の平田史郎学院長は、進学実績からその傾向にあるとおっしゃっていましたが、「女子だけだからいいのです。共学にする考えはありません」と力説していました。やはり科学的な根拠があったわけです。もしかすると、公立校での中高一貫男子校、女子校の誕生は、案外早い時期に実現するかもしれませんね。
ところが、聖徳大学附属女子中学、高校は、2021年4月より共学の進学校を目指し、学校名を「光英(こうえい)VERITAS(ヴェリタス)中学校高等学校」に変更、生まれ変わりました。これで益々、国府台女子学院は貴重な存在になりました。
話を戻しましょう。
どんな家庭のお子さんが欲しいかについて田代先生は、次のようにおっしゃっていました。
「最後に、いつもお願いしていることだが、どんな家庭のお子さんがほしいか、メモをとるような話ではないが、訓練によって鍛えられた子どもではなく、話の読み聞かせや自然の中で五感を使った遊びの体験やお手伝いを重視する家庭。
それらを基にして、豊かな会話をもっている家庭、そういう日常生活を大切にしている家庭で、社会のルールを守る社会性や協調性を厳しくしつけられている家庭の男の子が欲しい。なぜなら、学校は社会性を訓練する場、男が成長して父親になった時、知性を発揮できるように、キリスト教の精神に基づき行える心の豊かさ、自分に対して優しさという知性を身につける場であり、こういったことを理解し協力してくれるご家庭の子、男の子なら誰でも結構」
学校選びの基本は、「ご両親がどんな大人に育てたいのか、そのためにはどういった教育、環境が必要であるかではないでしょうか」とおっしゃっていました。私どもも、「はじめにご家庭の教育方針ありき」と言ってきましたので、素直に受け入れることができました。
以前、紹介しました「教育の道は家庭の教えで芽を出し、学校の教えで花が咲き、世間の教えで実がなる」、明治時代、高等小学校(現在の5、6年生)の親に配られた「家庭心得」ではありませんが、そのとおりですね。
高学歴者の不祥事が伝えられるたびに、「世間の教え」をないがしろにした結果ではないかと考えますが、今までの努力は何だったのだろうと、他人事ながらもったいないと思いますね。
次は、早稲田実業初等部の求める子ども像です。
『どんな子どもに来てほしいか、いろいろとあるが主だったことを言うと、第1に早実大好き、早稲田大学に進んで勉強したいと思う子。2つ目に規則正しい生活ができる。もう一つ大切なことは、自分のことは自分でできるお子さん。
これができていないと宿泊学習が始まると辛くなる。中学で体験したことだが、宿泊合宿のときの荷物作り、親御さんが詰めてしまう。忘れ物が出ても名前が書いていないからわからないので処分するしかない。自分でやらないからわからない。3つ目は人の話を最後までしっかりと聞くことができる。4つ目は物事に最後まで取り組むことのできる子を期待している。
基本的な生活習慣は、ご家庭で教えて頂きたい。しつけの問題になるが、教え方に問題があるのではないか。ご両親共に子どもと接する時間が少なくて忙しい。うまくできないと早くしなければならないから、お母さん方はすぐに手を貸してしまう。そうではなく言葉をかける。言葉を理解し自分でやることが大切。だから時間はかかる。手を貸すと「また貸してくれる」と子どもは考える。その時はスムーズに通過できるが、後々それが癖になる。言葉を主体にして見守り、時間をあげて言葉で考えさせて、自分でできることを中心に考え、できたところでしっかりと褒める。その繰り返しが大切。褒められると次に生きてくる。また褒められたいという気持ちになる。そういうことを大切にしてほしい。幼い時に身に付いたしつけ、習慣は、子どもにとって大切な宝物になる」
そして、モチベーションの上げ方について。
「学校見学会が行われるが、初等部を見学できるのはこの日だけ。是非ともお子さんと一緒に来てほしい。お子さんが自分の目で見ることが大事。私の願いは、お子さんが『この学校に来て学びたい、勉強したい、一緒に友だちと遊びたい』と思うだけでも、これからの受験勉強の励みとなり、お子さんのモチベーションも上がる。それを狙っている部分もあるので、『勉強しなさい!』と言ってもモチベーションは上がらず、そのへんはなかなか難しい。そのためにも是非、一緒に来てほしい」(2018年説明会)
(早稲田実業学校初等部 橋詰敏長元部長 )
また、森国前部長は、「早稲田実業学校の伝統と歴史は、校是『去華就実』のもとで形成されてきた。上辺だけの華やかさではなく実をとる、外面より内面の美しさを求める精神を大切にし、社会の各方面で貢献できる人材の育成を目指している。校訓の『三敬主義』は、他者を、自己を、事物を敬うことの大切さを説いてきた。謙虚で優しく、自重自立し、全てのことに敬う心をもって取り組む誠実な姿勢を示すもの。こういった理念を受け継ぐ初等部6年間は、一人ひとりの個性を尊重し、確かな学力を身につけ、自ら学び、考え、創り出し、表現する力を育て、人間性豊かな児童を育てることを目標に掲げている」とおっしゃっていました。
星現部長も同じようにおっしゃっています。
最後に、慶應義塾幼稚舎です。
幼稚舎の教育の特徴「6年間担任に持ち上がり制と教科別専科制」について、大島誠一元舎長の話を紹介しておきましょう。
「幼稚舎教育を通じて、子ども達にどういった人になって欲しいかというと、『人生を楽しむ人になってほしい』『社会を肯定的に見る人になってほしい』『自分の能力を生かして人の役に立つ人になってほしい』と私は願っている。
人生を楽しむといっても、ただ、その場その場を面白おかしく生きるというのではない。日々、辛い努力を積み重ねることも大切で、辛いことに辛抱することも大事だ。しかし、究極的には『自分の仕事を楽しむ』ことだ。
福澤諭吉が示した慶應義塾の目的に、『社会の先導者たらんとすることを欲するものなり』という語句がある。しかし、始めからリーダーになることを目指すのではない。仕事に喜びを感じ、自分の好きなことをやっている内によい仕事ができる。その結果として周りに支えられリーダーになっていくという考えだ。もちろん、自分が嫌なこともやらなくてはならないだろう。しかし、やっていることが楽しくなければ継続することは難しく、ましてやよい仕事ができるとは思わない。楽しいからこそ人から見れば辛いことも、たいして辛いと思わずにできるのだろう。会社の組織の中で高い位置につくことができなくても、あるいは先導者となり得なくても、年老いた時に、『自分の人生はよかった』と思えるような生き方を私は大切にしたいと考えている。
こういった考えは、福澤諭吉の生き方そのものだと思う。福澤の生き方は、最初から立身出世位を目指したものではない。『知りたい、見てみたい、やってみたい』という気持ちが凝縮した人生だったと思う。幼稚舎という学校を理解していただくには、ここで私がくどくど申すより、福澤が自らの人生を振り返った『福翁自伝』を読んでいただければご理解いただけるものだと考える。是非、一読されることをお薦めしたい。そして『福翁自伝』は、幼稚舎を受験するだけではなく、自分の生き方を考える上でも素晴らしい書物だと思っているので、多くの方々に読んでほしいと思っている」
『福翁自伝』はわかりませんが、明治初期に発売された「学問のすすめ」は、300万部以上売り上げ、超ベストセラーになっています。ちなみに、世界一のベストセラーは「聖書」で、約3880億冊だそうです。
(「マナビゲート 2016」P39 大学通信 発行より)
雙葉小学校の説明会は、公開行事がない本校で唯一校内に入ることができる機会です。校庭の一角には、幼稚園、小学校に在籍されてから聖心女子学院へ進まれた上皇后美智子様が、ご成婚の記念に植樹されたメタセコイヤの3本の内の1本が、校舎と頭を揃えるほどに成長した姿を見ることができます。
といっても、校庭に入ることはおそらくできませんので、会場へ移動の際に階段から見ることができる大きな木、と思っていただければよいでしょう。
夏になり、入試に向け家庭学習も一段とペースが上がってきたのではないでしょうか。夏期講習会で身につけたリズムを崩さないように、頑張りましょう。
一点、休養を取ることもお忘れなく。
(次回は「よくある質問について」お話ししましょう)
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2024年8月 8日 12:48
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>夏休みの過ごし方(2)
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「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
年長児のお子様をお持ちの方々へ
2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
<第55号>
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◯受験情報◯
■学習院初等科
学校見学会
開催日 2024年9月7日(土)
申込 8月下旬よりWEBから申し込み
■白百合学園小学校
学校見学会
開催日 2024年9月7日(土)
開催時間 (1)9時~、(2)10時~、(3)11時~
申込期間 2027年7月20日(土)
※7月26日発行時には各回とも満席
キャンセルが出ることがありますので、ご希望される方はこまめに確認されることをお勧めします。
夏休みの過ごし方(2)
前回に続き、夏休みの過ごし方についてお話しましょう。
3.観る力をつける
動物園、植物園、博物館、水族館、プラネタリウムなどを利用して、観ることで名称、種類、性質、形、大きさ、色、用途などがわかります。
図鑑人間、驚くほどよく知っていますが、残念ながら大きさのわからない子がいます。
本物を見せてあげてください。
ただし、お子さんが興味を示さないときは、あまり効果はないでしょう。
「今度の日曜日は休みだから、水族館でも行こうか」ではなく、「パパ、ラッコってどうやって貝を食べるのかな?」といったように「かな?」の二文字がついたときは、何はさておき連れて行きましょう。
疑問の芽が、好奇心を刺激しているからです。
そして、観てきたことを絵日記に描ければ素晴らしいですね。
なぜなら、絵日記は、体験したことを思い出しながら、整理して、映像化し、記録することですから、知的な訓練にもなっているのです。ただし、絵の巧拙にはこだわらないようにしましょう。楽しく描けることが何よりも大切だからです。
かつて、慶應義塾幼稚舎で、画家が使うイーゼルを立て、絵を描かせましたが、その目的は「子ども達の顔をみたかったから」と当時の舎長はおっしゃっていました。夢中になって描いている子ども達の表情は「素晴らしい!」の一言に尽きるからです。
似ているところ(類似点)と違っているところ(差異点)を見つけ、話をさせることも大切です。
言葉は、実際に話してみなければ、どうにもならないからです。自分で考えたことを、自分の言葉で話す機会をたくさん作ってあげましょう。野菜(キャベツときゅうり)、花(さくらと朝顔)、果物(りんごとみかん)、乗り物(飛行機と客船)などの組み合わせです。お子さんの話したことで、妥当性がある場合は、正解です。
たとえば、「自転車とオートバイの違うところをいってください」の問題のとき、「仮面ライダーはオートバイに乗るけど、自転車に乗って来ない」といった子がいましたが、お父さん、お母さんはどう対処されますか。
「テレビのせいだ!」と怒りをあらわにする前に、とりあえず間違いではありませんから、まず、その考えもいいけれどとうなずき、「仮面ライダーを知らない外国の人にお話ししてわかるかしら?」といえる保護者になってほしいのです。すると、お子さんは、自分の考えを認めてもらいましたから、人力と動力の差に話が進むはずです。まず、認めてあげ、それから、正解に導いていくことが大切です。
皆さん「花火と雪だるまの似ているところ」について、子どもがどんな答えを言うのか想像してみてください。
さて、話を戻しましょう。
朝顔やひまわり、家庭菜園で栽培した野菜などの観察絵日記(成長過程や咲いた花の数、色、葉の形など)を描いてみましょう。成長の変化に気づく目が育ちます。
また、種まき、発芽、葉、花、種といった成長の過程を観察することで、科学的にものを学ぶ姿勢も養うこともできます。
郊外の畑では、ナスやキュウリの小花を見せてください。鮮やかな紫色と黄色の花にびっくりするのではないでしょうか。
また、幼児用のプールや風呂を利用して、浮くものや沈むものを実験してみましょう。
スイカは絶対に浮かないと思っている子がいますが、お子さんはどうでしょうか。迷っている時は実物で実験するしかありません。最近は、小さなスイカ、小玉スイカが出回っていますから見せてあげましょう。
水がいっぱい入っているビンと少し空気が入っているビン、フタがしてあって中に何も入っていないビンの実験など、興味を示すはずです。
磁石につくものも探してみましょう。アルミ缶とスチール缶では、「うん?」となるはずです。砂場で磁石を入れるのも面白いので、実験してみましょう。
しかし、「コンセントなどに近づけると危険ですから、使う場合は目を離さないで、終わったら手の届かないところへ片付けるようにしましょう。
前号で取り上げた「折り紙を磁石で持ち上げる問題」ですが、折り紙の下にクリップなどを置くと持ち上げることができます。
4.絵を描くことに興味を持たせる
絵を描くことを嫌う子が増えていると聞きますが、事実なら困ったことです。
絵は、言葉や身体表現と同様、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感が受けた刺激から観察力が働き、記憶したことがらを表したものといえます。
幼児の描く絵は写生ではなく、イメージ化したものと考えてあげましょう。
「絵は心の窓」ともいわれています。
お子さんの、心境が表れているのです。
絵の巧拙にこだわる必要はありません。
お子さんが、描けた絵を見ながら話を弾ませる、よい聞き手に徹することです。
お子さんが、絵を描くときの顔を見たことがあるでしょうか。楽しそうに描いていれば、心配ありません。先程の舎長の話ではなりませんが、夢中になって
描いているときの表情は、楽しそうで、素晴らしいものだからです。
5.ものを作る意欲を育てる
最近の入学試験でも、制作は重要な課題の一つになっています。
「折る、塗る、切る、貼る、組み立てる、結ぶ」は、幼児教育の基礎、基本ですから、当然なのですが、知的なトレーニングに力を入れがちではないでしょうか。
「手は第二の脳」で詳しくお話しましたが、たとえば、つぼ型の容器に入った、ふたのついた糊には、教育的な配慮がなされています。
左手で持ち、右手でふたに付いている取っ手を上にあげないとふたは開きません。
適量をとらなければなりません。少なければはがれやすく、多ければベタベタになります。
まんべんなく塗るには適量をとり、左手で紙を押さえ、右手で、のびろのびろと丁寧に塗らなくてはなりません。
そして、ふたを閉め、手を拭きます。
汚れた手をきれいにするのは、清潔感を身につける基本的な生活習慣の一つです。
スティック型の糊は、粘着力もあり、手も汚れませんが、大切な作業を省いています。
体験しない分、不器用になるということでしょう。家庭では、ふたつきの糊を使ってほしいですね。
セロテープの使い方、適当な長さに切れない。切って貼るのではなく、必要な分を切り、そして貼るといったように「切る」と「貼る」の作業を分けてみましょう。はさみの使い方、紙の折り方、ちぎり方、こういった作業がスムーズにできないと、制作は面白くないでしょう。
得意な子ども達は、お父さんやお母さん方が、こういった作業の重要なことを理解し、こまめに自分で扱う機会を作っていると思います。
また、材料となる箱や、紙コップ、モールやリボン、もしかしたら、穴あけパンチなども用意しているのではないでしょうか。
苦手な作業は、じっくりと時間をかけ、出来るようにしてあげましょう。
通っている教室にお任せだけではなく、家でも制作に励んでください。
折り紙は、巧緻性と記憶力を高める大切な遊びです。
かつて、暁星小学校の入学試験で5個作らせたことがありました。
簡単なものを、丁寧に折ることが大切です。雑に折ると、出来栄えも悪く、それが子どもたちの興味をひかない原因になっているからです。
折り紙の得意な子は、姿勢もよく、物事を丁寧にする習慣も身に付いているといえます。
粘土遊びも大切な作業です。
砂場で遊ぶ機会が少なくなっているようですから、せめて、粘土で造形のおもしろさを体験させておきたいものです。
「子どもの頃、砂場で遊ばなかったためか、最近の学生は、塑像作りが苦手のようだ」と東京藝術大学の彫刻科の教授がおっしゃっていたそうです。折り紙と同様、立体作りは、子どもにとって楽しい学習になっていることを忘れてはいけないと思います。
ここで問題です。
小さなみかんほどの粘土の塊があります。これを3つの同じ大きさの丸い形に作ってください。
丸い粘土の塊を粘土板の上で、手で押さえながら棒状に伸ばし、それを3等分して丸めると、ほぼ同じ大きさの丸い塊を作ることができます。お母さんと一緒にクッキーを作ったときに教わった子が、実際にやって見せてくれたことがありました。
ある年のこと、3つに分けた塊を一つに戻した時、「先生、1+1+1=1になりますね」といった子がいました。皆さん方は、どう説明しますか。分数の基本です。「量の保存」を思い出してください。
手先の作業として、輪ゴムつなげやクリップを長くつなげる遊びは、頭の疲れているときなど、気分転換にもなります。
6.身体を動かし、体力と持続力を育てる
ボールつき、縄跳びは、バランスを必要とする全身運動です。
広い場所もいりません。目標を決めて、できるだけ長くできるように挑戦させましょう。お父さん、お母さんと共に頑張ったことが試験に出れば、一所懸命にやらない子はいません。持久力や耐久力もついてきます。
加えて、散歩に連れ出し、歩くことの楽しさも教えてください。車中心の生活では、足腰が鍛えられず、スタミナ不足では、我慢する力も育ちません。
クーラーのある快適な生活は、半面、汗をかかない不自然な環境でもあるわけですから、汗をかく運動は、ぜひ、行ってください。
そして、教室へは、電車で通いましょう。お子さんと電車に乗ることで、歩くことで、たくさんのことを学習できます。電車内で時々見かけますが、お子さんと一緒の時は、スマホを見るべきではなく、対話の楽しさを味わうべきです。
スマホをほしがる小学生に聞くと、「パパ(ママ)だって、見てるもん!」と答える子が多く、「ママが見ているから面白いに違いない」と思っています。
「何が面白いの?」と聞くと「ゲーム」ですから、子どもの見ている時にゲームなどすることは極力控えたいですね。
しっかり観察されていることを肝に銘じておきたいものです。何事も、親が手本です。
また、お母さん、お子さんと一緒に歌を歌い、踊りましょう。お父さんでもいいですね。
身体表現をやってください。楽しい思い出が残っていれば、試験場でお子さんも一所懸命にやります。
男女問わず必修科目と考えましょう。
盆踊り大会があると思いますが、お父さん、お母さん照れないでお子さんと一緒に踊ってください。特に男の子は、恥ずかしがり屋が多いですから、その鎖を切ってあげましょう。
親子で「動物変身ごっこ」をしてみるのも良いですね。
この夏は、お子さんの負担になる旅行はさけ、秋に備えて健康管理に留意してください。
そして、起こしてならないのは事故です。ちょっとした油断が恐いのです。
親として、監視の目(管理の目ではありません)は、絶対にゆるめないことです。
夏休みの講習会も始まってきています。楽しく通えることが第一で、そういった雰囲気を作ってあげましょう。毎日学ぶことから身についた学習習慣を、家庭でも楽しくできるように、うまく利用することです。
そして、苦手な領域は、時間をかけて理解できるように、決して感情的にならずに、気持ちを落ち着け、「ゆっくり、じっくり、しっかり」を目標に、お子さんと共に頑張ってください。
先ほど3でお話しした「花火と雪だるまの似ている点」ですが、子どもから、「花火は消えて、雪だるまはとける。両方とも形が残らない」という答えがありました。素晴らしい着眼点ですね!
(次回は、「今年の説明会」についてお話しましょう)
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2024年7月25日 12:48
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>夏休みの過ごし方(1)
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「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
年長児のお子様をお持ちの方々へ
2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
<第54号>
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☆説明会等情報
≪白百合学園小学校≫
学校見学会
日 時:9月7日(土)
申込方法:WEBからの申込
申込期間:7月20日(土)9時~
※詳しくは学校のHPをご覧ください。
夏休みの過ごし方(1)
東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城の小学校の入学試験本番まで、後3ヵ月有余、学校によっては2ヵ月半です。「夏を制するものは受験を制す」ともいわれています。夏休みの過ごし方に、合否の鍵があるといっても過言ではありません。
大切な日々を有効に過ごすポイントは、ご両親の考え方にあります。
まずは、何といっても健康管理です。
うがい、手洗い励行、お子さんだけではなく、ご両親こそ率先垂範を。
保育園の場合は、日々の生活は変わりませんが、幼稚園の場合、夏休みになると、生活のリズムが狂いがちです。幼稚園があるときと同じように、規則正しい生活のリズムを崩さないことです。1日のスケジュールを立て、それにしたがった、メリハリのある生活を送りましょう。ただし、あれもこれもと、過密なスケジュールでは、お子さんの負担を増やすだけで、かえってマイナスになりかねません。余裕を持って、計画を立てることです。
遊び時間もきちんと配慮してあげましょう。
知的な能力は高いが、体力に不安がある子が多いのも、小学校受験の特徴のようです。机の上での勉強だけではなく、体を十分に動かす時間を設けましょう。
買い物などに出かけるときは、車を使わずに歩き、汗を流す機会を作ることです。十分も歩かない内に、「おんぶ!」をせがむようでは、とても受験に対応できません。
肉体的なスタミナがなければ、精神力も弱いものです。
一所懸命に頑張る意欲や耐久力は、入試に欠かせない大切な要素です。運動教室にお任せだけでは、真のスタミナはつきません。冷房の効いた快適な環境から、失うものもあります。お父さんにも手伝ってもらい、一緒に汗を流しましょう。お父さんのリフレッシュにも役立ちます。
ところで、夏休みに入ると、友達と遊ぶ時間が不足しがちです。受験一色になると、友達との遊びを悪いことと考えるお母さん方がいると聞きますが、それは間違いです。
社会性や協調性といった集団生活への適応力に欠ける子は、どこの学校からも歓迎されません。行動観察型のテストでは、こういったところがはっきりと表れます。集団生活への適応力は、問題集をこなすだけでは養われません。
最近、友達が家に来て遊ぶ機会も、少なくなっていると聞きます。
自分の家と全く違う生活習慣があるなど、本来は、貴重な体験をする機会でもあるのですが、あまり歓迎されていないようです。せめて、同じくらいの年齢の子がいる親戚を訪ね、違った生活を送るのも貴重な体験になるのですが。
また、一人遊びも大切です。
遊びを通して自発性、考える力はもちろんのこと、一生懸命に取り組む意欲や持久力もついてきます。入学試験に備えて、親が子どもの遊ぶ相手や時間、内容も全て管理するのは、いかがなものでしょうか。何から何まで管理していると、無気力、無関心、無感動、無表情な「指示待ち子ども」になりかねません。
遊びを通して培われる力こそ、子どもにとっては、大切な財産になることを忘れないようにしてほしいのです。
任期満了前に辞任し、現場の教師に復帰した慶應義塾幼稚舎の加藤三明元幼稚舎長は、毎年説明会で「5歳のわが子を受験のためにスポイルしないでほしい」とおっしゃっていました。受験準備は、早稲田実業初等部の教育目標ではありませんが、「ゆっくり、じっくり、しっかり」と余裕を持って取り組みたいものです。
ここで一言。
夏の幼稚園や保育園の行事に、お泊り保育があると思います。その時の様子を先生に伺っておきましょう。
家族から離れて生活した時、今まで気づかなかったお子さんの一面が、現れることもあるからです。泣き出してしまうお子さんもいて、先生方も意外な思いをする話を、よく耳にします。入学試験は、「生まれて初めての場所に入り、生まれて初めて会った先生の指示に従い、初めて会った同年代の子ども達とグループを組み、いろいろなことに取り組む」からです。心配なところが見つかった場合は、育児が過保護、過干渉、自由放任になっていないかをチェックし、自信を持って取り組める気持ちを育ててあげましょう。
特に、過干渉になりがちな方は、口を挟む前に「1,2,3,4,5,6」と数えましょう。そんなわずかな間でも、お子さんに考えさせる時間を与えていることに気づいてほしいのです。
この「6まで数える」というのは、感情的になりそうになったときのアンガーマネジメントとしても知られています。
★家庭でできる具体的な受験準備
次に、ご家庭でできる具体的な受験準備についてお話しましょう。
本メールマガジンを通して、しつこく触れてきましたので、またかと思われるでしょうが、大切なことですから繰り返します。
<1> 聞き取る力をつけるには
本を読んであげましょう。
小学校の入学試験は、話を聞き取る力がついているか、いないかで決まります。
ペーパーテストには設問はありませんし、行動観察型のテストでは、先生の話を聞かなければ、何もできません。
本を読むことを通して、耳と目から入ってくる情報から好奇心は刺激を受け、言葉を映像化する作業がフル回転で行われ、記憶する意志が自然と働きます。
一人になったとき、本を見ながらお母さんに読んでもらった言葉を、筋道立てて思い出しているのです。
語彙がふえることで言語力、
イメージが豊かになることで想像力、
話を筋道立てて思い出すことで思考力、
より正確に覚えようとすることで記憶力、
言葉や絵、身体で表現することで表現力、
そして、何よりも大切な集中力、話を聞き取る力、話を聞く姿勢が身につきます。
「本の読み聞かせと対話」の効果を説明会で最初に力説されたのは、平成14年に就任した立教小学校の田中司校長(当時)でした。
さらに、お子さんと話をする時間をたくさん作り、よい聞き手に徹してあげましょう。言葉は、とにかく話をしなければどうにもなりません。どんな拙い表現でもよく聞いてあげ、お母さんが正しい言い方に直してあげましょう。言葉のキャッチボールを楽しんでください。
「対話の反対は沈黙ではなく、命令と強制」といったのも田中先生でした。含蓄のある言葉ではないでしょうか。
そして、正しい指示を出しましょう。
「ユキちゃん、そこにある、あれ取って」
などと言っていないでしょうか。
これでは、指示を出した本人しか理解できません。
「ユキちゃん、テーブルの上にあるお料理の本を、お母さんのところまで持ってきてください」
「これ・それ・あれ・どれ」は代名詞ですから、きちんと名詞に置き換え、丁寧なことばで応対しましょう。
面接の折りに、「デス、マス」を自然に使って話をさせたければ、お子さんの前で、響きのよい言葉をたくさん使ってあげることです。心地よい言葉は、使ってみたくなるものです。
また、あいさつは、きちんとするように心がけましょう。
そして、用事を頼み、お手伝いをしてもらったときは、必ず「ありがとう」と感謝のことばをかけてください。こういった気配りから、お子さんの心の中に、相手を思いやる心も育まれてきます。
さらに、しりとり、同頭語、同尾語、反対語、短文の復唱などは、言葉遊びとして、楽しみながら学習すれば、お子さんは喜んで挑戦するはずです。
この時期になると、「お話作り」を苦手とするお子さんが増えてくるようです。
前にもお話しました、「ママ(パパ)、あのね!方式」を採用してみましょう。
話す相手がお父さんやお母さんであれば、プレッシャーもかからず、気軽に話せるからです。そして、親が作った話を覚えこませるようなことはせずに、自分で思っていることを、自分の言葉で話せるように、しっかりと聞き手にまわり、上手、下手は、二の次と考えることです。
こういった課題は、とにかく、言葉が出なければ、どうしようもないからです。
「こんなこと言ったら笑われるかな!」とか「これでは、ママに叱られるかしら?」などと思い始めると、言葉は出てきません。
どんな内容でも相槌を打ち、よく聞いてあげてから、
「こうした方が、ママはいいと思うけど、ユキちゃん、どうかしら?」
と、お子さんの話を認めてあげ、導いてあげると、お子さんは納得してついてくるものです。
言葉が出ないのは、お母さんがしゃべりすぎの場合も考えられます。
「何とかしなければ」とお母さんがあせれば、お子さんは苦手意識を持ち始めます。自信をなくしますから消極的になりがちで、これでは行動観察型の試験に対応できません。お子さんの話に耳を貸し、うなずき、認めてあげてから、お母さんが考える方向へ、「ゆっくり、じっくり、しっかり」と導いてあげましょう。
<2> 考える力をつける
最初のころでもお話しましたが、トランプは、数字と同じ数のマークがかいてありますから、数感を養うすぐれた教材です。
1枚ずつカードを出しあって勝敗を争えば、直感で多少を見分ける力がつきます。これを繰り返していると不思議なもので、引き算の練習をしているのではないのですが、
「6と3では、6の方が3つ多い」
「10と8では2つ違う」
と多少の学習になります。
数の違うカードを5枚並べ、いちばん多いもの、少ないもの、2番目に多いものなどの学習もできます。
ところで、数え方ですが、たとえば、15個あるリンゴを、お子さんはどのように数えていますか。
(1)1,2,3,4と1個ずつ指で押さえて正確に数える。
(2)2,4,6,8と2個ずつ押さえて数える。
(3)3,6,9と3個ずつ押さえて数える。
(4)4,8,12と4個ずつ押さえて数える。
(5)5,10,15と5個ずつ押さえて数える。
(5)は最も速い方法ですが、幼児の手の大きさから考えると、5個ずつ押さえるのは容易ではありませんから、無理をしないことです。
できれば、3個ずつ、掛け算の3の段、3とびをマスターすると、早く、正確に数えられます。
15個のおはじきをばらばらに置き、(2)からやってみましょう。
言葉と数が一致しないと、に(二),し(四),ろく(六),や(八),とお(十)と数えられても「や、っていくつ?」といったように混乱しがちです。
これを理解させましょう。数を訓読みで覚えると、一日を除き、日にちに対応できます。
15の場合、10までいったところで元へ戻り、2、4で止め、1個あまりで14個、つまり、数え終わったときの4を10にくっつければ14となり、それに余った1を加えれば15となることを教えます。
この場合、トランプの10と4のカードを使うとわかりやすいと思います。理解できたら、おはじきは、どんな並べ方でも簡単にできますから、どんどん並び替えて挑戦してみましょう。
以下、同じように、(3)、(4)にも取り組みたいのですが、(3)をマスターできれば最高と考え、後はできる場合は挑戦してもかまいませんが、絶対に無理をさせないで下さい。
そして、(5)の5個押さえる方法ですが、たとえば、7個のリンゴを数えるとき、5個の集まりを手で押さえれば、残り2個ですから、合計7個であることがわかります。いきなり(5)の数え方を教えず、きちんと段階を踏んであげましょう。
大人が考えるほど簡単ではないからです。
合成、分解も、カードを使うと面白く学習できます。
10のカードを使い、マーク1つを指で押さえれば[1と9]であることがわかります。
同様に、2つ押さえて[2と8]、3つ押さえれば[3と7]であることもわかります。
以下、同様にして挑戦しましょう。
[10]は[1]が10個集まっていると考えれば、楽しく取り組めるはずです。
トランプは、神経衰弱からは記憶力が、7並べでは1から13までの数列や系列完成、下のように並べると上から、下から、左から、右から何番目、黒を中心に左斜め上、右斜め下といったように位置の問題の学習にもなります。
□□□
□■□
□□□
その他、オセロやおはじきなどで分割を、積み木では、立方体を積み重ねることで、見えないところにある数の発見、模倣構成、四方図形なども楽しく学習できます。
積み木の四方図形は、斜面を正面から見る場合、子ども達は「……?」となりがちですが、実際に積み木を使ってやってみると、理解できます。
プリント学習に疲れたときなどにゲーム感覚でこういった遊びをすると、気分転換にもなります。
数量や推理・思考、図形など、苦手な分野の問題は、じっくりと時間を使える夏休み期間にこそ、全力で取り組みましょう。
ここで問題を。
折り紙を磁石で持ち上げたいのですが、どうすればできるでしょうか。実験は、遊びの感覚で取り組むことが大切です。
(次回は、「夏休みにできる家庭学習(2)」についてお話しましょう)
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2024年7月18日 12:48
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>建学の精神、教育方針の理解の仕方(3)
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「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
年長児のお子様をお持ちの方々へ
2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
<第53号>
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建学の精神と教育方針の理解の仕方(3)
今回は、地元千葉県の私立小学校を取り上げます。国府台女子学院小学部は、前回第52号でお話ししましたので、4校について紹介いたしましょう。
≪ 日出学園小学校 ≫
教育理念と目標
ここから大きく育つ、生きる力。
自主性 向上心 想像力 好奇心
小学校6年間を通じて「なおく・あかるく・むつまじく」の校訓をもとに、人間教育の実践をしています。
「なおく」とは、正しいこと正しくないこと、良いこと悪いことが判断できること。
「あかるく」とは、笑顔を絶やさず感動を体験しながら、一生懸命取り組むこと。
「むつまじく」とは、文字通り仲良くする、共に生きる、共生のこと。
健康で潤いのある人間性や想像力を養い、基礎学力の定着を図る、これが本校の目標です。具体的な内容に関しては、荻原巌校長のあいさつを参考にしてください。(現掲載との相違点があるかもしれませんが、本質に変更はありませんので、ご承知おきください。)
「日出学園は昭和9年(上皇陛下が誕生した翌年、市川が市となった年)に市川在住の有志によって創設されました。
その中心となった青木要吉は若き日にアメリカに留学し民主主義と自由主義を肌で感じ、その体験から生徒の特性を伸長することに重点を置いた私塾的な雰囲気を持つ寺子屋のような少人数、男女共学の教育を目指していたと聞いています。
当初は幼稚園、小学校のみでしたが、昭和22年中学校を、25年には高等学校を開設して現在に至っています。
人間形成の土台づくりは、児童期の体験数で決まると思います。小学校では、学校行事での関わりの中から楽しさ、悔しさなどいろいろな想いを体験してもらい、その都度いろいろなことを考えて前に進んで欲しいと願っています。そのために、異学年交流・異年齢交流・宿泊合宿など集団の中で、友だち・下級生・上級生という立場で物事を考え行動し、そのような体験の中から社会性や共感性などを身につけていってほしいと常々思っております」
教科では、国語力の向上に力を注いでいます。図書室には現在約54、000冊の蔵書があり、恵まれた環境の中で、考え、思い、学び、表現するための手立てである「言葉の力」をつけさせ、「生きる力」へとつなげていけるように指導していること。
また、「書は人なり、心を写す力」ともいわれているように、正しい「書写力」を身につけることが一番の目標で、低学年のうちから、一点一画、ていねいに書く習慣を身につけるように心がけている学校です。
創立者の信念でもあった「昼食はお母さんの手作りのお弁当」は、少し形を変え、弁当をネットで注文し、購入できるシステムをはじめました。
また、令和4年度、アフタースクール「ひのキッズ」が開校しました。
注文弁当とアフタースクール、働くお母さん方への支援、これも歓迎されているようです。
共学で、高校までのゆとりのある一貫教育で、大学受験は、本人の実力次第。
なお、中学受験に関しては、従来から、受験対策のノウハウは充実しており、HPの中学校合格状況に、その実績を見ることができます。小学校は地元で安全に通学、中学から東京の学校へと考えているご両親も多いようです。
令和6年度からは進路指導部を作り、中学受験に対する応援体制が強化されました。
≪ 聖徳大学附属小学校 ≫
2021年度から、高校(光英VERITAS中学校・高等学校)までの共学となりました。それまでは、男子は中学受験する必要があり、かなりの進学実績をあげていましたから、充実した進学体制をあげても良いのではないでしょうか。幼児教室対象の説明会でも、外部の優秀な指導者を招いていると聞いたことがあります。
最近、日本女子大学附属豊明小学校、聖心女子学院初等科をはじめ、千葉県の私立小学校でも学童保育やアフタースクールが盛んですが、本校の「聖徳アフタースクール」の大きな特徴として、車でのお迎えを容認していることでしょう。お仕事を持っているお母さん方には強い味方になるのではないでしょうか。
朝の登校時も車での送迎ができるのですが、お父さんと子どものコミュニケーションの場になっているという声も聞こえる、と説明会でお話がありました。
校名の聖徳の由来は、聖徳太子の道徳や礼節などに対する思慮の深さを教育の基礎とし、豊かな人間づくりを実現したい思いから。読み方を変えたのは、聖徳太子に深い尊敬の念からで、「しょうとく」と読むのを控え「せいとく」としたそうです。
「思いやりと、礼を尽くす、こまやかな心を学ぶ」を目指す小笠原礼法宗家の指導による礼法教育、明和班、全校生が一緒に食事をする「食堂(じきどう)」など、学園の「礼節」「知育」「勤労」の3つの教育方針について、どのように期待するかをまとめてみましょう。
礼法教育は、1年生から6年生まで、年間指導計画があり、電車の中で化粧をしている女性や、歩きながら物を食べている無作法者に見せたいほど、日本古来の文化が伝承されている学校です。これも欠かせない志望理由になるのではないでしょうか。
≪ 千葉日本大学第一小学校 ≫
創立時は男子だけの別学でしたが、平成8年4月から共学校になり、大学までの一貫教育校です。共学が自然で、受験を考えなければ16年間のゆとりのある教育環境で、自分の進む道を、ゆとりを持って学べることでしょう。
本校の児童は、一定の内部進学規定を満たすことで、学園の2つの中学校へ約70%、2つの高校へは90%以上、そして大学へは60%の生徒が進んでいます。(令和6年7月のHPより)
本校の校訓「真(まっすぐに) 健(すこやかに) 和(なごやかに)を、わたしども流に、心を表す言葉として考えると、
真は「飾り気のない、偽りのない心」
真は「飾り気のない、偽りのない心」
健は「すこやかな精神」
和は「おだやかな心」
となりますが、いかがでしょか。
本校の特色として、「学習習慣の定着と基礎学力定着」とあります。その一環として「自学」に1年生から取り組んでいることも特長です。
また、創立以来、英語教育に力を入れています。ステップアップタイムの活用などで、6年生「全員」が実用英語技能検定5級合格を目指しています。高学年では英語日記にも挑戦し、5年生では英語劇も行えることも大学付属ならではでしょう。
大学付属ならでは、といえば、近年大学との連携も積極的に行っており、これも魅力の一つとなっているようです。
そして、縦割りグループによる学年を超えたユニークな「さくら活動」でしょう。
こういったことからまとめてみましょう。
≪ 昭和学院小学校 ≫
教育目標に「知・徳・体の全人教育(知識だけにかたよった教育ではなく、性格教育、情操教育なども重視する教育)を掲げていますが、開校以来、少数の児童(現在は1学年3クラス)に行き届いた教育を行うことを目標に、道徳教育を重視し、児童の基本的生活習慣の形成に力を注いでいます。それが、校是「明敏謙譲」の狙いであり、教育目標に表れています。「学校案内」には「明敏とは活力を持って未来を開くこと、謙譲とは英知を持って社会に生きること」で、「明朗にして健康で、自主性に富み、謙虚で豊かな人間を育てること」と説明されています。
山本良和前校長は、就任の挨拶でこうおっしゃっていました。
「『人が未来』という言葉が本校の教育観を表した言葉です。人が、つまり、子どもが未来。今日の学びが子どもの未来を作っていくんだという思いで取り組んでいます。」
また、教育目標である「高い学力とやさしい心」については、
「高い学力というのは所謂受験のための学力ではなく、未知のものに立ち向かっていく力、『学ぶ力』です。 <中略> 悩みながら試行錯誤した結果、これまでできなかったことができた瞬間、全ての子どもは必ず笑顔になります。
この笑顔こそ、学校教育で目指すべき、実現すべき子どもの姿だと我々は考えています。」
「『やさしい心』とは、相手の事を自分事として捉え、一緒に感動したり、助け合ったり、分かち合ったりできることです。道徳教育として、全ての教育活動の中で、人の気持ちがわかる、共感するということを大事にしています。」とおっしゃっていました。
青木伸生現校長も同様のことをおっしゃっていました。
「明敏謙譲」、例によって、育児の姿勢としてわたしども流に考えるとこうなります。
「謙譲」とは、「へりくだること」という意味で、「謙譲の美徳」ともいいますが、最近は、お目にかかれない言葉となりました。むしろ、「謙虚」の方がおなじみかも知れません。「自分が偉いものと思わず、素直に他に学ぶ気持ちがあること」という意味です。すると校是の「明敏」は、「明朗にして健康で、自主性に富む」ですから、「元気で、明るく、自力で挑戦する子」に、「謙譲」は「謙虚で心の豊かな人間を育てる」ですから、「素直な子」と置き換えることができるでしょう。
独自の国語教育、伝統の読書教育に加え、「視写」があります。
文章をそのまま写すことです。おそらく子ども達は、名文を写し、記憶し、漢字を覚え、語彙も増えるといったように、楽しい学習をしているのではないでしょうか。
幼稚園では、年少から英語を正課にしていることについて、受験されるお母さん方から、「英語の勉強について、何らかの準備をしておかなくても、ついていけるでしょうか」と質問を受けることがあります。附属の幼稚園では、年少から正課として英語を保育に取り入れ、年少組は週1回30分程度、年中、年長組は週5日40分程度行っています。3年間でかなり力がついていると考え、入学後、英語を学んでいない子どもにとって、それがハンデになるのではと考えるのも当然ではないでしょうか。
それについて鈴木祐子元校長が以前、
「本校では、ESL用に開発された『グレープシード』という英語のカリキュラムを使用しています。入学時には個々のバックグランドにより英語力がまちまちな児童たちですが、少人数制の英語授業を通し、ほぼ1年で経験に由来する差はなくなります」
とおっしゃっていましたので、心配ないようです。
注 ESL(English as a Second Language)
英語を母語としない人のための英語教育を目的としたプログラム
また、本校のアフタースクールには12講座の内、英語の授業が3講座設けられており、これを利用することで、ハンデをなくす対策になっているのではないでしょうか。本校のアフタースクールは半端ではなく徹底していますから、学校側も自信を持って対応できると考えているようです、私見ですが。
共学で、高校までの一貫教育校と期待する教育内容からまとめてみましょう。
日出学園と同様、中学受験のノウハウは充実しており、HPを見ると進学状況を見ることができます。これは、現在共学ですが、それ以前は、中高は女子だけの別学であったため、男子は受験を控えていたためです。念の為、お断りしておきますが、面接で「中学受験を目指しています」は、そういう考えを持っていても、あえて言う必要はありません。
なお、令和3年度入試から105人募集に増え、それに伴い、校舎(ウェスト館)が増設されました。木造の校舎で、入ると木の良い香りがします。
3回に分けて、「私学の建学の精神、教育方針の理解の仕方」について、「おとうさん、おかあさんの受験対策」(めぇでる教育研究所 刊)からピックアップして紹介しましたが、これは、あくまでも「わたしども流の考え」にすぎません。
こういった解釈を情報として公表するのには、少し、心配があります。それは、幼稚舎が作文を止め、面接を廃止した理由が、あまりにも「傾向と対策化されている現状から意味がないと判断したから」とおっしゃったことと同じ理由からです。一つの考え方、ヒントとしてお読みいただき、ご自身の言葉でお話しできるようにしていただきたいと、老婆心ながらお願いしておきたいと思います。
間もなく夏休みに入りますが、夏休みの講習会に参加し、キチンと計画を立てて、乗り切りましょう。「夏を制する者は秋を制す」、この気持ちで頑張ってください。
(次回は「夏休みの過ごし方」を予定しています。)
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2024年7月11日 12:48
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>建学の精神、教育方針の理解の仕方(2)
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「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
年長児のお子様をお持ちの方々へ
2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
<第52号>
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建学の精神、教育方針の理解の仕方 (2)
■ 暁星小学校
もやしっ子をなくすためにサッカーを取り入れた学校といえば、暁星小学校です。今は、どうでしょうか。もやしっ子は、たくましくなり、全国高校サッカー選手大会に出るほどの実力を備え、強豪といわれるまでになりました。
サッカーは、かなり、過激なスポーツです。手は使えませんから、体を張った足技が、ものすごいですね、このことです。
サッカーは、まさしく格闘技です。ワールドカップ等を見ていても、「ここまでやるか!」といったプレーが随所に見られます。ですから、イエローカードやレッドカードと、反則に厳しいペナルティーを与えます。「ルールを守って戦うフェアーな精神の持ち主」であることも大切な条件です。さらに、11人で戦うゲームですが、一人ひとりは、敵を自分に引き付けておき、ぎりぎりのところで味方にパスをつなぎ、最後にゴールポストにシュートを決めるチャンスを勝ち取れるのは、たった一人です。「身を捨ててこそ浮かぶ瀬あり」ではありませんが、犠牲的な精神が求められます。チームワークです。フェアーな戦いとチームワーク、ここに学園の教育の礎があるのではないでしょうか。
小学校の門には、「困苦や欠乏に耐え、進んで鍛練の道を選ぶ気力のある少年以外は、この門をくぐってはならない」と書かれた額が掲げられています。
以前の説明会では、小学校時代、運動の苦手だった子が、友の誘いでサッカーに挑み、サッカーチームの一員となったばかりか、切磋琢磨して難関校へ合格、共に励ましながら目標を達成する「鍛える教育」の成果を作文で披露しましたが、よくわかる話でした。
高校までの一貫教育に関しては、そのまま大学へ進んでしまうより、社会へ出る前に受験勉強をし、その厳しさを体験させるべきだと考えるお父さん方が多いようで、進学状況を見ても、生徒はしっかりと応えていることもわかります。
「宗教教育」「別学の教育環境」「高校までの一貫教育制度」に期待すること、プラス、「困苦や欠乏に耐える気力のある少年」をどのように解釈するか、ここがポイントではないでしょうか。「質実剛健」だけでは、説明しきれないのではと考えます。
以前、佐藤前校長が説明会で、暁星小学校の鍛える教育のイメージは、日本昔話のキャラクターでもある「気は優しくて力持ち」といっていましたが、この比喩はわかりやすいのではないでしょうか。吉川直剛校長からも、同じ話を聞くことができました。
ちなみに、運動会の入退場門、本校の入場門は健闘門、退場門は勇退門となっています。
コロナ禍前の面接では、志望理由や育児の方針といった質問ではなく、お子さんとゲームをしながら、その対応の仕方や、そばで見ているお母さん(またはお父さん)にゲームの様子を聞くなど、従来の面接とは違った形で行われる年もありました。
模擬面接の入室時にじゃんけんをして席を決めるときがありますが、「最初はグー、じゃんけんぽん!」、わずか数秒のことですが、照れずにじゃんけんに興ずる親子、見ていてもほのぼのとしますね。学校側の目的は、ありのままの親子の姿、家庭を見ることにあったと思います。
コロナ禍以降、保護者面接が続いています。本年も「保護者面接」となっていますが、親子面接に戻る日はくるのでしょうか。
■ 青山学院初等部
青山学院初等部は、ミッションスクールは別学が多い中で、めずらしく共学です。ランドセルも通信簿もありません。これが青山の教育方針です。
ランドセルは、昭和40年に廃止しています。その理由は、ランドセルは、「学校追従型のシンボル」と考えているからだそうです。1に勉強、2に勉強、3、4がなくて5も勉強です、現代の子どもたちは。
家で宿題やら予習やら復習をひたすらこなす前に、「家庭で、きちんと身につけなければならないことがありませんか」ということではないでしょうか。
家庭でしっかりとやらなくてはならない基本的な生活習慣やしつけ、言葉遣い、そして情操教育が、なおざりにされていないでしょうか。青山は、家庭での教育を重視しているということです。
通信簿は、相対評価が多いものです。
5が2人いれば1も2人といった評価ですから、通信簿は相手との比較表になりがちです。比較表ではなく、学習の質を問うのが勉強の評価ではないでしょうか。ですから、期末試験の結果や出てきた偏差値といった評価をする資料のない状態で、先生と子ども、先生と保護者が、直接、話し合うそうです。
通信簿がないことは、結果よりプロセスを重視する学習観ではないでしょうか。
自分で考え、判断して、行動する、自発性です。結果さえよければそれでいいという価値観と違い、思考力、判断力、行動力を育てる教育で、学習指導要領が掲げる“アクティブ・ラーニング”と同じではないでしょうか。
ところで、意外に知られていないことがあります。
初等部のHPを開き、「教育の特色・紹介」のところの「国内短期留学・止揚学園」をご覧ください。30数年前、ある本を読み知ったのですが、「すべてが教場」の意味を理解できたものでした。青山学院は、こういう教育を実施している学校でもあるのです。
「宗教教育」「共学」「大学までの一貫教育制度」に期待することは何でしょうか。「共学」を忘れがちですが、これも大きな特徴です。そういったことから、まとめてみましょう。
■ 国府台女子学院小学部
国府台女子学院のことを、千葉の白百合学園とさえおっしゃるお母さん方がいました。小学部の入学試験の難しさといい、大学への進学状況を見ても、「さもありなん」と思わざるをえないほど実績を上げています。近年、コンスタントに医学部医学科や薬学部への進学者が出ていることからも、「社会で活躍できる女子を育てる」方針が着実に実を結んでいるのではないでしょうか。
価値観が多様化し、社会全般が「エニシング・ゴーズ、何でもあり」の風潮を歓迎するムードもありますが、そういったウイルスに感染することなく、小さい頃から一つの価値観に基づいた教育を受けさせたい、そう考えるご両親が増えていることも事実です。
仏教に基づく教育を行い、女子だけの、高校までの一貫教育校です。
月毎に行われる仏教行事は、本学院の教育理念である「敬虔・勤勉・高雅」を身につけるための、貴重で重要な教養、教化となっています。「教養は、徳をみがき、人格を高めること」で、「教化は、キョウゲと読み、人を教え、よい影響を与えて善に導くこと」だそうです。となると、教育理念である「敬虔・勤勉・高雅」を、どのように解釈するかが問題になってきます。
たいへん難しい言葉です。HPにも解説がありますが、独自に解釈してみると、こうなります。
「敬虔」は、仏につつしんで仕えることから、深く敬って態度をつつしむさま。
「勤勉」は、勤めて骨を折ることから、何事も一所懸命。
「高雅」は、気高く、雅(みやび)やかなことから、だれからも愛される気品。
このように置き換えてみると、わかりやすいのではないでしょうか。「つつましく、一所懸命に頑張る、心のやさしい子」といった子ども像が浮かんできます。そういった子どもに育ってほしいと考え、育児の基本にしているご両親であれば、学校の教育方針と一致していることになります。
以前、教育理念を俳句もどきに、
ひたむきで つつしみぶかく みやびやか
などとお母さん方に紹介していたこともありました(笑)。
ある年の説明会で、平田史郎学院長は、不作法で言葉遣いの乱暴な者を評して、「訓練されていない個性は野性である」とおっしゃっていました。
女子だけの環境については、「女子だけだからいいのです。女の子しかいないので、男子のする仕事までやることになり、体験の幅が豊かになります」といわれ、共学にする予定は、まったくないと断言しています。幼児教室対象説明会でも、その時々のデータを提示しながら女子教育の効果を強調しています。
こういったことをヒントに、「宗教教育」「女子だけの教育環境」「高校までの一貫教育制度」に期待することをまとめてみましょう。
(次回は、「建学の精神、教育方針の理解の仕方(3)」 についてお話ししましょう)
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2024年7月 4日 12:48