さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★

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    「めぇでる教育研究所」発行
さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
        第26号
  現年中児のお子さまをお持ちの方へ
小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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メリークリスマス。
お子さんにサンタさんからの素敵なプレゼントは届いたでしょうか。
 
 
★★入試問題を分析する★★
 
[一]入学試験の出題範囲
 
テストの形式は、わかりましたから、今回は問題の内容を紹介しましょう。そ
の前に、4歳や5歳児の心や身体は、どの程度、発達するのでしょうか。これ
は平成4年に改訂された「幼稚園指導要領」の解説に添付されていた資料で、
昭和23年3月に文部省から出された保育要領(幼児教育の手引き)の中で紹
介されたものです。
身体の成長は、現代っ子の方がまさっていますが、運動や知的能力、情緒の発
達や社会性などの発達の内容は、現代でも通用する幼児教育のバイブルともい
われているそうです。
こういった資料を見ると、学校側のねらいは、どの辺にあるか理解できると思
います。
 
★身体の運動的発達★
  [4 歳 児]
   1 スキップができる。
   2 片足立ちをしようとする。(少しの間ならできる)
   3 走り幅跳び、立ち幅跳びができる。
   4 ボールをじょうずに投げられる。 
   5 はさみで形の切り抜きができる。
   6 ひもを結ぶことができる。(固結び)
 
  [5 歳 児]
   1 片足立ちができる。
   2 小さい物を巧みに扱える。
   3 三角形を模写する。
   4 はしを巧みに使う。
 
★知的能力の発達★
  [4 歳 児]
   1 13まで正しく数える。
   2 重さの比較ができる。
   3 3つの数字の復唱ができる。
   4 3つの命令を正しく実行する。
   5 語彙数の増加が著しい。
   6 発音が正しくなり、赤ちゃんことばがなくなる。
   7 非常によく質問する。
   8 簡単な課題を解決する。
 
 [5 歳 児]
   1 求知心が強くなる。
   2 想像と現実との区別が十分につかないところが間々ある。
   3 1つのことを始める前に一定の計画を持っている。
   4 用途によって物の定義をする。
   5 手の指の数が正しく言える。
   6 右と左の区別ができる。
   7 成人との話が自由にできる。
   8 いろいろな貨幣の名前をいえる。
   9 昨日、今日、明日の区別ができる。
  10 具体的推理ができる。
 
運動テストやペーパーテストの内容を見ると、身体や知的な能力の発達を考慮
して、入学試験は行われていることがよくわかります。こういう標準的な発達
から逸脱しないばかりか、さらに生まれた月の差を考慮して試験を実施すると
発表している小学校もありますが、このデータを見ているとうなずけます。何
といっても、受験生は幼児だからです。
 
★情緒的発達★
  [4 歳 児]
   1 3歳児と同じようなことで泣きやすいが、だいぶ自制できるように
     なる。
   2 理由のない恐怖心(たとえば、暗やみに対する)が多い。
   3 かんしゃくは、ほとんど起こさなくなる。
   4 怒ったときの表情が次第に抑制されるようになってくる。
   5 小さい子供を可愛がることを喜ぶようになる。
   6 反抗期が終わり、大人の権威や命令に従うようになる。
 
  [5 歳 児]
   1 泣くことが非常に少なくなる。
   2 恐怖心が、やや 少なくなるのが普通である。
   3 怒り、かんしゃくは、ほとんど抑制される。
   4 感情や情緒は分化して、大人に見られる大部分の情緒が現われる。
    (例 はにかみ、恐れ、心配、怒り、しっと、うらやみ、失望、不快、
     いみきらい、親への愛情、小さい者への愛情、のぞみ、喜び、快い等) 
 
★社会的発達★
  [4 歳 児]
   1 自分で着物を着たり脱いだりする。
   2 排便のことは全部自分でできる。
   3 歯をみがく。
   4 顔を洗う。
   5 多人数の中にある自分というものを意識しはじめる。
   6 他の子供たちと協同的に遊びはじめるが、2人か3人グループが多い。
   7 簡単な遊戯の規則を守ることができる。
   8 ごっこ遊びが、最も盛んである。
 
  [5 歳 児]
   1 独立的で自信を持ち、従順になるので物事をまかせられる。
   2 小さい者をいたわる。
   3 自分の周囲の社会生活を遊びに取り入れる。
   4 2人ないし5人ぐらいのグループで協同的に遊べる。
   5 友達と遊ぶことを好む。
   6 自己主張をし、他人への依頼感を持ち社会的協同性を持つようになる。
 
いかがでしょうか。
親の手を借りずにできることが増え、一人の人間として、集団生活を送るため
に必要な能力の培われていく時期であることが、よくわかると思います。3歳
頃から始まっていた、親のもとを離れる準備が、完了する時期といえます。就
学前とは、小学校生活を送るにふさわしい能力を身につけ、自分の力で大地に
しっかりと足を踏張り、自力で立つ時です。
 
こんな大切な時に、過保護や過干渉な育児になり、さらに、知的な能力だけを
訓練して鍛えるのは、決して幼児にふさわしい受験準備ではありません。基本
的な生活習慣やあいさつなどをきちんと身につけさせ、子どもの感性に刺激を
与え、好奇心を引き出し、学習に意欲的に取り組める環境を作ってあげるのが、
幼児期にふさわしい受験準備であり、こういった意識を持つことが、小学校の
受験に取り組むご両親の、大切な心構えではないでしょうか。
 
よく練り上げられたカリキュラムをもとにした適切な指導は、決して過激で猛
烈な受験勉強ではなく、子どもたちが楽しく学習しながら、合格への道を歩む
パスポートであるはずなのです。お子さんは、教室へ行くことを楽しみにして
いますか。楽しみに通っているのであれば、心配ないでしょう。
 
「受験戦争の低年齢化!」「猛烈な準備に耐え、突破した子だけが合格する!」
などと言われることもあるようですが、これも怪情報、うわさの一つです。
お子さんが楽しんでいないようであれば、普段の生活を見直してみましょう。
ちなみに小学校受験は「お受験」とも言われますが、この言葉は1980年代
後半から起きたバブル経済全盛期の頃にできた言葉です。
 
さらに、2011年3月11日に起きた東日本大震災後、「安全な通学」も学
校選びに欠かせない条件になり、学校側も説明会で自然災害対策の話をするよ
うになりました。
 
東京にある私立小学校は54校。倍率の高い学校は、依然として入学の条件は
厳しく、それなりの準備は必要です。しかし、先程紹介したようなうわさを信
じて準備を始めると、親子で受験地獄に陥ることになりかねません。そのよう
なことを避けるために、入学試験では、どのような問題をやっているのかを紹
介しましょう。すると、いろいろな形で出題されているさまざまな領域の問題
は、幼児の日常生活と深いかかわりのあることがわかるからです。
 
 (次回は、「合否を判定する必須十項目」についてお話しましょう)

 

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