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めぇでるコラム : 2023小学校受験 5ページ目

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★(1)巧緻性に関する問題

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         「めぇでる教育研究所」発行
「2023さわやかお受験のススメ<小学校受験編>」
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2023年度入試(2022年秋に実施)を成功に導く手引きです。
          ★第27号★
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あけましておめでとうございます。
今年もご愛読のほどよろしくお願い致します。
志望校から招待状が頂けるよう、頑張りましょう。応援します。
 
さて、お正月には門松と鏡餅を飾りますが、その門松と鏡餅には、文句なしに、
すごい秘密が隠されているのです。植物界は、顕花植物と隠花植物から成り立
っていますが、その代表が勢揃いして、正月を迎えているのです。門松は、花
を咲かせ種を作る顕花植物から松、竹、梅が、鏡餅の下には、花を咲かせず胞
子で増える顕花植物から裏白が選ばれています。
昔から受け継がれているものには、やはり意味ありでした。
(メールマガジン「さわやかお受験のススメ 保護者編」より要約)
 
 
★★入試問題を分析する★★
 
(1)巧緻性に関する問題
 
聞き慣れない言葉です。
「きめこまかく上手にできていること」という意味ですが、11月に詳しくお
話しました「手は第二の脳」(11号から14号)を思い出してください。重複
するところもありますが、大切な問題ですから繰り返します。巧緻性に関して
は、「塗る・折る・切る・貼る・結ぶ・摘む・包む」といった手作業、何かを
作ったり、絵を描いたり、手本と同じものを描いたりする問題があります。な
ぜ、出題されるのでしょうか。手作業は、誰の手も借りずに、指示されたこと
ができるかどうかで、自立の状態がわかるからです。
 
 
[制 作]
 
課題制作と自由制作があります。
 
◆課題制作
★「今から、動物の起き上がりこぼしを作ります。
 このように、画用紙を半分に折り、折り目のところが背中になるように動
 物を描きます。描けたら動物を、このように切り抜きます。そして、別の
 紙を筒のようにまるめ、それに動物をホチキスで止めます。最後に、セロ
 テープで粘土を筒の中に貼り、出来上がりです。」
 
先生が、やっているのを見てから制作に取り組みます。
 
◆自由制作
★(空き箱、画用紙、色紙、折り紙、セロハン、リボン、ひも、モール、輪
 ゴムなどの材料や、はさみ、のり、ホチキス、クレヨンなどが置かれてい
 ます。)
 「ここにあるものを自由に使って、自分の好きなものを作りなさい。」
 
まず、注意しておきましょう。
子どもたちの大好きな制作ですから張り切りますが、先生の説明中に手を出す
子がいます。待てないのです。きちんと聞いておかなければ、手順がわかりま
せんから、途中でギブアップすることになりかねません。
普段の生活態度が、そのまま正直に出がちです。お子さんに何かを頼んだとき
など、最後まできちんと聞いているでしょうか。聞いていれば心配ありません
が、何といっても「話を聞き、指示どおりに行動できるか」がポイントだから
です。
幼稚園は自由保育ですが、小学校は一斉授業ですから自分勝手にやるわけには
いきません。
しかも試験ですから、規則違反にチェックが入ります。
 
なお、制作を苦手とするお子さんの場合は、もう一度、「鍛えてほしい第二の
脳」をお読みになり、早いうちに対処しておきましょう。基本作業は、幼児教
室の先生にお任せではなく、家庭できちんと身につけるものです。これをおざ
なりにしていると、制作に興味をもてなくなりがちで、行動観察型のテストが
苦手になることを、しっかりと胸に刻んでおきましょう。
 
 
 
[模 写]
 
★お手本と同じように描きましょう。
 
模写は、文字通り、お手本と同じものをまねて写すことです。
点図形と線や図形の模写があります。点図形は、対称図形が多く、見た目もき
れいですから面白そうですね。簡単なものも手抜きをせず、きちんと線を引く
ことが大切です。
しかも、大人が考えるより難しい作業です。どこから始めたらよいのか迷って
しまうものや、必ずしも点と点を結ぶとは限らず、点と点の間を抜けていくの
もあります。これは、納得するのに時間がかかります。
「点と点を結ぶのに、何で抜かすのですか? そんなのずるいですよ!」
と不満に思っている子がいますが、こだわるから仕掛けに気づいて間違わない
わけです。
そして、この問題も根気がいります。どこがどうなっているのか、試行錯誤を
積み重ねた方が、後で効果が表れます。観察力と集中力、そして持久力や忍耐
力も身につきます。さらに、全体のバランス感覚を養うのにも役立ちます。な
ぜなら、隅から隅まで、全体をきちんと見なければならないからです。それが
絵を描くときにも生きてきます。
 
模写の問題で見逃せないのは、性格まで姿を表すことでしょう。
点と点をつなぐ直線がよじれたり、脱線をしたり、通過すべき点を無視する子
は、何をやっても雑なところがありますね。スピードを競っているようですが、
描けていればいいのではありません。完成度から美醜の感覚、基本的な生活習
慣、しつけ、育児の姿勢まで判定することも可能です。最初が、肝心です。ゆ
っくりと丁寧に、時間をかけて、美しく描くことが基本です。そして、忘れが
ちなことですが、姿勢が悪ければ描く線も乱れます。背筋をきちんと伸ばし、
左手でペーパーをしっかりと押さえ、筆記用具をきちんと持って描く習慣を身
につけましょう。
 
<線の模写>
はじめに、点線などで手本が示されていますから、それを指でなぞり、どのよ
うにすればスムーズに描けるか、必ず確かめましょう。
指で何回もなぞり、脳に一筆で描ける感覚をしっかりと学習させることが大切
です。
三角形が連続する鮫の歯のような直線や、半円が上下に反転しながら連続する
もの、曲線では、筆記体のアルファベットの小文字「エル」の連続したものも
あり、上下が逆になると、ぶどうの房のように見えますが、「エル」は下から
上に左回りで描きますから、それに従い連続して描き、上からの場合は、上か
ら下へ右回り、時計回りで描きます。房の長さや間隔が乱れないように注意を
促しましょう。
しかし、いずれも難しい作業でなかなかうまく描けませんから、根気よく取り
組むことが大切です。
 
<図形の模写>
これは、難しいですね。
線の模写と違い、四角、三角、円、菱形、ハートなどさまざまな図形が、いろ
いろな組み合わせで出題されますから、それを描く子どもたちには、至難の業
だと思います。やってみるとわかりますが、全体の配置状態、バランスをつか
むことは容易ではありません。
 
以前にもお話しましたが、図形の○△□は、書写、運筆の基礎トレーニングで
すから、正確に描けるようにすることが大切です。
○は、下から時計まわりで描きます。上から左回りに描くのは数字のゼロです。
△は、頂点から左斜め下へ、そこから頂点に戻って右斜め下へ、最後に左から
右へ底辺を描きます。
左斜め下から、いきなり右方向へ底辺を描き、今度は左斜め上の頂点を目指し
て描くのは、大人の使う簡略法で、子どもにとっては書写違反です。
□は、漢字の国がまえと同じです。
左から下におりて、そのまま戻らずに、左回りで一周する子がいますが、これ
も書写違反になります。
文字には筆順がありますから、こういった図形をきちんと描ける子は、きれい
な字を書けるようになります。
 
基本的なトレーニングとしてお勧めしたいのは、例えば、大きな○を描き、そ
の中に、それより小さな形をどんどん描くことです。□△◇も同じようにやっ
てみましょう。前のものより小さく描き、その微妙な差を脳に教えることがで
きるからです。線の模写と同様、難しいですから、お子さんはうまく描けずに
嫌がると思います。あせらず、じっくりと時間をかけ、丁寧に描けるように導
いてあげましょう。
 
ところで、頼りない線を引く子がいますが、多くの場合、鉛筆を正しく持てて
いないからで、おそらく、はしの持ち方もおかしいのではないでしょうか。こ
れを解決してから挑戦しましょう。ただし、はしの持ち方は、食事の時にうる
さく言わないことです。朝、昼、晩と三度、同じことを言われていては、気が
滅入りますから、以下のようなトレーニングがいいのではないでしょうか。
Bか2Bの鉛筆で、直線や円などを殴り描きさせると効果が表れるものです。
これは、スピードを上げてもかまいません。なぜなら、速く描くには、鉛筆を
しっかりと持たねばなりませんし、どの辺を持てばよいかもわかるからです。
力み過ぎは、手首を疲れさせるだけですが、力配分やバランスも、やっている
うちにわかってきます。
三角軸の鉛筆を使うのもいいですね。
そして、ボール遊び、縄跳び、鉄棒など両手を使う運動をやることで握力をつ
けましょう。
机の上だけではないトレーニングにも、目を向けてください。はしの持ち方に
も変化が出てくるはずです。
 
 
[はしを使った問題]
 
★(角砂糖ぐらいの大きさのプラスチックの立方体が、たくさんお椀の
 中にあり、はしと空のお椀が用意されている)
 「お椀の中のものを、別のお椀にはしを使って、一つずつ移してくだ
 さい。」
 
「摘む」手作業の試験です。豆の他に、はしでスーパーボールや玩具のミニチ
ュアの果物、落花生、金平糖をつかむ問題が出ています。
 
豆を買ってきて、割りばしを使い、懸命に練習をする話を聞きますが、何かお
かしな気がします。これは、試験のために練習をして身につけるものでしょう
か。体や筋肉の運動的な発達に関わることですし、基本的な生活習慣の大切な
課題ですから、しつけと関係があります。一応の目安として、3歳ぐらいから
はしを使えるようになり、5歳頃には、巧みに使えるようになるといわれてい
ます。生活習慣とは、「誰の手も借りずに自力で生活していくために身につけ
るもの」であることを忘れては、受験準備どころではないのではと思います。
 
第14号で紹介しました、立教女学院小学校の説明会での話を思い出してくだ
さい。当時の教頭先生は、こうおっしゃっていました。
 
「鉛筆の持ち方やはしの持ち方は、一度悪い癖がつくと直しにくいので、家庭
で正しい持ち方、使い方を身につけさせてほしい。あえてこの場で申し上げま
すが、今年度もテストの中ではしを使う場面がございましたら、はしで物を運
ぶ速さを競っているのではなく、正しいはしの持ち方ができているかを見てい
ることをご理解いただきたい。テストの主旨はそこにあります。日本の文化で
もあるはしの使い方を、きちんと身につけてほしいと考えています」
 
幼稚園児が、ペーパーテストに強くても、正しくはしを持ち食事のできない方
が、よほど恐い話です。「九九、八十一!」とそらんじている子が、お母さん
に靴をはくのを手伝ってもらっているようでは、やはり、おかしいですね。練
習しなければ、うまくはけないのは当たり前です。それを手伝うのですから、
脳から司令は出ませんし、筋肉も反応しません。手をかけた分、脳も筋肉も楽
をしているのですから、不器用になるわけです。手を貸し過ぎていることはあ
りませんか。モンテッソーリの「敏感期」ではありませんが、幼児期には、こ
れから使う筋肉を鍛えなければならない大切な時期があります。赤ちゃんは、
なぜ、はいはいをするのか思い出してください。
 
ある私立の名門校では、鉛筆を削るのに「肥後守」(ひごのかみ)を使ってい
る話を聞きました。「肥後守」とは、刃を収めるさやに「肥後守」と銘のある
折り畳み式の小刀(こがたな)のことです。鉛筆削り器が出る前は、小刀で鉛
筆を削るということは、誰もが練習をし、身につける、当たり前のことでした。
しかし、全神経を手先に集中しなければ、けがをしかねない大変な作業です。
危険を伴う作業は、大げさにいえば、幼いなりに危機管理が必要であることを
学習していたのではないかと思います。使い方を誤れば凶器になることを教え
ずに、ただむやみに禁止するのは、教育的な配慮に欠けますが、こういったこ
とはお父さん方が使って見せることもいいのではないでしょうか。
 
脱線しましたが、その他に、折り紙を折ったり、はさみで線や線と線の間を切
らせたり、ひもを結ばせたり、積み木をハンカチで包ませる問題もあります。
ひも結びやハンカチでものを包むのも苦手ですね、特に、男の子は。やったこ
とがないからできないのだと思います。普段、お母さん方も風呂敷で物を包む
ことなど、ほとんどないでしょう。お弁当をハンカチで包むようにすれば、解
決できます。第二の脳を活用すれば知力も向上しますから、一石二鳥にもなり
ます。
 
巧緻性の問題には、お子さんの生活環境までわかる要素も含まれています。乱
暴な線や心細い線を引くような場合、その原因は、日常生活の中で、いろいろ
な形でサインが出ていると思います。口うるさく注意する前に、どのようなサ
インが出ているかチェックしてみましょう。
 
   (次回は、「言語の問題」についてお話しましょう)

 


さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★[一]入学試験の出題範囲

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         「めぇでる教育研究所」発行
「2023さわやかお受験のススメ<小学校受験編>」
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2023年度入試(2022年秋に実施)を成功に導く手引きです。
          ★第26号★
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メリークリスマス。
お子さんにサンタさんからの素敵なプレゼントは届いたでしょうか。
 
 
★★入試問題を分析する★★
 
[一]入学試験の出題範囲
 
テストの形式は、わかりましたから、今回は問題の内容を紹介しましょう。そ
の前に、4歳や5歳児の心や身体は、どの程度、発達するのでしょうか。これ
は平成4年に改訂された「幼稚園指導要領」の解説に添付されていた資料で、
昭和23年3月に文部省から出された保育要領(幼児教育の手引き)の中で紹
介されたものです。
身体の成長は、現代っ子の方がまさっていますが、運動や知的能力、情緒の発
達や社会性などの発達の内容は、現代でも通用する幼児教育のバイブルともい
われているそうです。
こういった資料を見ると、学校側のねらいは、どの辺にあるか理解できると思
います。
 
★身体の運動的発達★
  [4 歳 児]
   1 スキップができる。
   2 片足立ちをしようとする。(少しの間ならできる)
   3 走り幅跳び、立ち幅跳びができる。
   4 ボールをじょうずに投げられる。 
   5 はさみで形の切り抜きができる。
   6 ひもを結ぶことができる。(固結び)
 
  [5 歳 児]
   1 片足立ちができる。
   2 小さい物を巧みに扱える。
   3 三角形を模写する。
   4 はしを巧みに使う。
 
★知的能力の発達★
  [4 歳 児]
   1 13まで正しく数える。
   2 重さの比較ができる。
   3 3つの数字の復唱ができる。
   4 3つの命令を正しく実行する。
   5 語彙数の増加が著しい。
   6 発音が正しくなり、赤ちゃんことばがなくなる。
   7 非常によく質問する。
   8 簡単な課題を解決する。
 
  [5 歳 児]
   1 求知心が強くなる。
   2 想像と現実との区別が十分につかないところが間々ある。
   3 1つのことを始める前に一定の計画を持っている。
   4 用途によって物の定義をする。
   5 手の指の数が正しく言える。
   6 右と左の区別ができる。
   7 成人との話が自由にできる。
   8 いろいろな貨幣の名前をいえる。
   9 昨日、今日、明日の区別ができる。
  10 具体的推理ができる。
 
運動テストやペーパーテストの内容を見ると、身体や知的な能力の発達を考慮
して、入学試験は行われていることがよくわかります。こういう標準的な発達
から逸脱しないばかりか、さらに生まれた月の差を考慮して試験を実施すると
発表している小学校もありますが、このデータを見ているとうなずけます。何
といっても、受験生は幼児だからです。
 
★情緒的発達★
  [4 歳 児]
   1 3歳児と同じようなことで泣きやすいが、だいぶ自制できるように
     なる。
   2 理由のない恐怖心(たとえば、暗やみに対する)が多い。
   3 かんしゃくは、ほとんど起こさなくなる。
   4 怒ったときの表情が次第に抑制されるようになってくる。
   5 小さい子供を可愛がることを喜ぶようになる。
   6 反抗期が終わり、大人の権威や命令に従うようになる。
 
  [5 歳 児]
   1 泣くことが非常に少なくなる。
   2 恐怖心が、やや 少なくなるのが普通である。
   3 怒り、かんしゃくは、ほとんど抑制される。
   4 感情や情緒は分化して、大人に見られる大部分の情緒が現われる。
    (例 はにかみ、恐れ、心配、怒り、しっと、うらやみ、失望、不快、
     いみきらい、親への愛情、小さい者への愛情、のぞみ、喜び、快い等) 
 
★社会的発達★
  [4 歳 児]
   1 自分で着物を着たり脱いだりする。
   2 排便のことは全部自分でできる。
   3 歯をみがく。
   4 顔を洗う。
   5 多人数の中にある自分というものを意識しはじめる。
   6 他の子供たちと協同的に遊びはじめるが、2人か3人グループが多い。
   7 簡単な遊戯の規則を守ることができる。
   8 ごっこ遊びが、最も盛んである。
 
  [5 歳 児]
   1 独立的で自信を持ち、従順になるので物事をまかせられる。
   2 小さい者をいたわる。
   3 自分の周囲の社会生活を遊びに取り入れる。
   4 2人ないし5人ぐらいのグループで協同的に遊べる。
   5 友達と遊ぶことを好む。
   6 自己主張をし、他人への依頼感を持ち社会的協同性を持つようになる。
 
いかがでしょうか。
親の手を借りずにできることが増え、一人の人間として、集団生活を送るため
に必要な能力の培われていく時期であることが、よくわかると思います。3歳
頃から始まっていた、親のもとを離れる準備が、完了する時期といえます。就
学前とは、小学校生活を送るにふさわしい能力を身につけ、自分の力で大地に
しっかりと足を踏張り、自力で立つ時です。
 
こんな大切な時に、過保護や過干渉な育児になり、さらに、知的な能力だけを
訓練して鍛えるのは、決して幼児にふさわしい受験準備ではありません。基本
的な生活習慣やあいさつなどをきちんと身につけさせ、子どもの感性に刺激を
与え、好奇心を引き出し、学習に意欲的に取り組める環境を作ってあげるのが、
幼児期にふさわしい受験準備であり、こういった意識を持つことが、小学校の
受験に取り組むご両親の、大切な心構えではないでしょうか。
 
よく練り上げられたカリキュラムをもとにした適切な指導は、決して過激で猛
烈な受験勉強ではなく、子どもたちが楽しく学習しながら、合格への道を歩む
パスポートであるはずなのです。お子さんは、教室へ行くことを楽しみにして
いますか。楽しみに通っているのであれば、心配ないでしょう。
 
「受験戦争の低年齢化!」「猛烈な準備に耐え、突破した子だけが合格する!」
などと言われることもあるようですが、これも怪情報、うわさの一つです。
お子さんが楽しんでいないようであれば、普段の生活を見直してみましょう。
ちなみに小学校受験は「お受験」とも言われますが、この言葉は1980年代
後半から起きたバブル経済全盛期の頃にできた言葉です。
 
東京にある私立小学校は54校。
 
2011年3月11日に起きた東日本大震災後、「安全な通学」も学校選びに
欠かせない条件になり、学校側も説明会で自然災害対策の話をするようになり
ました。
 
そして、倍率の高い学校は、依然として入学の条件は厳しく、それなりの準備
は必要です。
 
しかし、先程紹介したようなうわさを信じて準備を始めると、親子で受験地獄
に陥ることになりかねません。そのようなことを避けるために、入学試験では、
どのような問題をやっているのかを紹介していくことにしましょう。すると、
いろいろな形で出題されているさまざまな領域の問題は、幼児の日常生活と深
いかかわりのあることがわかるからです。
 
 
 (次回は、「合否を判定する必須十項目」についてお話しましょう)
 

 


さわやかお受験のススメ<小学校受験編>よく聞かれる質問にお答えします。

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         「めぇでる教育研究所」発行
「2023さわやかお受験のススメ<小学校受験編>」
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2023年度入試(2022年秋に実施)を成功に導く手引きです。
          ★第25号★
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よく聞かれる質問にお答えします。
 
 
その前に。
来週はクリスマスを迎えます。いつもであれば、街にはジングルベルのメロデ
ィが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られます。
 
この赤、緑、白の3色についてもいろいろ訳ありなんですね。
 
赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永遠の命
を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、アダム
が楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命の木。
ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツレヘム
の星」といわれていますが、どの星かは不明です。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種です。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではありません。
聖書の中でも、誕生日は特定していません。ご存知でしたか。
 
 
今回は、読者の皆さまからよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のス
スメ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。
 
Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」
A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
 状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
 幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
 赤ちゃん時代を思い出してください。
 例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、
 はいはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩
 けるようになったはずです。
 幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことによ
 り習い学ぶ、体験学習が必要です。
 中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにある
 といえます。
 勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
 幼児は、体験していないことは理解できません。
 ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせら
 れているからではないでしょうか。
 泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚
 えている、中枢神経系に属しているからだそうです。
 教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。
 
 『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」
 
 
Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」
A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
 ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め出ていますが、設
 問はどこにも書かれていません。
 中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できな
 い相談です。
 文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応
 しなければならないのです。
 行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に対応しな
 ければ、得点になりません。
 幼稚園の先生にいわれるまでもなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
 まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
 話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
 そこから、お子さんは『話はきちんと聞くものだ』ということを学習してい
 るのです。
 そして、本をたくさん読んであげましょう。
 好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
 『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回言っても改まらないで
 しょう。
 
 話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を
 持っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだから
 です。」
 
 
Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」
A「そんなことはありません。
 お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
 読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰
 り返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成
 長するように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
 完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
 一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでし
 ょうか。
 お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
 また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』というこ
 と はないでしょうか。
 一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっ
 きりさせたくて『読んでください』と来るわけです。
 これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、読解力が養われ、物
 語を記憶することで表現力もついてきます。
 話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切な
 ことですから、根気よく読んであげましょう。
 文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なく
 なりますから。」
 
 
Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」
A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
 先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想を言えない
 のは、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
 何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
 そこまで待ってあげましょう。
 ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』と
 いった話かけは、するべきではありません。
 また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白
 かった本を読んであげることがあるようです。
 それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないで
 しょうか。
 そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
 まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
 2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
 ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学
 んだのですよ』と、お母さん自身の感想を言うのは、いいのではないでしょ
 うか。
 『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」
 
 
Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」
A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
 語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
 昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住
 んでいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、
 どのように』と、いわゆる[5W1H]の形式で展開しますから、わかりや
 すく構成されています。
 そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめ
 られます。
 5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表
 れてきます。
 それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には
 涙ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考
 えられます。
 
 ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した
 様々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性とい
 った集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎
 となっているからではないでしょうか。
 
 ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
 『さるかに合戦』『かちかち山』です。皆さん方はお子さんに、この5つの
 昔話のあらすじを話すことができるでしょうか」
 
 蛇足ですが、暁星小学校の[鍛える教育]について、佐藤正吉前校長は説明会
 で、目標は日本昔物語のキャラクターでもある『気は優しくて力持ち』とお
 っしゃっていました。なお、佐藤前校長は、幼稚園の園長を経て、2019
 年3月に退職されました。
 
 
Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
 ないでしょうか」
A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
 興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
 お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のス
 テップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
 選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
 『何よ、こんなやさしい本を!』と言ってしまうと、お子さんの自尊心は傷
 つき、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
 いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自
 力でレベルをあげていくものです。
 お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解で
 きなければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的
 には本の嫌いな子になりかねません。
 
 ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアッ
 プにつながるのです。3月生まれお子さんの場合、4月生まれのお子さんと
 1年近くの差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
 他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思
 います。」
 
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)
 

 


さわやかお受験のススメ<小学校受験編>■■[2]5つの試験形式■■(5) 面接テスト

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         「めぇでる教育研究所」発行
「2023さわやかお受験のススメ<小学校受験編>」
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2023年度入試(2022年秋に実施)を成功に導く手引きです。
          ★第24号★
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■■[2]5つの試験形式■■ 
(5) 面接テスト  
 
最後は、面接テストです。
ほとんどの学校は親子面接ですが、青山学院初等部、立教小学校、学習院初等
科、成蹊小学校のようにお子様の面接のない両親面接のところもあります。
面接は、どの学校でも多くの場合、考査前に行われていますが、国府台女子学
院小学部のように考査後に、学習院初等科、成蹊小学校、日出学園小学校のよ
うにお子さんの考査当日に、暁星小学校、早稲田実業学校初等部のように一次
試験合格者のみに行う学校もあります。
 
少し古くなりますが、雙葉小学校は母子面接でしたが、平成20年から父親も
参加する親子面接になりました。これでお母さん一人が苦労しなくてよくなり
ました。
また、両親面接であった暁星小学校は、平成25年から親子面接になりました
が、試験間近の9月の説明会で公表しただけに、周りの父母の皆さん方から、
「エッ!」といった驚きの声も聞こえ、直前講習に面接の講座を設けた教室も
あったようです(令和3年度、4年度入試はコロナウィルス感染症の影響もあ
ってか両親面接と作文に変更になりました)。
両親面接の学校は、形式に変更がないか、ホームページに目を通しておきまし
ょう。
 
小学校側が面接をする目的は、ご両親が考え、実行している育児の方針と小学
校の教育方針に、共通認識があるか、限りなく同じ方向に近づいているかどう
かを知ることです。
 
まず、大雑把に分けて説明しましょう。
 
「私どもは、共学で、宗教色のない小学校を希望します」
の場合は、慶應義塾幼稚舎、学習院初等科、成城学園初等学校、成蹊小学校、
早稲田実業学校初等部、昭和学院小学校、日出学園小学校、千葉日本大学第一
小学校、聖徳大学附属小学校などがあります。
 
「共学で、宗教教育を行っている学校が、いいですね」
となると、ミッション系の青山学院初等部、玉川学園小学部、聖学院小学校、
仏教の淑徳小学校などでしょう。
 
「男子だけの学校を考えています」
となれば、立教小学校か暁星小学校です。
 
「女の子で一人っ子ですから、女子だけの宗教教育をやっている学校が、合っ
ていると思います」ということであれば、たくさんあります。
ミッション系では、雙葉小学校、田園調布雙葉小学校、横浜雙葉小学校、白百
合学園小学校、湘南白百合学園小学校、聖心女子学院初等科、東洋英和女学院
小学部、立教女学院小学校、光塩女子学院初等科、仏教系では国府台女子学院
小学部、この辺で勘弁してください。
 
「女の子だけの学校で宗教教育をおこなっていない学校を希望します」
の場合は、日本女子大学附属豊明小学校、東京女学館小学校、川村小学校でし
ょう。
東京女学館大学は、残念ながら2017年の11月16日をもって閉校、高校
までになりました。
 
「私どもの子は、一人っ子ですから、受験で苦労させたくないのですが」
となると、大学まである小学校を選ぶことになります。この発想は、あまり歓
迎できませんが、過保護にならないことを祈っています。
 
「それがいやなんですよ。生きることは競争です。社会人になる前に、自分の
能力を確かめられる受験を体験させておきたいのです!」
となれば、高校まである小学校を選べばいいですね。暁星小学校、日出学園小
学校、昭和学院小学校(短大まであります)、桐朋小学校、桐朋学園小学校、
森村学園初等部でしょう。桐朋は、小学校は共学ですが、中学から国立にある
桐朋中学校は男子校に、調布市仙川にある桐朋女子中学校は女子校と別学にな
ります。
 
国立市にある国立学園小学校は、幼稚園と小学校だけの特殊な学園です。
 
こういった、大雑把な希望から方向を定めて、それから、それぞれの小学校の
教育方針と我が家の育児の方針が、合っているかどうかを検討するわけです。
       
幼稚舎の教育方針がわかりやすいので、紹介しておきましょう。作文も面接も
なくなりましたが、願書には、志望理由を書きますから参考にしてください。
 
幼稚舎の徳育の根本は、独立自尊の精神にあります。その規範となるものが、
「幼稚舎修身要領」(10ヶ条)です。これは通信簿の第1ページにも記して
あります。成績よりも前に目を通してほしい大切な事項だという意味です。新
1年生になった時に3つの約束をしますが、「幼稚舎修身要領」の中から特に
大切なものを取り上げたものです。
  1つ、うそをつかない。
  2つ、お父さん、お母さん、先生のいいつけを守る。
  3つ、自分でできることは自分でする。
これは福沢諭吉の精神を表した「幼稚舎修身要領」(10ヶ条)の中から、特に大
切な項目を選んだものです。
(「子どもと向かい合う教育」元慶應義塾幼稚舎長 川崎悟郎著 リヨン社刊)
 
普段、子どもにいって聞かせていることを考えると、
「うそをついてはいけません!」
「約束は、守りなさい!」
「自分でできることは自分でしなさい、お母さんを頼っても知りませんよ!」
だとします。これを破ると、叱り、諭しているとします。そうであれば、お母
さんの育児の姿勢と幼稚舎の教育方針は、一致していることになります。
そして、共学が自然だと思っているとします。
宗教教育は、両親共に経験がないので、なじめないものがあると考えていたと
します。
大学まであって、受験戦争に参加しなくて済みますし、学部がたくさんありま
すから、将来、目指す道が広いのも魅力だと思っているとします。
通学に約1時間、しかし、体力、気力ともに心配ないとしましょう。
前提となる学費は自己解決か、頼れる祖父母に助けてもらえるとしましょう。
こういう図式ができていれば、面接があったとしても、幼稚舎を選んだ理由を、
きちんと胸を張って説明できます。これが、面接の目的です。
 
幼稚舎の他にも、面接を実施していないのは、桐朋小学校、桐朋学園小学校で、
その理由ですが、以前にも紹介しました、桐朋学園小学校の鈴村元校長の話で
す。文言は正確ではありませんが、次のような内容でした。
 
「大人は、趣味を尋ねられると、本当は、競馬、競輪などの博打が大好きでも、
『趣味は、読書と音楽鑑賞です』と平気でいうものです。演技もできます。で
すから、やっても無駄なのです。本音をおっしゃいませんから。しかし、子ど
もを2日間預からせてもらうと、子どもは正直ですから、みんな本当の姿を見
せてくれます。育てられている環境は、わかります。ですから、私どもでは、
面接をしないのです。」 (注 3年度入試は一日)
 
その通りではないでしょうか。大人は、猫をかぶりますから、面接は、ニャー
ニャー大会かもしれません。子どもは正直で、演技をしませんから、育てられ
ている環境を、そのまま見せてくれます。
ですから、面接で、つけ焼刃は効かないのです。
 
また、慶應義塾幼稚舎では、紋切り型のステレオタイプ的な回答が増え、面接
をやる意味がないと考え、廃止したと伺ったことがあります。
 
面接では、付け焼刃は効かないとお話ししましたが、入学試験そのものも、メ
ッキでは駄目なのです。メッキは、はげるものです。以前、紹介しました、あ
るミッション系の校長先生の言葉です       。
 
「入学試験に必要な知識や礼儀作法なるものを、泥縄式に詰め込み、『受験準
備、事足れり』とお考えでしたら、それは誤りであることに気づいてほしい。」
 
繰り返しますが、その通りではないでしょうか。赤ちゃんを育てたとき、あれ
これと泥縄式に詰め込みましたか。そんなばかげたことは、しなかったはずで
す。子どもの成長に合わせ、一歩一歩、ゆっくりと、一緒に、階段をのぼって
きたのではありませんか。
 
その心は、「できるまで待ってあげよう、忍の一字」ではなかったでしょうか。
小学校は、無理やり受験戦士に育てられた子を望んでいません。
 
子どもの知育は、子ども自身が、「知りたい、識りたい」と、身体全体から、
ふつふつと湧き出るときに、与えるものであることが大切なのです。モンテッ
ソーリの「その時期に最も活動が盛んになり成長する敏感期」です。お子さん
の成長を見極め、学習するためにふさわしい環境を作ってあげるのが、親の役
目です。主導権は、子ども自身にありです。それを、親が握り締めていないで
しょうか。勉強だけではなく、遊びまでも……。
 
やはり、親は、教育に関して信念というか哲学を持つべきだと思います。しか
し、これを言うのには、勇気が必要です。小学校の受験にしても早期教育にし
ても、私たち親は、子どものためによかれと思って始めますから、「そんなこ
とは、余計なお世話だ!」となりがちです。  
しかし、学校選びは「はじめに我が家の育児の姿勢(方針)ありき」であるべ
きです。古い話で恐縮ですが、明治初期に、小学校の高等科(現在の5、6年
生)の家庭に配布されたものだそうですが、
 
「教育の道は、家庭の教えで芽を出し、学校の教えで花が咲き、世間の教えで
実が成る」
 
これは含蓄のある言葉ではないでしょうか。
「ご家庭で育てた芽に、どういった花を咲かせるか。そのためにはどういった
教育がふさわしいのか」、学校選びは、こうあってほしいものです。
 
来年1月から、国立、私立小学校の入試問題を紹介し、小学校の受験に何が必
要なのかをお話ししましょう。誤った受験準備をしないことが、お子さんのた
めだからです。(面接に関する情報は令和3年12月現在のものです)
 
冬休みの講習会が始まります。まだ、入会されていない方、挑戦してみましょ
う。今、この時期に、学ぶべきことがたくさんあるからです。
 
(次回は、「よくある質問」についてお答えしましょう)

 


さわやかお受験のススメ<小学校受験編>■■[2]5つの試験形式■■(4) 運動テスト

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         「めぇでる教育研究所」発行
「2023さわやかお受験のススメ<小学校受験編>」
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 2023年度入試(2022年秋に実施)を成功に導く手引きです。
          ★第23号★
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■■[2]5つの試験形式■■ 
(4) 運動テスト
 
みんなで一斉に行う集団テストと、一人ひとりで行う個別テストがあります。
集団テストには、先生のお手本を見て、その通りにする模倣体操や、タンバリ
ンなどのリズムに合わせて行進をする、片足で30秒間ほど立つバランス感覚、
指の屈伸などがあります。
 
個別テストは、ケンケン、ケンパー、くま歩き、ボール遊び、ゴム段、跳び箱、
平均台といった運動をいくつか組み合わせて、先生の模範演技の後に一人ひと
りが挑戦するものです。
たとえば、こういった組み合わせです。
 
「床に引かれた真っすぐな線の上をケンケンで進み、平均台を渡り、次に跳び
箱に登り、跳び降りて、得意なポーズをする」
 
こういったテストは多くの学校でやっています。しかし、これは技を競う「競
技大会」ではありません。
先ほどのような課題のほかにも、ボールを投げたり、ついたり、走ったりなど
をしながら、年齢にふさわしい運動機能の発育状態を見ているだけです。です
から、難しいものはありません。ウルトラなんとかなどは、オリンピックの話
で、一所懸命、子どもらしく、挑戦できれば、いいのです。
 
これも生活体験が、そのまま出ます。ボールをついたことのない子にボールを
つけといってもできません。運動は、身体全体で学習するものですから、正直
に表れます。これは、誰の責任でしょうか。ご両親です。運動器官に、何らか
の障害がある場合はともかく、普通の発育状態で、みんなができる運動ができ
ないのは、親がさせていないから、といえないでしょうか。こういう子は、比
較的に頭が良いそうです。頭だけ良くても、みんなができることができないと、
いやな言葉ですが、いじめの原因になったりもします。
 
逆もあるそうです。スポーツ教室に通って、きちんと技をみがき、それは、そ
れでいいのでしょうが、
「みんな、下手だな……! こうやるんだよ!」
見下しているのです。態度が大きいのです。ボール遊びなどでこういうことも
あるそうですが、これも駄目ですね。
 
早期教育にも、こういう欠点が、表れがちではないでしょうか。
「九九もできないの!」
これと同じです。見下していたカメさんに抜かれるウサギさん、たくさんいる
そうです。ウサギさんは、ひらめき型で、カメさんは、じっくり考えるタイプ
です。繰り返し試みるカメさんを、あたたかく見守ってあげるお母さんになり
ましょう。カメさんは、小学校の4年生頃から、ウサギさんを追い抜きはじめ
ます。その理由は、選択肢が2つか3つの場合、直感力がすぐれているひらめ
き型のウサギさんは、あまり苦労することなく答えを選び出せますが、選択肢
がふえてくると、直感力だけでは解決できなくなります。じっくり考えるカメ
さん型は、選択肢が少なくても、一つひとつ検証しながら答えを出すので、時
間はかかりますが、試行錯誤、“trial and error”を積み重ね、きちんと考え
て答えを出す習慣を身につけているからです。イソップの寓話「うさぎとかめ」
は、油断を戒めたものですが、こういった解釈も可能ではないでしょうか。
 
余談になりますが、負けたウサギはどうなったかご存知でしょうか。カメに負
けた駄目ウサギとして、ウサギ村から追放されますが、「子ウサギを餌に差し
出せ!」と脅迫する狼をやっつけ、無事、ウサギ村に復帰します。狼をやっつ
ける方法が、用心深いウサギらしく、傑作です。
(「それからのうさぎ」読んであげたいおはなし 松谷みよ子の民話(上)
  筑摩書房 刊)
 
話を戻しまして、問題点は、まだあります。指示されたとおりにできるかです。
先程のいろいろな運動を組み合わせたものや、模範演技をしっかり見て、理解
し、同じようにできるかです。指示の理解と的確な行動力を判定しているので
はないでしょうか。
 
まだ、あります。待っている間です。自分の番が来るまでは、緊張しています
から心配ありませんが、自分の番が終わると、ゆるみがちです。他の子どもが
やっている間、キチンと体操座りで待っていられるかです。これも学校側の狙
いでしょう。
 
最後に、一言。これは、笑えない話ですね。あるミッション系の小学校の説明
会で聞いた話です。
先生が模範演技をして、さて始めようとしたとき、一人の女の子が聞いたので
した。
「先生、これテストですか?」
「………!」
先生は、何ともいえません。どこの学校も、子どもたちには、テストというプ
レッシャーをかけないように気をつかっていますから、「テストです!」とは、
いいがたいのです。
「テストでないなら、やりたくありません!」
子どもの正直な告白です。毎日、やること、全て、試験のための訓練になって
いるのでしょう。悲しくなりますね。しかし、体を動かすことをいやがる子ど
もなど、いるのでしょうか。「お子さんを追い込むような準備はしないでほし
い」と、シスターはおっしゃっていました。やはり、おかしいです。
おかしくしているのは、誰でしょうか。「ほんの一部」の猛烈受験ママの話で
しょうが、こういったことからマスコミのいう「受験戦争の低年齢化」となり、
針小棒大に騒がれてしまうのでしょう。小学校受験はお子さんのためですから、
こういったお母さんにはならないでいただきたいとお願いしておきましょう。
 
昔の話ですが、お父さんが海外へ単身赴任しているお子さんの志望校は、ボー
ルを使った運動テストが行われる暁星小学校でした。盛んに話しかけてくるの
で、やはり、寂しいのだなと耳を傾け、時には叱ったりしたものでした。子ど
もから聞いた話ですが、お母さんと近所の公園で、毎日のようにボール遊びや
縄跳びをしていたそうです。試験のためではなくても、親子で汗を流すのは、
素晴らしいスキンシップになっています。少し太めであったお母さんが、スリ
ムになってきたので、絶対に合格するだろうと思いました。親子が心を一つに
して目標に向かえば、望みはかなえられるものです。入学式の帰りに挨拶に見
えましたが、一番うれしそうだったのは、何と初対面のお父さんでした。遠く
海外にいて手を貸せなかったこその喜びでしょう。
 
何から何まで、塾や教室の先生方にお任せだけでは、良い結果は出ないことも
覚えておいてください。
 
(次回は、「面接テスト」についてお話しましょう。)

 


さわやかお受験のススメ<小学校受験編>■■[2]5つの試験形式■■(3)集団テスト

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         「めぇでる教育研究所」発行
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 2023年度入試(2022年秋に実施)を成功に導く手引きです。
          ★第22号★
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(3)集団テスト
 
10名から20名位のグループで、部屋に置かれている遊び道具、ボールや縄
跳び、積み木や輪投げなどを使い、各人が自由に遊んでいる様子や、先生のま
ねをして踊ったり、熊や象などの動物のまねをしているところを観察するもの
や、話を聞いて、話の続きを想像して絵に描いたり、全く条件を与えられない
で好きな絵を描いたりします。
 
テストの狙いは、遊んでいる様子から自発性を、何かを作ったり、絵を描いた
りすることから表現力や創造力、巧緻性などを見ます。巧緻性は、きめ細かく
上手にできていることで、「手は第二の脳」(11号~14号)で詳しくお話
しましたから省略しますが、一言でいえば、普段、両手を使う作業をやってい
るかを見るわけです。親の手を借りずに、どのくらい自分自身でできるか、自
立心ですね。
 
さらに、基本的な生活習慣も関わっています。もちろん、積極的に参加する意
欲や自主性もわかりますから、手を抜けません。
 
また、たとえば、クリスマス・ツリーなどを作る課題を与えられ、5、6名の
友だちとグループを組み、相談をしながら、自分の考えをいい、相手の意見に
も耳をかたむけながら、仲良く作り上げていく問題もあります。社会性や協調
性が培われているかを見る行動観察型のテストです。
 
 
 
[自由遊び]
 
「好きな道具を選んで、自由に遊びなさい」
といわれて戸惑う子がいます。子どもは遊びが仕事ですから、信じられません
ね。
 
その原因は、日常生活が何から何まで管理されていることにあるのではないで
しょうか。
 
お母さんの指示どおりにしないと、お母さんの気持ちが済まないようで、その
心は、無事に〇〇小学校へ入るためです。これでは、学校側が求めている自発
性や自主性は、育たないと思いますね。お子さんの通っている幼稚園は、自由
保育です。お母さんのやっていることは、管理育児です。こんな言葉はないで
しょうけれど、保育の方針に逆らっています。
 
遊んでいるときに、子ども本来の姿が表れるもので、そこを学校側はみたいの
です。みんなが自分の好きな遊びに熱中している時に、何やら不安気に、ボー
ッとしていると、先生方は、どう思うでしょうか。育児が過干渉である証拠で、
自分の意志を持たない「受験サイボーグ戦士」と思われるかもしれません。そ
の心配なしとは言えませんね。
 
こんな子もいるそうです。今、ボールで遊んでいたと思ったら、今度は縄跳び、
と思う間もなく輪投げです。一ヶ所にジッとできません。これは、この時期に
見られる子どもの成長を現す一面で、目移りではなく、好奇心が旺盛なのです。
とは言っても、次から次へと手を出し、人が遊んでいるおもちゃを横取りした
り、いくつも独占したり、あげくのはてには散らかしっぱなしはどうでしょう
か。
これでは、好奇心が旺盛とは言えません。単なるわがままか、飽きっぽいだけ
で、育児が過保護になっている証拠です。
 
遊ばせると、子どもの育てられている環境はわかります。幼児の試験に適して
いますね。子どもたちは、全身で育てられている環境を表します。無心に遊ぶ、
ちょっとしたしぐさから、育児の姿勢が伝わってくるものです。
 
 
 
[身体表現]
 
先生のやっている動作をまねる、いわゆる身体表現です。
たとえば、あざらしの歩き方をまねたりします。これは、かなり、難しいです
ね。両手で体重を支え、両足をそろえて伸ばし、両手を交互に出しながら前に
進みます。まさに、あざらしさんです。腕力と腹筋を使いますから、かなりき
ついですね。もちろん、あざらしそっくりにできればいいのですが、それだけ
ではありません。これも積極的に参加する意欲があるかどうかです。ちょっぴ
り照れながらも、顔を真っ赤にして挑戦する子、いいですね。
 
幼児は自分の考えを表すときに、言葉だけでは十分でない場合、どうするでし
ょうか。身体全体を使って表現しようとするものです。しかし、これは表現す
る対象をよく観察していないとできません。あざらしを見たことのない子に、
まねられるでしょうか。たとえお手本があっても、ぎごちないでしょう。見た
ことのある子は、「不思議な歩き方だな?」と思うはずです。「思う」とは、
注意を呼び起こされることです。「どこが、どう違うのかな?」と観察を始め
ます。幼児の学習は、これが基本です。
 
興味があれば、細かいところまで見極めようとします。他の動物との違いを見
つけられれば、素晴らしい学習になります。
 
大切なのは、実物を見ることです。
 
同じところと異なったところを見つける、「類似差異」の見分けです。そこか
ら、新しい知識が備わってきます。机の上で、いろいろと知識を詰め込まれて
も、あざらしを見たことがなければ、はつらつと表現できるでしょうか。この
テストの目的は、生活体験、自分を取り巻くものへの関心や、そういったもの
に対する観察力ではないでしょうか。
 
かつて、アメリカでベストセラーとなった「人生に必要な知恵はすべて幼稚園
の砂場で学んだ」の第1章 私の生活信条(クレド)に、「不思議だな、と思
う気持ちを大切にすること。(中略)ディックとジェーンを主人公にした子供
の本で最初に覚えた言葉を思い出そう。何よりも大切な意味を持つ言葉。“見
てごらん”」があります。(“  ”は発行者)幼児に大切なのは、教え込む
より、疑問や関心の芽を育ててあげることではないでしょうか。
 
 
 
[共同制作]
 
クリスマス・ツリーを作ることを考えてみましょう。折り紙、モール、きびが
ら、発泡スチロール、リボン、厚紙などの材料から、セロテープやのりなどの
接着剤、はさみ、穴あけパンチ、ホチキスといった道具が用意され、相談しな
がら作ります。共同制作です。
「制作、得意なんです、私に任せといて!」
「苦手なんだ、はさみを使うの。手を出さないで見てよう!」
そうはいきません。みんなで相談しながら作ります。自主制作ではありません、
共同制作です。
 
以前、日出学園小学校では、4、5人のグループで模造紙1枚とクレヨン1箱
だけ用意し、相談しながら絵を描かせる課題が出題さました。ある年は「弁当
箱」でした。クレヨン1箱ということは、同じ色は2本ないことです。さあ、
どうすれば絵は完成するのでしょうか。
 
これは、本当に大変です。
 
考えてください、全員、今日、初めて会ったのです。幼稚園や保育園、幼児教
室や近所の気心の知れた友だちではありません。名前も性格も能力も趣味も、
全く、わからない集りです。ですから、育てられている環境が、姿を表します。
「自分のことは自分でしなさい!」
と、ご両親が自主性を培う育児に徹していれば、一本しかない黄色のクレヨン、
どうすれば使えるかを自分で考えます。
 
過保護、過干渉な育児では、果たして自分の考えを言い、積極的に参加できる
でしょうか。学校側の狙いは、ここにあるのではないでしょうか。
 
 
 
[お絵描き]
 
かつて幼稚舎の試験に、こういうのがありました。
教室に紙を貼ったイーゼルが立てかけてあり、その前に数種類の絵具が用意さ
れ、絵を描かせたのです。学校の狙いは、何でしょう。絵の巧拙でしょうか。
それもあるかもしれませんが、それよりも挑戦する意欲をみているのではない
でしょうか。4、5歳の幼児が、イーゼルを使って絵を描く機会があるでしょ
うか。ほとんどの子どもは、「何だろう、これは?」となるに違いありません。
 
新しいもの、未知なるものに挑戦する意欲です。積極的に挑戦する子の好奇心
は、旺盛です。これですね。
 
体中から好奇心という触角を出して、うるさいほど知りたがるのが子どもです。
こういう子は、やります。筆につけすぎた絵具をボタボタ落としながらでも。
手や顔どころか、服まで絵具だらけになるかもしれませんが、幼稚舎の試験は、
体操着に着替えてしますから心配ありません。どうして、体操着に着替えるの
でしょうか。受験される方は、これを考えましょう。
 
ところで、「なぜ、イーゼルを使い絵を描かせたのですか」の質問に、「子ど
もの表情を見たかったのです」とおっしゃった当時の舎長のコメントが印象に
残っています。なぜなら、一心に絵を描いている子ども達の表情は、実に生き
生きとしているからです。知的能力だけではなく、身体全体から表われる子ど
もらしい成長の証(あかし)を見ているのです。ここがポイントではないでし
ょうか。
 
制作、絵画は、完成した作品の巧拙だけを見極めるのではありません。
 
積極的に楽しく取り組む意欲や共同で作業を進める協調性です。協調性は、社
会性と共に、大切な集団生活への適応力を育むものです。
 
ペーパーテストは満点を取っても、集団テストの苦手な子を、学校は歓迎する
とは考えにくいことです。社会性がどのくらい培われているか、子どもは態度
で示します。過保護、過干渉の環境では、意欲や集団生活への適応力に問題あ
りと判定されないでしょうか。
 
通っている幼稚園の先生や保育士さんに聞いてみましょう。「集団生活に、少
し心配な点がありますね」などの答があった場合は、「ものすごく心配な点が
ある」と受け取り、お子さんに対する育児の姿勢、取り巻く環境を総点検する
必要があります。
 
繰り返しますが、「ご両親の育児の姿勢」を総合的に判定するのが、小学校の
入学試験です。このことを、肝に銘じておくべきではないでしょうか。
 
  (次回は、運動テストについてお話しましょう)
 

 


さわやかお受験のススメ<小学校受験編>■■[2]5つの試験形式■■(2) 個別テスト

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         「めぇでる教育研究所」発行
「2023さわやかお受験のススメ<小学校受験編>」
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 2023年度入試(2022年秋に実施)を成功に導く手引きです。
          ★第21号★
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■■[2]5つの試験形式■■ 
(2) 個別テスト
 
文字通り、先生と一対一、個別で行われるテストです。口頭試問と考えたらい
いでしょう。
しかし、幼児のことですから、言葉だけでは答え切れません。おはじきやプレ
ート、絵、時には本物や、それに近い物を使って出題され、おはじきを置いた
り、絵に指を差して答えたり、プレートで指示された形を作ったりします。学
校によっては、いくつもの部屋を回り、何人もの先生とお話しする場合もあり
ます。
 
この形式では、ペーパーテストと異なり、設問を聞き逃しても、「それまで!」、
ゲームセットとはなりません。勇気があればの話ですが、聞き直しができます。
 
幼児のテストは、こういった個別テストが適しているのかもしれませんが、答
える子どもたちには、つらいことになります。口頭試問の場合、問題を聞き、
考え、言葉で答えるからです。ペーパーテストでは、答えがわからなくても、
適当に印をつけても正解になる場合もあります。時には、偶然が支配する幸運
もあります。個別テストには、それがなく、全部、自分でやらなければなりま
せん。
 
育てられている環境そのものが、ズバリ顔を見せます。
 
育児が過保護や過干渉になっていると、親離れができていませんから困るでし
ょう。
「ママ、手伝って!」
「どうしたらいいの、ママ!」
そんなことをいっても、誰も手を貸してくれません。態度も、オドオドとして
落ち着きがないでしょう。
こういった子育てをしているお母さん方は、臆面もなくおっしゃるそうです。
「私となら何でもできるのに。やっぱり、コネなんだわ!」
少し解説が必要ですね。その子は、お母さんと一緒であれば、何でもできる抜
群の能力の持ち主だそうです。しかし、試験を受けたのですが、合格しません
でした。ですから、落ちたのは成績ではなく、出身者ではないから、また、紹
介者、つまり、コネクションがないために、合格しなかったとおっしゃりたい
らしいのです。出身者だけを入学させたくても収容人員は限られていますし、
紹介者がいれば合格するのであれば、受験料を取ることは詐欺行為になります。
ですから、こういった怪情報は、単なるうわさに過ぎません。
慶應義塾幼稚舎や青山学院初等部のホームページには、「推薦状や紹介状は必
要ない」、「用意しても受け取らない」と公表していますし、暁星小学校の説
明会でも「紹介状や推薦状は必要ない。本人の実力を第一とする」とおっしゃ
っていました。
 
小学校の入学試験の狙いは、お母さんのもとを離れて、「一人で、どれだけの
ことができるか」であり、頼りになるのは自分だけです。こういうお母さん方
が、面接で、
「お子さんを育てるにあたって、どういったことに気をつけていますか」
と聞かれたとします。すると、お母さんが、格好よく、
「子どもの自主性を育てることに留意しています」
と答えたら、先生方は「……!?」となるでしょうね。
 
個別試験に対して、入学試験問題集を買い込んで試験に備えるのは、試験があ
る以上、やらねばなりませんが、子どもの発育状態、生まれ月、これを考えず
にやってしまうと、困ったことになりかねません。
 
例えば、一枚の絵を見て自分で話を作る問題があります、創作です。うまくで
きないと、お母さんが作った話を記憶させるようです。大人の考えた話や発想
は、大人のものですから、子どもは抵抗を感じるのではないでしょうか。うま
くでき過ぎているからです。それを覚えさせるそうですが、自分で考えたもの
ではなく、お母さんの創作ですから、ついていけません。そして、記憶させら
れた話は、忘れやすいものです。しかし、お母さんの前では、大丈夫なのです。
何回も繰り返し教え込まれるのですから、覚えるでしょう。
 
ところが、小学校の入学試験は、生まれて初めて入った場所で、初めて会った
先生のいうことを聞き、いろいろなことをしなければなりません。場所が変わ
り相手が変わると、うまくいかないものです。プレッシャーが、かかるからで
すね。大人の世界でもあるでしょう、ブルペン(野球場にある投球練習所)エ
ースです。練習では豪速球、生きたボールを投げるのですが、マウンドに立つ
と平凡なボールを投げては、ノックアウトされるピッチャーのことです。
 
さらに、問題集にあるとおりの絵が出てくる幸運は、ほとんどありません。た
とえ幸運に恵まれても、先生は、お母さんに教えられたとおりに、聞いてくれ
る保証もありません。同じような問題でも、ちょっとひねられると、それで、
おしまいです。先生方も、そこを見ていると思います。子ども自身の考えかど
うかですね。ですから、単に記憶させるだけでは駄目なのです。
 
ペーパーテストは、答えがあっていても、子ども自身の考えかどうか、わから
ない場合もあります。
個別テストは、ここが、はっきりとわかります。これが、いいですね。子ども
が自信を持って答えられるのは、日常生活で、きちんと体験していることだか
らです。
 
また、親の教育に対する姿勢も、はっきりと表れます。
「うちの子、引っ込み思案で、消極的だから、個別テストに向いていないわ」
とおっしゃるお母さんがいますが、子どもが好き好んでそうなったのではなく、
お母さんの育児の姿勢がそのまま表れているだけです。試験の形式だけで学校
を選ぶようでは、本末転倒な話で出発点から誤りです。
 
私学には、独自の建学の精神、教育理念があります。ご両親の教育に対する考
え方と、学校の教育方針に共通認識があり、限りなく近いことが、学校選びの
条件です。小学校の教育は、家庭と学校とお子さんの三人四脚で行われるもの
であり、決して忘れてはならないことです。
 
ところで、女の子で、一人っ子であると、消極的になりやすいものです。しか
し、過保護から身についた甘えん坊や、過干渉からなってしまった消極的な性
格から出る引っ込み思案とは、違います。一人っ子でも、自分でやるべきこと
を、きちんとさせているお母さんに育てられていると、一所懸命に取り組みま
す。わからない問題にぶつかっても、簡単にあきらめません。精一杯、挑戦し
たのですが、できなかったとしても、
「わかりません」
という顔に、悔しさこそあれ、明るいそうです。普段の生活が、そのまま出て
いるからです。失敗を恐れずに、一所懸命に考え、頑張り、挑戦する意欲のあ
る子に育てたいと考えているご両親の姿が、そこにあるからです。
 
学校側の求めている子は、こういう子です。自分で考えていることを、自分の
言葉で話せる子です。
 
前にもお話しましたが、最近は、こういった問題が増えています。
 
◇机の上に半そでのYシャツと、近くの箱に500mlのペットボトルとプ
 ラスチックのコップ3個、黄色と赤色のリボンが入っている。
  ・Yシャツを着て、ボタンを留めましょう。
  ・箱からペットボトルを出し3個のコップに同じになるように水を入
   れましょう。
  ・終わったらペットボトルに黄色いリボンでちょう結びをしましょう。
  ・最後にYシャツを脱いで、たたんでください。
 
基本的な生活習慣やしつけ、自立心までわかります。個別テストからは、子ど
もの生育史をみることができるのです。それが、ご両親の育児の姿勢であり、
学校側のいう「ご家庭の教育方針」です。こういったことを理解していないと、
ご両親が面接で、どんなに格好のいいことをいっても、そうでないことをお子
さんが、きちんと見せるものです。
 
個別テストでは、自立心や自律心がどの程度、培われているかもはっきりと表
れます。「自分の考えを言葉で表す」のは、幼い子どもたちには、とても難し
いことですが、基本は、ご両親との対話から培われるものです。「対話の反対
は沈黙ではなく、命令と強制です」とおっしゃったのは、立教小学校の元校長
であった田中司先生で、ペーパーテストを廃止した方です。「こうしなさい!」
「それはだめ!」などと一方通行では、対話は成り立ちません。お子さんとの
対話を弾ませることから、言葉で考え、表現する力は培われます。
 
お子さんは、ご両親の目を見ながら楽しく話をしているでしょうか。
 
    (次回は、集団テストについてお話しましょう)
 

 


さわやかお受験のススメ<小学校受験編>■■[2]5つの試験形式■■ペーパーテスト 2

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         「めぇでる教育研究所」発行
「2023さわやかお受験のススメ<小学校受験編>」
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2023年度入試(2022年秋に実施)を成功に導く手引きです。
          ★第20号★
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■■[2]5つの試験形式■■ 
 
ペーパーテスト (2)
 
正直にいって、下のような先生が恐いのです。
 
特にお母さんは、何とか力をつけさせようと夢中になってしまい、自分の言っ
ていること、やっていることが、わからなくなるという話を聞きます。例えば、
難易度の高い「図形」の問題などで、子どもがよく理解できていないときに、
こういったことが起きがちです。お母さん自身は、説明したことでお子さんも
理解できたと思い、問題に取り組むのですが、できません。1回ぐらいの間違
いは許容範囲ですが、何回も同じ間違いが続くと、お母さんの顔つきも変わり、
 「何回、教えたらわかるの!」
 「こんな簡単な問題が、どうしてできないの!」
と、なりがちなのです。
 
幼児が「わからない」というときは、本当にわからない、理解できていないの
です。このことをしっかりと肝に銘じ、お母さんの説明が不十分であることを
考え、お子さんがわかるように工夫してあげることが大切で、お子さんを責め
るべきではありません。
 
また、昨日教えたことが、今日になるとできない場合もあります。それはお子
さん自身が経験していないことを、記憶だけに頼って憶えさせている場合が多
いからではないでしょうか。子どもは、興味や関心のないことをやっても、す
ぐに忘れがちなものです。
 
ですから、幼児は、机の上だけで知的な訓練をするのは、適切な方法ではあり
ません。やり方が間違っています。
 
それを棚に上げて、思わず子どもの頭を叩いてしまうお母さんもいるようです
が、何も悪いことをしていないにもかかわらず、いくらお腹を痛めたからとい
って、手を上げる権利は、母親といえどもありません。子どものためにもいっ
ておきたいことがあります。
 
お母さんの子どもの頃、どうだったかということです。冷静に聞いてください、
冷静に。
 
ここでおさまると、まだ、両者の歩み寄る機会は残されています。しかし、こ
の線を越えて、怒鳴り散らしてまで勉強を続けると、子どもも切れますが、耐
えるしかありません。お母さんに見捨てられれば、子どもは生きていけません。
 「ボク、本当にお母さんの子かな?」
こうなったらトラウマになりかねません。
 
昔は「子をもって知る親の恩」といいましたが、最近では、受験準備に熱が入
りすぎると、「合格の二文字のために忘れる子どもの心」ともいわれているよ
うです。わが子を虐待して殺してしまう、鬼のような親がいるご時勢です。訂
正、鬼もわが子を手にかけなかった話が残っていますから、犬畜生にも劣る親
とします。ですから、「受験を始めて忘れてしまう子どもの心」になるようで
は、受験をする資格はないと考えましょう。先人の知恵でもある「三つ子の魂
百まで」を、絶対に忘れないでください。小さい時に経験したことで、お子さ
んの性格は築かれていくからです。
 
子どもをプリント漬けにし、来る日も来る日も、毎日、何時間も、入試問題集
を広げ、猛練習をして力がついたと思うのは錯覚です。類似問題を数こなせば、
できるようになるでしょう。しかし、この方法は、一種の条件反射的なトレー
ニングです。これで考える力がつくでしょうか、疑問だと思います。行動観察
型のテストでは、対応できないでしょう。自ら考え、答えを導く力は、年月を
かけ、試行錯誤を積み重ねながらできたカリキュラムがあり、それをよく理解
している先生方の的確な指導のもとで身につくものなのだからです。
 
なぜ、このような受験準備が、行われてしまうのでしょうか。
例えば、慶應義塾幼稚舎に入れば、余程のことがない限り、大学まで行けます。
子どもの努力次第では、医学部へ進める可能性さえあります。子どもの将来の
ためと考えるのも、無理からぬ親心です。
さらに、合格すれば、受験準備はこれっきりです。
場合によっては、中学、高校、大学と3回も受験戦争に参加させられる可能性
もあるわけですから。
「手のかからぬ内に入れてしまおう!」
このことです……。
思春期になり、難しい年齢になっての受験は、正直いって、しんどい話です。
身体は大人に近くなっても、精神年齢はそれ以下といったアンバランスな成長
をしている子、かなり見かけます。
 
さらにです。
 
年齢が下がれば下がるほど、能力の差は出にくいものです。ここで何とか手を
つくせば、志望校へ入学できるのではと考えるのも当然でしょう。しかし、厳
しい現実が控えています。お子さんの将来を案ずる親心は、どなたの心にも強
く、深く、ひそんでいます。ですから倍率は高くなり、10倍を越える学校も
あるほどです。
 
この現実を考えると、生半可な受験準備では、合格などありえないと考えるの
も無理からぬことで、かなりハードな受験準備が、待っていることになりがち
です。しかし、受験勉強をさせられる子どもの立場になると大変です。先にも
お話ししましたように、何事もそうですが、過熱気味になると当事者は、自分
のやっていることが、わからなくなる仕組みになっています。「合格」の二文
字に、冷静さを失いがちですが、受験生のお母さん方全部が、こうなるわけで
はなく、ごく、一部のお母さん方であって、熱心すぎるだけで悪気はないので
す。ペーパーテストを行わない小学校はこういうことも考慮しているのではな
いでしょうか。誤解されると困るのでいっておきますが、「ペーパーテストが
悪い」といっているのではなく、「準備の仕方」に、とかく問題がありがちだ
といいたいのです。
 
また、ペーパーテストがないから問題集などやらなくてもいいと思っている方
がいると聞きますが、それはとんでもない間違いで、必ず、クリアしなければ
ならないハードルがあり、そのために問題集は必要です。問題に○や×をつけ
るだけではなく、行動観察型の試験のように、「どうしてそうなったか」など、
言葉で説明する口頭試問に対する準備です。
 
ところで、最近の入試問題を読むと、「幼稚園での生活能力があればできるテ
ストを実施したい」と考える学校が増えているのは確かで、これは歓迎すべき
ですね。
たとえば、部屋の一角にじゅうたんが敷いてあり、机の上に紙に包まれたお菓
子が置いてあって、ペットボトルに入った麦茶らしきものとコップが用意され、
「さぁ、おやつですよ」といった試験がありますが、チェックポイントは、以
下のようになっていると思います。
 
まず、手を洗い、ハンカチで拭き、たたんでポケットにしまえるか。
靴を脱いで、キチンと揃えられるか。
包装紙でくるまれたお菓子を出すのにてこずらないか。
せんべいやクッキーであれば、ボロボロとこぼさないで食べられるか。
ペットボトルから、うまく麦茶をコップに注げるか。
「いただきます」、「ごちそうさま」をいえるか。
後片付けができるか。
みんな「……か」と、クエッション・マーク付きです。
これがテストです、何を評価しているのでしょうか。
 
さらに、この話をどう思われますか。
 
教育者、特に小学校の先生方は、見るところが違います。テストが始まると、
子どもたちの姿勢と筆記用具の持ち方を見るそうです。姿勢がよければ、ご両
親がよいお手本を見せており、筆記用具を正しく持てていれば、おはしをきち
んと持って食事をしているはずですから、育児の方針がわかるというのです。
 
テレビを付けっ放しで食事をし、ダラダラ時間をかけていると、直ぐに腰が砕
けて、姿勢も崩れがちです。これは、お父さんにも責任の一端、ありです。特
に、朝食です。テレビを聞きながら新聞を読みながらもしくはスマートフォン
を見ながら、ご飯を胃袋に流しこんでいませんか。親が、お手本です。
 
これは、しつけ以前の基本的な生活習慣です。
ですから、直そうと思っても、直ぐにというわけにはいかないものです。食事
は毎日のことですから、おざなりにしていると、お子さんは学習の第一歩で苦
しむことになります。知識を詰め込むより、こういった生活習慣を大切に育て
ているお母さんは、お子さんから尊敬されます。
なぜなら、お母さんの手を借りずにできることは、子ども心にも嬉しいからで
す。間違いなく、「自分でやろうとする意欲」が育ちます。
 
ペーパーテストといっても、知的能力だけを判定しているのではありません。
受験生は、幼児です。
親の育児の姿勢を評価しています。
このことをきちんと心に納めておかなくては、合格の二文字はありえません。
 
机の上だけで、記憶に頼った知識の詰込みばかりやっていると、頭でっかちで、
偏った経験しかしていない子になりがちで、被害者は子ども自身です。ペーパ
ーテストが中心になっている学校を受験される場合は、こういった結果が残る
ような準備だけは、避けてほしいと願っています。
 
これからの毎日の体験は、お子さんの心に残ることを忘れないでいただきたい
のです。
年中から年長にかけては、将来の学習意欲も培われていく大切な時であり、人
格を形成する重要な時期でもあるからです。
「三つ子の魂百まで」は英語で、“The leopard cannot change his spots”
(豹は斑点を変えることはできない)というそうですが、洋の東西を問わず育
児の鉄則ではないでしょうか。
 
  (次回は、個別テストについてお話しましょう)

 


さわやかお受験のススメ<小学校受験編>■■[2]5つの試験形式■■ペーパーテスト 1

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         「めぇでる教育研究所」発行
「2023さわやかお受験のススメ<小学校受験編>」
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2023年度入試(2022年秋に実施)を成功に導く手引きです。
          ★第19号★
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■■[2]5つの試験形式■■
 
  ペーパーテスト 1
 
有名小学校の入学試験は、5つの試験形式から構成されています。
 
   1. ペーパーテスト
   2. 個別テスト
   3. 集団テスト
   4. 運動テスト
   5. 面接テスト
 
昔は、ペーパーテストだけの小学校もありましたが、今は、ありません。
逆に、ペーパーテストを廃止した小学校もあります。
個別テストのない小学校もあります。
5つ、全部やってしまう小学校もあります。
面接テストをやっていない小学校もあり、いろいろです。
推薦状と面接だけの学校もあります。
それは、私立の小学校ですから、「建学の精神」や「教育方針」に、いろいろ
な特徴があり、それによって教育が行われていますから、試験にもその学校独
自の自前のカラーがあって、当然なのです。
 
しかし、どこの学校も知的な能力だけで、合否の判定をしているわけではあり
ません。育児の集大成、まだ中間報告ですが、そこを見ているのです。その集
大成を判定する5つのテスト形式について具体的にお話しましょう。
 
 
1.ペーパーテスト 
 
20人から30人程のグループで、オーディオの音声や動画、または口頭での
説明を聞きながら、一斉に答える筆記テストです。皆さん方も経験済みの、お
馴染みのテスト形式です。しかし、これは大変です。
幼児は、原則として、文字を読めないし書けません。ですから、プリントのど
こを見ても、文字で書かれた設問は、ありません。おかしな話ですが、絵や図
形などを使いダミーも含めて、答えが描かれています。そして説明を聞いて、
用意された筆記用具を使い、○や△、□や×などの記号を書いたり、線を引い
たり、色を塗って答えるわけです。
 
「常識の領域」に、こんな問題があります。
B4判の大きさのプリントに、門松や節分、七夕、七五三、クリスマスといっ
た四季を代表する行事が描かれていて、解答はクレヨンを使いなさいと指示が
あり、
「春の仲間にはピンク色で○を、夏の仲間には青色で△をつけなさい」
といったコメントが、スピーカーから流れてきます。
これが、設問です。
一回きりで、後は、静かに時は流れるだけです。
当然、時間は限られています。30秒ぐらいで解答します。
「春は、○だったかな?」
などと悩んでいたら駄目です、そんな余裕はありません。
「何かいっていたな?」
などとぼんやりしていると、最悪の状態になってしまいます。
設問を聞き逃せば、それでおしまい、ゲームセットです。
設問は、どこにも書かれていないからです。
前にも紹介しましたが、中学、高校、大学の試験のように、わからない問題は
飛ばしておいて、
「後でやろう!」といったことは、絶対にできません。
 
そういったことを考えれば、いちばん厳しい条件の試験ではないでしょうか。
指示を正確に聞き取り、できるだけ速やかに解答しなければ得点になりません。
こんなことはないと思いますが、その時に、ちょっと耳がかゆいと気を散らし
たら、それまでです。時間がくれば、次の問題に移りますから、まさに「待っ
たなし」なのです。
 
さらに、テストが始まると同時に、普段の生活習慣やしつけなど育児の姿勢が
わかります。話を静かに聞く姿勢が身についているか、筆記用具を正しく持っ
ているかなど、いろいろな様子が表れるからです。先程お話した「育児の集大
成」です。単に、常識や記憶力を見ているのではありません。こう考えると、
問題集だけやって「受験準備、こと足れり」とはならないことを、ご理解いた
だけるのではないでしょうか。
 
ところで、ペーパーテストに問題点はないのでしょうか。
ペーパーテストのメリットは、子どものあらゆる能力を判定することはできま
せんが、ある面は確実に評価できることでしょう。しかも手っ取り早いし、試
験官の数も少なくて済みますし、ペーパーに答えが残りますから判定も公平で
す。ですから、ペーパーテストを行う小学校が多いわけです。誤解を招くと困
りますから断っておきますが、他の試験は不公平というのではありません。
 
先程もお話ししましたが、ペーパーテストだけを実施している小学校はなくな
りました。かつて、ペーパーテストだけを実施していた立教小学校は、現在で
はペーパーテストを廃止し、運動テストや制作に加え、ここ数年、シャイな男
の子の苦手な「ダンス」まで取り入れています。なぜでしょうか。
 
以前にお話しましたが、ペーパーテストだけでは、社会性や協調性、自主性、
基本的な生活習慣やしつけなどは判定できないからです。逆に、知的能力だけ
が高い、偏った経験を持つ子の集団になる可能性もあるからです。 
 
あるミッション系の学校の説明会で、こういった話を聞いたことがありました。
ペーパーテストの結果に従って、高得点者から順番に合格者を選んだところ、
早生れの子どもが少なくなり、翌年から生年月日順に切り替えたそうです。当
然でしょうね。4月2日生まれと翌年の4月1日生まれは、学年が一緒です。
1年間の差がありますから、早生れの子には、ハンディキャップになります。
生年月日順は、その配慮があるわけです。願書の受付順や五十音別に受験番号
をつける場合は、年齢の配慮がない学校が多いでしょう。
初めて、「年齢への配慮をしている」と公表したのは、桐朋小学校ではなかっ
たでしょうか。「統計的な処理をしている」と年刊雑誌「桐朋教育」に記載が
あったようです。今では、多くの小学校で月齢への配慮をしていると言ってい
ますし、昭和学院小学校のように3か月毎のグループに分け、各グループが同
じ合格率になるようにしていると具体的に説明している学校もありまから、早
生れのお子さんも心配はありません。
ただ、募集要項にかかわることですので、説明会へ参加し、きちんと確かめて
おきましょう。
 
話を戻しましょう。
ペーパーテストにはもう一つ問題があります。
それは、ペーパーテストの対策、受験準備、これが過激になりがちなことです。
試験の難易度が高く、生半可な準備では、とてもクリアできない小学校もあり
ます。きちんとしたカリキュラムのもとに指導を受けているお子さんは、心配
ないでしょうが、少し気になる話を耳にします。幼児教室や塾を掛け持ちする
子もいるようです。指導方針が違っていれば、お子さんは混乱するだけです。
 
たとえば、こんなことはないと信じていますが、数を数える問題で、A教室で
は「線などを引かないで数える」と教わり、B塾では「線を引いて数える」とい
ったように、全く相反する数え方を教われば、迷ってしまうのはお子さんです。
皆さん方は、どちらが正しい指導方法だと思いますか。
 
たくさん受けさせれば効果があるとでも考えているとすれば、それは大きな間
違いです。そういったお母さん方は、うわさにも弱いようで、親子で受験地獄
に陥りがちです。受験地獄など、あるわけはないのですが……。
 
家に帰ると、お母さんが先生です。最近は、お父さんが力を入れている家庭も
増えてきました。 このことです……。ペーパーテストに対する過激な受験準
備、ここに問題があるようです。
 
 
次回は、「ペーパーテスト2」についてお話しましょう。
 

 


さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>有名小学校の入学試験とは■■[1]求められる四つのパワー■■

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         「めぇでる教育研究所」発行
「2023さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>」
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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
発行者よりお知らせです
 さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>
は、11月から
 2023さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
にタイトル変更してお届けしています。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 
 
有名小学校の入学試験とは
 
■■[1]求められる四つのパワー■■
 
過去にNHKの「お入学」の放映で、全国区に昇格したかどうかはわかりませ
んが、私立の名門小学校の受験騒動、話題になりました。過熱気味であった私
立志向も、バブル経済が弾けて静かになったようです。しかし、学習指導要領
も「ゆとりの教育」から「心の教育」に改訂されるなど、公教育の指針は安定
しないことから、私立志向は根強く息吹いています。
 
その証といっては何ですが、埼玉県には、私立小学校は浦和ルーテル学院小学
校、1校しかありませんでしたが、今では、4-4-4制を導入した開智小学校
(岩槻市)、水族館とプラネタリウムのあるさとえ学園(さいたま市)、英語
のシャワーで世界に発信を目指す西武学園文理小学校(狭山市)、中高別学か
ら共学にシフトチェンジした星野学園(川越市)も小学校を開設し5校になり
ました。
 
さらに、副都心線を利用すると、埼玉の川越から渋谷まで乗り換えなしで50
分となり、青山学院初等部、東京女学館小学校、慶應義塾幼稚舎、聖心女子学
院初等科などを受験する子どもたちも増えました。
 
また、東急東横線が副都心線と相互乗り入れを開始し、元町・中華街まで乗り
換えなしで行けるようになり、東京と神奈川の県境にある多摩川の下流地域に
住む人には不利といわれた横浜雙葉小学校などへの受験も増えているのではな
いでしょうか。
 
東京都は54校、神奈川県は28校、千葉県は8校、茨城県南部で3校(茨城
県全体で7校)と、私学の受け入れ態勢には、目を見張るものがあります。
(「お受験じょうほう 私立小学校一覧」より)
 
そして、書店をのぞくと入学試験問題集も、たくさん売られています。中には、
「こんな難しい問題、本当にできる子いるのかな?」と、首を傾げたくなるの
もあります。しかし、問題集を読んでいると、学校側がどのような子どもを求
めているかがわかってきます。うわさでは、「頭脳明晰成績優秀名門家庭の子
女」だけを求めているといわれているそうですが、そんなことはありません。
 
「知力・徳力・体力・気力が、学齢期にふさわしく、バランスよく育っている
子」です。この4つの能力は、小学校受験に必要な基本的な力ですが、一朝一
夕に身につくものではありません。何もできなかった赤ちゃんを、根気よく、
忍の一字で育ててこられた皆さま方ですから、納得していただけると思います。
受験準備は、育児と同様、一歩一歩、確実に前進を目指す、地道な努力が必要
です。
 
では、学校側は、この4つの能力を、どのように判定しているのでしょうか。
 
第1は知力です。
これについては、わかりやすい解説がありますので紹介しましょう。
 
 「知能の定義には、いろいろありますが、ここではその中身を、知覚力・記
 憶力・言語能力・数能力・思考力としておきましょう。
  知覚力は、見たり聞いたりするものを、注意深く受け止める能力です。
  記憶力は、覚えこむ力・覚えている力・忘れたものを思い出す力で、観察
 力・弁別力もこの中に入ります。
  言語能力は、語彙力・表現力などです。
  数能力は、数・量・図形・空間に関する能力です。
  思考力は、推理力・構成力・判断力(洞察力・見通す能力)などを含みま
 す。思考力には、答えをいくつも考えられる拡散思考能力(創造的思考力)
 もあります」
 
 「ママ、生まれたらこんなふうに育ててね」 P.224
   (家庭教育システム研究会 著 横山ふさ子 画 サンマーク出版 刊)
 
「画」とありますように、この本は漫画です。サブタイトルが「赤ちゃんは親
を選べません」と、何とも厳しいのです。このタイトルに惹かれて買ったので
すが、内容はわかりやすく、これからママになる方に推薦したい本の一冊です。
 
第2は徳力です。
これは言うまでもなく、社会性や協調性といった「集団生活への適応力」です。
集団生活は人との関わりの中で培われていくものですから、自主的に取り組む
姿勢や自身をコントロールする自己統制力が養われてきます。
家では許されることでも、集団生活では認められないことを、幼稚園や保育園
での生活を通して経験し、少しオーバーではありますが、「共生、共に生きる
こと」を学んでいるはずです。
グループ別に行われる行動観察系のテストや運動テストなどで、日常の生活環
境や体験が姿を現します。過保護であればわがままに、過干渉であれば消極的
な態度になりがちです。
 
また、一つの例として、ペーパーテストでも、指示されたことをきちんと守ら
ないと、大きなマイナス点になります。
「始め!」 と言われる前に始めてしまったり、「止め!」 と言われても止め
られなくては、人の言うことを聞く姿勢ができていないと判定されるでしょう。
規則や約束を守ることは、集団生活をスムーズに進めるために、欠くことので
きないルールです。
公開模擬テストを受けて、「社会性や協調性に問題あり」とチェックが入った
場合は、通っている幼稚園や保育園の先生に相談しましょう。
「少し、問題がありますね!」
といった返事があった場合は、「大いに問題あり!」と受け取り、お子さんを
取り巻く環境を、ご両親で見直す必要があります。多くの場合、ご両親の育児
の姿勢に、その原因があるからです。
 
第3は体力です。
指示を理解し体で表現する理解力、機敏性や俊敏性を問う運動能力、どれだけ
頑張れるかといった持久力や耐久力などが判定されます。
もちろん、通学に必要な体力が培われているかも大切なポイントになります。
もやしっ子を鍛え直すために始めた暁星小学校のサッカーを持ち出すまでもな
く、現代っ子はスタミナ不足です。都会から原っぱが姿を消し、車が子どもの
足代わりとなっている生活が、スタミナをつける源を奪っているようです。
 
スタミナ不足は、単に体力的な面だけではなく、持久力や耐久力を培う「頑張
る意欲」にも、大きな影響を与えていることを、もっと真剣に考えるべきでは
ないでしょうか。集中力に欠け、すぐに飽きてしまうお子さんは、体力不足に
も原因があるとも言われています。
 
5分も歩かない内に「おんぶ!」と言うようでは心配です。夏休みから秋の試
験当日まで、大変なエネルギーを必要とします。それをクリアしなければ、小
学校の試験に挑戦できません。
ボールつきや縄跳びは、全身を使いますし、微妙なバランス感覚を養う運動で
す。目標を立てて挑戦し、続けることで力がつく、「持続こそ力を育む」こと
を、体験を通して学習させるべきだと思います。お子さんの運動能力をチェッ
クし、問題があれば、お父さんの出番です。
 
第4は気力です。
まだ、実感はわかないかも知れませんが、年長の秋を制する決め手は、「気力」
です。 そして、これだけは、何十冊の問題集をこなすだけで身につくもので
はありません。本人の自覚です。本人にやる気力がわかなければ、本当に頑張
る力はつきません。モチベーションを上げる、これも、ご両親の育児の姿勢と
深い関わりがあります。
 
早稲田実業学校初等部の説明会で「学校見学会には、是非、お子様と一緒に来
てほしい。この学校へ行きたいとお子さんのモチベーションを上げることがで
きるからです」とおっしゃっていました。新型コロナウイルス感染症の影響で
状況が変化していますが、オープンスクールを実施する学校が増えてきました
から、こういった機会を利用することも大切ではないでしょうか。
ところで、過保護や過干渉な環境で育てられていると、白百合学園小学校、立
教女学院小学校、光塩女子学院初等科のように、ペーパーの枚数が多く、限ら
れた時間内に取り組む試験には、俊敏に対応できません。
また、かつて慶應義塾幼稚舎が出題した、イーゼルを立てて絵を描くといった、
初めて経験することには、手が出ないでしょう。
 
成蹊小学校のように、反復運動を繰り返したり、「止め」と言われるまで続け
るようなす運動テストに耐えられないと思います。
 
ここで言う気力とは、自分一人でやり遂げた体験、体験学習を豊富に積んでい
くことから身についた「意慾」のことです。
ご両親が失敗を恐れずに、積極的にチャレンジさせ、自立心を身につけるよう
に心がけていれば、自ずと備わってくるものです。ご両親は、叱ることが少な
く、励ます言葉が多く、大らかな心を持っているはずです。お子さんのお手本
は、ご両親です。そういったご両親であれば、お子さんもできないからと言い
訳をすることもなく頑張ります。むやみに叱らないご両親からは、相手を思い
やる心が育ちます。
 
誤解されては困りますが、「何事にも叱ってはいけない」と言っているのでは
ありません。約束を守らない、嘘をついたときなどは、真剣に叱ります。「叱
るべきときは叱り、褒めるべきときは褒める」ご両親のことです。
 
自分でやり遂げた経験がたくさんあると、達成したときの快感を味わっていま
すから、何かに取り組もうとする意欲が育っています。
そして、いろいろなことを体験しているお子さんは、過去に出題された問題集
をやってみると、これと同じことを、普段、家庭や幼稚園、保育園で、一人遊
びや仲間遊びを通して、何らかの形でやっていることに気づくはずです。
 
幼児を対象にした試験は、大学などの入学試験とは違います。誤解を恐れずに
いえば、必要なのは、記憶だけに基づいた知識の量ではなく、体験をふまえて
培われた知恵の量だと思います。
 
すでに、模擬テストを受けられた方でしたら、ご存知のように、テストの出題
範囲は、ほとんどの場合、以下の10項目になっているはずです。
 
   1話の記憶  2数量   3常識   4推理・思考  5記憶力
   6構成力   7巧緻性  8社会性  9言語    10運動
 
先にあげた4つの力を、ペーパーテストや行動観察、面接を通して、こういっ
た項目に分けて判定しているわけです。小学校側も、この10項目内で判定し
ていると思います。来年の春には発売される今年度の問題集をお買いになると、
納得できるでしょう。10項目については、12月以降に解説する予定です。
 
以上の4つの力に加え、慶應義塾幼稚舎、桐朋小学校、桐朋学園小学校などを
除き、ご両親には面接があるわけです。その学校を選んだ理由をきちんと話す
ことで、合否の判定が行われます。小学校の入学試験は、試験を受けるのはお
子さん自身ですが、「判定されるのはご両親の育児の姿勢である」と言われる
のは、こういった仕組みになっているからです。推薦制度を取り入れる学校も
増えてきましたが、その条件は、やはり、育児の姿勢を重視しており、決して
安易なものではありません。
 
最後に、東日本大震災は、電車通学する子ども達に大きな課題を与えました。
暁星小学校の説明会では、生徒全員の寝袋を用意していることや、慶應義塾幼
稚舎では、プールの水を飲料水に還元できる機器や、自家発電装置を設置した
話などもあり、どこの学校も十分な対策を立てていると説明していますから、
心配はないでしょう。
 
今、子どもたちに求められているのは、災害時に対応できる気力と体力です。
東日本大震災が起きた年、成蹊小学校の説明会で8時間かけて自宅にたどり着
いた、1年生の書いた作文を披露しましたが、親切な女性3名の温かい応援が
あったとはいえ、まさに、幼いなりに、気力と体力を振り絞った「自奮、自励」
(成蹊小学校の教育理念の一つ)の体験談でした。
 
来年の学校選びには、登下校時に地震が起きたことを想定して、それに対処で
きる気力と体力を充実させる育児を心がけることも、学校選びの大切な条件に
なるのではないでしょうか。
 
次回からは、実際に行われている入学試験についてお話します。
かなり、すごいことをやっています。しかし、きちんと段階を踏んで学習し理
解していけば、そんなに心配するものではありません。
 
そのためにも、まず、試験の形式から説明しましょう。
 
     (次回は、試験の形式についてお話ししましょう)

 


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