月別 アーカイブ

HOME > めぇでるコラム > アーカイブ > 2016年6月 > 2ページ目

めぇでるコラム : 2016年6月 2ページ目

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>面接ケース・スタディー 2

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
         「めぇでる教育研究所」発行
   「2017さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第31
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
 
面接 ケース・スタディー編 (2)
 「あれっ、あの人………?」
 
何が起こるかわからないのが、幼児の世界です。
今まで静かに待っていたユミちゃんは、係りの先生が呼びに来たので、立ち上
がりました。
面接室の前まで来たのですが、中をのぞいたところで、急に、お母さんの後ろ
に隠れてしまったのです。
何が起きたのでしょうか。
 
「幼稚園の先生とお話しをするだけだから、こっちへ出てきなさい!」
お母さんが、振り返るなり、ユミちゃんの手を強く引っ張ったのです。 
いやいやをしながら、今にも泣き出さんばかりです。
困ったことに、面接をする先生方からは、よく見える位置でした。
 
「パパと手をつないでいこうね!」
この一言で、先生方の前まで進みましたが、心は不安で、いっぱいです。
見かねた先生が、
「今日は、ユミちゃんですね!」
と声をかけてくれたのですが、返事をしたユミちゃんの声は、当然のごとく、
小さく、かぼそかったのです。
それこそ消え入るような声でいえたのがやっとでした。
「大きな声で答えなければ、先生方に聞こえないでしょう!」
きつい追い打ちです、何を考えているのでしょうか。
 
このような事態になったのは、実は、ユミちゃんがシスターを見るのは、初め
てだったからです。
それで、びっくりしてしまったのでした。
よく聞く話です。
気配りが足りません、あまりにも不用意ではないでしょうか。
 
入園説明会などは、
「小さなお子さんをお連れにならないでください」
といっていますし、普段、園内には入れません。
しかし、いくらでも方法はあります。
外からの見学は自由ですから、降園時などに行ってみましょう。
 
「一人っ子で、私が余りにも手をかけ過ぎたせいでしょう、初めての人と会った
り、初めてのところへ行くと、すっごく、用心深くなるんです。主人も『見せて
おいたほうがいいよ』と心配し、それで、受験する幼稚園の周りを何回も散歩と
かにぃ、出かけました。
ある時、シスターが出てこられたのです。
娘は、予想通り、私の後ろに隠れ、スカートを力いっぱい握りしめているんです。
私は、『こんなチャンスはないわ!』と自分にいい聞かせ、意を決し、
『今日は!』
と、あいさつしました。
すると、シスターもあいさつしてくださったばかりか、娘に向かって、
『今日は、お嬢さん!』
と言葉をかけてくれたのです。
小さな声でしたが、娘もあいさつでき、力が入っていたスカートを握る手もゆる
み、
『ママ、だあれ?』
と聞かれ、私の説明に納得し、うなずいていました。
面接が終わったあとで、
『ママ、この間の、おばちゃまですよね?』
といった程度の認識なんですが、やはり、見せておいてといっては失礼ですが、
よかったと思います」
 
この気配りです。
シスターには悪いのですが、見たことのない子には、奇妙な感じを与えないでし
ょうか。
怒られそうですが、映画で見るようなシスターとは違いますし、普段、見慣れて
いないはずだからです。
当日が本番では、ユミちゃんのようになりかねません。
しかし、お母さん、「すっごく」や「散歩とかにぃ………」は、もう卒業しまし
ょう、お子さんのためですよ。
 
また、幼児の初体験は、大人の想像を遥かに越えた大変なものです。
たとえば、園舎です。
校舎に比べれば小さい建物ですが、それでも幼児にとっては、相当、大きく見え
ます。
それだけで、萎縮してしまうのが子どもです。
見慣れておくことも大切ではないでしょうか。
できれば試験前に、お父さんにはひげをそってもらい、当日、着ていくだろうス
ーツを着、3人で出かけておきましょう。
初めての場所は、大人でも緊張しがちだからです。
 
まだ、あります。
入試当日は、大勢の親子が集まります。
お子さんは、そんな体験をしていないはずです。
「どうなっているのだろう?」
ほとんどの子は、驚いています。
「ママ、帰る!」
こういう子もいるそうです。
びっくりして、感情の揺れ動く気持ちを、しっかりと理解しておきましょう。
 
ましてや、動揺しているわが子に、
「聞こえないでしょう!」
と追い打ちをかけるようでは、母親、いや、保護者としていかがなものでしょうか。
私は、その資格なしだと思います。
見ているシスターの心も、おそらく怒りでふるえていたはずです。
こういう無神経な母親には、試験を受けてもらいたくないでしょうね。
合格するはずはありません。
 
幼い子どもの、微妙な心のざわめきを察知できないようでは、保護者とはいえませ
ん。
幼稚園の受験の難しいことを、しっかりと心に刻んでいただきたいと思います。
 
「関東地方も梅雨入りしたとみられます」と何やら頼りない宣言ですが、昨年より
2日遅く、平年より3日早いそうです。北海道で雪が降ったり、関東地方も冷え込
み、日光では霜が降りました。気温の差が激しくなりがちな季節です。お子さんの
健康管理には、充分に気をつけてあげましょう。
(次回は、面接ケース・スタディー編 3についてお話しましょう)
 

さわやかお受験のススメ<保護者編>第8章(4)何にもないのかな【六月に読んであげたい本】

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
         「めぇでる教育研究所」発行
     2017さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第31号-
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

	
 
第八章 (4) 何にもないのかな
【六月に読んであげたい本】
 
大和くん、無事、発見!
ある精神科の先生が、「今はボーッとしているからいいが、これからのケアが
大切」とおっしゃっていましたが、6日間の想像を絶する体験(私個人の見解)、
大和くんの心が壊れないだろうか。トラウマにならなければ、余計な心配かも
しれませんね。強そうだから。後出しじゃんけんのようで気が引けますが。
 
梅雨というと、三題噺(お客さんから3つの題を出させ即座に一席の落語とす
るもの)ではありませんが、「あじさい、かたつむり、かえる」です。しかし、
最近、かたつむりやかえるはどこに行きましたかね、見かけなくなりました。
洋食が苦手な私ですが、後学のため食べましたエスカルゴ、美味しかったです
が、「梅雨が来たから食べるか」とはなりませんで、わずか1回だけでした(笑)。
 
かえると雨、これにも、おかしな因果関係があるようです。おもしろい話があ
ります。これから紹介する「かえるの親子」、人間の親子関係にもいえそうで
す。
過保護な母親に育てられたわがままな子が、少子化に加え核家族化も進む中で
増えているようです。一人っ子では、何が過保護なのかわからないのかも知れ
ません。しかし、やがて子どもは、一人で生きていかなければならない、“頼
れるのは自分だけ”の生活が待っていることを、親は忘れてはならないでしょ
う。
 
自己中で、他人との関わりがうまくできない若者が増えています。
最近の脳科学者の話では、自己抑制力の臨界期は3歳まで、協調性や社会性の
臨界期は12歳までといわれているようです。臨界期とは、その時期を過ぎる
と、ある行動の学習が身につかなくなる限界の時期をいい、モンテッソーリの
もっとも盛んに活動し成長する時期、敏感期と同じであると考えればわかりや
すいと思います。言葉の敏感期を過ぎると、真偽は定かではないそうですが、
インドの狼少女のように、人は言葉を話せなくなります。
誤解を恐れずにいえば、3歳は自立の始まる時期、幼稚園は自律心を養い、社
会性や協調性といった集団生活への適応力の基礎を築く時期、6年間の小学校
生活は、それらをきちんと身につける大切な時期です。
幼児期から小学校時代に、人としての配線図は、組み立ててしまわれるわけで
すね。「三つ子の魂、百まで」「鉄は熱い内に打て」、先人の教えには、無駄
がありません。「鉄は熱い内に打て」は、英語の
“Strike while the irons hot”
を訳したことわざだそうです。(「故事ことわざ辞典」より)
 ※マリア・モンテッソーリ
 イタリア、ローマの精神病院で働いていた女医。知的障害児へ感覚教育を実
 施し、知的水準を上げる効果を見せ、1907年に貧困層の健常児を対象に
 した保育施設「子どもの家」で独特の教育法を完成させた。モンテッソーリ
 教育の行われる施設を「子どもの家」と呼ぶようになった。
 (ウィキペディア フリー百科事典より)
 
◆あまがえる不孝◆   八百板 洋子 著
むかし、かえるの親子がいました。母さんがえるは、子どもをかわいがったの
ですが、子がえるは、親のいうことを聞きません。母さんがえるが、右に行こ
うというと左に行くし、山に登ろうというと川にもぐり、暑い日というと寒い
日と逆らうのです。
ある日のこと、母さんがえるは、重い病気にかかりました。助からないとあき
らめた母さんがえるは、墓だけは、日のよく当たる、山の上に作ってほしいと
思ったのですが、何事にも逆らう子がえるのことです。山に埋めてほしいとい
えば、川のそばに埋めるに違いありません。
考えた母がえるは、
「私が死んだら、川のそばに埋めるのだよ」
といって、息をひきとったのでした。母さんがいなくなると、子がえるは、逆
らってばかりいたことを後悔し、反省して、川のそばにお墓を作ったのです。
雨が降れば川の水も増え、お墓は流されそうになります。心配な子がえるは、
雨が降るたびに、お墓が流れないようにと、今でも鳴いているのだそうです。
 六月の話  あまがえる不孝 松谷 みよ子/吉沢 和夫 監修
       日本民話の会・編 国土社 刊 
 
親不孝な動物話の典型ですが、中国や朝鮮にも同じ話があることから、大陸か
ら半島を経て伝わったものと考えられます。まさしく日本は、文化の吹き溜ま
りですが、しかし、自国流にアレンジし、生活の中に取り込んでしまう知恵を、
我がご先祖は、身につけていたようです。 
 
  青蛙 おのれもペンキ ぬりたてか  芥川龍之介
 
こういった情景に出会うのは、もう、無理かもしれませんね。
 
霧雨が似合うあじさい、咲いているうちに色が変わることから「あじさいの七
変化」といわれ、花言葉では「移り気」「浮気」などと芳しくありません。一
方で「辛抱強い愛情」「あなたは美しいが冷淡だ」などといったものもありま
すが、後の方が似合う気配が漂っているような気がします。
漢字では「紫陽花」と書きますが、これは唐の詩人・白居易が、別の花(この
花の名前はわかりません)に名づけたものを、平安時代の学者、源順がこの漢
字を当てはめたことから、誤って広まったといわれているそうです。
  (ウィキペディア フリー百科事典より)
 
ところで、今、かえるの合唱を、聞く機会はあるでしょうか。とにかく、もの
すごい鳴声でした。
しかし、この鳴声が、何やら豊作の雄叫びのように聞こえ、子ども心にも、安
心したものです。雨がしっかり降って、田植えが終わらないことには、かえる
の合唱は聞こえませんから。
その田植えについてですが、おかしな話があります。
 
◆田うえねこ◆   水谷 章三 著
むかし、ある家に、年を取り寝てばかりいる猫がいました。
田植えの時期になり、おかみさんは、
「お前さんはいいね。猫の手も借りたい忙しいときに、寝ていられるのだから」
というと、猫は大きなあくびをして起き上がり、どこかへ行ってしまったので
す。
その日は、田植えのおしまいの日で、大勢の人が手伝いに来ていました。おか
みさんもわき目もふらずに田植えをしていましたが、見知らぬ娘さんがいて、
仕事ぶりが、手際よく鮮やかなのです。それに負けてなるものかと若い衆も張
り切ったので、夕方にならぬ内に終わったのでした。
娘さんにお礼をいおうとしましたが、見当たりません。探していたところ、そ
の娘さんが背中を見せて、歩き去っていくではありませんか。追いかけていく
と、おかみさんの家のところで姿を消し、探したのですが、見つかりません。
ところが、今朝、拭いたはずの縁側に、猫の足跡のような泥の跡がついていた
のです。足跡をたどっていくと、家の隅っこの所で、猫が泥だらけの足をなめ
ていました。
「お前のことを、うらやましいといったものだから、娘になって田植えを手伝
ってくれたのだろうか。猫は、年をとると化けるというけれど」
と、おかみさんは、猫の顔をのぞきこみました。すると、猫は足をなめるのを
止めて、前足でおかみさんのひざをグイと押さえて立ち上がり、背伸びをし、
そのままどこかへ行ってしまい、二度と姿を見せることはありませんでした。
 六月の話   田うえねこ    松谷みよ子/吉沢和夫 監修
       日本民話の会・編 国土社 刊 
 
「猫の手も借りたい」忙しいときに、猫が手を貸すのがおかしいですね。この
話も全国に、いろいろな形で語り継がれています。お地蔵さまが、見知らぬ若
者に姿をかえて手伝う「田植え地蔵」などは、よく知られているようです。猫
の足が泥だらけだったように、お地蔵さまの足が汚れていたのでわかる仕掛け
は、同じです。 
 
今度は、恐い話です。
 
◆かにの恩返し◆   根岸 真理子 著
むかし、ある村に、庄屋どんと娘が住んでいました。娘は、かにが子を生む頃
になると、庭の小川で米をとぎ、その汁を流してあげたのです。かには、嬉し
そうに飲んでいました。
ある年のこと、日照りが続き、田植えができません。
庄屋どんは、雨さえ降らせてくれたら、娘を嫁にやろうというと、それを蛇が
聞いていたのです。
やがて、雨が降り出し、田植えができると、村の人たちは喜びました。
その時、庄屋どんの足元で、
「約束を破れば、大雨を降らせ田畑を流すぞ」
といい残し、蛇は姿を消したのでした。しかし、嫁にやるわけにはいかず、庄
屋どんは庭に頑丈なお堂を建て、娘を入れることにしたのです。
 
嫁入りの日が来ました。
娘は、白い着物を着て、お堂に入り、中から鍵をかけました。そこへ、若侍が
現われ、お堂に戸口がないのを知り、怒り、姿を大蛇に変え、お堂を七巻きに
巻きしめたのです。すると嵐になり、蛇は、雨風の力を借りて、お堂を根こそ
ぎつぶそうと、揺さ振り始めました。
その時、娘の耳に、タプタプと寄せる水音に交じって、サワサワ、サワサワと
小さな音が聞こえてきたのです。音は、次第に数を増して、お堂のまわりを取
り囲みました。すると、ドォン、ダァンと何やらのたうつ音がして、サワサワ、
ドォン、ダァン、と、二つの音は、低く響き続けました。
 
やがて音が止み、ひび割れたお堂の透き間から、朝日が射し込んできたのです。
庄屋どんに、手を引かれて外に出た娘は、老いた松の木のような大蛇が、お堂
の周りを取り巻き、転がっているのを見たのです。そして、めくれ上がったう
ろこの下には、娘にお米のとぎ汁をもらっていたかに達が、一匹、一匹、はさ
みつき、そのまま死んでいたのでした。
 六月の話   かにの恩返し 松谷 みよ子/吉沢 和夫 監修
        日本民話の会・編 国土社 刊 
 
この他に、蛇をやっつけるのにひょうたんと針を使ったものや、蛇に変わって、
猿やかっぱの場合もあります。これもお馴染みの民話でしょう。
かにの恩返し説話は、古くから語りつがれ「日本霊異記」や「今昔物語」に記
録されています。学生時代に、京都の山城の町にある蟹満寺というお寺を訪ね
た時、この話とそっくりの「蟹満寺縁起」が残されていました。
 
それにしても、悪役の蛇は、哀れです。
もとはといえば、約束を破った庄屋どんが、その責めを受けるべきです。
事実、進学教室でこの話をした時に、「悪いのは庄屋さん!」と、不満そうに
いった女の子達が何人もいました。子ども達は、「事の善し悪し」を考え、自
分なりに判断し、それを言葉で表現できる年齢に差し掛かっています。こうい
ったことからも、「話の読み聞かせ」は、ご両親の大切な仕事であることがわ
かりますね。
 
また、「安珍清姫」の話も、大きくなったら妻にしようと戯れにいったことを
信じた清姫が、だまされたことを知り、道成寺に逃れ、釣り鐘に隠れた安珍を、
蛇に変身した清姫が七巻にして殺しますが、これも悪いのは、戯言(ざれごと)
をいった安珍です。
「か弱き女性をだますと、あとが恐いよ!」
と、その執念深さを、蛇が演じているだけに、一層、説得力がありますね(笑)。
 
仏教には殺生、妄語、偸盗、邪淫、飲酒を戒めた五戒がありますが、庄屋は、
動物の妻にするのは邪淫戒になり、嘘をついたので妄語戒と二つの戒めを破り、
安珍は嘘をついたので妄語戒を犯したにことになりますから、それぞれ厳罰を
受けるのですが、庄屋は助かるのは、子どもが聞く昔話だからでしょうが、子
どもたちはしっかりと怒っていますね。(偉い!)
 
もう一つ紹介しましょう。
きつねが人を化かす話も、むかし話にはたくさんありますが、新美南吉の「ご
んぎつね」の悲しい結末と違い、ほのぼのとなる話があります。
 
◆きつねのかんちがい◆
むかし、あるところに、惣五郎という若者がいました。
ある年の田植どきのことです。惣五郎さんは三反御作(広さ三十アール)もあ
るたんぼを、一日で田植えをし、家へ帰る途中、畑の中にある井戸水を飲もう
と、つるべ(水を汲み上げる桶)を上げると、その中に、溺れ死んだ子ぎつね
が、入っていたのでした。惣五郎さんは、かわいそうに思い、畑の隅に穴を掘
って埋めてあげました。
 
ところが、夜中に大勢の人が声を合わせて、
 「お田を引いたで惣五郎! 三反御作みんな引いただ!」
と、怒ったような声で歌い、二、三回繰り返すと静かになったのです。惣五郎
さんは、不思議に思ったのですが、そのまま眠ってしまいました。     
 
翌朝、たんぼへ行くと、田植えをしたばかりの‘三反御作’の苗が全部、引き
抜かれていたのです。きつねの仕業かなと思った惣五郎さんは、子ぎつねを埋
めた所へ行ってみると、穴は、掘り返されていました。きつねは、勘違いをし
たなと思った惣五郎さんは、きつねの棲んでいそうな竹薮や、林の中を歩きな
がら、
「死んでいた子ぎつねを拾い、お墓を作ったんだ。誤解しないでくれ!」
と、大声で叫んだのです。
  
すると夜中に、
「お田引いて すまなんだ! 三反御作 また植えたあ!」
と、二度ほど繰り返し歌い、静かになったのです。
あくる朝、戸をあけると大きな鏡餅が一枚置いてあり、三反御作の苗も、植え
直してありました。
惣五郎さんは、きつねに気持ちが通じたことがわかり、とても嬉しかったので
した。
 新訂・子どもに聞かせる 日本の民話   大川 悦生 著
    実業之日本社 刊 
      
坪田譲治の、子どものために命をなくした「きつねとぶどう」や、新美南吉の、
人間と子ぎつねの心あたたまるやりとりを描いた「手袋を買いに」なども、ぜ
ひ読んであげたい童話です。
また、小川未明の、信仰とは何かを考えさせられる「頭を下げなかった少年」
(最後の一言が鮮やかです)や、献身的な子育ての後に子猫の幸せのために姿
を消す親猫を描いた「どこかに生きながら」も、見た目の美しさより、実用を
重んじて作った茶わんを褒める「殿様と茶わん」、神様からの授かりものとい
って可愛がっていた娘を売り飛ばし、報復を受ける老夫婦を描いた「赤いろう
そくと人魚」などの童話は、大人が読むべきで、キザな言葉で照れますが、心
が洗われます。
お母さん方にお勧めしたいのは、「小川未明童話集 赤いろうそくと人魚 新
潮文庫」です。
 
ちなみに、日本語の表現の多彩さを少々。
春雨、五月雨(さみだれ)、夕立、俄雨(にわかあめ)、驟雨(しゅうう 夕
立の漢語的表現)、秋雨、時雨(しぐれ 秋から冬にかけて降る通り雨)氷雨、
雨雪(みぞれのこと)、四季折々の雨、やはり、日本人の感性は繊細ですね。
 
雨で忘れられない童謡があります。当時(昭和20年代)、私達は蛇の目の傘
をさしていました。中心部と周辺を黒、紺、赤色に塗り、中を白くして蛇の目
の形を表した傘で、竹骨に紙を貼り、油をひいた粗末なものでした。
 
 あめふり
  北原白秋 作詞  中山晋平 作曲
 あめあめ ふれふれ かあさんが
 じゃのめで おむかい うれしいな
 ピッチ ピッチ チャップ チャップ ランランラン
 
 かけましょ かばんを かあさんの
 あとから ゆこゆこ かねがなる
 ピッチ ピッチ チャップ チャップ ランランラン
 
 あらあら あのこは ずぶぬれだ
 やなぎの ねかたで ないている
 ピッチ ピッチ チャップ チャップ ランランラン
 
 かあさん  ぼくのを かしましょか
 きみきみ このかさ さしたまえ
 ピッチ ピッチ チャップ チャップ ランランラン
 
 ぼくなら いいんだ かあさんの
 おおきな じゃのめに はいってく
 ピッチ ピッチ チャップ チャップ ランランラン
 
2行目の「おむかい」は、原詩は「おむかひ」と歴史的仮名遣いになっていま
すが、「東京方面のなまり」で、発表された大正14年頃、白秋は小田原に住
んでいたので、この言葉を使ったそうです。「改訂版 しょうがくせいおんが
く」(昭和33年発行)から「おむかえ」に変えて掲載。このときから「おむ
かえ」と歌い始めたそうです。(「Yahoo!知恵袋」より抄訳)
 
繰り返しますが、童謡は情操の発達と深いかかわりを持つ、思い出のしみこむ
「成長の記録」ではないでしょうか。お子さんが一緒に歌える童謡、あります
か。
 
全く手入れをしない我が家の紫陽花は、けなげにも花を咲かせ、きちんと季節
を伝えてくれています。紫陽花には雨が似合いますね。「関東地方も梅雨入り
したとみられます」と頼りない宣言? 昨年より2日遅く、例年より3日早い
そうです。先日、夏日があった北海道で雪が降り、日光には霜が降りました。
セコイ政治屋に、日本の神さまも怒っているぞ。見苦しい!(激怒)
(次回は「七夕祭りでしょう」についてお話しましょう)
 

さわやかお受験のススメ<小学校受験編>よく受ける質問

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
        「めぇでる教育研究所」発行
 2017さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
             第48号
 年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
 
★説明会速報★
早稲田実業学校初等部 学校説明会
○どんな子どもに来てほしいか。
 ・早実、大好きな子。
 ・早稲田大学へ行って勉強をしたい子。
 ・規則正しい生活のできる子。
 ・人の話を最後までしっかりと聞ける子。
 ・自分のことは自分でできる子。
 ・基本的な生活習慣、しつけの身に付いている子。
「9月3日(土)の学校見学会に、ぜひ、お子さん同伴で参加してほしい。私
の願いは、お子さんがこの学校へ来て、学びたい、勉強したい、友達と遊びた
いと思っていただけることです。これだけでお子さんのモチベーションが上が
るからです」
橋詰敏長、初等部校長の話です。見学して、モチベーションが上がり、「早実、
大好きな子」になってくれれば、親として、これほどありがたいことはないの
ですが。 
(5月29日〈日〉午後1時~2時30分 於 大隈講堂より)
 
昨年は6月3日に梅雨入り。今年はかなり遅れそうです。季節の変わり目は、
とかく陽気も不順となりがちです。夏を迎える前に体調を崩さないよう、健康
管理にも十分気を配ってください。
さて、今回は、皆さんからこの時期によく受ける質問を、紹介しましょう。
 
Q「折り紙をする時、折り方が雑できちんと出来上がらないのですが、どのよ
 うなことに注意すればよいのでしょうか」
 
A「折り紙は、一枚の紙から立体を作り出す大変楽しい作業ですが、一つ一つ
 きちんと折らなければ、本に出ているような作品にならないだけに、子ども
 達の失望も大きいようです。
 まず、折り紙を半分に折り、長四角を作ってみましょう。
 その時に、合わせる辺と辺をきちんと重ね、左手の親指と人差し指で摘むよ
 うに持ち、右手の親指と人差し指で、折った部分の真ん中をしっかりとつか
 み、折り目をつけます。
 それをテーブルの上に置き、右人差し指で真ん中をしっかりと押さえ、押さ
 えた指のところへ左手の人差し指を並べ、左端まで指を滑らし、折り目をつ
 けます。 
 次に、左人差し指を真ん中に戻し、しっかりと押さえ、右人差し指で右端ま
 で指を滑らしながら、折り目をつけます。
 それを広げ、90度回転させ、同じ作業をし、正方形が4つできるように折
 ります。
 次に、今使った折り紙の角と角を合わせ三角形に挑戦しましょう、作業手順
 は同じです。
 
 文章にすると、敬遠したくなりますが、お母さん方がお手本を示してあげれ
 ば、難しいことではありません。
 折り紙がうまくできない原因は、こういった基本の折り方がきちんとできて
 いない場合にあるようです。
 いきなり作品に挑戦せずに、四角と三角の折り方の基本をマスターすると、
 折り紙も楽しくなると思います。
 何事も基本が大切ですが、その作業は退屈でつまらないことが多いものです。
 それにまじめに取り組むのが、技術を身につけるコツであることは、皆さん
 方も経験されていることではないでしょうか。
 「ゆっくり、じっくり、丁寧に」、これしかありませんね。
 
Q 糊を使うのを嫌がるのですが。
A 現代っ子のもっとも苦手とする作業ではないでしょうか。
 ご家庭では、セロハンテープやリップ・スティック型の糊を使っていると思
 います。
 最近は、入試でもこういった接着剤を使用することもありますが、今の段階
 では、ふたのついた、つぼ型の容器に入った、幼児用の糊を使ってほしいも
 のです。
 これには、いろいろと教育的な配慮がされているからです。
  
 ふたを開けるにも、左右の微妙な力のバランス感覚を学べます。
 そして、使う量、適量を指に取るには、目分量、勘が必要です。
 多ければベタベタ、少なければはがれます。
 さらに、つけ方です。
 糊が、全体に滞りなく行き渡るには、かなりの練習が必要です。
 そして、貼ります。
 これだけのことをやり、作業が終わると手を拭き、ふたをして片付けるので
 すから、面倒に思うのも無理はないかもしれませんが、ここで手抜きすると
 不器用になるのではないでしょうか。
 
 もっとも厄介なのは、適量を取り、貼ることです。
 はじめは、折り紙を4分の1に切ったものを使い、上の真ん中に少しつけ、
 スケッチブックなどに貼る練習をしましょう。
 次に、四隅に糊をつけて貼り、それができれば糊を真ん中に縦に伸ばしてつ
 け、左右に伸ばす練習をしましょう。  
 ステップを踏んでいけば、必ずできるようになります。
 「不器用なのね!」などと、絶対にいわないことです。
 
 ところで、私が現役時代、制作などで他の接着剤を使わなかったのは、手が
 汚れないからです。
 「汚れたらきれいにする」は、幼児期に身に付けておかなければならない、
 大切な、大切な生活習慣だからです。
 砂場で遊ばせない母親と真面目にけんかしたのも、同じ理由からです。
 そういう元気な時もありました(笑)。
 
 つぼ型の糊には、教育的な配慮がしてあるという理由は、こういったことな
 のですが、いかがでしょうか。
 
Q 早生まれなのですが、幼い絵しか描けません。上手になるでしょうか。
A 入試を控えると、こういった心配をするお母さん方が増えているようです
 が、お子さんの絵の描き方を思い返してみましょう。
 2歳は点や線の殴り書きで、3歳から円や四角らしきものが描け、ある時、
 突然、頭から手足がニョキニョキと出ている人間を描いたと思います。
 やがて、頭と体が分かれ人間らしくなりますが、手は電信柱のようにまっす
 ぐ伸びたままで、やっと年中の終り頃に手も下に降り、人間と認められる絵
 になったのではないでしょうか。
 このようになるまで4、5年かかる子もいますから、幼児にとって絵を描く
 のは、大変な仕事でもあるのです。
  
 そして、基本的な生活習慣と同じように、絵を描く作業は、速成も、いろい
 ろなテクニックを駆使しての促成もできません。
 お子さんの成育史が、そのまま姿を現すものではないでしょうか。
 ご両親の遺伝もあるかもしれません。
 お子さんは、楽しく絵を描いていますか、そうであれば心配ありません。
 お子さんが描いている絵は、現時点で最高の作品であることを認めてあげま
 しょう。
 そして、幼い絵でも、描きたい目的があるのですから、そこを見つけて褒め
 ることです。
 他の子ども達と比べて評価するのは、賢いお母さん方のすることではありま
 せん。
 ましてや、早生まれの子ども達にとっては、大変迷惑な話です。
 楽しく描ける雰囲気を作ってあげることが大切です。
 
ところで、最近、4,5人のグループで1枚の絵を描かせる学校が増えてきま
したが、共同作業ですから、お互いにコミュニケーションが図れるかも大切な
ポイントになっています。使いたいクレヨンが1本しかない場合、「それが使
えるようになるまで何もしないお子さんがいる」と聞きますが、学校側は、社
会性や協調性といった集団生活への適応力を見ているのではないでしょうか。
引っ込み思案の多い男の子、通っている教室の先生に聞いてみましょう。
 
5日(日)は、「カトリック学校フェア 2016」が、聖心女子大学で開催
されます。
雙葉小学校は、昨年まで学校で行われる説明会では、質疑応答の時間は設けて
ありませんでしたが、プログラムによれば、個別相談校として参加しています。
相談事のある方、参加されてはいかがでしょうか。
(次回は、「志望校の決め方」についてお話しましょう)

よく聞かれる質問にお答えします

来週はクリスマスを迎えますが、いろいろ訳ありなんですね。
街にはジングルベルのメロディが流れ、至る所、赤、緑、白の3色で飾られま
すが、赤はキリストが人類のために十字架に流した血の色、緑はキリストの永
遠の命を象徴する色、白はキリストの純潔を表す色。クリスマス・ツリーは、
アダムが楽園から持ってきた「善意を知る木」で、キリストを表す不滅の生命
の木。ツリーの天辺に飾る星は、キリストが生まれたときに輝いた星で「ベツ
レヘムの星」といわれていますが、どの星かは不明。クリスマス・リースは柊、
刺はキリストの受難、赤い実はキリストの流した血を表したもので、節分で使
う柊とは別種。そして、クリスマスはキリストの誕生日ではなく、聖書の中で
も、その日を特定していません。ご存知でしたか、信者ではない私は、つい最
近まで知りませんでした(笑)。
(拙著 メールマガジン さわやかお受験のススメ 保護者編(6)
 12月11日号より)

今回は、読者の皆様からよく聞かれる質問を編集した『さわやかお受験のスス
メ 小学校受験 Q&A編(100問)』から抜粋したものを紹介しましょう。

Q「問題集をやりたがらないのですが、無理にでもさせた方がいいでしょうか」

A「教室から配布される家庭用の学習か、過去に出題された問題集での勉強か、
状況がわかりませんが、問題集を使っての家庭学習の場合をお話しましょう。
 
幼児の場合は、問題集を開いて、即、勉強とはなりません。
赤ちゃん時代を思い出してください。
例えば、歩くことを考えても、いきなり歩けるようになったわけではなく、は
いはいをし、つかまり立ちをし、歩いては転ぶことを繰り返し、やっと歩ける
ようになったはずです。
幼児が一つの能力を身につけるには、それにふさわしい体験を積むことにより
習い学ぶ、体験学習が必要です。
中高大学の入試と小学校の受験準備の異なるのは、勉強と学習の違いにあると
いえます。
勉強は、字のごとく「強いて勉める」であり、学習は「習い学ぶ」ことです。
幼児は、体験していないことは理解できません。
ですから、問題集を嫌がるのは、自分で体験していない領域のことをさせられ
ているからではないでしょうか。
泳げるようになると、十数年泳がなくても機会があれば泳げるのは、体が覚え
ている、中枢神経系に属しているからだそうです。
教室での宿題であれば、体験したことの復習ですから、苦にしないはずです。

『なぜ、嫌がるのか』、その点を見極め、無理をしないことが大切です。」 

Q「幼稚園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれているのですが」

A「小学校の受験で最も大切なのは、話を聞く姿勢を身につけることです。
ペーパーテストのプリントを見ても、答えはダミーも含め、すべて出ています
が、設問はどこにも書かれていません。
中高大の試験のように、『苦手な問題は飛ばして後でやろう』など、できない
相談です。
文字を使えませんから、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、素早く対応し
なければならないのです。
行動観察型のテストも同様で、先生の言葉を聞き、理解し、迅速に活動しなけ
れば、得点になりません。
幼稚園の先生にいわれる迄もなく、ご家庭でもサインは出ているはずです。
まず、お子さんの話をきちんと聞いてあげましょう。
話を聞いてくれるのは、子ども達にはとてもうれしいことなのです。
そこから、お子さんは「話はきちんと聞くものだ」ということを学習している
のです。
そして、本をたくさん読んであげましょう。
好きな本であれば、お子さんは静かに聞くはずです。
『話をきちんと聞きなさい!』と柳眉を逆立て、何回いっても改まらないでし
ょう。
話を聞く姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持
っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身につくものだからです。」

Q「同じ本を何回も読んでくれとせがむのですが、記憶力が弱いのでしょうか」

A「そんなことはありません。
お子さんは、読んでもらった話が面白いから、一所懸命に覚えているのです。
読んでもらったときは、『面白いな!』といった漠然としたイメージが、繰り
返し読んでもらうことで、物語を少しずつ覚え、小さな木が、時を経て成長す
るように、今では、かなりはっきりと話の筋を記憶しているものです。
完全に覚えてしまうと、次の本へ移っていくはずです。
一人になったとき、ぶつぶつと何やらつぶやきながら、本を見ていないでしょ
うか。
お母さんに読んでもらった話を、思い出しているのです。
また、読んであげている途中に、突然、『そこまでで、いいです』ということ
はないでしょうか。
一人で思い出しながら読んでいるときに、忘れてしまったのか、そこをはっき
りさせたくて『読んでください』と来るわけです。
これは大変なことで、言葉を覚えることで語彙は増え、物語を記憶することで
表現する力もついてきます。
話を聞く姿勢をきちんと身に付けることは、小学校受験で、もっとも大切なこ
とですから、根気よく読んであげましょう。
文字を習い、自分で読めるようになると、もう『読んでください』と来なくな
りますから。」

Q「読んだ後に感想を聞いても、きちんと答えられないのですが」

A「読んだ後に感想を聞くのは、まだ、早いと思います。
先にも触れましたが、1回だけ読んでもらい、きちんとした感想をいえないの
は、その本に対するイメージが、まだ、できていないからです。
何回か読んでもらうことで、次第に固まってきます。
そこまで待ってあげましょう。
ですから、1回だけ読んで、『面白かったでしょう』『何が面白かった』とい
った話かけは、するべきではありません。
また、よく聞く話ですが、お母さん方は、子どもの頃に読んでもらい、面白か
った本を読んであげることがあるようです。
それはいいのですが、『どう、面白かったでしょう』と聞いたことはないでし
ょうか。
そんな時、お子さんは、『……?』となったのではありませんか。
まだ、しっかりとイメージ化ができていないと、答えようがないからです。
2、3回読んだ後で、聞くようにしましょう。
ただし、『お母さんは、おばあちゃんに読んでもらい、こういったことを学ん
だのですよ』と、お母さん自身の感想をいうのは、いいのではないでしょうか。
『ママは、こういったことを感じたんだ』と、考えるヒントになるからです」

Q「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物
語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されています。
昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住ん
でいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どの
ように』と、いわゆる[5W+1H]の形式で展開しますから、わかりやすく
構成されています。
そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめら
れます。
5歳頃から未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れ
てきます。
それに刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙
ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えら
れます。

ですから、昔話が出題されるのも、うがった見方をすれば、昔話で学習した様
々なことを、幼稚園や保育園の生活で実地訓練をし、社会性、協調性といった
集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっ
ているからではないでしょうか。

ちなみに、日本の五大昔話は、『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』
『さるかに合戦』『かちかち山』です。
皆さん方はお子さんに、この5つの昔話のあらすじを話すことができるでしょ
うか」

Q「3月生まれですが、図書館へ行っても幼い内容の本しか選べません。心配
ないでしょうか」

A「お子さんは3月生まれですから心配ありません。
興味を持って選べたことを褒めてあげ、必ず読んであげましょう。
お母さんが心を込めて読んであげれば、お子さんはきちんと理解し、次のステ
ップへ向かい、確実に歩み始めるはずです。
選んだ本が、自分で面白くないと判断できることが大切です。
「何よ、こんなやさしい本を!」といってしまうと、お子さんの自尊心は傷つ
き、自分から本を選ぶ気持ちもなくなります。
いろいろな本を読んでもらい、試行錯誤を積み重ねながら、取捨選択し、自力
でレベルをあげていくものです。
お母さんのお気に入りの本ばかり選んで読んであげても、内容をよく理解でき
なければ、読んでもらっている本人は、つらい思いをするだけで、結果的には
本の嫌いな子になりかねません。

ゆっくりと時間をかけ、お子さんの期待に応えてあげることが、レベルアップ
につながるのです。早生まれのお子さんの場合は、4月2日と翌年の4月1日
では、1年の差があるのですから、そのことを忘れずに無理をしないことです。
他のお子さんと比べて評価するのは、賢いお母さんのすることではないと思い
ます」

なお、CD版 『さわやかお受験のススメ 小学校受験 Q&A編(100問)』
は、目下、好評、発売中です。
(次回は、「入試問題の出題範囲」についてお話しましょう)

 

さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>面接ケース・スタディー 1

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
         「めぇでる教育研究所」発行
   「2017さわやかお受験のススメ<幼稚園受験編>」
            第30
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
 
面接ケース・スタディー 1
「ジッとしてなさいといったって……!」
 
これから紹介します話は、幼稚園を受験された方々から伺った、面接に関する
エピソードをもとに構成したものです。例年、7月頃から配信していましたが、
「もう少し、早く知りたかった」とお母さん方からリクエストがありましたの
で、今年は早々と掲載することにしました。大勢の方の話を10件のケース・
スタディーにまとめてありますが、皆さんに共通していたのは、保護者として、
どのようなバックアップをしてあげればよいかを、真剣に考えていたことでし
た。
 
また、合格された方が意外にも、
「今だからいえますが、こんな幼い子に受験させていいものかと不安のあまり、
何度も受験をあきらめようと考えました。そのたびに、『私どもの教室では、
背伸びをさせる無理な受験準備は一切しません。ご両親の考えが一つになれば、
期待通りの結果が出ますから頑張りましょう』と励まされました。大切なのは、
両親は迷わずに、幼児教室の先生方の指導にお任せすることですね」
と笑いながら話してくれました。
まさに、2、3歳児の受験の難しさを表す言葉ではないでしょうか。繰り返し
申し上げますが、ポイントを握っているのは、ご両親なのです。
 
それでは、ご両親の育児の姿勢や受験に対する考えが、どのように表れてくる
かを、面接のいろいろな場面を通して紹介しましょう。
 
面接が始まるまで、控室で待ちます。
ここで毎年、いろいろな光景が繰り広げられているようです。多くの場合、お
子さんはもちろんのことですが、両親にとっても、おそらく、生まれて初めて
入った場所でしょうから、緊張するのは当然です。しかし、ご両親は、自身で
選んだ道ですから、自力で解決できないようでは困ります。お子さんは、もっ
と、もっと緊張しています。子どもは、緊張しなくても、じっとしているのは
苦手です。控室で、座っていられなく、立ち上がったとしたら、どうしますか。
 
「ジッとしてなさい!」
この一言で、いろいろなことがわかります。
お子さんのことを少しも考えていない不用意な言葉です。
お子さんの緊張した状態を考えれば、こういった言葉を口にはできないはずで
す。
困ったことにお母さんの顔は、恐い表情に変わってきています。
顔だけではなく、言葉も、声も怒っていると、お子さんは感じないはずはあり
ません。
これでは、ますます緊張するだけで、中には泣き出すお子さんさえいるそうで
す。そのような親子を見た幼稚園の先生方は、どう思われるでしょうか。
 
一歩でも家から外へ出れば、その時から、守らなければならないルールがあり、
マナーがあります。ルールやマナーは、その場で取り繕って、教えるものでは
ありませんし、ましてや、このお母さんのように言葉できつく叱責しても、お
子さんは静かに待つようになるものでもありません。
 
普段、図書館など公共の施設を利用した時や、電車やバスに乗った時など、ど
んなことに注意しているでしょうか。
静かに待つ工夫をしているのではありませんか。
大勢人が集まるところでのマナーは、小さい時から、年齢相応に教えているは
ずです。
 
静かに待つために、お子さんの好きな絵本を用意したり、混んだ電車では、お
子さんをひざに乗せたり、外を見る時は靴を脱がせるなどしていると思います。
こういったことは、受験のためにやってきたことではないはずです。一人の人
間として生きるために守らなければならないルールを教えてきたのではないで
しょうか。この積み重ねが、幼い子どもなりのマナーとなって身につくのです。
 
マナーは、肝心な時に表れます。
手抜きをしていると、抜いている分だけ、正直に、子どもは表現します。
そこで慌てても、手遅れです。
子どもの責任ではありません。
きつい言葉で注意を促されても、子どもは混乱するだけです。
 
このように、緊張を強いられるような場面で、お子さんが何よりも頼りにして
いるのは、お母さんのほほ笑みです。
お母さんは「保護者」です。
保護者は、弱いものを守る義務があります。
この控室へ連れてきたのは、ご両親ではありませんか。
上がってしまうようでは、お子さんに申し訳ないと考えましょう。
お子さんの小さな心臓は、ドキンドキンと激しく波打っているはずです。
その鼓動を聞いてあげられる余裕を持ちましょう。
上がっている暇などありません。
普段と変わらないお母さんが、そこにいれば、お子さんも安心して、いつもと
変わらないはずです。
 
お子さんが興味を持っている絵本など用意して、緊張をほぐしてあげましょう。
ただし、お子さんがいくら興味を持っているからといって、怪獣のおもちゃや
ぬいぐるみを持っていくのは、面接や試験を受ける控室には、ふさわしくあり
ません。幼児教室へ通う時に、おもちゃなどを持っていく習慣がついていると、
試験当日だけ「駄目!」は、お子さんに通じないと心得ておきたいものです。
 
また、教室の控室などで、入室する前に、ジュースやお菓子を食べさせること
もあるようですが、幼児の場合は、こういった習慣がつくと、肝心な時に、お
菓子がないといってぐずる場合もあるようです。
こういった生活習慣のけじめも、きちんとつけておきたいものです。
 
お母さんと絵本を見ながら、静かに待っているお子さん。
ゆったりと構えて順番を待つお父さん。
育児にご自身の哲学を持ってほしいとは、こういうことなのです。
このような親子を、幼稚園が歓迎しないわけがありません。
 
育児に「付け焼刃はきかない」ことを肝に銘じておきましょう。
 (次回は、面接ケース・スタディー編2をお話しましょう)

さわやかお受験のススメ<保護者編>第8章(3)何にもないのかな 水無月

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
         「めぇでる教育研究所」発行
     2017さわやかお受験のススメ<保護者編>
         ~紀元じぃの子育て春秋~
     「情操教育歳時記 日本の年中行事と昔話」
       豊かな心を培う賢い子どもの育て方
           -第30号-
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

	
 
第八章 (3) 何にもないのかな   水 無 月
 
★★父の日、これもアメリカ生まれです★★
6月の第3日曜日は、父の日です。
母の日がアメリカ生まれですから、父の日も同じでしょう。母の日があって父
の日がなくては、男女同権の国ですから、男の立つ瀬がありません。いかにも
アメリカらしいですね。
 
1910年に、アメリカのワシントン州でジョン・ブルース・ドット夫人が、
妻を亡くして男手一つで育ててくれた父に感謝するパーティーを開いたのが始
まりとされている。
その後、1934年に父の日委員会が結成され、母の日にならって6月第3日
曜日を「父の日」と定めたのである。日本では、母の日に遅れること4年後、
昭和28年(1953年)から、一般的な行事として認められるようになった。
 (年中行事を「科学」する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P102)
 
父の日に贈られる花は、何でしょうか。まだ、子どもが小さかった頃にもらっ
た記憶はありますが、花の名前は思い出せません。バラの花だそうです。たい
そう気品のある花ですから、何か訳がありそうです。
カーネーションが、十字架にかけられたキリストを見送った、聖母マリアが落
とした涙の後に咲いた花でしたから、おそらくバラもキリストと関係あるでし
ょう。予想どおりでした。十字架にかけられたキリストの血が落ちて、そこか
らバラが花を咲かせたそうです。さらに、こういった説もあります。
 
父の日の花はバラである。バラは花の美しさと香りの気高さのため、古代から
人々に愛されてきた。ローマ教皇はバラを手にし、信者はロザリオで祈りを唱
える。ロザリオrosaryはラテン語rosa(バラ)、rosarium(バラ園)に由来し、
尊敬と喜びのしるしであった。古代ローマでは、祭日の日には神殿も戦車もバ
ラで飾られ、将軍は賞讃のしるしとしてバラの花束を手に持った。現代でも音
楽会の終わりにはバラの花束を捧げて演奏を讃える風景が見られる。
(年中行事を「科学」する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P102)
 
聖なるバラです。
花言葉は「尊敬と愛の情熱」です。お父さん方は、承知してもらっているでし
ょうか。
承知のうえでしたら、頑張らざるをえないですね。父権は、かなり喪失したと
いわれていますが、やはり、お父さんは頼られています。お父さんは、「一家
の大黒柱であるべきだ」と1940年生まれの私は思うのですが……。
この花言葉、前回にも紹介しましたが、調べると面白いですね。パソコンで簡
単に検索できますから、退屈なときアクセスしてみましょう。
 
ところで、小学校の入学試験に「話の記憶」といった問題がありますが、ある
ミッション系の学校で、「母の日にお母さんに贈る花の絵に○をつけましょう」
といった出題がありました。5つの花の中から選ぶのですが、その中に、何と
バラの花も入っていたではありませんか。さすがだと思いました。
事の起こりは、キリストに関係があるのですから。出題校は、暁星小学校です。
 
★★夏 至★★
二十四節気(にじゅうしせっき)の一つで、春分、秋分、冬至と、それぞれ楽
しい行事がありますが、夏至には、何かあるのでしょうか。暑い盛りではあり
ませんが、うっとうしい日が続く頃です。
年中で、いちばん昼の長い日ですから、何だか疲れを感じがちです。これは、
夏至のとき、お日さまは、もっとも北に寄っているからです。ですから、北極
ではお日さまが沈みません、白夜です。
逆に、南極ではお日さまの姿を見ることはできません。土用の日のように、う
なぎを食べて元気をつけることもないようですし、何だか夏至だけが、冷たく
あしらわれているような気もしなくはありません。しかし、夏至だけ問題にす
るのは不公平です。雨水、清明、芒種などといわれても、何やらわかりません
が、これも夏至と仲間の二十四節気のことです。
 
正しい季節を示すために作られた目印を二十四節気といった。太陰太陽暦では
暦の上の月日と季節がくいちがいをおこすので、暦の月日とは別に、農事に必
要な季節の標準を示す必要があったからである。1太陽年を24等分して、太陽
が最も低く昼間の最も短い冬至から始めて、1年を24等分した分点を二十四
節気とした。
 (年中行事を「科学」する 永田 久 著 日本経済新聞社 刊 P39)
 
二十四節気とは、正しい季節を示す目印と考えるとわかりやすいですね。日本
は農耕民族です、今は疑わしいですが。昔は、太陰太陽暦を使っていましたか
ら、今のグレゴリオ暦では、暦の上の月日と季節とが、食い違いを起こすので、
暦の月日とは別に、農事に必要な季節の標準を示す必要があったのです。よく、
テレビなどで、
「今日は、啓蟄の日です。冬ごもりをしていた虫たちも、はい出る日といわれ……」 
などとやっています、あれです。 今年の二十四節気は以下の通りです。
 
★★二十四節気★★
 立 春  2月  4日 頃
 雨 水  2月 19日 
 啓 蟄  3月  5日
 春 分  3月 20日
 清 明  4月  4日
 穀 雨  4月 20日 
 
 立 夏  5月  5日 頃
 小 満  5月 20日  
 芒 種  6月  5日  
 夏 至  6月 21日  
 小 暑  7月  7日  
 大 暑  7月 22日 
 
 立 秋  8月  7日 頃
 処 暑  8月 23日
 白 露  9月  7日
 秋 分  9月 22日
 寒 露 10月  8日
 霜 降 10月 23日
 
冬  立 冬 11月  7日 頃 
 小 雪 11月  22日
 大 雪 12月   7日
 冬 至 12月  21日
 小 寒  1月   6日
 大 寒  1月  21日
(「国立天文台 天文情報センター」より)
 
立春 旧冬と新春の境目、まだ、寒さの厳しい頃です。
雨水(うすい) 雨水がぬるみ、草木が芽を出し始めます。
啓蟄(けいちつ) 冬眠している虫たちも、穴からはい出してきます。
春分 昼夜が等しく分かれ、昼間が長くなり、夜が短くなってきます。
清明(せいめい) 桜花爛漫、春の盛となり、天地万物に清新の気があふれる時期。
穀雨(こくう) 春雨は、田畑をうるおし、穀物の成長するときです。 
 
立夏 春は去り、爽快な夏の気配を感じる頃です。
小満(しょうまん) 日増しに暑くなり、草木が繁り天地に満ち始める時です。
芒種(ぼうしゅ) 芒(のぎ・稲や麦などについているとげ)のある穀物を植える時。
夏至 日の長きに至る、昼がもっとも長くなる日。梅雨のさかりで、田植えの時期。
小暑(しょうしょ) 日増しに暑さが加わり、この日から暑中見舞いを出し始めます。
大暑(たいしょ) 暑さがもっとも厳しくなる頃。
 
立秋 暦の上だけの秋、まだ、真夏の頃。この日から残暑見舞いとなります。
処暑(しょしょ) 暑さが止み、秋風が吹く頃。「処」は「とどまる」の意。
白露(はくろ) 秋も本格的となり、野草に甘い露の宿る頃。
秋分 昼夜が等しく分かれ、春分とは逆に、昼が短く夜が長くなります。
寒露(かんろ) 野草に冷たい露が宿る頃。
霜降(そうこう) 秋の気配も去り、朝霜のおりる頃。
 
立冬 冬の気配がうかがえる頃。
小雪(しょうせつ) 寒さもさほどでもなく、雪も少ない頃。
大雪(だいせつ) 北風が強くなり、寒さも厳しく、雪が降り始めます。
冬至 日の短きに至り、夜が長くなる日です。
小寒(しょうかん) 寒気が加わり、雪が積もる頃。
この日を「寒の入り」とし、寒中見舞いを出し始めます。
大寒(だいかん) 冬将軍がもっとも威勢のよい時期ですが、寒さの中にも
   「春とおからず」の希望がふくらむ頃。
 
しかし、漢字って、いいですね。
「雨水」「処暑」など見ているだけで、何やら、日本を訪れる季節の兆しが、
思い浮かびませんか。
今から2000年前の頃、中国の周王朝により華北の気象状況にあわせて作ら
れたそうです。何と2000年前のことです、感動しませんか。感動しますが、
何だか実感がありません。大暑といえば、実感としては、8月7日の立秋の頃
ではないでしょうか。日本でいうと、岩手県の季節と合っているそうです。東
京でも、ピンとこないのですから、九州地方のみなさんは、どうでしょう。
この原因は、今は、グレゴリオ暦を使っているからです。二十四節気は、先程
もいいましたように、むかし使われていた太陰太陽暦によって決められていま
すから、1ヵ月位の差が出るのです。
 
かつてある新聞に、気象協会では、新「二十四節気」を作ると出ていました。
その訳は、「寒いのに立春、暑いのに立秋―。中国伝来の二十四節気は、季節
の移り変わりに彩を添える言葉だが、ちょっと違和感を感じませんか」(原文
のまま)(中略)同協会は「現代の日本の季節感になじみ、親しみを感じる言
葉を選びたい」のだそうです。どんな言葉が作られるかわかりませんが、1月、
2月より、睦月、如月の方が、季節感を味わえる世代には、想像もつきません。
 
昔から親しまれていた町名を、無味乾燥な番地に変えてしまったことを思い出
しますね。もっとも、温もりのない、冷ややかなコンクリート・ジャングルに
は、ふさわしいかもしれませんが……。
“コンクリート・ジャングル”、英語のようですが、ナイター、サラリーマン、
パトカーと同様、和製英語です。驚いたことに、といっても私だけでしょうが、
「オーダーメイド」「デコレーション・ケーキ」も和製英語で、正しくは
“custom made”、“fancy cake”だそうです。パソコンで「和製英語」を検
索すると、正しい英語を知ることができます。ちなみに、パソコンも和製英語
で、正しくは“personal computer”です。
 
昨年まで、「新二十四節気」について紹介しませんでしたが、「季節のことば3
6選」で検索したところヒットしました。ウッカリしていましたが、平成25
年春に発表されていました。(陳謝)
 
  季節のことば36選                 二十四節気
    1月 初詣 寒稽古 雪おろし          小寒 大寒
    2月 節分 バレンタイン 春一番        立春 雨水
    3月 ひな祭り なごり雪 朧月夜        啓蟄 春分
    4月 入学式 花吹雪 春眠           清明 穀雨
    5月 風薫る 鯉のぼり 卯の花         立夏 小満
    6月 あじさい 梅雨 蛍舞う          芒種 夏至
    7月 蝉しぐれ ひまわり 入道雲 夏休み    小暑 大暑
    8月 原爆忌(広島、長崎) 流れ星 朝顔    立秋 処暑
    9月 いわし雲 虫の音 お月見         白露 秋分
   10月 紅葉前線 秋祭り 冬支度         甘露 霜降
   11月 木枯らし1号 七五三 時雨           立冬 小雪
   12月 冬将軍 クリスマス 除夜の鐘       大雪 冬至
              (「一般財団法人 日本気象協会編」より)
 
参考までに、二十四節気も掲載しておきましたが、いかがでしょうか。
七夕が行われる7月7日、小暑といわれていますが、選ばれていませんでした
ね。星の祭りである七夕も、幼稚園や保育園、小学校の夏のイベントになり、
ご家庭で楽しむ年中行事ではなくなったようです。(残念!)
 
ところで、「人のうわさも七十五日」といわれていますが、その語源が二十四
節気と関わりがあるのですから、面白いですね。七十五日を四十五日、四十九
日、七十九日というのは誤りです。
 
「日本には二十四節気という季節の区切り方があります。365日を24等分
するので、一節気はおよそ15日。昔から五節気経てばまったく違う季節にな
るといわれていましたから、15×5=75日となります。75日も経てばま
ったく新しい季節になるのだから、それまでのことは忘れようという意味なの
でしょう」
 (「つい他人に自慢したくなる無敵の雑学」
     なるほど倶楽部 編 角川書店 刊 P18)
 
ちなみに英語では、“A wonder lasts but nine days”(「驚きも九日しか続
かない」故事ことわざ辞典より)だそうですが、日本と違い、個人主義が定着
している国では、噂の消えるのも短いということでしょうか(笑)。
 
5月27日は、広島、長崎だけではなく、「核兵器絶滅を実現するための歴史
的な日」になってほしいと心から願っています。詳しくは、8月にお話ししま
すが、オバマ大統領の演説で素直にうなずけたのは、
「朝一番の子ども達の笑顔。愛する人と食卓を囲む、安らぎのひととき。両親
からの抱擁。そのかけがえのない瞬間が、71年前のこの場所にもあったのだ
と思い知らされます」
でした。亡くなられたおよそ14万人の一人ひとりに痛恨の思いを寄せた、核
兵器絶滅を願う大統領の、決意を新たにした力強い宣言ではなかったでしょう
か。(合掌)
(次回は「6月に読んであげたい本」についてお話しましょう)

<<前のページへ12

« 2016年5月 | メインページ | アーカイブ | 2016年7月 »

このページのトップへ

テスト案内 資料請求