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めぇでるコラム : 2017幼稚園受験: 2015年12月
さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>ご家庭で伸ばせる基本的な能力開発(1)
ご家庭で伸ばせる基本的な能力開発(1)
さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>幼稚園の入園テスト(4) その他のテスト
幼稚園の入園テスト(4) その他のテスト
来週はクリスマスを迎えますが、いろいろと訳ありです。
街にはジングルベルのメロデイが流れ、至る所で、赤、緑、白の3色が目に入
ってきますが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリ
ストの永遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツ
リーは、アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不
滅の生命の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星
といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、刺はキリス
トの受難、赤い実はキリストの血を表したもので、節分に使う柊とは別種。そ
して、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中でも、その日を特定
していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最近まで知りません
でした(笑)。
(拙著メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
12月11日号より)
お子さんが楽しみにしているクリスマス、1年に1回夢のかなう日、楽しいひ
と時をお過ごしください。
「大きなお花には、大きな蝶々をつけてあげましょう」
「小さなお花には、小さな蝶々をつけてあげましょう」
「(テーブルにどんぐりや葉っぱが置かれている)
どんぐりを3個持ってきてください」
(日本女子大学附属豊明幼稚園)
大小の弁別、推理、手先の巧緻性などをみています。といっても幼児ですから、
難しいことを要求されるわけではありません。大きいもの、小さいものを組み
合わせ、それをどのようにつけるかを考え、指をうまく使い、丁寧に取りつけ
るだけのことです。
スプーンを使って食事ができる頃から、手先を使う作業も急速に増えていると
思います。「手は第二の脳」といわれる程、知的な能力の開発と深くかかわっ
ています。
例えば、絵を描くことを考えてみても、とてつもなく時間がかかり、試行錯誤
の連続であることがわかります。クレヨンや鉛筆などでのなぐり書きから始ま
り、線が引け、○や△が描け、顔から手足が出ている人間に体がついたと思う
と、手足が電信柱のように真っすぐ伸びたままの状態が続き、やっと手も下に
おり、顔も人間らしくなるのは、年長さんの頃になりますから、促成栽培は不
可能なのです。ですから、挑戦するお子さんを、しっかりとサポートする必要
があります。
現代っ子は、手先を使う作業を苦手とする傾向にあるといわれていますが、幼
児期に、こういった作業を、あまりやっていなかった結果ではないでしょうか。
糊の使い方を見ても、うまくできないのは使った経験が少ないからです。セロ
ハンテープという便利なものが、主役になっているから使わないんですね。本
当は、糊には大変、有益な教育的配慮がなされています。
ふたを開けるには両手を使いますし、適量を取るには塗る面積から推し量らな
ければならないし、まんべんなく塗らなくてはうまく貼れません。これらの一
連の作業は、いってみれば、目から入った情報を脳が瞬時に判断を下し、指に
司令を出し、指も即座に作業に入り、作業の状況は常に監視され、うまく終了
するまで三者がリアルタイムで協力するわけです。
手先の器用な子の知的な能力も高いのは、こういった作業を通して鍛えている
からではないでしょうか。手を使う作業は、とても大切であることを忘れない
でほしいですね。
「先生の作ったお手本と、同じように作ってみましょう」
(桐蔭学園幼稚部)
積み木を使った模倣構成です。ほとんどの幼稚園で出題されているようです。
お手本と同じ物を作るのですから、それほど難しいものではありません。3、
4歳児なら、いつも夢中になって遊ぶことですから、手本を食い入るように見
て、挑戦するはずです。
ご家庭で遊んでいるときに、
「何を作っているの?」
と話しかけて、上手にほめ、さらに制作意欲を持たせるように心がけているお
母さんなら、何ら心配ありませんね。好奇心の盛んなお子さんは、大人の頭で
は想像できないものを作るものです。
模倣構成は、単にできるだけではなく、自由に構成させながら、「どういった
ものを作るのか」と創造性をみたり、用意された一定の枠中へ積み木をはめこ
むといったパズル形式の積み木構成から、形の理解、観察力などをみる場合も
あるようです。
こういった問題に共通しているのは、
「自分でやってみようという積極性、取り組もうとする意欲が、3、4歳児に
ふさわしい成長をしているか」
を判定していることです。つまり、自分でやってみる姿勢、意欲、そこから幼
児にふさわしい好奇心が芽生えているかどうかが、わかるのです。
何もかもお母さんが世話を焼きすぎると、好奇心が育ちにくくなるだけではな
く、依頼心が強くなるばかりです。依頼心が強くなると自主性が育たず、わが
ままで、飽きっぽい性格の子や、意気地のない消極的な子になりがちです。こ
ういったテストに取り組む姿勢から、育児のあり方がわかるのです。年長さん
になっても、はしをうまく使えない子の性格はわがままで、過保護な環境で育
てられた場合の多いことも知ってほしいですね。
「むかし、あるところに、クマの親子が住んでいました。ある日のこと……。」
先生の熱のこもった口調で、紙芝居が続けられています。熱心に聞いている子、
目を輝かす子、そうかと思えば、絵のかわるときだけ見て、すぐにキョロキョ
ロはじめる子、話の筋を知っているのでしょうか、あまり興味を示さない子、
といったように、紙芝居を見る子どもの態度は、さまざまです。
そういった態度などから、家庭における躾のあり方や性格、先生方の質問に答
える内容から、3、4歳児にふさわしい理解力や言語能力が発達しているだろ
うかといったことから、子どもらしい興味や関心の程度までわかるものです。
普段から、お母さんが本を読んであげ、その話を楽しく聞いていれば心配あり
ません。
この時に、簡単な質問をして内容を振り返ると、さらに効果的です。ただし、
「おもしろかったでしょう」の言葉がけは、注意が必要です。これは読んであ
げた親の考えであり、子どもの感性とは違うからです。例えば、「ノンたん、
頑張ったわね。ユキちゃん、どう思いましたか」などと、物語を一緒に楽しむ
雰囲気を作ってあげることです。
また、読み聞かせの効果があるからといって、時間を決め、強制的に話を聞か
せるようなことは、やらない方がいいでしょう。幼児は、興味を示さない限り
集中できないからです。
寝る前に話を読んであげる、これは習慣になりやすく、興味を持続させる効果
もあるようですが、いずれにしろ、お子さんに適した方法を見つけてあげるこ
とが大切です。
余談になりますが、昨年の6月、久しぶりに説明会を再開した横浜雙葉小学校
の学園長は、「お子さんに寝ながら本を読んであげる習慣が少なくなっている
のではないでしょうか」と懸念されていましたが、皆さん方はどうでしょうか。
女の子は比較的、おとなしく話を聞く習慣が身についているものですが、元気
で活発な男の子の場合は、なかなか手を焼くものです。試験間近になっての促
成栽培はききませんが、普段から両親をはじめ、友達の話を、しっかり聞く習
慣を身につけるように心がけていれば、問題はないはずです。大切なのは、お
母さんが、お子さんの話をきちんと聞いてあげることです。「話を聞く態度」
について、お子さんはいかがでしょうか。
紙芝居の代わりに、先生が絵本を読んだりお話をしたり、こういった小道具を
使わずに、先生のお話だけを聞く場合もあります。そして、「今のお話には、
どんな動物が出てきましたか。その動物の絵を取ってきましょう」といった設
問を受け、その反応をみる幼稚園もあります。話の理解、指示行動の様子から
言語能力の発育、そして、ご家庭の育児の姿勢までみていることはいうまでも
ありません。
以上、4回に分けて、名門幼稚園で実施されているテストを分析してみました
が、どういった子どもを求めているか、おわかりいただけたと思います。
・先生の話を理解できる。
・指示に従い行動できる。
・自分の考えを伝えることができる。
・一所懸命に取り組む意欲がある。
・運動機能が年令にふさわしい発達をしている。
・自立心があり、生き生きとしている。
・集団生活を送るのに必要な社会性(協調性・自主性・自己統制など)を備
えている。
・基本的な生活習慣(挨拶・衣服の着脱・排泄・後片付けなど)が身につい
ている。
こういったことが、「お子さんの年齢にふさわしく身についている子ども」と
いえるのではないでしょうか。ここで、忘れてならないのは、お子さんの生ま
れ月、月齢です。社会性や生活習慣は、月齢を無視すると、お子さんに無理な
負担を強いることになりかねません。
8つの条件が完璧に備わった子という意味ではなく、心身共に3、4歳にふさ
わしい発育をしている子ならば、このような発育をしているだろうと考えまし
ょう。8つの条件に優先順位はありません。1.2.3.と数字で表さなかっ
たのも、そういった意味があるからです。
このように、入園テストは、子どもたちの行動に表われたこと、それを客観的
な目で観察し、採点するものです。ということは、テストを通して「どういっ
た育児をしてきたか」、つまり、家庭教育のあり方をみているわけです。入園
テストは、ただ単に、幼児の能力を判定しているのではなく、比重は、むしろ
両親にかかっているといわれる理由は、ここにあります。
それが、一層、明らかに表われるのが面接であり、幼稚園で実施されている面
接は、単なる面接ではなく、「面接試験」とお考えになるといいでしょう。こ
のことをしっかりと理解し、幼稚園側の狙いをつかんでおかないと、たとえ、
お子さんのテストの結果がよかったとしても、幼稚園から招待状は届きません。
入園を目指し、知的な能力の訓練だけに心を奪われていると、ここで失敗しま
す。面接については後日、詳しくお話しますが、ご両親で真剣に話し合ってい
ただきたいのは、「なぜ、この幼稚園を選ぶのか」、このことです。
ご両親の意見が噛み合っていなければ、被害をこうむるのはお子さん自身だか
らです。
(次回は、「ご家庭で伸ばせる基本的な能力開発」についてお話ししましょう)
さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>幼稚園の試験とは(3)常識問題
幼稚園の入園テスト(3) 常識問題
常識問題とは、入園前の幼児の知的能力の発育状況をみるものです。というと、
「これぞ入園のキーポイント!」と考え、この種の問題(問題という表現が適
切かどうか疑問ですが……)ばかりを、熱心に教え込むお母さん方がいます。
しかし、あえて常識問題とお断りしたのは、入園前の幼児であれば、常日頃、
何かを通して体験している事柄が中心になっているからです。特殊な訓練を受
けなければできない問題はなく、また幼稚園側も、知的な能力だけが高い、い
わゆる偏った成長をしている子を求めているわけではありません。
その誤解を解くために、二、三の問題を分析してみましょう。
(赤いチューリップが3本と黄色いチューリップを5本見せ)
・どちらが多いですか。 (学習院幼稚園)
(木の絵の下に、柿が置かれている)
・柿を1つ拾ってきてください。
・柿を3つ拾って、おじいさんに2つ、おばあさんに1つあげましょう。
・あなたの家族の数だけ柿を拾ってきましょう。
(白百合学園幼稚園)
こういったことがきちんとできるためには、物の名前、色の種類がわかり、先
生の指示することを理解し、行動に移せなくてはなりません。チューリップも
柿も、日常の生活の中で目に触れるものばかりで、幼児向けの絵本でも主役で
す。色も紛らわしくない原色が使われています。先生の指示も簡単でわかりや
すく、しかも用意された小道具を前に話すのですから、この問題文を読んで想
像するよりやさしいはずです。幼児教室などで、楽しく学んでいるお子さんに
とっては、喜んで取り組むことばかりではないでしょうか。こんなとき、お母
さんの手伝いがなければできない消極的なお子さんがいますが、それは子ども
の責任ではなく、そのように育ててきた育児の姿勢に問題があります。
「家では、ちゃんとできるのですが……」
と嘆くお母さん方がいらっしゃいます。お母さん以外の人から、こういった指
示を受けたことがなければ、戸惑うのも当然です。幼児教室の大切な役目は、
「お母さんのもとを離れても楽しいことがあることを知ると共に、お母さん以
外の人の話を聞き、行動に移すことができるようにすること」でもあるのです。
内弁慶であれば、こういったことに対応できなくなりがちです。
また、お母さんと二人で過ごす時間が多ければ、過保護にならないように注意
していても、とかく、かまい過ぎになりがちです。「まだ、ムリだから」「う
まくできないから」と、お母さん自身でやってしまう場合が多いものです。自
ら行動を起こす芽を、知らず知らずに摘み取ってしまった結果といえます。
知能が高いかどうかではなく、こういった事柄が、指示された通りに行動でき
る子に育っているかがポイントなのです。指示どおりに実践できるのは、相手
の話をきちんと理解できることですから、言語に関して年齢にふさわしい発達
をしており、そして人に頼らず自力で行う自立心も培われていることもわかり
ます。それが幼稚園という集団生活を送るための、基本的な条件になっている
ことはいうまでもありません。そういった能力を作り上げる基本は、日常生活
であり、親子の対話にあるのです。
また、「数」にこだわるお母さん方がいますが、4歳児が、たとえ百まで数え
ることができても、数えられることは素晴らしいかも知れませんが、その子の
日常生活と、何らかの関わりがなければ、あまり価値のあることとはいえない
でしょう。3歳児で5前後、4歳児で10以下の数、これが日常生活と直結す
る数です。これだけ知っていれば、毎日の生活に不便はないはずです。
毎日の生活に不便のないことは、年齢相応に、バランスよく発育している証拠
です。
「ケンちゃん、テーブルの上にあるおミカンを3個持ってきて」とはいっても、
「ケンちゃん、ミカン箱から15個、ミカンを持ってきてちょうだい!」とい
うお母さんは、いるわけがないからです。
幼稚園で行われるテストの基本姿勢も、ここにあります。その年齢にふさわし
い日常生活を送っているかを知ることにあるのですから、いたずらに知的な能
力を高めるようなことは、かえって全体のバランスを歪め、他の能力の発達を
阻害する原因になりますから、お止めになるべきだと思います。
(並べられたおはじきを見せて)
・どちらが多いですか。合わせていくつですか。
・並べられたおはじきに幾つか足して5つになるようにしてください。
(学習院幼稚園)
・四角い積み木を3つとってください
・三角の積み木を2つとってください
・積み木は、全部で、いくつになりましたか
(川村幼稚園)
問題は、いずれも、普段、家庭で行われていることばかりであることに、賢明
なお母さん方はお気づきのはずです。
ですから、積み木遊びのときに、また、スーパーマーケットなどへ買い物に行
ったときに、果物の種類と数を指示し、かごに入れさせるなどして、数の理解
ができているかなど、お子さんのできる範囲内でお母さんのお手伝いをさせな
がら、それとなく確かめておく必要がありますね。お子さんにとっても、お母
さんの手伝いができるのは、とてもうれしいものです。
こういったように、生活の中で、数に触れる体験をたくさん積みながら、数に
対する理解を高めていくことが大切です。それにはガイドブックに紹介されて
いる問題をアレンジし、生活の中でやってみることです。こういった体験を通
し、十分な学習ができてから、実際に出題されている問題に挑戦すれば、お子
さんも自信を持って答えることができるはずです。体験することなく、机の上
だけで問題を解く訓練するのは、幼児にふさわしい学習ではありません。
その他の問題を、いくつか紹介しておきましょう。
・イヌやネコなどの動物の絵のパズル(4ピースほど)を組み立てる。(構成)
(いったん完成したものを見せてから作らせることもあります)
・一ヶ所だけ違う2枚の絵を見せて、
「2枚の絵の違いはどこですか」(類似差異)
・不足な部分がある絵を見せて、
「この絵の足りないところを書き足してください」(欠所補完)
・(丸の紙を3枚、四角の紙を1枚並べておき)
「どれが仲間外れですか」(仲間探し)
・ 絵を見て、動物、植物、道具などの名前をいい、何に使うかなどを説明する。
(常識)
・いいことをしている子、悪いことをしている子の絵を見て、意見を言う。
(常識)
「構成」とか「類似差異」など、いかにも入試問題といったことをイメージし
やすい言葉を使っていますが、これは出題領域を分類するために使っているも
ので、こだわる必要はありません。
いかがでしょうか。
しつこく繰り返しますが、いずれも毎日の生活の中で、お子さんが遊びを通し
て、体験していることではないでしょうか。来春になれば、入園テストの問題
集も発売されますから、教室の先生に相談されてから、お買いになって調べて
みましょう。そして、お母さんとお子さんが一緒になり、遊びの中で、いろい
ろと工夫し、挑戦してみることです。
その時に大切なのは、問題集をそばに置かずに、問題や設問の意図を理解し、
覚えてしまうことです。お母さんが理解していなければ、お子さんは戸惑いま
すし、問題集を見ながらでは、お子さんは遊びだと思わないからです。
設問は、ゆっくり、丁寧に、きれいな言葉で、話しかけるようにしましょう。
こういったことを体験しておくと、教室で課題に取り組むとき、「あれ、これ
ママとやったことがある!」となり、大きな自信につながるからです。
(次回は「幼稚園の入園テスト 4」についてお話ししましょう)
さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>幼稚園の試験とは(2) 課題遊び
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