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めぇでるコラム : 2017年5月 2ページ目
さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>名門幼稚園の保育方針 私立幼稚園編(8)
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「めぇでる教育研究所」発行
「2018さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
第26号
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私立幼稚園編(8)
ここで紹介する情報は、私が説明会や過去のホームページから得たものが中心
になっており、説明会、見学会、募集人員に関する情報は、平成29年度(平
成28年秋実施)のものであることをお断りしておきます。本年度の情報は、
各園のホームページをご覧ください。
光塩女子学院幼稚園
本園は、幼稚園から高等科までの一貫教育校ですが、すべてが同じ敷地内にあ
るのではなく、幼稚園は少し離れた中野駅寄りにある珍しいロケーションにな
っています。
また、在園児数、200名を超える大きな幼稚園で、男の子もいますが、併設
校は女子だけですから女の子が多く、初等科への進学は、内部試験による選考
となっています。
選考にもれた場合は、一般の児童と入学試験を受けることになります。
設立母体は、13世紀にスペインを発祥地として、世界各地に広がったカトリ
ック・メルセス宣教修道会です。今世紀に、マドレ・マルガリタ修道女により
宣教会に改められ、以来、今日に至るまで、常に社会の必要にこたえて貢献す
るための活動を続け、日本における教育活動の場として、高円寺に設立された
学園です。
【教育目標】
キリスト教的世界観を土台とした、自己に厳しく他人にやさしい人間を養い、
校名の由来ともなる「世の光、地の塩として社会に貢献できる」人間形成を、
幼児期から培う
ことを目的としています。
また、自主性に富み、正しい判断力、強い意志力、自己の行為に責任を持ち、
しかも情緒豊かな感謝の心を持ち温かい円満な人間として育つよう、幼稚園
と家庭が一体となって努力しています。
■ 日常生活の中でのけじめ、しつけを心がける。
■ 宗教・祈りを通して敬愛の心、感謝の心を、はぐくむ。
■ 宗教的な視野と自他に対しての理解を深めるため、“愛と奉仕”の実践の
機会を持つ。
光塩女子学院の校名の由来である「あなたたちは世の光である、あなたたちは
地の塩である」については、初等科の教育理念がわかりやすいので紹介しまし
ょう。
(中略)人間は惜しみなく自己を他人に開くことができたときに、本当の自分
に成長する真理を私たちの校名に刻みました。すなわち、ろうそくの、自ら燃
えて他を照らし、塩の、自ら溶けて味をつけるように、本物の愛に生かされた、
成熟した女性に育つこと、ここに光塩の理念があります。
ろうそくは、己自身を燃やして周りに灯りをともし、塩は、料理など目に見え
ないところで効果を上げ、腐敗を防ぐ、人間の生活に欠くことのできない調味
料であり、防腐剤です。ろうそくや塩のように、他のものを生かしながら、自
らの使命を全うすること、これが本学院の基本的な教育理念です。
【保育の特色と内容】
明るく素直に
生き生きと伸びる
心豊かにたくましく
キリスト教世界観に基づき、かけがえのない子ども一人ひとりの心身の成長を
大切にします。一人ひとりの成長に必要なものを見つけ、園全体で丁寧で細や
かな保育をめざしています。
◇感謝の心、思いやりの心を育てる
集団生活の中で、様々な経験を通し、自分だけでなく他の人を思いやる気持ち
や感謝の心を育てます。
◇伸び伸びと遊べる環境
広い園庭での外遊びの機会を積極的に取り入れ、夏には裸足で水遊びや砂遊び
を思い切り楽しみます。また、年長組では、集団ならではの遊び(鬼ごっこ、
大縄跳び、ドッジボールなど)を経験します。
様々な年齢の友達と交わる縦割りの保育や、男児だけで集まりを楽しむ機会も
取り入れています。男女共学です。
(筆者注: 女子だけではないことを強調しているところが面白いですね)
◇ けじめのある生活
一斉保育と自由遊びをバランスよく取り入れ、話を聞くときは聞く、遊ぶとき
は遊ぶ、けじめのある生活を大切にします。
◇ 自分から挨拶のできる子ども
すすんで挨拶ができるように、園全体で気持ちの良い挨拶を交わすようにして
います。発達年齢に応じて、良いこと悪いことへの判断力を培い、「ありがと
う」「ごめんなさい」「はい」「いいえ」が言葉と行動で表せるよう家庭と協
力していきます。
◇ 専門講師による指導
体操教室、歌唱指導、英語、宗教(神さまのお話)
サッカー教室(課外活動 週1回)など。
◇預かり保育
1.保育終了~16時迄。
2.保護者の就労、通院、介護などの理由のある場合は18時迄。
普通、遊戯会や運動会などの練習以外は、一斉に何かやる機会は少ないのです
が、自由保育と一斉保育の組み合わせ、いいですね。「何でもありの自由保育」
と誤解すると、入園できません。また、ボランティア活動として、キリスト教
世界観に基づき、世界中の様々な国のためにと、年間を通し、エコキャップ活
動、チャリティ―バザー、島田療育センター(障害者施設)への奉仕活動、子
ども達も、世界中の様々な環境にある人々を考える機会でもあるクリスマス献
金に取り組んでいます。
説明会の他に、園庭開放(おひさまキッズ)も行われています。いずれも予約
は不要ですが、上履きと靴を入れる袋が必要です。
また、未就園児を対象とした、2歳児、3歳児クラス「そら組」、満3歳児保
育「ことり組」がありますが、いずれも、詳しくはホームページをご覧くださ
い。
【募集人員】 一次 男女児 約120名 (3年保育、2年保育含む)
二次 男女児 若干名(3年保育、2年保育、1年保育含む)
【入園説明会】
平成29年 5月19日(金) 午前9時30分~1時間程度
6月15日(木) 午前9時30分~1時間程度
9月 5日(木) 午前9時30分~1時間程度
事前予約必要なし 上履きと外靴持参
お子様はなるべくお連れにならないでの条件で実施。
平成30年 2月7日(水)
ことり組・そら組 午後13時30分~午後14時10分
お子様連れでも参加可能
【園庭解放】 自由に園内を見学可能。本年度の日程はホームページをご覧く
ださい。
【Q&A コーナー】はありません。
(平成29年5月1日現在のホームページより転載)
聖学院幼稚園
小学校の正門から入ると、広い運動場の左側に園舎と緑の木々に囲まれた園庭
が、右側には中学、高校の校舎があり、シンボルでもある時計台が目に入りま
す。平成24年12月に完成した耐震力の優れた新しい園舎は、室内も広く、
明るく、のびのびと遊ぶ子ども達の姿が印象的でした。
聖学院は、幼稚園から大学まで、プロテスタント派のキリスト教に基づく教育
を行う総合学園です。
本園は、1912年(明治45年)、アメリカのディサイプルス派の宣教師、
ミセス・プレースによって中里幼稚園として創立され、1940年(昭和15
年)、女子聖学院付属幼稚園になりましたが、戦争のため1944年(昭和
19年)11月に閉園。
その後、1949年(昭和24年)4月、宣教師、ミセス・ヘンドリックスに
より再開され、1966年(昭和41年)に聖学院幼稚園と改称され、今日ま
で、いつの時代にも変わらず、子どもの人権を尊重した保育を続けています。
◇教育方針
「神を仰ぎ、人に仕える」の精神のもと、子どもたちが謙虚な心で神を礼拝し、
生命の尊さを知り、感謝と奉仕の心を持てるように願っています。
集団の中で、「遊び」と「ことば」を大切に、発育段階に応じた保育を行い、
一人ひとりの個性と能力を伸ばし、元気な子どもになるように心掛けています。
「よく遊ぶ よく祈る」
*こころを育てる保育を
*他者を思いやるということ
集団の中での「遊び」とは、遊びながら、先生や友達との関わりを持ち、さま
ざまなことを体験させることでしょう。もちろん、自発性を培う一人遊びも必
要ですが、これから始まる集団生活をスムーズに過ごすためには、やはり、自
分でしなければならない基本的な生活習慣を身につけるために、頑張る子に育
てたいものです。
集団の中での「ことば」とは、毎日の生活を通して、自分で思ったことや感じ
たことを、自分の言葉で、どのように相手に伝えるか、その表現の仕方でしょ
う。幼児は、ちょっとしたいさかいからでも、たくさんのことを学習していま
す。自分で体験することが、何といっても大切で、そういった保育の方針が伝
わってきます。
「よく遊び よく祈る」の「祈る」について、ホームページで園長はこうおっ
しゃっています。
「祈るということは、自分のためにするのではありません。
病気やけがで休んでいる子がいたら、子どもたちはその子の回復のために祈り
ます。
また災害のニュースを知ったときには、被災された方々のために祈ります。も
ちろん、東日本大震災以降、被災された方々、また愛する者を失うなど、いま
だ悲しみの中にいる方々のための祈りは今も続いています。
子どもたちは他者のために祈ることによって、人を思いやる気持ちが育つので
す」
「祈ることによって、人を思いやる気持ちが育つ」、耳の痛い言葉ですね。
「赤いろうそくと人魚」などで親しまれている童話作家、小川未明の作品に、
信仰とは何かを考えさせられる「頭を下げなかった少年」があります。「無心
に祈る」のは、見返りを期待しない幼子にしかできないことで、「自分に都合
よく作りあげた神は大人の幻想に過ぎない」などと、いい加減な解釈で信者の
方から怒られそうですが、一度は読んでおきたい名作の一つです。頭を下げな
かった少年に、神様はいきな計らいをするラストがさわやかです。
かつて、ホームページの「先生のことば」の中に、次のようなメッセージが入
っていましたので、その一部を紹介しましょう。
「(前略) さて、幼稚園に入り、友達付き合いが始まると、今まで以上に今
日あったことなどを、お母様にお子さんが話される場面が多くなると思います。
そんな時どんなに忙しくても、話がまだるっこくても、是非、ゆっくり聞いて
あげてほしいと思います。
そして、できるだけ、「よくお話しできたわね」などと褒めてあげてほしいと
思います。(中略)私たちは、忙しい毎日の中で(中略)イエス様が言われた
ように、その時にあって最善の行動とは、何かを考えなければならないのだと
思います。
子どもの話をゆっくり聞いてあげる、これもその時の最優先かも知れません」
「ママ、あのね!」と子ども達がいったときには、必ず、耳を傾ける、やさし
いお母さんになってあげましょう。
なお、2018年度入試の公開保育、体験入園(要予約)、説明会の日程は、
既に発表されています。詳しくはホームページを、「預かり保育」については、
Q&Aコーナーをご覧ください。
【募集人員】 3年保育: 約40名 2年保育: 約10名
【Q&A コーナー】
Q クリスチャンでないと入園できませんか?
A 入園に際して、クリスチャンであるかどうかは関係ありません。本園がキ
リスト教保育を行っていることを理解していただきたいと思います。
毎日短い時間ですが讃美歌を歌いお祈りの時を持ちます。その他「母の日礼拝」
「収穫感謝礼拝」「クリスマス礼拝」などの特別礼拝の他、毎月の誕生日にも
神様にいただいた命に感謝し礼拝を守ります。
(「入園をお考えの方 キリスト教保育について」より))
Q 預かり保育はありますか?
A はい、あります。在園児を対象に週4回預かり保育を実施しています。
(有料・3才児は2学期から) 原則として月・火・木・金の週4回(保育終
了~17:00)。休園日(長期休暇を含む)には実施しておりません。また
行事等で実施できない場合があります。
Q 保育時間について教えてください。
A 月曜から金曜の平日に保育を行います。水曜は午前保育、土曜は原則お休
みです。
年 少 9:00~13:40 (水 11:20まで)
年 中 9:00~13:50 (水 11:30まで)
年 長 9:00~14:00 (水 11:40まで)
※月・火・木・金の週4回(保育終了~17:00まで)預かり保育を実施し
ています。
Q 給食はありますか?
A はい、あります。月曜と金曜の週2回です。食育の観点から、安全安心の
食材を使い、栄養バランスにも細心の配慮をしています。
Q 制服はありますか?
A 服装は原則自由です。(園帽と体操着は指定) 当園の教育理念である
「よく遊ぶ」に適した動きやすい恰好であれば、清潔で着なれたもの、お気に
入りのものが一番です。画一性よりもお子さんの自発性、個性を大切にしたい
と考えます。
Q 職員構成について教えてください。
A 園長・チャプレン・主幹・幼稚園教諭10名
音楽、英語、ハンドベルの専任教師、警備員、事務職員
Q 小学校進学について教えてください。
A 聖学院小学校への推薦制度があります。毎年6~7割程度の園児がこの制
度を利用して進学しています。
(平成29年5月1日現在のホームページより転載)
(次回は、立教女学院短期大学附属幼稚園天使園、川村幼稚園についてお話し
ましょう)
さわやかお受験のススメ<保護者編>第7章(3) 端午の節句です
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「めぇでる教育研究所」発行
2018さわやかお受験のススメ<保護者編>
~紀元じぃの子育て春秋~
「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
豊かな心を培う賢い子どもの育て方
-第26号-
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第7章(3)端午の節句です
★★竜とドラゴンは、どこが違うのかな★★
「先生、竜って、どこにいるのかな?」
映画「ジュラシックパーク」を見てきた子どもが、こう質問したものです。絶
滅したはずの恐竜が動き回っているのですから、不思議に思ったのでしょう。
怪獣ゴジラにキングギドラが戦いを挑んだときも、同じような質問を受けまし
た。人間の脳は、動くものを見ることで刺激を受け、新しい思考が始まるよう
です。空想の怪獣が動くことで、新しい疑問を感じるのでしょう。
竜といえば、芥川龍之介の小説「龍」や、上野の不忍池に、夜な夜な水を飲み
に現れたという名工、左甚五郎の彫った「龍」などから、名前には親近感があ
りますが、存在感はありません。困ったとき、頼りになるのは広辞苑、私には
心強い味方です。
それによると、「竜は、インド神話で蛇を神格化した人面蛇身の半神、中国で
は神霊視される鱗虫(蛇などうろこのある虫)の長」であり、その姿は、多国
籍軍のような寄せ集めとはいいませんが、ものすごく複雑なのです。
「頭はラクダ、角は鹿、眼は兎、耳は牛、うなじ(首筋)は蛇、うろこは鯉、
爪は鷹、手のひらは虎に、それぞれ似ている」
といわれているようです。これだけ集まれば、さて、どのような性格になるの
でしょうか、想像もつきません。棲息地は人里離れた、何やら訳ありの深い淵。
しかも、水の中で、おとなしくしているだけではありません。空さえ飛んでみ
せ、天にも昇ります。昇天の際には、雲を起こし、雨を呼び、強風を吹かせて、
稲妻を光らせ、雷まで響かせる、いかにも不思議な存在です。
そのせいでしょうか、竜を使った四字熟語には、威勢のよい、縁起のよいもの
がたくさんあります。
新明解「四字熟語辞典」によると、
「竜章鳳姿」は、威厳に満ちた立派な容姿、
「竜躍雲津」は、竜が空高く舞い上がり、銀河まで昇っていくように出世すること、
「龍虎相搏(そうはく)」「龍虎あいうつ」でおなじみの強いもの同士が戦うこと、
「竜象之力」は、水中の竜や陸上の象のように、他に突出した力のことを表します。
もっとも、「竜頭蛇尾」と、初めは勢いもよいのですが、終わりの方ではふる
わなくなる竜もいるようです。
幕末の志士といえば、忘れられないのが坂本龍馬ですが、その龍馬にふさわし
い故事があります。「竜馬(りゅうめ)の躓(つまず)き」、竜馬は足の速い
駿馬のことですが、駿馬でも何かのはずみで躓くことがあるという意味で、類
似語は「猿も木から落ちる」です。回天寸前に暗殺された龍馬、まさに「竜馬
の躓き」で、歴史は、非凡な人間に嫉妬するかのように、非情な運命を背負わ
すものですね。ちなみに英語では、
“A horse may stumble though he has four legs”
「4本足の馬も時には転ぶ」だそうです。(「故事ことわざ辞典」より)
また、「逆鱗(げきりん)」ということばがありますが、この「鱗(うろこ)」
は、竜のあごの下に逆さまに生えるもので、これに触れると竜は怒り狂うとい
われ、中国の古典「韓非子」に、天子(国を治める者)を竜にたとえ、天子か
ら激しい怒りをかうことを「逆鱗に触れる」と記されています。
しかし、東洋では、姿形からして何やら憎みきれない善玉的存在です。日本で
は、「竜神様」といい立派な神さまですし、「辰」として干支にも入っていま
す。「独眼竜」といえば、おなじみの武将、伊達政宗です。
ところが、西洋になると、一変して悪玉となるから面白いですね。ドラゴンで
表す西洋の竜は、悪の化身です。聖書の「黙示録」に、「年を経た蛇」として
登場します。そういえば、禁断の木の実を食べさせようと誘ったのは、蛇でし
た。このドラゴンを退治するために、英雄が登場します。これでは完全な悪役
に徹することになるのですが、竜が「宝の守護者」としての伝説があるのです
から、やはり、摩訶不思議な伝説上の産物なんですね。
楽しい童話があります。竜に会いたいと願っていた子どもが、会えたばかりか
竜を感激させ、その背中にのって空を飛ぶ、浜田広介の「竜の目に涙」です。
我が子が幼稚園時代に、夢中になってみていたテレビマンガ「日本昔話」のタ
イトルに、竜に乗った子どもが出てきた記憶があります。以前にも紹介しまし
た「泣いた赤鬼」とともに読んであげたい本です。
★★五月五日は、母の日ですって…!?★★
「エッ、ウッソー!」と、いいたくなるでしょうが、嘘ではありません、本当
の話です。
昭和23年(1948)7月20日発布の法律第一七八号、国民の祝日に関す
る法律(祝日法)には、「子どもの人格を重んじ、子どもの幸福をはかるとと
もに、母に感謝する日」と定められている。
(年中行事を「科学」する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P100)
つまり、子どもの日は「法律的には母に感謝する日」でもあるのです。
「それでは、どうして、五月の第二日曜日が母の日で、カーネーションを贈る
ようになったのですか?」当然の疑問です、以下のような経緯があったのです。
アメリカのウエストヴァージニアの教会に、ミス・ジャービスという女教師が
いて、日曜学校の説教のとき、モーセの十戒の一つ「汝の父母を敬え」の章の
解説に「母の恩の深いことを人に悟らせる方法を考えよ」と教えていた。
彼女が亡くなり、その追悼式が命日に行われたとき、一人娘のアンナ・ジャー
ビスは、母が好きだったという白いカーネーションを母に捧げることで母の教
えを伝えていこうと思い、信者たちに白いカーネーションを配った。信者たち
はそれを胸に飾り、教えの通り母への感謝を示したのである。
この話を聞いたデパート経営者ジョン・ワナメーカーが、1908年5月の第
二日曜日に母を讃える記念会を催して、アンナの話を人々に伝えた。これがレ
ディー・ファーストの国アメリカで大反響を呼び、1914年に、議会の決議
を経て、ウィルソン大統領により国民の祝日として、5月の第二日曜日を「母
の日」と決めたのである。
(年中行事を「科学」する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊
P100-101)
カーネーションの花言葉は「母の愛情」です。これも当然ながら意味がありま
す。
カーネーションは、十字架にかけられたキリストを見送った聖母マリアが落と
した涙のあとに生じた可憐な花ともいわれ、母性愛の象徴となった。そしてそ
れはキリストの復活につながり、復活したキリストと共に生まれた花として、
愛と喜びのシンボルとなった。白いカーネーションは生前のキリストとマリア
の涙、赤いカーネーションは復活したキリストである。
(年中行事を「科学」する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P102)
バレンタインデーのチョコレートはチョコレート屋さん、母の日のカーネーシ
ョンは花屋さん、クリスマスのデコレーション・ケーキはお菓子屋さんの企み
という感じがしますが、発案者のアンナさんは、こういった商業化、コマーシ
ャリズムには反対で、心を痛めていたそうです。
★★花言葉★★
花言葉に関しては、お母さんの方が詳しいのではないでしょうか。母の日のカ
ーネーションにちなみ、年中行事に関係のある花を選んでみました。
冬(12月-2月)
[そば]懐かしい思い出 ◆(そばののど越しと香りがわかります)
[松]不老長寿 同情 慈悲
[竹]節度 節操のある
[梅]高潔 上品 忍耐 忠実 独立 厳しい美しさ あでやかさ 気品
[裏白]無限に ◆(縁起物の門松と鏡餅だけに納得できます)
[ゆず]温情 太平 ◆(鏡餅の存在を暗示しています)
[福寿草]幸福 幸せを招く 永久の幸福 回想 思い出 悲しき思い出
[椿]幸福 謙遜(赤)気取らない美しさ 控えめな愛
(白)申し分ない愛らしさ 理想的な愛情 冷ややかな美しさ
[せり]清廉潔白 ◆(せりのおひたしは、まさにこの味です)
[ナズナ]すべてを捧げます
[御形(母子草)]いつも思う 優しい人 永遠の思い
「はこべら」 ランデブー 愛らしさ
[仏の座]調和 輝く心
[すずな]助け
[すずしろ]潔白 ◆(以上は春の七草です)
[大豆]親睦 ◆(鬼と親睦を図るわけではありません)
[ひいらぎ]機知 先見 用心
春(3月-5月)
[桃]天下無敵 チャーミング(花、しだれ桃)私はあなたのとりこ(実)愛嬌
[橘]純潔 ◆(お雛様は天下無敵と純潔に守られています)
[よもぎ]幸福 平和
[菜の花]快活な愛 小さな幸せ
[桜]純潔 精神美 淡白 ◆(かつて日本民族の矜持、プライドでした!)
[しょうぶ]やさしい心 忍耐 あなたを信じる
[柏]勇敢 独立 自由
[栴檀]意見の相違
[タンポポ]前途洋々 威厳 ◆(全く逆の花言葉もあります)
[チューリップ] 博愛 名声(黄) 実らぬ恋(紫) 不滅の愛(白)
長く待ちました(斑入り) 美しい目
夏(6月-8月)
[あじさい]移り気 高慢 辛抱強い愛情 元気な女 無情
[朝顔]愛情 愛情の絆 平静 結束 短い愛
[ひまわり]私の目はあなただけを見つめる 憧れ 崇拝 熱愛 光輝 愛慕
[笹]ささやかな幸せ ◆(「ささやか」、響きのいい言葉ですね)
[なす]よい語らい 優美 希望
[きゅうり]しゃれ ◆(……!)
[ほおずき]いつわり ぎまん ◆(漢字で書くと[鬼灯/酸漿]です)
秋(9月-11月)
[萩]思い 思案 柔軟な精神
[すすき(尾花)]活力 心が通じる 永久 忍耐
[葛]治療
[女郎花]親切 美人 はかない恋 永久 忍耐
[撫子]永遠の愛情 純愛
[藤袴]ためらい 思いやり
[桔梗]変わらぬ恋 従順 ◆(秋の七草)
[秋桜(コスモス)]乙女の真心 乙女の愛情(ピンク) 少女の純愛(赤)
調和(白) 美麗 純潔 誠実
[菊]ろうたけた愛 わずかな愛(黄) 真実 誠実(白)
私を信頼してください(濃色)
[葉鶏頭]情愛 見栄坊 ◆(ケイトウというあだ名の友人がいましたが、納得!)
[彼岸花]悲しい思い出 情熱 独立 再会 あきらめ
[しゅうかいどう]片思い
[赤飯]節操 粋 健康 あなたのために役立ちたい
[白粉花]あなたを思う 内気、臆病 ◆(新 秋の七草)
[榊]不明(やはり、神さまに似合うのはこれでしょう 花言葉 北斗 多一郎)
◆([不明]なのではなく、[不明]が花言葉です)
[栗]真心 豪華 満足
「さつま芋」乙女の純真 ◆(可憐な花です)
花言葉はたくさんあり選択に迷いましたが、ここでは花言葉のいわれを紹介す
るのではありませんから、年中行事に関係のあるものから選んでみました。掲
載した花言葉は、すべて「Yahoo! Japan」から検索したものです。「和紙つれ
づれ花言葉」は、出典を明らかにした親切な作品になっていましたが、検索し
たところヒットしませんでしたので、今回は「花言葉由来 hananokotoba.com/」
にもお世話になりました。
かつて、花を傘で切り倒す事件がありましたが、花に八つ当たりして、何かが
解決したのでしょうか。私たちが困難に立ち向かうときに、花や小動物が、い
かに勇気を与えてくれるか、体験したことがないのでしょうね。残念でなりま
せん。
余談になりますが、ご家庭での受験準備、いかがでしょうか。
先日、「おじいちゃん、かぶと虫を折ってください!」と孫からリクエストが
あり、これが難しくてパソコン相手に苦戦しています。第24号でもお話しし
ましたが、折り方の解説、難しいですね。わかっている人には簡単なのでしょ
うが、うまく折れません。
これは皆さんがやっている家庭学習でも同じことがいえるのではないでしょう
か。お子さんが「わかんない!」といったときは、本当にわからないのです。
「わかった!」と笑顔でいってくれるまで頑張る、賢いお母さんになってあげ
ましょう。
なかなか、完成図のようにならずにイライラしますが、孫の期待に背くわけに
もいかず、頑張らざるを得ません(笑)。
(次回は、「五月に読んであげたい本」についてお話しましょう)
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