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めぇでるコラム : 2016小学校受験: 2014年9月

2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★手は第二の脳 2★★

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第13号)
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★手は第二の脳 2 ★★
 ●切る●
「切る」は、はさみの場合、ナイフのように押して切るのではなく、文字通り
チョッキン、チョッキンと音がするように、上下の刃をしっかりと開閉させて
切るようにします。
最初は、5センチほどの細長い紙を切らせ、はさみの操作をマスターしましょ
う。   
できるようになれば、はじめは直線からです。
これもスピードは、必要ありません。 
「かにの床屋」ではありませんが、あくまでもチョッキン、チョッキンです。
音がリズミカルになれば、曲線や円、三角、そして複雑な形に挑戦しましょう。
新聞に挟まれてくる広告やダイレクトメールには、上質紙を使い、デザインの
凝ったものがありますから、利用させてもらいましょう。
「ママが、後で使うから切り取っておいてください!」
お母さんのお手伝いだと聞けば、子ども達は頑張ります。
ただし、はさみは、操作を誤ると危険な道具になりますから、必ず、一緒にや
りましょう。
 
成蹊小学校や学習院初等科では、2本の線で囲まれた中心をはさみで切る問題
がありましたが、これは難しいですね。
きちんと操作できるようになってから、挑戦してみましょう。
 
そして、はさみを相手に渡す場合、どうすればよいかを教えてください。
後輩から聞いた話ですが、大卒の女性新入社員が、はさみを渡すときに、相手
に刃の方を向けているのに驚き、その訳を聞いたら、
「だって、私が刃の方を持つと危ないではないですか!」
といったそうで、ここまで自己中になれるものかと、あきれていました。
躾やマナーは、小さい時から身につけさせるべきで、これは家庭の文化だと思
いますが、いかがでしょうか。
 
 ●貼る●
次は、「貼る」です。
貼るは、現代っ子の苦手とする作業の一つでしょうが、そうならざるを得ない
でしょう。
家で糊を使っているでしょうか、主役はセロテープでしょうね。
リップスティック型の糊は、あるかもしれませんが、少しつけただけでピタリ
と貼れますから、幼児用の糊とは、接着力も使い方も違います。
 
幼児の使う「つぼ型の容器」に入った糊には、いろいろと教育的な配慮がなさ
れています。
ふたを開けることを考えてみましょう。
右利きの子なら、左手に糊の入った容器を持ち、右手でふたについている取っ
手を持ち上げ開けます。
両手を使っていますから、目も手元の作業を監視しています。 
司令塔からの命令です。
 
次に、使う量ですが、これが難しいですね。
適量を取れるようになるには、ある程度の経験をつまなければなりません。
貼る面積を計算し、分量を計りで量るわけではなく、目分量、勘です。
分量を間違うと、多ければベタベタに、少なければ直ぐにはがれます。
数を見極める直感と同じです。
 
まだ、あります、糊のつけ方です。
左手で糊をつける紙をしっかりと押さえ、右手人差し指は、表面全体に、のり
が滞りなく行き渡るよう、ノビロ、ノビロとつけていきます。
これは練習が必要ですし、根気がいります。
このことです……。
根気のいる作業を丁寧に続けることで、持久力や忍耐力も培われてきます。
 
ところで、作業に時間がかかるお子さんや、器用ではないお子さんに、いって
ほしくない言葉があります。
「ハヤク シナサイ!」、この一言です。
子ども達が、お母さんからいわれたくない嫌な言葉の第一位は、これです。
子ども自身は、一所懸命にやっているにもかかわらず、うまくできないからで
す。
苦戦している時に、せかされるのですからあせります。
あせるとプレッシャーがかかり、うまくできません。
こんなことが続くと、やがて、苦手意識を持ちはじめ、手作業を嫌がるように
なります。
第二の脳の発達は、これで止まります。
お子さんにとって大変な損失であることを、肝に銘じて下さい。
 
お子さんには、大雑把に分けると「ウサギ型」と「カメ型」があります。
「ウサギ型」は、器用に物事をこなしますが、根気に欠けます。
「カメ型」は、作業の一つ一つを納得しながら取り組みますから、時間はかか
りますが、根気があります。
「ウサギ型」は、小学校の低学年までは光り輝いています。
「カメ型」は、中学年頃から光りはじめ、やがて、立場は逆転します。
「カメ型」は、試行錯誤を繰り返していますから、じっくりと考える習慣が身
についてくるからです。
カメ型のお子さんは、せかさないことです。
ウサギ型のお子さんには、「うちの子、頭がいいわ!」で安心せずに、考えさ
せる工夫をしましょう。
ところで、イソップ物語にある「ウサギとかめ」の話、明治時代の教科書では、
どのようなタイトルがついていたと思いますか。
「油断大敵」です。           
明治時代の漢字文化が生きていますね。(脱帽)
 
「面倒だな。お母さんのを借りよう!」
楽をしようとしていますが、これだから不器用になるのでしょう。
はっきりといわなくても、これは手抜きです。
「手が汚れるから、セロハンテープにしようかな!」
こういった発想は、いただけませんし、この場合の「かな!」は、子どもらし
くありませんね。   
 
最後は、事後処理です。
手を拭き、糊の容れ物にふたをして、終わりです。
糊で汚れた手を拭く作業までも含まれていますが、「汚れたらきれいにする」
は、幼児にとって清潔感を身につける、大切な、大切な学習です。
手の汚れないのが気に入らない理由は、これです。    
        
このように、糊を使う一連の手作業には、深い教育的な配慮がなされているこ
とが、おわかりいただけたのではないでしょうか。
ですから、だじゃれのようですが、使わない手はありません。
こういった手順を踏んだ作業は、子どもの成長に欠かせない大切な経験です。
手順は記憶され、作業に流れのあることがわかり、やがて、手際よく進める工
夫をする、基本的な訓練になっているのです。
使いやすく、便利になるのは結構ですが、子どもの発育段階を考え、今は面倒
でも、糊を使うべきだといった見識を持つのも、親の役目ではないでしょうか。
 
また、糊を使うのを嫌がる子は、泥んこ遊びをやらせていないと思います。
砂場で遊べない子は、糊を使うのを嫌がるはずです。
お子さんは、いかがですか。
 
最後に貼る練習ですが、切るところで紹介しました新聞に入ってくる広告など
切り取ったものを、スケッチブックに貼ってみましょう。
初めは少量の糊で貼れる面積の狭いものを選び、中心に糊をつけ、ノビロ、ノ
ビロと満遍なく伸ばす練習をすることです。
同じ大きさのものを扱うことで、適量をとるこつもわかってきます。
そして、次第に大きなものへといった段階を踏むことが大切です。
 
最後に、セロテープについて、気にかかることをお話ししておきましょう。
なかなか適切な長さに切れないものです。
これも難しい作業ですから、少し無駄になりますが、2,3センチの長さに切
れるように練習することです。
練習しなければ、何ごともうまくなりません。
うまくできない時は、切り取るぎざぎざの部分にセロテープを固定させ、右端
から少し斜め下へ引っ張るように切ってみましょう。
慣れてくれば、必要な数だけ切り、テーブルの端などに軽く貼っておくと、
「切る」と「貼る」の作業が、スムーズにできます。
 
 ●結ぶ●
「ひも」もそうですね。
昔は、寝巻でしたから、毎日、ひもと付き合っていました。
結ばなければ、格好がつきません。
パジャマはボタンですが、ボタンかけにも苦労している子、いますね。
お母さんが、いつまでも手を貸しているからではないでしょうか。
お子さんにさせましょう。
過保護からは、自立心は育ちません。
 
箱にひもをかけて、結び方を練習しておきましょう。
あやとりもいいですね。
巧緻性ばかりか記憶力も刺激されます。
複雑な作品になると、手順を忘れるとどうにもなりません。
ところが不思議なもので、遊びとなるとかなり複雑なものでも、積極的に練習
をし、覚えてしまうものです。                     
おばあちゃんに教わったといって、三段梯子をこしらえたお子さんがいました
が、お子さんが、どのような環境で育てられているかわかりますね。
お母さんが作って見せ、お子さんに好奇心を持たせることです。
「ママ、すごい!」と間違いなく賞賛され、お子さんの知的な能力も開発され
ます。
一石二鳥ではありませんか(笑)。
 
 ●摘む(つまむ)●
 「箸を使った問題」
 
 :お椀の中のものを、別のお椀に箸を使って、一つずつ移してください。
 
これが試験です。
立教女学院小学校や白百合学園小学校などで出題されています。
豆を買ってきて、割り箸を使い、懸命に練習する話を聞きますが、何かおかし
くないでしょうか。
これは練習をして身につけるものではなく、身体の運動機能的な発達にかかわ
ることですし、基本的な生活習慣の一つですから、しつけと関係あります。
一応の目安として、箸は3歳頃から使えるようになり、5歳頃には巧みに使え
るようになるといわれています。
練習用の工夫された箸がありますから、もっと早く使えるようになっているか
もしれません。
問題集を読むと、箸でカラーボールや玩具のミニチュアの果物、大豆、ビー玉、
落花生、金平糖を摘む(つまむ)、積み木をハンカチで包むなどの課題がありま
す。
なぜ、学校側がこんな試験をするのでしょうか。
手先の器用な子は頭もいいから、箸を持たせて選抜しようとは、考えにくいこ
とです。
しかし、箸を満足に持てない子が多いからとすれば、これこそ問題です。
園児がペーパーテストに強くても、箸を使って食事をできない方が、よほど恐
ろしい話ではありませんか。
こんなことまで試験で調べるのは、幼き戦士たちは、頭が良くても、こういっ
たことが苦手なのでしょうか。
誤解を招いてはいけませんから、今年6月に行われた立教女学院小学校の学校
説明会での教頭先生の話を紹介しておきましょう。
 
  あえてこの場で申し上げますが、テストの中でお箸を使う場面がありまし
  たら、お箸で物を運ぶ速さを競っているのではなく、正しい箸の持ち方が
  できているかを見ていることをご理解いただきたい。テストの主旨はそこ
  にあります。日本の文化でもある箸の持ち方を、きちんと身につけてほし
  いと考えています。
 
第3号でも、「正しい箸の持ち方の写真を2カット使用した説明があった」と
紹介しましたが、それほど箸の持ち方のおかしな女の子がいるのかなと首をか
しげたくなりましたが、お子さんはいかがでしょうか。
 
五感に刺激を与え、脳を鍛えましょう。
言葉は使わなければ進歩しないと同様、手作業もやらなくてはうまくできません。
しかも、この二つの能力は、ご家庭で楽しみながらできることです。
 
お母さん方が、もっとも得意とする料理、レシピを見ながら作るでしょうか。
素材選びから料理の手順、味付けまで、きちんと頭に入っているはずです。
司令塔の脳と実戦部隊の手との共同作業がスムーズに行われるのは、積み重ねた
経験が、頭脳にしっかりと記憶され、手が指示通りに反応しているからです。
 
失敗を恐れず、試行錯誤を繰り返しながら挑戦することで、第二の脳は鍛えられ
ます。
鍛えられると同時に、自力でできるようになることで、自立心が育まれます。
「手は第二の脳」といわれるのは、こういった仕組みになっているからです。
家庭でやらないとは、もったいない話ではないでしょうか。
 
以上が、ご家庭でやってほしい基礎トレーニングです。
しかし、手作業は、月齢差が無残なほど表れますから、その点をきちんと判断し
ながら、あせらずに頑張ってください。
これまでのトレーニングだけでも、脳の活性化はかなり進み、お子さん自身、物
を作ることに興味を持ち始めてはいないでしょうか。
物を作る楽しさを体験させる、絶好のチャンスです。
市販されている幼児用の制作、折り紙、お絵描きなどの本を参考に、お子さんと
一緒に取り組みましょう。
季節折々の年中行事も、格好の教材になります。
門松、鬼の面、ひな人形、かぶと、紫陽花、朝顔、七夕飾りなどを作り、楽しい
思い出をたくさん残してあげましょう。
その思い出から、独特の家庭の文化が間違いなく築かれていくのです。
 
ところで、私のお勧めしたい手作業は折り紙で、お金をかけずに、これほど楽し
める遊びはありません。
といっても、後期高齢者になった私は、ぼけ防止のためにやっているのですが(笑)。
 
(次回は、「鍛えてほしい第二の脳3」についてお話しましょう。

2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★手は第二の脳 1★★

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第12号)
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★手は第二の脳 1★★
ペーパーテストの対策は、ご家庭でも問題集などを使い、充分すぎるくらい行
われているようですが、ものを作る作業、制作やモールにおはじきを通す、糸
を結ぶ、箸を使うといった手作業の問題に関しては、教室や塾の指導にお任せ
の場合が多いのではないでしょうか。
いわゆる、巧緻性の問題です。
辞書を引くと、「きめこまかく上手にできていること」となっています。
聞き慣れない言葉ですが、小学校の入学試験では、きちんとやっておかなけれ
ばならない重要な項目の一つです。
 
「塗る、折る、切る、貼る、結ぶ、摘む」などの手作業の他に、制作や絵を描
く、手本と同じものを描く模写の問題があります。    
手作業からは、手伝ってもらわずに自分で思っているようにできることから自
立の状態が、筆記用具の持ち方からは、基本的な生活習慣やしつけ、制作やお
絵描きからは、身体表現と同様に、幼児が自分の考えを表す大切な方法、手段
ですから情緒の発達状況が、模写からは、観察力、模写力、集中力が判定でき
るので、出題されるわけです。
     
こういった作業は、子どもの発育段階と密接な関係があり、その年令にふさわ
しい経験を積んで身につくもので、手を抜くとできません。
学校側は、年令にふさわしい経験を積んでいるかを見たいのです。
 
さらに、もう一押ししておきましょう。
なぜ、筆記用具の持ち方から基本的な生活習慣やしつけがわかるのでしょうか。
それは、食事をするように箸を持ち、一本抜くと、正しい筆記用具の持ち方に
なっているからです。
妙なボールペンの持ち方で字を書いている若者がいますが、小学校の勉強が始
まる前に、身についてしまう場合が多いようです。
「名は体を表す」ともいいますが、字もそうではないでしょうか。
メールでわからなくても、書いた字を見れば一目瞭然です。
就職するときにあわてても間に合いません。
「たかが筆記用具の持ち方」などと思う前に、お子さんのための大切なしつけ
と考え取り組みましょう。
巧緻性の問題が、「ご両親の育児の姿勢を評価している」といわれる理由は、
ここにあるからです。
年中から年長にかけて、たいへん重要なことですから、4回に分けてお話しま
しょう。
ただし、巧緻性は、子どもの発育状態と密接な関係がありますから、お子さん
の月齢を十分に考慮しながらお読みください。
         
◆基礎作業編◆
 ●塗る●
まず、「塗る」から考えてみましょう。
簡単なようですが、子ども達は、大変な作業をやっているのです。
たとえば、クレヨンで、円の中をはみ出さないように塗ることを考えてみまし
ょう。
まず、左手で紙を押さえます。
そして、右手でクレヨンを持ち、はみ出さないように注意しながら、できるだ
け丁寧に、白い部分が残らないように、まんべんなく塗ります。
この一連の作業を、試験の場合を想定し分析してみましょう。
 
まず、最初に、先生の模範演技を見て、頭脳の司令塔にある何とかいう神経に、
目と耳から情報がインプットされます。
説明終了と同時に、きちんと理解した脳から指示が出ます。
 
 「右手で赤のクレヨンを持って、左手は、画用紙が動かないように、しっか
 りガードしなさい。
 まず、黒く印刷されている円の内側を、円に沿って、はみ出さないように描
 きなさい。 
 次に左から右へ塗る反復作業を根気よくやりなさい。
 左上の方、少し塗りが足りません、至急、補足しなさい。
 残り時間は、あと30秒程です。
 スピードを上げなさい」
 
目は手元を、指示どおりにやっているか見ています、監視カメラですね。
リアルタイムで、次々と正確な報告が届きます。
それに従い、即座に指示が出ます。
話を聞き取る力が備わっていないと、こうはいきません。
きっちりとした指示が出ないことには、手の方も、動きません。
このことです……。
 
手先の器用な子の知的な能力は高いといわれています。
それは、持って生まれたものではないと思います。
頭も使わなければ、よくなりません。
試行錯誤を繰り返すことで手順を覚え、その度に司令塔から指示が出、手先も
それに応えて頑張ります。
記憶する力がつき、手先も器用になるのです。
いってみれば、頭と目と耳と手の合同訓練ですね。
 
これがバラバラでは、おかしなことになります。
目がきちんと見ていないと、状況がわかりません。
耳がしっかりと聞いていないと、指示されていることが理解できません。
わからない状態ですから、脳からの指示も、不正確になります。
この意味不明、「……わかりません」の状態で作業が始まると、どうなるでし
ょうか。
色を塗れば線からはみ出します。
折り紙を折れば、グチャグチャに折ります。
はさみで切れば、ギザギザだらけです。
糊を使えば、量を無視してベタベタに貼ります。
紐を結べば、ユルユルです。
 
こうなるでしょうね、合同練習不足です。
最近、こういう子が増えているそうです。
この責任の一端は、ご家庭の教育にありではないでしょうか。
過去問などを買い求めて知的なトレーニングは、積極的になさっているようで
すが、こういったことこそ、ご家庭で時間をかけ、ゆっくりと、じっくりとや
ってほしいのです。
お子さんと一緒にやりましょう、簡単にできますから。
それに、問題集を使っての勉強と違い、腹を立てないで済みます。
 
たとえば、色塗りです。
5センチの正方形を縦、横4個ずつ作って、色を塗らせましょう。
色を決めて、斜めに塗ると、きれいな模様ができます。
最初は、この程度から始めて、ます目を増やしてあげましょう。
後で出てくる系列完成の学習にもなります。
・・・・・・・・・・・・・
・ 赤 ・ 緑 ・ 青 ・ 赤 ・
・・・・・・・・・・・・・
・ 緑 ・ 赤 ・ 緑 ・ 青 ・
・・・・・・・・・・・・・
・ 青 ・ 緑 ・ 赤 ・ 緑 ・
・・・・・・・・・・・・・
・ 赤 ・ 青 ・ 緑 ・ 赤 ・
・・・・・・・・・・・・・
こういった遊びから、脳も手先も鍛えられ、美醜の感覚も育ってきます。
塗り絵の苦手な男の子は、こういった遊びをしていないのではないでしょうか。
大人には何でもないことが、幼児にはとてつもなく難しいということがたくさ
んあります。
何事もそうですが、基本的な作業をおろそかにしないことです。
 
塗る問題でも難しいものがあります。
 
★鉛筆を使い、一番目の四角を最も濃く塗り、二番目は少し薄く、三番目はそ
れより薄く塗りなさい。
 
日本女子大学附属豊明小学校で、よく出題されています。
今の段階では、まだ難しいですが、こういった問題もあることを覚えておきま
しょう。
 
●折る● 
「折る」は、折り紙の登場です。
これから折り紙には、いろいろな領域でお世話になりますから、常備しておき
ましょう。
折ってみるとわかりますが、メーカーにより色が微妙に違い、厚さにも変化が
あり、硬いもの、柔らかいものがあります。
柔らかいものだけ使っていると、硬いものは折りにくくなります。
最初は柔らかいものを使い、うまく折れるようになれば硬いものも使ってみま
しょう。
 
折り紙は、楽しいものです。
何しろ、1枚の紙から、立体作品ができるのですから、すぐれものです。
簡単なものから始めましょう。
 
大切なのは、最初の一折りで、ここを、キチンと押さえましょう。 
スピードは、必要ありません。
丁寧に、しっかりと折ることが大切で、一つ一つの作業は、まさに巧緻性その
ものです。  
さらに、折り紙は、手順を忘れると完成しませんから、記憶力もつき、一石二
鳥の効果を期待できます。
基本は、折り紙の角をきちんと揃えて半分に折り、長四角と三角を作ることで
す。
 
正確にきれいに折るには、指先の力も鍛えなければなりません。
うまく折れない場合には、紙をちぎりましょう。
新聞紙で十分です。
最初はうまくちぎれなくても心配ありません。
きちんとちぎれるようになるには、いろいろと工夫する必要があります。
これは、とても大切なことで、教える前に挑戦させてください。
 
「子どもが、考え、工夫する前に、教え込んでしまう」のは、決していいこと
ではありません。
育児が過保護や過干渉のタイプのお母さん方は、とかく教えがちですが、まず、
子どもにさせることです。
 
うまくちぎれるようになるには、工夫が必要です。
工夫してできるようになれば、やる意欲も育ちます。
できたことから達成感を味わえるからです。
大人から見れば「何だ!」と思えることが、子どもにはすばらしい発見でもあ
るのです。
ちぎった紙を使って、1つに丸めた後折り紙などで包み、ボールを作ってみま
しょう。
はさみを使わずに、紙をちぎってものを作るテストもあることも覚えておいて
ください。
 
また、機会があれば、お母さんが折ったものを広げて、どういった線ができて
いるか見せてあげましょう。
あまりにもきれいな幾何学的な模様に、きっと驚くと思います。
左右、上下が対称になっているなどと難しい説明はいりませんが、やがて挑戦
しなければならない対称図形の学習に役に立ちます。
 
以前、暁星小学校では、少し工夫しないと難しいと思える折り方をさせました。
日本女子大学附属豊明小学校では、座布団に正座をして折り紙をしたこともあ
りました。
 
ところで、私には信じがたい話ですが、鶴を折れないお母さんがいるようです。 
お子さんは、さみしがりませんか。
お子さんばかりに要求せず、練習し、お子さんの期待を裏切らないようにして
ください。
 (次回は「手は第二の脳2」についてお話しましょう)

2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★ご家庭で楽しくできる受験準備 養ってほしい数感覚 2

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第11号)
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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ご家庭で楽しくできる受験準備
★★養ってほしい数感覚 2 ★★
 
[アバウトから正確に] 
さて、何回も続けていく内に、お子さんは、たとえば10と5では、10の方
が多いとわかると、今度は数字で多少の判定をはじめます。
そこまでわかってきましたら、「では、いくつ違いますかゲーム」に切り替え
ましょう。
ゲームのやり方は、同じです。
  
最初は、同じマークから始めましょう。
1枚ずつカードをめくり、お子さんが8、お母さんは3が出たとします。
お子さんは、「ぼくの勝ち!」と宣言して、その違いを調べます。
この場合も、[8-3=5]ではなく、数の少ない方のカード[3]を覚え、
数の多い[8]のカードのマークを3個、指で押さえて隠します。
そして残ったマークを数え、「ぼくの方が5個多い」と、必ず、言葉で判定結
果を言うようにします。
 
今度は、お子さんのカードが4、お母さんのカードが7で、お母さんが勝った
場合も、 「ぼくの負け!」とお子さんに宣言をさせ、お母さんのカード[7]
を使い、4個を指で押さえ、残ったマークを数えて、「ぼくの方が3個少ない」
とお子さんに判定させ、結果を言うようにします。
お母さんは、一切、言葉をはさむ必要はありません。
正解の場合は「ピン、ポン!」、間違った場合は「ブッ、ブー!」と警告する
程度にし、ゲームの進行は、お子さんに任せます。
このゲームは、正確に「いくつ違うか」を判定するものですから、スピードは
必要ありません。 
先程も触れましたが、[10と9]、[8と7と6]のカードでは、マークの
配列が[4と3]の違いに気づけば、どこをどう押さえて隠せばよいかもわか
り、真ん中のマークの数だけで判定できるようになると、自然とスピードアッ
プしますが、答えは、必ず、口頭でキチンといえるようにします。
4種類のカードをまぜてやるのは大変ですから、2種類、10回戦で十分です
が、お子さんが希望する場合は挑戦してみましょう。
 
これができるようになれば、次に同じマークのカードを4枚並べ、「一番多い
ものと少ないもの」を見分けるゲームをやってみましょう。
指でさして、答えさせます。
これも直感で判定させたいのですが、ここまで、かなりゲームの量をこなした
ことになりますから、数字とマークの数の関係で、わかるお子さんも出てくる
でしょう。
 
例えば、[5、3、7、9]のカードが、並んだとします。
「9が一番多くて、3が一番少ない」
と、数字でいえるようになれば、もう、カードでのゲームは、卒業してもいい
でしょう。
 
ところで、数字は抽象的ですから、数詞がつかなければ、幼児には具体的な数
は、わかりにくいものです。
[1]といってわからないことでも、「りんごが1個」となると、頭にりんご
が1個浮かび、具体的な数を把握できるわけです。
トランプは、5のカードであれば、数字の5とマークが5個ありますから、抽
象的な数字をマーク5個で具体的に表しています。
小学校の入試では、数字を使いません。
ですから、1は○が1個、2は○が2個、10は○が10個であることが理解
できれば、十分なのです。
数の多少がわかれば、トランプでのゲームを卒業し、数字のない遊びへ進みま
す。
しかし、お子さんがゲームを面白がるようでしたら、楽しみながら続けてあげ
ましょう。
 
ここまで進むと、数字を書きたいお子さんも出てくるでしょう。
その場合、[0・5・7・8・9]の書き順を、きちんと教えてください。
自己流で覚えてしまうと、直すことになりますから、小学生になってから苦労
します。
そして、数字を覚えても、問題集や模擬テストなどでは、「絶対に数字を使っ
て答えてはいけない」と約束しましょう。
答が合っていても、得点にはならないからです。
当然のことですが、入学試験で数字を使って答えては、絶対に合格しません。
設問のどこにも、数字で答えなさいとの指示はないからです。
新しいことを覚えると、つい、使いたくなるものです。
ここで、きちんと押さえておきましょう。
 
次の遊びは、お母さんが教材を作ります。
トランプより少し大きい長四角のカードを20枚(1から10まで各2枚ずつ)
作り、ハートやスペードの代わりに●で表します。
トランプに慣れていますから、最初はマークと同じ配置にしましょう。
慣れてきたら、市販されている問題集などを参考に、オリジナルカードを作っ
てあげましょう。
市販されているシールを貼って作ると、きれいなカードができます。
 
最初のゲームは、直感で見分けた「多少の違い」をやってみましょう。
今度は数字がありませんから、直感が頼りです。
きちんと見分けられれば、「いくつ違うか」のゲームに挑戦しましょう。
今度は、トランプより大きいですから、答えも出しやすいと思います。
 
それもできるようになれば、4枚並べ、直感で「一番多いものと、一番少ない
もの」を当てるゲームに進みますが、お母さんが意図的にカードの配置をした
方がいいと思います。
[1・2・3・4][1・10・5・8]のように、[1と10]が入ったも
のばかりでは、緊張感に欠けるからです。カードをうまくアレンジしてあげま
しょう。
市販されている「数量の問題集」などを参考にされるのもいいですが、難易度
を考えて選んでください。
 
慣れてきましたら、「二番目に多いものと、二番目に少ないもの」に挑戦して
みましょう。
やり方は「一番多いものを見つけ、それより少ないものが二番目」になり、
「一番少ないものを見つけ、それより多いものが二番目に少ないもの」になり
ます。
最初は戸惑うかもしれませんが、あくまでもゲーム感覚で、楽しみながらやっ
てください。
 
幼児の場合は、何事においても誕生日、生まれ月を考慮する必要があります。
衣服の着脱、歯磨き洗顔などの基本的な生活習慣はもちろんのこと、こういっ
た遊びを通した知的なトレーニングにも、十分に注意してほしいと思います。
「隣のケンちゃんができるのに、なぜ、うちの子はできないのかしら」
と思う前に、必ず、生まれ月を考えましょう。
早生まれのお子さんには、無理をしないように気をつけてください。
「できなくても、できるまで待ってあげる」、この気持ちが大切です。
 
お子さんのおむつを外すとき、お母さん方はどうしましたか。
粗相をしても、叱り飛ばさなかったはずです。
その心は、「まだ、できないから待ってあげる」であり、その心は「今に、必
ずできる」ではなかったでしょうか。
待ってくれたから、お子さんは期待に応えたのです。
 
知的な能力の開発も、同じです。
いや、知的なことだけに慎重な対応が必要なのです。
できなくても、あせる必要はありません。
幼児は、体験を積んでいないからできない場合が多く、決して能力だけに問題
があるわけではありません。
いろいろと体験させ、待ってあげましょう。
待ってあげるお母さんのやさしい心が、必ず、できるように導くからです。
待ってあげるやさしい思いやりから、頑張る意欲は育ってきます。
お子さんの成長した姿を見て、自信を持ちましょう。
 
こういった遊びで、十分に数感を養ってから、○を使った数の多少、和(合わ
せていくつ)、差(いくつ違うか)、対応(いくつ必要か)、分割(分けると
いくつ)といった問題に進むのが、幼児にふさわしい算数の学習であることを、
ご理解いただけたのではないでしょうか。
ゆっくり、じっくり、しっかりと、ゲーム感覚で楽しんでください。
 
最後に、トランプの絵札は、普通、11はJ、12はQ、13はKとアルファ
ベットで表されています。
Kはキングで王さま、Qはクイーンで王女さまの頭文字であることはわかりま
すが、Jは何を表しているのでしょうか。
これは、「ジャック」という名前の頭文字からとったものだそうです。
ジャックとは、イギリスではありふれた名前の代名詞で、日本では「太郎」に
あたると考えればわかりやすいでしょう。
よくある名前を付けることで、名もない一兵士を象徴させているそうです。
騎士道の精神ではないでしょうか。
そういえば、中学一年で習い始めた英語のテキストは、「JACK AND 
BETTY」だと記憶していますが、ベティーは「花子」にあたるとすれば、
「太郎と花子」になるわけですね。
フルネームは、JACK JONES とBETTY SMITH でしたか
ら、JONESとSMITHは、鈴木さんや小林さんになるかどうかは、定か
ではありません(笑)。
  (次回は、「第二の脳を鍛えましょう1」についてお話しましょう)
 

2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★ご家庭で楽しくできる受験準備(3)養ってほしい数感覚 1 

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第10号)
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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ご家庭で楽しくできる受験準備
(3)養ってほしい数感覚 1           
 
[数感はアバウトの感覚から]   
奇妙なタイトルだと思われるかもしれませんが、「話の記憶」と共に、ほとん
どの学校で出題されている「数量」の問題に対処するには、語感と同様に数感
を養っておくことが大切です。
受験準備となると、すぐに問題集を使用した勉強と考えられがちですが、幼児
の場合は、その前にやらなければならないことがあります。
物を使った具体物での学習です。
これをきちんと体験しておかないと、「勉強は記憶に頼るもの」となり、幼児
にとっては、つらい受験準備となりがちだからです。
前にもお話しました「学習と勉強の違い」を思い出してください。
特に、年中から年長にかかる時期には、教える人は、「すずめの学校の先生」
にならない注意が必要です。
 
トランプを用意してください。
トランプはさいころと共に、数感を養うすぐれた教具です。
問題集に取り組む前に、数に関する感性、数感を鍛えておきましょう。
「数感教育」の大切なことを教えてくれたのは、香川大学名誉教授の小林先生
でした。
後で紹介しますが、「幼稚園の年長さんでもつるかめ算を解きますよ」と、実
に衝撃的な学習の仕方を教えてくれた先生です。
 
その時のことです。
「2才の幼児でも数がわかるよ」と、2つのさいころを使った、面白い遊びを
見せてくださったのです。
幼児が、さいころをふると6が出ました。
次に先生がふると3が出たのです。
すると先生は、
「キミの勝ちだよ」
といって、幼児に勝ったことを教えます。
最初は、きょとんとしていましたが、数回続けているうちに、どうやら、たく
さん黒丸のある方が勝ちであることが、幼児にもわかってきました。
しばらくすると、先生がいわなくても、
「ぼくの勝ち?」
といい始めました。
数字を使った引き算ができなくても、「数の多少」を理解できるのです。
1と6であれば、●と●●●●●●であり、2と3のときは●●と●●●で、
子どもの頭の中は、おそらく、「6の方に黒い丸がたくさんあるぞ!」であ
り、2と3のときは、「3の方が少しだけ多いかな?」といった、おおよその
見当、推量であり、「アバウト(about)の感覚」なのです。
見た感じで「どっちが多いかな」と直感力で判断するわけです。
大切なのは、この直感力を培うことです。
       
例えば、2枚のお皿にクッキーを5個と4個に分けて入れておき、お子さんに、
「多い方をとっていいよ」
といったときに、数えずに5個入ったお皿をとれば、直感力は順調に発達して
いるといえます。
おやつの時に試してみましょう。
数の多少を見分ける力が身についているかがわかります。
       
この直感力を鍛える遊びを紹介しましょう。
数えなければ不安で、答えを出せない子ども達と、よく一緒に遊んだゲームで
す。
トランプは、4種類のマークの数と同じ数字が書かれていますから、これを利
用します。
まず、1から10までのカードを用意してください。
1はA、エース(ACE)のAとマークが1個しかありませんが、1個だけ書
かれていますから、1と説明します。
そして、マークの数を数えながら、1から10まで並べ、マークの数と数字は
同じであることを確かめます。
この時の数え方は、「イチ、ニ、サン」と漢語読み、音読みにします。
11・12・13と10以上の数え方にも対応できるからです。
なお、7は掛け算を思い出してください、「シチ」です。                   
 
最初は、ハートのマーク1組でいいでしょう。
よくきって積み上げ、ジャンケンで順番を決め、1枚ずつめくり勝ち負けを争
います。
例えば、お子さんが先にめくり8が出たとします。
お母さんがめくると4が出たとします。
そこで、どちらが勝ったかお子さんに聞きます。
そのとき、[8-4=4]でお子さんの勝ちとするわけではありません。
また、ハートの数を数えて、8個と4個ですから、多い方の8のカードを4個
押さえ、8の方が4個多いとするのでもありません。
数の多少を、見た感じ、直感で決めることを約束します。
初めは戸惑いもあるでしょうが、やっている内に、トランプのマークの並び方
に、ある決まりがあることがわかるはずです。
それに気づけば、瞬時に判断できるようになるでしょう。
 
間違えたときは、「ブッ、ブー」と警告をします。
答を教える必要はありません。
カードは2枚ですから、すぐわかります。
勝者が2枚のカードをもらえます。
これを繰り返していると、直感で見分けられるようになり、数えなくては不安
であったことも解消できます。 
 
終わったところで、お互いのカードを2段に並べて比べます。

 お子さんのカード □□□□□□
                               ││││
 お母さんのカード □□□□
 
1対1対応で差が出ますから、計算しなくても、その差が答えになります。             
 
直感で判断することに慣れれば、カードを増やしましょう。             
ハートとダイヤといった組合せがいいでしょう。
マークの色が違うと混乱する場合もあるからです。
10枚増えると5回戦から10回戦になり、慣れてくればスピードもあがります。               
 
次に、スペードとクローバーでやってみましょう。
形や色が違っても、数は同じであることがわかれば、いよいよ4組のカードを使
います。
40枚で争いますからゲームとしても面白くなり、スピードがあがれば集中力も
働き、俊敏な判断力もついてきます。
 
40枚になると、結果を判定するのに、横に並べるのも大変ですから、一工夫し
ます。 
お互いに自分で取ったカードを1枚ずつ置きながら、5枚単位で段を作ります。
5枚で一固まりに分ける習慣がつくと、数の合成、分解にも役立ちますし、算数
の足し算、引き算の計算に、すぐに対応できます。
どちらかの手持ちがなくなったときにストップをかけ、そこから「1枚、2枚」
と数え勝負を決めます。
下の図のように、■のカードの部分で、8対0でお子さんの勝ちとなります。                         
   お子さんのカード          お母さんのカード                     
   □□□□□ □□□□□        □□□□□ □□□□□ 
   □□□□□ □■■■■        □□□□□ □    
   ■■■■               
5枚の固まりに分けるのに慣れれば、10の固まりで数えてみましょう。
算数の勉強で最初につまずく、繰り上がりや繰り下がりの計算にも、スムーズに
対応できます。
余談になりますが、このカードの並べ方を、あまり手先の器用ではないお子さん
にさせると、面白がってやることから優れたトレーニングになり、効果も期待で
きます。                                 
 
本題に戻って、過去の入試問題集などで、例えば、          
「みかん10個と8個の絵があり、多い方に○をつけなさい」  
といった多少の判定をする問題が5問あり、制限時間は15秒であれば、1つ1
つ数えていては、とても時間内に終わりません。
学校側が知りたいのは、計算して答えを出すのではなく、「直感力が養われてい
るか」ではないでしょうか。
 
数の多少だけではありません。                       
2枚のハンバーグや2つのコップに入ったジュースを見て、
「ぼくの方が小さいじゃん!」
「私の方が少ないわ!」
とこだわるのは、アバウトの感覚で「量の違い」を見分けているのであり、決し
て卑しいのではなく、直感力が順調に養われている証ですから心配ありません。
 
この違いを小学校へ入ってから「数」は加減乗除で、「量」はデシリットル、リ
ットル、「重さ」はグラム、キログラム、「長さ」はセンチメートル、メートル
と正確な計算、単位として学んでいくわけです。
年中から年長の頃は、直感で見分ける機会をたくさん持つことが大切です。
なぜなら、「直感は、経験の積み重ねで養われる力」だからです。         
 (次回は、「養ってほしい数感覚 2」についてお話しましょう)
 

2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★ご家庭で楽しくできる受験準備(2) 「話の読み聞かせ」のすばらしい効用 (2)

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第9号)
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ご家庭で楽しくできる受験準備
(2)「話の読み聞かせ」のすばらしい効用 (2)
 
前回お話しましたように、話の読み聞かせは、「語彙」を増やし、「イメージ
をふくらます空想力や想像力」、「話を聞く力」、「構成力や思考力」、「表
現力」、「物事に取り組む意欲」といった能力の開発に、はかりしれない影響
を与えています。
しかも、誰かに命令され、要求されて、やっているわけではありません。
子どもは、自発的に、積極的に楽しみながら能力を培っているのです。
        
これだけではありません。
さらにもっとすばらしい能力の開発に貢献しているのです。
しかもそれは、小学校の入学試験で、重要なものばかりなのです。
 
「竜宮城って面白い所だな。絵に描いてみようかな?」
となると、絵画の領域です。
ファンタジーの世界で夢もふくらみます。
絵を描こうとする動機は純粋です。
幼児にとって、この「……かな?」と思ったときが、好奇心の芽を育む、絶好
のチャンスなのです。
「小学校の入学試験に、絵を描かせる学校があるから、絵画教室へ行きましょ
う」
これでは、動機が不純です。
絵を描くことが好きになれるとは思えません。
これは何も絵だけではなく、ピアノや英会話といった早期教育にも同じことが
いえるのではないでしょうか。
応接間の飾りものになっているピアノを見かけますが、ショパンやリストの名
曲を弾いてほしいと、怒っているかもしれませんね。
 
ところで、最近、絵を描くことを、嫌がる子どもが増えていると聞きます。
その原因は、想像力が培われる前に、大人の求める望ましい上手な絵を描くこ
とを、期待するからではないでしょうか。
感性が磨かれていなければ、絵は描けません。
 
[(環境+五感が受けた刺激)×(好奇心+観察力)÷そしゃく力=描かれた
絵]
 
妙な式らしきものですが、冗談です。
専門家の先生方に、叱り飛ばされますね。
でも、感性は、子ども自身が、与えられた環境の中で、自らの力で養ってきた
自前の性能ではないかといいたいのです。
親が、注文をつけ始めると、面白くない絵になると思います。
そこには、子どもにはない、大人の感性が入り込むからではないでしょうか。
どなたがおっしゃったのかわかりませんが、大人の手垢のついた絵です。
 
まだ、あります。
昔話をはじめ、子どもの読む本は、善いことを勧め、悪いものを懲らしめる
「勧善懲悪」から成り立っています。
正義は、必ず勝ちます。
倫理、道徳、善悪について、襟を正して教えなくても、きちんと学習していま
す。
いってみれば、お子さま用の「修身、道徳講座」です。
「情操教育の基礎、基本」を学習しています。
このことです……。
    
これからは、わたし流の勝手な解釈ですから、深く詮索なさらずに、さらっと
読み流してください。
三歳頃から、自立が始まります。
そして、毎日、いろいろな経験をしながら、さまざまな感情も培われてきます。
これが、情緒です。
未分化であった情緒が、五歳頃から分化されます。
 
今までは、いってみれば、玩具箱の中に乱雑に入れられていた玩具が、「自動
車はここ」、「縫いぐるみはこっち」、「ままごと道具はあっち」というよう
に、次第に整理される状態になるのです。
まだ、整然とはいきませんが。
つまり、未分化だった情緒が分化され、大人にみられる情緒が表われてきます。
喜び、悲しみ、怒り、恐れ、心配、快いといった情緒です。
ついこの間までは、嬉しくても、悲しくても、お腹がすいても、泣くしか表現
できなかったことを思えば、格段の進歩です。
 
ですから、いろいろな話を聞き、喜怒哀楽など心の動きを誘い起こされ、幼い
なりに、自我を作っていると思います。
大胆にいえば、正しいこと、悪いことの分別を学習しているのです。
修身、道徳講座のシミュレーション学習ではないでしょうか。
 
まだ、あります。
これがもっとも大切だと思います。
お母さんが感情をこめて読んであげると、子どもは真剣に聞きます。
気持ちをこめて聞くものです。
そこから、人の話を静かに、行儀よく聞く姿勢が身につきます。
これは、小学校へ入って勉強するために、きちんと身につけておきたい「基本
的な学習態度、心構え」です。
話が聞けないようでは、いくら漢字が読めても、足し算や引き算ができ、九九
をそらんじていても、学習効果をあげることはできません。
小学校の先生方に聞いてみると、みなさん、そうおっしゃっています。
それほど、話を聞く姿勢を身につけることは、大切なのです。
 
小学校の入学試験も、同じです。
大切なことですから繰り返しますが、ペーパーテストには、答えは書いてあり
ますが、どこにも設問はありません。
話を聞いていなければ、何も答えられません。
行動観察型や他の試験も同じです。
話をきちんと聞き、理解していなければ、どうにもなりません。
合否の鍵は、「話を聞く姿勢ができているかどうか」にかかっているのです。
 
それを、あまり本を読んであげずに、
「人の話は、きちんと聞きなさいと、いつもいっているでしょう、お母さんは!」
恐い顔をして、厳しく、何十回いっても、無駄です。
子どもは、自分の好きな本を読んでもらい、静かに聞くことで、話を聞く姿勢
を、意識することなく、身につける訓練になっているのです。
話を聞けない子になる原因の一つに、話を聞きたがる大切な時期に、読み聞か
せが少なかったことも、あるのではないでしょうか。
 
さらにすごいと思うのは、前にも少し触れましたが、
「言語能力を高めるためのお勉強ですよ!」
といった意識は、お母さんにも子どもにも、まったくないはずです。
自主的に、積極的に、しかも楽しく学習しています。
これこそ「教えない教育」のもっとも効果的な方法ではないでしょうか。 
「教えない教育」とは、誤解を恐れず、わたし流にいえば、「本人は勉強だと
思わないのに、ものすごい勉強をしている」ことです。
何かを学ぼうとする気持ち、「学習意欲」が身につきます。
 
しつこいですけれども、まだ、あります。
お母さんの表情豊かな、優しい語りかけが、何よりのスキンシップとなります。
ですから、子どもの好きな本をたくさん読んであげるお母さんは、子どもに慕
われます。
それは、お母さんとお子さんが、同じ土俵に上がり、同じ気持ちで、物語の世
界を楽しんでいるからです。
お母さん方は、こんな荒唐無稽な話などありえないと思っても、また、少し抵
抗を感じる言葉があっても一切、無視して、子どものレベルに合わせて読んで
あげています。
視線は同じ高さですから、心が通うのです。
視線の高さが違ってくると、命令と忍従の関係になりがちで、そこには、教え
てあげるという姿勢が表われ、子どもがもっとも嫌う母親に変身するからです。
 
しかし、一つだけいっておきましょう。
いくら本の読みきかせがすばらしいといっても、お子さんが興味を示さない本
では、あまり効果はありません。
「少年少女 世界名作全集 全十巻」など買いそろえても、無駄かもしれませ
んね。   
「本当は、『かちかち山』の話をしてほしかったのに……」
こういったずれは、小さいときからありがちです。
気をつかってください、無神経は駄目です。
 
一緒に図書館へ行って、最初は、お母さんが選んであげ、あとは、お子さんに
任せてみましょう。
そして、お子さんが選んだ本は、たとえ年齢にふさわしくない幼い内容であっ
ても、いやな顔をせずに読んであげ、自分で選べたことをほめましょう。
それから、お母さんの勧める本を選んであげる、こういった手続きも必要です。
読書の芽は、自主的に育まれなければ、親が期待するように育たないからです。
 
また、図書館には、紙芝居がたくさんあります。
本に興味を示さない場合は、これを利用しましょう。
ビデオと違い紙芝居は、親子で向き合いますから、お子さんの表情がよく見え、
話を理解しているかだけではなく、どういったことに感情が刺激されるか、何
に興味があるかなどがわかるからです。
 
このように幼児期は、知識を詰め込み、文字や数字を使った計算を教えるより、
心をこめて本を読んであげ、心の通った会話がたくさんできる環境を作るべき
です。
そういう時期なのです。
 
小学校受験でもっとも重視されるのは、「話を聞く姿勢ができているかどうか」
なのです。
そこから、ご両親の育児の姿勢がわかります。
普段から、会話が弾み、本をたくさん読んであげる環境であれば、自ずと培わ
れてくる能力だからです。
これは、塾や幼児教室だけに任せて身につく力ではありません。
ご両親が、ご家庭で育てていくものです。
  
小学校受験の第一歩は、ここから始まり、合格を勝ち取る力となることを忘れ
ないでいただきたいと思います。
 
猛暑も峠を越したようですが、まだ油断はできません。幼稚園も始まります。
健康管理には十分、注意してあげましょう。
(次回は「数感をみがこう」についてお話しましょう)
 
拙著のメールマガジン「2015 さわやかお受験のススメ 保護者編 情操
教育歳時記 日本の年中行事と昔話」は現在44号まで配信されています。ご
家庭で年中行事と昔話を楽しんでいただくことを目的に編纂したもので、11
月から「2016年の新版」を配信する予定ですので、参考にしていただけれ
ば幸いです。    
注 編纂 いろいろな材料を集め整理し書物をつくること。
 
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2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★ご家庭で楽しくできる受験準備(2) 「話の読み聞かせ」のすばらしい効用 (1)

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第8号)
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【体験日】 8月17日(日) 10:30~11:30
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ご家庭で楽しくできる受験準備
(2)「話の読み聞かせ」のすばらしい効用 (1)
 
本を読んであげる「話の読み聞かせ」は、とても大切です。
ビデオやDVDなどで見る「フランダースの犬」や「アルプスの少女ハイジ」
などのアニメの作品は、映像と語りだけではなく、臨場感を盛りあげる音楽や
効果音まで駆使し、瞬く間に物語の世界へ誘い込まれ、楽しいものです。
これほど便利なものはありませんが、反面、幼児が疑問を抱いても、教えてく
れない不便な点もあります。
幼児には、ご両親の生の声が何よりです。
五歳頃になると、絵が主役であった絵本から、字の多い絵本に変わり、話も筋
道立てて進む物語になっていると思います。
 
ここで、お母さんに本を読んでもらっていることを少し考えてみましょう。
読んでもらっているときの子どもの頭の中は、どうなっているのでしょうか。
絵を見ながらですから、お母さんの読んでくれる言葉を絵に置き換える、映像
化するといった作業が、フルスピードで進んでいるのではないかと思います。
絵本や図鑑、テレビや実際に見た映像が浮かんでいるのでしょう。
ところが、聞いたことがない言葉が出てくるとストップがかかります。
「お母さん、オニタイジって、どういうこと?」
やさしいお母さんは、お子さんの言葉に置き換えて説明します。
そこでお子さんは意味を確かめ、納得し、新しい言葉を覚え、「語彙」が増え
ます。
 
そして、一人になると、まだ、字を読めないはずですが、何やらぶつぶつとい
いながら絵本を見ています。
あれは、本当に不思議です。
おそらく、読んでもらった本が面白かったから、お母さんの言葉を思い出しな
がら確かめているのだと思います。
絵を見ながら、記憶した言葉をもとに映像を描き、イメージ化しているのです。
考え、想像しているのです、しかも「言葉」でです。
これは、すごいと思いませんか。
それが証拠に子どもは、とかく同じ本を何回も繰り返し、飽きもせずに読んで
くれとせがみます。
それも読んでいる途中に、
「ママ、ありがとう。そこまででいいです」
といったことが、しばしば起こりがちです。
そのところを忘れてしまったのかどうかわかりませんが、話が進まなくなり、
イメージ化が中断してしまうのです。
読んでもらってつながったから、そこまででいいのでしょう、あとは覚えてい
ますから。
話を一所懸命に覚えようとしているのに違いありません。
そこから「記憶力」がつきます。  
 
さらに繰り返し読んでもらうことで、描かれた映像は、より鮮明になり、そこ
から、「空想力や想像力」が培われるのではないでしょうか。
 
ところで、昔話を何か思い出してください。
昔話だけではありませんが、幼児の読む本は、「起承結」で成り立っていませ
んか。
「起承転結」の「転」はなく、話は複雑になっていません。
 
江戸時代の漢学者、頼 山陽が、漢詩を説明するために「京都西陣帯屋の娘」
と題して、面白い例を残しています。
 
   京都西陣帯屋の娘   (起)
   姉は十八、妹は十六  (承)
   諸国の大名は刀で殺し (転)
   姉妹二人は目もとで殺す(結)
 
「ショコクノダイミョウって、ナンですか?」
余計なものが入ってくると、すっきりしなくなります。
帯屋の娘の話は、帯屋の娘で終わらなければ、子どもは承知しません。
桃太郎が、鬼退治をしたついでに、海賊までやっつけるとはなりません。
すっきりと終わって、「めでたし、めでたし」が、昔話には欠かせない決まり
です。
 
さらに物語は、「序破急」と快適なテンポで進みます。
浦島太郎の竜宮城で過ごしたひと時が、何十年であっても何ら差し支えありま
せん。
話は快く聞けるように仕組まれていますし、単純明快ですから、「話を理解す
る力」がついてきます。
 
しかも、話は、
「むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました」
で始まります。
「むかし、むかし」は、「いつ」と時間の設定ですが、いつのことだかわかり
ません。 
「あるところ」は「場所」ですが、どこだかわかりません。
「おじいさんとおばあさん」は「だれ」と大切な登場人物ですが、名前もさだ
かではありません。
みんな「あいまい」です。
その「あいまい」なままに、話は、「何を」「なぜ」「どのように」と展開し
ます。
これも考えてみると大変なことです。
 
時代はいつでも、場所はどこでも、名前がなくても、何ら不都合なことはあり
ません。
奈良時代であろうが平成時代であろうと、北海道だろうが沖縄であろうと、み
んな、「むかし、むかし、あるところで」で済ませてしまいます。
時代考証も、場所の設定も、登場する人物像をイメージ化する面倒な説明もあ
りませんから、すっきりとした気持ちで話に入っていけるのです。
 
これを仮に、
「江戸時代の元禄十五年、大晦日をむかえる二日前の朝、上総の国は蒲郡、大
字蒲、字大和村の一本杉の近くに、四代目の山之上太郎左衛門というじいさま
と花というばあさまが住んでいました」
とやられては、聞いてみようかなという気持ちにもなれないでしょう。
「ママ、もう眠いから……」
こうなるに違いありません。
 
ところで、昔話は、
   いつ(when)
   どこで(where)
   だれが(who)
   なにを(what)
   なぜ(why)
   どのように(how)
といった[5W+1H]から成り立っていますが、これは文章を書くときや情
報を伝える時の基本で、小説や新聞、テレビのニュースなども、この形式(フ
ォーム)で構成されています。
ということは、話を聞きながら[5W+1Hのフォーム]を、小さいときから
学んでいることになります。
これは、すごい知恵ではないでしょうか。
 
もちろん、子ども達が、「いつ、どこで、だれが」などと意識して聞いている
わけではないでしょうが、理路整然とセオリーどおりに話は進んでいきますか
ら、楽しく話を聞き、その話を覚えることで、筋物事を考える、「思考力や構
成力」が、おのずと身についてきます。
 
そして、子どもは、話を覚えると話したがります。
誰かに聞いてもらいたいのです。
それには、自分自身が話をよく理解しなければできませんから、そのための訓
練が、自発的に始まります。
それが、「表現力」につながります。
しかも、「覚えなさい!」といわれて覚えたのでもなく、「話してみなさい!」
といわれて訓練したものでもありません。
自ら、積極的に努力して得た力です。
 
こんなに大切な能力開発を、誰にもいわれずに挑戦しているにもかかわらず、
「パパ、『桃太郎』の話、知っている?」
「ああ、知っているよ。桃太郎が猿と犬と雉の家来を連れて、鬼退治にいく話
だろう!」
と無造作に応じてしまっては、せっかく積んできたトレーニングの成果を試せ
ません。
子どもは、話したいのです。
成果を試したいのです。
 
「うん、パパも子どもの頃は、よく知っていたけど、どういう話だったかな?」
とやさしく受けてあげましょう。
お子さんは、一所懸命に話すはずです。
そして話し終えた時には一言、「よく覚えたな、偉いぞ!」とほめてあげるこ
とです。
お父さんにほめられて、不愉快になるはずはありません。
「よし、今度は『カチカチ山』を覚えるぞ!」
となり、新しい話に挑戦します。
記憶力どころか、「物事に取り組む意欲」を培うことになります。
しかも「自発的」にです。
 
猛暑の続く暑い夏も、もう一息でしょう。お子さんの健康管理には十分に気を
付けてください。
(次回は、「話の読み聞かせ」のすばらしい効用(2)」についてお話しまし
ょう)
 

2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★ご家庭で楽しくできる受験準備(1) 身につけてほしい話を聞く姿勢

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
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ご家庭で楽しくできる受験準備
(1) 身につけてほしい話を聞く姿勢
 
今回からしばらく、家庭でできる受験準備の基本的なことについてお話しまし
ょう。
小学校の入学試験には、文字を使えませんから、ペーパーテストには答えは出
ていますが、設問は、どこにも書かれていません。
このことです……。
 
一回で説明を理解できなければ、それまでです。
設問が書かれていれば、難しい問題は後回しにして、時間があれば挑戦できま
すが、小学校の試験は、これができません。
まず、設問を聞き、「はじめ!」の合図で取り組み、「そこまで!」と声がか
かれば止めて、次の設問を聞きます。
「もう少しでできるぞ!」と続けていると説明を聞き逃すことになり、次の問
題に挑戦できません。
「約束を守る」の項目に、チェックが入る学校もあるようです。
そういったことから考えると、もっとも厳しい試験方法ではないでしょうか。
 
さらにやっかいなことには、慶應義塾幼稚舎のようにペーパーを用いない「行
動観察型」のテストでは、先生の指示を聞き取り、理解し、考えをまとめ、自
分自身の意見をいったり、話をしたり、思ったことを絵に描いたり、身体で表
現しなければなりません。
 
しかも、生まれて初めて入った場所で、初めて会った同年代の子ども達とグル
ープを組み、初対面の先生の指示を聞き、理解し、すぐに行動に移さなければ
なりません。
機敏に対応できる能力が求められます。
 
このように、話を聞く姿勢ができていなければ、小学校の入学試験には対応で
きません。
ですから、まず、ご家庭で心がけてほしいのは、お子さんが「話をきちんと聞
けるようにする」ことです。
それには、ご両親が「お子さんの話をきちんと聞く姿勢」を示すことが大切で
す。     
「こうしなさい!」「ああしなさい!」と注文をつけるのではなく、逆に、お
子さんの話に耳を傾けてあげる、話を聞いてあげることが大切なのです。
これは、簡単なようですが、あまりできていないのではないでしょうか。
幼児の話は一本道ではなく、あっちへ飛んだり、脱線したり、一回で完結せず
に、予想のつかない展開となりがちです。
そこを辛抱強く聞いてあげ、
「ケンイチ君、こういうことだったのね」
などと簡単にまとめてあげれば、
「何だ、そういうことか!」
と、本人は意識しなくても、話の仕方の学習にもなっているのです。
 
幼稚園や保育園から帰ってくるなり、
「ママ、あのね、きょう……」
などと話しはじめた時には、何はさておき聞いてあげましょう。
話したい意欲に燃えているのですから、「話の仕方の学習時間」と考えて、真
剣に聞いてほしいのです。
聞いてもらうと、子ども心にも快感が生じます。
そこから、「人の話はきちんと聞かなければいけないこと」も学習できるので
す。
お母さんは、「話をきちんと聞きましょう!」と、柳眉を逆立て命令している
わけではありませんが、お子さん自身は「話をきちんと聞く学習の基本」を学
んでいるわけです。
これも「教えない教育」の一つの例です。
話を聞いてもらえたお子さんは、身も心もすっきりとし、
「ようし、今日は、プリントを5枚、頑張るぞ!」
となれば、一石二鳥ではありませんか。
 
お母さんにも経験ありませんか。
会社から帰ってきたお父さんに、テレビのワイドショーなどで仕入れた情報を
披露しようとした時に、
「疲れているからあとにしてくれ!」
などといわれれば、むっとしませんか。
中には、切れるお母さんもいるようです。
お子さんも同じです。
切れますが、力関係でお母さんに勝てませんから、黙るしかないのです。
せっかくの学習チャンスを無駄にしています。
この無駄は、はかり知れない大きなものであることを肝に銘じておきましょう。
スキンシップにも影響がでます。
お子さんの話を聞けないお母さんは、命令と要求が多くなりがちです。
対話の反対は、沈黙ではなく「命令と要求」です。
子ども達がもっとも嫌がるお母さんであることに気づいてほしいですね。
 
ところで、お母さん、お子さんの赤ちゃん時代を思い出してください。
お子さんは、「ママ!」の一言で、一方的に会話を済ませてはいませんでした
か。
「お腹がすいた」
「水を飲みたい」
「おむつを取り替えて」
「汗をかいて気持ちが悪いの」
「日光浴をしたい」
「抱っこして」
「淋しいからそばにきて」
「テレビをつけて」
「頭が痛いの」
「お散歩に連れてって」
など、書き出すときりがありませんから止めますが、選択肢はこんなものでは
なかったはずです。
お母さん方は、「ママ!」の一言で、何を要求しているかを的確に判断し、適
切な処置をしていたのではないでしょうか。
このことを思い起こせば、つたない話でも、聞いてあげるのは楽ではありませ
んか。
お子さんが、「ねえ、ママ!」といったときには、素直に話を聞いてあげるよ
うに心がけましょう。
 
イエス・キリストも、「忙しい毎日の中で、その時にあたって最善の行動とは
何かを考えなければならない」とおっしゃっていますが、子どもの話をゆっく
り聞いてあげる、これもその時に最優先すべきことと考えるべきではでしょう
か。
何もキリストにお出まし願うこともありませんが(笑)。
 
もう一つ、思い出してほしいのです。
赤ちゃんが、なぜ、話せるようになったか、このことです。
自然に話せるようになったわけではありません。
狼少年の話を聞いたことがあると思います。
赤ちゃんの頃から狼に育てられた人間は、言葉をまったく話せなかった話です。
言葉は、その学習時期を過ぎると臨界期といって、どうにもならなくなり、身
につかないそうです。
ここでも、お母さんの涙ぐましい努力が、あったはずです。
 
「ママ、お水!」
と、お子さんがいったとします。
お母さんは、どのように対応されたか覚えているでしょう、それほど昔の話で
はありませんから。
「のどが渇いたので、お水が飲みたくなったのね!」
こういっていたはずです。
そこで、お子さんは、
「ノドガ カワク、ミズヲ ノミタイ」
といった言語の学習をしていたわけです。
この語りが、おうむがえしが、会話の学習の基礎となり、今のように話せるよ
うになったわけです。
しかも、「主語が『私』で、述語が『飲みたい』、目的語が『水』で、形容詞
が、副詞が……」と教えたわけではありませんが、かなり、理詰めに話せるよ
うになっています。
お母さんとの学習が、苦にならなかったからです。
なぜでしょうか。
 
それは、やはりお母さんが、話ができるように、やさしく対応してあげたから
です。
その心は、「まだ、話せないから」といった配慮があり、無理に教え込まなか
ったからではないでしょうか。 
話をじっくりと聞いてあげ、言葉のシャワーを繰り返し浴びせかけた結果であ
り、これも「教えない教育」であったわけです。  
誤解をされると困りますから繰り返し説明しますが、「教えない教育」は何も
教えないのではなく、教わっている本人が、意識することなく、楽しく、大変
な学習をしていることです。
 
そして、面接で、丁寧な言葉で話してほしいとお考えでしたら、お母さん自身
が、響きのよい言葉を使うことです。
「ご飯よ、ケンちゃん!」ではなく、「ご飯ですよ、ケンジくん!」と話しま
しょう。
言葉遣いやあいさつは、一朝一夕に身につくものではありません。
親が率先して、よいお手本を見せることです。
 
さらに、指示は、正確に出すように心がけましょう。
「ねえ、ケンちゃん、あそこにある、あれとって!」
「あそこの、あれ」といわれても、わかっているのは指示を出したつもりのお
母さんだけで、聞いているお子さんには、何が何だかわかりません。
何だろうと迷っていると、
「何をぐずぐずしているの!」
と、怒気を含んだ催促になりかねません。
「これ、それ、あれ、どれ」といった「こ・そ・あ・ど言葉」は、使わないこ
とです。
「こ・そ・あ・ど言葉」は、文章が煩雑になるのをさけるために使う「代名詞」
です。
代わりの言葉ではなく、名詞をきちんと使いましょう。
 
「ケンジくん、ダイニングのテーブルの上にある料理の本を、お母さんのとこ
ろへ持ってきてください」と指示がきちんと出ていれば、
「いい加減に聞いたらまずいことになるぞ!」
と、お子さんもわかります。
 
   ◆話を聞いてあげる。 
   ◆きれいな言葉を使う。
   ◆指示をきちんと出す。
      
ご両親に、こういった配慮があれば、お子さんも、ご両親の願いに応えるはず
です。
心当たりがありましたら、早速、実行しましょう。
 
暑い日が続いています。清涼飲料水は控えめに、家で作った麦茶などで、渇き
をしのぎましょう。
(次回は、「本の読み聞かせの素晴らしい効用 1」についてお話しましょう)
 

2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★幼児に必要なのは、 勉強ではなく学習です 

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第6号)
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幼児に必要なのは、 勉強ではなく学習です 
 
ある年の白百合学園小学校の親子面接で、こういった質問があったそうです。
「何かお勉強をしていますか。どういうお勉強ですか」
「…………?」
こうなってしまったお子さんが、多かったのではないでしょうか。
 
模擬親子面接で、こういった質問をするのはいやなのですが、どのような受験
準備をされているのか聞きたくなるときがあります。
それは、ペーパーテストの成績は良いのですが、行動観察型のテストでは、そ
れほど点数が取れていない場合です。
幼児に「勉強をしていますか」とは聞けませんから、いけないと思いながら誘
導尋問をします。
「幼稚園から帰ったら、どんなことをしますか」
「塾へ行ったり、お母さんとプリントのお勉強をしています」
「お勉強は楽しいですか」
ここで、お母さんを見るお子さんがいます。どうやら勉強が楽しくないようで
すね。
しかし、そうはいえませんから、お母さんの顔を見て、そして、うつむいてし
まいます。
後で、親子関係が険悪になると困りますから、
「楽しいようですね。ところで……」
と話を変えます。
多くの子ども達に聞いても、受験準備は勉強だといい、女の子は「お勉強」と
いいます。
しかし、どういった勉強をしているかまでは、説明できません。
話の記憶から数量、推理・思考、図形、構成と勉強している領域は広く、取り
組んでいる内容も複雑だからです。
学校側は、何を聞きたかったのでしょうか。
 
それはともかくとして、教育の二文字から「勉強と学習」といった二つの言葉
が浮かんできます。
では、勉強とは、どのような意味があるのでしょうか。
辞書を引くと、こう書いてあります。
 
「1.そうする事に抵抗を感じながらも、当面の学業や仕事などに身を
   入れること。2.将来の大成・飛躍のために一時忍ばなければならない、
   つらい経験」        (「新明解国語辞典」三省堂 刊)
                                     
この勉強という字から、思い出すのは、先に紹介した「すずめの学校」の歌で
す。
本当は、こういう歌なのです。
 
     ♪チイチイパッパ チイパッパ
      雀の学校の先生は むちを振り振り チイパッパ
      生徒の雀は輪になって お口をそろえて チイパッパ
      まだまだいけない チイパッパ もう一度一緒に チイパッパ 
      チイチイパッパ チイパッパ♪  
          
何か暗い感じがしませんか。
発展途上国の日本が、先進国に追いつけ追い越せと、国をあげて教育に熱を入
れた、お国のための教育の姿です。
先生がむちを振り、先生のように鳴けと問答無用です。
「命令と要求」そのものではないでしょうか。
かつて、バブル経済全盛期の頃には、こういった指導をする教室もあったと聞
きます。
お母さん方は、「もっと鍛えてください」などと、空恐ろしいことをいって、
子どもを預けたそうです。
幼児は肉体的にも精神的にも、鍛える指導に対処できる成長などしているわけ
でもなく、また、そのような時期ではありません。
これでは、幼子にとって勉強とは、まさに「つらい経験」になりがちです。
そうではないでしょうか。
 
しかし、学習を辞書で引くとこう書いてあります。
 
「習い学ぶこと。とくに、学校などで系統的に勉強すること」
      (岩波国語辞典第三版 岩波書店 刊)
       
この「習い学ぶ」ことから、キリスト、釈迦、マホメッドと共に、世界の四大
聖人である孔子の話を思い出します。
「論語物語」の中にある「うぐいすの声」です。
テーマは君子に関することですが、学習について、息子の鯉(お祝いに王様か
ら鯉をいただいたのが命名の由来だそうです)に説明するシーンがあります。
論語を研究したことはないのですが、印象に残っています。
もしかすると私の誤解であって、専門家の先生から叱責を受けるかもしれませ
んが、「わたくし流」に解釈して紹介しましょう。
文章は正確ではありませんが、ダイジェストすると、こういった話になります。
 
早春の朝、庭を散歩する孔子が、「ホーホケキョ」と鳴くうぐいすの声を聞き、
息子の鯉に、
「お父さんうぐいすが鳴いたね。今に、赤ちゃんうぐいすが鳴くよ」
というと、「ケッキョ!」と不器用に鳴く声が聞こえてきます。
「この赤ちゃんうぐいすは、親の鳴き方を一所懸命に真似て、繰り返し、繰り
返し練習するのだよ。赤ちゃんうぐいすにとって、学ぶということは、親の鳴
き方を真似するのであり、習うということは、何回も練習し、失敗を重ねるこ
とであって、やがて、親鳥のように、鳴けるようになるのだよ」
余談になりますが、ある年の夏に上高地へ行ったとき、大正池でうぐいすの親
子の鳴き声を聞きましたが、この話とそっくりで感激しました。
 
さて、幼児の教育は、勉強ではなくて学習ではないでしょうか。
受験勉強も「強いて勉める」のではなく、「学び習う」のが望ましく、また、
そうあるべきだと思います。
「そんなの理想でしょう。大人でも解けないような問題が出ていますよ。何で
あんなに難しい問題がでるのですか。できなければ合格しないということでし
ょう!」
柳眉を逆立て抗議するお母さんの姿が目に浮かびます。
ごもっともですといいたいのですが、難しい問題でも、きちんと段階を踏んで
いけば、できるようになります。
多くの場合、取り組み方が間違っているからできないだけです。
 
「二足直立歩行」など気取った表現ですが、歩けない我が子を、無理やり歩か
せようとしましたか。
十分に“はいはい”をさせ、つかまり立ちができ、少し歩いてはよろけて倒れ
る、これを繰り返すことで、やっと歩けるようになったわけです。
発育段階を無視せず、一歩一歩、ゆっくりと時間をかけて見守った、あたたか
い愛情があったからではないでしょうか。
また、しっかりと“はいはい”をして筋肉を鍛えるなど、さまざまな条件を乗
り越えた結果でもありますが、そこには「歩きたい」と願う本能があり、その
ために試行錯誤をいとわない意欲や行動力があったからです。
知的な能力を培うのも、同じだと思います。
幼児が、いろいろなことを知りたがるのは、一人で生きていくための知恵を備
えるためではないでしょうか。
 
幼児が、一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことによ
って学習していきます。
いわゆる「体験学習」です。
記憶力も大切な能力ですが、知的な能力は、記憶だけに頼った勉強だけで、身
につくものではありません。
一度泳げるようになると、十数年泳がなくても、泳ごうと思えば泳げます。
ところが、英単語などは使わなければ、簡単に忘れてしまいます。
泳ぎは、体が記憶している中枢神経系統に、記憶は大脳神経系統に属している
からだといわれています。
学生時代に苦労して覚えた英単語、どこに隠れているのやら腹が立ちませんか。
それはともかく、幼児は日常の家庭生活を通して、また、幼稚園や近所の友達
との関わりから、さまざまな能力が開発されていくのです。
 
さらに、幼児にとって大切なのは、「遊び」です。
大人にとって遊びは、単に遊びに過ぎませんが、幼児の遊びは、能力を開発す
るための大切な仕事なのです。
大人は仕事をするとき報酬を考えて取り組みますが、幼児の仕事には金銭的な
報酬は何もありませんし、要求もしません。
しかし、一人で生きていくための能力や知恵は、確実に身につき、自立を促し
ます。
ゲームをやっていて、つまらないからやめるといった遊びとは違います。
ですから全力をあげ、夢中になって取り組んでいるのです。
 
遊びには、一人遊びと仲間遊びがありますが、ここでは、一人遊びを考えてみ
ましょう。
一人遊びを見ていると、子どもが夢中になっている様子がよくわかります。
それも道具は、ウルトラマンと怪獣の人形だけで、大激戦が繰り広げられてい
ます。
円谷監督も顔負けの映像が、リアルタイムでポンポンと浮かんでいるのでしょ
う。
子どもの想像力や空想力は、大人の比ではありません。
台本を書いて、セットを組み、主演から脇役、対戦相手の怪獣、そして本人し
かわからない奇妙な効果音まで流し、監督までやっているのですから驚きです。
しかも、こんなにすごい想像力を働かしながらも、もっとおもしろく遊べる方
法はないものかと工夫しています。
ですから、子どもは遊びに夢中になれるのです。
どうしたらもっと面白くなるかと、いろいろなアイデアを考え、その中から、
「これが、いいぞ!」
と選び、遊びの場に引き出します。
やってみたところが今一だとすると、
「なんだ、おもしろくないな。カット、カット!」
と駄目を出し、また新しい台本に挑戦し始めます。
「考え、実践し、評価し、新しい遊びを見つける」、幼児の遊びは、これの繰
り返しで、そこから新たな力が育まれていきます。
しかも、だれも教えていません。
教えてくれなくても、こんなに夢中になって取り組めるのです。
それは、一歩でも前進したい本能的な要求であり、そこから得た知恵が、自力
で生きる力になっているからです。
こういったすばらしい潜在能力を利用しない手はないと思います。
 
幼児の教育は、「体験学習」で培われ、「教えない教育」に基づいたものであ
るべきだと思います。
「教えない教育」とは、本人が教わっていると思わずに、たくさんのことを学
んでいる教育のことです。
赤ちゃん時代から、お母さん方の育児の姿勢は、「体験に基づいた教えない教
育」に徹してきたはずです。
言葉を語りかけたとき、おむつを外したとき、スプーンやはしを使えるように
したとき、「こうしなさい。それではダメです!」と恐い顔をして、教え込ん
だでしょうか。
失敗しても怒らない、できるようになるまで忍の一字で待ってあげたはずです。
「うちの子は、まだできないから」
ときちんとお手本を見せるという愛情があったからこそ、お子さんもそれに応
えて成長したのではないでしょうか。
 
受験準備も同じです。
できる、できないだけにこだわらず、どうすれば楽しく学習できるか、一緒に
考えてあげましょう。
それには、遊びの感覚を取り入れることです。
机の上で問題集を広げてする受験勉強は、基本的な力が備わっていなければ、
苦痛になるだけです。
お母さんとの学習が面白ければ、楽しければ、お子さんは、一所懸命に挑戦す
るはずです。 
受験勉強の第一歩は、ここから始めるべきだと思います。
  (次回からは、「家庭でできる楽しい受験準備」についてお話しましょう)
 
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2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★小学校では、どういった子ども達を歓迎しているのでしょうか

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小学校では、どういった子ども達を歓迎しているのでしょうか
 
2回にわたり、基本的な生活習慣と集団生活への適応力の大切なことをお話し
ましたが、今回は、そういったことを踏まえ、学校側は、どういった子ども達
を求めているか考えてみました。
これからあげる10項目こそ、小学校が求める子ども像になるのですが、10
項目に優先順位はなく、それぞれが順調に育っていることが大切です。
来年の4月、年長になる頃を目指して頑張りましょう。
その時に、小学校への入学条件についてお話しをする予定です。
ところで、現在、お子さんは、どの程度身についているでしょうか、チェック
してみましょう。
 
 1. 話をきちんと聞き、相手にわかるように話せる。
 〔話を聞く姿勢と話す力〕
 2. ある一定の時間、椅子に座って作業ができる。
 〔持久力、意欲、自己制御力〕
 3. お絵描きや制作などに楽しみながら取り組める。
 〔想像力、創造力〕 
 4. 絵本や物語を読んでもらうことを楽しみにしている。
 〔豊かな心の働き、情操の発達〕
 5. 自分のことは自分で行い、健康な生活リズムが備わっている。
 〔基本的な生活習慣〕
 6. 幼稚園(保育園)の先生や友達と楽しみながら生活している。
 〔社会性〕
 7. ある目的のために友達と工夫し、協力しながら活動できる。
 〔協調性〕
 8. 両親、先生、友達との約束を守れる。
 〔社会性〕
 9. 善いこと悪いことの分別が身についている。
 〔善悪の判断〕
10. 体を動かし夢中になって遊べる。
 〔身体の発達と運動能力〕
 
もし、皆さん方が、小学校の先生であるとすれば、こういったことが身につい
ているお子さんを歓迎するのではないでしょうか。
このような発育を示すお子さんは、幼稚園や保育園での生活を楽しく過ごして
いるはずです。
通うのを楽しみにしていれば、上にあげた10項目は、自然とはぐくまれるも
のです。
それが就学前の子ども達を保育する目的だからです。
 
子ども達は、遊びを通し、さまざまなことを学習していきます。
たとえば、1.の話を聞く姿勢や相手に伝える力は、二人で遊びながら、どの
ようにして相手に自分の考えを伝え、また相手のいうことを理解すればいいか、
試行錯誤を繰り返し、いろいろと修正しながら、やっとのことで思ったような
遊びにつなげることができるわけです。
学習したことは記憶されますから、次の遊びのときの礎、下敷となり、新たな
遊びを生んでいくことになります。
 
このように子ども同士は、大変な努力をし、学習しています。
相手が複数になり先生も参加すると規模もぐんと大きくなり、6.7.8.に
発展し、社会性や協調性といった集団生活への適応力がはぐくまれていくわけ
です。
 
2.の持久力に加え、自己制御(統制)セルフコントロールは、集団生活でもっ
とも大切なことですが、どうやら現代っ子は、苦手としているようです。
幼稚園は自由保育ですから、余程のことをしない限り、制約を受けることはあ
りませんが、学校生活は一斉授業ですから、一定時間、椅子に座ることができ
なければ、勉強に参加できません。
 
最近の脳科学者の研究によると、「我慢する、わがままを言わない」といった
自己制御力は、3歳ぐらいまでに培われ、それを過ぎると「臨界期」といって、
どうにもならなくなり、集団生活に適応できなくなるといわれているようです。
その原因は、過保護の育児にあるのではないでしょうか。
幼稚園や保育園での生活を通して体験を積み、きちんと身につけなければ、困
るのはお子さんであることに気づいてほしいですね。
 
前回もお話しましたが、重要なことですから繰り返しますが、「うちの子の集
団生活は、どうでしょうか」と幼稚園や保育園の先生に聞いてみましょう。
「多少、問題がありますね」といった返事があった場合は、お子さんのためで
す、育児の姿勢や、お子さんを取り巻く環境がどうなっているか、真剣にチェ
ックする必要があります。
おそらく、5.の基本的な生活習慣にも問題が出ているのではないでしょうか。
 
3.4.は、情操の領域ですが、話の読み聞かせや対話が十分に行われていれ
ば、自ずと育まれるもので、ご両親の愛情が十分に注がれ、叱る言葉も少なく
なっているはずです。
これらに関しては、「ご家庭で楽しくできる受験準備」で詳しくお話します。
 
最後の身体的な発達は、遊びを通して鍛えられるもので、この時期の子ども達
は、全力で運動をし、筋肉を、頑張る精神力を鍛えていきます。
私が子ども達の指導から身を引いたのは、子ども達の動きについていけなくな
ったからです。
お子さんが、体を動かすことを苦手とするようでしたら、お父さんに協力して
もらい、一緒に遊ぶように心がけましょう。
今の時期に省エネ運動をしているようでは、来年の秋には、いい結果は出ない
と思います。
何といっても、心身ともに健康であることが、受験に参加できる条件でもある
からです。
 
ところで、10項目には、いわゆる「知的な能力の開発」といったことには触れ
ていませんが、こういったことが順調に育っていれば、知力も年齢相応に、い
や、それ以上に発達しているといえます。
反対に、知的な能力だけが優れている場合は、この10項目のどれかに、不自
然な成長が見られるのではないでしょうか。
 
受験準備に対応できるためには、幼稚園や保育園の大好きな子どもに育てるこ
とです。
それほど、幼稚園や保育園は、子どもの人格、性格を形作り、さまざまな能力
をはぐくむ大切な環境なのです。
あまり重視せずに、受験勉強やお稽古事などで保育時間を十分に活用していな
いと、偏った生活環境を作ることになり、お子さんの成長に悪い影響を与える
ことにもなりかねません。
 
かつて、仙川にある桐朋幼稚園の園長先生は、説明会でこうおっしゃったこと
があります。
「幼稚園は、小学校の下請けではありません。入園したからといって、必ずし
も小学校へ推薦入学できるとは限りません」と。
これは、園児の生活は、幼稚園を中心にしてほしい。
お稽古事などで早退しがちで、保育状態が十分でなければ、推薦しないという
意味です。
 
また、ミッション系のある小学校では、「入学後のお子様の生活は、学校を中
心に過ごせるようにしてほしい。お稽古事などを優先する場合は、そういった
ことを専門に指導している学校を選んでください」とおっしゃったことがあり
ました。
就学前には幼稚園や保育園の園舎が、入学後は小学校の学び舎が、子どもの成
長に欠かせないものであるかが、十分に伝わってくる話ではないでしょうか。
 
机の上で問題集を頼りに勉強をする前に、今、お子さんにもっとも大切なのは、
幼稚園や保育園の生活を充実させることなのです。
遊びを通して、試行錯誤を繰り返し、たくさんの体験を積むことで、10項目
を身につけることができます。
 
お子さんは、幼稚園や保育園へ通うことを、楽しみにしていますか。
元気に通っていれば、とりあえず、問題はありません。
それが、受験準備の大切な礎になっていることを、ご理解いただきたいと思い
ます。
(次回は、「幼児に必要なのは、勉強ではなく学習です」についてお話しまし
ょう)
 

2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★お子さんは、幼稚園(保育園)で、どのように評価されていますか。

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        「めぇでる教育研究所」発行
     2016さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
            (第4号)
 現年中児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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【体験日】 8月17日(日) 10:30~11:30
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お子さんは、幼稚園(保育園)で、どのように評価されていますか。
         
第二は、社会性や協調性といった集団生活への適応力です。
小学校は集団生活ですから、社会性や協調性が育まれていなければ、スタート
でつまずくことになりかねません。
しかも、こういった能力は、多くの場合、ご家庭で培われるものです。
ある年の光塩女子学院初等科の説明会で、
「行動観察のテストでのお子さんの様子は、日頃かかわりのある周囲の大人、
特に、ご両親の社会性や付き合い方が反映されるといわれています。明るく、
けじめのある付き合いができるかどうかが表れるからです」
とおっしゃっていましたが、まさにその通りではないでしょうか。
 
長年、幼児教育に携わり教えられたのは、お母さん方の子どもに与える影響力
には、計り知れないものがあるということです。
お母さん方の育児の姿勢次第で、子どもは育つといっても、決してオーバーな
表現ではありません。
それほど、お母さん方は、絶対的な力を持っているのですが、お母さん方自身
が、このことをあまり意識されていないのには、驚くばかりです。
最近、公立、私立校を問わず、「KYJTママ」といって、「空気読めない自
己中ママ」が増えていると聞きますが、そういったことを踏まえ、どういった
子育てが集団生活への適応力を育まないかを考えてみました。     
◆チェックシート(1)
[チェック方法]
はいの場合[○] いいえの場合[×] どっちともいえない場合[?]
 
 1.お子さんのやっていることを見ていると手を貸しがち。 [  ]
 2.お子さんのやっていることを見ていると口を出しがち。 [  ]
 3.他人の子どもはちっとも可愛くない。         [  ]
 4.けんかの原因をわが子だけから聞き、相手に談じ込む。 [  ]
 5.公開模擬テストの偏差値に何が何でもこだわる。    [  ]
 6.入試に関するうわさが気にかかり心を痛める。     [  ]
 
いろいろと出ましたが、全部[×]であれば、理想的なお母さんになれますが、
いかがでしょうか。
[?]は、若干、その気配があるかもしれないという場合です。
5.6.については、今の段階では関心はないと思いますが、来年の今頃は、
おそらく心を悩ますことになるかもしれませんので、覚えておいてください。
少し、解説しておきましょう。
 
[1.過保護型のお母さん]
こういったタイプのお母さんに育てられると、お母さんが何でも手伝いますか
ら、お子さんは、我慢をするといった忍耐力に欠け、わがままになりがちです。
何事も自分一人で取り組む機会が少ないために、工夫する力、想像力や独創力
が育ちにくく、基本的な生活習慣も身についていない場合が多いですから、集
団生活への適応力にも、不十分なところがありがちです。
 
[2.過干渉型のお母さん]
「こうしなさい」「ダメ」「早くしなさい」など、命令、禁止、要求、抑制の
言葉が多い環境のため、自立心や自発性、積極的にやろうとする意欲が育ちに
くく、何かをするときに、お母さんの指示を待つ消極的な子どもになりやすい
ものです。
 
[3.溺愛型のお母さん]
お母さんの愛情を一身に受け幸せそうですが、愛情を注ぐお母さんが、情緒不
安定な場合が多く、そのため叱られはしないかと、絶えずお母さんの顔色を見
る子になりがちです。
大人の前ではよい子でも、子どもらしさに欠け、陰で弱い子をいじめるといっ
た問題を起こす子どもになりやすいといえます。
 
[4.自己中心型のお母さん]
「学校が、先生が、友達が悪い!」と、何かにつけて他人のせいにし、責任を
取ろうとしませんから、子どももまねをし、社会性や協調性に欠け、集団生活
になじめず、孤立する恐れがあります。
いわゆる「自己中心型」(自己中)のお母さんです。
“KYJTママ”-空気読めない自己中ママ-という言葉があると紹介しまし
たが、小学校が、もっとも歓迎しないお母さんです。
 
[5.知育偏重型のお母さん]
子どもの生まれ月、月齢や発育段階を考えずに、能力以上のことを要求するた
めに、何事にも自信が持てず、極端に失敗を恐れ、落ち着きがなく、積極的に
取り組む意欲が表れにくい子になりがちです。
お母さんは、「何回いったらわかるの!」などの言葉が多くなるようです。
 
[6.付和雷同型のお母さん]
親が選んだ受験にもかかわらず、「コネ次第」「出身者有利」「職業で決まり」
などいった怪情報に振り回され、「わが子をみてください」といった信念がな
いので、親子で受験地獄に陥りやすいといえます。
「○○ちゃんは、できるのに…」といった比較する言葉を不用意に使い、お子
さんの心に傷を残すことになりがちです。
 
いかがでしょうか。
気の弱いお母さん方にとっては、気が滅入ってしまうような言葉ばかり出てき
ましたが、実際には、こういったお母さん方が、いるわけではありません。
お母さん方の心の中に潜んでいるのではないかと思われる、“潜在的な欲求”
を表したものです。
これらが表面に出るか、きちんと押さえこむことができるかで、お子さんの社
会性や協調性は、培われていくものです。
それが学校側のいう育児の姿勢なのです。
 
公立、私立を問わず、小学校では、「知育・徳育・体育の三つの能力が、年齢
にふさわしく、バランスよく育っている気力のある子」を求めています。
こういったお子さんに共通しているのは、社会性や協調性といった集団生活へ
の適応力がきちんと身についていることです。
ご両親がバランスの取れた育児を心がけた結果といえるわけです。
バランスのよい育児とは、紹介しました6つのタイプに偏らない育児のことで
す。
 
次に、日常生活で、どのような育児が行われているかをチェックしてみましょ
う。
偏った育児になっているかどうか、これだけでも判定できます。
 
◆チェックシート(二)
[チェック方法]
   今回は、○か×で判定してください。
 
1. ご両親であいさつをしていますか。[  ]
2.お子さんはご両親の話をきちんと聞いていますか。[  ]
3.お子さんの話をきちんと聞いてあげていますか。[  ]
4.お子さんに呼ばれて「ハイ」と答えていますか。[  ]
5.お子さんが何かできるようになったとき褒めていますか。[  ]
6.お子さんが悪いことをしたときに本気になって叱りますか。[  ]
7.何かお手伝いをさせていますか。[  ]
8.お子さんは約束を守っていますか。[  ]
9.本を読んであげていますか。[  ]
10.「なぜ、どうして」に答えてあげていますか。[  ]
11.指示はきちんと出していますか。[  ]
12.お子さんが泣いても「駄目なことは駄目」といえますか。[  ]
13.「おんぶ」をせがまれると、いつでもおんぶしていますか。[  ]
14.「早くしなさい!」という言葉が多くありませんか。[  ]
15.何か欲しがったときにはすぐに与えますか。[  ]
16.お子さんに好き嫌いはありますか。[  ]
17.お子さんがテレビのチャンネル権を握っていませんか。[  ]
18.じっと座っているのを苦手としていませんか。[  ]
19.遊んで帰ってきたお子さんの洋服の汚れが気になりますか。[  ]
20.叱った後、後悔することはありますか。[  ]
 
チェックする項目は、望ましい育児の姿勢を中心に作ってみました。
[1]から[12]までは「はい」、[13]以降は「いいえ」が理想ですが、
いかがでしょうか。
今度は、どちらともいえない「?」のマークはありませんが、是非とも、ご両
親で頑張ってほしいことだからです。
 
前回お話しました生活習慣や、こういったことを毎日の生活の中で、ご両親が
心がけていけば、自ずと集団生活の適応力である「社会性」や「協調性」は培
われ、学校側の歓迎するお子さんに育っていくものです。
 
心配な点がありましたら、幼稚園や保育園の先生に、「私どもの子どもは、集
団生活に何か問題はないでしょうか」と聞いてみましょう。
「少し、問題があるようですね」といった答えがあった場合は、「大変、問題
がある」と考え、ご両親の育児の姿勢をチェックする必要があると思います。
 
ところで、幼児教育に携わる者にとって、モンテッソーリの著書は必読の書で
すが、ある著書の中に、こういった言葉があります。
 
「親や教諭は、自分の考えや力で子どもを支配してはいけない。今、この子に
何をしてあげるべきか、何を成すべきではないか、ということを知らなくては
ならない。子どもが、今、成すべきこと、今、成し遂げるべきことを、自力で
させてあげることだ」
       
ここから、相良敦子氏の「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」(講談社 
刊)という名著が生まれたのですが、この本の題名のように、基本的な生活習
慣や集団生活への適応力などは、子どもが一人でできるように、一人で参加で
きるように手伝う姿勢が、大切ではないでしょうか。
「命令と強制」だけでは、こういった適正能力は育まれません。
なお、この本は、白百合学園小学校を受験されるお母さん方、特に、モンテッ
ソーリ教育に縁がなかった方には、是非、読んでほしいと思います。
すると、なぜ、本学園の入学試験の難易度が高いかがわかるからです。
  注 マリア・モンテッソーリ
イタリアのローマで医師として精神病院で働き、知的障害児へ感覚教育を実施
し知的水準を上げる効果をみせ、1907年に設立した貧困層の健常児を対象とし
た保護施設「子どもの家」において、独特の教育法を完成させた。以後、モン
テッソーリ教育を実施する施設は「子どもの家」と呼ばれるようになった。
    ウィキペディア フリー百科事典より
 
夏休みに入りました。
やっと梅雨も明け、夏はこれからが本番です。頑張りましょう。
(次回は、「幼児に必要なのは、勉強ではなく学習です」についてお話しまし
ょう)
 

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