さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★[8]構成力・観察力に関する問題(3)

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    「めぇでる教育研究所」発行
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
        第41号
  年長児のお子さまをお持ちの方へ
小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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★★入試問題を分析する★★
 
 [8] 構成力・観察力に関する問題(3)  
 
 
[模倣の問題]
 
積み木やブロック、パネルなどを使って、お手本と同じものを作る問題です。
個別テスト向きでしょう。
 
  ★お手本(▽ ▽の上に長四角の積み木があり、その上に家の形がある)
   ・これと同じものを作りなさい
 
「三角の積み木を逆さまにして、できるかな?」
積み木で遊んだことがないと、こうなりがちです。できますが、コツがありま
す。これは、やってみないとわかりません。
 
最近のおもちゃは、完成品が多いようですが、一概に悪いとは言いません。
それを利用して遊ぶことも、大切な仕事です。しかし、積み木やブロックは、
自分で設計し組み立てる遊びです。
 
設計図を引くには、何が必要でしょうか。
そのものを知ること、熟知することで、大切なのは観察力です。子どもは、自
分の好きなものとなると、目つきが変わり、真剣、そのものですから、大人が
気づかないところまで見ています。
 
そこまで夢中にさせるのは、好奇心です。模倣は、観察力と表現力を見る問題
ですが、そのもとになる好奇心が旺盛かどうかを見極めることもできます。
 
積み木を使った面白いゲームがあります。
実際に出題された問題で、積み木をできるだけ高く積むゲームで、「高く積む」
がポイントになります。長四角を立てないで横に置くと、高さが違ってしまい
ます。これに気づかないと、少し心配です。問題は三角で、置き方によっては、
そこでゲームセットになります。
 
積み木を持っていないお子さんには、買ってあげましょう。            
 
前にもお話しましたが、積み木で遊んだ後に、きちんと収納する習慣がつくと、
身辺の整理整頓にも良い影響がでると思います。おもちゃや絵本などの片づけ
が苦手な子は、こういった遊びをやっていないのではないでしょうか。玄関の
靴の整理も同じで、ご両親がきちんとそろえて脱いでいれば、お子さんも真似
をするはずだからです。
 
 
 
[同図形、異図形発見の問題]
 
同図形発見(お手本と同じもの)と異図形発見(違っているもの)があり、知
能指数をはかる問題でよく出題されています。
 
     ★「お手本と同じものを見つけ、○をつけましょう」
 
子どもたちの好きな問題です。
ゲームやクイズ感覚でできるからではないでしょうか。これもコンピュータ方
式を採用しましょう。お手本と1つ1つ比べて見つけることです。あっちを見、
こっちを見るやり方では、いたずらに混乱するだけです。手順の大切なことを
学んだ子は、左から右へ、または上から下へ順番に比べる方が、正確に、速く
できることを知っています。こういう知恵は、やはり、経験から身につけるこ
とが大切で、最初から教える必要はありません。
 
自分で見つけられれば、最高の学習になるからです。どうやっても、うまくい
かない様子が見えたら、そこでアドバイスしてあげましょう。まず、自分で体
験することですね。
それから解決方法を教えられれば、納得でき、身につくものです。
 
そして、問題ができたから花丸をつけて、次の問題に移るだけでは、あまり効
果的な学習とは言えません。たとえば、同図形発見の場合、手本とどこが、ど
う違うかを説明させることです。すると、異図形の発見にもなります。
 
さらに、試験官と話すように丁寧な言葉できちんと言える習慣がつくと、個別
テスト、行動観察のテストにも対応できる学習になるからです。言葉で表現す
る訓練は、こういった遊びの感覚で、楽しみながら身につけることが大切で、
小学校へ入ってから、学力を伸ばす大きな力になることは間違いありません。
 
しつこく、繰り返しますが耳ではなく心で聞いてください。
 
幼児の知能開発で大切なのは、五感をフルに活動させて、同じところ(類似)
や違うところ(差異)を見つけ、「あれっ…、なんだ?」と考えることから始
まります。
 
「どうしてなの……?」
「なぜなの……?」
うるさいほど、遠慮なしに聞いてきます。これは「知りたい」というアンテナ
がとらえた情報を解決したいのです。もうしばらくの辛抱です。小学生も低学
年の内は、まだ聞きに来ますが、中学年になると、聞いてほしいと思っても来
ませんから、頑張ってください。
 
しかし、そのつど懇切丁寧に説明するのも考えものです。
 
時には、質問の内容を吟味して、ある程度はわかっていることであれば、
「あなたは、どう思うの?」
と切り返すのも大切ですね。
 
自分で知っている範囲を、考え、考え、話すはずです。これが素晴らしい学習
になっています。十分に理解できていないことを言葉で説明するのですから、
子ども達には、しんどいことになりがちです。時には、支離滅裂なことを言う
かもしれませんが、ここは我慢のしどころです。お子さんが何を聞きたいのか
は、聞いている内にわかります。
 
話が一通り終わったら、
「ケンちゃん、お母さんに聞きたいことって、こういうことなのかな?」
と、まとめてあげましょう。
質問をしているお子さんも、
「なんだ、そうなのか!」
と納得することで、言語の学習になっているのです。
 
言葉は、知っているだけでは役に立ちませんし、使わなければ生きてきません。
まとめてあげることで、わかっていないところを補足したことになるのです。
 
まだ、あります。
前にもお話しましたが、お母さんがまじめに話を聞いてあげると、お子さんは
人の話はきちんと聞かねばならないことを、ごく自然に学んでいるのです。子
どもにとって、親が真剣に話を聞いてくれるのは、本当にうれしく、これほど
快感を味わえるものはありません。
 
お母さんが、しつこく、
「きちんと話を聞きなさい!」
と言わなくても、話を聞く姿勢が自然と身につきます。「子は親の背を見て育
つ」と言われていますが、昔の人は無駄なことを言わないものです。いや、真
実だから語り継がれているのではないでしょうか。
 
前回、紹介しました「子どもが育つ魔法の言葉」にも、「子は親の背を見て育
つ」の外国版「子は親の鏡」があります。これは詩ですが、目次の役目も果た
し、それぞれ章を立て、詳しい説明があります。
 
      子は親の鏡
 けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる
 とげとげした家庭で育つと、子どもは、乱暴になる
 不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる
 「かわいそうな子だ」といって育てると、子どもは、みじめな気持ちになる
 子どもを馬鹿にすると、引っ込みじあんな子になる 
 親が他人を羨(うらや)んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる
 叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
 励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる
 広い心で接すれば、キレる子にはならない
 誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
 愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ
 認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
 見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる
 分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ
 親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを知る
 子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ
 やさしく、思いやりを持って育てれば、子どもは、やさしい子に育つ
 守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ
 和気あいあいとした家庭で育てば、
 子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる
    子どもが育つ魔法の言葉 ドロシー・ロー・ノルト 著
      PHP研究所 刊 (2003年9月17日 第1版1刷)
 
この本の推薦者の文に、「息子のビリーをダメにする4つの方法を思いついた。
『ビリーのことを決めつける。馬鹿にする。けなす。嘘をつく』。親は知らず
知らずの内に、ある時は自分の弱さから、ある時は自分を守るために、子ども
を傷つけてしまうことがあるのです」
 
本当に「育児は育自」ですね。
 
 
   (次回は「運動に関する問題」についてお話しましょう)

 

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