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めぇでるコラム : 2016幼稚園受験: 2015年9月

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>★★志望理由のまとめ方(5)

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
             第43号
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志望理由のまとめ方(5)
“このような質問に、どのように答えますか”
 
説明会が始まりました。
東洋英和幼稚園は3日に終了しましたが、持参するもの、幼児の参加不可など
条件もありますから、ホームページで確認をしておきましょう。願書も発売さ
れますから早く手に入れ、募集要項などしっかりと読み、不備がないように、
ご両親で対策を立ててください。
 
次に、今までにどのような質問があったか、少し紹介しておきましょう。
もちろん、志望理由が明確でなければ合格は不可能ですが、だからといって、
「志望理由をお聞かせください」とだけ尋ねられるわけではありません。そう
いったことを含め、名門幼稚園で尋ねられた、「これは難しいのでは」と思え
る質問事項を取り上げてみました。
質問事項の下にある解説を参考にしてください。
同研究所の「ご存知ですか、お母さん! 幼稚園面接対策編」から、「質問事
項に対する一言、アドバイス」をピックアップしたもので、雙葉小学校附属幼
稚園、白百合学園幼稚園、東洋英和幼稚園、日本女子大附属豊明幼稚園、暁星
幼稚園、青山幼稚園、学習院幼稚園、日出幼稚園、昭和学院幼稚園の9園の小
冊子を発売中です。
詳しくは、めぇでる教育研究所にお問い合わせください。
 
雙葉小学校附属幼稚園
父 親 ・自ら行動できるお子さんを育てるには、どのような考えでお子さん
と接していますか。
*幼児期前期の成長過程は、1歳は条件反射、2歳は模倣、3歳は自立の時代
といわれています。お子さんの自立の状態はいかがですか。
 
母 親 ・本人らしいエピソードをお話しください。
*成長の様子から、どういった性格かもわかるものです。簡潔にまとめるには
難しい質問の一つでしょう。
 
白百合学園幼稚園
父 親 ・女子だけの教育環境についてどのようにお考えでしょうか。
*別学の経験がない場合、どのように答えますか。志望理由を尋ねられている
と考えましょう。
 
・どのような女性に育ってほしいですか。 
*まだ、小さいわが子の将来図、青写真はできているでしょうか。宗教教育に
期待することなどからまとめてみましょう。
 
母 親 ・本学園にどのようなイメージをお持ちでしょうか。
*出身者ではない方への質問です。宗教教育、別学、大学までの一貫教育制度
に期待することは何でしょうか。志望理由を問われています。
 
・宗教教育に何を期待していらっしゃいますか。
*価値観の多様化する社会で、小さい時から絶対的な価値観に基づく教育を受
けさせたいと考えるご両親が増えています。こういったことからまとめてみま
しょう。
 
東洋英和幼稚園
父 親 ・子どもの頃どのような遊びをしましたか。
*「……?」となるのではないでしょうか。
お子さんを取り巻く環境の変化に目を向けると、かなり違っていることに気づ
かれていると思いますが、そういったことからまとめてみましょう。
(お母さんにも同じ質問がありました)
 
母 親 ・願書に書かれているお子さんの特徴について、何か具体的なエピソ
ードをお聞かせください。
*「明るく、元気な子」と書いた場合、その具体的な例を話すわけですが、性
格について、こういった尋ね方もあります。幼児は、初めての場所で、初めて
の人と話すのは苦手ですから、「明るくて、元気」ではない場合も大いにあり
えます。
「今日は緊張して、口が重くなっているようで、申し訳ありません」などと、
さりげなくカバーできるお母さんであってほしいですね。
 
・お子さんが公園で好きな遊びは何でしょうか。
*最近、公園で遊ぶ機会が少なくなっていると聞きますが、お子さんはいかが
でしょうか。砂場で泥んこ遊びをする子どもの姿を、あまり見かけなくなりま
した。幼い子ども達は、本来、泥んこ遊びが大好きです。洋服などが汚れるこ
とを嫌がるお母さん方がいると聞きますが、泥んこで汚れた手足を、水できち
んと洗うのは、清潔感を培う基本的な生活習慣です。
かつて東京藝術大学の彫刻科の教授が、「最近、若い学生の塑像づくりが下手
になっているのは、砂場遊びの経験が少ないからでは」とおっしゃっていまし
たが、考えさせられますね。
 
暁星幼稚園
父 親 ・現在、他の幼稚園に通われていますが、なぜ、本園を受験されるの
ですか。
*3年保育の幼稚園に通っているお子さんが、本園を受けた時の質問です。お
子さんの生活環境を親の思惑で変えるのですから、きちんとした志望理由がな
ければ、園側を説得できません。「幼稚園をかえると、お子さんは嫌がりませ
んか」などと言われないように、なぜ、暁星学園を選ぶのか、学園全体を考え
ることが大切です。
 
・男子校について、どのようにお考えでしょうか。
*幼稚園には女の子も若干名いますが、小学校からは男子だけです。共学の経
験しかなければわかりづらいことですが、期待することからまとめてみましょ
う。
 
母 親 ・本園を希望された理由をお聞かせください。
*ご主人が出席できなかった場合は、お母さんに尋ねられます。また、ご主人
の回答が明確でない時も、お母さんに補足する意味で尋ねられる場合もありま
す。ご主人の話をきちんと聞き、不備な点がないかをチェックし、対応できる
ように心がけてください。
 
日本女子大附属豊明幼稚園
父 親 ・現在の中学生についてどう思われますか。
*社会情勢などについてよく尋ねられたことがあり、お父さん泣かせの面接に
なっているようです。かつて、お父さん方には「いじめ」、お母さん方には
「食育」などについて尋ねていますが、簡単に話すのは至難の業でしょう。こ
ういった問題を想定して、まとめておくことが大切です。
 
母 親 ・お母さまから引き継がれたことは何でしょうか。
*「子を持って知る親の恩」ではなかったでしょうか。
私学の求めるお母さん像は、「謙虚なお母さん」です。
 
・お子様の食生活で気を付けていることは何でしょうか。
*食育は、お母さん方の最も関心のあることではないでしょうか。小学校の面
接でも、「旬のものを食卓にあげていますか」といった質問がありました。偏
食や食物アレルギーはありませんか。
 
青山学院幼稚園
父 親 ・お子様の名前の由来をお話しください。
*小学校では、「お子様にわかるようにお話しください」といった形で尋ねら
れていますが、さすがに幼稚園ではないようです。
 
・知人に青山学院の卒業生はいますか。
*知っている人がいなくては不利というわけではなく、「なぜ、出身者でない
方が青山を選んだのか」を聞きたいわけです。こういった質問の意図は、志望
理由にあるのですから、「いません」で終わらせずに、「いませんが、宗教教
育と共学であること、そして16年間の一貫教育校で、わが子を学ばせたいと
考えています」などと補足しておきたいものです。
 
田園調布雙葉小学校附属幼稚園
父 親 ・この学園をどのようにしてお知りになりましたか。
*幼稚園側は、出身者でない方が、本園を選んだ理由を知りたいのですから、
志望理由を尋ねられていると考えましょう。学園を知った経緯だけではなく、
「宗教教育を行い、女子だけの一貫教育校で学ばせたい」と学園全体のことで
まとめてはいかがでしょうか。
母 親 ・家庭教育で、これからのお子様の人格形成に影響があると思われる
ことは何でしょうか。
 
急に涼しくなりましたが、まだ油断はできません。お子さんの健康管理には、
手を抜かないように頑張りましょう。
(次回は、「学習院幼稚園」他についてお話ししましょう)
 

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>★★志望理由のまとめ方(4)

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
              第42号
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志望理由のまとめ方(4)
 
日本女子大附属豊明幼稚園
幼稚園には男の子もいますが、小学校から大学まで女子だけの学園ですから、
別学と16年間の一貫教育校についてまとめてみましょう。
 
女子だけといっても、ミッション系の学校と違い、川村学園と同様、宗教色は
ありません。
学園の創立者、成瀬仁蔵は、キリスト教の信仰から、神・仏・儒(儒教)・基
(キリスト教)を統一する宗教的な信念に達し、自ら「帰一協会」を立て、海
外にまで広く伝道活動された方です。
三綱領は、その宗教的な信念によるものですが、○○教といった信仰を対象と
したものではありません。
創立者が、一生をかけた女子教育の基本精神として残された言葉が、「信念徹
底」「自発創生」「共同奉仕」の三綱領です。
これをどう解釈するか、例によってわたし流ですが、こうなるのではないでし
ょうか。
 
「信念徹底」は、
「正しいと考えたことはやり遂げる」ことから「途中であきらめない子」、
「自発創生」は、
「自ら考え、工夫し、実行する」ことから、「遊びに熱中し、楽しく遊ぶ工夫
のできる子」、
「共同奉仕」は、
「友達と仲良く遊べる」ことから、「情緒の安定している心の優しい子」
といえるのではないでしょうか。
こういったことをお子さんに教える育児をしていれば、豊明幼稚園の目指す保
育と一致しているわけですから、これで志望理由になるわけです。
 
女子だけの教育環境については、前回の別学のメリット、デメリットを参考に
してください。
 
16年間の一貫教育制度のよいところは、中学、高校は横浜の生田キャンパス、
大学は目白と環境が変わるとはいえ、受験勉強のない、ゆとりのある環境で、
将来、自分の進むべき道を模索できることでしょう。
 
成城学園幼稚園、立教女学院短期大学附属幼稚園天使園などと同様、制服はあ
りません。
本園とお茶の水大学附属幼稚園は、平成4年から施行された、新しい「幼稚園
指導要領」以前から自由保育です。
この2点については、どうお考えでしょうか。
 
学園の建学の精神は、ヒューマニズムによる女子教育で、その理念として、
1. 女子を女として教育する
2. 女子を婦人として教育する
3. 女子を国民として教育する
をあげています。これが学園の基本的な方針です。
 
こういった点を中心に、まとめられてはいかがでしょうか。
 
ところで、「神・仏・儒・基を統一する云々」とありますが、仏は釈迦、儒は
孔子、基はキリストですが、神はアマテラスオオミカミでしょうか(笑)。
 
学習院幼稚園
幼稚園から大学までの総合学園に期待することは何でしょうか。初等科は共学で
すが、中高は別学、こういったことも頭に入れて考えてみましょう。
 
教育の狙いは、少し長くなりますが、紹介しましょう。
 
「遊びを通して豊かな基礎づくりを」
幼児期における教育は、生涯に渡る人間形成の基礎を培う重要なものです。
学習院幼稚園では、幼稚園から大学までの一貫した教育理念のもとでの、教育組
織の出発点として、正しく、明るく、健やかに幼児を育てることを目的といたし
ます。
このため、子どもとしての自然な生活、遊びを大切にしながら、次のことを心掛
けた教育を行っています。  
 ・正直で思いやりのある心。
 ・正しい生活の習慣と態度。
 ・自ら育とうとする力。
 ・社会性と基礎づくり。
 
かつて説明会で、このように言われたことがありました。
「幼稚園での教育は、花にたとえれば、根っこのところを培っているのです。子
ども達に、正しい心、たくましい心、ゆたかな心を育てたい、そういった思いで、
毎日の保育に取り組んでいます」
 
小学校の説明会では、低学年に求められる教育姿勢として、18代 安倍能成院
長の、
 ・嘘をついてはいけない。
 ・素直な人間になりなさい。
 ・他人に思いやりのある人間になりなさい。
幼稚園から小学校低学年の目指す教育方針ですが、皆さん方が、こういったこと
を大切に育児に取り組んでいれば、共通認識になるはずです。
 
また、模擬面接で志望理由をうかがうと、「共学の良さ」に触れないのですが、
皆さん、共学の経験者が多いものですから、うっかり落としてしまうようです。
初等科が共学であることも大切な志望理由になると思います。
 
参考までに、共学のメリット、デメリットを上げておきましょう。
メリットは、小さい時から、自然に男子は女子を、女子は男子を理解するように
なり、男子は男らしさ、女子は女らしさを身につけることができることでしょう。
つまり、お互いに助け合い、特性を生かし、それぞれの領域を分担することで、
競争心が芽生え、負けないように頑張ることができます。
デメリットは、男子に優しさが育まれる反面、男子を厳しく指導したくても、女
子がいることで徹底しにくい点や、女子は言葉がきつくなり、敬語や丁寧語が、
あまり使われなくなることではないでしょうか。
こういったことを参考にまとめてみましょう。
 
日出学園幼稚園
共学で、高校までの12年間の一貫教育制度をとる学園の幼稚園です。学園は校
舎を新築し、それに伴い平成21年(2009)夏、元中高の跡地に新築され園
舎に移転。園舎は、これまでの雰囲気であった木のぬくもりを残し、園庭も従来
と同様、木々に囲まれたか砂地で、芝生、池など、園児たちの心を育む園のキャ
ッチフレーズ「太陽と自然と友だち、遊びを通して生きる力を育む保育」に欠か
せない環境となっています、
 
学園の校訓
 誠(なおく)至誠を基とし中正の道を尚ぶこと。
 明(あかるく)明朗快活にして、責任を重んずること。
 和(むつまじく)和衷協同して、苦楽を共にすること。
 
中正(ちゅうせい)は立場が偏らず正しいことで、和衷協同は心を同じくしてと
もに力を合わせることですが、幼稚園ではやさしい言葉で、より具体的に以下の
ような目標を掲げています。
 
教育目標
 ・じょうぶで、生き生きとした子ども。
 ・自分から進んだ遊びに取り組み、工夫して発展させる子ども。
 ・友だちと力を合わせて活動できる子ども。
 ・物事を素直に感受し、喜びや悲しみを共感できる子ども。
 
土の感触を楽しみながら体を鍛え、夢中になって遊べる環境から、共生の心を育
む保育の姿勢がうかがえますが、それを裏付ける園長の言葉があります。
 
「太陽と土と友だち」に恵まれた幼稚園生活の中で、幼児期の体と心を育みます。
日々の遊びや生活を通して、基本的な生活習慣を身につけさせ、様々なことにチ
ャレンジする意欲を育てます」
 
共学については、設立当時、共学の良さを強調していました。
「男女の理解協力は、人間本来の姿である。本学園は、潤いのある教育環境の中
で、円満な社会性を身につける人間関係を理想としている」
(昭和62年版 東京・横浜・千葉・埼玉学校案内 梧桐書院 刊)
 
ところで、体験保育の新たな取り組みである「わくドキプロジェクト(英語を含
む5つのプログラム)」や小学校教育につながる基礎力を見据えた「幼小連携カ
リキュラム」も始まります。入園説明会で詳しい説明があるとホームページに出
ていましたが、「新しい取り組みについていかがお考えでしょうか」といった質
問があるかもしれません。
 
一貫教育についてですが、東日本大震災以降、小学校からの受験を控え、精神力
も体力も培われた中学生になれば、都内の学校へも無理なく通えると、中学受験
に期待する皆さんが増えているようです。学園も一時、小中高一貫教育で大学を
目指すことを目標にしていましたが、現在では、過去の実績でもある中学受験の
ノウハウを生かし、進学指導にも力を入れ、成果を上げています。
12年間のゆとりのある教育環境で、じっくりと勉学に励み、自力で大学の門を
叩くか、中学で受験するかは、まだ先のことですが、こういった選択もあること
を頭に入れ、ゆとりある教育環境のよいところも考えておきましょう。
 
併設の小学校は、平成26年度の1年生より定員を102名とし、3年生以上は
平成28年度より、順次3クラス制に移行することになりました。従来の募集人
員は140名でしたから狭き門になるわけで、もしも、「幼稚園から入れてしま
おう」と考える保護者が増えた場合、これは推測ですが、幼稚園の狭き門になる
のではと懸念されています。
 
以上3回に分け、「志望理由のまとめ方」についてお話しましたが、基本的には、
まず志望する幼稚園の保育に賛成していること。そして、学園全体の教育制度、
共学か別学か、高校までか大学までかを考慮されて、総合的に組み立てていくこ
とが大切です。
9月に入ると説明会も開催されますから、志望園の決まっている方は最後の確認
を、迷っている方はできるだけ参加され、いろいろな保育の方針があることを研
究し、的を絞るべきでしょう。
 
朝夕、散歩に出かける雑木林の側には、川越名物の芋畑も葉が青々と茂り、間も
なく、園児たちの芋ほりで賑わいますが、気温が下がった途端、ホバリングする
赤とんぼが姿を現しました。夏も、もう一息でしょう。頑張ってください。
 
(次回は、「こういった質問に、どのように答えられますか」についてお話しし
ましょう)
 

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>★★志望理由のまとめ方(3)

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
           第41号
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志望理由のまとめ方(3)
 
白百合学園幼稚園
宗教教育を行い幼稚園から女子だけの教育環境で、大学まである総合学園、こ
の3つについてまとめてみましょう。
 
学園の目的
「本学園は幼稚園から大学に至るまで一貫して、キリスト教精神に根ざした価
値観を養い、神と人の前に誠実に歩み、愛の心で社会に奉仕できる女性を育成
することを目的としています」
 
宗教教育については、平成9年、本園が初めて説明会を行った時に、清水園長
は、こうおっしゃっていました。
「幼稚園だけではなく、小学校、中学、高校、大学を通して、宗教教育をかな
り深くいたしますので、信仰する、しないは自由ですが、やはり、おうちの方
々のご理解がなければ難しいと思いますので、そういう点はお含みおきいただ
きたいと思います」
信者にするわけではありませんが、園の生活は、祈りから始まり祈りで終わり、
年間を通じて宗教行事が行われますから、ご両親もしっかりとサポートし、お
子さんと共に学んでいく姿勢が求められます。
 
別学の経験のない方、特にお父さん方、3年保育からご縁があった場合、大学
まで19年間、お嬢さんは女子だけの教育環境になりますが、それについては
いかがでしょうか。
もっとも大学まで進む生徒は、学部の関係で少ないようですから、あまり心配
することはありませんが、面接の際に、「私どもは女子だけの学園ですが……」
といった質問があった時、戸惑うようでは困ったことになります。
「ゆとりある環境の中で、自分の進みたい道を見つけ、そのために大学受験が
必要であれば、娘に任せるつもりです」といった気持でいいのではないでしょ
うか。
共学の大学で学ぶ機会は残されているわけです。
 
別学については、ご両親共に経験がなければ分からないことが多いのではない
でしょうか。
別学の良いところは、男女の特性を生かした教育ができることで、共学とは違
った意味での男らしさ、女らしさが身につき、異性がいないことから、男子は
女性にあこがれる気持ちが、女子には男子を尊敬する気持ちが育まれやすい環
境にあることでしょう。
また、共学では体験できないことが、例えば、男子のする仕事も女子がしなけ
ればならないことから、体験の幅が豊かになるとも考えられます。
その半面、女子が、あるいは男子がいない不自然さは否めないでしょう。
また、同性同士のため、男女がお互いに何かをすることがありませんから、助
け合う気持ちが育ちにくく、羞恥心にかけがちで、いわゆる男の悪さ、女の悪
さが身につきやすい環境ともいえるのではないでしょうか。
これは、一般的な考え方ですから、ご自身の考えをまとめる参考にしてくださ
い。
 
学園のモットー、校訓をどう解釈するかも大切なポイントです。
従 順 良心に従って正しい行動がとれるように。
勤 勉 意志の強い自立性にとんだ子どもとなれるように。
愛 徳 心身ともに健康で協調性にとみ、喜んで人につくし、人からも愛され
るように。
 
清水園長の話が参考になると思います。
「校訓である三徳については、幼稚園ではもう少し具体的に、“つよく、やさ
しく、まっすぐに”と教えております。このようなことを、小さい時期から、
毎日の生活の中で体験し、積み重ねながら、追求していくようにしています」
「勤勉・従順・愛徳の三徳に賛同いたしまして」というより、ご両親が「つよ
く、やさしく、まっすぐに」を育児の姿勢としていれば、そのまま志望理由に
なるわけです。
 
モンテッソーリ教育については、説明会で育児と関連した説明になっていると、
参加したお母さん方から聞いていますので、その時に感じたことをまとめられ
るといいでしょう。
 
年長、年中、年少の同年齢のクラス編成ではない縦割り編成について、清水園
長は、
「メリットはたくさんありますが、その中で主なものとしましては、社会性が
育ちます。そして、上下関係がありますので、お互いの尊敬心、やさしい思い
やりの心、そういったことが自然と保育の中で育っていく、とても素晴らしい
編成だと思っています」
と話していました。
 
幼稚園の望む子ども像は、やはり清水園長の話が最も的を射ていると思います
ので、最後に紹介しておきましょう。
 
「私どもが希望しておりますのは、小さい時から、入園テストとか面接を受け
て訓練されることではなく、むしろ日常生活の中で、特にお父様、お母様の生
きたお手本の中で育てられたお子様方、そして年齢相応に基本的な生活習慣が、
これはまだ、完全にできませんから、ある程度、身についているお子様方、明
るく、素直で、生き生きとしているお子様、そういう子ども達を希望しており
ます」
 
「生きたお手本の中で育てられたお子様」、これが全てではないでしょうか。
 
雙葉小学校附属幼稚園
幼稚園には若干名、男の子もいますが、高校まで女子だけの、宗教教育を行う
学園ですから、宗教教育、女子だけの別学、高校までの一貫教育についてまと
めてみましょう。
 
教育目標は、
「学園の校訓に基づいて、伸び伸びとした子どもらしさの中に、誠実で、けじ
めのある子どもにそだてる。特に、幼稚園生活の中で、カトリックの教えを聞
き、神様に守られていることを知り、神様とお話しできるように育てる」
とありますが、問題は、校訓でしょう。
 
校 訓
神に対しても、人に対しても、自分に対しても誠実に
「徳においては純真に、義務においては堅実に」
自分のすることは、努力と責任をもって、最後までやり遂げるよう
 
私流に解釈すれば、「徳においては純真に」は、幼児の場合ですからご両親の
育児の姿勢として、何かをしたときに見返りを要求する、そういったことのな
い子に育てることではないでしょうか。
ママのお手伝いをしたときに、「ママ、お手伝いしたから、何かください」で
は、見返りを考えているわけですから、純真とは言えません。
また、「義務においては堅実に」は、3歳を過ぎれば自立の時代に入っている
のですから、親に手伝ってもらわなくても、できることがたくさんあるはずで
す。
基本的な生活習慣もその一つです。
4歳になれば、家族の一員としてお手伝いも始まります。
3歳児、4歳児ならば、できることができない、やろうとしないのでは、「義
務においては堅実に」とは言えません。
過保護、過干渉な環境からは、「純真で堅実な子」は育たないでしょう。
 
かつて、横浜雙葉小学校の説明会で、「人のためにも自分のためにも、一生懸
命に頑張ろうとする子を育てるご両親を歓迎します」とおっしゃっていました。
この校訓から、私学の幼稚園が求めているのは、「堅実な家庭を築くお父さん、
それを支える堅強なお母さん」であることを、イメージできるのではないでし
ょうか。
 
宗教教育、女子だけの別学、高校までの一貫教育校の3つに加え、最後の幼稚
園側が求める両親像を参考にまとめてみましょう。
 
ところで、7月17日に行われた小学校の説明会の帰りに、守衛さんに「美智
子皇后が、ご成婚記念に植樹をされたメタセコイアの木が1本残っていると聞
いたのですが」と尋ねたところ、校庭の一角に5階建ての中高の校舎と同じ高
さの大きな杉の木を紹介され、びっくりしました。
幼稚園、小学校を本学園で過ごされ聖心女子学院へ進まれた美智子妃殿下、ご
成婚は昭和34年4月10日、もう56年前になりますから当然ですが、幼稚
園の前から見ることができます。
 
夏休みも後半に入りましたが、暑い日が続いています。あと一息です、頑張り
ましょう。
 
(次回は、「志望理由のまとめ方(4)日本女子大附属豊明幼稚園・学習院幼
稚園」についてお話ししましょう)
 

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>★★志望理由のまとめ方(2)

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
              第40号
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志望理由のまとめ方(2)
 
今回から4回に分けて、主な幼稚園の志望理由のまとめ方についてお話しまし
ょう。
幼稚園の受験だからと、受験する学園全体のことを考えない方がいらっしゃい
ますが、やがて、小・中・高、または小・中・高・大と進むのですから、全体
を見据え、きちんと考えをまとめることが大切です。
紹介する幼稚園の情報は、めぇでる教育研究所発行の小冊子「幼稚園入園試験
 面接編」の「一言、アドバイス」から抜粋したもので、現在、暁星幼稚園、
学習院幼稚園、青山学院幼稚園、雙葉小学校附属幼稚園、白百合学園幼稚園、
東洋英和幼稚園、日本女子大附属豊明幼稚園、日出学園幼稚園、昭和学院幼稚
園の9園を発売しています。詳しくは、当研究所へお問い合わせください。
 
暁星幼稚園
幼稚園には、女の子も若干名いますが、小学校から男子だけの教育環境で、宗
教教育という特殊な保育(教育)をし、系列校は高校までの一貫教育校です。
この3つについて考えましょう。
 
宗教については、教育目標の中に、「神を信じ、神に守られていることに気づ
き、祈る心を育む」とあります。
ご両親は、何でもありの価値観の多様化する世の中で、小さい頃から絶対的な
価値観、マリアの教えに基づく教育を受けさせたいと考えているのではないで
しょうか。
入園するとお子さんの生活は、祈りで始まり、祈りで終わる毎日を送ることに
なります。信者ではないご家庭の方が多いわけですから、「入園後に子どもと
一緒に学ばせて頂きます」といった姿勢があればいいわけです。
 
かつて、掲げられていた教育目標に、「幼児がみんなで力を合わせながら、一
つのことをやり遂げる喜びを学ばせる」がありましたが、これは、サッカーを
考えると理解できます。
サッカーは、11人が力を合わせて戦う球技で、相手をできるだけ自分に引き
付け、見方の選手にボールをつなぎ、最後にゴールポストにシュートできるの
は、“only one”、たった一人だけです。
全員で己を捨て、最後の一人に得点を託すスポーツです。
個人の技術をチームワークでつないでいく、ここに暁星学園の基本的な教育方
針があるといえるのでなないでしょうか。
 
男子だけの教育環境に期待することは何でしょうか。
これは立教小学校の説明会でうかがった話ですが、「男子は女子と比べ発育が
遅いので、女の子との差が出がちだが、男子だけの場合、発育にあった無理の
ない教育ができる」とおっしゃっていましたが、これは当たっているのではな
いでしょうか。
ちなみに小学校は「鍛える教育」を目標にしていますが、小学校の正門に、
「困苦や欠乏に耐え、進んで試練の道を選ぶ気力のある少年以外は、この門を
くぐってはならない」と刻み込まれたプレートが掲げられています。
平成25年まで小学校の玄関の下駄箱の上にあったため、校内見学をする時に
しか見られませんでしたが、説明会(9月9日 水曜日)は中高の講堂で行わ
れますから、その帰りに正門を出て左に沿って歩いていけば、九段中学校の先
に小学校があり見ることができます。
この言葉から考えると、幼稚園では、「幼いながら、幼いなりに、自分の気持
ちを抑え、自分のことは自分でやろうとする意欲のある子」を求めていること
もわかります。
その「鍛える教育」ですが、小学校の説明会で佐藤校長は、目標は日本昔話の
金太郎などのキャラクターでもある、「気は優しくて、力持ちです」とおっし
ゃっています。
男子校の良さ、期待することは何でしょうか。
 
最後に、高校までの一貫教育制度についてです。
「幼稚園や小学校は、私達、親がよかれと考え選びますが、大学の選択は、自
分の人生の道標になるのですから、自分の力で挑戦すべきでしょう。大学受験
を経験し、自分達の生きる社会は、競争の社会であることを、学校を出る前に、
身体で知っておくこともいいと思いますね」と考えるお父さん方が多いもので
す。
中学、高校の受験がないわけですから、12年間のゆとりのある教育環境で、
じっくりと勉強に取り組み、自分自身を磨き、将来を設計していく、これが一
貫教育制度の良いところですから、こういったことからまとめてみましょう。
 
宗教教育、男子だけの別学、12年間の一貫教育校、この3点を基本に整理す
ると、志望理由が明確になるはずです。
園舎見学会は、9月16日(水)14:00~15:00に行われます。詳し
くはホームページをご覧ください。
 
青山学院幼稚園
宗教教育を行い、共学で、大学まである総合学園です。
 
「青山学院幼稚園は、青山学院の教育方針に基づき、豊かな自然の中で、いろ
いろな人と共に生活することにより、神様の恵みと生活を感じ、祈りと感謝と
喜びの生活が実現できる保育を目指す」、これが保育理念です。
とあることから、志望理由として、
「神様の恵みと生活を感じ、祈りと感謝と喜びの生活が実現できる保育に賛同
いたしまして……」と言ったとします。
「では、日常の育児に、どのように取り入れていますか」と質問されて、返答
に詰まるようでは、志望理由になりません。
 
保育目標
 青山学院幼稚園の保育は、
神様や周りの人に愛される体験の中で、祈りのうちに生活する。
自然の中で生活し、神様の存在を身近に感じ、恵みとして与えられた環境を大
切にする。
感謝と喜びのうちに生活し、まわりの人に対する信頼感、思いやりの心をもつ。
意欲をもって生活し、よく聴き、よく見る、よく考える。
それぞれに与えられた力を十分に発揮し、お互いをかけがえのない存在として
認め合う。
 
保育の目標は、「祈りと感謝と喜びの生活」をわかりやすい言葉に置き換えた
ものです。
「毎日、友達と仲良く遊び、思いやりのある、頑張る子に育てたい」、こうい
ったことを育児の基本として大切にしていれば、キリストの教えを実践してい
ると考えられないでしょうか。
これが、幼稚園側のいう「ご家庭の育児の方針と幼稚園の保育の方針に共通認
識がある、つまり、一致している」ことになるわけです。
倫理、教理と難しく考える必要はありません。
信者でなければ、知らなくて当たり前のことですから、「ご縁がありましたら、
子どもと共に学ばせて頂きます」という姿勢で臨めばいいのではないでしょう
か。
 
青山学院は、ミッション系でも珍しく共学です。
これも大切な志望理由で、なぜ、共学がよいか多くの方が体験していることで
すから、それをもとにまとめましょう。
 
大学まである一貫教育制度については、幼稚園から大学までエスカレーター式
に進学できる制度ですが、もっとも大切なのは、16年間、同じ教育理念で指
導を受けるシステムであることです。
16年間、受験勉強がないゆとりのある環境に、何を期待しますか。
 
ところで、初等部には、ランドセルも通信簿もありません。
ランドセルがないのは、勉強は学校で、生活習慣、しつけは家庭でする、これ
も初等部が大切にしている教育方針です。
幼稚園も同じ、いや、もっと厳しいかもしれません。
「しつけや基本的な生活習慣は幼稚園で」などと考えるお母さん方がいると聞
きますが、それでは受験資格はありません。
 
そして、これは、あまり知られていないことですが、ぜひ、青山学院のホーム
ページを開き、「教育」の欄の「国内短期留学」の「止揚学園」を見てくださ
い。
学院は、「すべては教場である」という教育を実践している学校でもあるので
す。
 
宗教教育、男女共学、16年間の一貫教育校、この3点を基本にまとめてみま
しょう。
 
暑い日が続いていますが、親子模擬面接は受けられましたか。
夏休み中に受けておきましょう。ケース・スタディーでも紹介しましたように、
9月に入ってからでは間に合いません。
 
(次回は「志望理由のまとめ方(3)白百合学園幼稚園と雙葉小学校附属幼稚
園」についてお話しましょう)
 
 

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>★★志望理由のまとめ方(1)

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
              第39号
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志望理由のまとめ方(1)
 
面接の狙い
「試験の始まる前に、親の私でさえ恥ずかしくなるほど大声で泣いてしまい、
何とか泣き止み、テストに参加できましたが、これではダメだとあきらめてい
たのです。ところが、合格の通知が届いたのです、合格の。うれしかったです
ね」
 
「どうして不合格になったのかわかりませんの。テストも全部できたといって
いました。面接で先生方に尋ねられたことも、きちんと答えたのですよ。控室
では静かにしていましたし、騒ぐ子や泣く子もいたというのに……。どんな子
が合格したというのかしら、まったく」
 
こういった話を、よく聞くものです。
合格したお母さんの話からは、笑い声が聞こえてきそうですが、不合格であっ
たお母さんの話からは、入園テストに対する不信感が、にじみ出ているようで
す。
しかし、二人のお母さんの話から、「入園テストは、いかなるものであるか」
を知ることができるのです。
「テストの前に泣き出し、結果も芳しくなかったと思われるお子さん」と「完
全にできたお子さん」では、テストと名がつくからには、どう考えても結果の
良かったお子さんの方が、合格するはずです。
ところが、逆の結果になってしまったのです。
なぜでしょうか。
 
それは、面接の評価が加味されたからなのです。
合格されたお子さんのご両親は、おそらく、園の保育の方針をよく理解され、
志望理由が適切であり、ご家庭の育児の姿勢も園の目指す方針と共通点があっ
たに違いありません。
こういったご両親に育てられた子であれば、入園後の生活に、何ら支障がない
であろうと、好ましい印象を与えたからです。
逆に、不合格になったお子さんは、幼稚園側が望む「子どもらしい子ども」では
なく、いわゆる作り上げられた子という、不自然な印象を与えたのではないで
しょうか。
また、面接においても、ご家庭の育児の姿勢や環境が、幼稚園側に違和感を与
えたのではないかと思われます。
では、面接で、好ましい印象をあたえる応対とは、どういったことなのでしょ
うか。
 
何と言っても、ご家庭の育児と幼稚園の保育の方針が一致していることです。
有名小学校の附属幼稚園には、ミッション系が多いのですが、信者でなくても
入園できるからといって、キリスト教に関して無関心であると、どういうこと
になるでしょうか。
 
例えば、青山学院幼稚園の保育理念は、
「青山学院教育方針に基づき、豊かな自然の中で、いろいろな人と共に生活す
ることにより、神さまの恵みと守りを感じ、祈りと感謝と喜びの生活が、実現
できる保育を目指すものです」
となっているのですが、これに対して、
「どういったお子さんに育てたいとお考えでしょうか」
と質問をされた時、保育の方針から外れた答え方をするようでは、ご両親の見
識を疑われても仕方がないでしょう。
ましてや、聖書について尋ねられ、戸惑うようでは、合格など考えられないこ
とです。
 
園での宗教教育は、年齢にふさわしい方法で行われます。
それに無関心であっては、困るのはお子さんです。
園での生活は、当然のことながら、祈りから始まり、祈りで終わります。
家での食事の時にも、お子さんはお祈りを捧げます。
その時にご両親が、お祈りをしないとどうなるでしょうか。
お子さんは、戸惑うだけです。
幼稚園側がいう「ご家庭の保育の姿勢と、私どもの保育の方針に矛盾はありま
せんか」の意味は、こういったことなので、決して難しいことを要求している
のではありません。
ミッション系の幼稚園を受験される場合、まず宗教についてどのように考えて
いるかをまとめることが大切です。
 
次に併設校が、どういった教育環境、体制になっているかということです。
別学か共学か、高校までか大学までか、この2点です。
白百合学園幼稚園、田園調布雙葉小学校附属幼稚園は、幼稚園から女の子しか
いません。
模擬面接で、白百合学園幼稚園を受験されるお父さんに、
「入園されると、大学まで女子だけの環境で学ぶことになりますが、それにつ
いて心配はありませんか」
と質問をしたところ、
「私は共学を望んでいるのですが、家内が女子校へ行かせたいといっているも
のですから」
といった答えがありました。
模擬面接でしたから、愚痴をもらしたのでしょうが、本番でこれでは、「共学
の幼稚園へどうぞ」となるだけでしょう。
こういった基本的なことをしっかりと把握していなければ、受験以前の問題で、
合格などとても考えられません。
 
また、雙葉幼稚園に入ると、本人の努力次第とはいえ、怠けない限り高校まで
一貫した教育を受けることになりますが、大学はありません。
雙葉が大学を設置しないのは、「雙葉学園で12年間学んできたことを、他の
大学へ行って磨いてきなさい」という方針があるからです。
「大学で友達になった方が雙葉の出身で、その人柄の良さにいつも教えられる
ことばかりでした。娘を授かったら、ぜひとも雙葉で学ばせたい」とおっしゃ
るお母さん方がいますが、これが学園のいう「他校へ行って磨いてきなさい」
の意味なのです。
 
暁星幼稚園を選ぶ場合、「大学受験、いいじゃないですか。社会へ出る前に自
分の力量を知ることも大切だと考えています」とおっしゃるお父さんが多いも
のです。
大学のない幼稚園、大学のある幼稚園を選ぶ理由は何か、このことについても
しっかりと話し合うべきです。
 
次に、質問内容から何を見ているかについて簡単に触れておきましょう。
「朝食は、いつもお子さんと一緒ですか」
「休日はどのようにお過ごしですか」
「お子さんの性格をお話しください」
朝食の様子から家庭環境が、休日の過ごし方から子どもとの関わり方が、子ど
もの性格から育児の姿勢などについて、お父さん方の考えがわかるものです。
 
「なぜ、入園を望まれるのですか」
「どんな時に叱りますか」
「どのような子に育ってほしいですか」
志望理由から教育への関心、叱り方からしつけの様子、最後の質問からは、育
児の姿勢などについて、お母さん方の考えがわかるものです。
 
特に、「しつけ」や「育児」に関しては、入園テストを意識しすぎて、発達段
階にそぐわない、無理なことを要求しているようなことはないでしょうか。
衣服の着脱、スプーンから箸での食事、排せつ、清潔感などの基本的な生活習
慣、礼儀作法など、お子さんの発育にそった温かい愛情のこもったものになっ
ていることが大切です。
発育段階を無視した先取りの育児は、「百害あって一利なし」といわれており、
年齢にふさわしくない知育偏重型の英才教育と同様、とかく弊害を伴いがちで
す。
 
ご両親でよく話し合い、お子さんの成長に合った育児を、確信を持って行う、
これが大切なのです。
しっかりとした考えを持つご両親、ゆたかな愛情で育てられたお子さん、短い
面接時間とはいえ、こういったことが明らかになるものです。
 
志望理由、幼稚園に期待すること、育児に関する質問の狙いは、育児と保育の
方針が一致しているか、同じ方向を目指しているかどうかを知ることにあるの
ですから、ご両親で十分に話し合い、それにふさわしい幼稚園を選ぶことが大
切です。
 
前回もお話しましたが、「入園の判定基準は、お子さんの発育状態2割、ご両
親の面接8割」であるともいわれています。
ご両親の考え方、それが育児の姿勢ですから、志望される幼稚園の保育の方針
と違和感がないこと、そして、これからお子さんが進んでいく併設校はどのよ
うになっているかを知ることが、合格のポイントなのです。
 
夏も折り返し点へ、秋風が待ち遠しいですね。
夏休みの講習会、お子さんは楽しく通っていますか。お母さん方も大変ですが、
頑張りましょう。
(次回は、「志望理由のまとめ方」(2)についてお話いましょう)
 

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>★★面接ケース・スタディ編(9)

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         「めぇでる教育研究所」発行
   「2016さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
              第38号
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面接ケース・スタディ編(9)
 
「パパ、ママ、頑張ったね!」
 
 面接室から出てきた親子三人、顔を紅潮させています。
 お母さんが、お父さんに謝っています。
何があったのでしょうか。
 
「ごめんなさい、パパ、あがっちゃって。思っていたことの半分もいえなかっ
たわ。パパもケンちゃんも、きちんとお話できたのに。私が足を引っ張ったこ
とになるわ。ケンちゃん、ごめんなさいね」
「そんなことはないよ。ケンの性格なんか『私に似て、少しあわてんぼうのと
ころがあるけど、失敗にめげないで頑張るところは主人に似てよかったと思う』
なんて、僕を持ち上げたとこなんか、照れくさかったけど、落ち着いて話して
いたよ。ケンもがんばったし、よし、焼肉でも食べて帰るとしようか」
手をつなぎながら帰っていく後姿から、入試は、二人三脚で進められていたこ
とが、よくわかります。
 
こうあってほしいのです。
面接がうまくいかなかったといって、口論することがあると、お子さんは、ど
んな気持ちになるでしょうか。
しつこく繰り返しますが、
「ぼく、暁星幼稚園へ行きたい!」
「わたし、雙葉幼稚園へ行きたいの!」
で始めた受験ではないはずです。 
ご両親が、お子さんのためによかれと考えて、始めたことではありませんか。
 
実際に、ムッとした表情で、幼稚園の玄関から出られるご両親がいるそうです。
それどころか、園舎から園庭へ一歩出ると、
「『お父さんのおっしゃる志望理由と願書に書かれているものと違っています
ね。願書を記入されたのは、お母さんですか』、なんて聞かれたじゃない。何
で私が書いたとおりにいってくれなかったのよ!」
ご主人を食ってかからんばかりに責める母親もいるそうです。
そのそばには、ハラハラしながら見ているお子さんが、います。
目に入らないのです、お構いなしです。
いちばんつらい思いをし、傷ついているのはお子さん自身ではありませんか。
こういった考え違いをされているご両親は、受験するべきではないでしょう。
 
バスに乗ってきた親子の会話が、何気なく聞こえてきたことがありました。
「あんなに練習したのに、どうしたのよ。頭が悪いんだから!」
某有名幼稚園から出てきた親子です。
頭の悪いとは、どういうことでしょうか。
面接は、答え方の練習をし、訓練を積んで受けるものではありません。
こういう考え違いをしている母親は、面接会場でも、幼稚園側が嫌がる態度を
示しているはずですから、合格するわけはないのです。 
絶対に、お子さんだけの責任ではありません。
面接をする先生方の目は見逃しません。
 
しかし、お子さんがかわいそうです。
親を選べないのですから。そうでしょう、お母さん!
さらにです。
一緒にいたお父さん、お子さんをかばってあげないのは、どういうことですか。
あなたは、保護者ではありませんか。
腹立たしい限りです。
 
「今日は、楽しく遊べてよかったですね。また、遊びに来てくださいね」
幼稚園側は、ここまで気を配ります。
「何だか知らないけれど、パパもママもうれしそうだな!」
 かくありたいものです。
 
2、3歳の秋は、お子さまが成長する一つの通過点と考えられないでしょうか。
それで、お子さまの一生が決まるわけではないのですから。
学歴から実力へ、社会は、確実に動いています。
育児に哲学を持ってほしい、などとキザで恥ずかしいのですが、このことなの
です。
 
「ただ、一貫教育校の名門幼稚園に入れておけば」
などといった考えでは、どこの幼稚園からも歓迎されません。
ご紹介しました「面接 ケース・スタディ」を通して、幼稚園側は、どういっ
たお子さんを求めているかおわかりいただけたと思います。
やはり、もっとも大切なのは、ご両親の目指す育児の方針と幼稚園側の保育の
方針に矛盾がないことです。
お子さんは、日々、成長していきます。
その成長し、養われていく力を、面接会場で、試験場で、力一杯発揮できるよ
うに指導するのが、私達、幼児教室の使命です。
それを、しっかりとサポートしていくのがご両親の役目です。
正念場を迎えるまで、あと、わずかです。
 
幼稚園側の合否の割合は、お子さんの成長度2割、ご両親の面接8割ともいわ
れています。
面接がいかに重要な鍵を握っているか、ご理解いただけたと思います。
「たかが幼稚園の面接ぐらい!」
などと、安易にお考えでしたら、希望される幼稚園から招待状は、決して送ら
れてきません。
模擬面接を受けて、奥さんやお子さんがどういった反応を示すか確かめ、対策
を考え、実行する、これはお父さんの大切なお仕事です。
 
猛暑が続いていますが、夏はこれからが本番です。元気に乗り越えましょう。
(次回は、「志望理由のまとめ方」などについてお話しましょう)
 

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