さわやかお受験のススメ<小学校受験編>★★入試問題を分析する★★[10]社会性に関する問題
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「めぇでる教育研究所」発行
2021さわやかお受験のススメ<小学校受験編>
第43号
年長児のお子さまをお持ちの小学校受験をお考えの皆様を応援します!!
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◆説明会情報
立教女学院小学校 入試説明会
日時 2020年6月19日(土) 8:30~12:00
場所 聖マリア礼拝堂
予約不要 対象 受験生保護者のみ
8時30分前に校内にいることを勧めします。素晴らしい光景
に出会うからです。
昨年は第1回5月11日(土)でしたが、今年は中止。
東洋英和女学院小学部 学校説明会
説明会の予定は未定。
試験日は2020年11月3日(火・祝日)
青山学院初等部 学校説明会
説明会 第1回 5月は中止 第2回も未定。
恒例のオープンスクールは中止
国府台女子学院小学部 第1回学校見学会 5月20日(水) 中止
第1回学校説明会 5月23日(土) 中止
第2回以降の開催については、イベント一覧を
ご覧下さい。予約受け付け中。
千葉日本大学第一小学校 第1回説明会 中止
今年は新型コロナウイルスの影響で例年と違った形になるようです。詳しくは、
ホームページを御覧になり、しっかりと情報を確認しておきましょう。
★★入試問題を分析する★★
[10] 社会性に関する問題
5、6名のグループで遊び、その様子から社会性、協調性といった集団生活へ
の適応力を評価する問題です。ごっこ遊び、絵画や制作など、いろいろな形で
行われますが、かつて出題された「電車ごっこ」を取り上げ、どういった形で
展開し採点されるか分析してみましょう。
★[電車ごっこ]
「今から、電車ごっこをして遊びます。この遊びには、運転手さん、車掌さん、
駅長さんに、お客さんが必要ですね。最初に、誰が、どの役をするのかを、み
んなで相談して決めてください。そして、どうやって遊べば楽しいか、話し合
って決めましょう。電車は、このロープを輪にしたものを使います。相談がで
きたグループから、代表を決めてロープを取りにきてください。わかりました
か。では、始めてください」
こういった説明を聞き、相談をして、電車ごっこを始めます。
ごっこ遊びは、幼稚園や保育園などでやっている遊びですから、遊びそのもの
には問題ありませんが、何といっても集まったメンバーは、今日が初めてのご
対面です。これが問題ですね。名前、幼稚園(保育園)名、家族構成、性格、
趣味、得意な遊びなど、データなしの遊びとなります。全員同じ条件ですが、
普段からリーダーシップをとっている子ども達は、やりますね。
「運転手と車掌、駅長さんは、一人ずつだから、順番に代ったらいいと思いま
す」
「その順番だけど、ゼッケンの番号順はどうですか」
「背の高さ順でも、いいじゃない?」と背の高い子がいうかもしれません。体
の特徴を武器にしていますね。
「(ぼくは、背が低いからお客になってしまう。そうは、させないぞ!)ジャ
ンケンが、いいな。勝ち負けで、決めるから、いいと思います!」
こう思っているかどうかはわかりませんが、自分の考えを言える子、いいです
ね。
こうなれば、意見はドンドンと出ます。殊勲賞は口火を切った子ですが、この
グループは早くまとまります。
「最初にいった君が、代表でロープもらってきたら!」
「賛成!」
こういけば理想的です。
黙ったまま、まったく進まないグループ、積極性に欠ける子ども達が、集まる
場合もあるそうです。
「…………」
「……」
これでは採点できませんから先生は盛んに促しますが、反応はありません。
何も言いませんから、参加意欲、発言内容、行動力、全部なし、社会性、協調
性は[0]になります。偶然の組み合わせとはいえ、惨めな結果になってしま
います。
「ぼくは、運転手しかやりたくない!」
こんな無茶をいう子もいるそうです。古い言葉ですが、乳母日傘(おんばひがさ)
型ですね。こういう子ばかりでは、収拾がつかなくなります。乳母日傘型とは、
「乳母をつけ、日傘をさしかける、というように子どもを大事に育てること」
で、過ぎると過保護になる育児のことです。
「私、決まったものなら何でもいいの!」
こういう女の子もいるそうです。一見よさそうですが、あなた任せで積極性に
欠けるのではないでしょうか。
こういう子もいるようです。ジャンケンで決めることになり、ジャンケンをし
て負けると、「ジャンケンは止めて、他のやり方がいいな!」などと平気でル
ールを破る子、自己中心型です。おそらくお母さんは、KYJTママ(空気読めな
い自己中ママ)でしょう。
いろいろと見せてくれるそうです。小学校側としては、グループ活動を盛り上
げるために積極的に参加する意欲、相談する様子や発言の頻度、内容、ルール
を守って遊ぶ様子などから、社会性や協調性を評価しますが、これもご両親の
育児の結果ではないでしょうか。過保護な環境ではわがままなお山の大将に、
過干渉な環境では消極的に、自立心が弱ければ、あなた任せになりがちです。
これについては、以前にもお話ししましたが、幼稚園や保育園の先生に聞いて
みることです。
「うちの子、園での様子はどうですか?」
「そうですね、どちらかといえば、集団生活への適応力に、少々問題がありま
すね」
この場合の「少々」は、「ものすごく問題あり」と考えて、育児の姿勢や子ど
もを取り巻く環境に、何か問題点はないか、チェックが必要です。社会性、協
調性といった集団生活への適応力は、6歳頃までに身につくと言われています。
義務教育が始まる時期と、一致しているわけです。
「少し、内気なところもあるようです」
こういった答えがある場合は、お母さんは構い過ぎているはずですから、過干
渉の鎖を切ってあげましょう。
「元気すぎる時も、ありますね」
この場合は、わがままで、チームワークを乱しているかもしれませんから、何
事も思うようにならないことを、お父さんがしっかりと教えておきましょう。
子どもは遊ばせると、育てられた環境がわかるものです。
ペーパーテストではわかりにくいことですが、遊びや行動観察のテストで、子
ども自身が親の育児の姿勢をきちんと見せてくれます。子ども達は、演技など
できませんから普段の姿が表れるのです。
ところで、こういったテスト中にもめごとが起こりやすいようです。
もちろん、行動観察が中心になっている慶應義塾幼稚舎のように、試験に先立
ち、「走らない・前の人を抜かさない・うるさくしない」と注意しますが、テン
ションの上がってしまう子ども達もいますから、ちょっとしたことでいさかい
が起きるようです。
そんな時どうしたらいいのでしょうか。
女の子は毅然として原因を指摘するそうですが、男の子は案外、腰砕けになる
話をよく耳にします。
「どうしたのですか!」と聞かれた時に状況を説明できれば、先生方も適切に対
処してくれますが、口ごもり、まごまごしていると、そのままになる場合もあ
るようです。
制限時間内の試験で、先生方も進行状況には、神経を使っているはずだからで
す。
やはり過保護、過干渉の環境では、うまく対応できないのではないでしょうか。
自分が悪くなければ先生にきちんと伝える、行動観察型のテストでは、こうい
ったことも大切です。
普段から幼い子ども達は、おかれた状況のもとで、いろいろなことを考えてい
るのですから、それを言葉で表す機会をたくさん作ってあげることも大切では
ないでしょうか。「対話」です。
話し過ぎのお母さん方は、よい聞き手になってあげましょう。
最後に、歌い、踊る試験もあります。
幼稚園や保育園で楽しそうに歌い踊る子ども達は、間違いなくお母さん方が、
子ども達と一緒に楽しく歌い、踊っています。ですから、初めての場所で、知
らない友達や先生の前でもできるのです。なぜなら、子ども達の小さな胸の中
には、お母さんと歌い、踊った楽しい思い出が、いっぱい残されているからで
す。知識だけ詰め込まれた子ども達は、こういったことが苦手でもあるようで
すね。「話す・歌う・踊る・描く」は、子ども達の大切な表現手段であることを、
忘れてはいけないと思います。学校側の出題する意図は、ここにあるからです。
平成21年、立教小学校は、テスターのピアノの伴奏に合わせて、身体表現の
試験をしました。翌22年は、ピアノの伴奏に合わせて「森のクマさん」を歌
い、NHKの人気アニメ「忍たま乱太郎」の主題歌「勇気100%」の曲に合わせて
リズム体操をしました。1回目はテスターのまねをする模倣体操で、2回目は
自分の好きなように体を動かしました。23年は、たき火の歌に合わせて歌い
ながら踊る、日本昔話のエンデイング曲の「いいな、いいな」で自由にダンス
をする課題でした。24年は「線路は続くよ、どこまでも」の曲に合わせてダ
ンスを、25年は「ドレミの歌」を歌い、「散歩」の曲に合わせてダンスをし
ました。
その後も続き、29年は、先生のピアノに合わせ「とんでったバナナ」をみん
なで歌い、「スズメがサンバ」の音楽に合わせ踊りました。
表現できることから積極的に挑戦する意欲や好奇心が、みんなで楽しく歌い踊
ることから協調性などが、間違いなく育まれている証であり、学校側の狙いも、
ここにあるのです。
運動会には、親子でダンスをする種目がありますが、お子さんの様子はいかが
ですか。
内気で、はにかみ屋である男の子は、苦手ではないでしょうか。
お母さん方が、楽しく相手をしてあげることで、シャイの鎖を断ち切ってあげ
ることもできます。
社会性や協調性といった集団生活への適応力を育む場が、幼稚園であり保育園
です。
家庭のあたたかい環境で育てられた子ども達が、初めて集団生活の訓練を受け
る教場です。
幼稚園へ通うことは法律で決められてはいませんが、何事もマイペースでは、
教育は成り立ちません。
国府台女子学院の平田史郎学院長は、説明会で「訓練されていない個性は野性
である」とおっしゃっていましたが、教育の第一歩は共に生きる、共生を学ぶ
ことから始まりますから、訓練されていない個性では、困るのは子ども自身で
す。社会性の問題の目的は、どこにあるかご理解いただけたのではないでしょ
うか。
ところで、一昨年の4月に行われた、小笠原流礼法、縦割り活動の明和班、食
道(じきどう)での全校生会食などユニークな教育を実践している聖徳大学附
属小学校の幼児教室対象学校説明会に参加した時の話ですが、吹奏楽クラブ児
童のミニ演奏がありました。「本人のやる気を育てる教育がいかに大切である
か」がわかる演奏を聴くことができ感激。フルート2本、クラリネット1本、
アルトサックス2本、ホルン1本の編成。指揮者なし、譜面なし、体でリズム
を取らずに演奏しましたが、これは曲を完璧に理解し、記憶し、リズムとハー
モニーをきちん表現できなければ不可能なこと。指揮者がいても、足や体でリ
ズムを取らなければ不安なものですが、お見事の一言。音楽の主任先生は「教
え込んでできることではない。子ども達の自発性が決め手」とおっしゃってい
ましたが、本当に音楽が好きで、楽器が好きで、惚れ込んでいなければ、あの
ような演奏はできません。私も少しジャズをかじっていましたので、子ども達
の取り組む意欲が痛いほどわかりました。世界的に有名なヴァイオリンの鈴木
メソッド、興味を示すまでは楽器を与えないと同じではないでしょうか。本校
のホームページで、「音楽がもっと好きになる音楽教育法」を見て、附属の高
等学校に音楽科があるとはいえ、「これは音楽学校でやる練習では」とびっく
り。何ごともそうですが、やはり「本人のやる気、意欲」を育てることが、教
育の原点ではないかを実感できました。(感謝)
次回は、「学校説明会について」お話しましょう。