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めぇでるコラム : 2025小学校受験: 2024年10月

2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>◆◆試験当日の留意点◆◆

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         「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
      年長児のお子様をお持ちの方々へ
 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第67号>
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 ◆◆試験当日の留意点◆◆
 
 
季節の変わり目、朝晩、気温の変化の激しい初秋ですが、体調を崩しやすいですから、お子さんの健康管理には、十分注意してください。
 
今回は、試験当日の留意点とご両親の心構えについてお話しましょう。
 
(1)募集要項を読み直し、持参するものの一覧表を作っておき、慎重にチェックをしましょう。
   受験票、面接票、当日のスケジュール表(出願後に学校側から送られてきた資料)、募集要項、上履き(学校によってはご両親用も)、運動靴(雨天の場合は雨具の他に、お子さんの着替えやソックスなど)、携帯電話(万一の交通事故に備え)、スイカ、パスモなど。
   親子一緒の控室のところは、お子さんが静かに待てるようなものも用意するといいでしょう。
 
(2)当日は、いつもと変わらない朝を迎えてください。
   学習院のように試験当日に両親面接があると、ご両親が緊張しがちです。
   いつもは「行ってくるよ」と会社へ出かけるお父さんが、一所懸命に駄洒落を飛ばすのですが、全くうけなくて、かえって、「パパ、どうしたの?」と怪しまれてしまったと、笑いながら話してくれたお父さんがいました。
   いつもと同じように、平常心を心がけましょう。
 
(3)いかなる場合でも、遅刻は認められません。
   特に、バスを利用する場合は、注意が必要です。
   朝は、渋滞する可能性がありますから、事前によく調べておきましょう。
   説明会でも開始間際にタクシーで、あわてふためきながらやって来るお母さん方を見ました。
   事故による渋滞や電車の遅れなどの場合は、他の交通手段も考えておきたいものです。
   そして、携帯電話で学校に問い合わせ、指示を求めましょう。
   そのためにも電話番号を登録しておくことです。
   ただし、校門の所で必ず、電源を切ることをお忘れなく。
 
(4)所定の手続きを指示に従い、あわてずに行いましょう。
   頭をひねるような難しいことはありませんが、時間ぎりぎりに到着となると、気のあせりからミスをしがちで、そういったときは、いつもと違ったご両親になっているものです。
   そばで見ているお子さんは、どういった心境になるでしょうか。
   控室で一息入れずに試験場へ向かい、すぐにテストです。
   まわりは、知らない子ばかりです。
   お子さんがいつものような状態で、テストを受けられるはずはありません。それまで全力を尽くしてきたとしても、この一瞬で、すべてが台無しになる可能性もあります。
   十分な配慮が必要です。
 
(5)服装は、動きやすく、着馴れたものを。
   新品の革靴をはかせるようなことはやめましょう。
   学校へ着けば履きかえるのですから。
   靴擦れでもしたら、運動テストどころではありません。
   髪の毛の長い女の子は、運動の時に困らないようにしておきましょう。
   リボンが気になりマット運動ができなかった話を聞いたことがあります。
   袖の長いブラウスなどは、制作の時に邪魔になることも考慮しておきましょう。
   女の子は、お気に入りのブラウスなどを着せると、汚れが気になり、集中できません。
 
(6)テストの前に用便をすませておきましょう。
   幼児教室へ通っている方は、教室へ入る前に、必ず、やっていると思います。
   校舎見学の機会がない場合は特に、集合時間間際でトイレの場所を慌てて探すことのないよう、時間に余裕を持って行くようにしましょう。
   テスト中にトイレとなると、それまでです。
 
(7)いつものように教室へ送り出しましょう。
   控室で、「話をきちんと聞くのですよ」などと、くどくど注意するお母さん方がいるようです。
   そういうことが、みんなプレッシャーになってしまいます。
   また、大勢の子どもを見て、驚き、緊張している様子が見えたときは、お子さんが、もっとも安心する態度で接してあげましょう。
   よく聞く話ですが、しゃがんで、お子さんの目を見ながら手を握ってあげ、
   「いつもと同じなのよ」
   というのが効果的なようです。
   お子さんの性格によっても違いますが、こういったことも起こりえると考えておきましょう。
 
(8)万一の急病に備え、常備薬を持参しましょう。
   幼稚園の遊戯会、ピアノなどの発表会の前の晩に、熱を出した経験のあるお子さんは注意が必要です。
   直前に、感染症にかかった場合は、必ず学校側に連絡し、指示に従ってください。
  
(9)テストの時間によっては、昼食の用意をしておきましょう。
   近所のレストランなどをあてにしていると、「日曜日で休み」となりかねません。
   一口で食べられるサンドイッチやおにぎり、飲み物も自動販売機などで購入せず、小さい水筒などを用意しておきたいものです。
 
(10)幼稚園や保育園、幼児教室などの友達と会うことも考えられます。
   緊張しているときに友達と会うと、ほっとして舞い上がるお子さんがいます。
   あいさつ程度にし、お子さん同士がふざけ合うことのないようにしましょう。
 
(11)行動観察や運動テストなどで、子ども同士のトラブルが起こる場合もあります。
   先生から事情を聞かれたときは、はっきりと答えることです。
   男の子は、これが苦手なようです。
   密を避け、この種のテストをしない学校もありますが、行われる場合は、その指示にきちんと従うように教えておきましょう。
 
(12)お子さんがテスト中の控室では、たとえ友達や顔見知りの人がいても、お互いに遠慮して話し込まずに、本を持参し静かに読むようにしましょう。「携帯電話の電源は切るか、マナーモードにしてください」とある場合は、スマートフォンも使用禁止です。
 
 
入試が始まっているご家庭もいると思います。
風邪など引かないように注意しましょう。
お子さん、お母さんはもちろんのこと、お父さん、外出先から帰ったときは、必ず、手洗いとうがいを励行してください。
そして、お母さん。お子さんにとっては、お母さんの明るい笑顔が頼りです。
精神的なコンディションを崩さないことも、ご両親の大切な役目です。
ここが正念場と考え、頑張ってください。
 
 
ご両親の心構え
 
★アフターケアも慎重に★ 
 
昨年の7月から始まった「さわやかお受験のススメ 小学校受験編」も、最終回を迎えました。
 
長い間、読んでいただいた方に、お願いをしておきたいことがあります。
 
言うまでもなく小学校の受験は、お兄さんやお姉さんが在学している場合はともかく、ご両親が我が子のためによかれと考えてはじめたことです。
もとより、子どもたちが、
「ぼくは、幼稚舎へ行きたい」
「私は、雙葉へ……」
と、希望されたわけではありません。
にもかかわらず、子どもたちは、一所懸命に頑張りました。
年中の頃から、受験勉強をはじめ、そして今、直前の講習会を終え、試験を迎えようとしています。
 
考えてみると、これはたいへんなことです。
 
基礎指導から実践指導、集団指導や個別指導、冬、春、夏の講習会、毎月行われた模擬テスト、絵画教室などなど、同年代の子ども達が、ほとんど経験しないことをやってきたことになります。
それに加えて家庭学習があります。
これが、子どもたちには、もっとも厳しかったのではないでしょうか。
とかく、お母さん方は、合格の二文字のために熱くなりがちです。
「なぜ、ぼくだけ、勉強しなくてはいけないのかな?」
と子どもたちに疑問を持たせてしまったことも、あったのではと思います。
でも、お父さんやお母さんの気持ちに応え、頑張りました。
 
子どもたちは、本当にえらいと褒めてあげたい。
         
ですから、全員に、希望された学校から招待状が送られて来て欲しいと思わざるを得ません。
それほど子どもたちは頑張り続けたのですから。
しかし、残念ながら、すべての子どもたちに、招待状が送られてくるわけではありません。
「試験前なのに縁起でもない!」とお腹立ちの方も、心を静めてお読みください。
 
都心の幼稚園によっては、全員が受験というところもありますが、そういった環境であれば、幼稚園側の配慮もあるでしょうし、ご両親もお子さんも、それなりの指導をきちんと受けられていると思います。
しかし、普通の幼稚園や保育園からの受験の場合は、そうはいかないのではないでしょうか。
わが子、一人だけが受験といったことも考えられます。
         
一昔前は、受験を意識させないで済ませるように、また、合格しなかったことを、子どもたちにわからないように配慮したものです。
しかし、現状ではなかなか難しいのではないでしょうか。
 
数校受験する子どもたちもたくさんいますから、わかっているはずです。
合格すれば何ら問題はありませんが、結果が出なかった場合は、傷つく恐れもあるでしょう。
 
このことです……。
 
今は、学校内で合格を発表せずに郵送やWebで知らせるところが増えてきましたが、以前は、ほとんどの学校が校内に掲示していたものです。
私は、できる限り発表を見に行きました。
合格された方は、掲示板の前からいつまでも去ろうとしません。
不合格の方は、悄然と去っていきます。
気障で申し訳ありませんが、「倍率十倍の難関校」の文字からは浮かばない、厳しい現実を実感させられたものでした。
 
そんなときに、ある学校で、とんでもない親子を見てしまったのです。
お母さんが早足で出口に向かい、お子さんが、
「ママ、ごめんね!」
と、泣きながら追いかけていくのです。
若いお母さんは、一言も口をきかず、むっとした顔をして出ていってしまいました。
こんな残酷な仕打ちは、いくら親でも許せません。
一番傷ついているのはお子さん自身であることに気づかない親であれば、受験などする資格はないと思いました。
最近は、Webや郵送で知らせるようになりましたから、こういった心配はないと思いたいですね。
 
ところで、不合格のときはお子さんに、どのように説明するか決めているでしょうか。
 
残念ながら合格しなかったご両親からは、
「公立の小学校から通知は来ますから、子どもには、私学の合否については知らせないことにしています」
と、答える方が多いものです。
 
みなさん、お子さんにあった方法で対処なさることと思いますが、注意してほしいのは、ちょっとした言葉なのです。
 
「○○ちゃんは入ったのに、何で、あなたは駄目なんでしょう」
お母さんは、わが子をかわいそうに思い、つぶやいたこの一言で、お子さんは、深く傷つき、劣等感を持ちがちなのです。
不用意な言葉が、お子さんに与える影響を考えてあげましょう。
とにかく、お子さんは、頑張ったのですから。
 
頑張ったことは、必ず、将来、芽を吹きます。
 
正しい指導を受けてさえいれば、子どもたちは、同年代の子が体験しなかったことを、たくさん学習しています。
 
国語の領域でいえば、「話の記憶」は、小学校の中学年から高学年にかけて学習する長文読解の問題を、文字を使わず、耳から聞き取るだけで挑戦してきました。
 
算数の領域では、「数」の問題で、1年生で習う足し算、引き算、2年生で習う掛け算、3年生で習う割り算、4年生で習う分数まで、数字や+-×÷などの記号を使わずに学習してきました。
 
さらに、話を聞く姿勢、指示を理解し迅速に対応する行動力、自分で頑張る意欲などを身につけたはずです。
 
ご両親も、心を一つにして、お子さんをバックアップしてきました。
学校を選んだ段階で育児をふりかえり、やはり間違っていなかったと確認したこと、反省しなければいけなかったことを話し合われたのではないでしょうか。
受験をしなければ、こういった経験をすることはなかったはずです。
驚かすようで申し訳ありませんが、これから先、ご両親が、これ程までに心を一つにして、何かに取り組むということは、あまりないのではと思います。
 
まさに、育児のゴールデンアワーでもあったわけです。
 
文言は正確ではありませんが、慶應義塾幼稚舎の舎長を辞任され教諭に戻られた加藤三明先生は、説明会でこうおっしゃっていました。
 
 「受験に合格しなかった方は、もしかすると親子ともども、敗北感を味わうことになるかもしれません。しかし、これはあくまでも幼稚舎の受験に限ったことで、人生の敗北ではありません。まして、子どもがそういうことを思い続けていたら、本当に恐ろしいことです。われわれが5歳の子に、本来は行うべきではない入学試験という罪なものを施していて言うのもなんですが、小学校受験をぜひ、最終目的だと思わないでいただきたい。まだまだ、ほんの人生の始まりです。小学校の受験で、お子様をスポイルしないでほしいというのが、私の願いです」    
                     
年長の秋は、お子さんの人生の終着点ではなく、通過点と考えましょう。
例え不本意な結果だったとしても、そのことをお子さんが背負っていくことのないようにしてあげてください。
 
小学校の受験は、ご両親がお考えになり始めたことですから、終わりもきちんと対処していただきたいと思います。
 
この連載を通して、わかっていただきたかったのは、「過保護や過干渉な育児から、子どもたちを解放する」ことでした。
 
過保護な育児では、わがままな子になりがちで、相手を思いやる気持ちは育まれません。
 
過干渉な育児では、消極的で依頼心の強い子になりがちで、積極的に物事に取り組む意欲は育ちません。
 
これから、小学校での集団生活を通して、共に生きる「共生」を学んでいくことが大切です。
それには、相手を思いやる気持ちが育まれていなければ、スムーズに対応できません。
また、学校生活を楽しくすごし、学習面で好奇心という触角を張りめぐらせ、いろいろなことを学んでいくには、積極的に取り組む意欲が育まれていることが大切です。
 
家庭学習で、お父さん、お母さんには、この2つのことを教えてきたと思います。
 
できない問題があっても、明日できればいいと励ましませんでしたか。
できるようになったとき、一緒に喜び、褒めてあげたでしょう。
 
子どもたちは、お父さんやお母さんのやさしい気持ちに応え、ステップアップしてきたのではないでしょうか。
「頑張れ」と励ます言葉とやさしい気持ちから、子ども達の心に「思いやりの気持ち」と「できるまで頑張る意欲」が育ってきたのです。
 
この2つが育っていれば、たとえ不本意な結果だったとしても、子どもたちは大きく成長しているはずです。
 
同年代の子どもで、こういったことを経験できるのは、私学の小学校が最も多い東京都でさえ、就学児童およそ10万人前後の内、応募者を公表していない学校もあり推定に過ぎませんが、応募者は約1万5、6千名程、何校かチャレンジすることも考えると実際はもっと少ない人数ですから、受験準備をするのも限られた子どもたちなのです。
しかし、正しい指導を受けられた子ども達は、十分にエキスを与えられた根と同じように、必ず、芽を出し、ご両親が期待する花を咲かせます。
子どもたちを信じて、試験場に送り出してあげてください。
運悪く、結果が出なくても、あたたかく見守ってあげる保護者であって欲しいと思います。
 
「あしたは、今日より、きのうより」は、今は亡き、いずみたく氏の作曲された某財団法人の社歌の題名で、断りもなく私の座右の銘にさせていただいています。
また、「育児しながら育自するお母さん」であれば、親子の絆は、生涯、ほころびることはありません。
 
この二つこそ、子育ての鉄則ではないでしょうか。
 
皆さま方に、希望された小学校から、招待状が届くことを、心からお祈り申し上げます。
ベストを尽くせるように頑張ってください。
ご健闘を祈ります。
 
最後までお読みいただきまして有難うございました。
 
 
   令和6年10月吉日
                めぇでる教育研究所 職員一同
 
 
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2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試直前の心構え ★★

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         「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
      年長児のお子様をお持ちの方々へ
 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第66号>
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  ★★入試直前の心構え ★★
 
 
既に模擬面接も終え、面接の心構えもできていると思いますが、合否のカギを握るといわれている「志望理由」について、念入りにチェックし、自然に話せるように練習をしてください。プレッシャーをかけるようで申し訳ありませんが、小学校受験合否のポイントは、「保護者(主にお父さん)の志望理由5割、子どもの成長度5割」とも言われていることを思い出し、頑張りましょう。お子さんのためです。
 
 
 ◆ベストコンディションを作る 
 
入試直前、何とかベストコンディションで試験を受けさせてあげたいと、お母さん方は計画を立てることでしょう。例えば、外から帰ってきたときは、手を洗い、うがいをさせることから、栄養のバランスを考えた食事、早寝、早起きをさせ、睡眠時間を十分にとるなど、配慮しなければならないことがたくさんあります。
 
その1つに、時間の管理があります。
朝、8時半から試験が始まる場合、起きてから学校までかかる時間を逆算し、その時間帯に合わせ、生活のリズムを作り直す必要があります。人間の脳は、目を覚ますと、すぐにフル回転するものではなく、スイッチを入れれば、パッと光る電球のようにはいかず、柔軟なお子さんの頭でも、2、3時間かかるともいわれているようです。こういった試験時間に対処できるコンディション作りも親の大切な役目となります。
 
 
 
 ◆家庭学習について 
 
家庭学習をどのように進め、ベストの状態を保っていくかも難しい問題となります。直前のことですから、もう苦手な問題は克服されていると思いますが、「あなたはできる。これだけ頑張ったのだから大丈夫ですよ!」とあたたかい言葉で励ましてください。
 
そして、ここが大切なのですが、得意な問題の場合、お子さんも自信がありますから、保護者が読んでいる設問を、よく聞いていないこともありがちです。
 
「お母さん(お父さん)が読み終わるまでしっかりと聞き、始めといわれたら始め、終わりといわれたら、きちんとやめること」、この約束を徹底することです。点図形、模写、同図形(異図形)発見、系列完成、図形、しりとり等、設問を聞かなくてもできる問題があります。しかし、最後まで聞かないと指示される記号(○、×、//など)がわかりません。皆が出来るやさしい問題であれば、このミスを挽回することは不可能でしょう。そのためには、設問を読んでいる間は筆記用具を持たせず「手はお膝」、「そこまで」と時間がきたら筆記用具は机の上に置き「手はお膝」、を徹底させましょう。
 
さらに、次のページに移る指示があっても、その問題にこだわっていると、明らかにチェックの入る学校もあると聞きます。
また、制作や、ごっこ遊び、運動テストなども、話を聞いていなければ、うまくできません。最後まで聞かずに勝手にやり始めると、当然、「指示の理解」や「約束事を守れるか」などにチェックが入ります。
「先生のいうことを聞いてから始める、そしてやめる」、これを徹底させましょう。
 
「何回、教えたらわかるの!」             
「これができなければダメなの!」           
「そんなことができなければ、小学生になれません!」  
 
メールマガジンをお読みになっていらっしゃる皆さん方は、こういった言葉を使っていないと信じていますが、励ましているつもりが、逆の効果になってしまうものです。
 
試験場でできない問題があると、トイレにいってしまう子どもがいるそうです。
なぜでしょうか。
「先生、トイレ!」                               
と言われれば、先生はトイレに連れて行くしかないでしょう。
「その時間にいなかったから、問題をやれなかった」
と言い訳を作っているとしたら、これは恐ろしいことではありませんか。5、6歳の子どもが言い訳を考える、こんな気持ちに追い込んではかわいそうです。
 
お母さんが怖いのです。最近は、怖いお父さんもいるようですね。
中には、「できない!」といって泣きだす子ども達もいると聞きます。                
保護者の合格をさせたいという気持ちは、痛いほどわかりますが、言葉がけには十分に注意しましょう。不用意な言葉は、自信を失わせます。情緒が不安定になるような言葉は、絶対に使わないでください。
 
また、テスト会場で、隣の子の答案をのぞくお子さんがいるそうです。これは、いわゆるカンニングではありません。正解であるにもかかわらず、隣の子の答えを見て訂正してしまうのです。
なぜでしょうか……。やはり、自信がないのです。                                
 
隣の答案をのぞく子にしないためにも、
「あなたが思ったとおりでいいのですよ」
と、自分の考えたことに自信を持たせましょう。
「お母さんは、一所懸命に考えて頑張る子、大好きなの。それでもわからなければ、仕方がないことなのよ」
と、笑って励ましてください。
ただし、「一所懸命、考えてもわからない場合」と、約束しましょう。
 
よくできるお子さんでも、できない問題にぶつかるとパニックになってしまうケースがあるようです。
できる子だけに、厄介なのです。「できない」ことにこだわり、次の問題に取り組めないのです。こういったことも十分に考えられますから、「あなたが考えてもできないような問題なら、他の子もできませんよ。大丈夫、自信を持って、次の問題に挑戦しましょう」といった言葉がけも必要ではないでしょうか。
 
 
 
 ◆試験についての説明 
 
次に、試験について、どう説明するかです。
以前は、子ども達に試験といったイメージを与えないようにしたものですが、これだけ情報が広がり、いろいろと体験をしていると、そうはいかないでしょう。受験する学校での公開模擬テストやホームグラウンド以外の教室や、他の幼児教室、塾などで試験を受けることから、お子さん自身も心づもりはできているかと思いますが、やはり、プレッシャーはかかります。心身共に強い子どもは、そうはいません。「頑張れ!」といわれれば、本当に頑張る子もいれば、その一言で駄目になってしまう子もいます。
ピアノなどのお稽古ごとの発表会や幼稚園のお遊戯会などの前夜になると、突然、腹痛や発熱する神経過敏なお子さんには、「今日は、いつもの教室と違って、ここの学校でやるのですよ」といった説明がいいのではないでしょうか。
控室でゼッケンをつけ試験場に入り、テストの内容も、ほとんどの場合、教室で受けているのと同じだからです。「パパ(ママ)の言うとおりだ!」と安心し、そして頑張るのが子ども達です。お子さんの性格をよく知っているのはご両親ですから、こういったことにも注意し、当日の朝を迎えてあげましょう。
 
 
 
 ◆怪情報、うわさについて 
 
一時ほどではなくなりましたが、厄介なことが一つあります。それは、怪情報、うわさです。
以前、昭和60年代に開かれた四谷の雙葉小学校の説明会の様子を紹介しましたが、うわさとは、多くの場合、根も葉もない、単なるうわさに過ぎません。
当事者であるお母さん方は、とかくわらをもつかみたくなる心境になりやすいでしょうが、そこにつけ込むのがうわさです。後で思い出すと「ナンダ!」となるものばかりのはずです。
「受験する前に、もう合格者は決まっている!」
「紹介者がなければ駄目!」
といったことが本当なら、受験料を取る学校は、まさに詐欺行為ではありませんか。司直が許すわけがないのです。税務署も同様です。
 
「紹介者がなければ駄目!」
といったことが本当であれば、暁星小学校の説明会でも、「紹介状や推薦状は必要ありません。本人の実力を第一とする」とおっしゃったことが、うそになります。マリア様が、うそをお見逃しになるわけがありません。
 
また、青山学院初等部のホームページのQ&Aのコーナーには、
Q「紹介状や推薦状の必要はありますか」
A「必要ありませんし、用意されても受け取りません」
とあります。
 
さらに、幼稚舎のホーページのQ&Aコーナーには、
A「入学試験に関して、舎長および教職員との面会は一切できません」
と掲示されていますが、ほとんどの学校で、校長先生はもちろんのこと、教職員の方々が、受験に関する面談に応じることはありませんし、お断りしているはずです。
 
気になるうわさに心を痛めるようでしたら、お父さんに聞いてみましょう。おそらく、一笑されるはずですから。お願いしますよ、お父さん!
 
「暑さ寒さも彼岸まで」とは、猛暑を経験しただけに、ありがたいものですが、お彼岸を過ぎても暑い日が続いたりと初秋はとかく気候が不順になりがちです。
健康管理には、十分、注意してあげましょう。
 
昔の曲ですが、大橋節夫作詞、作曲の「幸せはここに」(YouTubeで聴けます)があります。
    秋の夜は更けて すだく虫の音に
    疲れた心いやす わが家の窓辺
    静かに ほのぼのと 幸せはここに
お子さんの寝顔を見ながら、すだく虫の音に、耳を傾ける余裕を持ちましょう。
 
         
 (次回は、「当日の留意点とご両親の心構え」についてお話しましょう)
 
 
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2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>合否のカギを握るのは「志望理由」(2)

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         「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
      年長児のお子様をお持ちの方々へ
 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第65号>
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合否のカギを握るのは「志望理由」(2)
 
 
今回は、地元千葉県の4校を取り上げてみました。国府台女子学院小学部は、第52号「志望理由の決め方(2)」で紹介しましたので割愛しました。
 
 
■日出学園小学校 
 
教育理念と目標 
 ここから大きく育つ、生きる力。
 自主性  向上心  想像力  好奇心
 小学校6年間を通じて「なおく・あかるく・むつまじく」の校訓をもとに、人間教育の実践をしています。
 
 「なおく」とは、正しいこと正しくないこと、良いこと悪いことが判断できること。
 「あかるく」とは、笑顔を絶やさず感動を体験しながら、一生懸命取り組むこと。          
 「むつまじく」とは、文字通り仲良くする、共に生きる、共生のこと。
 
健康で潤いのある人間性や想像力を養い、基礎学力の定着を図る、これが本校の目標です。具体的な内容に関しては、学校長のあいさつを参考にしてください。 
         
「日出学園は昭和9年(上皇陛下が誕生した翌年、市川が市となった年)に市川在住の有志によって創設されました。その中心になった青木要吉は若い日にアメリカに留学し民主主義と自由主義を肌で感じ、その体験から生徒の特性を伸長することに重点をおいた私塾的な雰囲気をもつ寺小屋のような少人数、男女共学の教育を目指していたと聞いています。
人間形成の土台づくりは、児童期の体験で決まると思います。小学校では、学校行事の関わりの中から楽しさ、悔しさなどいろいろな想いを体験してもらい、その都度いろいろなことを考えて前に進んでほしいと願っています。そのために、異学年交流・宿泊合宿など集団の中で、友だち・下級生・上級生という立場で物事を考え行動し、そのような体験の中から社会性や共感性などを身につけてほしいと常々思っております」           
 
教科では、国語力の向上に力を注ぎ、現在、約54、000冊の蔵書があり、恵まれた環境の中で、考え、思い、学び、表現するための手立てである「言葉の力」をつけさせ、「生きる力」へとつなげていけるように指導していること。
また、「書は人なり、心を写す力」とも言われているように、正しい「書写力」を身につけることが一番の目標で、低学年のうちから、一点一画、ていねいに書く習慣を身につけるように心がけている学校です。
 
創立者の信念でもあった「昼食はお母さんの手作りのお弁当」は、少し形を変え、ネットで注文し、購買部で購入できるシステムが導入されています。また、学内で学童保育とアフタースクールが開かれ、働くお母さん方への支援、これも歓迎されているようです。
 
共学で、高校までのゆとりのある一貫教育で、大学受験は、本人の実力次第。なお、中学受験に関しては、従来から、受験対策のノウハウは充実しており、ホームページの中学校合格状況に、その実績を見ることができます。小学校は地元で安全に通学、中学から東京の学校へと考えているご両親も多いようです。
 
 
 
■聖徳大学附属小学校
 
以前は、中学から女子校でした。
そのため、男子は中学受験する必要がありました。かなりの進学実績をあげていましたので、その進学体制は充実したものであったのではないでしょうか。
幼児教室対象の説明会でも、外部の優秀な指導者を招いていると聞いたことがあります。
2021年4月より、光英VERITAS(ヴェリタス)中学校・高等学校と校名を変更し共学の進学校となりました。大学は女子だけですから、男子は受験となりますが、「共学でゆとりのある教育環境で学び、自分の進む道を選ぶ」をあげてもいいのではないでしょうか。
これで小学校がある女子だけの別学校は、国府台女子学院だけになりました。
 
最近、日本女子大学附属豊明小学校、聖心女子学院初等科をはじめ、学童保育やアフタースクールが盛んですが、本校の「アフタースクール」の大きな特徴として、車でのお迎えを容認していることでしょう。
 
登下校についても車での送迎ができるようになりましたので、お仕事を持っているお母さん方には強い味方になるのではないでしょうか。また、車でのコミュニケーションが貴重な親子の時間になっている、というお父様の声もあると聞いています。
 
校名の聖徳の由来は、聖徳太子の道徳や礼節などに対する思慮の深さを教育の基礎とし、豊かな人間づくりを実現したい思いから。読み方を変えたのは、聖徳太子に深い尊敬の念からで、「しょうとく」と読むのを控え「せいとく」としたそうです。
 
「思いやりと、礼を尽くす、こまやかな心を学ぶ」を目指す小笠原礼法宗家の指導による礼法教育、明和班、全校生が一緒に食事をする「食堂(じきどう)」など、学園の「礼節」「知育」「勤労」の3つの教育方針について、どのように期待するかをまとめてみましょう。
礼法教育は、1年生から6年生まで、年間指導計画があり、電車の中で化粧をしている女性や、歩きながら物を食べている無作法者に見せたいほど、日本古来の文化が伝承されている学校です。これも欠かせない志望理由になるのではないでしょうか。
 
 
 
■千葉日本大学第一小学校
 
創立時は男子だけの別学でしたが、平成8年4月から共学校になりました。大学までの一貫教育校ですから、受験を考えなければ、16年間のゆとりのある教育環境で、自分の進む道を、ゆとりを持って学べることでしょう。
 
本校の児童は、一定の内部進学規定を満たすことで、学園の2つの中学校へ約70%(受験等で外部の中学への進学が30%)、2つの高校へは90%以上、そして大学へは60%の生徒が進んでいます。
 
本校の校訓「真(まっすぐに) 健(すこやかに) 和(なごやかに)を、わたし流に、心を表す言葉として考えると、真は「飾り気のない、偽りのない心」 健は「すこやかな精神」 和は「おだやかな心」となりますが、いかがでしょか。
 
本校の特色として、「大学との連携」「学習習慣の定着と学力向上」などがあります。
大学との連携では、近年、生産理工学部との連携も始まり、大学までの一貫校の強みを発揮しています。
学習については、6年間の自学が特長的です。1年生から課題を設定するのは、子どもたちにとっても自主性を身につけることができるツールではないでしょうか。また、創立以来、英語教育に力を入れ、卒業時に6年生「全員」が実用英語技能検定5級合格を目指していると、話しています。そして、縦割りグループによる学年を超えたユニークな「さくら活動」でしょう。
こういったことからまとめてみましょう。
 
なお、本校もアフタースクールを始めました。
 
 
 
■昭和学院小学校
 
教育目標に「知・徳・体の全人教育(知識だけにかたよった教育ではなく、性格教育、情操教育なども重視する教育)」を掲げていますが、開校以来、少数の児童に行き届いた教育を行うことを目標に、道徳教育を重視し、児童の基本的生活習慣の形成に力を注いでいます。それが、校是「明敏謙譲」の狙いであり、教育目標に表れています。「学校案内」には、「明敏とは活力を持って未来を開くこと、謙譲とは英知を持って社会に生きること」で、「明朗にして健康で、自主性に富み、謙虚で豊かな人間を育てること」と説明されています。
 
2020年の入試から1学年105名募集となりました。
 
青木伸生校長先生は、説明会のとき、次のようにお話しされました。
「我々が育てたい子ども像は、『どのように時代が変わっても、その中で生き抜く力を持つ子ども』。そのために、教育目標として『高い学力』と『やさしい心』を掲げている。
『やさしい心』を育てるために、日々の教育活動の中で、教師が子どもの小さなやさしさを見逃さず、それを価値づけるという活動を積み重ねていく。それがやがて、子ども同士でやさしさを認められるようになっていくと考えている。
次に『高い学力』。本校で言う「高い学力」というのは、いわゆる受験対策のような知識やテクニックだけではない。それらを包括しているが、『未知の問題に立ち向かうことができる力、試行錯誤しながら何とか解決していこうとすることができる力』を高い学力と位置付けている。」
 
また、鈴木祐子元校長は以前、
「『明敏謙譲』の建学の精神のもとに、心と体と頭を磨き、謙虚さを備えた心身ともに健康な子を育ていく」とおっしゃっていました。
 
「心と体と頭を磨き」、響きのいい言葉ですね。「頭を磨き」が先行すると、頭でっかちな子になりがちです。子どもが望むのではなく、親がそう仕向けることに問題ありですね。
 
建学の精神である「明敏謙譲」については、例によって、育児の姿勢として私ども流に考えるとこうなります。
 
「謙譲」とは、「へりくだること」という意味で、「謙譲の美徳」ともいいますが、最近は、お目にかかれない言葉となりました。むしろ、「謙虚」の方がおなじみかも知れません。「自分が偉いものと思わず、素直に他に学ぶ気持ちがあること」という意味です。すると校是の「明敏」は、「明朗にして健康で、自主性に富む」ですから、「元気で、明るく、自力で挑戦する子」に、「謙譲」は「謙虚で心の豊かな人間を育てる」ですから、「素直な子」と置き換えることができるでしょう。
 
独自の国語教育、伝統の図書館教育に加え、「視写」があります。
文章をそのまま写すことです。おそらく子ども達は、名文を写し、記憶し、漢字を覚え、語彙も増えるといったように、楽しい学習をしているのではないでしょうか。当然、やっていると思いますが、音読を加えれば効果抜群、などとおこがましい限りですが。
 
幼稚園では、年少から英語を正課にしていることについて、受験されるお母さん方から、「英語の勉強について、何らかの準備をしておかなくても、ついていけるでしょうか」と質問を受けることがあります。附属の幼稚園では、年少から正課として英語を保育に取り入れ、年少組は週1回30分程度、年中、年長組は週5日40分程度行っています。3年間でかなり力がついていると考え、入学後、英語を学んでいない子どもにとって、それがハンデになるのではと考えるのも当然ではないでしょうか。
それについて鈴木祐子元校長は、
「本校では、ESL用に開発された『グレープシード』という英語のカリキュラムを使用しています。入学時には個々のバックグランドにより英語力がまちまちな児童たちですが、少人数制の英語授業を通し、ほぼ1年で経験に由来する差はなくなります」
とおっしゃっていますから、心配ないようです。
   注 ESL(English as a Second Language)英語を母語としない人のための英語教育を目的としたプログラム
 
また、本校のアフタースクールには英語の授業が3講座設けられており、これを利用することで、ハンデをなくす対策になっているのではないでしょうか。
本校のアフタースクールは半端ではなく徹底していますから、学校側も自信を持って対応できると考えているようです、私見ですが。
 
共学で、高校までの一貫教育校と期待する教育内容からまとめてみましょう。
日出学園と同様、中学受験のノウハウは充実しており、ホームページで進学状況の実績を見ることができます。これは、現在共学ですが、それ以前は、中高は女子だけの別学であったため、男子は受験を控えていたためです。念の為、お断りしておきますが、面接で「中学受験を目指しています」は、そういう考えを持っていても、言う必要はありません。
 
2回に分けて、「私学の建学の精神、教育方針の理解の仕方」について、「おとうさん、おかあさんの受験対策」(めぇでる教育研究所 刊)からピックアップして紹介しましたが、これは、あくまでも「わたしども流の考え」にすぎません。こういった解釈を情報として公表するのには、少し、心配があります。
それは、幼稚舎が作文をやめ、面接を廃止した理由が、あまりにも「傾向と対策化されている現状から意味がないと判断したから」とおっしゃったことと同じ理由からです。一つの考え方、ヒントとしてお読みいただき、ご自身の言葉でお話しできるようにしていただきたいと、老婆心ながらお願いしておきたいと思います。
 
暑かった夏の疲れが出る頃です。家庭学習は無理をせず、体調を崩さないように、ゆったりと構えて取り組みましょう。無理は禁物です。
 
 
    (次回は「直前の心構えについて」を予定しています)

 
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