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めぇでるコラム : 2017小学校受験: 2015年12月
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>入試問題を分析する
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>よく聞かれる質問にお答えします
よく聞かれる質問にお答えします
来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
12月11日号より)
今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。
Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」
A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。
『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」
Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」
A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」
Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」
A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」
Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」
A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」
Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」
A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。
ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。
ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」
Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」
A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。
ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」
なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>[2]5つの試験形式(5) 面接テスト
■■[2]5つの試験形式■■
(5) 面接テスト
最後は、面接テストです。
ほとんどの学校は親子面接ですが、青山学院初等部、立教小学校、学習院初等
科、成蹊小学校のようにお子様の面接のない両親面接のところもあります。
面接は、ほとんどの学校で考査前に行われていますが、日本女子大学附属豊明
小学校、国府台女子学院小学校のように考査後に、
学習院初等科、成蹊小学校のようにお子さんの考査当日に、
暁星小学校、早稲田実業学校初等部のように一次試験合格者のみに行う学校も
あります。
少し古くなりますが、雙葉小学校は母子面接でしたが、平成20年から父親も
参加する親子面接になりました。これは歓迎しましたね。それまでお母さんが
一人で苦労していたからです。
また、両親面接であった暁星小学校は、平成25年から親子面接になりました
が、試験間近の9月の説明会で公表しただけに、周りの父母の皆さん方から、
「エッ!」といった驚きの声も聞こえ、直前講習に面接の講座を設けた教室も
あったようです。
両親面接の学校は、形式に変更がないか、ホームページに目を通しておきまし
ょう。
小学校側が面接をする目的は、ご両親が考え、実行している育児の方針と小学
校の教育方針に、共通認識があるか、限りなく同じ方向に近づいているかどう
かを知ることです。
まず、大雑把に分けて説明しましょう。
「私どもは、共学で、宗教色のない小学校を希望します」
の場合は、慶應義塾幼稚舎、学習院初等科、成城学園初等学校、成蹊小学校、
早稲田実業学校初等部、千葉日本大学第一小学校があります。
「共学で、宗教教育をやっている学校が、いいですね」
となると、ミッション系の青山学院初等部、玉川学園小学校、聖学院小学校、
仏教の淑徳小学校などでしょう。
「男子だけの学校を考えています」
となれば、立教小学校か暁星小学校です。
「女の子で一人っ子ですから、女子だけの宗教教育をやっている学校が、合っ
ていると思いますけど」
たくさんあります。
ミッション系では、雙葉小学校、田園調布雙葉小学校、横浜雙葉小学校、白百
合学園小学校、聖心女子学院初等科、東洋英和女学院小学部、立教女学院小学
校、光塩女子学院初等科、仏教系では国府台女子学院小学部、この辺で勘弁し
てください。
「女の子だけの学校で宗教教育をやっていない学校を希望します」
の場合は、日本女子大学附属豊明小学校、東京女学館小学校、川村小学校でし
ょう。
東京女学館大学は、残念ながら来年3月に閉校となります。
「私どもの子は、一人っ子ですから、受験で苦労させたくないのですが」
となると、大学まである小学校を選ぶことになります。この発想は、あまり歓
迎できませんが、過保護にならないことを祈っています。
「それがいやなんですよ。生きることは競争です。社会人になる前に、自分の
能力を確かめられる受験を体験させておきたいのです!」
となれば高校まである小学校を選べば、いいですね。暁星小学校、日出学園小
学校、昭和学院小学校(短大まであります)、桐朋小学校、桐朋学園小学校、
森村学園初等部でしょう。桐朋は、小学校は共学ですが、中学から国立にある
桐朋中学校は男子校に、調布市仙川にある桐朋女子中学校は女子校と別学にな
ります。
国立市にある国立学園小学校は、幼稚園と小学校だけの特殊な学園で、千葉に
ある聖徳大学附属小学校は、中高は女子だけですから男子は受験となりますが、
目的は名門中学校への受験でしょう。中学校への進学状況は、ホームページで
確認できます。
こういった、大雑把な希望から方向を定めて、それから、それぞれの小学校の
教育方針と我が家の育児の方針が、合っているかどうかを検討するわけです。
幼稚舎の教育方針がわかりやすいので、紹介しておきましょう。作文も面接も
なくなりましたが、願書には、志望理由を書きますから参考にしてください。
幼稚舎の徳育の根本は、独立自尊の精神にあります。その規範となるものが、
「幼稚舎修身要領」(10か条)です。これは通信簿の第1ページにも記して
あります。成績よりも前に目を通してほしい大切な事項だという意味です。新
1年生になった時に3つの約束をしますが、「幼稚舎修身要領」の中から特に
大切なものを取り上げたものです。
1つ、うそをつかない。
2つ、お父さん、お母さん、先生のいいつけを守る。
3つ、自分でできることは自分でする。
これは福沢諭吉の精神を表した「幼稚舎修身要領」(10ヶ条)の中から、特
に大切な項目を選んだものです。(「子どもと向かい合う教育」 元慶應義塾
幼稚舎長 川崎悟郎 著 リヨン社 刊)
普段、子どもにいって聞かせていることを考えると、
「うそをついてはいけません!」
「約束は、守りなさい!」
「自分でできることは自分でしなさい、お母さんを頼っても知りませんよ!」
だとします。これを破ると、叱り、諭しているとします。そうであれば、お母
さんの育児の姿勢と幼稚舎の教育方針は、一致していることになります。
そして、共学が自然だと思っているとします。
宗教教育は、両親共に経験がないので、なじめないものがあると考えていたと
します。
大学まであって、受験戦争に参加しなくて済みますし、学部がたくさんありま
すから、将来、目指す道が広いのも魅力だと思っているとします。
通学に約1時間、しかし、体力、気力ともに心配ないとしましょう。
たくさんお金はかかりますが、頼れる祖父母が健在です。冗談、冗談です。幼
児には、「シックス ポケット」があるといわれています。両親には、祖父母
が二人ずついて、教育資金となるポケットが6つあるということです。
こういう図式ができていれば、面接があったとしても、幼稚舎を選んだ理由を、
きちんと胸を張って説明できます。これが、面接の目的です。
幼稚舎の他にも、面接を実施していないのは、桐朋小学校、桐朋学園小学校で、
その理由ですが、以前にも紹介しました、桐朋学園小学校の鈴村元校長の話を
思い出してください。文言は正確ではありませんが、次のような内容でした。
「大人は、趣味を尋ねられると、本当は、競馬、競輪などの博打が大好きで
も、『趣味は、読書と音楽鑑賞です』と平気でいうものです。演技もできます。
ですから、やっても無駄なのです。本音をおっしゃいませんから。しかし、子
どもを2日間預からせてもらうと、子どもは正直ですから、みんな本当の姿を
見せてくれます。育てられている環境は、わかります。ですから、私どもでは、
面接をしないのです」 (注 桐朋学園小学校のテストは二日間)
その通りではないでしょうか。大人は、猫をかぶりますから、面接は、ニャー
ニャー大会かもしれません。子どもは正直で、演技をしませんから、育てられ
ている環境を、そのまま見せてくれます。
ですから、面接で、つけ焼刃は効かないのです。
また、慶應義塾幼稚舎では、紋切り型のステレオタイプ的な回答が増え、面接
をやる意味がないと考え、廃止したと伺ったことがあります。
なお、国立附属小学校では、お茶の水女子大学付属小学校、学芸大学付属竹早
小学校(子供のみ)、埼玉大学教育学部附属小学校以外は面接をやっていませ
ん。(平成26年12月実施のもので、今年のものではありません)
面接では、付け焼刃は効かないとお話ししましたが、入学試験そのものも、メ
ッキでは駄目なのです。メッキは、はげるものです。以前、紹介しました、あ
るミッション系の校長先生の言葉を思い出してください。
「入学試験に必要な知識や礼儀作法なるものを、泥縄式に詰め込み、『受験準
備、事足れり』とお考えでしたら、それは誤りであることに気づいてほしい」
繰り返しますが、その通りではないでしょうか。赤ちゃんを育てたとき、あれ
これと泥縄式に詰め込みましたか、お母さん。そんなばかげたことは、しなか
ったはずです。子どもの成長に合わせ、一歩一歩、ゆっくりと、一緒に、階段
をのぼってきたのではありませんか。その心は、「できるまで待ってあげよう、
忍の一字」ではなかったでしょうか。小学校は、無理やり受験戦士に育てられ
た子を望んでいません。
子どもの知育は、子ども自身が、「知りたい、識りたい」と、身体、全体から、
ふつふつと湧き出るときに、与えるものであることが大切なのです。モンテッ
ソーリの「その時期に最も活動が盛んになり成長する敏感期」です。お子さん
の成長を見極め、学習するためにふさわしい環境を作ってあげるのが、親の役
目です。主導権は、子ども自身にありです。それを、親が握り締めていないで
しょうか。勉強だけではなく、遊びまでもです。
やはり、親は、教育に関して信念というか哲学を持つべきだと思います。しか
し、これを言うのには、勇気が必要です。小学校の受験にしても早期教育にし
ても、私たち親は、子どものためによかれと思って始めますから、「そんなこ
とは、余計なお世話だ!」となりがちです。
そこで、来年1月から、国立、私立小学校の入試問題を紹介し、就学前に何が
必要なのかをお話ししましょう。誤った受験準備をしないことが、お子さんの
ためだからです。
(面接に関する情報は平成27年12月現在のものです)
(次回は、「よくある質問」についてお答えしましょう)
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>[2]5つの試験形式(4) 運動テスト
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