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めぇでるコラム : 2024年11月

2026さわやかお受験のススメ<小学校受験編>■■[2]5つの試験形式■■(1)ペーパーテスト-2

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         「めぇでる教育研究所」発行
2026さわやかお受験のススメ<小学校受験編
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2026年度入試(2025年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第20号
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発行者よりお知らせです。
 さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>
は、11月から
 さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
にタイトル変更してお届けしています。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 
幼児教室では、11月から新年長クラスが始まりました。
お子さんは、お授業を楽しんでいますでしょうか。
 
 
■■[2]5つの試験形式■■ 
 
(1)ペーパーテスト-2
 
正直にいって、下のようなお父さん先生、お母さん先生が恐いのです。
 
何とか力をつけさせようと夢中になってしまい、自分の言っていること、やっていることが、わからなくなってしまうことがあるのです。
例えば、難易度の高い「図形」の問題などで、子どもがよく理解できていないときに、こういったことが起きがちです。お父さん、お母さん自身は、説明したことでお子さんも理解できたと思い、問題に取り組むのですが、できません。
 
1回ぐらいの間違いは許容範囲ですが、何回も同じ間違いが続くと、親の顔つきも変わり、
 
 「何回、教えたらわかるの!」
 「こんな簡単な問題が、どうしてできないの!」
 
と、なりがちなのです。
 
幼児が「わからない」というときは、本当にわからない、理解できていないのです。このことをしっかりと肝に銘じ、親御さんの説明が不十分であることを考え、お子さんがわかるように工夫してあげることが大切で、お子さんを責めるべきではありません。
 
また、昨日教えたことが、今日になるとできない場合もあります。
それはお子さん自身が経験していないことを、記憶だけに頼って憶えさせている場合が多いからではないでしょうか。子どもは、興味や関心のないことをやっても、すぐに忘れがちなものです。
 
ですから、幼児は、机の上だけで知的な訓練をするのは、適切な方法ではありません。やり方が間違っています。
 
それを棚に上げて、思わず子どもの頭を叩いてしまう親御さんもいるようですが、何も悪いことをしていないにもかかわらず、いくらお腹を痛めたからといって、手を上げる権利は、親といえどもありません。子どものためにもいっておきたいことがあります。
 
お母さんの子どもの頃、どうだったかということです。冷静に聞いてください、冷静に。お父さんも同様です。
 
ここでおさまると、まだ、両者の歩み寄る機会は残されています。
しかし、この線を越えて、怒鳴り散らしてまで勉強を続けると、子どもも切れますが、耐えるしかありません。親に見捨てられれば、子どもは生きていけません。
 
 「ボク、本当にお母さんの子かな?」
こうなったらトラウマになりかねません。
 
昔は「子をもって知る親の恩」といいましたが、最近では、受験準備に熱が入りすぎると、「合格の二文字のために忘れる子どもの心」ともいわれるような状況になっているのではないかと感じることがあります。
 
わが子を虐待して殺してしまう、鬼のような親がいるご時勢です。
訂正、鬼もわが子を手にかけなかった話が残っていますから、犬畜生にも劣る親とします。
 
ですから、「受験を始めて忘れてしまう子どもの心」になるようでは、受験をする資格はないと考えましょう。先人の知恵でもある「三つ子の魂百まで」を絶対に忘れないでください。小さい時に経験したことで、お子さんの性格は築かれていくからです。
 
子どもをプリント漬けにし、来る日も来る日も、毎日、何時間も、入試問題集を広げ、猛練習をして力がついたと思うのは錯覚です。
類似問題を数こなせば、できるようになるでしょう。しかし、この方法は、一種の条件反射的なトレーニングです。
 
これで考える力がつくでしょうか。
疑問だと思います。
 
行動観察型のテストでは、対応できないでしょう。自ら考え、答えを導く力は、年月をかけ、試行錯誤を積み重ねながらできたカリキュラムがあり、それをよく理解している先生方の的確な指導のもとで身につくものなのだからです。
 
なぜ、このような受験準備が、行われてしまうのでしょうか。
 
例えば、慶應義塾幼稚舎に入れば、余程のことがない限り、大学まで行けます。子どもの努力次第では、医学部へ進める可能性さえあります。子どもの将来のためと考えるのも、無理からぬ親心です。
さらに、合格すれば、受験準備はこれっきりです。
場合によっては、中学、高校、大学と3回も受験戦争に参加させられる可能性もあるわけですから。
「手のかからぬ内に入れてしまおう!」
このことです……。
思春期になり、難しい年齢になっての受験は、正直いって、しんどい話です。
身体は大人に近くなっても、精神年齢はそれ以下といったアンバランスな成長をしている子、かなり見かけます。
 
さらにです。
 
年齢が下がれば下がるほど、能力の差は出にくいものです。ここで何とか手をつくせば、志望校へ入学できるのではと考えるのも当然でしょう。しかし、厳しい現実が控えています。お子さんの将来を案ずる親心は、どなたの心にも強く、深く、ひそんでいます。ですから倍率は高くなり、10倍を越える学校もあるほどです。
 
この現実を考えると、生半可な受験準備では、合格などありえないと考えるのも無理からぬことで、かなりハードな受験準備が、待っていることになりがちです。
 
しかし、受験勉強をさせられる子どもの立場になると大変です。
 
先にもお話ししましたように、何事もそうですが、過熱気味になると当事者は、自分のやっていることが、わからなくなる仕組みになっています。「合格」の二文字に、冷静さを失いがちですが、受験生の親御さん方全部が、こうなるわけではなく、ごく、一部の親御さんであって、熱心すぎるだけで悪気はないのです。
 
ペーパーテストを行わない小学校はこういうことも考慮しているのではないでしょうか。誤解されると困るのでいっておきますが、「ペーパーテストが悪い」といっているのではなく、「準備の仕方」に、とかく問題がありがちだといいたいのです。
 
また、ペーパーテストがないから問題集などやらなくてもいいと思っている方がいると聞きますが、それはとんでもない間違いで、必ず、クリアしなければならないハードルがあり、そのために問題集は必要です。問題に○や×をつけるだけではなく、行動観察型の試験のように、「どうしてそうなったか」など、言葉で説明する口頭試問に対する準備です。
 
ところで、最近の入試問題を読むと、「幼稚園での生活能力があればできるテストを実施したい」と考える学校が増えているのは確かで、これは歓迎すべきですね。
 
たとえば、部屋の一角にじゅうたんが敷いてあり、机の上に紙に包まれたお菓子が置いてあって、ペットボトルに入った麦茶らしきものとコップが用意され、「さぁ、おやつですよ」といった試験がありますが、チェックポイントは、以下のようになっていると思います。
 
まず、手を洗い、ハンカチで拭き、たたんでポケットにしまえるか。
靴を脱いで、キチンと揃えられるか。
包装紙でくるまれたお菓子を出すのにてこずらないか。
せんべいやクッキーであれば、ボロボロとこぼさないで食べられるか。
ペットボトルから、うまく麦茶をコップに注げるか。
「いただきます」、「ごちそうさま」をいえるか。
後片付けができるか。
みんな「……か」と、クエッション・マーク付きです。
これがテストです。
何を評価しているのでしょうか。
 
さらに、この話をどう思われますか。
 
教育者、特に小学校の先生方は、見るところが違います。テストが始まると、子どもたちの姿勢と筆記用具の持ち方を見るそうです。姿勢がよければ、ご両親がよいお手本を見せており、筆記用具を正しく持てていれば、おはしをきちんと持って食事をしているはずですから、育児の方針がわかるというのです。
 
テレビを付けっ放しで、もしくはスマートフォンや動画を見ながら食事をし、ダラダラ時間をかけていると、直ぐに腰が砕けて、姿勢も崩れがちです。
 
特に、朝食です。テレビを聞きながら新聞を読みながらもしくはスマートフォンを見ながら、ご飯を胃袋に流しこんでいませんか。
 
何事も親が、お手本です。
 
これは、しつけ以前の基本的な生活習慣です。
ですから、直そうと思っても、直ぐにというわけにはいかないものです。食事は毎日のことですから、おざなりにしていると、お子さんは学習の第一歩で苦しむことになります。
 
知識を詰め込むより、こういった生活習慣を大切に育てている親御さんは、お子さんから尊敬されます。なぜなら、親の手を借りずにできることは、子ども心にも嬉しいからです。間違いなく、「自分でやろうとする意欲」が育ちます。
 
 
ペーパーテストといっても、知的能力だけを判定しているのではありません。
 
受験生は、幼児です。
親の育児の姿勢を評価しています。
このことをきちんと心に納めておかなくては、合格の二文字はありえません。
 
机の上だけで、記憶に頼った知識の詰込みばかりやっていると、頭でっかちで、偏った経験しかしていない子になりがちで、被害者は子ども自身です。ペーパーテストが中心になっている学校を受験される場合は、こういった結果が残るような準備だけは、避けてほしいと願っています。
 
これからの毎日の体験は、お子さんの心に残ることを忘れないでいただきたいのです。
 
年中から年長にかけては、将来の学習意欲も培われていく大切な時であり、人格を形成する重要な時期でもあるからです。
「三つ子の魂百まで」は英語で、“The leopard cannot change his spots”(豹は斑点を変えることはできない)というそうですが、洋の東西を問わず育児の鉄則ではないでしょうか。
 
 
  (次回は、個別テストについてお話しましょう)
 
 
 
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2026さわやかお受験のススメ<保護者編>第1章(1)情操教育、難しく考える必要はありません-本を読んであげてください〔1〕

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       「めぇでる教育研究所」発行
   2026さわやかお受験のススメ<保護者編>
   「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
     豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第3号-
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第1章 (1) 情操教育、難しく考える必要はありません
 
 - 本を読んであげてください 〔1〕 -
 
本を読んであげる、話の読み聞かせは、とても大切です。
安易に、テレビやDVD、スマートフォンで動画などに、子守をさせてはいけないと思います。確かに、このような教具は、映像と語りだけではなく、臨場感を盛り上げる音楽や効果音を駆使して、瞬く間に、たくさんの情報を与えてくれます。
 
これほど便利なものはありませんが、送信する側と受信する者は一方通行ですから、疑問を感じても質問できないといった不便な点もあります。
 
わからないままに、話はどんどん進みますから、疑問を残したままになり、消化不良を起こしがちではないでしょうか。しかも、伝える側に感情はありません、このことです……。
 
幼児には、お父さんやお母さんの生の声が何よりです。5歳頃になると、絵が主役だった絵本から、字の多くなったものに変わり、話も筋道を立てて進む物語になっていると思います。
 
ところで、本を読んでもらっている時の子どもの頭は、どうなっているのでしょうか。絵を見ながら読んでもらっていますから、お母さんの読んでくれる言葉を、絵に置き換えるといいますか、映像化する作業がリアルタイムで行われ、絵本や図鑑、テレビや実際に見た映像が、浮かんでいるのではないかと思います。
 
聞いたことのない言葉が出てくると、声がかかります。 
 「お母さん、オニタイジって、どういうこと?」
そこで、お母さんは、お子さんのわかる言葉に置き換えて説明をします。お子さんは、その意味を確かめ、納得し、新しい言葉を覚え、少しずつですが、確実に語彙が増えていきます。
 
そして一人になると、まだ、字を読めないはずですが、何やらブツブツいいながら、絵本を見ています。あれは、本当に不思議ですね。おそらく、読んでもらった本がおもしろかったので、お父さんやお母さんの言葉を思い出しながら、確かめているのだと思います。絵を見ながら、その状況を記憶した言葉をもとに映像を描き、イメージ化しているのではないでしょうか。
 
つまり、「言葉で考え、想像」しているのです。これは、すごいことだと思います。
 
それが証拠に子どもは、同じ本を、それこそ何回も何回も、飽きもせずに読んでくれとせがみます。それも、読んであげている途中に、
 「お母さん、ありがとう、そこまででいいです。」
といったことが、しばしば起こりがちです。
 
読んでもらったところを忘れてしまったのか、思い出せないのかわかりませんが、話が先に進まなくなってしまったのでしょう。
イメージ化の中断です。
読んでもらい話がつながったので、そこまででいいのでしょう、後は覚えていますから。あれは、話を一所懸命に覚えようとしているのに違いありません。覚えようとする力、「記憶力」がつきます。
 
さらに、繰り返し読んでもらうことで、頭に描かれた映像は、より鮮明に具体的になり、そこから、独自の「想像力や空想力」が培われてきます。
 
ところで、昔話を何か思い出してください。
子どもの読む話は、「起承結」で成り立っています。「起承転結」の「転」はなく、話は複雑になっていないはずです。「起承転結」は、漢詩を組み立てる形式の一つで、転じて、「ものごとの順序・作法を表す言葉」ですが、わかりやすい例えがありますので紹介しましょう。
江戸時代後期の儒学者・詩人・歴史家であった頼山陽が作った「京都西陣帯屋の娘」です。
   京都西陣帯屋の娘    (起)
   姉は十八、妹は十六   (承)
   諸国の大名は刀で殺す  (転)
   姉妹二人は目もとで殺す (結)
「ショコクノダイミョウって、なあに?」
余計なものが入ってくると、イメージ化する作業が複雑になります。帯屋の娘の話は、帯屋の娘で終わらないと、子どもは安心できません。ですから、鬼退治をした桃太郎が、ついでに海賊をやっつけることもなく、すんなりと終わって、「めでたし、めでたし」が昔話に欠かせない決まりです。   
 
さらに、物語は、「序破急(初め・中・終わり」と快適なテンポで進みます。
 
浦島太郎が、竜宮城で過ごした時間が何十年であっても、何らさしつかえありません。話は、快く聞けるように仕組まれています。
しかも物語は、簡潔明瞭に展開しますから、話の世界へ引き込まれていきます。そこから、話を理解する力、「理解力」が培われてきます。
 
そして、何とも素晴らしいのは、自然と話に引き込んでいく、あの約束事でしょう。
 
イントロダクション、導入部などの言葉が、白々しくなるほど決まっています。「むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住んでいました」で始まりますが、これが、実に重大な役目を果たしているではありませんか!などと興奮することもありませんが(笑)。
 
「むかし、むかし」は「いつ」と時間の設定ですが、いつのことだかわかりません。 
「あるところ」は「場所」ですが、どこだかわかりません。
「おじいさんとおばあさん」は「だれ」と大切な登場人物ですが、名前もありません。
 
みんなあいまいで、そのあいまいなままに「何を、なぜ、どのように」と話は展開していきます。
 
これも、考えてみると大変なことです。
時代はいつでも、場所はどこでも、名前がなくても、何ら不都合はありません。奈良時代だろうが平成時代であろうが、北海道だろうが、はたまた沖縄であろうが、みんな「むかし、むかし、あるところ……」で済ませてしまいます。時代考証も、場所の設定も、人物の履歴も、何も必要ありません。
 
ですから、子どもたちは、何ら抵抗なく、心安らかに、期待に胸を躍らせながら、話の世界へ入っていけるのです。しかも、没我の世界です。
 
これを、几帳面に、「江戸時代の元禄十二年、大晦日を迎える二日前の朝、上総の国、蒲郷郡、大字蒲郷、字大和村の一本杉の側に、山之上太郎左エ門という名の爺さまとお熊という名の婆さまが住んでいました」では、聞いてみようかなとはならないでしょう。
「お母さん、もう眠いから……」、こうなるのに違いありません。
読むお母さん方も疲れてしまいますね。
 
ところで、昔話は、
   いつ(when)
   どこで(where)
   だれが(who)
   何を(what)
   なぜ(why)
   どのように(how)
と文章を書くときの基本である[5W1H]から成り立っていますが、新聞記事やテレビのニュースなどを瞬時に理解できるのは、この原則に従っているからです。
 
ということは、昔話を聞きながら、[5W1H]を小さい時から学んでいることになります。これは、すごい知恵ではないでしょうか。
 
もちろん、子どもたちは「いつ・どこで・だれが」などと意識して聞いているわけではないでしょうが、話は理路整然とセオリーどおりに進んでいきますから、繰り返し話を読んでもらい、話を覚え、絵本を見ながら言葉で表現することで、物事を筋道立てて考える訓練にもなっているのです。物事を組み立てる、考える力、「構成力や思考力」が自ずと身につきます。
 
そして、子どもは話を覚えると話したがります。
それには、自分自身が、話をよく理解していなければできませんから、そのための訓練が自発的に始まります。話の流れをきちんと記憶し、組み立て、味わい、自分の言葉で話す訓練です。それが「表現力」につながります。
 
こんなに大切な能力開発を自ら積極的に挑戦しているにもかかわらず、
「パパ、『ももたろう』の話、知っている?」
「ああ、知っているよ。猿と犬と雉の家来を連れて、鬼退治に行く話だろう」
と無造作に応じてしまうと、折角、積んできたトレーニングの成果を試すこともできません。
「今までの努力は、何だったのだ!」
とは思わないでしょうが、悔しい思いをさせているのではないでしょうか。
 
子どもは覚えた話を、話したいのです、聞いてもらいたいのです。
 
「うん、パパも子どもの頃はよく知っていたけど、どういう話だったかな?」
と、やさしく受けてあげましょう。
お子さんは、一所懸命に話すはずです。
 
そして話し終えたときに一言、「よく覚えたな、えらいぞ!」と、褒めてあげましょう。褒められて不愉快になるはずはありませんから、さらに、話を覚えようとします。
 
そこから、「物事に取り組む意欲」が芽生えます。
意欲は、新しい能力を開発する起爆剤です。
 
しかも、「覚えなさい!」といわれて覚えたものではなく、「話してみなさい!」といわれて訓練したものでもありません。強制されずに、自発的に、楽しみながら積極的に挑戦し、能力を開発しているのですから、その効果は一石二鳥どころではなく、計り知れないものがあります。
 
このように話の読み聞かせは、
「語彙を増やす」だけではなく、
「イメージをふくらませる空想力や想像力」
「話を聞く力」
「構成力や思考力」
「言葉での表現力」
「物事に取り組む意欲」
といった能力などの開発に、とてつもない大きな影響を与えているのです。
しかも、これだけではありません。
続きは次回お話ししましょう。
 
(次回は、「本を読んであげてください 2」
                 についてお話しましょう)
    
 
【本メールマガジンは、「私家版 情操教育歳時記 日本の年中
行事と昔話 情操豊かな子どもを育てるには 上・下 藤本紀元
 著」をもとに編集、制作したものです】
 
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2026さわやかお受験のススメ<小学校受験編>■■[2]5つの試験形式■■(1)ペーパーテスト-1

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         「めぇでる教育研究所」発行
2026さわやかお受験のススメ<小学校受験編
      現年中児のお子様をお持ちの方々へ
 2026年度入試(2025年秋に実施)を成功に導く手引きです。
      <第19号
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発行者よりお知らせです。
 さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>
は、11月から
 さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
にタイトル変更してお届けしています。
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■■[2]5つの試験形式■■
 
(1)ペーパーテスト-1
 
有名小学校の入学試験は、5つの試験形式から構成されています。
 
   1. ペーパーテスト
   2. 個別テスト
   3. 集団テスト
   4. 運動テスト
   5. 面接テスト
 
昔は、ペーパーテストだけの小学校もありましたが、今は、ありません。
逆に、ペーパーテストを廃止した小学校もあります。
個別テストのない小学校もあります。
5つ、全部やってしまう小学校もあります。
面接テストをやっていない小学校もあり、いろいろです。
推薦状と面接だけの学校もあります。
それは、私立の小学校ですから、「建学の精神」や「教育方針」に、いろいろな特徴があり、それによって教育が行われていますから、試験にもその学校独自の自前のカラーがあって、当然なのです。
 
しかし、どこの学校も知的な能力だけで、合否の判定をしているわけではありません。育児の集大成、まだ中間報告ですが、そこを見ているのです。その集大成を判定する5つのテスト形式について具体的にお話しましょう。
 
 
1.ペーパーテスト 
 
20人から30人程のグループで、録音音声や動画、または口頭での説明を聞きながら、一斉に答える筆記テストです。皆さん方も経験済みの、お馴染みのテスト形式です。しかし、これは大変です。
幼児は、原則として、文字を読めないし書けません。ですから、プリントのどこを見ても、文字で書かれた設問は、ありません。
おかしな話ですが、絵や図形などを使いダミーも含めて、答えが描かれています。そして説明を聞いて、用意された筆記用具を使い、○や△、□や×などの記号を書いたり、線を引いたり、色を塗って答えるわけです。
 
「常識の領域」に、こんな問題があります。
B4判の大きさのプリントに、門松や節分、七夕、七五三、クリスマスといった四季を代表する行事が描かれていて、解答はクレヨンを使いなさいと指示があり、「春の仲間にはピンク色で○を、夏の仲間には青色で△をつけなさい」といったコメントが、スピーカーから流れてきます。
これが、設問です。
 
一回きりで、後は、静かに時は流れるだけです。
当然、時間は限られています。30秒ぐらいで解答します。
「春は、○だったかな?」
などと悩んでいたら駄目です、そんな余裕はありません。
「何かいっていたな?」
などとぼんやりしていると、最悪の状態になってしまいます。
設問を聞き逃せば、それでおしまい、ゲームセットです。
設問は、どこにも書かれていないからです。
前にも紹介しましたが、中学、高校、大学の試験のように、わからない問題は飛ばしておいて、「後でやろう!」といったことは、絶対にできません。
 
そういったことを考えれば、いちばん厳しい条件の試験ではないでしょうか。
 
指示を正確に聞き取り、できるだけ速やかに解答しなければ得点になりません。
こんなことはないと思いますが、その時に、ちょっと耳がかゆいと気を散らしたら、それまでです。時間がくれば、次の問題に移りますから、まさに「待ったなし」なのです。
 
さらに、テストが始まると同時に、普段の生活習慣やしつけなど育児の姿勢がわかります。話を静かに聞く姿勢が身についているか、筆記用具を正しく持っているかなど、いろいろな様子が表れるからです。先程お話した「育児の集大成」です。単に、常識や記憶力を見ているのではありません。こう考えると、問題集だけやって「受験準備、こと足れり」とはならないことを、ご理解いただけるのではないでしょうか。
 
ところで、ペーパーテストに問題点はないのでしょうか。
ペーパーテストのメリットは、子どものあらゆる能力を判定することはできませんが、ある面は確実に評価できることでしょう。
しかも手っ取り早いし、試験官の数も少なくて済みますし、ペーパーに答えが残りますから判定も公平です。ですから、ペーパーテストを行う小学校が多いわけです。誤解を招くと困りますから断っておきますが、他の試験は不公平というのではありません。
 
先程もお話ししましたが、ペーパーテストだけを実施している小学校はなくなりました。かつて、ペーパーテストだけを実施していた立教小学校は、現在ではペーパーテストを廃止し、運動テストや制作に加え、シャイな男の子の苦手な「ダンス」まで取り入れています。なぜでしょうか。
 
以前にお話ししましたが、ペーパーテストだけでは、社会性や協調性、自主性、基本的な生活習慣やしつけなどは判定できないからです。逆に、知的能力だけが高い、偏った経験を持つ子の集団になる可能性もあるからです。 
 
あるミッション系の学校の説明会で、こういった話を聞いたことがありました。
 
ペーパーテストの結果に従って、高得点者から順番に合格者を選んだところ、早生れの子どもが少なくなってしまったので、翌年から月齢を考慮できるように受験番号を生年月日順に切り替えたそうです。当然でしょうね。4月2日生まれと翌年の4月1日生まれは、学年が一緒です。1年間の差がありますから、早生れの子には、ハンディキャップになります。
 
生年月日順は、その配慮があるわけです。願書の受付順や五十音別に受験番号をつける場合は、年齢の配慮がない学校が多いでしょう。
 
初めて、「年齢への配慮をしている」と公表したのは、桐朋小学校ではなかったでしょうか。「統計的な処理をしている」と年刊雑誌「桐朋教育」に記載があったようです。今では、多くの小学校で月齢への配慮をしていると言っていますし、昭和学院小学校のように3か月毎のグループに分け、各グループが同じ合格率になるようにしていると具体的に説明している学校もありまから、早生れのお子さんも心配はありません。
ただ、募集要項にかかわることですので、説明会へ参加し、きちんと確かめておきましょう。
 
話を戻しましょう。
ペーパーテストにはもう一つ問題があります。
それは、ペーパーテストの対策、受験準備、これが過激になりがちなことです。
試験の難易度が高く、生半可な準備では、とてもクリアできない小学校もあります。きちんとしたカリキュラムのもとに指導を受けているお子さんは、心配ないでしょうが、少し気になる話を耳にします。幼児教室や塾を掛け持ちする子もいるようです。指導方針が違っていれば、お子さんは混乱するだけです。
 
たとえば、こんなことはないと信じていますが、数を数える問題で、A教室では「線などを引かないで数える」と教わり、B塾では「線を引いて数える」といったように、全く相反する数え方を教われば、迷ってしまうのはお子さんです。
 
皆さん方は、どちらが正しい指導方法だと思いますか。
 
たくさん受けさせれば効果があるとでも考えているとすれば、それは大きな間違いです。そういったお母さん方は、うわさにも弱いようで、親子で受験地獄に陥りがちです。受験地獄など、あるわけはないのですが……。
 
家に帰ると、お母さんが先生です。最近は、お父さんが力を入れている家庭も増えてきました。このことです……。ペーパーテストに対する過激な受験準備、ここに問題があるようです。
 
次回は、「ペーパーテスト2」についてお話しましょう。
 
 
 
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2026さわやかお受験のススメ<保護者編>事の始まりは、ある幼稚園の進学教室からでした

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       「めぇでる教育研究所」発行
   2026さわやかお受験のススメ<保護者編>
   「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
     豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第2号-
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-事の始まりは、ある幼稚園の進学教室からでした-
 
私は、長い間、幼児教育のパイオニアである大手教育研究所でお世話になっていました。「情操を育むために、年中行事と昔話が大切な役目を果たしているのではないか」と模索していたのは、幼児教育の本質が少しわかりかけてきた、50歳になった頃ではなかったでしょうか。「年中行事を『科学』する」という素晴らしい本にめぐり合い、進むべき道が見えてきました。
 
そして、この考えに「間違いはない」と自信らしいものが出てきたのは、ある経験からでした。
約10年間にわたり、板橋区にある淑徳幼稚園の課外保育であった進学教室を担当していたのですが、後半の5年間は、一人で年中組と年長組を指導することになりました。この間の子ども達のやり取りとお母さん方の反応から、年中行事と昔話を組み合わせた「情操教育歳時記」といった何とも大仰なタイトルですが、気軽に読んでいただける本を作ってみようと思い始めていたのです。
 
私どもの研究所の教室へやってくる子ども達は、全員、「受験のために勉強にきている」といった意識が、しっかりと培われていましたから、授業もやりやすかったのです。「幼児教室は、こういうものだ」と思っていた私には、この進学教室は、まさに青天の霹靂で、勝手が違い、思わぬ苦労をしました。
 
その日の保育が終わった後に、同じ教室でやるのですから、子ども達にとっては、「自分たちの土俵に変な先生が入ってきた、エイリアン!」といった感じだったのでしょう、いつものように授業を始めることができなかったのです。そのために、まず、授業に集中できる雰囲気を作ることからはじめました。
 
試行錯誤を積み重ねながらできあがったのは、授業の前に、その月の行事、11月でしたら七五三をテーマに、昔からの言い伝えを子ども達にわかるように話し、その月に関係ある昔話をするといった方法でした。
 
回を重ねる内にわかったのは、子ども達は「フランダースの犬」や「アルプスの少女ハイジ」を知っていても「一寸法師」や「花さか爺さん」などの昔話を、あまり知らないことでした。しかし、話をしてみると、熱心に聞いてくれるのです。それならばと、徹底的に昔話をすることにしたのですが、年長組は週2回で月8回、1年間で、ざっと96の話をすることになり、少々心配になりました。「絵本を見ながら読んであげればいいか!」と気軽に考えていた私は、子ども達から思わぬしっぺ返しを食い、悪戦苦闘が始まったのです。
 
それは、本を見ながら話す時と見ないで話す時では、子どもの興味を示す様子が、微妙に違うことでした。話を覚えている場合は、子ども達の目を見ながら話をしますから、目をそらす子はいません。「目をそらさない」は、話をしっかりと聞く基本的な姿勢です。本文でも紹介しますが、「大勢の子ども達に、話を読み聞かせる重要なポイントは、話を記憶することだ」と教えてくれたのは、進学教室の子ども達でした。
 
毎週2つの話を記憶するのは大変でしたが、子ども達は私の話を楽しみに待ってくれ、授業にもスムーズに入れるようになりました。見つけた時には私も驚きましたが、「シンデレラ物語」とそっくりな話である「ぬかふくとこめふく」を話した時の、子ども達の驚いた顔を忘れることができません。
 
ある時、椋鳩十の動物の話をしてみました。すると、次の時間にもとリクエストがあり、動物達の話に興味があることもわかりました。そこで、長編でもある「丘の野犬」をアレンジして話したところ、何と熱心に聞いてくれ、涙さえ浮かべる子も出てきたのです。この時ばかりは、今、思い出しても、ぞくぞくするほど感激したものです。
 
進学教室の役目は、併設する淑徳小学校での勉強に、スムーズに対応できる力を身につけることでした。小学校へは、受験勉強をし、力をつけてきた大勢の子ども達が入学してきます。そういった子ども達に共通しているのは、「話を聞く姿勢」が身についていることで、小学校の受験でもっとも大切なのは、この「話を聞く力」なのです。ペーパーテストを例にとっても、プリントの上にダミーを含めて、答はすべて出ていますが、「設問」はどこにも書かれていませんから、話を聞き逃すと、解答できないわけです。
 
昔話や年中行事のいわれなどを聞きながら、子ども達は意識することなく、「話を聞く姿勢」を身につけてきたのです。こうなるとしめたもので、授業は私の仕事でしたから、後は楽なものでした。集中さえできれば、問題を解く力もつき、面白くなりますから、取り組む意欲も違ってきます。難易度の高い問題にも挑戦し始め、当時、毎月1回行われていた2,000名近くの子どもが参加する公開模擬テストで、10番以内に入る子も出てきたのです。
 
さらに、思わぬ収穫になったのは、お母さん方の反応でした。授業終了の5分ほど前に、お母さん方に集まっていただき、今日取り組んだ問題を解説しながら、家庭学習の要点を説明し、今月の行事とその日に話した昔話を紹介していました。
 
すると、「先生、ママが菱餅を買ってきて、何で三色なのか、先生と同じ話をしてくれたんだよ」と、女の子がいない家庭にもかかわらず、「おひな様を飾るわけや、菱餅の色」について、子どもに話をするお母さんも出てきたのです。
話してくれる子ども達の顔は、みんなうれしそうでした。四季折々の行事の意味を説明してきたことが、話だけで終わらずに、各ご家庭で祝ってくれるようになったのです。このことです……。
 
ここからは「わたし流の解釈」ですから、軽い気持ちで読み流してください。
話を聞こうとしなかった子ども達が、なぜ、楽しみに授業を待ってくれるようになったのか、それは子ども達の心の中に、幼いながらも、何らかの刺激を求める小さな芽が、しっかりと培われてきていたからだと考えました。後で詳しくお話しますが、その小さな芽は、分化され始めた「情緒」だったのです。
 
「情緒とは、喜怒哀楽の感情の表れたもの」と考えていただければ、わかりやすいと思います。きっかけを与えたのが、昔話であり年中行事であったわけです。育まれてきた小さな芽である情緒に刺激を与えてあげれば、素直に反応をすることもわかりました。
そうでなければ、あれほど真剣に話を聞くはずがないからです。
 
私の話でさえ一所懸命に聞くのですから、ご両親の話であれば、もっと歓迎するはずです。「パパがね、先生が話してくれた『おぶさりてえのおばけ』の本を買ってきてくれたんだよ!」と嬉しそうに話してくれる子ども達も増えてきました。話を聞く姿勢は幼児教室や塾で身につくものではなく、ご両親の「本の読み聞かせ」や「対話」から育まれるものです。
 
こういった体験を何とか記録に残し、皆様方に読んでいただきたいと考え、できあがったのが、このメールマガジンです。話を聞く姿勢さえ身につけば、小学校の受験は、決して難しくありません。また、年中行事を、ご家庭で楽しむことにより、楽しい思い出がたくさん残り、それが豊かな情操を育む礎になっていることも否めない事実です。
 
小学校の入試に季節の行事が出題されるのは、なぜでしょうか。
知識として知っているかを判断しているのではありません。四季折々の行事を楽しむ、ご家庭の文化があるかどうかを見ているのではないでしょうか。家庭の文化は、ご両親の育児の姿勢であり、それが受験する小学校の建学の精神や教育方針と限りなく近ければ、それが志望理由になるわけです。
 
新年長さんであれば、この1年間、お子さんは受験勉強に励むわけですから、保護者にも勉強をしていただき、ご家庭の文化を築き上げてほしいと思います。
 
話を聞く姿勢が身につくのも、豊かな情操が育まれるのも、ご両親の育児の姿勢次第です。
 
小学校の受験で必要な能力の基礎、基本は、「ご家庭で培われる」ことを学習していただき、お子さんと二人三脚、もしくは三人四脚、状況によっては四人五脚、五人六脚のこともあると思いますが、ゴールを目指して頑張ってほしいと願っています。
 
 
【本メールマガジンは、「私家版 情操教育歳時記 日本の年中
行事と昔話 情操豊かな子どもを育てるには 上・下 藤本紀元
 著」をもとに編集、制作したものです】
 
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