カテゴリ
- 2023保護者 (49)
- 2023小学校受験 (67)
- 2022保護者 (49)
- 2022小学校受験 (67)
- 2021幼稚園受験 (49)
- 2021保護者 (49)
- 2021小学校受験 (67)
- 2020幼稚園受験 (49)
- 2020保護者 (49)
- 2020小学校受験 (66)
- 2019幼稚園受験 (49)
- 2019保護者 (49)
- 2019小学校受験 (66)
- 2018幼稚園受験 (49)
- 2018保護者 (49)
- 2018小学校受験 (67)
- 入試キーポイント (3)
- 小学校入試問題
- 2017保護者 (49)
- 2017幼稚園受験 (49)
- 2017小学校受験 (67)
- 2016保護者 (48)
- 2016幼稚園受験 (49)
- 2016小学校受験 (67)
- 2024保護者 (49)
- 2024小学校受験 (67)
- 2025保護者 (49)
- 2025小学校受験 (67)
- 2026保護者 (3)
- 2026小学校受験 (20)
月別 アーカイブ
- 2024年11月 (4)
- 2024年10月 (11)
- 2024年9月 (12)
- 2024年8月 (15)
- 2024年7月 (12)
- 2024年6月 (8)
- 2024年5月 (10)
- 2024年4月 (8)
- 2024年3月 (8)
- 2024年2月 (10)
- 2024年1月 (8)
- 2023年12月 (6)
- 2023年11月 (10)
- 2023年10月 (8)
- 2023年9月 (13)
- 2023年8月 (14)
- 2023年7月 (12)
- 2023年6月 (10)
- 2023年5月 (8)
- 2023年4月 (8)
- 2023年3月 (10)
- 2023年2月 (8)
- 2023年1月 (8)
- 2022年12月 (8)
- 2022年11月 (8)
- 2022年10月 (8)
- 2022年9月 (15)
- 2022年8月 (12)
- 2022年7月 (13)
- 2022年6月 (10)
- 2022年5月 (8)
- 2022年4月 (8)
- 2022年3月 (10)
- 2022年2月 (8)
- 2022年1月 (8)
- 2021年12月 (8)
- 2021年11月 (8)
- 2021年10月 (9)
- 2021年9月 (14)
- 2021年8月 (12)
- 2021年7月 (15)
- 2021年6月 (8)
- 2021年5月 (8)
- 2021年4月 (10)
- 2021年3月 (8)
- 2021年2月 (8)
- 2021年1月 (8)
- 2020年12月 (8)
- 2020年11月 (8)
- 2020年10月 (12)
- 2020年9月 (16)
- 2020年8月 (16)
- 2020年7月 (20)
- 2020年6月 (12)
- 2020年5月 (12)
- 2020年4月 (15)
- 2020年3月 (12)
- 2020年2月 (12)
- 2020年1月 (15)
- 2019年12月 (9)
- 2019年11月 (12)
- 2019年10月 (13)
- 2019年9月 (16)
- 2019年8月 (20)
- 2019年7月 (16)
- 2019年6月 (12)
- 2019年5月 (15)
- 2019年4月 (12)
- 2019年3月 (12)
- 2019年2月 (12)
- 2019年1月 (15)
- 2018年12月 (9)
- 2018年11月 (15)
- 2018年10月 (10)
- 2018年9月 (16)
- 2018年8月 (20)
- 2018年7月 (16)
- 2018年6月 (12)
- 2018年5月 (15)
- 2018年4月 (12)
- 2018年3月 (15)
- 2018年2月 (12)
- 2018年1月 (12)
- 2017年12月 (9)
- 2017年11月 (15)
- 2017年10月 (10)
- 2017年9月 (17)
- 2017年8月 (19)
- 2017年7月 (16)
- 2017年6月 (15)
- 2017年5月 (12)
- 2017年4月 (12)
- 2017年3月 (15)
- 2017年2月 (12)
- 2017年1月 (12)
- 2016年12月 (12)
- 2016年11月 (12)
- 2016年10月 (10)
- 2016年9月 (20)
- 2016年8月 (16)
- 2016年7月 (17)
- 2016年6月 (15)
- 2016年5月 (12)
- 2016年4月 (13)
- 2016年3月 (15)
- 2016年2月 (13)
- 2016年1月 (13)
- 2015年12月 (12)
- 2015年11月 (12)
- 2015年10月 (26)
- 2015年9月 (23)
- 2015年7月 (22)
- 2015年6月 (21)
- 2015年4月 (21)
- 2015年3月 (12)
- 2015年2月 (9)
- 2015年1月 (12)
- 2014年12月 (15)
- 2014年11月 (3)
- 2014年10月 (9)
- 2014年9月 (20)
- 2014年8月 (3)
- 2014年7月 (7)
- 2014年6月 (4)
- 2014年5月 (4)
- 2014年4月 (2)
最近のエントリー
HOME > めぇでるコラム > アーカイブ > 2019年10月 > 2ページ目
- 2023保護者
- 2023小学校受験
- 2022保護者
- 2022小学校受験
- 2021幼稚園受験
- 2021保護者
- 2021小学校受験
- 2020幼稚園受験
- 2020保護者
- 2020小学校受験
- 2019幼稚園受験
- 2019保護者
- 2019小学校受験
- 2018幼稚園受験
- 2018保護者
- 2018小学校受験
- 入試キーポイント
- 小学校入試問題
- 2017保護者
- 2017幼稚園受験
- 2017小学校受験
- 2016保護者
- 2016幼稚園受験
- 2016小学校受験
- 2024保護者
- 2024小学校受験
- 2025保護者
- 2025小学校受験
- 2026保護者
- 2026小学校受験
めぇでるコラム : 2019年10月 2ページ目
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>入試直前の心構え
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
「めぇでる教育研究所」発行
2020さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
第65号
年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
★★入試直前の心構え ★★
既に模擬面接も終え、面接の心構えもできていると思いますが、合否のカギを
握るといわれている「志望理由」について、念入りにチェックし、自然に話せ
るように練習をしてください。プレッシャーをかけるようで申し訳ありません
が、小学校受験合否のポイントは、「お父さん方の志望理由5割、子どもの成長
度5割」であることを思い出し、頑張りましょう。お子さんのためです。
入試直前の心構え
★ベストコンディションを作る
入試直前、何とかベストコンディションで試験を受けさせてあげたいと、お母
さん方は計画を立てることでしょう。例えば、外から帰ってきたときは、手を
洗い、うがいをさせることから、栄養のバランスを考えた食事、早寝、早起き
をさせ、睡眠時間を十分にとるなど、配慮しなければならないことがたくさん
あります。
その1つに、時間の管理があります。
朝、8時半から試験が始まる場合、起きてから学校までかかる時間を逆算し、
その時間帯に合わせ、生活のリズムを作り直す必要があります。人間の脳は、
目を覚ますと、すぐにフル回転するものではなく、スイッチを入れれば、パッ
と光る電球のようにはいかず、柔軟なお子さんの頭でも、2、3時間かかると
もいわれているようです。こういった試験時間に対処できるコンディション作
りも親の大切な役目となります。
◆家庭学習について
家庭学習をどのように進め、ベストの状態を保っていくかも難しい問題となり
ます。直前のことですから、もう苦手な問題は克服されていると思いますが、
「あなたはできる。これだけ頑張ったのだから大丈夫ですよ!」とあたたかい
言葉で励ましてください。
そして、ここが大切なのですが、得意な問題の場合、お子さんも自信がありま
すから、お母さんの読んでいる設問を、よく聞いていないこともありがちです。
「お母さんが読み終わるまでしっかりと聞き、始めといわれたら始め、終わり
といわれたら、きちんと止めること」、この約束を徹底することです。点図形、
模写、同図形(異図形)発見、系列完成、図形、しりとりなど、設問を聞かなく
てもできる問題があります。しかし、最後まで聞かないと指示される記号(○、
×、//など)がわかりません。皆が出来るやさしい問題であれば、このミス
を挽回することは不可能でしょう。
さらに、次のページに移る指示があっても、その問題にこだわっていると、明
らかにチェックの入る学校もあると聞きます。
また、制作や、ごっこ遊び、運動テストなども、話を聞いていなければ、うま
くできません。最後まで聞かずに勝手にやり始めると、当然、「指示の理解」や
「約束事を守れるか」などにチェックが入ります。
「先生のいうことを聞いてから始める、そしてやめる」、これを徹底させましょ
う。
「何回、教えたらわかるの!」
「これができなければダメなの!」
「そんなことができなければ、小学生になれません!」
メールマガジンをお読みになっていらっしゃる皆さん方は、こういった言葉を
使っていないと信じていますが、励ましているつもりが、逆の効果になってし
まうものです。
試験場でできない問題があると、トイレにいってしまう子どもがいるそうです。
なぜでしょうか。
「先生、トイレ!」
と言われれば、先生はトイレに連れて行くしかないでしょう。
「その時間にいなかったから、問題をやらなかった」
と言い訳を作っているとしたら、これは恐ろしいことではありませんか。5歳
の子どもが言い訳を考える、こんな気持ちに追い込んではかわいそうです。お
母さんが怖いのです。最近は、怖いお父さんもいるようですね。
中には、「できない!」といって泣きだす子ども達もいると聞きます。
ご両親方の合格をさせたいという気持ちは、痛いほどわかりますが、言葉がけ
には十分に注意しましょう。不用意な言葉は、自信を失わせます。情緒が不安
定になるような言葉は、絶対に使わないでください。
また、テスト会場で、隣の子の答案をのぞくお子さんがいるそうです。これは、
いわゆるカンニングではありません。正解であるにもかかわらず、隣の子の答
えを見て訂正してしまうのです。
なぜでしょうか……。やはり、自信が無いのです。
隣の答案をのぞく子にしないためにも、
「あなたが思ったとおりでいいのですよ」
と、自分の考えたことに自信を持たせましょう。
「お母さんは、一所懸命に考えて頑張る子、大好きなの。それでもわからなけ
れば、仕方がないことなのよ」
と、笑って励ましてください。
ただし、「一所懸命、考えてもわからない場合」と、約束しましょう。
よくできるお子さんでも、できない問題にぶつかるとパニックになってしまう
ケースがあるようです。
できる子だけに、厄介なのです。「できない」ことにこだわり、次の問題に取り
組めないのです。こういったことも十分に考えられますから、「あなたが考えて
もできないような問題なら、他の子もできませんよ。大丈夫、自信を持って、
次の問題に挑戦しましょう」といった言葉がけも必要ではないでしょうか。
◆試験についての説明
次に、試験について、どう説明するかです。
以前は、子ども達に試験といったイメージを与えないようにしたものですが、
これだけ情報が広がり、いろいろと体験をしていると、そうはいかないでしょ
う。受験する学校での公開模擬テストやホームグラウンド以外の教室や、他の
幼児教室、塾などで試験を受けることから、お子さん自身も心積もりはできて
いるかと思いますが、やはり、プレッシャーはかかります。心身共に強い子ど
もは、そうはいません。「頑張れ!」といわれれば、本当に頑張る子もいれば、
その一言で駄目になってしまう子もいます。
ピアノなどのお稽古ごとの発表会や幼稚園のお遊戯会などの前夜になると、突
然、腹痛や発熱する神経過敏なお子さんには、「今日は、いつもの教室と違って、
ここの学校でやるのですよ」といった説明がいいのではないでしょうか。控室
でゼッケンをつけ試験場に入り、テストの内容も、ほとんどの場合、教室で受
けているのと同じだからです。「パパ(ママ)の言うとおりだ!」と安心し、そ
して頑張るのが子ども達です。お子さんの性格をよく知っているのはご両親で
すから、こういったことにも注意し、当日の朝を迎えてあげましょう。
◆怪情報、うわさについて
一時ほどではなくなりましたが、厄介なことが一つあります。それは、怪情報、
うわさです。
以前、昭和60年代に開かれた四谷雙葉小学校の説明会の様子を紹介しました
が、うわさとは、多くの場合、根も葉もない、単なるうわさに過ぎません。当
事者であるお母さん方は、とかくわらをもつかみたくなる心境になりやすいで
しょうが、そこにつけ込むのがうわさです。後で思い出すと「ナンダ!」とな
るものばかりのはずです。
「受験する前に、もう合格者は決まっている!」
「紹介者がなければ駄目!」
といったことが本当なら、受験料を取る学校は、まさに詐欺行為ではありませ
んか。司直が許すわけがないのです。税務署も同様です。
「紹介者がなければ駄目!」
といったことが本当であれば、暁星小学校の説明会でも、「紹介状や推薦状は必
要ありません。本人の実力を第一とする」とおっしゃったことが、うそになり
ます。マリア様が、うそをお見逃しになるわけがありません。
また、青山学院初等部のホームページのQ&Aのコーナーには、
Q「紹介状や推薦状の必要はありますか」
A「必要ありませんし、用意されても受け取りません」
とあります。
さらに、幼稚舎のホーページのQ&Aコーナーには、
A「入学試験に関して、舎長および教職員との面会は一切できません」
と掲示されていますが、ほとんどの学校で、校長先生はもちろんのこと、教職
員の方々が、受験に関する面談に応じることはありませんし、お断りしている
はずです。
気になるうわさに心を痛めるようでしたら、お父さんに聞いてみましょう。お
そらく、一笑されるはずですから。お願いしますよ、お父さん!
「暑さ寒さも彼岸まで」とは、猛暑を経験しただけに、ありがたいものですが、
初秋は、とかく気候が不順になりがちとはいえ、昨年と同様、今年も少し異常
ではないでしょうか。健康管理には、十分、注意してあげましょう。そして、
お母さん、保護者であることを忘れずに、頑張ってください!
昔の曲ですが、大橋節夫作詞、作曲の「幸せはここに」(YouTubeで聴けます)
があります。
秋の夜は更けて すだく虫の音に
疲れた心いやす わが家の窓辺
静かに ほのぼのと 幸せはここに
お子さんの寝顔を見ながら、すだく虫の音に、耳を傾ける余裕を持ちましょう。
世界第2位のアイルランドに快勝、やってくれましたね。ラグビーファンには、
奇跡というより快心の戦いでした。高校時代に来日したオールブラックスに、
全く歯が立たなかったことを記憶しているだけに、嬉しかったですね。ラグビ
ーの試合終了をノーサイド(no side)といいますが、戦いが終わると敵味方が
なくなるという意味。両チームとも2列に並んだ選手の間を拍手で迎えられな
がら退場しましたが、さすが紳士のスポーツといわれるだけあって感激しまし
た。しかし、あのビールの飲みっぷりも見事でした(笑)。
(次回は、「当日の留意点とご両親の心構え」についてお話しましょう)
さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>面接、ここがポイント
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
「めぇでる教育研究所」発行
「2020さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
第48号
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
面接、ここがポイント
何事もそうですが、初めてのことには、不安がつきまとうものです。面接を受
けられたお母さん方は、「何が何だかわからないうちに終わってしまいました」
と苦笑まじりにおっしゃいます。
不安を解消するには、どういったことに注意すればよいかを知っておくことも
大切です。そうすれば、自信を持って面接に臨めるはずです。
まず、ご両親が、絶対に忘れてならないのは、幼稚園の受験は、ご両親の意志
ではじめたことです。ご両親は、保護者であることを肝に銘じて面接に臨むべ
きです。緊張して、あがってしまったらどうしようなどと、気をもむときでは
ありません。何やら池波正太郎風ですが、「仕掛人はご両親」であることを忘れ
ないでほしいのです。
★面接当日の服装★
「○○幼稚園では、親子共に紺で統一しなくては失礼にあたる!」
などとうわさがあるようですが、単なるうわさにすぎません。
かつて、ある幼稚園の募集要項に、「親子で紺色にそろえる必要はありません」
と注意書きがありましたし、小学校の面接でも、「みなさん、同じような紺の洋
服では、不自然と思いませんか」などの質問があったことからも、つまらない
うわさであることがわかります。
しかし、だからといって、人と違った服装をするには、勇気が必要でしょうし、
抵抗もあるでしょう。幼稚園側も、服装などどうでもよいといっているわけで
はないと思います。
やはり、初めての方とお話をするのですから、それなりの礼を尽くすのは、当
然のマナーです。問題は、普段、お子さんは紺の洋服を着ることに慣れている
でしょうか。しかも、ご両親とも、あまり見かけない服装で、きちんときめて
います。このことです……。
「あれっ!」と思わないわけがないのです。これだけでも緊張するのがお子さ
んです。
「お子さんに、余計なプレッシャーをかけないで下さい」という幼稚園側の配
慮ではないかと思います。
ですから、当日だけ着せるのではなく、何回も袖を通して着慣れておきたいも
のです。そして、お父さんにひげを剃ってもらい、当日と同じ服装で出かける
機会を作っておきましょう。できれば、受験される幼稚園まで出かけてみるの
もいいでしょう。
ケース・スタディーで紹介しました「シスターさんとのご対面」の例もあるか
らです。
「特別な気持ちにさせないで下さい」という幼稚園側の気持ちが聞こえてきま
せんか。
このことだと思います。
そして、どこの幼稚園でも、「堅実な家庭を築くお父さん、それを支える謙虚な
お母さん」を求めています。それが、身だしなみとして表れます。言うまでも
ないことでしょうが、装飾品はマリッジリングだけにし、化粧も香水も控えめ
になさるのが賢明でしょう。
★持参するものをチェックする★
信じられない話ですが、当日に面接票を忘れた方がいたとのことです。緊張の
あまり犯したミスでしょう。こういったことがないように「面接当日に持参す
るもの一覧表」を作っておくことです。
1 面接票(受験票)
2 提出する面接資料やアンケート用紙
3 募集要項や試験当日のスケジュール表(出願後に幼稚園から送られてく
る資料)
4 筆記用具や消しゴム、携帯用辞書
その年だけ、突然、アンケートに記入を求められる場合もありますから、
一応、用意しておきたいものです。
5 両親の上履きやお子さんの運動靴。
6 雨に備えて、雨具を入れるもの、ズボンやソックスなどの着替えも必要
でしょう。
7 あってはいけないことですが、万一の病気に備え、解熱剤や整腸剤の用
意を。
8 携帯電話
事故などで緊急に連絡する場合、携帯電話は欠かせません。持参しても、
マナーモードにすることをお忘れなく。スイッチを切った方が無難でし
ょう。充電もお忘れなく。
9 スイカ、パスモなど。
そして、当日は、ゆったりとした気持ちで出かけるように、しっかりと心の準
備もしておきましょう。そのためにも特訓を行ってほしいのです。と言っても、
特別に難しいことをするわけではありません。
たとえば、話そうと考えている「志望理由」を、テープに吹き込んでみましょ
う。それが30秒を越え1分近くにもなると、ご自身でも長いことがわかりま
す。30秒を越えると、はじめに聞いたことは忘れられがちで、印象に残りま
せん。録音した話を聞き、何回も何回も推敲を重ね、最後に自分自身の言葉で、
きっちりと志望理由を話せるように頑張ってください。そこまでやれば、「記憶
された志望理由」ではなく、「ご自身の言葉で話す育児の姿勢」になっています
し、「園の保育の方針」に限りなく近くなっているはずです。
そのポイントですが、今昨年初めて説明会を開催した雙葉幼稚園の場合を考え
てみましょう。
1 宗教教育に何を期待しているか。
2 女子だけの教育環境に何を期待しているか。
3 高校までの一貫教育制度に何を期待しているか。
幼稚園を受験するのに、2,3は必要ですかとお考えでしたら、認識不足だと思
います。男の子はともかくとして、幼稚園は、その後の12年間の教育課程の
スタート点であり、この3点をきちんと考えていけば、自ずと「なぜ、雙葉幼
稚園か!」になるはずです。これを30秒前後にまとめるとなると、そうは簡
単にはいかないでしょう。
さらに、校訓である「徳においては純真に、義務においては堅実に」を、どう
解釈して、ご自身の育児に取り入れているかということです。このことについ
ては、横浜雙葉小学校の説明会で聞いた話ですが、簡単に言えば、「見返りを考
えないで、一生懸命に頑張る子を歓迎します」ということでした。ご両親の育
児の姿勢が、「見返りを考えないで、一生懸命に頑張る子を育てる」であれば、
保育の方針と一致していることになります。そうであれば、普段、ご両親がや
っていることを、そのまままとめればいいわけです。幼稚園側が、普段着で来
てくださいという理由は、こういうことなのです。絵に描いた餅のような志望
理由では、説得力はありませんし、それを記憶するだけでは、「忘れたらどうし
よう」といった心配の種になり、当日、しどろもどろになりかねません。
よく模範回答を教えてほしいといわれますが、私が受験するわけではありませ
んから、できないことです。以前、あるガイドブックに模範例を紹介しました
が、こういった考え方もあるといった観点から、当たり障りのない文章を作り
ました。今読むと冷や汗ものです。
以前にも紹介したかと思いますが、慶應義塾幼稚舎が作文も面接もやめた理由
は、「傾向と対策的な準備が行われている」と判断したからです。同じような作
文や回答が多くなったということでしょう。それでは何のための作文であり面
接かということです。
お子さんのためです。質問事項を想定して、自分自身の言葉で答えられるよう
に、繰り返し練習してください。言葉は、とにかく口に出さなければ生きてき
ません。よい印象を与える言葉、それは、ご自身で捜し出すものだと思います。
頑張ってください。
幼稚園に着くと、所定の手続きをして、控室で待ちます。たくさんの親子が集
まりますから、「何だかおかしいな?」などと、お子さんも緊張するかもしれま
せん。幼児教室へ通っていれば、
「いつもの教室ではなくて、今日は、幼稚園で、いろんなことをして遊ぶので
すよ」
と、うまく導くこともできるでしょう。教室へ通う目的は、もちろん、志望園
に合格することなのですが、お子さんの場合は、「お母さんのもとを離れても楽
しいことがたくさんあることを、きちんと学習しておくこと」だからなのです。
緊張のあまり泣き出すお子さんもいます。お母さんがあわててしまい、なだめ
ようとしますが、うまくいかないと、恐い顔になりがちで、収拾がつかなくな
ります。そういったことにならないよう、楽しい雰囲気を作ってあげましょう。
それには、何といっても、ご両親が普段と変わらないことです。繰り返します
が、それには、志望理由がきちんとできていることです。
控室では、静かに待つことになりますが、2、3歳の幼児には、これが苦手で
す。好きな絵本などを持っていき、読んであげるのもいいでしょう。ただし、
玩具類を持っていくのはやめましょう。他のお子さんも持ってきたいのを我慢
しているからです。普段から、何かを持っていないと落ち着かないお子さんの
場合、その原因を考え、徐々に何も持っていなくてもいいように、しつけてお
きましょう。「当日だけダメ!」は、お子さんに不安を与えるだけです。
入室については、ケース・スタディーでお話しましたから、再度触れませんが、
どういった順序で入るか、ご両親でお決めになり、お子さんと一緒に練習をし
ておきましょう。
そして、面接室へ入ったら止まり、三人そろって横に並んだところで、一呼吸、
入れます。
それから「よろしくお願いします」とお父さんが声をかければ、落ち着きます。
着席する時も、お子さんは誰と一緒にいくか決めておけば、あわてることもあ
りません。お母さんがリードしていくのが自然でしょう。
ここまでの流れがスムーズにいけば、もう、大丈夫です。そのためにも、しっ
かりと、手順を間違えないように練習をしてほしいのです。
幼稚園によって、面接官に向かって左から、父、子ども、母の場合もあれば、
逆に、向かって、母、子ども、父となるところもあります。入室した時に、一
息入れ、指示を待って、それに従いましょう。指示がないからと勝手に動かず
に、お父さんが、「こちらでよろしいでしょうか」と尋ね、それから行動すれば
いいのですから、とにかく、あわてないことです。
お母さんは、お子さんが着席できたのを確かめてから座りましょう。こういっ
たことも、親子で練習をしておけば、何でもないことなのです。質問の受け答
えだけの練習をするのではなく、こちらの一連の動きの方が、もっと大切です。
この動きがスムーズでなければ、緊張を高めることになりがちです。足をしっ
かりと運び、一声出れば、気持ちも楽になるはずです。お父さんへお願いして
おきましょう。照れないでやってください、可愛いお子さんのためです。
お子さんが立ったまま質問を受ける幼稚園もありますが、お子さんは、なかな
かきちんと立っていられないものです。幼児教室へ通っているお子さんは、そ
ういった体験をたくさん積んでいますから心配ないと思いますが、何をしでか
すかわからないのが幼児です。お母さんの方へ寄りかかったりするかもしれま
せん。そんなとき恐い顔で注意せずに、お子さんがきちんと立てる合図を決め
ておきましょう。
「もう少し頑張ろうね」
とやさしく声をかければ、お子さんも安心します。面接の先生方は、そういっ
たときのお母さんの態度を見ているはずだからです。
着席したときに、正面を向いた姿勢で、お子さんを視野に入れておきましょう。
お子さんの面接中に、どんなサインが出るかわからないのが幼児です。助け舟
を求めてきたとき、知らん顔をしているわけにはいきませんから、どういった
対応が、過保護、過干渉にならないか、考えておきたいものです。その目安で
すが、お母さんが面接の先生であったならば、どういう応対がいけないか考え
てみましょう。
お子さんを視野に入れることに関してですが、体は正面を向いたままの姿勢で
あることが大切で、動かしていいのは顔だけです。ぴったりと寄り添ってしま
うお母さんがいますが、あまり格好のいいものではありません。身体全体で過
保護を表していることになりかねないからです。
お子さんに関しては、難しい質問はありませんから、一問一答を、おおらかな
気持ちで聞き取れるお母さんであってください。とんでもない答えをいっても、
即座に訂正したりせず、あわてないことです。
「おやおや、緊張しているのだわ」と、あくまでも保護者の気持ちを忘れない
で下さい。挽回のチャンスが、お母さんへの質問の中にあるはずですから、そ
こをきちんととらえて、対応しましょう。
お子さんや、ご両親への質問でやってはいけないこと、口を閉ざして黙ってし
まった場合などは、ケース・スタディーで紹介しましたから、もう一度、確認
しておいて下さい。
質問が終わり、退出するときも、お父さん、子ども、お母さんの順序で出口に
向かい、そこで止まり、横に並んでから、「失礼します」とお父さんが声をかけ、
出るようにし、お母さんは、最後に会釈をし、ドアを閉めて退出しましょう。
そして、「お父さん、ご苦労さまでした」といえる謙虚なお母さんであってくだ
さい。
絶対に合格します。
しかし、出てしばらくすると、お父さんを非難するお母さんがいるそうです。
合格しないでしょうね。「壁に耳あり」ではありませんが、どこで見られている
かもわかりません。
感じのいいものではありませんから、文句があるなら、幼稚園を出て、お子さ
んにわからないようにやってください。
しかし、不思議なのですが、面接が終わって文句を言うのは、お母さん方で、
そういうお父さん方をほとんど見かけないそうです。これは、いったい、どう
いうことなのでしょうか。男性と女性とでは、どちらに瞬間湯沸かし器が多い
かは、わかりませんが、ご両親の話し合いが、きちんとできていないことに原
因があるようです。
またしても、志望理由になりますが、ここで、3年保育に在園中の受験の場合
を考えてみましょう。
「どうして、通っている幼稚園を変えてまで受験をするのか」、この理由がきち
んとできていないと、幼稚園側を説得することは不可能でしょう。
1年近く通い、園にもなれ、友達もでき、お子さん自身が作り上げた環境を、
親の一存で変えるわけですから、これは大変なことをするわけです。
「受験したが、ご縁がなかったので再挑戦」、「まだ心身ともに通園できるか不
安だったから」、「出産の予定」、「主人の転勤で」、などの場合は問題ないでしょ
うが、転園する理由に妥当性のあることがポイントになるでしょう。
例えば、「お子さんは、毎日、楽しく幼稚園へ行っていますか」などと質問され
たとき、どう答えますか。
こういった質問にも対応できる準備をしっかりしておくことが大切です。
季節の変わり目は、気温も不安定になりがちです。
お子さんの体調には十分気をつけてあげましょう。
(次回は、当日の心構えなどについてお話しましょう)
さわやかお受験のススメ<保護者編>第13章 七五三でしょうな 霜月(2)
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
「めぇでる教育研究所」発行
2020さわやかお受験のススメ<保護者編>
~紀元じぃの子育て春秋~
「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
豊かな心を培う賢い子どもの育て方
-第48号-
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
第13章 七五三ですね 霜月(2)
9月13日(金)の十五夜の満月をご覧になった方、10月11日(金)の十
三夜も見ておきたいものです。「両方見ないと縁起が悪い」と言われていたそう
ですが、これは江戸時代の遊里、吉原の客寄せのキャッチフレーズで、「両日と
もいらっしゃい!」が狙いだったとか。考えたものですね(笑)。
「箱根、仙石原のすすきが見頃」とネットに出ていましたが、お子さんに、満
月とすすき、日本の秋の風物詩を肌で感じさせたいものです。
★★むかし話と伝説の違い★★
孫引きで気が引けるのですが、「昔話と伝説」について、わかりやすい解説があ
りますので、紹介しましょう。
昔話と伝説には区分がある。
「昔、昔、あるところにお爺さんとお婆さんがいました」と始まるのは昔話の
ほうである。いつ、どこで、だれが……を特定していない。いつでも、どこで
も、だれでもかまわない。
そこへ行くと伝説のほうは、
「伊吹山と浅井岳は古くから高さを競い合っていたが、あるとき浅井岳が一
夜にして背を高くした。伊吹山の神タダミヒコはおおいに怒って浅井岳の神ア
サイヒメの首を斬った。首は琵琶湖に落ちて島となり、これが竹生島である」
といったぐあいに、まことしやかである。いつ、どこで、だれが、といった事
情がそれなりにはっきりとしている。とりわけ土地との結びつきが深い。どこ
で起きたことなのか具体的に記されている。
柳田國男 (1875-1962)の言葉を借りれば、
「伝説と昔話とはどう違うか。それに答えるならば、昔話は動物のごとく、伝
説は植物のようなものであります。昔話は方々をとび歩くから、どこに行って
も同じ姿を見かけることができますが、伝説はある一つの土地に根を生やして
いて、そうして常に成長してゆくのであります。雀や頬白(ほおじろ)はみな
同じ顔をしていますが、梅や椿は一本一本に枝ぶりが変わっているので見覚え
があります」(「日本の伝説」はしがき)
とあって、このたとえ話はわかりやすい。
伝説は土地との関わりにおいていろいろな枝葉をつけ、人々の願望を反映し
て成長していく。昔話はどこにでも移っていく。同じような話があちこちにあ
る。多少姿がちがっても「同じものだな」と見当がつく
(集英社文庫 「ものがたり風土記」P23 阿刀田 高 著 集英社 刊)
「さすが、柳田國男先生」などとおこがましい限りですが、「昔話は動物のごと
く、伝説は植物のようなものであります」の一言ですね。桜の名所を訪ねるの
も訳ありなのです。雀やほおじろ、どこにでも顔を出しているので、素直に納
得しています。
【十一月に読んであげたい本 (1)】
七五三は、親が子どもの健やかな成長を祈る日です。しかし、かけ過ぎる愛情
は、子どもの成長を妨げがちです。七五三は、親の子どもに対する愛情チェッ
クの節目ではないかと思います。子を思う親の素朴な愛情を描いた昔話は、心
があたたまります。
蛇というと、嫌われものの代名詞のようで、昔話でも悪役が多いのですが、こ
の話は違います。もともと蛇は、水の霊、水の神さまのお使いと信じられてい
ました。この話は、自然の恐ろしさと、お母さんの子を思う姿を伝えた話です
が、嫌われがちな蛇だからこそ、説得力があります。親子の愛情、特に母親の
見返りを求めない無償のほほ笑み的な子を思う心は、理屈を越えた素晴らしい
ものです。
しかし、今では、この親子の絆が壊れかけているような気がしてなりません。
ほとんどの場合、親に責任ありと考えます。「あなたのために、お母さんは…
…!」という言葉は、子どもにとって釈然としないものがあるのではないでし
ょうか。育児は、皆さんのご両親がそうであったように無償です。エゴ丸出し
のうとましい母性愛は、子ども達にも迷惑で、やがて嫌われるものではないで
しょうか。気持ちはわかるのですが……。
愛には、報われることを目標とするエロス的愛と、与えるだけで全くお返し
を期待しないアガペー的愛があることは言われているが、親でありながら、エ
ロス的愛しか持たぬものがけっこう多いのである。
(完本 戒老録 自らの救いのために P86 曽野綾子 著 祥伝社 刊)
「アガペーとエロス」、学生時代にキリスト教倫理学で習った記憶がありますが、
この年になってお目にかかるとは思いませんでした(笑)。
曽野さんは聖心女子大学出身の才媛で、キリスト教倫理に基づく数々の小説や
歯に衣を着せぬ評論で知られていますが、アフリカなどでのボランティア活動
を知れば、さもありなんと納得せざるを得ません。近著の「人間にとって成熟
とは何か」(幻冬舎 刊)は、50代に出会いたかった本の一冊で、悔しい限り
です。(残念)
現在、聖心女子学院には昭和46年に廃止したため幼稚園はありませんが、入
園した曽野さんは何かの随筆に、「私の時は、名前と年を聞かれただけでした」
と書かれていました。今、幼稚園があれば、とてもじゃありませんが、「名前と
年」だけでは済まないでしょう。学院は4・4・4制に移行し、中学受験はなく
なりました。
◆へびのよめさま◆ 丸山 邦子 著
むかし、あるところに、一人のお百姓さんが住んでいました。
ある時、子どもたちがいじめていた蛇を助けてあげると、その晩、美しい女
性が、一晩泊めてほしいと訪ねてきました。次の日、お百姓さんが仕事を終え
て帰ってくると、その美しい女性が食事の支度をしていたのです。そうこうし
ている内に夫婦になり、子どもができ、お産の時は見てはいけないと言われま
したが、心配のあまりのぞいたのです。すると、部屋の中には大きな蛇がいて、
とぐろの上に赤ん坊を乗せ、なめていたのです。
やがて、赤ん坊を抱いて出て来て、
「私は、助けてもらった蛇で恩返しに嫁になりましたが、姿を見られては、と
どまることは出来ません」と言い、赤ん坊が泣いたら、しゃぶらせてほしいと
美しい玉を渡すと、沼に姿を消したのです。赤ん坊は、玉をしゃぶり、健やか
に育ちました。
ところが、話を聞いた殿様は玉が欲しくなり、家来に言いつけて、取り上げ
てしまったのです。腹を空かせた赤ん坊は、泣きやみません。途方に暮れたお
百姓さんは、沼の淵で、ことの次第を話しました。すると、大きな蛇が、口に
玉をくわえて現れたのです。一つの目から血が流れ、もう一つの目は、ふさが
っていました。美しい玉は、蛇の片目だったのです。取られたのなら仕方ない
と、もう片方の目玉をくれたのでした。
しかし、この玉も殿様に奪われてしまうのです。
お百姓さんが、このことを告げると、蛇は怒り、
「子どもを連れて山へ逃げてください!」
と言ったので、お百姓さんは、子どもを背負って駆け出しました。頂上に着い
たとき、沼の水が盛り上がり、城に向かって流れ出したのです。恐ろしい力で
向かってくる水の力に、城は、ひとたまりもありません。みんな流されたその
後は、湖になってしまったのでした。
九月のはなし きのこのばけもの 松谷 みよ子/吉沢 和夫 監修
日本民話の会・編 国土社 刊
日常生活を快適に過ごすために、やってはいけないことを定め、それを破ると
破局を招く発想は、先に紹介しました「古事記」の上巻に、豊玉姫(トヨタマ
ヒメ)の出産をのぞいたことで離別する神話があります。姫の正体はふかでし
たが、その他にも、機を織る仕事場をのぞいてしまった「鶴の恩返し」や、魚や
貝が恩返しをする話などでよく知られています。「見ないでください」といわれ
ると見たくなるのは、「怖いもの見たさ」と同様、人間の悪しき性(さが)のよ
うですね。
これとよく似た話があります。
両目を失った蛇から、「私は盲目となってしまい、わが子の姿を見ることができ
なくなりました。三井寺の鐘を毎日ついて、子どもの無事を知らせてください。
年の暮れには、1年過ぎたことがわかるように、多くの鐘を撞いてください。
お返しに人々に幸運を授けましょう」という滋賀県の伝説「三井寺の晩鐘」で
す。以来、三井寺では、除夜の鐘に際し、多くの燈明を献じ、目玉餅を供え、
108に限らず、できるだけ多くの人に、できるだけ多く鐘を撞いてもらう特
別の儀式が行われています。(www.shiga-miidera.or.jpより)
余談になりますが、晩鐘というとジャン=フランソワ・ミレーの馬鈴薯畑で働
く農夫が、教会から流れる夕方のアンジェラスの鐘に合わせて祈りを捧げる名
画「晩鐘」があり、小学校6年生の頃、図工の先生が画集を持ってきては絵の
解説をしてくれたことを思い出します。「落ち穂拾い」「羊飼いの少女」と共に
忘れられない作品となりましたが、先生から「馬鈴薯はジャガ芋」、「アンジェ
ラスはラテン語でエンジェル」と教わり、言葉の響きが新鮮で今でも覚えてい
ます。おそらく、自分で解説書を読んだだけでは、このような印象を受けなか
ったのではないかと思います。そういったことからも音読は、非常に大切では
ないかと考え、小学生の子ども達に薦めています。井沢元彦氏の「言霊(こと
だま)の国・解体新書」(小学館文庫 刊)ではありませんが、言葉にも生命が
あるような気がしますね。万葉集をはじめ古今集などの歌集が今でも読まれて
いるのも、言霊が脈々と生き続けいる証(あかし)ではないでしょうか。
ところで、最近、落語を聞く機会がほとんどなくなりましたが、「寿限無(じゅ
げむ)」という噺があります。子どもがけんかをして、寿限無にぶたれた子が、
こぶを寿限無の親に見せるのですが、名前があまりにも長いために、文句をい
っているうちに、こぶがへこんでしまった噺です。名前の長さは、この話に出
てくる名前の五倍ほどあり、それをきちんと覚えている噺家さんは、すごい記
憶力だなと、子ども心にも感心させられたものです。
YouTubeで若き日の故立川談志師匠の「寿限無」を聞くことができます。
気持ちはわかるのですが、親の愛情が行き過ぎると、妙な具合になる話です。
名前は、一生の付き合いですから、あまりこったものでは、本人が大変です。
そういえば、「悪魔」という名前を、役所で受け付けなかった話がありましたね。
◆長い名まえ◆ 浜田 廣介 著
むかし、ある村外れに、「やぶん中」と呼ばれる家がありましたが、どうしたわ
けか、子どもが無事に育たず、3、4歳になると、あの世に行ってしまうので
す。ある年に、男の子が生まれ、心配したおじいさんは、長生きできるように、
長い名前をつけることにし、和尚さんにお願いしたのです。
つけた名前は、「一丁ぎりの丁ぎりの、丁丁ぎりの丁ぎりの、あの山こえて谷こ
えて、ちゃんばちゃく助、なんみょう長助」でした。これで、長生きできると、
おじいさんは安心して帰るのです。
ある日のこと、長助は川へ菖蒲をとりにいき、丸太の橋を渡ったときに、足を
滑らせ落ちてしまったのでした。友達は、おじいさんに知らせました。
「やぶん中のおじちゃん、大変だぁ。おじいちゃんちの、一丁ぎりの丁ぎりの、
丁丁ぎりの丁ぎりの、あの山こえて谷こえて、ちゃんばちゃく助、なんみょう
長助ちゃんが、落っこちたぁ、落っこちちゃったぁ、川ん中へ!」
声を聞いて、出てきたおじいちゃんは、
「おおい、子どもしゅう。一丁ぎりの丁ぎりの、丁丁ぎりの丁ぎりの、あの山こ
えて谷こえて、ちゃんばちゃく助、なんみょう長助が、どうしたって。どうし
たぁ?」
「川ん中へ落っこちたぁ!」
「そいつは、たいへん」
おじいさんは飛び出していき、近所の人も駆けつけ、間一髪のところで助かっ
たのでした。
世界民話の旅 9
日本の民話 浜田 廣介 著 さ・え・ら書房 刊
「長い名前で助かった」と思いたいのが人情ですね。原作では、井戸に落ちて
死んでしまうことになっているそうです。再話で命を救ったのは、作者、浜田
廣介の愛情ではないでしょうか。
私事でなんですが、名前を「紀元」(きげん)といいます。誕生日は昭和15年
2月11日で、今でいう「建国記念の日」でした。二月にお話しましたが、当時
は「紀元節」といい、日本の誕生した日を、日本書紀に記されている神武天皇が
即位されたといわれる年(西暦紀元前660年)を皇紀元年として、明治5年(1
872)に定めた祝日だったのです。しかも、昭和15年(1940)は、皇
紀二千六百年にあたり、時あたかも太平洋戦争の前の年でもあり、戦意高揚の
ためか、皇室礼賛のためかわかりませんが、「紀元二千六百年、ああ一億の胸が
なる!」と歌を歌い、提灯行列をし、全国的にお祝いをしたそうです。「紀元二
千六百年の二月十一日生まれで名前は紀元」ですから、畏れ多い名前であった
わけで、戦争に勝っていたら、名前負けをした非国民といわれたかもしれませ
ん。しかし、命名されても、名前負けをしない立派なものもあります。世界自
然遺産に登録され、椋鳩十の「片耳の大鹿」の舞台である屋久島にある杉の巨
木、推定樹齢3千年の「紀元杉」です。いつの日か訪ね、同名のよしみとしてご
対面したいものです。ちなみに縄文杉の推定樹齢は7千2百年で、世界最古の
植物といわれていますが、あくまでも推定で、本当のことはわからないようで
す。
ところで、世界の名機と言われたゼロ式艦上戦闘機「ゼロ戦」は紀元2600
年に開発され、年号の末尾のゼロを使い命名したそうで、宮崎駿監督最後の作
品「風立ちぬ」が上映されましたから、若い皆さん方にもおなじみになったの
ではないでしょうか。
ゼロ戦と聞くと特別攻撃隊、「特攻」のことを思い出します。私は国のために命
を捧げた純真な心には畏敬の念を抱いています。しかし、あまりにも人命を無
視した唾棄すべき史上最低の作戦であるため、涙なくして読めませんから読み
たくないのですが、250万部も売れていると聞き、百田尚樹氏の「永遠のゼロ」
を読み、これは若い人達に読んでもらいたいと思いました。小説にも絶対に謝
らない日本の為政者、職業軍人の幹部、高級官僚、マスコミに怒りをぶちまけ
ていますが、読み終わり感じたことは、「少しも変わっていないな」ということ
でした。先の大戦で300万人(戦場で230万人、原爆や空爆で70万人)の
命を失ったにもかかわらず、何もやってこなかった自分を棚に上げて何ですが、
むなしくなりましたね。(合掌)
最後に、今は秋祭りの最中ではないでしょうか。
ここ川越市でも、19(土)、20日(日)は、「川越まつり」でにぎわいます。大
江戸天下祭りを今に伝える歴史ある祭りで、十数台の山車(だし)が、蔵造り
の街に姿を表し、にぎやかなお囃子と愉快な踊りが見所です。出会った山車同
士が、互いに向き合い、独自の囃子と踊りを競う「曳(ひ)っかわせ」は、祭
りの醍醐味で、一見の価値があります。パソコンで「川越まつり」を検索する
と、その様子を見ることができます。ユネスコ無形文化遺産に登録され、今年
も一層の盛り上がりを見せるのではないでしょうか。
ところで、昨年のノーベル賞、本庶教授が医学生理学賞の受賞者に選ばれまし
たが、今年はどうでしょうか。メルマガが配信された頃にはわかるようです。
以前、お話しましたが、母国語、日本語で自然科学など殆どの分野を学べるの
は、奇跡に近いことです。それを支えているのが、漢字仮名交り文です。日本
語をしっかりと学ぶことが、いかに大切であるか、きちんと子ども達に教えた
いものです。他のアジアの国の人々は、英語などで書かれた本を読むことにな
り、外国語をマスターしなければ、専門書は読めないことになっているようで
す。
(次回は、「11月に読んであげたい本(2)と最終回にあたり」についてお
話ししましょう)
<<前のページへ|1|2
« 2019年9月 | メインページ | アーカイブ | 2019年11月 »