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めぇでるコラム : 2018幼稚園受験: 2016年11月
さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>3歳ごろは、どうでしたか
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「めぇでる教育研究所」発行
「2018さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
第4号
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
3歳ごろは、どうでしたか
お母さんに手伝ってもらわなくても、自分でできることが増えたのでは
ないでしょうか。
パジャマも着られるようになり、ボタンのかけ外しに興味を持ち始めませんで
したか。
靴も、はけるようになりましたね。
はしも使えるようになったのではありませんか。
いちばん違ってくるのは、お母さんの手伝いを嫌うことではなかったでしょう
か。
自分でやりたがる、そうではありませんでしたか。
2歳の終わり頃から、控えめでしたが反抗的にもなってきました。
それが、はっきりと態度に現れるのが、3歳児の特徴です。
反抗期です。
でも、反抗期は、子どもが成長していく証拠です。
標的は、残念ながらお母さんなのです。
しかも、子どもも遠慮しないで、はっきりとやります。
頭に血が昇って、カッーとなったこともあったでしょう。
血相を変えたこともありましたね、お母さん……。
でも、耐えました。
なぜ、でしょうか。
「ママ、手伝わないでね、自分でできるから!」
(「まだ、無理ですよ」)お母さんには、わかっています。
お母さんの予想通りに、できません。
ものの見事に失敗します。
でも、お母さんは、
「ママがいったでしょう。まだ、できないのよ、あなたには!」
こんなこと、言いませんでしたね。
「一人で、できるように頑張りなさいね!」
こういって励ましたのではなかったでしょうか。
これが、子どもにとって、どんなに心強かったか……。
このことです。
失敗しても叱られません。
叱られないどころか、頑張りなさいと励まされます。
「お母さんって、やさしいな!」
これです。
ここから、相手を思いやる気持ちが生れます。
思いやりです。
お母さんのやさしいこの一言が、お子さんの心の中に、相手を思いやる気持ち
を育んでいくのです。
そのことを考えずに、
「あんたっていう子は、生意気いって、できないじゃないの! ママには、わ
かっているの、まだ無理なのよ!」
とやってしまったら、どうなるでしょうか。
失敗を恐がって、自分からやろうとしませんし、手を出さなくなります。
こんなときのお母さんは、本当に恐いです。
言葉にも遠慮はありませんが、顔も遠慮せずに、キッパリと怒っています。
どうして、子どもを怒るときのお母さんは、無防備になるのでしょうか。
怒っている時、急いで鏡を見てごらんなさい。
自分でもびっくりしますよ、夜叉……、いや、言うのは止めときましょう。
自分では、できると思っていたにもかかわらず、できなかったことで、相当、
自信をなくしているはずです。
気持ちが沈んでいるところへ、きつい追い打ちの言葉です。
気をつけないといけません。
言葉の暴力は、遠慮なしに、グサリと、土足で、お子さんの心に入りこみます。
「あなたなんか、もう知りません!」
はっきりいって、これはキョウハク、脅迫です。
見離されるのですから。
世の中でいちばんやさしくしてほしいお母さんに、こういわれたら、子どもは
泣くしかありません。
これで、相手を思いやる心は育つでしょうか……。
しかし、しかしです。
しばらくすると、「ママ!」といって、お子さんは、そばに来るでしょう。
これが不思議です……。
お父さんが、お母さんのように、理性を置き忘れて、声を張り上げて怒ってご
らんなさい。
子どもは、寄ってきません、恐がって。
本当に、不思議です。
お腹を痛めないと、こういう親子の強い絆は、できないのでしょうか。
しかもです。
お母さんは、ほんの少し前まで、柳眉を逆立てて怒っていたのにもかかわらず、
そんなことあったのかしらと、涼しげな顔をして、
「のどが渇いたわね。アイスでも食べましょうか!」
などと、ニコニコしながらいうのですから、これまた不思議です。
どうです、お父さん方、こういう親子関係、どう考えますか。
お母さんの影響力は、絶大なのです。
お母さんは、このことを忘れてはいけません。
忘れきっているお母さん、結構いますね。
子どもは、お母さんの持ち物ではありません。
勘違いしたら、恐い話です。
感情的になって、むやみに叱り飛ばさないで下さい。
受験準備、特に、知的な領域の問題に関しては……。
子どもに代わって、お願いしておきます。
それはともかくとして、いろいろなことをやってみたい意欲と結果は、いつでも、
アンバランスな答えと、結果が伴いがちです。
でも、お母さんは、ここでも忍の一字です。
来年から幼稚園です。
手のかかる子は、幼稚園でも歓迎されません。
3歳は、親のもとを離れて、一人で生活を始める準備期間です。
つまり、自立が始まるときです。
母親という母港から、船出をすることです。
といっても、いきなり大海原(おおうなばら)へ出かけるわけではありません。
お母さんの目の届く範囲内で、チョロチョロ出ては、サッと帰ってくる、小さな
冒険と考えたらいいでしょう。
冒険は、実験です。
実験は、試行錯誤の繰り返しです。
子どもは、納得するまでやります。
たとえば、このようなことはありませんでしたか。
ティッシュペーパーの箱から、ティッシュを引き出すことです。
親は、いたずらだと思って叱ります。
その場は止めるのですが、親がいなくなると、またやり始めます。
「いたずらしたら、駄目だといったでしょ!」
と声を荒げて注意しても、親がいなくなると、また、始めるのです。
これには、腹も立ちます。
「何回、いったらわかるの!」
切れます、さすがの我慢強いお母さんも。
しかし、子どもには、ちゃんとした目的と理由があるのです。
これは、いたずらとは違います。
どうして、次から次へとティッシュパーパーが出てくるのだろう。
どんな仕掛けになっているのか知りたい、それだけなのです。
1回、全部出させてみましょう。
納得したら、もうしません。
それでもするのは、いたずらですから、これは、きちんと叱るべきです。
好奇心が旺盛になり、探究心の結果か、それともいたずらか、よくわからなくな
ることが起きがちです。
この見極めも大切です。
そして、「褒めるべき時は褒め、叱るべき時は叱る」、これは、子育ての鉄則で
す。
あいまいにしてはいけません。
しかし、お母さん方の褒め方、うまいとは言えませんね。
できて当たり前と思っているお母さんがいます。
「隣のケンちゃん、もっと前からできていますよ!」
こう言われたお子さんは、どのような気持ちになるか考えてあげましょう。
比較してはいけません。
比較するなら、誕生日をきちんと頭に入れてすべきです。
早生まれのお子さんには、特に注意が必要です。
子どもが何かをやり遂げたことは、精一杯の努力をしているのですから、そこを
認め、きちんと褒めてあげましょう。
褒められればうれしいですから、次に挑戦する意欲も培われます。
このようにして、一つ一つ納得づくで、問題を解決していくのですから、時間が
かかるのも仕方がないでしょう。
何しろ、目に入るもの、耳に聞こえてくるもの、肌で感じること、手で触ったこ
と、口で味わったこと、興味の対象全部に、
「何だろう?」
「なぜだろう?」
「どうなっているのだろう?」
とやっていくのですから、考えてみたら、これは大変なことです。
ものすごい勉強をしているわけです。
しかも、親や先生から、「勉強しなさい!」といわれてやっていることではなく、
自分自身で、自発的に取り組んでいるのです。
体のどこから出てくるのかわかりませんが、盛んに指示が出てくるのでしょう。
自分でも、どうなっているのか、わからなくなる時があるようで、時々、ボーッ
としています。
しかし、自分から進んでやっているのですから、ものすごいことです。
育児書に「自発性」と書いてありますが、これです。
(次回は、「自発性、芽生えてきましたね」についてお話しましょう)
さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>2歳ごろは、どうでしたか
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「めぇでる教育研究所」発行
「2018さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
第3号
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2歳ごろは、どうでしたか
ゼロ歳から1歳は、条件反射の時代です。
音や光、匂いや肌ざわり、そして味です。
五感を刺激するものから、いろいろなことを学習します。
これは、赤ちゃんから独り立ちをするための準備なのです。
2歳を過ぎた頃から模倣の時代に入ります。
お手本は、身近にいるご両親です。
「まねる」は、「学ぶ」の基礎学習です。
まねることで、自分のものにしていきます。
その心は、「自分もやってみたい!」なのです。
親は、お手本ですから、いい加減なことはできません。
知らないうちに、じっくりと観察されています。
気をつけなくてはいけません。
お嬢ちゃんが、4歳位になると「ままごと遊び」を始めます。
いちばんやりたがるのは、お母さんの役のようです。
それを見て、ほとんどのお母さん方は赤面します。
どこかで見たような素振りと話し方だからです。
そうです、お母さん自身です。
長い年月をかけて、それこそ、じっくりと観察された結果です。
よいお手本を、見せてあげなくては、後悔します。
言葉も増えてきます。
赤ちゃん時代の「ママ」の一言しかいえなかったことを思うと、大変な進歩で
す。
何しろ、赤ちゃん時代は、この、「ママ!」の一言で、全部、一方的に会話を
済ませるのですから、どうしようもありません。
本当に一方的です。
お母さんは、王様に仕える家来のような存在になります。
「お腹が空いた!」
「水を飲みたい!」
「おむつ取り替えて!」
「汗かいて気持ち悪いの!」
「日光浴したい!」
「さみしいから、そばにきて!」
「テレビつけて!」
「頭が痛い!」
「抱っこして!」
「お散歩に連れてって!」
「お風呂に入れて!」
「眠るから子守唄を唄って」
面倒ですから書きませんけれど、選択肢は、こんなものではないですよね、お母
さん。
これを「ママ」の一言で、何を要求しているかを的確に判断して、適切な処置を
しないと、ワーワー泣くのですから困ったものです。
お父さんでは、おろおろするばかりで対処できないでしょう。
コンピュータでも、お手上げです。
赤の他人でしたら、ほっときますよ。
やはり、お母さんは、偉い!
しかも、お母さんは、こんなわがままを、いつまでも許しておくわけではなく、
決して屈しません。
いつまでも、「ママ!」の一言で済まされないように、一所懸命に言葉を教え始
めます。
ここにも、お母さんの涙ぐましい努力がありました。
「ママ、お水!」
と、お子さんがいったとします。
お母さん方は、どのように対応したか覚えているでしょう。
「のどが渇いて、お水を飲みたくなったのね!」
こういっていたのではありませんか。
そこで、お子さんは、
「ノドガカワク、ミズヲノミタイ」
といった言語の学習をしているわけです。
この語りかけ、おうむ返しが、会話の学習の基礎となって、今のように一人前に
話せるようになったのです。
しかも、お母さんは国語の先生のように、
「主語が『私』で、述語が『飲みたい』、目的語『水』、形容詞が、副詞が……」
と教えたわけではありませんが、かなり、理詰めに話せるようになっています。
お母さんとの学習が、苦にならなかったからです。
理想ですが、お子さんが勉強に取り組む姿勢も、かくありたいものです。
覚えておいてください、必ず、役に立つ勉強の心構えです。
ところで、
「ママ、お水!」
「……」
黙って水が出てくるだけでしたら、恐い話です。
この時の、お母さんの優しい語りかけが、どれほど、お子さんに安らぎを与えて
いるか、計り知れないものがあります。
情緒の安定です。
何もわかっていないようですが、赤ちゃんは、心の目で、しっかりと見ています。
両親の会話が少なく、いさかいごとがあると、赤ちゃんは、次第に情緒不安定に
なり、心が歪んでいくといわれています。
お母さんも、気をつけたのではなかったでしょうか。
しかし、まだまだ、ネンネです。
ちょっとしたことで泣き、かんしゃくを起こしました。
そんな時、泣いたり、足踏みをしたり、引っかいたり、無茶をしていたでしょう。
突然、電車の中で泣き出して、困り果てたことはありませんでしたか。
でも、お母さんは、「うるさいわね!」などと、決して怒りませんでした。
なぜでしょう。
それは、まだまだ半人前という、心あたたかい認識があったからではないでしょ
うか。
そうです、「思いやる気持ち」です。
子どもの相手を思いやる心を育むのは、お母さん自身の思いやりです。
いや、お母さんだけではありません。
お父さんとお母さんが、相手を思いやる気持ちを大切にしていれば、お子さんも
間違いなく、ご両親のようになります。
なぜなら、先にもお話しましたが、お子さんが真似をするお手本は、ご両親自身
だからです。
(次回は「3歳ごろは、どうでしたか」についてお話しましょう)
さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>第2号
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「めぇでる教育研究所」発行
「2018さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
第2号
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
少年が、何やら事件を起こすたびに、心が痛みます。
犯罪は凶悪化し、加害者の年齢は下がってくることに、恐怖さえ感じます。
「親の顔が見たいわ!」
「どんな育て方をしたのでしょう!」
当事者でなければ、何とでもいえます。
その少年を、その親を責めるのは簡単ですが、それで済まされないほど、事件
は日常茶飯事化しています。
脅かすようですが、これは、決して人ごとではありません。
親は、いつ、同じ立場に立たせられるかわからないからです。
中学生、高校生になると、親のいうことなど煩わしくて、聞く耳を持たなくな
ります。いくら、「冷や酒と親の意見は後で利く」といっても、馬の耳に念仏
です。
馬は向かってきませんが、現代っ子は、親にさえ牙をむきます。
親も逃げ腰です。
心の拠り所であるべき家庭が、その役目を果たさなくなったとき、親子の絆は
切れます。原因は、どこにあるのでしょうか。
いろいろと指摘されていますが、その一つとして、小学校へ入る前の幼児期に
問題があるような気がしてなりません。
「三つ子の魂百まで」といいますが、昔の人は、よいことわざを残しています。
しかし、このことわざを、「お勉強は、早ければ早いほど効果がある!」と考
え、早期教育に走るお母さん方がいるようですが、そういうことではありませ
ん。
3歳頃までに育てられた環境を、そのまま背負って生きていくという意味です。
3歳は、子どもが親のもとを離れ、自立の始まる時期です。
親から離れ、独り立ちするための準備期間です。
この時期に、子どもの人生を左右するものが、たくさんあるような気がします。
その一つが、お子さんを取り巻く環境です。
といっても、物質的にゆたかな環境ではありません。
自立心を育て、豊かな情操を育み、「物事に取り組む意欲と相手を思いやる気
持ち」を育てる環境です。
お子さんの成育史を考えてみましょう。
1歳は、五感を通して感じる光や音、匂いや味、肌触りなどに反応して学ぶ
「条件反射の時代」といわれています。
まだ、言葉もわからない赤ちゃんが、「これがママの匂い、何といい匂いだろ
う!」と見えない目でイメージ化が行われているそうです。
2歳になると、「ボクもやってみたいなあ。どうすれば、ママやパパのように
できるのかなぁ?」と観察が始まり、やってみようとする意欲が芽生える「模
倣の時代」といわれています。
3歳になると、「ボクが、自分でやる。お手伝いしないで!」と、何でもやっ
てみようとする自発性が培われる「自立の時代」といわれています。
ですから、目一杯、手をかけてもいいのは、3歳までです。
3歳になれば、干渉や保護の手をゆるめ、お子さん自身にさせるように仕向け
るのが、お子さんにとっては有り難い育児であり、お母さん方にとっては賢い
育児なのです。
この時に、赤ちゃん時代と同じように、過保護や過干渉な育児の環境を作って
いると、どうなるでしょうか。
少し長くなりますが、中国の話を紹介しましょう。
1.「五香の儀式」の意味
中国において、生れた赤ちゃんには乳をやる前に、
○まず、酢をなめさせる。
○つぎに、塩をなめさせる。
○そのつぎに、苦い薬をなめさせる。
○四番目は、とげのあるかぎかずらをなめさせる。
○最後に、砂糖をなめさせる。
この「五香の儀式」を行ったという。この世に生れ出た赤ちゃんに、人生は、
「すっぱく」「からく」「苦く」「痛い目」に遭わなければ、甘いものにはあ
りつけないことを、身をもって体験させるのである。今もこの習慣が残ってい
るとすれば、すばらしいことであると思う。何しろ、生れたときから過保護
に育てすぎる。親としては愛情を注いでいることになるのだろうが、ひよわ
な人間が多すぎる。ちょっと困難なことに直面すると、簡単にギブアップし
てしまう。
(「眼からウロコが落ちる本」p20 笠巻 勝利 著 PHP文庫
PHP研究所 刊)
かまいすぎではないでしょうか……。
ですから、いつまでも親に甘えます。
親が徹底的に面倒をみてきましたから、子どもは親離れができず、親も同じよ
うに子離れができない話をよく耳にします。
小学生になっても、四六時中、子どものすることを知りたがる親、いわゆる管
理ママがいるそうですが、聞いただけでもうっとうしい限りです。
こういった親を「KYJTママ(空気読めない自己中ママ)」というそうです
が、やがてモンスター・ペアレントに変身します。
こういうお母さん方は、おそらく、「子育て」を生きがいとし、子どもが社会
人になっても、管理の手を緩めないのではないでしょうか。
迷惑するのは子ども自身で、子どもは親から離れていくものです。
皆さん方も、ご両親の愛情あふれる家庭から巣立ち、自立できたからこそ、一
家を構えられたのではありませんか。
過剰なまでの愛情をかけてもいいのは、2歳頃までだと思います。
衣服の着脱、食事、排泄などの基本的な生活習慣を取り上げてみても、お子さ
ん自身が、自分の意志で挑戦し、失敗を繰り返し、やっとの思いで身についた
ことがあったのではないでしょうか。
その時のお母さんは、決して叱り飛ばさず、「頑張れ!」と、あたたかく励ま
し続けませんでしたか。
失敗しても叱られないで励まされる、そこから自分で取り組む意欲が生れ、あ
たたかく見守ってくれるお母さんのやさしい気持ちから、お子さんの心に相手
を思いやることができるやさしさが、培われてきたのではないでしょうか。
いろいろなことに取り組み、どうしたらうまくできるかと考え、試行錯誤を積
み重ねることから、幼いなりに考える力が、実行する力がつき、体を動かすこ
とで基礎体力もついてきたのです。
「失敗は成功のもと」、育児は、まさにこのことわざの示す通りではないでし
ょうか。
失敗した悔しさが、新たな挑戦への起爆剤になります。
しかし、現代っ子は、失敗を恐がります。
親も失敗しないように仕向けているようですが、これは考え直す必要がありま
す。
何事にも親の手を借りていては、何でも自分の思うようになると勘違いをし、
わがままで、身勝手な子にならないでしょうか。
相手の気持ちを考えていませんから、思いやる心などは育ちません。
また、親が手を貸しすぎて失敗する機会が少なければ、自分でやってみようと
しても、やり方や手順がわかりませんから、積極的に取り組む意欲は育まれま
せん。
親が手を貸して上手にできるより、格好よくできなくても、時間がかかっても、
自分の力でやってできた方が、どんなに大切で、どんなに素晴らしいことか、
皆さん方は知っているはずです。
つい、この間まで、やってきたではありませんか。
その心は、「早く独り立ちしてほしい」ではなかったでしょうか。
幼稚園の受験を考えていられるお母さん方、今、赤ちゃんを育てているお母さ
ん方に、絶対に忘れてほしくないことがあります。
それは、育児は育児しながら「育自」する、自分を育てる素晴らしい仕事であ
ることです。
仕事に参加したくても参加できない人も大勢います。
辛いことも多々あったでしょうが、振り返ってみれば、楽しい思い出になって
いないでしょうか。
賢いお母さんになってほしいと思います。
皆さんが希望される名門幼稚園では、「堅実な家庭を築くお父さん、それを支
える『謙虚で賢いお母さん』に育てられたお子さん」を歓迎しているからです。
合格の鍵を握るのは、「賢いお母さん」になることです。
では、どうすればよいのでしょうか、これから一緒に考えていきたいと思いま
す。
(次回は、「思い出してください、お子さんの赤ちゃん時代を……」について
お話しましょう)
さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>創刊号
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「めぇでる教育研究所」発行
「2018さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
創刊号
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テレビどころか、国会まで登場して話題になった「保育園落ちた日本死ね」、
実情は異なりますが、私立の附属幼稚園の入園も、非常に難しい時代がありま
した。バブル経済の崩壊が始まった平成元年前の頃ですが、「何はともあれ、
幼稚園から高校、大学まで進める一貫教育制度のある私学へ」と、私学志向ブ
ームとなり、その結果、「おむつをつけた子が受験勉強を」とマスコミが非難
し、いわゆる「受験戦争の低年齢化」が指摘されたものでした。当時の幼稚園
は、三種の神器といわれた「送迎バス、給食、長時間保育」がもてはやされて
いましたが、今はどうなっているでしょうか。
親子で入園準備を気軽に体験できる2、3才児を対象にした未就園児クラスを
設け、入園後も給食、長時間保育を行い、課外保育も英語から各種のスポーツ
などを実施、共稼ぎの家庭を応援する預かり保育も充実してきたようです。
また、桐蔭学園幼稚部の特色でもある「文字、数を使った幼小一貫指導」を始
め、一貫教育制度ならではの保育の充実を目指す幼稚園もあります。
ところが、雙葉小学校附属幼稚園や暁星幼稚園など附属の幼稚園の多くは、先
に紹介した三種の神器はないばかりか、入園が困難なことは、昔から変らない
ようです。狭き門をくぐるために、かなり難しい準備をしなければならないな
どと噂があるようですが、果たしてそうでしょうか。バブル経済全盛期の頃、
過熱気味の入園試験に関して、痛烈に非難した幼稚園があります。仙川にある
桐朋幼稚園で、年間雑誌「桐朋教育」に、このような記事が掲載されたことが
ありました。
好奇心旺盛で、年齢相応の 無邪気さがある子
「幼稚園入試のための塾も盛んだと聞くが、そこでの学習が「ハイ、よくでき
ました」「まだ、ダメですね」的な評価が伴うものばかりだとすれば、そこで
の体験は「できる子・知っている子はイイ子」とか「できない子・知らない子
はダメな子」という観念を植えつけてしまう。そのような観念を持った子ども
は、「できたかどうか」ばかりが気になって、自分なりに判断して行動する姿
勢がなくなる。このことは大いに問題があると私たちは考えている。(中略)
選考に当って、子どもを見るのではなく親の育児の仕方をみているといえるか
もしれない。実際、「年齢相応の無邪気さがある子どもであることが大事」と
考えるものにとって、過保護・過干渉・教育要求の過剰などは、親にとって都
合の「イイ子ちゃん」を作るとは考えられても、好奇心旺盛な「年齢相応な子」
を育てるとは考えにくい」
ご両親が、偏差値教育を受けてこられて影響もあるかもしれませんが、倍率の
高いことを気にしているようでは、こういった準備に手を染めてしまうお母さ
ん方も、また、増えているのではないでしょうか。狭き門であるとはいえ、こ
ういった準備を歓迎している幼稚園はありません。
では、どういった子を求めているのでしょうか。白百合学園幼稚園は、平成9
年に、開設以来、初めて入園説明会を行ないましたが、当時の清水園長は、こ
うおっしゃっていました。
「私どもが希望しておりますのは、小さい時から、入園テストとか、面接を受
けて訓練されることではなく、むしろ日常の生活の中で、特に、お父さま、お
母さま方の、生きたお手本の中で育てられたお子さま方、そして、年齢相応に
基本的な生活習慣が、これは完全にできませんから、ある程度身についている
お子さま、明るく、素直で、生き生きとしているお子さま、そういった子ども
達を希望しております」
「お父さま、お母さま方の、生きたお手本の中で育てられたお子さま」とおっ
しゃっていましたが、育児とは、この文言が全てではないでしょうか。すると、
先に紹介した桐朋幼稚園の、「選考に当って、子どもを見るのではなく親の育
児の仕方をみているといえるかもしれない」が、幼稚園受験のポイントである
ことも、ご理解頂けると思います。
わたし流に言えば、「2、3歳児にふさわしい、知育・徳育・体育の3つの能
力を、バランスよく育てること」です。幼稚園側が重視しているのは、「健康
な体と心、情操の安定した子」で、子ども達は、そういった育児が必要な時期
にさしかかっています。2歳から4歳の幼児に、何が必要なのでしょうか。
何やら響きの重い言葉が並びましたが、決して難しい育児を志すわけではあり
ません。「過保護・過干渉・教育要求の過剰」にならないように心がけ、ご両
親の考えにふさわしい保育を実践する幼稚園を選ぶことが大切で、合格のポイ
ントは、ここにあるからです。そのためにも少し遠回りになりますが、お子さ
んの赤ちゃん時代からの育児を振り返り、今何をすべきかをご一緒に考え、そ
して名門の幼稚園の保育について、説明会で伺った話などを紹介し、幼稚園選
びの参考にして頂きたいと思います。
育児しながらの受験、大変なことにチャレンジする皆さん方へ、微力ながらお
手伝いをさせて頂きます。
平成28年11月
めぇでる教育研究所
所長 藤本 紀元
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