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めぇでるコラム : 2025小学校受験: 2024年9月

2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>合否のカギを握るのは「志望理由」(1)

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         「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
      年長児のお子様をお持ちの方々へ
 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第64号>
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合否のカギを握るのは「志望理由」(1)
 
 
志望理由のまとめ方について、模擬面接をしていて少し気にかかることがありましたので、付け加えておきましょう。それは何かと言いますと、志望理由にあまり説得力がないことが多いなと感じます。
 
例えば、雙葉小学校を志望されるご家庭との面接を再現すると、こうなりがちです。
 
「お父さんにお伺いします。本校を志望される理由をお聞かせください」
「はい、校訓である『徳においては純真に、義務においては堅実に』に賛同して受験しました」
「では、お子さんに、普段の生活で、どのように教えていますか」
と尋ねると具体的な説明がありません。
 
小学校の案内書やガイドブックに書かれている建学の精神や校訓を、そのままおっしゃる方が多いのですが、これでは学校側を納得させることは不可能ではないでしょうか。
既に、志望理由も明確になっているはずですが、もう一度、原点に戻り、以下のように、学園全体の教育体制について考えてみましょう。
ただし、ここでいう共学は小学校の場合で、中高は別学の学校も含まれていることをお断りしておきます。
 
また、慶應義塾幼稚舎、桐朋小学校、桐朋学園小学校は、面接はありませんが、志望理由をまとめる参考にしてください。
 
白百合学園小学校、東洋英和女学院小学部、聖心女子学院初等科、立教小学校、立教女学院小学校など。
1.宗教教育 2.別学 3.大学までの一貫教育 4.賛同できる教育方針
1から4について、どういったことを期待しているかを書いてみましょう。
4については、例えば、白百合学園小学校の場合、学園の校訓である三徳、 勤勉・従順・愛徳について、
  従順…すすんでみがこう正しい心
  勤勉…すすんでなんでもいっしょうけんめい
  愛徳…すすんで親切よろこんで
ということですが、これをわたしども流に、従順は「素直」、勤勉は「一所懸命頑張る」、愛徳は「思いやり」と置き換えると、いずれも皆さん方が育児で大切にしていることではないでしょうか。
 
青山学院初等部、淑徳小学校、聖学院小学校、玉川学園小学部など。
1.宗教教育 2.共学 3.大学までの一貫教育 4.賛同できる教育方針
4について、青山学院初等部のスクールモットー「あなた方は世の光、あなた方は地の塩である」は、幼児の場合ですから、「世の光」は自立していること、「地の塩」は協調性や社会性といった集団生活への適応力と考えると、「5つの約束」の意味がよく理解できるのではないでしょうか。
 
   5つの約束
    ・しんせつにします
    ・しょうじきにします
    ・れいぎただしくします
    ・よくかんがえてします
    ・じぶんのことはじぶんでします
 
「『しんせつにしよう』ではなく『しんせつにします』と自ら発信していることだ。ここに初等部教育の原点がある」と説明会でも当時の部長は言っていましたが、ポイントは、自立と自律、そして集団生活への適応力ですが、育児で大切にしていることではないでしょうか。
さらに、ランドセルなし、通信簿もありませんが、こういったことも視野に入れる必要はないでしょうか。
ホームページの「国内短期留学 止揚学園」を見てください。「すべては教場」、初等部はこういった教育をする学校でもあるのです。
 
慶應義塾幼稚舎、学習院初等科、成蹊小学校、早稲田実業学校初等部、千葉日本大学第一小学校、桐蔭学園小学部など。
1.共学 2.大学までの一貫教育 3.賛同できる教育方針
 例 慶應義塾幼稚舎
   独立自尊について   
   一年生が入学した時に「三つの約束」をします。
    ・うそをつかない。
    ・お父さん、お母さん、先生のいいつけを守る。
    ・自分でできることは自分でする。
この三つの約束こそ、独立自尊の精神を身につけるための第一歩です。
皆さん方は、普段からお子さんに、
「うそをついてはいけません」「約束は守りなさい」「自分でできることは自分でしなさい。お母さんを頼っても知りませんよ!」と言ってきかせ、実践しているのではないでしょうか。
お母さんの教えこそ、まさに「独立自尊の精神」そのものではありませんか。
 
日本女子大学附属豊明小学校、川村小学校など。
 1.別学 2.大学までの一貫教育 3.賛同できる教育方針
 例 日本女子大学附属豊明小学校
   三綱領 信念徹底・自発創生・共同奉仕について、 
     ○ 信念徹底(正しいと考えたことはやりとげる)
     ○ 自発創生(自ら考え、工夫し、実行する)
     ○ 共同奉仕(心を合わせて皆のために仕事をする)
 
わたしども流に解釈すれば、
     ○ 信念徹底は、はじめたことは途中でギブアップせずに、最後まで頑張る子
     ○ 自発創生は、夢中になって遊び、楽しく遊ぶ工夫のできる子
     ○ 共同奉仕、友達と仲良く遊べる情緒の安定している子
となりますが、こういったことを大切にしていれば、三綱領を育児に取り入れていると言えるのではないでしょうか。難しく考える必要はないと思います。
 
雙葉小学校 田園調布雙葉小学校 横浜雙葉小学校 光塩女子学院初等科 暁星小学校など。
1.宗教教育 2.別学 3.高校までの一貫教育 4.賛同できる教育方針
 
雙葉小学校については、しばしば紹介してきましたので、ここでは暁星小学校を取り上げますが、雙葉小学校に対して一点付け加えておきましょう。それは「バラはバラらしく、スミレはスミレらしく、その人らしく生きる。自分で自由に学び、決定することができ、責任のとれる人に育てていく」という言葉です。前校長の河野先生が例年おっしゃっていましたので参考にしてください。
ちなみに子ども達には、「置かれた場所で咲きなさい。」と都度お話があったそうです。
 
例 暁星小学校
「鍛える教育」の究極の目的は、日本昔話のキャラクターである「気は優しくて力持ち」の男子の育成です。
もやしっ子を解消するために始めたサッカーを考えてみましょう。サッカーは11人で戦いますが、ボールをキープした選手は、相手を自分に引きつけておき、ギリギリのところでパスをして味方にボールをつなぎ、最後にゴールへ蹴りこめるのは、たった一人です。旺盛なファイトとフェアーな精神、チームワークの育成、しかし、学業をおろそかにしていると、優秀な選手でも練習に参加させてもらえない「練停」があり、文武両道、ここに暁星学園の教育目標が表れていないでしょうか。
 
以前の話になりますが、平成27年の説明会では、現役で東京大学と早稲田大学に入った二人の出身者の小学校時代の体験をつづった作文を朗読、東大生は聖歌隊、早大生はサッカー部の話でしたが、いつもの校長の話を裏付ける厳しい「文武両道」の話は参考になりました。
特に運動の得意な子でなくてもやればうまくなる話は、自ら挑戦する意欲こそ、鍛える教育の原点であることや、部員のすべてが東大をはじめ難関校を目指す中での切磋琢磨する話は、説得力がありました。
 
模擬面接でも、「小学校は親が良かれと選んであげるが、大学は自らの力で挑戦すべきだ」とおっしゃるお父さん方が多く、二人の話はこれを裏づける頼もしいもので、こういったことも参考にされてはいかがでしょうか。
 
「れんてい」という言葉は、サッカー部出身の学生さんの話にあったので、「練習参加停止」のことではないかと思い、勝手に「練停」と当て字を書きましたが、説明会で先生に伺ったところ、「練停」でいいそうです。
 
 
 (次回は、「合否のカギを握るのは「志望理由」(2)」 についてお話しましょう)
 

 
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2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>面接編4

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         「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
      年長児のお子様をお持ちの方々へ
 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第63号>
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面接編4
 
今回は、ご両親の面接についてお話をしましょう。
 
◆父親編◆
 
ほとんどの学校で、お父さん方には、志望理由と職業を尋ねられています。
ですから、合否の鍵を握っているのは、お父さん方といっても過言ではないでしょう。
責任重大です、何しろお父さんは、一家を代表して面接に臨むわけですから。
 
「なぜ、この学校を選んだのか」をきちんとおっしゃってください。
 
そして、私学の運営は、ご家庭に経済的な負担をかけることで成り立っていますから、学校側は、その基盤がしっかりと築かれているかを確認しなければなりません。
職業を尋ねられるのも、このためです。
会社名と所属課、仕事の内容によっては簡単な説明も必要です。
しかし、専門家でなければわからない言葉を使うべきではありません。今では普通に使っていますが、模擬面接で「システムアナリストです」と言ったお父さんがいましたが、これだけでは不親切で、誠実とはいえません。簡単な説明も必要です。
自営業の場合は、仕事の内容がわかるようにまとめておきましょう。
時には、営業年数、年商、従業員数など必要になる場合もあるかもしれません。
 
お父さんの応答で気になることがあります。
仕事柄、人と接する機会の多い方、営業関係の方は、話に如才のない分、長くなりがちです。
面接は、限られた時間内で、手際よく済ませるべきです。
1分間で、相手にどのくらい情報を伝えることができるか、一度、録音し、聞いてみましょう。
すると、聞く人には、どのくらい負担がかかるかがわかります。
そうすれば、簡潔明瞭な回答こそ、思いやりのある、誠実な態度であることが理解できるはずです。
 
制限時間のあることを、常に頭に入れておきましょう。
 
最後に、お子さんの姿勢が崩れたときに、恐い顔をして「駄目!」を出すお父さんもいますが、前にお話したお母さんのように、「やわらかくたしなめるサイン」を考えておきましょう。
 
 
 
◆母親編◆
 
「あがって話せなかったらどうしよう!」
などと考える必要はありません。
参加しているお母さん全員が、同じ不安な気持ちでいるのですから。
そんな心配をせずに、「私は保護者です!」と言い聞かせることです。
男には、よくわかりませんが、「出産のことを考えれば恐いものなし」とおっしゃったお母さんがいました。
 
それはともかく、一所懸命、お話しできれば、道は開けます。
誠意です。
 
ただし、その学校を選んだことに自信がなければ、不安になり、緊張しますから、あがります。
そこがポイントであり、全てです。
 
お父さんのところでも触れましたが、話がくどくて、長く、まとまりに欠ける場合があります。それを避けるために、例えば、お子さんの長所、短所を話すことを想定して、話し言葉で文を書き、録音し、聞いてみましょう。
ご自身で聞き、長いと思えば、相手にとっては、とてつもなく長いものです。
質問事項にもよりますが、あまり長く話すのは、私学の求めているであろう謙虚さにふさわしいでしょうか。
 
また、言葉遣いも、気になるところでしょうが、普段、あまりなじみのない敬語や、「……参りました」「……存じます」などの謙譲語を使って話すのは、かえって緊張のもとになりますから考えものです。
何事も、不自然な感じを与えない、自然体がいいのではないでしょうか。
ところで、最近、気になるのですが、若いお母さん方の中には、「そういったこととかにぃー、興味を持ち始めましたぁー」といったように、語尾をのばし、妙なアクセントで話す方がいます。
お母さん同士ではいいでしょうが、やはり、初対面の学校の先生方と話をするには、ふさわしいとはいえません。
 
また、自分のことしか考えずに、お子さんやお父さんが話されたことを、よく聞いていないお母さん方がいます。
 
例えば、面接の先生に、
「お子さんの言っていることは、こういうことですか」と確認を求められるかもしれませんし、「お父様がおっしゃったことについて、どう思いますか」と聞かれることもあるようです。
そんなときに困った顔をするようでは、保護者とはいえないでしょう。
質問事項を想定し、うまく言えるだろうかなどと心配していると、「心、ここにあらず」といった状態になり、お子さんやお父さんの回答を聞き逃すことになりがちです。
お母さん自身も、気を静め、落ち着くためにも、しっかりと話を聞きましょう。
 
そして、お父さんが、例えば、間違ったことを言っても、即座に訂正しないことです。「お子さんが、成長したと感じられることはありますか」といった質問に、「去年の秋、予防接種に行ったとき、泣かずに頑張ったときのことです」と答えたお父さんに、少し顔をしかめて、「パパ、今年の春でしょ!」と、静かに、きっぱりと訂正したお母さんがいました。
お父さんは、気分を害されたような表情をして、お母さんの方を見ましたが、二人の間に、なにやら気まずいムードが漂いはじめたのは、言うまでもありません。
予防接種の時期を間違えたから、育児に関心のない父親で減点などされるわけがないでしょう。
即座に訂正をしたお母さんの態度こそ問題です。
私学には、古い道徳観念が残っているとはいいませんが、やはり、初対面の人の前で、どうでもいいようなことで、お父さんの間違いを訂正するのは、私学の求めているであろう「謙虚なお母さん」としていかがでしょうか。
もっとも、お父さんが同様なことをするのも、言わずもがなですね。
 
 
 
◆退室◆ 
 
「本日は、ご苦労さまでした」
「失礼します」
立ち上がり、礼をして退室するわけですが、お父さんが先頭で、お子さん、お母さんという順が良いでしょう。
そして、出口で、立ち止まり、面接官の方を向いて、「失礼します」とあいさつをしましょう。
この時、お子さんは、一刻も早く外へ出たい気持ちから、あいさつどころではありません。
しかし、ここは面接の最後の場ですから、「お世話になりました」といった気持ちを伝えたいものです。
お父さんが一言、声をかけ、あいさつを促しましょう。
入室の時と違い、これから始まる面接にプレッシャーをかけるわけではありませんから、お子さんも、あいさつできるはずです。
「ごあいさつは」より「さよならしようね」といった言葉がけの方が、お子さんにも抵抗がなく、自然にできると思います。
最後に、お母さんがあいさつをし、ドアを閉めて、部屋を出ます。
 
これで終わったわけですが、うまく進んだ場合は、緊張から開放され、ほっとされたお母さんから、
「ご苦労さまでした」
などと、ねぎらいの言葉がかかるのですが、結果が思わしくないときは、部屋を出たとたんに、
「なぜ、私が願書に書いたとおりに言ってくれなかったの!」
などと、非難をするお母様もいるそうです。
「壁に耳あり、障子に目あり」ではありませんが、先生方が見ていないとは限りません。
 
しかし、聞いているお子さんが、どんな気持ちになるかを考えられない母親であるなら、受験はやめるべきでしょう。
面接の後にお子さんの試験があり、もう一度、学校へ来る場合、悪い印象を与えると、同じ場所へ行きたがらないものです。
本番の入試にも影響しかねません。
 
また、お子さんが、うまく応答できなかったとしても、そのことには触れずに、嘘でもいいですから、次につながる言葉がけを忘れないことです。
 
「初めての先生と、よくお話できていたね。お父さんもびっくりしたほどだったよ。今度はね、一人でどんなことができるか、お友達と楽しく遊べるかを見てくれるんだって。お父さんは来ないけれど、頑張るんだよ。ママ、今夜は、ユキの好きな焼肉がいいね」ユキちゃんが、好んで挑戦した受験ではないことを、保護者は、決して、忘れてはなりません。 
 
掛け持ち受験について、まだわかりませんが、10月に入ると、受験日と面接の日が決まり、学校から通知も来ますし、出願してみなければわからなかった、受験可能な学校も判明します。
どういったスケジュールになるか作戦を立てることになりますが、掛け持ち受験は、お子さんにとって大変な負担になります。
精神的にも、肉体的にもタフなお子さんばかりとは限りません。
ご両親で、しっかりと話し合いましょう。
 
また、試験のために早朝に家を出なければいけない場合もあります。
少しずつ、起きる時間を早めてみるとか、ベストコンディションで臨めるように工夫しましょう。
 
幼稚園も始まりました(保育園はいつも通りですね)。元気に通っていますか。
生活のリズムが戻るまで、あまり無理されないことです。心身ともに健康第一です。
 
そして、お母さん方へ。妙なうわさなどに心を惑わされない、賢いお母さんになりましょう。
もうあとわずかです、頑張ってください。
 
 
(次回は、「鍵を握るのは志望理由」についてお話します)

 
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2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>面接編3<お子さん編>

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         「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
      年長児のお子様をお持ちの方々へ
 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第62号>
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★説明会情報★
 
 国府台女子学院小学部
  学校説明会 9月14日(土)10時~11時30分
  学院祭見学 9月21日(土)、22日(日)
   
     詳しくはホームページをご覧ください。
 
 
 
 ■ 面接編(3)
 
<お子さん編>
 
ほとんどの場合、質問は、お子さんから始まります。
緊張をほぐすために、名前や生年月日、幼稚園(保育園)のことなどから聞くようです。
しかし、住所や電話番号は、通常、あまり聞かれませんから、うまくいえない場合があります。
そんな時、ほとんどの子ども達は、お母さんを見ます。
すると、お母さんは、
「東京都新宿区………」とやりがちです。
 
これはどうでしょうか。
 
住所や電話番号を、面接のために記憶させていると、こうなりがちです。
言えないと「減点される」と思っているのではないでしょうか。
ですから、答えなるものを、すぐに教えてしまうのです。
「ほら、迷子になったとき、どうする約束でしたか」などと、二人だけでわかるヒントを出せるお母さんであってほしいのです。
遊園地やデパートなどで迷子になったとき、何が頼りになるでしょうか。
名前と住所を言えば、すぐに探してもらえることを知っていれば、お子さんも覚えるはずです。
 
自然災害を含め、緊急事態が発生した場合、電話は連絡に欠かせないものです。
いずれも、面接のために覚えることではなく、自力で物事に対応しなければならない時のために、身につけておかなければならない知恵ではないでしょうか。
 
「幼稚園(保育園)は、楽しいですか。仲良しのお友達の名前を教えて下さい」
幼稚園や保育園が楽しく、友達がたくさんいれば、すぐに答えられるでしょう。
こういった質問からは、集団生活への適応力である社会性や協調性が育まれているかがわかります。
 
幼児への質問は、日常の生活が中心となっていますから、難しい質問はないはずです。返答に詰まったときは、「答えられなくてもよい」とは言いませんが、面接官が、ご両親の態度を見ていると思えばいいでしょう。
 
余計な口出しをせず、温かく見守ることが基本ですが、状況に応じてお子さんがわかるヒントを出せる保護者であってほしいのです。
その時には、面接官に、「よろしいでしょうか」と一言、確かめることもお忘れなく。
 
絶対にやってほしくないのは、お子さんの回答を訂正することです。
 
親子面接の指導をしているときに、こういったことがありました。
「何人家族ですか」
「はい、5人です」
お父さんが、あろうことか、「えっ!」といって、少しですが、笑ったのです。
「違うでしょ、4人ですよ」
お母さんが、あわてて、恐い顔をしながら、間違いであることを指摘しました。
びっくりしたのは、答えたお子さんです。
これはまずいと思い、すぐに質問をしました。
「5人家族なのですね。では、どなたがいらっしゃるのかな」
「お父さん、お母さん、お姉ちゃん……、ぼくと……、ポチです」
お母さんを気にしながら、小さな声で答えました。
ポチは、いうまでもなく犬ですが、みんなでポチを可愛がっている様子が伝わり、微笑ましいではありませんか。
犬を家族に入れたから、「常識外れで減点!」などと考えにくいことです。
あわてて訂正したお母さんこそ、「保護者として失格!」、マイナス点がつくと思います。なぜなら、その質問を境に、お子さんはそわそわし始め、それまでの元気な姿が見られなくなったからです。
笑ったお父さんは、その後のお子さんの様子を見て、後悔したのは言うまでもありません。
 
お子さんは、質問の内容を理解し、自分の言葉で、堂々と答えたのですから、うなずいてあげるべきです。
お子さんの回答を訂正することはもちろん、笑うなどとは、保護者としてすることではありません。
 
お父さんやお母さんに関する質問で、お子さんが困った顔になるのは、保護者の仕事です。
「お父さんは、どのようなお仕事をしているのですか」の質問に、「国家公務員です」と「みんなのために役に立つお仕事です」との答えでは、どちらが子どもの答えとして、ふさわしいでしょうか。
「サラリーマン」では、わかりません。
お子さんは、お父さんやお母さんの仕事を、きちんと説明できますか。
こういった質問から、普段の親子関係がわかるとは言いませんが、仕事はご自身の生きがいと考えれば、あだやおろそかに出来ないのではないでしょうか。
「お父さんやお母さんは、ぼく達のために一生懸命に頑張っているんだ!」
と思っていないお子さんは、いません。
 
お父さん方、「お子さんがわかるように、お父様のお仕事を説明して下さい」といわれた場合、どうお話ししますか。模擬面接でも戸惑うお父さん方が多いですね。「お子さんがわかるように」が、難しいのです。
お母さんにも同じ質問をしてみると、どうしたわけか、お父さん以上に説明ができないことが多いですね。
ご両親共に、お子さんにわかるように説明しておきましょう。
 
姿勢の崩れるお子さんもいます。
 
質問を聞きながら、足をぶらぶらさせたり、手を机の上に乗せたり、女の子は、スカートを握りしめるなど、落ち着かなくなり、姿勢の乱れる場合があります。
普段から、食事のときなど、だらしなく食べているお子さんは、その通りにしますから問題外として、心配なのは、緊張のあまり、本人が気づかずに、そのようにふるまうことがあるのです。
 
姿勢の乱れた姿など見たこともないお母さんは、びっくりしてしまい、あわてて手足をたたいたり、手を膝に戻したり、心配のあまり、膝をつねってしまうお母さんもいます。もっとすごいお母さんになると、恐い顔をして、にらみつけます。
これもどうでしょうか。
本人は緊張しきって、無意識にそういった動作をしているにすぎないのです。
何もしなくてよいとは言いませんが、やはり、修正をしなくてはならないでしょう。
 
これはいいなと思ったお母さんがいました。
 
「タロウくん、足が笑っていますよ」
と、やさしくいったのです。
気づいた本人は、お母さんを見て、手で頭をかくような仕草をし、照れ笑いしながら、腰を少し前に進めて、足をしっかりと床につけ、手はお膝になりました。
お母さんは、「申し訳ありません」といった気持ちを表すかのように、軽く会釈をしたのです。
 
見事でした。
 
お子さんが緊張した場合、どのようなことをするか、よくわかっていて、椅子に浅く腰掛けて訂正する方法を、親子で体験済みだったのでしょう。
これが保護者の役目ではないでしょうか。
 
また、本人の質問が終わり、ご両親の番になると、今度は緊張感から開放され、退屈になり、姿勢の崩れることがあります。
模擬面接のときに、男の子には、「お父さんやお母さんがお話をしている間は、手をひざに置き、背を伸ばして聞いているのが、一番、かっこいいのだよ」、女の子には、「一番、かわいいのですよ」と話しています。
「じっとしているんですよ!」だけでは、ほとんど効果はありません。
親が話をしているとき、終わるまで静かに待てる方法を考えてあげましょう。
 
かつて、暁星小学校では、お父さんとお子さんがゲームをし、その様子を両親に聞くといった形式で行いましたが、狙いは、3人が醸し出す雰囲気から、日常生活の様子を判断したのではないでしょうか。つまり、面接のための定番的な訓練は、「役に立ちませんよ」と言いたかったのだと思います。暁星小学校ですが、今年も面接は保護者面接、また、保護者に作文の提出があります。
 
最後に一言。
 
家庭学習で苦手な問題にとり組む時には、細心の注意が必要です。
繰り返しますが、幼児がわからないといった時は、本当にわからないのです。
お子さんがわかるように工夫してください。
「何でできないの!」といった不用意な言葉がけは、今までの自信を崩すことにもなりかねません。
お子さんが萎縮するようなやり方だけは、絶対にやめましょう。
 
夏の疲れが出やすい時期です。健康管理には、十分に気をつけてください。       
 
 
   (次回は、「ご両親の面接」についてお話をしましょう。)
 

 
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2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>面接編2

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         「めぇでる教育研究所」発行
2025さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
      年長児のお子様をお持ちの方々へ
 2025年度入試(2024年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第61号>
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◇説明会等情報◇
 
 立教小学校 説明会(3)
  9月7日(土)のミニ学校体験は満席
  9月11日(水)以降、入試に関する動画公開
 
 日本女子大学附属豊明小学校 
  豊明秋の運動会
   日程:9月28日(日)
   申込:ホームページから申込
     
  ※それぞれホームページで確認してください。
 
 
 
面接編(2)
 
 
今回は、面接当日のお話をしましょう。
 
 
[学校へ到着]
 
★緊張する様子が見えたら★ 
 
面接の日でも、多くの人が集まりますが、試験当日は、その比ではありません。
それを見ただけで、しり込みをするお子さんも出てきます。こういった経験がないからです。公開模擬テストを受ける目的の一つは、知らない子ども達の中に入って、いろいろなことを経験できるからです。
 
また、過保護に育てられていると、こういった時に拒絶反応を示しがちです。
手をかけ過ぎていると、自分でやることが少なく、失敗の経験が少ないですから、こういった事態に対処できません。過干渉な環境では萎縮してしまい、「ママ、助けて!」となりがちです。
 
何度も繰り返しますが、小学校の受験は、お子様の成育史、言い換えれば、ご両親の育児の姿勢が、そっくり出てくるものです。
 
普段、元気いっぱいのお子さんでも、大勢の人をみてびっくりする場合もあるでしょう。その時は、お子さんが、いちばん安心する様子を、お子さんに示してあげることです。世界で一番強いと思われているお父さんの出番です。たくましいお父さんであってください。間違っても、「しっかりしなさい!」などと言わないことです。それだけでパニックに陥ってしまうお子さんもいま
す。
しゃがんで目を合わせ、
「いつもの教室でやるのと同じだから、心配することはないんだよ」
と、やさしく教えてあげましょう。
 
 
★所定の手続きを的確に★ 
 
何事も初めてとなると、緊張しがちです。
しかし、心配はありません。学校側も、全員、初めての受験を想定して、マニュアルを作ってありますから、難しい手続きはありません。落ち着いて取り組めば、何でもないことです。
ミスをしがちなのは、指定された時間間際に来て、手続きをする時でしょう。
気持ちに余裕がありませんから、どうしてもあせりがちで、ミスも起きがちです。そんな時は、おそらく、普段、お子さんが見たこともないご両親の姿になっていると思います。それを見たお子さんは、どのような心境になるでしょうか。
面接は、まだ、ご両親がそばにいますから、ショックも少ないでしょうが、試験当日は、そこから一人で行動しなければなりません。普段どおり、というわけにはいかないでしょう。
余裕を持って出かけ、こういった気持ちにさせないのも、ご両親の大切な役目です。
 
 
 [控室]
 
★静かに待つ工夫を★ 
 
幼児にとって、静かに待つのは、大変、苦手なものです。
ここでも、普段の育児の姿勢が姿を現します。ましてや、緊張していますから、いつもよりテンションもあがり、舞い上がってしまうお子さんもいます。普段のしつけが大切です。 
最近、よく見かけますが、幼児用の図書室で、大きな声でしゃべったり、走り回ったりする子もいます。親も注意しません。お菓子を食べている子さえいます。
また、電車などでも親同士が話に夢中になり、子どもが騒いでいても、知らん顔をしています。こういうことが許されていて、面接に来たときは、「静かにしなさい!」では、無理というものです。 
 
面接当日は、しばらく待つ時間がありますから、退屈させない工夫をしましょう。
 
お子さんの好きな本を控室で読み聞かせするわけにはいきませんから、自分で読める本がいいでしょう。そういう本であれば、気に入っているはずですから、静かに待てることになります。
一人で静かにできる折り紙やあや取りなどもいいでしょう。手先を使って遊ぶ折り紙やあや取りは、手順を間違えると遊びは成り立ちません。楽しみながら脳に刺激を与えるすぐれもので、口頭試問の準備運動にもなるはずです。
 
お子さんが気にいっているからといって、ぬいぐるみの人形や恐竜のおもちゃ、ゲーム類はどうでしょうか。5、6歳の幼い子ですが、それなりの自立ができているはずですから、公の場に人形を持ち歩くのは、よい印象を与えないものです。また、おもちゃやゲーム類は、他のお子さんに迷惑がかかりますから、持ち込むことすら常識を疑われます。 
 
しかし、何と言っても大切なのは、ご両親の落ち着いた悠揚迫らぬ態度です。
お子さんの学校選びが確かであれば、面接に臨んでも、何ら心配はないはずです。そして、保護者としての自覚があれば、そこから余裕が生れ、お子さんに安心感を与えるものです。
 
 
 [入室] 
 
面接会場は、学校によって設定が異なりますから、一概には言えませんが、ドアが閉まっている時はノックをして、ドアが開いている場合でも、開いているドアをノックして、カーテンの場合は、「失礼します」と声をかけて、様子を見ましょう。
そして、「どうぞ、お入り下さい」といった返答があってから、「失礼します」といって入ります。こういった余裕を持ってほしいのです。
お父さん、お子さん、お母さんの順で入るのが自然でしょう。主人公は、お子さんです。
お父さんが露払いをし、お母さんはお子さんをしっかりガードして入ることをお勧めします。
 
また、入室の時にお子さんが、「失礼します」ということがありますが、これもどうでしょうか。日常生活で、盛んに使われている言葉とはいえません。不自然ですから、こういった言葉は
教えこまないことです。「おはようございます」や「こんにちは」で十分です。
 
模擬面接でも、白百合学園小学校を受験する場合、「ごきげんよう」という女の子もいますが、入学後でいいのではないでしょうか。普段、幼稚園などで、そういったあいさつをしていなければ、やはり、とってつけたようで、さまになっていない場合が多いからです。考え直した方がいいのではとアドバイスはしますが、お母さん方が不満げな態度をしがちですから、後はお父さんにお任せしています。 
 
入室の際に、あいさつのできないお子さんが、かなりいます。
特に、男の子は、できません。
すると保護者が、「ごあいさつは!」と催促をしがちです。
すごい保護者になると、言葉だけではなく、頭を押さえつけるようにして、あいさつをさせようとします。これもどうでしょうか。  
あいさつができなかったから、マイナス何点などと採点するはずはないと思います。
 
お子さんが、初めての所へ来て、初めて会う人の前に立っているのですから、それだけ緊張しきっています。あいさつができなくても、当たり前ではないでしょうか。
 
それを考えずに、あいさつを無理強いするのは,保護者としてふさわしい態度とは思えません。あいさつができなかったら、保護者が面接官に黙礼して、静かに頭を下げておけばいいのではないでしょうか。保護者の態度を見ていると思います。
 
そして、入室しても、いきなりテーブルもしくは椅子が置かれているところまで直進せずに、入った所で横一列に並び、次に指示を待ちます。あわてることはありません。
「お父さんは、こちらへ」などの指示に従い、椅子の後ろに並び、三人がそろったところで、お父さんから、「失礼します」といって席に着きましょう。
お父さんを見て、お子さんも座り始めます。
お母さんは、お子さんが着席するまで見守り、それから座りましょう。
(お子さんが座ってからご両親が座ることができれば、より良いですね。)
 
お子さんには、椅子に浅く腰をかけさせ、両足をきちんとそろえ、手を膝に置くようにすれば、座る形も決まり、姿勢も崩れにくくなります。わずか、これだけのことですが、普段の生活習慣が見事に現れます。食事の時、いい加減な姿勢で、テレビなどを見ながら食べていると、だらしのない座り方になり、座れても、すぐに姿勢がくずれがちです。
 
言うまでもないことですが、お母さん方へ一言、長い髪は、お辞儀をするときに、バサッと前に落ちてきます。これも感じのいいものではありませんから、きちんとまとめておきましょう。また、ミニスカートでは、膝が気になり、面接どころではなくなりがちですから、やめた方がいいと思います。 
そして、着席後は、お子さんの様子を見守るために、視線の中に入れておきたいものです。お子さんが不安そうにお母さんを見たときなど、知らん顔をせずに、笑顔で応じてあげましょう。これが何よりの精神安定剤になるからです。
 
9月に入ったとはいえ、今年は残暑も厳しいようです。疲れが出ないように、あせらず、ゆったりとした気持ちで、家庭学習を続けてください。
 
 
  (次回は、「面接編3 子ども編」についてお話しましょう)

 
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