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めぇでるコラム : 2024保護者: 2023年2月
さわやかお受験のススメ<保護者編>第5章(1)雛祭りとお彼岸ですね 弥生
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「めぇでる教育研究所」発行
2024さわやかお受験のススメ<保護者編>
「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
豊かな心を培う賢い子どもの育て方
-第16号-
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第5章(1) 雛祭りとお彼岸ですね 弥 生
小学校受験で春は三月からです。
物の本によると、「春」の読み方は、万物が「発(は)る」(発する)からと
いう説が有力ですが、草木の芽が「張る」、天候の「晴る」、田畑を「墾(は)
る」などの説もあるそうです。
弥生(やよい)のいわれは、この頃になると、草木がいよいよ生い茂ることか
ら、「草木がいやおい茂る月」が詰まり、「弥生」になったといわれています。
★★五節句のおもしろい特徴★★
三月といえば、何といっても雛祭りです。雛祭りは、いうまでもなく女の子の
節句です。
節句は一年間に五つあるので五節句と呼ばれ、正しくは「神と一緒にあること
を表す節供」だそうですが、ここでは使い慣れている節句としました。
五節句を決めたのは江戸幕府で、古来、宮中で行われてきた年中行事から五つ
選んだものです。
一月七日は人日(じんじつ)、陰暦の正月七日のことで、七草粥を食べる日か
ら「七草の節句」。
三月三日は上巳(じょうし)、お雛さまを飾る日から「桃の節句」。
五月五日は端午(たんご)、鯉のぼりや兜を飾り立身出世を願う尚武が転化し
て「菖蒲の節句」。「端午の節句」の方が身近でしょう。
七月七日は七夕(しちせき)、夏の風物詩、七夕飾りをする「七夕の節句」、
「笹の節句」。
九月九日は重陽(ちょうよう)、陰暦九月九日の節句で、九は陰陽道では陽の
数とされ、これを二つ重ねた日にあたるので「重陽」といい、「菊の節句」と
もいわれています。
五節句は奇数日で、一月七日の人日を除くと同じ数字が重なっていますが、こ
れも何か意味がありそうです。
暦の中で奇数の重ねる日を取り出し、奇数(陽)が重なると陰になるとして、
それを避けるための避邪(ひじゃ)の行事が行われ、季節の旬の食物から生命
力をもらい、邪気を払うという目的から始まりました。
(http://iroha-japan.net/「日本文化いろは事典」より)
七草粥には、ご馳走を食べ過ぎた胃を調整する薬草が入っています。
桃の葉も薬草です。
菖蒲の根を細かく刻んで造った酒は、邪気を払い万病に効くといわれています。
淡竹(はちく)、真竹(まだけ)は竹葉(ちくよう)という生薬で解熱、利尿作用
があります。
菊は、長生きの薬といわれています。
五節句に登場する植物は、すべて薬用で、当然のことですが、やはり意味あり
でした。
「私達の先祖は、薬品を食品化することで、まず日常の食事療法をやり、さら
に労働スケジュールに合わせて、その時期にいちばん必要な薬物を年中行事化
することで、魔除けや信仰として摂取し、健康体を維持できるように、実に巧
妙といっていい、健康管理を行っていたのである。」
(「梅干と日本刀」 日本人の知恵と独創の歴史 樋口清之 著 祥伝社 刊
P131)
五節句は農業スケジュールに合わせて作られ、その時の飲食物は全て薬品なの
です。昔は病気になってから治療するのは大変でしたから、病気を予防するた
めの知恵でもあったのです。当時の農作業、米作りは人海戦術で、病気をする
と労働力が減り、お百姓さんにとっては一大事でしたから納得できました。
ところで、「怠け者の節句働き」といい、怠け者をあざける言葉があります。
節句の日には仕事を休み、神さまにお願いをする慣わしがありましたが、普段、
怠けていると、この時も田畑で仕事をしなくてはならないことから生まれた言
葉です。農作業は、一日も手抜きができない厳しい作業環境でもあったわけで
す。
★★雛祭り★★
昔のお雛さまは、今のように立派な飾りものではありませんでした。子どもが
病気にかかると、新しい雛人形を川へ流して、病気が体の外へ逃げていくよう
に、悪いことが起きないようにと、お祈りをしました。流し雛です。
室町時代、紙で作った人形(ひとがた)で体をなでて穢れを移し、川や海に流
すことで無病息災を祈った「流し雛」という風習と、ひいな遊び(人形遊び)と
が結びつき、貴族の間で人形を飾り、祀(まつ)るようになったと考えられて
います。(http://iroha-japan.net/ 「日本文化いろは事典」より)
米俵の両端にあるわらで編んだ丸いふた「さんだわら」(東京では「さんだら
ぼっち」)の上に、紙と土で作った雛人形を、あられや菱餅、桃の花と一緒に
のせて川へ流したもので、今のように部屋に飾って祝うようになったのは、徳
川家康の孫の東福門院が、子どものために作った座り雛が、その始まりといわ
れています。
雛人形が飾られるようになったのは、文化文政時代を経て天保(1830)の
頃からで、宮中から武家社会、裕福な商家や名主の家庭、そして町人社会へ広
まり、現在のような豪華な雛壇が作られるようになったのです。
雛壇には、お内裏さま、三人官女、五人囃子、左大臣、右大臣、おかしな顔を
している三人仕丁(じちょう―雑役係)、菱餅、あられ、白酒、桃と橘の花に、
いろいろな生活用品が飾られています。女の子が、やさしいよい子に育って、
幸せになるようにとお願いする日ですから、飾りものも女性ムードいっぱいで、
夢があります。人形が主役ですが、下の方に飾ってある、あのゴタゴタとした
所帯道具も、いいですね。タンス、鏡台、長持ちから牛車、駕籠(かご)まで
そろえているのもあります。新婚さんの望ましい嫁入り道具一式で、昔の女の
子が描く幸せな青写真を、雛壇で表しているような気がして、ほほえましくな
ります。
多様性の時代、といえども、こういった文化は残っていってほしいものです。
★★男雛と女雛、右ですか、左ですか?★★
女の子がいない家庭では見られませんが、デパート等に行くと、豪勢なものが
飾ってありますから見てほしいのです。地方によって、男雛と女雛の位置が違
います。東京など関東地方では、男雛が右側(向かって左)に、女雛は左(向
かって右側)に飾りますが、京都や奈良の関西地方では、男雛が左で女雛は右
と、逆に飾ってあります。
関東方式は、昔中国では、「右がすぐれている」という考えがあったからです。
右には「貴い」、「尊敬すべき」、「大切な」など、左には「卑しい」、「低
い」、「正しくない」などの意味があり、「右腕」や「右に出る」、「左遷」
や「左前」は今でも使っています。ところが、唐の時代に左右が逆転し、左上
位になったのです。
日本の文化は唐の影響を受け、平安時代に確立した日本の制度は左優先となっ
た。左大臣は右大臣より上席であり、左近衛大将は右近衛大将より上級である。
(中略)左上位は唐から宋へ受け継がれたが、元の時代に逆転し、明清の時代
に再々逆転し、左上位の順位が引き継がれている。
(年中行事を「科学」する 日本経済新聞社 刊 P75)
もっとわかりやすいものがあります、結婚式の披露宴を思い出してください。
新郎は向かって左側に、新婦は向かって右側に座っていますが、これにも確か
な意味があります。日本の結婚式は、昔から男子が家を守っていく、男子優先
で行われてきたからです。関西方式は、天皇家と関係があります。
天皇は、『天子南面』という言葉が示すように、紫宸殿の玉座に北を背にし、
常に南の方をむいて座られた。すると、天皇の左手が東、右手が西にあたる。
昔は日の出る東が月の沈む西より上と考えられていたから、内裏様を左に飾っ
た。したがって、大臣も左大臣が上席となっている。
(日本の年中行事百科 2 春 民具で見る日本人の暮らしQ/A P25
監修 石井 宏實 河出書房新社 刊)
面白い話があります。太平洋戦争終了後、日本を占領した国際連合軍の中で、
いちばん偉かったダグラス・マッカーサー元帥が、「男雛は向かって右、女雛
は向かって左にしなさい!」と命令したそうです。アメリカやヨーロッパでは、
レディー・ファーストの考えがあるからだと思っていたのですが、ことの起こ
りはヨーロッパで、騎士が戦うときには右手に剣を持ち、左手で婦人を抱える
ことから、左優先になったそうです。
最後に、「春一番」は立春後に初めて吹く強い南風ですが、春分まで、という
期間限定のため、発生しない年もあるそうです。
1959年に民俗学者の宮本常一が「春一番」という言葉で、気象現象を解説
したことから、新聞などで使われるようになったそうです。その後、広く一般
でも使用されるようになり、今では気象用語になりました。
(「昭和のこころ」 日本の年中行事 So-net ブログより)
ちなみに、関東地方で最も早かったのは昭和63年2月5日でしたが、令和3
年は2月4日に吹き、記録更新となりました。最も晩かったのは昭和47年3
月20日だそうです。
(次回は「雛祭りですね(2)」についてお話しましょう)
【本メールマガジンは、「私家版 情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話
情操豊かな子どもを育てるには 上・下 藤本 紀元 著」をもとに編集、
制作したものです】
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さわやかお受験のススメ<保護者編>建国記念の日と2月に読んであげたい本(2)
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「めぇでる教育研究所」発行
2024さわやかお受験のススメ<保護者編>
「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
豊かな心を培う賢い子どもの育て方
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第4章 二月に読んであげたい本(2)
また目玉ですが、これも面白い話です。
◆鬼の目玉◆ 松谷 みよ子 著
娘が旅の途中で泊めてもらった家には、若者が一人で住んでいました。毎朝、
若者は奥の部屋に出かけ、夜になると疲れはてて戻ってきます。若者のお父さ
んが豪傑で、悪さをする鬼の目玉をくりぬき取り上げたのです。お父さんが亡
くなると鬼が目玉を取り返しにきて、毎日、責め立てていたのでした。
ある日、娘は若者の後をつけ、拷問の場面を見たのです。鬼の大将らしき者
が、わめく顔を見ると目がありません。娘が酷い仕打ちを受ける理由を聞いて
も若者は答えず、退屈だろうから、13ある部屋で遊びなさいという。ただし
「最後の部屋へは入ってはいけない」といわれたのでした。
娘が最初の部屋を開けると、門松や鏡もちが飾ってある正月の部屋で、小人
さんたちが、羽根つきやカルタをして遊んでいるのです。娘も中に入ってみる
と、小人さんと同じように小さくなり一緒に遊べるのでした。次の部屋は梅が
咲きうぐいすが鳴き、次の部屋はおひなさまが飾ってあるというように、1月
から12月までの部屋があったのです。楽しかったので、最後の部屋にも入る
と、真っ暗な部屋に桶があり、何かが浮かんでいました。
鬼の目玉だとわかった娘は懐に入れ、帰る途中、小川の側で蛇と出会い、び
っくりして、1個、落としてしまうのです。残った1個を持って、お仕置き部
屋に飛び込むと、大将の片目に、眼が入っているではありませんか。恐る恐る
目を差し出すと、「眼がそろったから、褒美として娘に金の鶏をやれ」と、い
ったかと思うと、鬼も若者も、部屋も家も、あっという間に消えてしまい、娘
は、がい骨がゴロゴロと転がっている山の中に、一人残されていたのでした。
日本むかしばなし 7
おにとやまんば 民話の研究会 編 松本 修一 絵 ポプラ社刊
次は笑わせられる話です。
◆節分の鬼◆ 小沢 重雄 著
変わったじいさまがいて、節分の日に、女房も子どももいないから、鬼が来
ても平気だと、「鬼は内!福は外!」とやってみたのです。すると、豆をぶつ
けられて往生しているのに、奇特な方がいるものだと、2匹の鬼がやってきた
ではありませんか。酒の好きなじいさまは、鬼達にもすすめ、宴会が始まりま
す。ご馳走になった鬼達は、礼をしたいといいます。じいさまは、丁半博打
(ばくち)が大好きなので、さいころに化けてくれと頼みます。さっそく鬼は
化けます。それで、博打をするのですから、じいさまのいうとおりの目が出て
大もうけをしました。再び宴会に、今度は泡銭をたくさん持っていますから、
豪勢なものです。これに味をしめたじいさまは、来年も来てくれと約束をしま
す。しかし、次の年も、その次の年も、鬼は現れません。その内、じいさまは、
酒を飲みすぎて死んでしまいました。
博打好きでしたから地獄行きです。そこで、あの鬼達と再会します。鬼達は
娑婆(しゃば)のお礼にと、いろいろと手抜きをします。釜ゆで地獄のときは、
湯かげんに手心を加え、熱かんまでつけるサービスをするのです。怒った閻魔
大王が、「じじいを喰っちまえ!」と鬼達に命じますが、これも手抜きをして
もらい、娑婆に舞い戻り、長生きをしたのでした。
日本むかしばなし 7
おにとやまんば 民話の研究会 編 松本修一 絵 ポプラ社刊
どうしたら、こういう発想が生まれるのでしょうか。
この2匹の鬼には人情があって、それだけにおかしいのです。針の山に登ると
きは鉄の下駄を用意するなど、地獄の責め苦を、鬼が手抜きする場面は、本当
に笑わされます。しかし、鬼に人情って変ですね。「鬼の目にも涙」といいま
すから、涙腺を緩めるセンサーが付いているのでしょう。鬼の情けで「鬼情」
では、何やら不気味な感じがしますね。
この話もおかしいのです。今度は鬼が、博打をする話です。
◆地蔵浄土◆ おざわ としお 再話
ある日、おじいさんが、食べようとしただんごを落とし、ネズミの穴に入っ
てしまいました。おじいさんが、穴に入っていくと、お地蔵さまがいたので尋
ねたところ、「あっちの方に転がって行ったぞ」というその口元には、黄粉が
ついています。おかしいなと思いながらも、探しに行こうとすると、お地蔵さ
まが、大儲けをさせてあげるから、天井裏に隠れなさいというのでした。鬼達
が来てかけ事をするから、その金をいただくのだという。しかし、天井に上る
はしごがありません。すると、お地蔵さまは、私の手に乗り、肩に足をかけ、
届かなければ、頭にのって天井裏に隠れなさいというのです。罰が当たると尻
込みしますが、鬼達が来ると驚かされ、渋々、隠れます。そして、「私が合図
をしたら、鶏の鳴声をまねしなさい」といったのです。
やがて、鬼達が来て、かけ事を始め、お金がたくさん出たところで、お地蔵
さまから合図があり、「コケコッコー」と鳴きまねをすると、鬼どもは一番鶏
が鳴いたと勘違いして、「夜明けが近いぞ!」とあせってばくちをし、2回目
には二番鶏が、3回目には、「三番鶏が鳴いた。夜明けじゃ、帰るぞ!」といい、
お金を残したまま消えてしまいました。おじいさんは、鬼達が残していったお
金をいただいて大金持ちになったのです。
それを聞いた隣の欲の深いじいさん、一儲けしようと出かけ、遠慮しないで、
お地蔵さまの体に足をかけて天井に上がってしまいます。ところがです。三番
鳥まで鳴くようにといわれましたが、何を勘違いしたのか、お地蔵さまの合図
に、「コケコッコー」と鳴きまねをせずに、「はぁ、一番鳥!」、「はぁ、二
番鳥!」といってしまうのです。「この間、おれたちをだました奴だな!」と、
鬼たちから散々、痛めつけられ、血だらけになって帰っていったのでした。
日本の昔話 2
したきりすずめ おざわ としお 再話 音羽 末吉 画 講談社刊
天井裏に上がるときの、お地蔵さまと正直なじいさまとのやり取りが、おかし
いのです。欲深じいさんが天井に上がるときも、仏さまを仏さまと思わないふ
てぶてしさが、これまた愉快で、日本人の信仰心をあからさまにしているよう
な気さえします。
お地蔵さまは、本当はお釈迦さまがいなくなった後、弥勒仏が出現するまでの
間をつなぐ役をする偉い菩薩さまですが、いつも庶民の身近にいる仏さまです。
粋なのです、このお地蔵さまは。
こういう話を作った人って、尊敬できますね。生きることを楽しんでいるでは
ありませんか。お地蔵さままで、舞台に上げるのですから大胆なものです。し
かもです、お地蔵さまに、うそをつかせるのですから、傑作ではありませんか。
まねをした欲の深いじいさんが、こらしめられるのも、むかし話の定石です。
最後は鬼をたぶらかす話で、恐い鬼が相手ですから勇気がいります。
秋の話ですが、鬼の話ですのでここで紹介しましょう。
◆じいさまとおに◆ 水谷 章三 著
ある秋のことです。
おじいさんのところへ鬼が来て、畑にできているものを半分よこせという。
そこでおじいさんは、「畑の上のものだけもらうから、鬼さんには土の中のも
のをあげましょう」といって、麦畑の麦を全部、刈り取って株だけ残します。
計られたと知った鬼は、次の年の秋には「土の上にできているものを、わしが
もらうぞ」というので、おじいさんは「下の半分で結構です」と承知し、鬼が
葉っぱを刈り取った後で、大根や芋をごっそりと掘り出したという話です。
五月のはなし
ももたろう 松谷 みよ子/吉沢 和夫 監修 日本民話の会編 国土社刊
大らかな話ではありませんか。鬼を手玉に取り、恐い鬼もかたなしです。鬼は
悪魔と考えられ、病気や災いを起こす疫病神のような存在でしたから、人々の
「恨み、つらみ」は相当なものであったと思われます。おじいさんの気持ちが、
手に取るようにわかりますね。
ここでは取り上げませんでしたが、浜田廣介の「泣いた赤鬼」は、童話とはい
え日本以外に、鬼を人間らしく扱った作品はあるのでしょうか。最後の青鬼く
んの置手紙には、涙がこぼれてきます。お子さんはどのような反応を示すでし
ょうか。
赤鬼くん、人間たちと仲良くして、楽しく暮らしてください。もし、僕が、
このまま君と付き合っていると、君も悪い鬼だと思われるかもしれません。
それで、ぼくは、旅に出るけれども、いつまでも君を忘れません。さよう
なら、体を大事にしてください。僕はどこまでも君の友だちです。
(「泣いた赤鬼」浜田康介 著 小学館文庫 小学館刊)
(次回は、「第五章 雛祭りとお彼岸ですね 弥生」についてお話しましょう)
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さわやかお受験のススメ<保護者編>建国記念の日と2月に読んであげたい本(1)
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「めぇでる教育研究所」発行
2024さわやかお受験のススメ<保護者編>
「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
豊かな心を培う賢い子どもの育て方
-第14号-
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建国記念の日と2月に読んであげたい本(1)
2月14日はバレンタインデー。「バレンタイン」は、3世紀頃にローマで殉
教したキリスト教徒の英語名、イタリア語では「ヴァレンティーノ」。当時の
皇帝は、兵士の戦意に影響があると考え若者の結婚を禁止。哀れに思ったバレ
ンタインは、ひそかに結婚させていたのが皇帝の知るところとなり処刑された
日が2月14日、殉教の日がバレンタインデー。チョコレートを贈る習慣は、
イギリスのチョコレート会社カドリバ社がギフト用のチョコレートボックスを
製造し広めたもの。日本では1970年頃より広まった。(言語由来辞典より
要約)
現代では贈る相手も多様化。これからどんな「○○チョコ」という言葉ができ
るのでしょうか。
★★建国記念の日★★
2月11日は、建国記念の日です。昭和24年(1967)2月11日から、
「建国をしのび、国を愛する心を養う日」として祝日に定められたものです。
しかし、建国記念の日は昭和生まれではなく、明治6年に紀元節として誕生し
ました。紀元節は、日本書紀に記されている、神武天皇が即位され、日本の国
が始まった日と定めた祝日でした。その根拠は、日本書紀第三巻・神武天皇の
項に、以下のようにあります。
「辛酉年春正月庚辰朔、天皇即帝位於橿原宮、是歳為天皇元年」
辛酉(かのとり)の年の庚辰(かのえたつ)朔(ついたち)、一月一日、
天皇は橿原宮にご即位になった。この日を天皇の元年とする。
これを根拠として、紀元節は誕生しました。しかし、昭和23年に、紀元節が
戦争の原因になった国家主義や軍国主義を象徴する祝日であったことや、日本
の誕生した日はいつであるか、歴史的な根拠が明白でないことなどから廃止さ
れ、その後、さまざまな論争が続き,紆余曲折を経て、やっと「の」の一字を
入れることで「建国記念の日」ができたわけです。
紀元節の根拠は日本書紀にあるとお話ししましたが、果たして正しいのでしょ
うか。暦のことなど研究したことのない方でも、秘密を解くポイントは、「辛
酉(年春正月)・庚辰・朔」にあるではと思われることでしょう。
暦学的に検証すると、その根拠は立証されているのですから驚きです。「年中
行事を科学する」(永田久 著 日本経済新聞社 刊 P54~65)には、
「辛酉・庚辰・朔」について、西暦紀元前660年は辛酉年、2月11日の干
支は庚辰、月齢はゼロであり、現在、建国記念の日となっている2月11日は、
「日本国は神武天皇の即位をもって建国とする」との日本書紀の記述と一致す
ることが証明されています。西暦紀元前660年といってもピンと来ないかも
しれませんが、弥生時代です。
この記述は記述として、実際の歴史という観点からはどうでしょう。
日本は、もっとも短く見積もっても二千年ぐらいまで遡ることができます。世
界で二番目に長い国はデンマークで一千数十年、次がイギリスで九百四十年余
り、アメリカ、フランスは二百年そこそこ、中国はたった六十四年。「四千年
の歴史」なんて大嘘ですからね(笑)。
(著者インタビュー 武田恒泰 著 「日本人はいつ日本が好きになったのか」
月刊雑誌 WiLL12月号(2013年)P144 ワックス出版社 刊)
なんと、世界最古の歴史を持つのが日本なんです。
驚きですね。
日本人が大切に守ってきた様々な文化を学び、子ども達にきちんと伝えていく
ことは、世界最古の歴史を持つ日本人としての役割ではないでしょうか。
★★2月に読んであげたい本(1)★★
鬼に関する話はたくさんあります。代表作は「桃太郎」「こぶとり爺さん」で
すが、これはお染みの話ですから紹介するのは遠慮しておきましょう。子ども
に聞かせる話ですから、恐怖感をあおるようなものはあまりありません。節分
ですから、やはり豆まきの話からにしましょう。
◆豆をいるわけ◆ 谷 真介 著
むかし、まだ鬼があちこちの山奥に住んでいた頃の話です。その年は、春から
日照り続きで、稲は枯れだしました。心配した庄屋さんが、「雨を降らしてく
れたら、一人娘のお福を嫁にやってもよい」と言ったその声を山奥の鬼が聞き、
大雨を降らせたのです。約束を迫られ嫁がせますが、その時、お母さんが知恵
を働かせます。「道に落としながら行きなさい」と菜の花の種を渡しました。
それを足元に落としながら、鬼に連れられて行くのでした。
翌年の春、菜の花は咲き、それを道標(みちしるべ)に娘は家に帰れたのです。
取り返しにきた鬼にお母さんは、「酒ばかり飲んでいる者にお福はやれぬ!」
と迫り、「もう、飲まん!」と約束をした鬼に、戸のすき間からいった豆を投
げ、「その豆を植えて花を咲かせてみろ。その花を持ってきたら、お福をやる
!」と言ったのです。何年も続けましたが、咲くわけがありません。鬼も次第
に豆を見るのが嫌になり、お福の家にも来なくなりました。この話を聞いた村
の人達は鬼が来ないように、いった豆を家の周りにまくようになったのです。
これが二月三日、節分の豆まきの始まりだそうです。
日づけのあるお話 365日
二月のむかし話 谷 真介 編著 金の星 刊
節分の豆まきは、「いった豆」がキーワードのようです。童話の名作「ヘンゼ
ルとグレーテル」の著者はグリム兄弟ですが、ドイツ人です。菜の花の種をま
く作戦と小石とパンのかけらを目印にした共通の作戦は、面白いではありませ
んか。世界中の童話や昔話を読んでいて、話の筋や仕掛け、舞台装置が、そっ
くりなものに出会うとうれしくなります。その話がほほ笑ましいとなおさらで
す。
イギリスの民話にも日本の昔話とそっくりなものがあります。「トム・テイッ
ト・トット」の翻訳ともいわれているそうです。日本の題名は「鬼六」といい
ますが、文句なく面白い話です。
◆鬼 六◆
むかし、ある所に、大きくて流れの速い河がありました。その河へ橋を架けて
ほしいと頼まれ、やってきた名人は、一目で難しい仕事とわかり頭を抱えます。
すると、河の中から大きな鬼の首だけが現われ、「橋を架けてあげるから、お
礼にあなたの目玉をくれないか!」
と言ったのです。困りはてていた大工さんは、約束をします。橋はできてほし
いが、できれば目玉をあげなくてはと、大工さんは一晩中、眠れません。
翌朝、行ってみると、何と立派な橋が架かっているではありませんか。喜んだ
大工さんですが、鬼との約束を思い出し、肩を落とします。そこへ鬼が顔を出
し「目玉をよこせ」と言う。どうしたものかと考えていると、「明日の朝まで
に私の名前を当てたら、目玉はいらないよ!」と言って、また沈んでしまった
のでした。大工さんに鬼の名前がわかるはずもありません。途方に暮れて歩い
ていると、山奥に入いりこんでしまい、引き返そうとしたその時に歌が聞こえ
てきたのです。木陰からのぞくと、鬼の子ども達が歌っていました。
♪オニロク オニロク オニロクさん
早く目玉をもってこい
大工の目玉をもってこい
橋のお礼をもってこい
オニロク オニロク オニロクさん♪
大工さんは、それを聞いてほっとし、笑みを浮かべるのでした。
翌朝、大工さんが河に行くと、顔を出した鬼は、名前のわかるはずがないと自
信満々です。
そこで大工さんは自信なさそうに、「河鬼!」、「橋鬼!」などと言って、鬼
を得意にさせておき、最後に大声で、「オニロクー!」と叫ぶと、鬼はブクブ
クと泡だけ残して消えてしまい、二度と姿を現しませんでした。
(子どものための世界のお話
福光えみ子 福知トシ 福井研介 大江多慈子 編 新福音社 刊)
それにしても、どうして鬼が人間の目玉を欲しがるのか、子どもに質問されそ
うですね。
世界中の民話や童話、昔話を読んでいると同じような話がたくさんあります。
ドイツには、この他に「こぶとりじいさん」とそっくりな話もあります。ノッ
クグラフトンの伝説「こぶとり」です。背中にこぶのあるラズモアという帽子
屋さんが、歌と踊りがたいへん上手だったので、また一緒に遊ぼうと、約束の
証拠に背中のこぶを預かるといって取られてしまいます。日本では相手は鬼で
したが、ドイツでは小人さんです。この話を聞いた歌も踊りも下手な、こぶの
ある青年が行くと、あまりにも下手なので、預かっていたこぶをもらってしま
うというところもそっくりです。グリムの作品にも「小人の贈り物」と題した
同じ話があります。
肌の色が、言葉が、生活習慣が、宗教が違っても、人間、考えることは皆、同
じなのだと思うとうれしくなりますね。
(次回は、「2月に読んであげたい本(2)」についてお話しましょう)
【本メールマガジンは、「私家版 情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話
情操豊かな子どもを育てるには 上・下 藤本 紀元 著」をもとに編集、
制作したものです】
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さわやかお受験のススメ<保護者編>第4章 節分と建国記念の日でしょう 如月
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「めぇでる教育研究所」発行
2024さわやかお受験のススメ<保護者編>
「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
豊かな心を培う賢い子どもの育て方
-第13号-
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第4章 節分と建国記念の日でしょう 如 月
物の本によると、如月(きさらぎ)のいわれは、二月は、まだ寒さが残り、衣
を更に重ね着する「衣更着」からとする説が一般的で、よく知られています。
また、草木の芽が張り出す月「草木張月」が転化したものや、旧暦二月には、
つばめがやって来るので「来更来」とする説もあるそうです。
★★節分って……?★★
文字通り「節」を「分ける」ことで、「節」とは季節、四季のことですから、
季節の移り変わるときという意味です。
昔は月が地球を一周する時間をもとに作った暦、太陰暦を使っていました。今
は地球が太陽の周りを一回りする時間を一年とする暦、太陽暦です。その陰暦
で季節の区分、その変わり目を示す日を「節季」といい、立春から大寒まで二
十四あったので「二十四節気」といったのです。その中で、立春、立夏、立秋、
立冬は、それぞれ季節の移り変わるときを表した言葉で、季節がジワッと伝わ
ってくるような気がしますが、なかなか実感できません。立夏は5月6日頃、
立秋は8月8日頃、立冬は11月7日頃ですから、実態から1ヶ月程早く、実
感できないのも当然なのです。
この立春、立夏、立秋、立冬の前の日を「節分」といいます。
節分は、明日から季節が変わる前夜祭にあたります。2月の節分は、旧暦では
大晦日になります。数え年の場合、年が明ければ1つ年を取るため、豆も1つ
多く食べるということなのです。
それにしても、立春の前の日の節分だけが有名になりました。
★★なぜ、節分に豆をまくのですか★★
いろいろな説があります。
むかし、源義経が牛若丸時代に天狗を相手に腕を磨いたといわれた鞍馬山の奥
深くに、人々を苦しめる悪い鬼が住んでいました。ある時のこと、困っている
人々を救ってあげようと、戦いの神さま、毘沙門天(びしゃもんてん)が現わ
れ、七賢人を呼び、三石三斗の大豆で、鬼の目を打てと命令したのです。鬼は
悪魔と思われていましたから、その悪魔の目を打つことから「魔目」、すなわ
ち「豆」となったそうです。
また、「魔」を「やっつける、滅ぼす」ことから、「魔滅(まめ)」に通じる
からだという話もあります。
ところで、「魔」という字は、鬼が麻の布を被り隠れていますね。漢字はよく
工夫されていて、成り立ちや字義を調べると面白いことがわかり、楽しいもの
です。
★★なぜ、豆を煎るのですか★★
地方によって、いろいろな説がありますが、これから紹介する話と同じような
民話が、大分県の由布岳北麓にある塚原地方にもあり、石段ではなく塚を作る
約束で、面白いことに、その塚が60個あまり残っているそうです。
(注 塚…一里塚など土を高く盛って距離を表す標識)
むかし佐渡島に、人民に害を与える鬼が住んでいた。神様が鬼退治にやってき
て鬼と賭けをした。「今夜のうちに金山に百段の石段を作ることができれば鬼
の勝ちにしよう」。鬼は夜更けのうちに九十九段まで石段を築いてしまったの
で、神様は一計を案じて鶏の鳴き真似をすると、鶏は一斉に「東天紅」と声を
はりあげた。鬼は朝になったと思い神様に降参したが、百段にもう一歩のとこ
ろで負けたことを悔しがって「豆の芽の出る頃にまた来るぞ」といって退散し
た。神様は豆の芽が出ないように人民に豆をいることを命じた。
[年中行事を『科学』する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P35]
この話をお子さんにするときには気を付けてください。
「何で鶏が『東天紅』って鳴くの?」と聞かれるでしょう。
お子さんがわかるように説明してあげましょう。一緒に調べても良いですね。
★★なぜ、玄関に鰯の頭を刺した柊を飾ったのですか★★
豆まきをしない家が増えているようですから、柊や鰯の頭となると、「…!?」
変な目で見られるかもしれませんね。これもしめ縄と同じで、鬼や悪魔が入ら
ないようにした「おまじない」です。
鰯は、冬にたくさん獲れる魚です。昔、女と子どもを食べるカグハナという鬼
は、鰯を焼く煙がきらいで、他の鬼達も生の鰯の頭はくさいですから、いやが
ったそうです。
柊は、葉にとげがあり、触ると痛くて、ずきずきと痛みます。ズキズキと痛む
ことを「うずく」といいますが、この「うずく」ことを別の言い方で「ひいら
ぐ」といい、それで「柊」と呼ばれるようになったそうです。
また、柊のことを別名「鬼の目突き」といって、そのとげが鬼の目を刺すと信
じられ、玄関に飾る習慣は今でも残っています。
葉のとげで鬼の目を突く恐ろしい木のようですが、花を見ると印象が変わりま
す。とげのある葉の付け根に、匂いのよいかわいい白い小花が咲くからです。
ところで、鬼の嫌いなものは、鰯の臭いと柊とお日さまです。ドラキュラの嫌
いなものは、十字架とお日さまとにんにくです。お日さまと臭いの共通点はあ
りますが、宗教の出ないところが、神さまと仏さまが同居している日本的です
ね。
★★鬼のルーツは…?★★
陰陽五行説、聞きなれない言葉ですが、この古代中国の世界観の一つが鬼と深
い関係があります。
宇宙の万物を作り支配する二つの相反する性質をもつ気、陰と陽のことで、積
極的なものを陽、消極的なものを陰としたものだそうです。例えば、日、春、
奇数などは陽、月、秋、偶数などは陰と考えられていました。奇数が縁起のい
い数というのも、起源は陰陽五行説なのです。
節分の夜、新しい春を迎えるために、家の隅々から鬼を追い出すが、鬼とはも
ともと冬の寒気であり、疫病であった。すなわち「人に災いをもたらす、目に
見えない隠れたもの」が鬼であり「隠(おに)」と呼ばれていたのである。
(「年中行事を科学する」 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P51)
「鬼」は目に見えないもの「「隠(おぬ)」が転じたもので、陰陽五行説の考
えから、今の鬼が定着しました。
ところで、なぜ鬼は、二本の角が生え、鋭い牙を持ち、虎の皮のパンツをはい
ているのでしょうか。陰陽五行説によると、北東方面を「鬼門」と呼び、忌み
嫌われる方角を表す言葉で、恐ろしい鬼は、北東の方角にいると考えられてい
ました。正月に紹介しました十二支では、北東は「丑寅」の方角にあたります。
「丑寅」は牛と虎のことですから、鬼は牛と虎のイメージを持たされ、絵本な
どで見る鬼は、牛のような角と虎のような鋭い牙を持たされ、虎の皮のパンツ
をはいている姿になったわけです。
鬼門は忌み嫌われる方角ですから、京都の北東にあたる比叡山延暦寺は、当時
の都であった平安京を守るための「鬼門ふさぎ」として建てられたのでした。
ちなみに、江戸城から鬼門にあたる上野には、徳川家の菩提寺である寛永寺が
あり、山号を東叡山といい、天下国家の平安を祈り務めるために建立されたも
のです。毎度のことですが、何事も訳ありなんですね。
この鬼を寄せ付けないために豆や鰯、柊を用いたのは、「追儺(ついな)」と
いう7世紀頃に中国から伝わったといわれている鬼を祓う宮中行事が、近世に
なって民間化されたらしく、疫病神や貧乏神のたぐいを祓うのが目的になった。
そのような意味なら現代にも鬼は存在している。鳥インフルエンザとか世界的
な不況など立派な鬼である。
(2009年2月2日 東京新聞夕刊・文化欄「鬼は外」 司 修 著)
ところで、食べられた方も多いかと思いますが、節分に巻き寿司を食べる習慣
は、「福を巻き込む」「縁を切らない」などの意味があり、恵方に向かい、黙
って丸かじりするもので、主に関西で行われていましたが、最近で全国で行わ
れています。
恵方とは、「陰陽道に基づいて決められた縁起のよい方向」で、実は四方向し
かなく、西暦の下一桁で方向が分かります。そして、恵方巻として定着してい
る巻き寿司の中身は、もともとは七福神にあやかろうと、穴子、かんぴょう、
きゅうり、椎茸、玉子、おぼろ、高野豆腐など7種類の具を巻きました。包丁
で切らず、福を丸ごとかじって食べるのが定法で、江戸時代に行われていた大
阪の伝統習俗を復活させたものです。
最後に、豆まきの口上は「福は内、鬼は外」が定番ですが、そう言わない所も
あります。台東区にある「恐れ入谷の鬼子母神」(「おそれいりました」を冗
談めかし、しゃれて言う言葉)でおなじみの仏立山真源寺では、「福は内、悪
魔は外」と言いますが、これは人間の子どもを食べてしまう鬼神、鬼子母神を、
お釈迦さまが鬼神の子を隠し、子ども失う悲しみを諭されて仏教に帰依し、子
どもの守り神になった由来によるもので、成田山新勝寺では「福は内」だけで
すが、お祀りするご本尊は不動明王ですから、鬼も改心するとされているから
だそうです。また、群馬県藤岡市鬼石地域では、地名の通り鬼は守り神ですか
ら、「福は内、鬼は内」と言い、全国から追い出された鬼を歓迎する「鬼恋節
分」を開催しているそうですが、皆さんの住む町はいかがでしょうか。
(生活情報サイトAll About より)
ところで、「鬼のパンツ」の歌、聞いたことがありますか。この歌は、イタリ
アのヴェスヴィオ火山の山頂まで行く登山電車のコマーシャルソング、『フニ
クリ・フニクラ』のメロデイーを使った替え歌なんです。なお、作詞者は不明
だそうです。
鬼のパンツは いいパンツ 強いぞ 強いぞ
虎の毛皮で できている 強いぞ 強いぞ
5年はいても 破れない 強いぞ 強いぞ
10年はいても 破れない 強いぞ 強いぞ
はこう はこう 鬼のパンツ はこう はこう 鬼のパンツ
あなたも あなたも あなたも あなたも みんなではこう鬼のパンツ
(世界の民謡・童話 worldfolksong.comより)
(次回は、「建国記念の日と2月に読んであげたい本(1)」についてお話し
ましょう。)
【本メールマガジンは、「私家版 情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話
情操豊かな子どもを育てるには 上・下 藤本 紀元 著」をもとに編集、
制作したものです】
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