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2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する -合否を判定する必須十項目-★★[5]常識に関する問題(2)

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         「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第34号>
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≪ 学校行事情報 ≫
 
 ●国府台女子学院小学部 ひなまつり・6年生を送る会
      日 程 3月8日(金)9時30分から
          予約不要       
  
 ※お知らせ
  キリスト教学校合同フェア(3月20日[祝・水])は事前予約制になっています。2月20日からの申込になっていますので、ご興味がある方は満席になることも考えられますので、お早めにお申し込みください。
  
  志望校のHPはこまめにチェックするようにしましょう。
 
 
 
★★入試問題を分析する★★
 
[5]常識に関する問題 (2)
 
[公衆道徳・躾に関する問題]
 
公園の中で、いろいろなことをしている子どもの絵を見て、やってはいけないことをしている子どもに×をつけたり、服を一人で着たり、後片付けができていない絵などから、自分一人でできた方がいいと思うものに〇をつけたりする問題です。いうまでもありませんが、入学試験のために身につける知識ではなく、しつけであり、マナーであり、基本的な生活習慣ですから、ご両親の育児の姿勢、教育方針をみています。 
                                 
次にお話するのは、実際にあったことです。
電車に乗ると、子どもは、なぜか、外を見たがります。それは、いいのです。
しかし、靴を脱がない子がいます。お母さんの言葉、ショックでした。
「○○ちゃん、お靴脱ぎますか、脱ぎませんか?」
「脱ぎたくないの」
「そうですか」
これで、おしまいです……!
良いのでしょうか。
 
着ている制服から、大学まである総合学園の幼稚園であることがわかりました。
親は、一貫教育制度のある附属幼稚園に入れて、子どもの人生航路の設計図なるものを、小さい頃からキッチリと引いてあげているにもかかわらず、他人様と共存して生きるために最低限必要なルールは、子どもの判断に任せていいのでしょうか。
 
いいわけはありません、これは逆です。
 
人生航路は自分で開いていくものですが、しつけは親が責任をもって子どもに身につけさせるものです。このような考え方を「子どもの自主性を認める」とはいいません。
 
「放任」です。
 
親の責任を放棄していることに気づいてほしいのですが、こういう保護者が増えているように感じます。誰がかわいそうかと言うと、子どもです。後で困るのは、子ども自身ですから。
 
試験で電車の中で悪いことをしている子に×をつけても、実際に電車に乗って、靴を脱がずに外を見ているのでは、おかしいですよね。これは常識であり、守るべきルールです。知識として知っていても「実際にはできない」、どういうことでしょう。
 
これは知識と知恵の差です。
 
知識は知っているだけで、知恵は知っていることを実行する心の働きです。幼児期の知識の詰込みは、こういう結果になりがちではないでしょうか。こんな本末転倒なことを許していると、幼児の世界もおかしくなります。
 
「三つ子の魂百まで」は、幼児期に身につけたことは、大人になっても、そのまま受け継いでいくことを戒めた先人の知恵です。良い習慣をきちんと身につけてあげるのは、お子さんにとっても幸せであり、大切な財産になると思います。「習慣は第二の天性である」と古代ローマの政治家、哲学者であるキケロもいっています。何も哲学者を出すこともありませんが、「大切だ」といいたいのです。
 
 
 
[その他の問題]
  
果物や野菜を、縦や横から輪切りにしたものから、何であるかを推理する問題もあります。
これも体験でしょう。
 
子どもは、見えないところを見たがるものです。りんごやみかんを食べるとき、ただ、皮を剥くだけではなく、縦や横に輪切りにして、見せてあげましょう。
喜びます。
野菜なら、ピーマンなどを切ってみせると、不思議そうに見ています。ついでに、匂いもかがせてみましょう。玉ねぎなどは、涙を流しても見たがります。
 
「どうしてレンコンはあんなにたくさん穴があいているのかな?」と聞かれることもあるでしょうね。子どもの質問はするどいですね。今はインターネットで簡単に調べられますから、お子さんが「なぜ?」と聞いてきたときには後回しにせず、きちんと答えてあげましょう。
その場しのぎでは子どもの信頼を裏切ることになります。
 
そして、野菜や果物を水の中に入れ、浮かぶか沈むか、実験してみましょう。
「すいかは、絶対に浮かばない!」と思い込んでいるお子さんが、かなりいます。見たことがないのです。丸ごと一個のすいかを買う機会は少ないでしょうが、お子さんが疑問を持ったときには、説明するより見せることです。
 
また、動物の足の絵から、その動物が何かを考えたりする問題もあります。
かなり昔の話で、時効も成立しているはずですから紹介しましょう。ある国立の名門大学の学生さんが、「鶏には足が4本ある」と真面目な顔でいい、話題になったことがありました。見たことがないのです。
幼児には、見せるしかありません。動物園や牧場の出番です。
 
「今度の日曜日、ゴルフの予定もないから動物園に行くぞ!」
「……。」
お父さんの都合でお子さんに興味がない時に、動物園に行っても効果はありません。
「お父さん、にわとりの足、どうなっているのかな?」
この「かな?」がついた時、子どもが興味を示した時が、絶好のチャンスです。
ジィーっと見ています、飽きもせずに。観察力だけではなく、集中力や持久力もつきます。
 
最後に、絵を見て話をする問題です。
 
これは、たくさん本を読んでもらっている子は、得意です。たとえば、かぐや姫の絵だとします。読んでもらったことのない子は、話せませんね。本を読んであげることは、以前にも説明しましたが、言語の学習から情操教育まで、大変な学習になっています。
 
話を聞く姿勢ができている子は、本を読んでもらうことが好きです。しかも、本人も保護者も勉強をしているとは思っていません。教えない教育の成果です。
しっかり読んであげましょう。読んであげられるのも卒園までです。一人で読めるようになるのも、後わずかだからです。読めるようになると、もう頼みにきません。そうなると、保護者の読書時間も増えます。親の本を読む姿は、最高の教材です。読書の好きではないお子さんは、やはり、ご両親もあまり好きではないことが多いのではないでしょうか。
 
テレビの内容にもよりますが、視聴時間の長さと教養の深さは、反比例するそうです。スマートフォンやタブレットで動画を見せることも同じですね。
保護者である私たちも気を引き締めて、ですね。
 
絵を見て話をする問題については、言語のところでお話しましたから、もう一度ご覧ください。「お母さん(お父さん)、あのね方式」です。
 
その他に、新幹線やブルドーザーなどの絵を見て名称と用途、花の名前と咲く季節などをたずねる問題があります。昔話に出てくる「きね」「うす」「いろり」、雪国ではおなじみの「つらら」、「ほうき」「はたき」「ちりとり」といった昔の掃除道具三点セットなど、普段、目にしなくなったものには、出会ったときにきちんと説明しておきたいものです。
 
最後になりましたが、2017年2月、千葉県私立小学校フェアで伺った話を紹介しましょう。
暁星国際学園の学園長、田川茂氏(当時90歳を越えていました。)の「親は教育に哲学を持ちなさい」という話があり、説得力がありました。今でも通ずるお話ですね。
お子さんにどのような教育を受けさせたいか、これは学校選びの基礎、基本であり、「はじめに学校ありきではなく、ご家庭の教育方針ありき」であるべきだということですね。
「教育の道は家庭の教えで芽を出し、学校の教えで花が咲き、世の教えで実がなる」ともいわれています。「どんな花を咲かせるか」、素直に肯けました。
また、「哲学を学ばない者は、先生をしてはいけない」も痛烈でした。様々な先生がいる時代、私学が歓迎される理由は、こういったことにもあるのではないでしょうか。
 
      
 (次回は、[6]推理・思考に関する問題についてお話しましょう)
 
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2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する -合否を判定する必須十項目-★★[6]推理・思考に関する問題(1)

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         「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第35号>
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★★入試問題を分析する★★
 
 
[6] 推理・思考に関する問題(1)
 
系列完成、欠所補完、図形、科学性に関するもの、鏡映像などの問題ですが、これもかなり難しいですね。知能指数(IQ intelligence quotient 知能検査で得られた精神年齢を、実際の年齢で割り、百倍した数で、100が普通程度を表す)を調べる知能テストに、このような形式の問題があるのは、お母さん方もご存じだと思います。
 
かつて、この種の問題が小学校入試の基本であった頃に、「IQが120以上でなければ合格しない!」とのうわさがまことしやかに流れたことがありました。ある小学校の説明会で校長先生が、「IQが120位ないと入学してから大変ですよ」とおっしゃったのですが、これに尾ひれがつき、「140以上なければ合格できない!」と姿を変え、指数を上げるために繰り返し練習することが行われたものでした。
 
事の真相を知っていましたから、無責任なうわさが恐くなり、「そんなことをしていると、お子さんの実際の知能指数がわからなくなるからやめなさい」と、その弊害を保護者の方にお話したことがあります。
 
本来、知能テストは、たとえば5歳の子どもなら、他の多くの5歳の子どもと比べて、知能の発達の度合いを調べるテストで、訓練をし、無理に上げるものではありません。今は、そういったうわさも誤解も、姿を消したようですね。
 
 
 
[系列完成]
 
動物や果物、記号やさいころの目などが、ある決まりで並び、ところどころに空欄がもうけてあり、そこに入るものを考える問題で、おもしろいことに美醜の感覚やリズム感まで刺激を与えていることがわかります。
 
    ○△□○△□○△□○△□○△□○△□
    ●○△●▲○▲□●○△●□○▲●
 
上段は、見た目もきれいで、リズミカルで心も落ち着きます。
下段は、見た目も煩わしく、不協和音が聞こえそうで、心もいらだちます。
きれいな並び方には、一定の決まりや規則性があり、それを見つける問題です。
 
 1  リンゴ・バナナ・ミカン・リンゴ・バナナ・ミカン・リンゴ・( )
 2  □○△( )□○△◎( )○△◎
    ↑     ↑
   (左人差し指)(右人差し指)
 
3つか4つ、多くても5つまでの系列ですから、上の問題のように、「リンゴ・バナナ・ミカン・リンゴ・バナナ・ミカン・リンゴだから、バナナだな!」と口調もなめらかで、抵抗なく出てきます。
 
下のような問題は、ちょっと困ります。
しかし、左右の人差し指で、同じものを(この場合は□)押さえて、右へ1つずつ移動させると、□○△◎の決まりであることがわかります。
これを「お引っ越しゲーム」といったりしますが、決まりを見つけるゲーム感覚でやると、子どもは面白がって挑戦します。
 
このゲーム感覚ほど、子どもの学習意欲に刺激を与えるものはないでしょう。
 
身の回りに注目してみましょう。
この決まりを守っているものが、たくさんあると思います。
ブラウスやセーターの図案、カーテンの模様、台所やふろ場のタイル、外に出れば、舗装された道路のタイルなど、きちんとした決まりで並んでいませんか。
お子さんと一緒に、決まりを見つけるのも楽しいものです。
大切なのは、こういったことから好奇心の芽を養うことです。
好奇心は、やる気を起こす起爆剤で、その意欲から自発性も芽生えてきます。
 
 
 
[欠所補完]
 
文字通り、欠けているところを補い完成させる問題で、ジグソーパズルの感覚で取り組めます。
 
全体の中で欠けている部分を推理し、4枚程の中から、そこに入るものを見つけます。正解は1枚でダミーが3枚入っていますから、それを除いていけばいいわけです。
 
直感力のすぐれている子は、サッと見つけますが、それで安心して、「うちの子、頭、いいわ!」などと早合点をすると、後々、困ったことになりがちです。   
選択肢は、わずか4枚で、確率四分の一ですから、偶然に答えが見つかる場合もあるからです。
 
時間が、かかってもかまいません。
1枚、1枚、比べて、
「これは、ここが違っている! これも違う!」
と、辛抱強く比較していくことが大切です。
 
繰り返しますが、この違いを見つけることは、観察力を培う大切な作業です。
しかも、根気が必要ですから持久力もつきます。
そこから、じっくりと物事に取り組む姿勢も身につきます。
 
以前にも紹介しましたが、イソップ物語の「うさぎとかめ」の話を思い出してください。油断をいさめた寓話ですが、ひらめき型とじっくり型の話として読むと、幼児期の教育のあり方について、重要なヒントになっているのではないでしょうか。
 
このイソップの話、明治時代の小学生の教科書の題名は、何と「油断大敵」です。
 
ウサギさんはひらめき型の直感派で、カメさんはじっくり型の思考派です。
小学校の低学年までは、断然、直感派がリードをします。
 
選択肢が2つか3つの場合は、直感力の優れているひらめき型のウサギさんは、あまり苦労することなく答えを選び出せます。じっくり型のカメさんは、選択肢が少なくても、一つ一つ検証して答えを出しますから、時間はかかりますが、試行錯誤を重ねることで、きちんと答えを出します。
 
ところが、分数や小数、光合成といった、目に見えない世界の学習が始まる中・高学年になると、思考派が徐々に頭角を現します。
 
じっくり型の思考派のカメ型タイプの子は、欠所補完の問題でも、一枚一枚、きちんと比べて納得していますから、慎重に考えながら物事に取り組む習慣が身につきます。
 
しかし、どちらがいいのだろうなどと、決めてかかるのはどうでしょうか。
いろいろなタイプの子がいて、当然です。
 
「じっくり型の、思考派の、カメ型のタイプは理系だな!」と思い込み、「何で、もっと、じっくりと考えないの!」となるようでは、子どもには迷惑な話になりかねません。
問題集をやる時などに、答えが間違っていると、こう言いがちではないでしょうか。
 
しかも、そういう時の大人は、恐い顔をしていますから、子どもも考えようとせずに、隣の絵をさっと指差したりします。
それも間違っていると、
「何回、言ったらわかるの。考えなきゃ駄目だと言っているでしょう!」
これでは何回やっても同じです。
子どもは、怒られたくない一心で答えているだけですから、考えていません。
保護者の方には、考える時間をあげていないことに気づいてほしいですね。
 
幼児の場合、正解を求めるだけが学習ではありません。
なぜ、「どうしてなの?」「どういう風に考えたの?」と聞いてあげられないのでしょうか。
不思議な気がしますね。
 
「正解は一つしかない」と信じて疑わないからではないでしょうか。
 
答えは間違っていても、意外に、面白いところへ目をつけているときもありますから、その理由を聞いてあげましょう。
 
それから間違っていることを説明してあげれば、子どもも納得します。
こういったことをしてあげずに、子どもの考えを無視して、繰り返し、ひたすら正解なるものを求めていると、大人の顔色を見て答えはじめます。
これでは学習ではなく勉強です。
「強いて勉めるのが勉強」であることを思い出してください。
大人の気持ちを満足させるためにやっているようなものですから、やめた方がいいですね。
 
大人は何とか工夫しますが、できるように配線が組みこまれないとできないのが子どもです。
 
子どもが「わからない」という時は、「本当にわからない」のです。
 
そこを考えてあげないと、お子さんはパニック状態に陥りがちです。
いやな思いをさせては、小学校へ入る前から勉強嫌いな子になりかねません。
「忍の一字」で過ごした、おむつを外した時のことを思い出してください。
 
ところで、「うさぎとかめ」の負けたウサギはどうなったかご存知でしょうか。
「カメに負けた駄目ウサギ」として、ウサギ村から追放されますが、「子ウサギをえさに差し出せ!」と脅迫してきた狼を負かし、無事、ウサギ村へ復帰します。
 
余談になりますが、ホワイトデーの習慣は日本生まれ、中国、台湾、朝鮮など東アジアの一部で定着しているが、欧米にはない。記録として残っている元祖は、昭和48年(1973)に不二家とエイワが協力し、チョコレートのお返しにキャンディやマシュマロを贈ろうと「メルシーバレンタイン」キャンペーンを開催したとの記事が読売新聞にある。その中でホワイトには「幸福を呼ぶ」「縁起が良い」という意味があるということで、1ヶ月後に設定したと伝えている。(「ウィキペディア フリー百科事典)より要約)
 
デコレーションケーキといい、お菓子屋さんのたくましい商魂ですね。
 
そのホワイトデーですが、バレンタインデーは様々なバリエーションが出てきましたが、ホワイトデーはどうなっていくのでしょうか。
 
 
(次回は 「推理・思考に関する問題(2)」についてお話しましょう。)

 
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2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する -合否を判定する必須十項目-★★[5]常識に関する問題(1)

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         「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第33号>
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★★入試問題を分析する★★
 
[5] 常識に関する問題(1) 
 
文字通り、常識の分野です。
しかし、単なる知識ではなく、情操教育の領域から思慮分別まで入っています。
仲間分け、郵便屋さんとポストを結びつける職業に関するもの、道具や日用品の名称と用途、季節と行事、公衆道徳やしつけ、むかし話や名作物語の一部が描かれた絵を見て説明するものなどがあります。
 
 
[仲間分け]
 
動物や昆虫、木や花、野菜や果物、乗り物、季節、文房具などの仲間を探す、逆に仲間ではないものを見つける問題です。常識の問題だけではありませんが、単に仲間に〇や仲間ではないものに×をつけ、「満点! 次に行きましょう!」
では、あまり有効な学習とはいえません。○や×をつけた理由を、自分の言葉できちんと説明できるか確かめましょう。幼児の学習で大切なのは、自分の考えを話せることです。つたない説明でもきちんと聞いてあげ、おかしなところは直してあげましょう。                                      
こういった問題がありました。
 ◆(かき・くり・ぶどう・なし・すいかの絵が描いてある)
   かき・くり・ぶどう・なし・すいかの中で、仲間ではないものに×をつけなさい。   
 
皆さん方は、何に×をつけるでしょうか。 聞き手に徹してみると、子どもたちは、実に、ユニークな発想の持ち主であることがわかります。
 
「すいかに×です。すいかは野菜で、他は果物です」
常識的な模範回答です。
 
「すいかです。他のくだものは木になるけど、すいかは、地面になります」
すいか畑を見た経験があるのでしょう。
 
「すいかは、夏に食べますが、他は秋ですから、すいかに×です」
季節に違いを見つけましたが、季節感が希薄になっている中で偉いですね!
 
「すいかです。他は皮をむいて食べます」
またしても、すいかですが、食べ方の違いを見つけました。
 
「くりです。イガイガに入っていますから、手で触れません」
この子は、くり拾いに行ったことありますね、体験談です。
 
「くりです。そのままでは食べられません」              
いいですね、くりご飯が好きなのでしょう。もしかしたら、生のくりをかじったことがあるもかもしれません。
 
「ぶどうです。他は1個、2個と数えるけど、ぶどうは、そういうふうに数えません」
これも、いいですね、一房などといえなくても正解です。ぶどうの実は、1個、2個・1粒、2粒と数えますが、全体を捉えて数えるときは、バナナと同様1房、2房です。       
 
「くりです。種がありません」
ぶどうやすいかにも種のないものがありますが、これも正解ですね。
 
「かきとくりです」
「……?」
「『さるかに合戦』には、かきとくりが出てくるけど、むかし話に、他のもの出てくるかな?」
さて、こうなるとわかりませんが、ぶどうとなしの出てくる話は、思い浮かびません。  
すいかはあります。老人が、意地悪をした商人から魔法を使い、すいかを取り上げてしまう話で、今昔物語にも出ています。しかし、いいですね、発想がユニークで。むかし話をたくさん読んでもらっているのではないでしょうか。
 
いかがでしょうか。子どもたちは、こんなにたくさんの違いを見つけました。
これはたいへんな学習になっています。子どもの観察力や発想は、大人と違うことがよくおわかりいただけたと思います。繰り返しますが、×をつけて終わりでは効果的な学習とはいえません。子どもの考えに耳を傾け、そして最後に、「果物と野菜」「季節の違い」など設問の意図に従い、正解に導いてあげましょう。
 
自転車とオートバイの違いを話す問題で、とことん答えが途絶えるまで、発表させたときのことです。
 
「仮面ライダーは、オートバイに乗るけど、自転車には乗らない」といったお子さんがいました。その子は、「仮面ライダーは、オートバイに乗り、かっこよく出てくるけれど、自転車に乗って出てこない」といいたかったのです。その日は、授業参観でしたから、お母さんは、赤面してうつむいてしまいました。
とかく私たち大人は、構造や原理の違いや用途などから考えますが、こういった考えのできるのが子どもなのです。
 
もちろん、エンジンと人力で走らせる違いに導きますが、なぜ、そういった考えが出てくるのか、子どもに聞いてみると、実に傑作な答えが出るものです。
その答えに妥当性があれば、そういう考え方もあると認め、しかし、「この問題の本当の目的は」と順を追って話をすれば、子どもたちは納得し、授業にのめり込んできます。
 
なぜでしょうか……。
 
それは、自分の考えを認めてもらえたからです。うつむいてしまったお母さんと違い、お子さんは積極的に授業に参加し、楽しんでいました。
「お子さんの話に耳を傾けてください」とお願いしておきましょう。
 
このように、幼児の知識は、似ているところや違うところを見つけることから始まります。物事の「類似差異」に気づかせることです。しかし、これを大人が机の上だけで教えこむのは、お勧めできません。五感を働かせ、自分で学習することが大切なのです。教え込まれることは、記憶に頼りますから忘れがちです。五感で体験したことは、何かの思い出と一緒に身体が覚えますから、忘
れにくいのです。
 
記憶は脳神経系の仕事で、忘れることも仕事ですが、体験は中枢神経系の仕事で、一度覚えると体が忘れないそうです。英単語は使わないと忘れがちですが、一度自転車に乗れるようになると、しばらく乗らなくてもすぐに乗れるようになる、この違いだそうです。
 
「幼児期には、五感に刺激を与える自然と接する機会をたくさん作り、話をはずませ、楽しい思い出を残してあげましょう」という理由は、ここにあるわけです。
 
 
 
[季節と行事に関する問題]
 
四季を代表する花や行事、春であれば、桜、たんぽぽ、チューリップ、おひなさま、入学式、鯉のぼり、柏餅などを結びつけたり、年間の主な行事を1月から12月まで絵カードで並べたりする問題です。暦の上では立春から春ですが、幼児の世界では、春は3月、4月、5月、夏は6月、7月、8月、秋は9月、10月、11月、冬は12月、1月、2月で教えてあげましょう。
 
変な話を聞きました。
「1月は正月・門松・たこ上げ・羽子板、二月は節分・豆まき・柊・いわしの頭・鬼……」 
試験に出るから憶えるそうです。しかし、季節折々の行事は、知識として覚えるものではなく、家族そろって楽しむものです。楽しんでいれば、覚えようとしなくても、思い出と一緒に記憶されるものです。 記憶だけに頼ろうとすると、「勉強、イコール記憶」となり、次第に苦痛になるのではないでしょうか。
 
学生時代に覚えた英単語、あんなに苦労したのに、どこへ消えてしまったのかと、しゃくにさわりませんか。それでも、皆さんは目的を持って覚えたのですから、苦痛にも耐えられたわけでしょう。
 
子どもたちには、「受験のため」といった自覚はないはずですから、やっかいなのです。       
 
そうはいっても、現代の子どもは、正月に、羽根つき、たこ上げ、カルタ取り、すごろくなどをやっているでしょうか。  
節分に豆まきをして、いわしを食べているでしょうか。 
女の子のいない家で、ぼんぼり、ひし餅、わかるでしょうか。
端午の節句に菖蒲湯に入る子も、少ないかもしれません。
七夕は、幼稚園での年中行事で済ませていないでしょうか。
迎え火、送り火、精霊流し、なかなかやらないでしょうね。
中秋の名月を、すすきとだんごをお供えして、眺めているでしょうか。
大晦日に年越しそばを食べているでしょうか。
そばより、ラーメンやスパゲッティかもしれません。
「……でしょうか」ばかりで、何やら、落ち込みそうです。季節折々の行事を祝わってあげたいですね。
 
このような年中行事は、自然への感謝と家族の幸せを願い、とりわけ、子どもの健やかな成長を祝う、一つの節目になっています。
 
たとえば、端午の節句、この言葉も「子どもの日」といわなければ、通じないでしょうが、なぜ、鯉のぼりを飾るのでしょう。なぜ、くじらやさめのぼりでは、駄目なのでしょうか。くじらは大きく、さめは見るからに強そうですが、代役を務めることはできません。
 
鯉は、非常に生命力が強い魚ですから、鯉のように強くて、たくましい子に育ってほしいという親の願いがこめられているのです。五月晴れの空に、雄大に泳ぐ鯉のぼりの姿、あまり見かけなくなりました。
 
こういった行事は、いってみれば「家庭の文化」ではないでしょうか。家庭の文化は、保護者が作るものです。子どもは、保護者の作った文化の中で育っていきます。保護者が、季節折々の行事の意味を子どもに教え、一緒に祝い、楽しい思い出として心に残してあげる。そのお祝いが、思い出が、子どもの情操を培っていくのではないでしょうか。団地やマンションのベランダに、小さな
鯉のぼりが泳いでいると、「頑張っているな!」と声をかけたくなります。
 
小学校の入学試験に出るからといって、問題集で教え込み、ましてや記憶させるなどは、本末転倒な話です。なぜ、こういった問題が出るのでしょうか。学校側も、知識として知っているかではなく、家庭の文化を見ていると思います。
 
季節折々の行事を楽しんでいれば、問題集は、チェックシートの役割をはたし、知識の整理になります。幼児の学習は、知識を詰め込むのではなく、たくさんの経験を積ませ、そこから得た知識、知恵であることが大切です。
 
当教育研究所で配信していますメールマガジン「さわやかお受験のススメ 保護者編」では、季節折々の行事の由来を説明し、それに関係のある昔話を紹介していますので、お読みになっていただければ幸いです。
 
   (次回は、常識の問題(2)についてお話しましょう)
 
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2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する -合否を判定する必須十項目-★★[4]数量に関する問題(3)

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         「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第32号>
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★★入試問題を分析する★★ 
 
  [4] 数量に関する問題(3)
 
     
[量の問題]
 
辞書を引くと「計って決められる、かさ、容積、軽重、大小、多少等」(「岩波国語辞典」より)とありますが、これに、ひもや鉛筆、国旗を掲揚するポールなどの長短を加えれば、入試に対応できるでしょう。
 
また、実験です。
 
同じ形をした容量も同じコップを2個用意し、ジュースを片方に少し多めに入れておき、「多い方、飲んでも、いいですよ」といったとき、サッと多い方に手が出れば、量に関する理解力も順調に発育しています。数と同じように、直感で見分けられることが大切です。「直感力は、経験を積み重ねて培われる力」であることを忘れないでください。
 
こういった問題があります。
 
(形も、大きさも、高さも、底面積も違うコップが3つ並んでいて、それぞれに水が入っている絵がある)
  ◆水が、一番たくさん入っているコップに〇を、一番少ないコップに×をつけなさい。
 
これは難しいですね。
ほとんどの子ども達が、たくさん入っているように見える底面積の狭い、細長い背の高い形のコップに〇をつけ、少ししか入っていないように見える底面積の広い、横幅の広いコップに×をつけがちです。かさのある方が、たくさん入っているように見えるからですが、これも実験するしかありません。
 
上の条件に合った3つのコップと同じ形のコップ3個、お茶など色のついている水を用意し、同じ形のコップ3つに同じ量だけ水を入れ、入っている水の量は同じことを確かめさせてから、条件の違うコップに、それぞれ入れ替えてみます。
 
底面積の広いコップと狭いコップとでは、明らかな差がでますが、入っている水の量は全部、同じです。
 「不思議だな、お母さん。どうして、こうなるの?」
底面積が広いほどたくさん水が入る、容量も大きくなることを説明してあげましょう。
これは「量の保存」といって、見た目は変わっていても、元々の量は保存されているからですが、「数の保存」と同様、言葉を教えることはありません。
 
このような問題もあります。
 
(3つのコップの中に、大きさの違う丸いガラス玉が、1つずつ入っていて、コップの水の量は、みんな一緒になっている絵が描いてある)
  ◆この中で一番たくさん水が入っているコップに〇、一番少ないコップに×をつけなさい。
 
これなどは、子どもは見ているはずです、おふろに入ったときです。
 「お父さんが入ると、どうして、お湯があふれるのかな?」
 「……かな?」というアンテナを張っている子は、すぐわかります。
 
量も直感で多少を判断し、難しい問題は、必ず、実験で確かめることです。
これが、小学校へ入ると、リットル、デシリットルと正確に量を計る勉強に進んでいくわけです。
 
ボールなどの大小、ひもなどの長短、旗を立てたポールの高低も同じです。やはり、見た感じ、直感力で判断できることが大切です。
その違いを見極める力が、センチメートル、メートル、キロメートルと、正確に長さを計る勉強に、軽重は、グラム、キログラムと量を正確に計る勉強につながっていくわけです。
 
 
 
[重さ比べ]
 
しかし、軽重、重さ比べは、直感で判断するのは難しいでしょう。
しかも、問題集だけで教えると、幼い推理力では、混乱しがちですから無理は禁物です。
 
こういった問題です。
 
(パンダとくまとうさぎが、シーソーにのっている絵があり、パンダとくまではパンダの方が下がり、くまとうさぎではくまの方が下がっている) 
  ◆一番重い動物に〇、一番軽い動物に△をつけなさい。
 
重さ比べの定番的な問題です。
「パンダとくまではパンダが重く、くまとうさぎでは、くまの方が重い。故に、パンダが一番重くて、うさぎが一番軽い」と説明しても無理でしょうね。
 
まず、3つの重さの違うものを手に持って、重さの順番に並べてみます。
できれば、天びんばかりを作り、手で持って判断したものと、合っているかどうかを確かめるとわかりやすいはずです。
 
  AとBを比べるとAが重い。 A>B
  BとCを比べるとBの方が重い。 B>C
  ここでAが一番重くて、Cが一番軽いことがわかります。 A>B>C
 
しかし、BとCを比べてCの方が重かったら、AとCを比べて決着をつけますから、これが面倒です。
さらに、比べる物が4つ、5つと増えてくると、難しくなります。
1つ1つ、順番に比べて、納得できるまで、根気よくやることです。
 
その納得させる方法ですが、軽重を勝ち負けに置き換えると、子どもは興味を示します。
パンダとくまではパンダが重いからパンダの勝ちで○、くまは●。
くまとうさぎでは、くまの方が重いからくまの勝ちで○、うさぎは●。 
最後に、パンダとうさぎは、パンダの勝ちで○、うさぎは●。
結果は、パンダは○○で2勝、くまは○●で1勝1敗、うさぎは●●で2敗。
好奇心を刺激してあげる、遊びの中での学習ですね。
 
おもしろい子がいました。
パンダ、コアラ、リスの3匹が重さ比べをする問題です。
「パンダが2回下がって、リスが2回上がっているから、パンダが一番重くて、リスが一番軽いのです」
 
お母さんに教わったそうです。理屈はそうですが、こういう教え方は、どうでしょうか。シーソーの上がり下がりだけ見て判断するのは、直感力ではなく、受験用のテクニックですね。
 
 「そうか、こうだな! こういうこともいえるぞ!」
 
1つ1つ比べ、試行錯誤を積み重ねて、自分で見つけたのであれば問題ありません。考える力もつき、考える楽しさも学習しているからです。出発点で楽をすると、応用力は身につきませんし、小さいときから、簡単に答えだけを見つける訓練は、やるべきではありません。
 
簡単な問題から難しい問題へ、ステップをきちんと踏んでいくことが大切です。
そして、正解であれば○を付け、それで終わらせずに、比較する段階を言葉でいえるようにしておきましょう。言葉で表現できる、これは、とても大切なことです。きちんと理解できていれば、説明も適切なはずですから、発表力も身についてきますし、それが個別テストや行動観察のテストに対応できる力を身につけることにもなっているからです。
 
 
 
[空間の問題]
 
図形は、[6]の構成力で触れることにして、最後に、空間について説明しましょう。
これも難しいです。
 
上下、左右、前後の関係です。 
前後は、幼稚園でも整列することで学んでいますから、わからない子は、あまりいないようです。  
こんな問題があります。
 
(各階に5つずつ部屋がある5階建てのマンションが描かれている)
  ◆キリンさんは、三階の左から三番目のお部屋です。キリンさんのお部屋に○をかきましょう。
 
子ども達には、上下は何とかなるのですが、左右が難しいですね。
年長になっても、左右の区別のおぼつかない子が、かなりいます。
左の薬指にピンクのリボンつけていた女の子がいました。
 「先生、こっちが左ですよね!」
かわいいではありませんか。お母さんの工夫した、やさしい気遣いが伝わってきます。
 
左右の確認がきちんとできてから、問題集に取り組みましょう。
基本的な準備をせずに、プリントだけで「左から……、上から……」とやると混乱しがちなのです。
 
  □□□□□   こういった図を描いて、一番下、下から2番目(上から
  □□■□□   2番目)、一番上、左から(右から)何番目、左端、
  □□□□□   右端を確かめましょう。
 
少し難しいかもしれませんが、下の図のように、■を中心に左右、上下、左斜め上、左斜め下、右斜め上、右斜め下を確認しておきましょう。  
 
   □□□
   □■□
   □□□
 
幼児の学習は、生活と結びついていると、スムーズに対応できるものです。
生活に必要なものであれば、喜んで挑戦するはずです。お手伝いをさせながら、学習できることがあります。
たとえば、お子さん用の整理ダンスを利用して、たたんだ洗濯物を入れさせましょう。
「ハンカチは、一番上の左から二番目に、シャツは、上から三番目の右端にしまってください」
女の子であれば、お母さんの手伝いをしながら整理の仕方を学ぶこともできます。
 
まだあります。毎日、幼稚園や保育園へ行くときに握手をしましょう。
 「右手で握手!」といって、さっと右手を出してみましょう。
お子さんも右手でなくては握手できません。
間違えたときに、こっちが右手であると学習できます。
今日は右手なら、明日は左手と続ければ、いつのまにか習慣になります。
 「サユウベンベツ(左右弁別)?」
大人でも首を傾げるような言葉を使っていると、混乱するだけでしょう。
 
幼児の学習は、生活の中で、楽しみながら身につけていくことが大切です。
 
   
(次回は「常識の問題」についてお話しましょう)
 
 
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2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する -合否を判定する必須十項目-★★[4] 数量に関する問題(2) 

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         「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第31号>
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[相談会・フェア情報]
  □中央線沿線 私立小学校合同相談会
     日時 2月25日(日) 明星小学校
  □城北・埼玉・茨城地区 私立小学校合同相談会
     日時 2月18日(日) 聖学院小学校
  □千葉県私立小学校フェア
     日時 2月25日(日) 昭和学院伊藤記念ホール
 
  参加校、イベントの内容、アクセスの方法など、詳しくはホームページをご覧ください。
 
       
上記の相談会はじめ、各小学校のイベントも以前のように開催されるようになりました。学校を知るための機会があるというのはありがたいものですね。志望校はもちろんのこと、いろいろな学校の情報をこまめに情報収集し、学校研究をすすめることが大切になってきます。
登下校の時刻に合わせ、学校の近くに行ってみるのも良いですね。
 
ところで、2月14日はバレンタインデー。3世紀頃のローマでは、戦士の戦意に影響があると考えられ若者の結婚を禁止。それを哀れと思ったバレンタインは、密かに結婚をさせていたのが発覚し、処刑された日が2月14日。その殉教の日がバレンタインデー。チョコレートを送る習慣の発祥地はイギリス。
日本では、1936年に神戸のモロゾフ洋菓子店が、1958年に新宿の伊勢丹が「バレンタイン・セールス」のキャンペーンを行ったが、結果は今一。広まったのは1970年頃からだそうです。(「言語由来辞典」より要約)
 
近年、贈る相手も様々で、自分に贈る割合が多いとか。多様化ですね。
 
 
 
★★入試問題を分析する★★
 
 [4] 数量に関する問題(2)  
 
[掛け算]
次は掛け算です。
「5人の子どもにリンゴを2つずつあげるには、いくつあればいいですか」
 
スケッチブックに○を5個書き、その下に○を2個ずつ書きます。
 
 子どもの数    ○   ○   ○   ○   ○ 
 与えるリンゴの数 ○○  ○○  ○○  ○○  ○○  合計10個
 
幼児は、[2×5=10]で解くのではなく、○を2個ずつ書き終えたところで○を数えて、リンゴ10個と答えがでます。
3個の場合は○を3個ずつ、4個の場合は4個ずつ書くわけです。
これが幼児の掛け算の解き方です。
 
[割り算]
次に2枚の皿を用意します。                    
「それじゃ、お母さんと同じ数に分けるには、どうしたら、いいの?」
18個のクッキーを、お母さんの皿、自分の皿と、1つずつ分ければ答えがでます。
「お母さん、9個ずつです」
「ピン、ポン! すごい! それじゃ、お父さんと3人で分けたら、いくつずつになりますか」        
もう1枚皿が必要になりますが、分け方は同じで、3枚の皿に1個ずつ分けます。
「お母さん、6個ずつですね」
こうなります。
これをスケッチブックに書いて解いてみましょう。
 
<2人で分けるとき> 
 クッキーの数 ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ ○○ 
         ○   ○   ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○ 
                              1人9個
 
分ける時に 2人では2個、3人では3個、4人では4個ずつ減っていくことに気づかせます。
すると、2人で分ける時は2個ずつ、3人で分ける時は3個ずつ、4人で分ける時は4個ずつ指で押さえ、1人分だけ○を書いていけば、答えの出ることがわかります。
 
「12個あるクッキーを3人で分けると、1人いくつずつになりますか」
といった問題のときに、3個ずつ指で押さえながら、1人分だけ〇を書いていけば答えが出ます。
 
○○○ ○○○ ○○○ ○○○
○   ○   ○   ○   ←1人分
 
〇を4つ書いたところでクッキーはなくなるので、答えは4個であることがわかります。
幼児の割り算は、[12÷3=4] と答えが出るのではありません。
書いた○を数え、そこで「4個」と答えがわかるのです。
これが幼児の割り算の解き方です。
 
このように数の問題は、数字や記号を使い、加減乗除の四則算で解くわけではありません。
直感で数の多少を見極め、次に一つ一つを対応させ正確な違いを理解し、そして掛け算、割り算の基本的な解き方を学ぶ、これが幼児の数の学習です。
       
さらに、10は1と9、2と8、1と2と7といった数の合成、分解がありますが、難易度の高い問題になると、20までの合成分解が理解できていないと解けないものもあります。
10は1と9、2と8と、単に記憶させようとするより、おはじきなどを10個用意し、実際に分けさせてみると、その仕組みがわかるものです。
家庭学習でもぜひ実践してみてください。
 
また、おはじきなどの具体物を使うと、難しいことも簡単に理解できます。
かつて、ある学校で「12個のミカンを何人で分けることができますか」といった問題がありました。
子ども達に挑戦させると、「2人、3人、4人、6人」と答え、12人で分けられると答える子はほとんどいませんでしたが、おはじきを12個と皿を12枚用意しておくと、1個ずつ分けることも理解できたものです。
 
この問題は、12の約数を見つけるのと同じですから、園児が、とんでもない難しいことを、平然とやっているのには驚かされますね。もっとも子ども達は、約数の何だかを理解しているわけではなく、出題の意図もそこにあるわけではありません。
 
また、数字は抽象的なものです。
「5」という数字だけでは、幼児には何のことだかわかりません。「リンゴが5」となって、初めて、「5」という意味がわかるのです。その心は、リンゴが5個、頭に描かれるからです。前にもお話しましたが、抽象化した○をリンゴに置き換えると、物と数が一致し、具体的になるわけです。 
 
小学校の算数は、リンゴなどの具体物や、抽象概念への橋渡しとなる○やタイルなどを数字で表すことから始まり、数字を使った計算は、「合わせて」「多少」「全部で」「分ける」といった言葉の代わりに[+-×÷]の記号を使い加減乗除を習うわけです。
ですから、幼児には、数字や記号を使った計算は必要ありません。
 
大切なのは、数の概念、意味であり、計算の仕組みがわかることです。
数と接する機会は、日常生活の中にたくさんありますから上手に使いましょう。
少し注意をすれば、教材は周りにいくらでもあります。 
 
最後に、幼児特有の考え方を紹介しておきましょう。
 
幼児にメロン5個とイチゴ5個を比べさせると、メロンの方が多いと答えたり、ばらばらに置かれたリンゴ5個と一ヶ所にまとめて置いたリンゴ5個では、ばらばらに置かれたリンゴの方が多いと答えることがあります。
前者はメロンの大きさにこだわり、後者は広がって置かれたことに目を奪われたからですが、「ものは同じ数であれば、大きさが違っていても、一ヶ所にまとめて置かれていても、どのような位置や方向にばらばらに置かれていても、数は変わらない」ことを教えてあげましょう。
これを「数の保存」といいますが、言葉はご両親が知っていればよいことで、お子さんに教える必要はありません。
 
  (次回は、「数量に関する問題(3)」についてお話しましょう)
 
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2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する -合否を判定する必須十項目-★★[4] 数量に関する問題(1) 

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2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
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 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
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千葉県私立小学校フェアが2月25日(日)に開催されます。また、キリスト教学校合同フェアが3月20日(祝水)に開催されます。その他、各地区ごとで私立小学校合同相談会が開催されます。
こういった学校の情報を得られる機会は逃さず利用していくようにしましょう。
 
 
★★入試問題を分析する★★
 
 [4] 数量に関する問題(1)  
 
数量の問題というと、「計算ですね!」と勘違いするお母さん方が、かなりいるようです。確かに計算は算数の一部の領域ですが、それが全てではありません。学校側が求めている数量は、数や量の概念、図形や空間の分野まで広範囲にわたっています。
 
「算数は計算」と考えると、文章題の苦手な子になりがちのようです。計算は基本ですから、きちんと勉強しなければいけませんが、算数の学習の目標は、四則算を応用し文章題を解く力を身につけることです。文章題は「文を読み取る力、読解力」が求められていますから、国語力を充実させることで算数の力もついてくるといってもよいのではないでしょうか。
 
ひとつ例をあげましょう。
 
「年長さんでも、つるかめ算が解けます」というと、「ご冗談を!」と思われるかもしれませんが、数感のところで紹介しました香川大学名誉教授だった故小林茂広先生から教わったもので、加減乗除ができなくても○と爪楊枝だけで解けるのです。
  
  つるとかめが合わせて5匹いて、足の数は16本です。つるとかめは、何羽、何匹ずついるでしょうか。
     
    スケッチブックに○を5個描き、爪楊枝を用意しましょう。
    幼児とのやり取りは、以下のように進めていきます。
    (  )内は式で解く場合です。
  
   「つるは、何本足かな」
   「2本です」
   「では、○の下に2本ずつ爪楊枝を置いてごらん」 (5×2=10)
   「先生、6本あまっちゃったよ」 (16-10=6)
   「あまった爪楊枝を上に2本ずつ置いてごらん」 (4-2=2)
   「先生、なくなっちゃったよ」 (6÷2=3)
   「足が4本あるのは」
   「かめさんだよ」   
   「何匹いるかな」(上下に2本ずつ爪楊枝が置かれているのはかめ)
   「3匹だよ」
   「頭としっぽをかいてごらん」
   「先生、残っているのは足が2本だからつるですか」 (5-3=2)
   「ピンポン! 正解です」
    幼児とのやり取りを図にすると、こうなります。
 
        || || ||
        ○ ○ ○ ○ ○
        || || || || ||
 
このように幼児の数量の問題は、数字を用いた加減乗除で解けませんから、計算力よりも読み取る力、読解力が大切なポイントになるわけです。
 
 
 
[数の問題]
 
「数の領域」から説明しましょう。
出題される内容は、
  「全部でいくつあるか」(数える)
  「どっちが多いか、少ないか」(多少)
  「合わせるといくつ」(和)
  「いくつ違うか」(差)
  「いくつ必要か」(対応)
  「分けるといくつずつになるか」(分割)
 
和・差・対応・分割などの言葉だけをみると、「加減乗除ですね!」となりそうですが、それも無理のないことかもしれません。入試問題を用いて、その解き方を紹介しましょう。    
 
  「5個のリンゴと3個のミカンを合わせると、いくつになりますか」 
     5+3=8ですから、これは足し算ですね。
  「5個のリンゴと3個のミカンでは、どちらがいくつ多いですか」
     5-3=2となりますから、引き算ですよ。
    「5人の子どもにリンゴを1つずつあげるには、いくつのリンゴが必要ですか」
     1×5=5ですから、これは掛け算ではありませんか?
  「6個のリンゴを3人で分けると、1人いくつずつになりますか」
     6÷3=2、これは割り算、割り算ではないですか!
 
問題だけ読めば、こうなりがちではないでしょうか。しかし、このように考えて指導するのは、幼児には適切ではありません。これでは加減乗除の計算を教えることになりますから、理解できないでしょう。
 
年長さんで、九九をそらんじている子もいますが、[2×3]と[3×2]の違いを説明できなければ、単に記憶しているだけですから、掛け算を理解しているとはいえません。[2×3]は、たとえば、りんごが2個入っている皿が3枚あることで、[3×2]は、りんごが3個入った皿が2枚あることで、答えは同じでも皿に入っているリンゴの数は違いますから、掛け算の仕組みを理
解しているとはいえないわけです。ですから、加減乗除の意味をきちんと学習することが大切なのです。以前、「養ってほしい数感覚」でお話しましたが、復習しておきましょう。
 
スケッチブックと鉛筆を使いますから用意してください。
 
 [多少(引き算と足し算)]
ここに10個と8個のクッキーがあるとします。
「多い方、食べても、いいよ」
というと、子どもは「1つ、2つ、3つ……」と数えずに、アッという間に多い方を取るのではないでしょうか。より多くのものを食べたいと思うのは本能ですから、直感で見分けるわけです。このように直感で多少を見分けることが、数の概念を理解する出発点です。
 
しかし、現代っ子は食べ物の取りっこなどしないでしょう。一人っ子では争いようがありません。おやつの時にもお母さんがきちんと分けていませんか。これはやめてお子さんに取らせましょう。
数に関しては、数える作業や数の違いを見つける経験をたくさんさせることです。そこで磨かれるのが直感力です。
 
「クッキー、8個、食べてもいいですよ」
8個、自分で数えなければなりませんから、数えることを覚えます。
「お母さんは、これだけ取りましたよ」
わざと多めに、10個ぐらい取ってみましょう。
「お母さん、ずるい。ぼくより多いよ!」
直感力は、順調に育っています。
 
「お母さんとあなたとでは、いくつ違いますか?」
[10-8=2]と数字を使った計算は、子どもには無理ですし、その必要もありません。「数感を磨こう」でやりましたが、忘れていた場合は、「違いを見つける方法、やったことがありますよ」 
一言つぶやき、考えさせることです。思い出せない場合は、以下のようにやってみましょう。
 
下のように二列に並べられると、数の違いを見つけることができます。これをスケッチブックに描き、線を引いて比べてみましょう。
 
   ○○○○○○○○○○(お母さんのクッキー)
   ||||||||
   ●●●●●●●●  (お子さんのクッキー)
         
「お母さんの方が、2個多いよ」
「ごめんね、取りすぎたわ。お母さんとあなたのクッキーを比べると、あなたは、いくつ少ないの?」
「2個でしょう」
とわかるはずです。
 
1つ1つ対応させて数の違い、多少を見つける「1対1対応」で、これが幼児の引き算の方法です。
 
注目したいのは、このやり取りだけで、「いくつ違う」「いくつ多い」「いくつ少ない」という3つの表現を学ぶことができるということです。
 
また、「全部で、いくつありますか」といって数えさせると、合計が出ます。
お母さんのクッキー10個を覚え、自分のクッキーを11個、12個、…18個と数えます。多い方の数を覚え、少ない方の数を数える、これが幼児の足し算の方法です。このように物を数えるときは、必ず数詞をつけるようにしましょう。
 
数詞は、言語のところでは触れませんでしたが、数えながら学習すると、無理なく覚えられますから、ここで取り上げてみました。
鉛筆を数えてみましょう。本は本ですが、「いっぽん、にほん、さんぼん」と全部、違いますし、人は「ひとり、ふたり、さんにん、よにん、ごにん」と「ひ・ふ・よ」は訓読みで、「さん・ご」は音読みと、実に複雑な読み方になっています。皿、手袋、鯨、はし、服、テレビ、とにかく日本語は難しいですから、数詞をつけて数え慣れるようにしましょう。
 
数詞には、1個、2個と数量を表す基数詞と、1番、2番と順序を表す序数詞(順序数詞)がありますが、お父さん、お母さんが知っていればいいことで、お子さんに教えることはありません。
 
(次回は、「数量に関する問題(2)」についてお話しましょう)
 
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