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めぇでるコラム : 2020幼稚園受験: 2019年8月

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>面接ケース・スタディー9

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2020さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第43号
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 ケース・スタディ編(9)
「パパ、ママ、頑張ったね!」
 
面接室から出てきた親子三人、顔を紅潮させています。
お母さんが、お父さんに謝っています。
何があったのでしょうか。
 
「ごめんなさい、パパ、あがっちゃって。思っていたことの半分もいえなかっ
たわ。パパもケンちゃんも、きちんとお話できたのに。私が足を引っ張ったこ
とになるわ。ケンちゃん、ごめんなさいね」
「そんなことはないよ。ケンの性格なんか『私に似て、少しあわてんぼうのと
ころがあるけど、失敗にめげないで頑張るところは主人に似てよかったと思う』
なんて、僕を持ち上げたとこなんか、照れくさかったけど、落ち着いて話して
いたよ。ケンもがんばったし、よし、焼肉でも食べて帰るとしようか」
手をつなぎながら帰っていく後姿から、入試は、二人三脚で進められていたこ
とが、よくわかります。
 
こうあってほしいのです。
面接がうまくいかなかったといって、口論することがあると、お子さんは、ど
んな気持ちになるでしょうか。
しつこく繰り返しますが、
「ぼく、暁星幼稚園へ行きたい!」
「わたし、雙葉幼稚園へ行きたいの!」
で始めた受験ではないはずです。 
ご両親が、お子さんのためによかれと考えて、始めたことではありませんか。
 
実際に、ムッとした表情で、幼稚園の玄関から出られるご両親がいるそうです。
それどころか、園舎から園庭へ一歩出ると、
「『お父さんのおっしゃる志望理由と願書に書かれているものと違っています
ね。願書を記入されたのは、お母さんですか』、なんて聞かれたじゃない。何で
私が書いたとおりにいってくれなかったのよ!」
ご主人に食ってかからんばかりに責める母親もいるそうです。
そのそばには、ハラハラしながら見ているお子さんが、います。
目に入らないのです、お構いなしです。
いちばんつらい思いをし、傷ついているのはお子さん自身ではありませんか。
こういった考え違いをされているご両親は、受験するべきではないでしょう。
 
バスに乗ってきた親子の会話が、何気なく聞こえてきたことがありました。
「あんなに練習したのに、どうしたのよ。頭が悪いんだから!」
某有名幼稚園の停留所から乗ってきた親子です。
頭の悪いとは、どういうことでしょうか。
面接は、答え方の練習をし、訓練を積んで受けるものではありません。
こういう考え違いをしている母親は、面接会場でも、幼稚園側が嫌がる態度を
示しているはずですから、合格するわけはないのです。 
絶対に、お子さんだけの責任ではありません。
面接をする先生方の目は見逃しません。
 
しかし、お子さんがかわいそうです。
親を選べないのですから。そうでしょう、お母さん!
さらにです。
一緒にいたお父さん、お子さんをかばってあげないのは、どういうことですか。
あなたは、保護者ではありませんか。
腹立たしい限りです。
 
「今日は、楽しく遊べてよかったですね。また、遊びに来てくださいね」
 幼稚園側は、ここまで気を配ります。
「何だか知らないけれど、パパもママもうれしそうだな!」
 かくありたいものです。
 
 2、3歳の秋は、お子さまが成長する一つの通過点と考えられないでしょう
か。
 それで、お子さまの一生が決まるわけではないのですから。
 学歴から実力へ、社会は、確実に動いています。
 「育児に哲学を持ってほしい」などと、キザで恥ずかしいですが、このこと
なのです。
 
「ただ、一貫教育校の名門幼稚園に入れておけば」
などといった考えでは、どこの幼稚園からも歓迎されません。
 
ご紹介しました「面接 ケース・スタディ」を通して、幼稚園側は、どういっ
たお子さんを求めているかおわかりいただけたと思います。
やはり、もっとも大切なのは、ご両親の目指す育児の方針と幼稚園側の保育の
方針に矛盾がないことです。
お子さんは、日々、成長していきます。
その成長し、養われていく力を、面接会場で、試験場で、力一杯発揮できるよ
うに指導するのが、私達、幼児教室の使命です。
それを、しっかりとサポートしていくのがご両親の役目です。
正念場を迎えるまで、あと、わずかです。
 
幼稚園側の合否の割合は、お子さんの成長度2割、ご両親の面接8割ともいわ
れています。
面接がいかに重要な鍵を握っているか、ご理解いただけたと思います。
「たかが幼稚園の面接ぐらい!」
などと、安易にお考えでしたら、希望される幼稚園から招待状は、決して送ら
れてきません。
模擬面接を受けられましたか。奥さんやお子さんがどういった反応を示すか確
かめ、対策を考え、実行する、これはお父さんの大切なお仕事です。
 
酷暑が続き、何だかふてくされ気味の夏でしたが、まだ残暑が続くようです。
疲れが出やすい時期です。元気に乗り越えましょう。
(次回は、「志望理由のまとめ方」などについてお話しましょう) 

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>面接ケース・スタディー8

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2020さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第42号
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面接ケース・スタディ編(8)
「違うでしょって、何が……?」
 
面接の中で、お子さんにパズルや積み木の模倣構成(手本を見て同じ物を作る問題)
をさせる場合があります。パズルなら3分割、積み木も3個から5個ぐらいです。
 
こういうお母さんがいました。
「先生が作ったのと同じものを作りましょう」
お子さんが、チラッとお母さんを見ます。
「早くやらなくては駄目でしょう!」
お母さんの顔は、そういっています。
言葉に出さなくてもわかります。
お子さんはお母さんの顔を時々見ながら、不安そうに取り組んでいるからです。
完成したのですが、1つだけ積み木が裏返しになって、私の方から色が見えません。
「どこか、おかしくないかな?」
こう聞こうとした、その時です。
裏返しになっている積み木を指差しながら、
「ほら、左の積み木、先生から色が見えないでしょ!」
年長さんでも、左右をはっきり理解できていないお子さんがいます。
先生方の面前で間違いを指摘したことと合わせて、このお母さんを、どう思われま
すか。
 
こういうテストの目的は、先生の指示を聞き取る力、お手本をしっかり見る観察力、
構成力、そして、自分自身の力で取り組む意欲など、2、3歳児にふさわしい能力
が培われているかを見るわけです。
極端にいえば、やってみようとする意欲です。
とにかく、初めての場所で、初めて会った先生の指示を聞き行動できるかどうかで
しょう。
 
できないと泣き出す子もいます。
お子さんは、頑張ったではありませんか。
自分で一所懸命に取り組めたのにもかかわらず、「何ですか、お母さんは」と、叱
りたくなります。
この一言で、普段の育児の姿勢がわかるではありませんか。
「子どもの自主性を尊重した育児を心がけて……」
とおっしゃっても、信じられませんね。
メッキが、はげただけではないでしょうか。
幼児の知的能力とは、記憶された知識の量ではなく、体験を通して身につけた知恵
の量です。
知恵は、試行錯誤を積み重ねながら、身体全体で覚えるものです。
そこには、自分で考えながら取り組める、たのしい環境があるはずです。
うまくできなくても、失敗しても、
「そこまでできたのだから、頑張ってごらん!」
と励まされていれば、頑張るのが子どもです。
何とかしようと考えることから工夫力が、夢中になって取り組むことから集中力が、
できたことから次の課題に挑戦する意欲などが培われます。
 
「違うでしょう、こうでしょ!」
口を出し過ぎ、手を貸し過ぎていると、過保護、過干渉になりがちで、
「ママがやってくれるからやめよう!」
「間違えると怒られるからやぁめた!」
となりがちです。
自分からやろうとせずに指示を待つ子が増えているのは、こういった育児の姿勢や、
環境が、大きく影響しているのではないでしょうか。
お母さん方の大好きな考える力や、できるまで頑張る意欲や集中力、お母さんの手
助けを嫌う自主性などが育たないことを知ってほしいですね。
 
幼児のテストは、結果だけを評価するのではありません。
どのように取り組んだか、その過程、プロセスを見ている場合が多いものです。
結果だけにこだわるお母さん方には、幼児期に培う大切なものを失っていることに
気づいてほしいといいたいですね。
 
「ボクが、気づくまで教えないで!」
そんな叫び声が聞こえませんか。
聞こえていたら、絶対に手を出しませんし、口をはさまないと思います。
 
しつこく繰り返しますが、3歳になっても、お子さんのやっていることを見て、口
を出したくなるのは過干渉、手を貸したくなるのは過保護と考えましょう。
年長さんになっても、口を出し、手を貸すお母さんがいる時代です。
いやな言葉ですが、超過保護であり、超過干渉ですね。
まだ、危険なことをしますから、監視の目は緩めてはいけませんが、あたたかく見
守ってあげ、待ってあげるお母さんになってほしいと思います。
モンテッソーリ教育を解説した相良敦子氏の著書に「ママ、ひとりでするのを手伝
ってね!」(講談社 刊)がありますが、3歳は、そういう時期に入っているからで
す。
 
夏の疲れが出る頃ですね。お子さんの昼寝には、お母さんも付き合いましょう。
(次回は「ケース・スタディの最終回」についてお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>面接ケース・スタディー7

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2020さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第41号
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面接 ケース・スタディ編(7)
「タイクツダナァ……!」
 
お子さんへの質問が終わると、今度はご両親の番です。
面接が終わると、お子さんだけ他の部屋へいって遊ぶような場合は心配ありません
が、親の面接が続く場合は、こういったことも十分に考えられます。
模擬面接でも、よくあるからです。
 
じっと座っていたお子さんが、足をブラブラしはじめました。
その時です。
お母さんが、手で制し、キッとにらみつけたのです。
子どもでなくても、びっくりします。
ハッとして、うつむいてしまいました。
テーブルをはさんでの面接ですから、直接、先生方には見えません。
おそらく、お母さんが、テーブルの下で足をおさえつけたのでしょう。
顔が、そういっています。
もっとすごいお母さんになると、手を叩くそうです。
どう思いますか。
 
ご両親の面接になると、お母さんもご主人の話を真剣に聞いています。
「いま、ご主人のおっしゃったことについて、どう思われますか」
などと質問されることもあるからです。
しかし、お子さんは退屈しはじめます。
足をブラブラさせるどころか、手をテーブルの上に置いたり、頭を触ったり、とに
かくじっとしていられません。
それどころか、椅子から立ち上がって歩き始めるお子さんもいます。
「お座りしていなさい」
といいながら、ほとんどのお母さんは、強引に手で引っ張り、座らせようとします。 
これもどうでしょうか。
 
こういった経験をされたお母さんから、聞いた話です。
ミキちゃんは、じっとするのが苦手で、3分間が限界だそうです。
でも、それが幼児です。
30分間も、じっと座っている子がいたら、気持ちが悪くなりませんか。
面接当日、心配したとおりミキちゃんは、椅子から立ち上がろうとしました。
「ミキちゃん、もう少し頑張ってね!」
期待に応えて、少し頑張りました。
しかし、もう限界です。
でも、今度は、お母さんは止めませんでした。
そして、
「先生、すみません。このままでよろしいでしょうか?」
と尋ねてみました。
「もう少しですから、お母さんのおひざで待ちましょうね」
こうおっしゃってくれたそうです。
ミキちゃんの一番心の休まる場所ですから、静かに待てて、無事、面接を終えたば
かりか、合格しました。
 
2、3歳児にとり、静かに座って待つことは、大変に難しいものです。
とにかく、じっとしていないのが幼児です。
口だけで強制するのは、無理です。
このお母さんのように、強引に手を引かずに、先生に聞いてみることも大切ではな
いでしょうか。
お母さんが聞けたのは、ミキちゃんの性格をよく知っているからです。
ミキちゃんの不安な気持ちが、立ち上がるしぐさに表われています。
子どもの置かれている状態を考えて、子どもの気持ちになって行動しようとするお
母さんであることもよくわかります。
 
普段、お子さんと静かに過ごす時間を作っていますか。
お子さんの好きな絵本を、読んであげていますか。
お子さんの話をちゃんと聞いてあげていますか。
好きな話を読んでもらい、話を聞いてもらっていると、静かに待つ姿勢も身につき
ます。
 
「ここで立ち上がったからマイナス10点!」
幼稚園側が、そんな採点をするわけはありません。
その時のお母さんの取った態度が、採点の対象になるはずです。
強引に座らせ、叱責するだけでは、保護者とはいえません。
くどいようですが、繰り返します。
お母さん方は、保護者です。
お子さんが、初めての場所や、初対面の人には、どのような態度をとりがちか、一
番よく知っているのは、お母さん方ではありませんか。
起こりえるケースをいろいろと想定し、どのように対処すべきか、考えておくべき
ではないでしょうか。
 
猛暑、いや酷暑といったほうが適切かもしれませんね。コンディションをくずさな
いよう健康管理には、十分に注意して下さい。
 (次回は、ケース・スタディ編8についてお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>面接ケース・スタディー6

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2020さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第40号
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〔説明会情報〕
「7月28日(土)11時より、雙葉学園中高講堂で、開園以来はじめて雙葉
小学校附属幼稚園の説明会が行われました。台風15号の直撃も心配されまし
たが、帰り際に雨に降られただけで、無事終了。参加者は推定550名。一斉
保育と自由保育の兼ね合いがうまくいっており、学園の一人ひとりの個性を尊
重する方針が伝わってきました。良かったのは、スライドで見た、男の子が中
高の体育科の教員の指導で野球をやっていた様子で、男子同士の関わりにも配
慮されていることもわかりました。映像はありませんでしたがサッカーもやり、
難しいルールのなども学んでいるとか。また、子どもたちが持って登園するバ
スケット、中身はお母さん手作りの弁当でした。
ところで、『他校を受験した場合は、小学校への推薦権を失い、一般の方と同じ
試験を受けることになります』との説明がありました。昔の話ですから真偽の
程は確かではありませんが、幼稚舎へ合格した女の子が、お茶の水女子大学附
属小学校へ合格したために辞退し、補欠が動いた話を聞いたことがあります。
推薦権を放棄する方がいるとは信じがたいですね。隣りのお母さん、メモを取
る手を休め「エッ……!」と驚いていました、私も同じですが(笑)。所要時間
37分、質疑応答、園舎見学がなかったとはいえ、私が知る限り、説明会の最
短時間でした……」
 
これは、昨年の説明会で伺った話ですが、推薦権云々の話あったでしょうか、
気になるところでしたが。なお、園庭開放は、9月9日(月)から13日(金)、
午後1時30分~2時まで行われます。
 
面接 ケース・スタディ編(6)
お子さんが口を閉ざしてしまったら
 
「こんにちは」
「………」
「お名前を教えてください」
「………」
「いくつになりましたか」
「………」
何を聞かれても黙ってしまい、答えられないお子さんもいます。
そんな時、お母さんはどうしますか。
 
しつこく質問を続ける先生はいません。
お子さんを緊張させるだけですから。
先生方は、お父さんに質問をし、様子を見ながら、また、お子さんに質問を試
みてくれるはずです。
問題は、その時のお父さんとお母さんの態度だと思います。
簡単に答えを教えたり、口を閉ざすわが子を見て取り乱したりするようでは、
保護者とはいえないでしょう。
 
最近は、お父さんが口をはさむようです。
特にお嬢さんの場合、お父さんは落ち着きをなくしがちです。
「お名前を聞かれているんだよ、教えてあげなさい」
この程度は、許容範囲です。
年齢を聞かれて、
「ほら、○○ちゃんは、3つでしょ」
このお父さんのアドバイス、どう思いますか。
回答を教えているのですから、駄目ですね。
しかも、わが子を「○○ちゃん」というのもどうでしょうか。
人前ですから、チャンはいただけません。
わが子を人様に紹介する時、「娘の○○です」というのではないでしょうか。
ここでも、普段の顔が表れるようです。
もし、呼び捨てにされた経験がなければ、お子さんはびっくりするでしょう。
お子さんの名前の呼び方、いかがですか。
 
しかし、黙り込んでしまったお子さんを、黙って見ているのも困ります。
冷たい親だと思われかねません。
幼児は、初対面の人と話をするのは苦手ですから、きっかけを作ってあげまし
ょう。
やはり、お母さんがいいでしょう。
「先生は、あなたと初めて会ったからお名前がわからないのよ。教えてあげま
しょうね」
これくらいなら、許されます。
それでも話ができなければ、無理強いする必要はないと思います。
 
ましてや、答えられなければ駄目だと思い込み、先生を見たり、わが子を見た
り、きょろきょろと落ち着きのない様子は、見苦しいものです。
信じられないことですが、口を閉ざしたわが子を、にらみつけるお母さんもい
るそうです。
保護者として、絶対にやってはいけないことの一つです。
 
しかし、こういった状態になっても、保護者の力でバックアップできる可能性
は、残されています。
 
こういうお母さんがいたそうです。
「お母さまにうかがいます。お子さんの長所と短所をお聞かせください」
こう聞かれたお母さんは、
「はい、長所は、元気で明るいことなのですが、初対面の方とお話をするのが
苦手で、慣れるのに少し時間がかかるところが短所かもしれません。普段は、
こういったことはないのですが、やはり、緊張してしまったようです。申し訳
ありませんでした」 
このお母さんの回答から、わが子を思う心が伝わってこないでしょうか。
また、口をきけなくなった原因もわかります。
最後の「申し訳ありませんでした」の一言が、「責任は、私にあります」と、緊
張する雰囲気を作った自分自身を反省していることになりませんか。
お母さんの謙虚な気持ちが伝わってきます。
 
こんな時に、
「長所は、元気で、明るく、活発なことで、短所は、少し、はしゃぎ過ぎると
ころです」
などと、紋切り型に答えるお母さんとでは、先生方に与える印象は、いかがで
しょうか。
お子さんのことを考えていないお母さんということになりますね。
 
そして、こういう長所があるから合格、こういう短所があるから不合格という
のも、考えにくいことです。
そうではないでしょうか。
お子さんは、これから伸びる可能性を、いっぱい持っています。
まだ、まだ、小さな、小さな芽です。
たかだか2、3年の履歴書しかもっていない幼子です。
幼稚園側が、そういったことだけに、こだわるわけはないと思います。
 
何が起こるかわからないのが幼児の面接です。
口を閉ざしてしまったわが子に、親として成すべきことは何か。
おわかりいただけたと思います。
保護者としての心構えを、常に、忘れないことが大切ではないでしょうか。
 
梅雨明けの猛暑、暑さはまだこれからです。うっとうしい毎日が続きますが、
お母さんの笑顔が、そんな気持ちを吹き飛ばしてくれます。お子さんもお母さ
んも、体調を崩さないように気を付けましょう。
(次回は、面接ケース・スタディ編(7)をお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>面接ケース・スタディー5

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2020さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第39号
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面接 ケース・スタディ編(5)
「あれっ! ママ、どうしちゃったの?」
 
着席すると、面接される先生方を見ることになります。
ここでも、二つのタイプが考えられます。
余裕を持ったお母さんと緊張しきったお母さんです。
 
お子さんを、さりげなく視野に入れているお母さんがいます。
正面を向いていても、少し工夫すれば、お子さんの様子を見ることができます。
これは、実に、感じのいいものです。
「守ってあげなくてはいけない」
と自覚したお母さんの姿があるからではないでしょうか。
「ユキさんですね。いくつですか」
「3歳です」
答えたお子さんは、お母さんの方をチラッと見ます。
すると、お母さんは、
「よくいえましたね」
といわんばかりに、やさしく微笑むのです。
不安そうだったお子さんも、これで安心して、落ち着きます。
ただ、これだけのことですが、お子さんにとっては、心強いサインなのです。
なぜでしょうか。
それは、いつもと変わらないママが、いるからです。
 
後日談になりますが、
「面接中に、やさしく微笑むことなどできないでしょうね」
とおっしゃっていたお母さんが、
「先生、できました!」
と笑いながらいってくれたことがありました。
そのわけは、もう、おわかりだと思います。
ご両親が、力を出し合い、真剣に、取り組んだ結果です。
 
逆の場合を考えてみましょう。 
最初の質問に答えた時、お母さんを見ると、目をつむって、うつむいていたと
します。
「あれっ、ママどうしたの?」
とならないでしょうか……、なりますね。
不安になるのも当然で、いつもと違ったママだからです。
 
面接を受けたお母さん方は、一種異様な雰囲気だとおっしゃっています。
確かにそうでしょう。
でも、それは、当たり前ではないでしょうか。
初めて会った人と、限られた時間内に、緊張を強いられながら応答して、その
結果が、お子さんの幼稚園を決めるのですから、「緊張するな!」という方が無
理な注文でしょう。
 
しかし、面接会場に入って、お子さんの存在を忘れてしまうようでは情けない
ではありませんか。
受験資格はないと思ってください。
お子さんは、もっと緊張していることを考えてほしいのです。
もしかしたら、やっとの思いで座り、一刻でも早く、この部屋から出たがって
いるかもしれません。
保護者としての自覚が足りないと思います。
保護者とは、弱い者を、かばい、守り、助ける義務のある人のことです。
「ママの選んだことでしょう。しっかりしてくださいな!」
お子さんの叫び声が、聞こえませんか。
聞こえないようでは、受験をすべきではないと思います。
お子さんのためです。
 
ご両親が、本気になって受験に取り組んでいなかった結果といえます。
もしも、お父さんが、
「面接なんて!」
と軽い気持ちで考えていると、不安材料を抱えたまま、面接に臨むことになり
ます。
模擬面接を受けて、きちんと体験し、お母さんやお子さんは、どのような対応
をするか、知っておくべきです。
ぜひ、お受けになって下さい。
お母さんが熱心であれば、それだけプレッシャーがかかっているわけですから、
その負担を分かち合うべきです。
 
また、お子さんの質問が終わると、お父さんへの質問に移りますが、この時も、
忘れてならないことがあります。
お子さんへの質問が終わり、無事済んで、ほっとし、また、下を向いてしまう
お母さんがいます。
お子さんを視野に入れて、面接をする先生方を見ているべきです。
そして、お父さんが、どのように答えているか、しっかりと聞いてほしいので
す。
質問の内容によっては、
「今のご主人のお答えに付け加えることはありませんか」
「ご主人のお話しされたことについて、どう思われますか」
などと尋ねられる場合もあるかもしれません。
そのような時に、「えっ!」と驚くようでは、答えられないでしょう。
どのように展開するかわからないのが、親の面接です。
 
お子さんを視野の中に入れ、お父さんの応答をしっかりと聞きましょう。
そういった気配りから余裕が生れ、先生方の質問にもきちんと対応できるので
す。
 
ようやく梅雨も明け、暑い日が続いていますが、夏本番はこれからです。お昼
寝タイムにはお母さんも一緒に休みましょう。
  (次回は、面接ケース・スタディ6についてお話しましょう)

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