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めぇでるコラム : 2018小学校受験: 2016年10月
さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>求められる四つのパワー
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「めぇでる教育研究所」発行
さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>
(第18号)
現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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有名小学校の入学試験とは
■■[1]求められる四つのパワー■■
過去にNHKの「お入学」の放映で、全国区に昇格したかどうかはわかりませ
んが、私立の名門小学校の受験騒動、話題になりました。過熱気味であった私
立志向も、バブル経済が弾けて静かになったようです。しかし、学習指導要領
も「ゆとりの教育」から「心の教育」に改訂されるなど、公教育の指針は安定
しないことから、私立志向は根強く息吹いています。
その証といっては何ですが、埼玉県には、私立は浦和ルーテル学院小学校、1
校しかありませんでしたが、今では、4-4-4制を導入した開智小学校(岩槻
市)、水族館とプラネタリウムのあるさとえ学園、英語のシャワーで世界に発
信を目指す西武学園文理小学校(狭山市)、共学にシフトチェンジした星野学
園小学校(川越市)と5校になりました。登下校時の東上線川越駅は、スクー
ルバスを待つ西武文理小と星野学園小のかわいい子ども達で混雑しています。
小江戸と呼ばれている静かな城下町川越の住人である私には、信じられない光
景です。
さらに、副都心線を利用すると、川越から渋谷まで乗り換えなしで50分、青
山学院初等部、東京女学館小学校、慶應義塾幼稚舎、聖心女子学院初等科など
を受験する子どもたちも増えました。
また、東急東横線が副都心線と相互乗り入れを開始し、元町・中華街まで乗り
換えなしで行けるようになり、多摩川を境に川向うは不利といわれた横浜地域
の小学校、横浜雙葉小学校などへの受験も増えているのではないでしょうか。
東京都は53校、神奈川県は28校、千葉県は10校、茨城県には開智望小学
校が開校し7校と、私学の受け入れ態勢には、目を見張るものがあります。
(「お受験じょうほう」より)
そして、書店をのぞくと入学試験問題集も、たくさん売られています。中には、
「こんな難しい問題、本当にできる子いるのかな?」と、首を傾げたくなるの
もあります。しかし、問題集を読んでいると、学校側がどのような子どもを求
めているかがわかってきます。うわさでは、何やら、椎名誠風な表現で照れま
すが、「頭脳明晰成績優秀名門家庭の子女」だけを求めているといわれている
そうですが、そんなことはありません。
「知力・徳力・体力・気力が、学齢期にふさわしく、バランスよく育っている
子」です。この4つの能力は、小学校受験に必要な基本的な力ですが、一朝一
夕に身につくものではありません。何もできなかった赤ちゃんを、根気よく、
忍の一字で育ててこられた皆さま方ですから、納得していただけると思います。
受験準備は、育児と同様、一歩一歩、確実に前進を目指す、地道な努力が必要
です。
では、学校側は、この4つの能力を、どのように判定しているのでしょうか。
第1は知力です。
これについては、わかりやすい解説がありますので紹介しましょう。
「知能の定義には、いろいろありますが、ここではその中身を、知覚力・記憶
力・言語能力・数能力・思考力としておきましょう。
知覚力は、見たり聞いたりするものを、注意深く受け止める能力です。
記憶力は、覚えこむ力・覚えている力・忘れたものを思い出す力で、観察力・
弁別力もこの
中に入ります。
言語能力は、語彙力・表現力などです。
数能力は、数・量・図形・空間に関する能力です。
思考力は、推理力・構成力・判断力(洞察力・見通す能力)などを含みます。
思考力には、答えをいくつも考えられる拡散思考能力(創造的思考力)もあり
ます」
「ママ、生まれたらこんなふうに育ててね」 P224
(家庭教育システム研究会 著 横山ふさ子 画 サンマーク出版 刊)
「画」とありますように、この本は漫画です。サブタイトルが「赤ちゃんは親
を選べません」と、何とも厳しいのです。このタイトルに惹かれて買ったので
すが、内容はわかりやすく、これからママになる方に推薦したい本の一冊です。
第2は徳力です。
これはいうまでもなく、社会性や協調性といった「集団生活への適応力」です。
集団生活は人との関わりの中で培われていくものですから、自主的に取り組む
姿勢や自身をコントロールする自己統制力が養われてきます。
家では許されることでも、集団生活では認められないことを、幼稚園や保育園
での生活を通して経験し、少しオーバーではありますが、「共生、共に生きる
こと」を学んでいるはずです。
グループ別に行われる行動観察系のテストや運動テストなどで、日常の生活環
境や体験が姿を現します。過保護であればわがままに、過干渉であれば消極的
な態度になりがちです。
また、一つの例として、ペーパーテストでも、指示されたことをきちんと守ら
ないと、大きなマイナス点になります。
「始め!」 と言われる前に始めてしまったり、「止め!」 と言われても止め
られなくては、人の言うことを聞く姿勢ができていないと判定されるでしょう。
規則や約束を守ることは、集団生活をスムーズに進めるために、欠くことので
きないルールです。
公開模擬テストを受けて、「社会性や協調性に問題あり」とチェックが入った
場合は、通っている幼稚園や保育園の先生に相談しましょう。
「少し、問題がありますね!」
といった返事があった場合は、「大いに問題あり!」と受け取り、お子さんを
取り巻く環境を、ご両親で見直す必要があります。多くの場合、ご両親の育児
の姿勢に、その原因があるからです。
第3は体力です。
指示を理解し体で表現する理解力、機敏性や俊敏性を問う運動能力、どれだけ
頑張れるかといった持久力や耐久力などが判定されます。
もちろん、通学に必要な体力が培われているかも大切なポイントになります。
もやしっ子を鍛え直すために始めた暁星小学校のサッカーを持ち出すまでもな
く、現代っ子はスタミナ不足です。都会から原っぱが姿を消し、車が子どもの
足代わりとなっている生活が、スタミナをつける源を奪っているようです。
スタミナ不足は、単に体力的な面だけではなく、持久力や耐久力を培う「頑張
る意欲」にも、大きな影響を与えていることを、もっと真剣に考えるべきでは
ないでしょうか。集中力に欠け、すぐに飽きてしまうお子さんは、体力不足に
も原因があるとも言われています。
5分も歩かない内に「おんぶ!」と言うようでは心配です。夏休みから秋の試
験当日まで、大変なエネルギーを必要とします。それをクリアしなければ、小
学校の試験に挑戦できません。
ボールつきや縄跳びは、全身を使いますし、微妙なバランス感覚を養う運動で
す。目標を立てて挑戦し、続けることで力がつく、「持続こそ力を育む」こと
を、体験を通して学習させるべきだと思います。お子さんの運動能力をチェッ
クし、問題があれば、お父さんの出番です。
第4は気力です。
まだ、実感はわかないかも知れませんが、5歳の秋を制する決め手は、「気力」
です。 そして、これだけは、何十冊の問題集をこなすだけで身につくもので
はありません。本人の自覚です。本人にやる気力がわかなければ、本当に頑張
る力はつきません。モチベーションを上げる、これも、ご両親の育児の姿勢と
深い関わりがあります。
過保護や過干渉な環境で育てられていると、白百合学園小学校、立教女学院小
学校、光塩女子学院初等科のように、ペーパーの枚数が多く、限られた時間内
に取り組む試験には、俊敏に対応できません。
また、かつて慶應義塾幼稚舎が出題した、イーゼルを立てて絵を描くといった、
初めて経験することには、手が出ないでしょう。
成蹊小学校のように、反復運動を繰り返す運動テストに耐えられないと思いま
す。
私が言う気力とは、自分一人でやり遂げた体験、体験学習を豊富に積んでいく
ことから身についた「意慾」のことです。
ご両親が失敗を恐れずに、積極的にチャレンジさせ、自立心を身につけるよう
に心がけていれば、自ずと備わってくるものです。ご両親は、叱ることが少な
く、励ます言葉が多く、大らかな心を持っているはずです。お子さんのお手本
は、ご両親です。そういったご両親であれば、お子さんもできないからと言い
訳をすることもなく頑張ります。むやみに叱らないご両親からは、相手を思い
やる心が育ちます。
誤解されては困りますが、「何事にも叱ってはいけない」と言っているのでは
ありません。約束を守らない、嘘をついたときなどは、真剣に叱ります。「叱
るべきときは叱り、褒めるべきときは褒める」ご両親のことです。
自分でやり遂げた経験がたくさんあると、達成したときの快感を味わっていま
すから、何かに取り組もうとする意欲が育っています。
そして、いろいろなことを体験しているお子さんは、過去に出題された問題集
をやってみると、これと同じことを、普段、家庭や幼稚園で、一人遊びや仲間
遊びを通して、何らかの形でやっていることに気づくはずです。
幼児を対象にした試験は、大学などの入学試験とは違います。誤解を恐れずに
いえば、必要なのは、記憶だけに基づいた知識の量ではなく、体験をふまえて
培われた知恵の量だと思います。
すでに、公開模擬テストを受けられた方でしたら、ご存知のように、テストの
出題範囲は、ほとんどの場合、以下の10項目になっているはずです。
1話の記憶 2数量 3常識 4推理・思考 5記憶力
6構成力 7巧緻性 8社会性 9言語 10運動
先にあげた4つの力を、ペーパーテストや行動観察、面接を通して、こういっ
た項目に分けて判定しているわけです。小学校側も、この10項目内で判定し
ていると思います。まもなく発売される今年度の問題集をお買いになると、納
得できるでしょう。10項目については、12月頃から解説する予定です。
以上の4つの力に加え、慶應義塾幼稚舎、桐朋小学校、桐朋学園小学校などを
除き、ご両親には面接があるわけです。その学校を選んだ理由をきちんと話す
ことで、合否の判定が行われます。小学校の入学試験は、試験を受けるのはお
子さん自身ですが、「判定されるのはご両親の育児の姿勢である」といわれる
のは、こういった仕組みになっているからです。推薦制度を取り入れる学校も
増えてきましたが、その条件は、やはり、育児の姿勢を重視しており、決して
安易なものではありません。
最後に、東日本大震災は、電車通学する子ども達に大きな課題を与えました。
暁星小学校の説明会では、生徒全員の寝袋を用意していることや、慶應義塾幼
稚舎では、プールの水を飲料水に還元できる機器や、自家発電装置を設置した
話などもあり、どこの学校も十分な対策を立てていると説明していますから、
心配はないでしょう。
今、子どもたちに求められているのは、災害時に対応できる気力と体力です。
東日本大震災が起きた年、成蹊小学校の説明会で8時間かけて自宅にたどり着
いた、1年生の書いた作文を披露しましたが、親切な女性3名の温かい応援が
あったとはいえ、まさに、幼いなりに、気力と体力を振り絞った「自奮、自励」
の体験談でした。
来年の学校選びには、登下校時に地震が起きたことを想定して、それに対処で
きる気力と体力を充実させる育児を心がけることも、学校選びの大切な条件に
なるのではないでしょうか。
次回からは、実際に行われている入学試験についてお話しますが、城山三郎氏
の著作、「素直な戦士たち」ではありませんが、かなり、すごいことをやって
います。
しかし、きちんと段階を踏んで学習し理解していけば、そんなに心配するもの
ではありません。
そのためにも、まず、試験の形式から説明しましょう。
(次回は、試験の形式についてお話ししましょう)
注 「素直な戦士たち」 城山三郎 著 新潮社 刊 昭和53年 発売
内容は小学校の受験だけではありません。
さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>なぜ、ペーパーテストを行わない学校が増えたのでしょうか
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「めぇでる教育研究所」発行
さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>
(第17号)
現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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なぜ、ペーパーテストを行わない学校が増えたのでしょうか
いささか古い話で恐縮ですが、平成4年の秋のことです。
当時、大手の幼児教室で、志望校別指導部門の慶應義塾幼稚舎を担当していま
した。試験を受けてきた子ども達が、こういったものです。
「先生、ペーパーは1枚だけでした」
事実、その年のペーパーテストは、「話の記憶」1枚だけでした。
同じ年の12月のことです。
今度は、お茶の水女子大学附属小学校の試験を受けてきた女の子が、
「先生、試験はありませんでした」
正しくは、「ペーパーテストはありませんでした」ですが、正直なところ、び
っくりしました。幼児教室で志望校を担当している者にとり、傾向を読めなか
ったのですから、これほど恥ずかしい話はありません。名誉挽回とばかりに、
その原因を探してみました。
この年から新しい学習指導要領が実施され、同時に幼稚園の保育も「幼稚園教
育要領」の改訂が行われ、今までの一斉保育から自由保育となり、一人ひとり
の個性を伸ばしていく保育に変わりました。ですから、皆さんのお子さんが通
っている幼稚園は自由保育であり、ここに注目してみると、おぼろげながら、
ペーパーテストを廃止した理由の一端がわかってきたのです。
ご存知のように、自由保育といっても自由奔放、何でもありの保育ではありま
せん。一口に言えば、みんなで一斉に同じことを強制的にやるのは止め、自発
的に活動できるように導く保育のことです。例えば、知識や理解力を培うにも、
自分自身で考えたり、工夫する機会や経験をたくさん持たせたり、自分勝手な
考えではなく、客観的なものの見方や考え方を身につけるように指導する保育
のことです。
もっと簡単に言えば、一斉保育は他律の保育で、自由保育は自律の保育のこと
です。他律と自律の保育については、わかりやすい歌があります。以前にも紹
介しました文部省唱歌、「雀の学校」です。
雀の学校
作詩 清水かつら 作曲 広田龍太郎
チイチイパッパ チイパッパ 雀の学校の 先生は
むちを振り振り チイパッパ チイチイパッパ チイパッパ
生徒の雀は 輪になって お口をそろえて チイパッパ
まだまだいけない チイパッパ もう一度一緒に チイパッパ
チイチイパッパ チイパッパ
先生がムチを振りながら、「こっちを向きなさい!」とやるのが他律の保育で、
自由保育にはムチを持った先生はいません。こういった保育内容を踏まえ、ここ
からは私の勝手な解釈ですから、深くお考えにならずに、読み流してください。
新指導要領の狙いは、偏差値教育の弊害などを見直すことでした。
大胆に言えば、今までの学習指導の基本的な考え方は、ペーパーテストのように
持ち点を100として、「これもできない、あれもダメ」と点数を引く減点方式
であり、主に知力だけを判定したものでした。改訂された「幼稚園教育要領」で
は、持ち点ゼロから始め、子ども一人ひとりの個性を見極め、「これもできた、
あれもいいぞ」と点を積み重ね、合計で何点取れたかと点数を積み重ねていく保
育に変えましたが、ペーパーを使わない行動観察型のテストは、この加点方式な
のです。
ペーパーテストは、取れた点数で子どもの限られた能力を評価しますから、個性
の出る幕はありませんが、行動観察型のテストは、絵を描いたり、自分の意見を
発表したり、課題に取り組む子ども達の様子を観察し採点しますから、プロセス
を重視し個々の能力を評価します。つまり、個性の尊重です。
また、こんな定義はありませんが、計算の問題から考えてみました。ヒントにな
ったのは、「ママ、生まれたらこんなふうに育ててね」(家庭教育システム研究
会 著 横山ふさ子 画 サンマーク出版 刊) の育児の本で、「画」とある
ように漫画です。
1+9=□は、答えは1つしかありませんから、全員で同じことに取り組む集中
思考型保育、□+□=10は、答えが10通りありますから、一人ひとりを育て
ていく拡散思考型保育と考えると、
一斉保育(他律の集中思考型保育)→減点方式→ペーパーテスト
自由保育(自律の拡散思考型保育)→加点方式→行動観察型テスト
となり、幼稚園の保育の方針が、他律の一斉保育から自律の自由保育に変わった
ことから、小学校の入学試験の形式も減点方式だけではなく、加点方式を加えた
と言えるのではないでしょうか。
ペーパーテストを実施している学校も、制作や課題遊び、自由遊び、運動テスト
などを通して、社会性や協調性など集団生活への適応力を評価、採点し、バラン
スの取れた成長をしているかを判定しています。ですから、入試に必要な知識な
るものを、記憶だけに頼って詰め込む知育偏重型の受験対策は、どこの学校から
も歓迎されないと言えるわけです。
前回でもお話ししましたが、現在、国立附属校では、筑波大学附属小学校を除き、
お茶の水女子大学附属小学校、東京学芸大学附属竹早小学校等はペーパーテスト
をやっていません。私立校では、慶應義塾幼稚舎、青山学院初等部、学習院初等
科、成城学園初等学校、桐朋学園小学校、川村小学校などもやっていません。
(平成28年10月現在)
おもしろいのは、以前は運動テストもなく、ペーパーテストしかやっていなかっ
た立教小学校が、今ではペーパーテストを廃止して行動観察型に切り替え、運動
テストは勿論のこと、男の子が苦手とするダンスまで取り入れています。校長先
生は学校説明会で、文言は正確ではありませんが、「私学がよい子を取り合った
時期があったが、それは間違いでした」と指摘され、翌年の説明会では、「取り
っこではなく分けっこの時期に入った」とおっしゃっていました。
少し古くなりますが、「ペーパーテストを廃止した理由」を公表した学校があり
ます。慶應義塾幼稚舎の舎長が、以前、こうおっしゃったのです。これはわかり
やすい話ですから紹介しておきましょう。余談になりますが、舎長は校長のこと
で、東洋英和女学院小学部、青山学院初等部は部長、学習院初等科は科長、光塩
女子学院初等科は校長、国府台女子学院小学部は副学院長の名称となっています。
「受験という現象がある以上、その競争の社会の中で、人より抜きん出て勝利
を占めようと、どんどんエスカレートします。競争社会は、結果を争うわけです。
だから、私たちは、結果を争うようなテストをしません。結果を点数に直して、
点数で序列をつけるような教育をしていない。点数で子どもの序列をしないとい
うことは、ペーパーテストはしませんというのが、一番わかりやすいということ
です」 (週間ポスト 平成6年4月3日号)
辞任されて教員に復帰された加藤三明元舎長は説明会で、毎年「幼稚舎の教育目
標は、他人との競争ではなく自分との戦いである」とおっしゃっていました。
さらに注目したいのは、東京女学館小学校です。
平成12年に就任された田浦桂三校長(同15年に退任)は、面接と推薦状だけで
入学を決めるAO方式(アドミッションズ オフィス)を始めました。文言は正
確ではありませんが、「受験のために子ども達に大きな負担をかけたのは、塾や
親の責任ではなく、そういう環境を作った学校にある」と言い切った方です。募
集人員80名中、AO方式20名からスタートし、平成28年10月現在、AO
方式45名(内3名「国際枠」)、一般入試35名になっています。「やがてはす
べて、この方式に変えていきたいと」先生は抱負を語っていましたが、もし、こ
れが実現すると、「私学もやがて抽選で!」といった夢のような話……まあ、夢
でしょうけれど。子ども達のために頑張ってほしいと期待しています。残念なが
ら大学は、在学生全員が卒業した今年の3月に閉鎖されました。
ところで、皆さんご存知のごとく、平成14年度から実施されていた学習指導要
領ですが、学習内容が削減された問題などを含め、早々と改訂されました。しか
し、すべてが悪かったわけではありません。「ゆとりの教育」を目指し、私学の
大きな特徴であった週五日制、英語教育も始まりました。少人数制に至っては、
私立の小学校は都心の公立校にかなわなくなっているでしょう。この状態を「公
立校の逆襲が始まった」と、東洋英和女学院小学部の寺澤東彦前部長は説明会で
おっしゃっていました。ですから、私学には脅威でもあったわけです。
事実、日本女子大学附属豊明小学校、立教女学院小学校、東洋英和女学院小学部、
青山学院初等部、成蹊小学校、昭和学院小学校、日出学園小学校、国府台女子学
院小学部など、最近の私学の教育環境整備には、目を見張るものがあります。
また、桐朋小学校は1クラス24人、成蹊小学校では4年生まで1クラス28人、
日出学園小学校は2年生まで4クラス編成(1クラス25名、26人編成)、3
年生以上は今年より3クラス編成(1クラス34名)の少人数制を実施するなど、
私学ならではの対策が顕著になっているのも事実です。
さらに、2013年に慶應義塾横浜初等部、2014年に茨城県取手市に江戸川
学園取手小学校、そして2015年には神奈川県藤沢市に日本大学藤沢小学校が、
茨城県つくばみらい市には開智望(のぞみ)小学校が開校され、今年4月には千
葉県流山市に暁星国際流山小学校が開校されました。受験者が減る中で、なぜ新
しく私学が創立されるのでしょうか。誤解を恐れずに言えば、画一的な教育より
ユニークな教育環境で、そして東日本大震災以降、通学に安全な地元の学校で学
ばせたいと、希望する保護者が増えているからではないでしょうか。
そこで問題になるのは、志望校の選び方です。
なぜかと言えば、小学校選びは聖書の「始めに言葉ありき」ではありませんが、
「始めにご家庭の教育方針ありき」であるべきだからです。これが「始めに名門
校ありき」では、かつてバブル経済全盛期の頃、マスコミがお受験騒動と指摘し
たように、ブランド志向によって起きた「受験戦争の低年齢化」、「幼い子ども
を受験戦士に仕立てていいのか」などと批判の対象になりかねないからです。本
当は、こういったことが起きること自体、異常なのですが、いわゆる「受験地獄」
に陥らないためには、ご両親でよく話し合いをし、受験に取り組むことが大切で
す。
小学校の受験は、前回お話ししたスケ―ジュールをもとに、慎重に計画を立て、
「ゆっくり、じっくり、しっかり」と、ゆとりをもって挑戦するものであること
を、肝に銘じて頂きたいのです。
(次回は、「小学校の入学試験の内容」についてお話しましょう)
さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>最近の入学試験の傾向
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「めぇでる教育研究所」発行
さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>
(第16号)
現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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最近の入学試験の傾向
小学校の試験を目指す皆様方ですから、既に、ご承知と思いますが、最近の傾
向として、ペーパーテストを実施しない学校が増えてきたことです。
その経緯については、あとで詳しく紹介するとして、ここ数年間の出題傾向に
ついて、簡単に触れておきましょう。
ペーパーテストを行わない学校は、慶應義塾幼稚舎、青山学院初等部、学習院
初等科、立教小学校、桐朋学園小学校、川村小学校などで、いわゆる行動観察
型のテストを実施しています。
「ペーパーテストを行わずに、何がわかるのですか?」と、疑問視する方も大
勢いらっしゃるようです。
ところが、これがよくわかる仕掛けになっているのです。
仕掛けといっては失礼になるかもしれませんが、ある年の桐朋学園小学校の学
校説明会で、たまたま顔を出された校長先生が、面接についておもしろい話を
してくれたのでした。
「私どもが面接をしないのは、親御さんに『趣味は何ですか』とうかがっても、
本当は競輪や競馬が大好きでも『読書、音楽鑑賞です』とおっしゃるでしょう。
だから面接をしません。しかし、私どもでは二日間、お子さんを預かりますか
ら、どのような家庭環境で育てられているかわかるのです」
文言は正確ではありませんが、内容は間違いありません。
その通りではないでしょうか。
子ども達は演技ができませんから、育てられた環境を、そのまま正直に、試験
会場で見せることになります。
基本的な生活習慣やしつけ、言葉遣いから社会性や協調性といった集団への適
応力など、手に取るようにわかるのではないでしょうか。
ですから、「ペーパーテストがないから受験準備は楽だわ!」などと考えるの
は、とんでもない誤解で、行動観察型の試験は、ペーパーテストより難しいと
ころがあります。
なぜなら、先生方の言葉を聞き取り、理解し、考え、自分の言葉で表現したり、
絵を描いたり、行動する、それが行動観察型の試験だからです。
どういった準備が必要だとお考えでしょうか。
ペーパーテストを実施している学校は、暁星小学校、雙葉小学校、白百合学園
小学校、東洋英和女学院小学部、聖心女子学院初等科(一時期、ペーパーテス
トを止めていたのですが)、立教女学院小学校、光塩女子学院初等科、国府台
女子学院小学部などです。
このように学校名をあげてみると、何かお気づきのことはありませんか。
そうです、何とも不思議なことに、宗教教育を行っている学校が多いのです。
しかも、いずれも、いわゆる名門校ですから、試験問題の難易度は、高いこと
も共通しています。
なぜ、難しい問題が出題されるのでしょうか。
おそらく、過去問といわれている、以前に出題された問題を集めた本などを使
い、繰り返し問題を解くといった受験準備ではなく、基礎知識をきちんと身に
つけ、問題を解く力を備えてほしいと、学校側は考えているのではないでしょ
うか。
簡単に説明するのは難しいのですが、わかりやすい話だと思いますので紹介し
ましょう。
試験問題の中に、「四方図形」があります。
これは、テーブルの上に置かれた左手をあげた縫いぐるみを、前後左右から見
ると、どのように見えるかといった問題です。
この場合、四つの方向から見ることになりますから、四つの違った答えがある
わけです。
つまり、学校側は、答えは一つだけではなく、いろいろな方向、立場からもの
を見て判断する、そういった力を持つ子どもを求めているのではないでしょう
か。
さらに、ここ数年、こういった問題がありました。
・雙葉小学校
お皿に入っているプラスチックの玩具の宝石20個ほどを、細かく分かれてい
る箱に、塗り箸でつまんで入れる。
・白百合学園小学校
プラスチック製の穴の空いた板に紐が通してあるお手本を見ながら、同じよう
に紐通しをする。
・暁星小学校
机の上に弁当箱、弁当箱のふた、弁当袋、箸、箸箱、箸箱のふた、校内着、半
袖のポロシャツ、ハンカチ、ティッシュ、本、靴下などがバラバラに置かれ、
それをファスナー付きのカバンの中にきれいに詰める。
靴を脱いで、机にある折り紙をとってきて、好きなものを折る。
(5個折らせた年もありましたし、少し力の必要な折り方が出題されたことも
あります)
・青山学院初等部
靴を脱いで手を洗いにいき、椅子をテーブル代わりにして、煎餅、クッキー、
お茶を自分で用意し、いただく。食べ終えたらゴミを分けて捨て、後片付けを
し、席で待つ。
・日本女子大学附属豊明小学校
いろいろなビーズの入ったトレーから、自分のお皿にできるだけ多くのビーズ
を塗り箸で移す。
細い紐にビーズを通して端を結びネックレスを作る。
クーピーで絵を濃淡に塗り分ける。
・東洋英和女学院小学部
机に置いてあるカゴの中から、弁当箱とハンカチをとってくる。次にテスター
が持っているカゴから、ピンポン玉2個と豆を箸で取り、弁当箱に入れる。そ
して、テスターの手本どおりにハンカチで箸と弁当箱を包み、指示された机に
置く。
・立教女学院小学校
塗り箸で、さいころの形をしたキューブを隣の紙のお皿に移す。
・千葉日本大学第一小学校
教室の後ろのテスターのところに並び、洋服をハンガーごと持ってくる。ハン
ガーから洋服を取り、着ている服の上からきる。ボタンを1つかける。ボタン
を外し、着た服を脱ぎ、ハンガーにかけテスターのところへ持って行く。
・早稲田実業学校初等部
靴を脱いでじゅうたんに上がり、お手本を見て封筒を作る。作り終えたら机の
中から雑巾を出して手を拭いたあと、机を拭き、たたんで机の中にしまう。
・田園調布雙葉小学校
持参した服に着替え、着ていた服を風呂敷で包む。
・横浜雙葉小学校
お友達と床に正座して、おしゃべりをせずに、持参した弁当を食べる。
・日出学園小学校
ふわふわボール6個を箸でつかみ、弁当箱に入れナフキンで包む。
学校側は、何を見ているか、おわかりいただけたと思います。
基本的な生活習慣が、きちんと身についているかを知りたいわけです。
基本的な生活習慣はしつけであり、それは、ご家庭の育児の姿勢でもあるわけ
です。
東洋英和女学院小学部の寺澤東彦前部長は、「しつけや言葉遣いは、生まれる
前に刷り込まれているわけではないから、強制的に教え込まなければならない」
とおっしゃっていますし、国府台女子学院の平田史郎学院長は、「訓練されて
いない個性は野性である」とさえいっています。
両校とも宗教教育を行う女子だけの学校です。
ご家庭の教育に何を求めているのでしょうか、受験準備のポイントは、ここに
あると思います。
つまり、知識だけ身についた偏った子どもではなく、知・徳・体の三つの能力
が、年令相応にバランスよく育った気力のある子を望んでいるのです。
ですから、小学校受験でもっとも大切なことは、就学前の子どもにふさわしい
基本的な生活習慣やしつけ、挨拶、言葉遣いなどを、きちんと身につけておく
ことなのです。
今からしっかりと計画を立てて、一つ一つ階段を上るように、地道な努力を積
み重ねていくことが求められています。
いわゆる、つけ焼刃などは、絶対にききません。
もう20年ほど前の話になりますが、バブル経済全盛期の頃で、私立志向が過
熱気味な状態にあったときでした。
あるミッション系の学校説明会で、校長先生は、こうおっしゃったものです。
「受験に必要な知識や礼儀作法なるものを泥縄式に詰め込んで、受験準備、こ
と足れりとお考えになるのは、間違いであることに気づいてほしい」
昔の話ですから文言は正確ではありませんが、内容は間違いありません。
このことではないでしょうか。
泥縄式とは、
「泥棒を見てから縄をなうことで、事が起こってからあわてて、その対策に手
をつけることをあざけていう言葉」
ですが、特に、幼児の受験の場合、泥縄式は、絶対に通用しません。
これからの毎日の生活の積み重ねが、来年の秋に実を結ぶことを、肝に銘じて
いただきたいのです。
(次回は、「なぜ、ペーパーテストを廃止する学校が増えたか」についてお話しましょう)
さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>受験までの1年間のスケジュール
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「めぇでる教育研究所」発行
さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>
(第15号)
現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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受験までの1年間のスケジュール
「入試の準備は、いつ頃から始めるのがよいのでしょうか」
よく受ける質問です。
年少の11月から2年間かけて、無理なく進めていくのが理想ですが、皆さん
方は、来年の秋に受験されるわけですから、この1年間、どのような予定で進
めていくかを考えてみましょう。
ほとんどの幼児教室は、11月が新学期で、次年度受験の新年長クラスはここ
から第一歩が始まります。
11月から7月まで、基礎知識を身につける講座が続きます。
この月から、年長向けの公開模擬テストも始まります。
年中から準備をはじめているお子さんは、模擬テストを受けていますから、既
にご存じのことですが、結果表には、得点から総合順位、偏差値まで、ある時
期から、志望校への合否判定も添付されてきます。
結果表にある男女別の順位は、男子校、女子校を受ける際の判定の基準に、男
女の総合評価は、共学の学校の判定基準としても利用できます。
テストの内容は、2月頃から始まる「合否を判定する10項目」で、詳しく解
説する予定です。
また、幼児テスト特有の生活習慣や、しつけ、社会性などの判定もついてきま
す。
「意外に、内弁慶だった」などと、普段、皆さん方が気づかないお子さんの素
顔を見ることもできます。
これは、非常に大切なことですが、案外、軽く見られている傾向にあります。
チェックが入った場合、ご両親の責任と考え、お子さんを取り巻く環境を、真
剣に考えてあげましょう。
なぜなら、多くの場合、育児の姿勢に原因があるからです。
12月の後半には冬期講習会が、3月の後半には春期講習会があり、2月頃か
ら志望校別講座など、さまざまな目的を持った講座も始まります。
教室によっては、レベルの高い特別講座を設け、難関校への準備も始まります。
5月の後半から7月中旬にかけて、学校見学会や説明会が始まります。
普段、学園内に入れませんから、できるだけ多くの説明会へ参加することをお
薦めします。
ミッション系の学校に関心がなくても、ぜひ、一度は参加しておきたいもので、
宗教教育の目的が、わかるからです。お勧めは青山学院初等部です。
「別学の学校はどうも」とお考えの方も、別学の学校を訪ねてみましょう。立
教小学校の田代教頭の「男子だけの良さ」の話は面白く、共学にはないものを
見つけることもできるからです。
雙葉小学校のようにはがきで申し込んだり、学習院初等科、聖心女子学院初等
科、慶應義塾横浜初等部、日出学園小学校、昭和学院小学校などWebでの予約
システムや参加用紙をダウンロードして持参する学校が増えてきました。受験
を考えている小学校のホームページでは今年の説明会の日程や予約の有無など
を見ることができます。
授業参観をかねている場合は、とかく1年生の教室が注目の的になりがちです
が、上級生の教室もこの機会に参観してみましょう。参加者も少なく、思った
より厳しい学習風景に出くわすこともあります。
説明会の日程は、各幼児教室で発表される一覧表を参考にし、うっかり忘れた
などのミスがないように、充分、注意しましょう。学校によっては、説明会を
1回しか開催しないところもあるからです。
学校見学会や運動会、文化祭などの行事に参加できるところもありますが、こ
ういった情報は、各学校のHPに紹介されていますから、しっかりと調べてお
きましょう。
面接で、説明会や行事に関して印象を尋ねられる場合もあります。普段、入れ
ない校舎に入り、子どもたちの遊ぶ様子から、意外な側面を見ることもでき、
学校選びの重要なポイントにもなります。
そして、トイレの場所も確認しておきたいものです。後で、役に立ちますから。
28年は、白百合学園小学校は校舎見学がなく、慶應義塾幼稚舎は外からの見
学だけでした。暁星小学校は、例年説明会は中高の講堂で開催、校舎見学はあ
りませんでしたが、講堂は改築工事中で、今年は上智大学の講堂で行われ、そ
のため会場での願書配布はなく、配布した9月5日、午後1時から4時まで1
階に限り校舎見学が可能でした。こういった変更のあることも覚えておいてく
ださい。
なお、最近は、昭和女子大附属小学校の「自己推薦型入試」、日出学園小学校
の「第一志望入試」といったように推薦制度を設ける学校が増えています。各
学校の本年度の入試要項がHPで公開されていますから、どういった形式にな
っているかチェックしておきましょう。
ところで、夏になると、ほとんどの幼稚園でお泊まり保育があると思います。
親のもとを離れて生活することで、どのくらい自立心が培われているかもわか
ります。一人っ子の場合は、とかく、過保護、過干渉の環境となりがちです。
また、幼稚園や保育園の先生から保護者会の折りなどに、「少し、社会性に問
題があるようです」などといわれている場合は、大いに問題があると考え、日
頃の育児の姿勢をチェックする必要もあるでしょう。
7月の後半から、夏期講習会が始まります。
「夏を制するものは、入試を制する」といわれているほど大切な時期で、幼稚
園の休みを、いかに計画的に利用するかがポイントとなってきます。
基本的な生活習慣は、この時期までにきちんと身につけておくべきです。
かなりハードなスケジュールになりがちですから、旅行や里帰りなどは、お子
さんを中心に、計画しておきたいものです。
ご両親、特に、お父さん方の意識を高めるために、模擬面接指導も始まります。
この指導は、できるだけ早い時期に受けておくべきです。「たかが、面接!」
などと侮っていては、失敗します。
当研究所では、毎年、6月から始めています。ここ数年、申し込みが9月に集
中する傾向にありますが、お子さんの普段では考えられないような応答、態度
を見て、びっくりされるお父さん方がいます。模擬面接は、どういった答えを
するかのテストではなく、お子さんが、初めての先生方とどういった話ができ
るかを見てもらうのが大きな目的です。9月では、マイナス面がわかっても、
わずかな期間では修正の効かないのが幼児です。特に難関校の場合は、夏休み
の前に済ませ、マイナス点を修正し、9月に再度挑戦されることをお勧めしま
す。
8月の後半から9月にかけて、直前講座が始まり、中断していた説明会も開始
され、願書も配布されます。
9月の後半から10月にかけて、願書の受け付けが始まります。
日程の関係で、出願してみないと併願が可能かどうかわからない場合がありま
す。
何校も出願する場合もあることを、頭に入れておいてください。
なお、今年も聖心女子学院初等科では、HPで願書の書き方を紹介しています。
他校の場合にも大いに参考になる解説となっていますから、ご覧になることを
お薦めします。
また、日出学園小学校、国府台女子学院小学部のように出願もWebで行う学
校もありますのでHPで見ておきましょう、今後も増えると思われるからです。
早いところでは、9月の中旬から面接が始まります。
そして、お子さんは直前の特別講習や個別の指導などを経て、ご両親は面接に
備えて心を一つにして、試験に臨むことになるわけです。
幼児教室や塾の選び方は、ご両親で研究されることです。
お母さん任せでは、手に負えません。
お父さんも一緒になって考えましょう。
そして、任せたからには、先生方のアドバイスに従い、家庭学習などもこなし
ていくべきで、幼児教室の掛け持ちはさけるべきです。
指導の方針に違いがあれば、迷ってしまうのはお子さん自身だからです。
公開模擬テストは、指導の結果をチェックできる大切な試験ですから、毎月1
回は受けるべきでしょう。
理解できていないところは、体験不足の結果と冷静に受けとめ、対応すること
が大切で、偏差値や順位に一喜一憂し、感情的にならないことです。
直前になれば、他の教室への他流試合も、本番に慣れるために必要ですが、あ
まり早くから挑戦するのは、お子さんにとっては、会場が変わるたびに緊張感
を強いられることになりがちですから、慎重な対応が求められます。
全統オープン等、小学校を会場とする模擬テストも上手に利用しましょう。
こういったスケジュールで1年間を過ごすことになります。
メールマガジンもこれに従って、ご両親で取り組むべきことを説明していきま
すが、最も大切な学校選びのポイントと願書の書き方、面接に関しては、当研
究所で発行しています、
「面接、ここがポイント 小学校編」(書籍)
「面接克服、ここがポイント~That's a Plenty」(CD版)
志望理由についてのアドバイスは、
「おとうさん、おかあさんの受験対策 全25冊」
(志望理由など面接で聞かれる質問事項の学校側の観点を分析した当研究所独
自の小冊子)
「心を鍛える賢い子どもの育て方」
(幼稚舎を始め28校、当研究所にしかないオリジナル学校ガイド CD版)
で詳細に解説していますから、参考にしていただければ幸いです。
メールマガジンの進め方として、面接と志望校選びについては、どうしても来
年の8月以降になりますので、ご両親の心の準備として、お薦めいたします。
詳しくはHPをご覧ください。
(次回は「最近の入試の傾向」についてお話しましょう)
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