2026さわやかお受験のススメ<小学校受験編>■■[2]5つの試験形式■■(1)ペーパーテスト-2
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「めぇでる教育研究所」発行
2026さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
現年中児のお子様をお持ちの方々へ
2026年度入試(2025年秋に実施)を成功に導く手引きです。
<第20号>
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発行者よりお知らせです。
さわやかお受験のススメ<現年中児 今から始める小学校受験>
は、11月から
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
にタイトル変更してお届けしています。
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幼児教室では、11月から新年長クラスが始まりました。
お子さんは、お授業を楽しんでいますでしょうか。
■■[2]5つの試験形式■■
(1)ペーパーテスト-2
正直にいって、下のようなお父さん先生、お母さん先生が恐いのです。
何とか力をつけさせようと夢中になってしまい、自分の言っていること、やっていることが、わからなくなってしまうことがあるのです。
例えば、難易度の高い「図形」の問題などで、子どもがよく理解できていないときに、こういったことが起きがちです。お父さん、お母さん自身は、説明したことでお子さんも理解できたと思い、問題に取り組むのですが、できません。
1回ぐらいの間違いは許容範囲ですが、何回も同じ間違いが続くと、親の顔つきも変わり、
「何回、教えたらわかるの!」
「こんな簡単な問題が、どうしてできないの!」
と、なりがちなのです。
幼児が「わからない」というときは、本当にわからない、理解できていないのです。このことをしっかりと肝に銘じ、親御さんの説明が不十分であることを考え、お子さんがわかるように工夫してあげることが大切で、お子さんを責めるべきではありません。
また、昨日教えたことが、今日になるとできない場合もあります。
それはお子さん自身が経験していないことを、記憶だけに頼って憶えさせている場合が多いからではないでしょうか。子どもは、興味や関心のないことをやっても、すぐに忘れがちなものです。
ですから、幼児は、机の上だけで知的な訓練をするのは、適切な方法ではありません。やり方が間違っています。
それを棚に上げて、思わず子どもの頭を叩いてしまう親御さんもいるようですが、何も悪いことをしていないにもかかわらず、いくらお腹を痛めたからといって、手を上げる権利は、親といえどもありません。子どものためにもいっておきたいことがあります。
お母さんの子どもの頃、どうだったかということです。冷静に聞いてください、冷静に。お父さんも同様です。
ここでおさまると、まだ、両者の歩み寄る機会は残されています。
しかし、この線を越えて、怒鳴り散らしてまで勉強を続けると、子どもも切れますが、耐えるしかありません。親に見捨てられれば、子どもは生きていけません。
「ボク、本当にお母さんの子かな?」
こうなったらトラウマになりかねません。
昔は「子をもって知る親の恩」といいましたが、最近では、受験準備に熱が入りすぎると、「合格の二文字のために忘れる子どもの心」ともいわれるような状況になっているのではないかと感じることがあります。
わが子を虐待して殺してしまう、鬼のような親がいるご時勢です。
訂正、鬼もわが子を手にかけなかった話が残っていますから、犬畜生にも劣る親とします。
ですから、「受験を始めて忘れてしまう子どもの心」になるようでは、受験をする資格はないと考えましょう。先人の知恵でもある「三つ子の魂百まで」を絶対に忘れないでください。小さい時に経験したことで、お子さんの性格は築かれていくからです。
子どもをプリント漬けにし、来る日も来る日も、毎日、何時間も、入試問題集を広げ、猛練習をして力がついたと思うのは錯覚です。
類似問題を数こなせば、できるようになるでしょう。しかし、この方法は、一種の条件反射的なトレーニングです。
これで考える力がつくでしょうか。
疑問だと思います。
行動観察型のテストでは、対応できないでしょう。自ら考え、答えを導く力は、年月をかけ、試行錯誤を積み重ねながらできたカリキュラムがあり、それをよく理解している先生方の的確な指導のもとで身につくものなのだからです。
なぜ、このような受験準備が、行われてしまうのでしょうか。
例えば、慶應義塾幼稚舎に入れば、余程のことがない限り、大学まで行けます。子どもの努力次第では、医学部へ進める可能性さえあります。子どもの将来のためと考えるのも、無理からぬ親心です。
さらに、合格すれば、受験準備はこれっきりです。
場合によっては、中学、高校、大学と3回も受験戦争に参加させられる可能性もあるわけですから。
「手のかからぬ内に入れてしまおう!」
このことです……。
思春期になり、難しい年齢になっての受験は、正直いって、しんどい話です。
身体は大人に近くなっても、精神年齢はそれ以下といったアンバランスな成長をしている子、かなり見かけます。
さらにです。
年齢が下がれば下がるほど、能力の差は出にくいものです。ここで何とか手をつくせば、志望校へ入学できるのではと考えるのも当然でしょう。しかし、厳しい現実が控えています。お子さんの将来を案ずる親心は、どなたの心にも強く、深く、ひそんでいます。ですから倍率は高くなり、10倍を越える学校もあるほどです。
この現実を考えると、生半可な受験準備では、合格などありえないと考えるのも無理からぬことで、かなりハードな受験準備が、待っていることになりがちです。
しかし、受験勉強をさせられる子どもの立場になると大変です。
先にもお話ししましたように、何事もそうですが、過熱気味になると当事者は、自分のやっていることが、わからなくなる仕組みになっています。「合格」の二文字に、冷静さを失いがちですが、受験生の親御さん方全部が、こうなるわけではなく、ごく、一部の親御さんであって、熱心すぎるだけで悪気はないのです。
ペーパーテストを行わない小学校はこういうことも考慮しているのではないでしょうか。誤解されると困るのでいっておきますが、「ペーパーテストが悪い」といっているのではなく、「準備の仕方」に、とかく問題がありがちだといいたいのです。
また、ペーパーテストがないから問題集などやらなくてもいいと思っている方がいると聞きますが、それはとんでもない間違いで、必ず、クリアしなければならないハードルがあり、そのために問題集は必要です。問題に○や×をつけるだけではなく、行動観察型の試験のように、「どうしてそうなったか」など、言葉で説明する口頭試問に対する準備です。
ところで、最近の入試問題を読むと、「幼稚園での生活能力があればできるテストを実施したい」と考える学校が増えているのは確かで、これは歓迎すべきですね。
たとえば、部屋の一角にじゅうたんが敷いてあり、机の上に紙に包まれたお菓子が置いてあって、ペットボトルに入った麦茶らしきものとコップが用意され、「さぁ、おやつですよ」といった試験がありますが、チェックポイントは、以下のようになっていると思います。
まず、手を洗い、ハンカチで拭き、たたんでポケットにしまえるか。
靴を脱いで、キチンと揃えられるか。
包装紙でくるまれたお菓子を出すのにてこずらないか。
せんべいやクッキーであれば、ボロボロとこぼさないで食べられるか。
ペットボトルから、うまく麦茶をコップに注げるか。
「いただきます」、「ごちそうさま」をいえるか。
後片付けができるか。
みんな「……か」と、クエッション・マーク付きです。
これがテストです。
何を評価しているのでしょうか。
さらに、この話をどう思われますか。
教育者、特に小学校の先生方は、見るところが違います。テストが始まると、子どもたちの姿勢と筆記用具の持ち方を見るそうです。姿勢がよければ、ご両親がよいお手本を見せており、筆記用具を正しく持てていれば、おはしをきちんと持って食事をしているはずですから、育児の方針がわかるというのです。
テレビを付けっ放しで、もしくはスマートフォンや動画を見ながら食事をし、ダラダラ時間をかけていると、直ぐに腰が砕けて、姿勢も崩れがちです。
特に、朝食です。テレビを聞きながら新聞を読みながらもしくはスマートフォンを見ながら、ご飯を胃袋に流しこんでいませんか。
何事も親が、お手本です。
これは、しつけ以前の基本的な生活習慣です。
ですから、直そうと思っても、直ぐにというわけにはいかないものです。食事は毎日のことですから、おざなりにしていると、お子さんは学習の第一歩で苦しむことになります。
知識を詰め込むより、こういった生活習慣を大切に育てている親御さんは、お子さんから尊敬されます。なぜなら、親の手を借りずにできることは、子ども心にも嬉しいからです。間違いなく、「自分でやろうとする意欲」が育ちます。
ペーパーテストといっても、知的能力だけを判定しているのではありません。
受験生は、幼児です。
親の育児の姿勢を評価しています。
このことをきちんと心に納めておかなくては、合格の二文字はありえません。
机の上だけで、記憶に頼った知識の詰込みばかりやっていると、頭でっかちで、偏った経験しかしていない子になりがちで、被害者は子ども自身です。ペーパーテストが中心になっている学校を受験される場合は、こういった結果が残るような準備だけは、避けてほしいと願っています。
これからの毎日の体験は、お子さんの心に残ることを忘れないでいただきたいのです。
年中から年長にかけては、将来の学習意欲も培われていく大切な時であり、人格を形成する重要な時期でもあるからです。
「三つ子の魂百まで」は英語で、“The leopard cannot change his spots”(豹は斑点を変えることはできない)というそうですが、洋の東西を問わず育児の鉄則ではないでしょうか。
(次回は、個別テストについてお話しましょう)
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